JP2000082492A - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
どの電池特性に優れたリチウム二次電池を提供するもの
である。 【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている非水
電解液において、該非水電解液中に下記式(I) 【化1】 で表されるビニレンサルフェートが含有されていること
を特徴とするリチウム二次電池用電解液、およびそれを
用いたリチウム二次電池。
Description
性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチ
ウム二次電池を提供することができる新規なリチウム二
次電池用非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次
電池に関する。
などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム
二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成
されており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸
化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極とし
たリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、
そのリチウム二次電池用の非水電解液としては、エチレ
ンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)などのカーボネート類が好適に使用されている。
サイクル特性および電気容量などの電池特性について、
さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
負極として例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの高結晶化し
た炭素材料を用いたリチウム二次電池は、炭素材料の剥
離が観察され、現象の程度によっては電気容量やサイク
ル特性が低下するという問題点があった。この炭素材料
の剥離は、電解液中の非水溶媒が充電時に分解すること
により起こるものではないかと考えられ、この剥離をも
たらす非水溶媒の分解は、炭素材料と電解液との界面に
おける非水溶媒の電気化学的還元に起因するものと考え
られている。中でも、融点が低くて誘電率の高いPCは
低温においても高い電気伝導を有するが、黒鉛負極を用
いる場合にはPCの分解が起って、リチウム二次電池用
には使用できないという問題点があった。また、ECも
充放電を繰り返す間に一部分解が起こり、電池性能の低
下が起こる。このため、電池のサイクル特性および電気
容量などの電池特性は必ずしも満足なものではないのが
現状である。
用非水電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特
性に優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性など
の電池特性にも優れたリチウム二次電池を構成すること
ができるリチウム二次電池用の非水電解液、およびそれ
を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とす
る。
解質が溶解されている非水電解液において、該非水電解
液中に下記式(I)
を特徴とする非水電解液に関する。
媒に電解質が溶解されている非水電解液からなるリチウ
ム二次電池において、該非水電解液中に下記式(I)
を特徴とするリチウム二次電池に関する。
の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水
電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来
使用されている種々の構成部材を使用できる。
含有されるビニレンサルフェートは、炭素材料表面での
不働態皮膜形成に寄与し、天然黒鉛や人造黒鉛などの活
性で高結晶化した炭素材料を不働態皮膜で被覆し、電池
の正常な反応を損なうことなく非水電解液の分解を抑制
する効果を有するものと考えられる。非水電解液中に含
有される前記式(I)で表されるビニレンサルフェート
の含有量は、過度に多いと非水電解液の電導度などが変
わり電池性能が低下することがあり、また、過度に少な
いと十分な皮膜が形成されず、期待した電池特性が得ら
れないので、非水電解液の重量に対して0.01〜50
重量%、特に0.1〜20重量%の範囲が好ましい。
誘電率溶媒と低粘度溶媒とからなるものが好ましい。高
誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート
(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレン
カーボネート(BC)などの環状カーボネート類が好適
に挙げられる。これらの高誘電率溶媒は、一種類で使用
してもよく、また二種類以上組み合わせて使用してもよ
い。
ーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(M
EC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カ
ーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブト
キシエタンなどのエーテル類、γ−ブチロラクトンなど
のラクトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロ
ピオン酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類が挙げられる。これらの低粘度溶媒は
一種類で使用してもよく、また二種類以上組み合わせて
使用してもよい。高誘電率溶媒と低粘度溶媒とはそれぞ
れ任意に選択され組み合わせて使用される。なお、前記
の高誘電率溶媒および低粘度溶媒は、容量比(高誘電率
溶媒:低粘度溶媒)で通常1:9〜4:1、好ましくは
1:4〜7:3の割合で使用される。
ば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiN
(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC
(SO2CF3)3などが挙げられる。これらの電解質
は、一種類で使用してもよく、二種類以上組み合わせて
使用してもよい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通
常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で
溶解されて使用される。
誘電率溶媒や低粘度溶媒を混合し、これに前記の電解質
を溶解し、前記式(I)で表されるビニレンサルフェー
トを溶解することにより得られる。
ンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからな
る群より選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムと
の複合金属酸化物が使用される。このような複合金属酸
化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、
LiNiO2などが挙げられる。
ラック、カーボンブラックなどの導電剤、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤および溶剤と混練して正極合
剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウ
ム箔やステンレス製のラス板に塗布して、乾燥、加圧成
型後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下
で加熱処理することにより作製される。
ウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛型結
晶構造を有する炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、
グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分
子化合物燃焼体、炭素繊維〕や複合スズ酸化物などの物
質が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d
002)が3.35〜3.40ナ(オングストローム)であ
る黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好
ましい。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプ
ロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤と混練して負極合剤として使
用される。
ものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレ
ータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極および
ロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池な
どが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては
公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが
使用される。
を具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定する
ものではない。 実施例1 〔非水電解液の調製〕PC:DMC(容量比)=1:2
の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度に
なるように溶解して非水電解液を調製した後、さらにビ
ニレンサルフェートを非水電解液に対して2.0重量%
となるように加えた。
の測定〕LiCoO2(正極活物質)を80重量%、ア
セチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化
ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、こ
れに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合した
ものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加
熱処理して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を
90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重
量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリド
ン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、
加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリ
プロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記
の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、
厚さ3.2mm)を作製した。
下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2
Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定電流下、終止
電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初
期充放電容量は、EC−DMC(1/2)を非水電解液
として用いた場合(比較例2)とほぼ同等であり、50
サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量
を100%としたときの放電容量維持率は87.1%で
あった。また、低温特性も良好であった。コイン電池の
作製条件および電池特性を表1に示す。
して0.3重量%使用したほかは実施例1と同様に非水
電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後
の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は84.
0%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を
表1に示す。
して8.0重量%使用したほかは実施例1と同様に非水
電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後
の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は85.
7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を
表1に示す。
これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。
このときビニレンサルフェートは全く添加しなかった。
この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池
を作製し、電池特性を測定したところ、初回充電時にP
Cの分解が起こり全く放電できなかった。初回充電後の
電池を解体して観察した結果、黒鉛負極に剥離が認めら
れた。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非
水電解液を調整した後、さらにビニレンサルフェートを
非水電解液に対して2.0重量%となるように加えた。
この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池
を作製し、電池特性を測定したところ、初期放電容量は
EC−DMC(容量比1/2)のみを非水電解液として
用いた場合(比較例2)とほぼ同等であり、50サイク
ル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を10
0%としたときの放電容量維持率は91.8%であっ
た。また、低温特性も良好であった。コイン電池の作製
条件および電池特性を表1に示す。
たほかは実施例4と同様に非水電解液を調製してコイン
電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したと
ころ、放電容量維持率は90.6%であった。コイン電
池の作製条件および電池特性を表1に示す。
を使用し、添加剤として、ビニレンサルフェートを非水
電解液に対して3.0重量%使用したほかは実施例4と
同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50
サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持
率は92.1%であった。コイン電池の作製条件および
電池特性を表1に示す。
これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。
このときビニレンサルフェートは全く添加しなかった。
この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池
を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、
50サイクル後の放電容量維持率は83.8%であっ
た。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
ず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせ
が可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは
限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン
電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の
電池にも適用される。
電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム二
次電池を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 非水溶媒に電解質が溶解されている非水
電解液において、該非水電解液中に下記式(I) 【化1】 で表されるビニレンサルフェートが含有されていること
を特徴とする非水電解液。 - 【請求項2】 正極、負極および非水溶媒に電解質が溶
解されている非水電解液からなるリチウム二次電池にお
いて、該非水電解液中に下記式(I) 【化2】 で表されるビニレンサルフェートが含有されていること
を特徴とするリチウム二次電池。
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JP24897498A JP4016497B2 (ja) | 1998-09-03 | 1998-09-03 | 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
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-
1998
- 1998-09-03 JP JP24897498A patent/JP4016497B2/ja not_active Expired - Fee Related
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