JPH11512108A - 鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体 - Google Patents

鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体

Info

Publication number
JPH11512108A
JPH11512108A JP9510854A JP51085497A JPH11512108A JP H11512108 A JPH11512108 A JP H11512108A JP 9510854 A JP9510854 A JP 9510854A JP 51085497 A JP51085497 A JP 51085497A JP H11512108 A JPH11512108 A JP H11512108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
dichlorophenyl
diamino
acid addition
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP9510854A
Other languages
English (en)
Inventor
ノッブズ,マルコム,スチュアート
ロジャーズ,サンドラ,ジェーン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glaxo Group Ltd
Original Assignee
Glaxo Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glaxo Group Ltd filed Critical Glaxo Group Ltd
Publication of JPH11512108A publication Critical patent/JPH11512108A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/46Two or more oxygen, sulphur or nitrogen atoms
    • C07D239/48Two nitrogen atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 式(I)のピリミジンおよびその薬学的に許容される酸付加塩は、鎮痛薬として、抗てんかん薬として、あるいは過敏性腸症候群または二極性疾患の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体 本発明は、ピリミジン化合物、その製造、それを含有する医薬配合物、および その治療における使用に関する。 EP−A−21121には、中枢神経系(CNS)障害の治療、例えばてんか んの治療に活性な3,5−ジアミノ−6−(置換フェニル)−1,2,4−トリ アジンが記載されている。そのようなトリアジンの1つは、ラモトリジンとも呼 ばれる3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−ト リアジンである。 EP−0372934−Aには、CNS障害の治療に有用なピリミジン化合物 が記載されている。EP−0372934−Aの実施例18には、2,4−ジア ミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンが記 載されている。 本発明は、式(I): のピリミジンおよびその酸付加塩を提供するものである。 式(I)のピリミジンはR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロ ロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンである。これは相当するS(+) 光学的対掌体であるS(+)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェ ニル)−6−フルオロメチルピリミジンを実質的に含まない。S(+)光学的対 掌体は式(II): を有する。 本発明のR(−)光学的対掌体は、ラモトリジンよりも望ましい性質を有する : これはジヒドロフォーレートレダクターゼ(DHFR)に対してそれほど活性で はなく、鎮痛および抗痙攣試験においてより活性である。これはまたS(+)光 学的対掌体よりも望ましい性質を有する。従って: − R(−)光学的対掌体は、S(+)光学的対掌体よりも良好な薬物速度論 的特徴を有し、例えばこれはそれほど速く代謝されず、従って、半減期(作用時 間)がより長く; − R(−)光学的対掌体は、S(+)光学的対掌体よりもすぐれた鎮痛活性 を示し; − R(−)光学的対掌体は、S(+)光学的対掌体よりもすぐれた抗痙攣活 性を示し;そして − R(−)光学的対掌体は、S(+)光学的対掌体よりもDHFRに対して それぼど活性ではない。 R(−)光学的対掌体がS(+)光学的対掌体よりもこれらの点のすべてにお いて良好であることは驚くべきことである。R(−)光学的対掌体は実質的に純 粋な形で提供することができる。従って、R(−)光学的対掌体:S(+)光学 的対掌体の比は少なくとも94:6、例えば少なくとも98:2または少なくと も99:1である。R(−)光学的対掌体は少なくとも99.5%の異性体的に 純粋な形で提供するのが好ましい。 R(−)光学的対掌体およびその酸付加塩は、 (i) ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジンを適当なキラル酸で分割し、得られた塩を再結晶してR( −)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメ チルピリミジンとの塩のみから実質的になる塩を得ること;並びに (ii) 所望ならば、再結晶塩を遊離塩基または必要に応じて別の酸付加塩に変 換すること を含む第1の方法により本発明に従って製造しうる。 分割工程(i)は、適当な溶媒中、適当なキラル酸で行われる。酸は(−)−ジ ベンゾイル−L−酒石酸であるのが好ましい。他の適当な酸は試験を行うことに よって決定しうる。溶媒はエタノールであるのが好ましい。あるいは、やはり、 他の適当な溶媒を試験によって決定してもよい。 得られる塩は、単離しうるが、主にR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2, 3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンとの塩からなる。S( +)光学的対掌体との塩は少量部存在しうる。R(−)光学的対掌体との塩の割 合は、工程(i)の再結晶を1回以上、例えば2または3回行うことによって高 めることができる。 この後、分割の結果として得られた結晶質塩をそのための溶媒に溶解しうる。 これは温めることによって行いうる。塩は、得られる溶液から再結晶させる。こ れは、溶液を冷却することによって行いうる。溶媒はエタノールでもよい。従っ て、R(−)光学的対掌体との塩の割合は、実質的に純粋となるまで、すなわち 、実質的にR(−)光学的対掌体との塩のみとなるまで、高めることができる。 分割工程からの母液および再結晶工程からの母液は、S(−)光学的対掌体に 富む。1つ以上のこれらの母液またはプールされた液を水酸化ナトリウムのよう な塩基で処理すると、残留キラル酸が除かれ、これによって遊離塩基が得られる 。得られた遊離塩基は乾燥させうる。 次に、S(−)光学的対掌体に富む遊離塩基をラセミ化合物に換えることがで きる。これは、トルエンのような溶媒中で、例えば12〜48時間、加熱還流す ることによって行いうる。このようにして得たラセミ化合物を次に本方法の工程 (i)に再循環させることができる。収率はこのようにして高めることができる 。 工程(i)で得られる塩は、分割のために用いられたキラル酸の塩およびS(− )光学的対掌体を実質的に含まないR(−)光学的対掌体の塩である。この塩は 、本方法の工程(ii)に従って遊離塩基または別の酸付加塩に換えることができる 。キラル酸およびR(−)光学的対掌体の塩は溶液中で水酸化ナトリウムのよう な塩基で処理すると、遊離塩基を得ることができる。遊離塩基はそれ自体をその 後、その酸付加塩に換えることができる。 工程(ii)で形成しうる適当な酸付加塩には、有機または無機酸で形成されるも のがある。そのような酸付加塩は通常、薬学的に許容される。従って、適した塩 には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸 、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、オキサル酢酸、メタンスルホン酸、 エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびイセチ オン酸で形成されるものが含まれる。 これらの塩は、遊離塩基を適切な酸と反応させることによって製造することが できる。好ましい塩は、ヒドロクロリド、スルフェート、ホスフェート、メタン スルホネートおよびイセチオネート塩である。ヒドロクロリドおよびメタンスル ホネート塩は静脈内投与に特に適している。 R(−)光学的対掌体およびその酸付加塩は、あるいは、 (a) ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒ ドロキシメチルピリミジンを適当なキラル酸で分割し、得られた塩を再結晶して (−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキ シメチルピリミジンとの塩のみから実質的になる塩を得ること; (b) 所望ならば、再結晶塩を遊離塩基または別の塩に変換すること; (c) 工程(a)からの再結晶塩または工程(b)からの遊離塩基もしくは別 の塩を、(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6− ヒドロキシメチルピリミジンまたは得られる(R)−2,4−ジアミノ−5−( 2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンのラセミ化が生じ ない条件下でフッ素化すること;並びに (d) 所望ならば、得られるフッ素化化合物を遊離塩基にまたは必要に応じて その酸付加塩に変換すること を含む第2の方法による本発明に従って製造することができる。 分割工程(a)は、適当な溶媒中、適当なキラル酸で行われる。酸は(+)− ジ−p−トルオイル−D−酒石酸であるのが好ましい。他の適当な酸は試験を行 うことによって決定しうる。溶媒はエタノールであるのが好ましい。あるいは、 やはり、他の適当な溶媒を試験によって決定してもよい。 得られる塩は、単離しうるが、主に(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3 −ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジンとの塩からなる。(+ )光学的対掌体との塩は少量部存在しうる。(−)光学的対掌体との塩の割合は 、工程(a)の再結晶工程を1回以上、例えば2または3回行うことによって高 め ることができる。 分割の結果として得られた結晶質塩は、従ってそのための溶媒に溶解しうる。 これは温めることによって行いうる。塩は得られる溶液から再結晶させる。これ は、溶液を冷却することによって行いうる。溶媒はエタノールでもよい。従って 、(−)光学的対掌体との塩の割合は、実質的に純粋となるまで、すなわち、実 質的に(−)光学的対掌体との塩のみとなるまで、高めることができる。 分割工程からの母液および再結晶工程からの母液は、(+)光学的対掌体に富 む。1つ以上のこれらの母液またはプールされた液を水酸化ナトリウムのような 塩基で処理すると、残留キラル酸が除かれ、これによって遊離塩基が得られる。 得られた遊離塩基は乾燥させうる。 次に、S(+)光学的対掌体に富む遊離塩基をラセミ化合物に換えることがで きる。これは、トルエンのような溶媒中で、例えば12〜48時間、加熱還流す ることによって行いうる。このようにして得たラセミ化合物を次に本方法の工程 (a)に再循環させることができる。(−)光学的対掌体の収率はこのようにし て高めることができる。 これらの手順の結果得られる塩は、分割のために用いられたキラル酸、および 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチル ピリミジンの(−)光学的対掌体の塩である。(−)光学的対掌体は式(III) : を有する。(+)光学的対掌体は式(IV): を有する。キラル酸の塩、および(+)光学的対掌体を実質的に含まない(−) 光学的対掌体の塩は、本方法の工程(b)に従って遊離塩基または別の塩に換え ることができる。従って、キラル酸塩を溶液中で水酸化ナトリウムのような塩基 で処理すると、遊離塩基を得ることができる。 (−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロ キシメチルピリミジンのフッ素化は工程(c)で行われる。(−)光学的対掌体 は塩の形でまたは遊離塩基として存在しうる。どちらの場合も、(−)光学的対 掌体は(+)光学的対掌体を実質的に含まない。従って、実質的にR(−)−2 ,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリ ミジンのみが生じる。 フッ素化は6−ヒドロキシメチルおよび6−フルオロメチル(−)光学的対掌 体のラセミ化が生じない条件下で行う。従って、温度は80℃未満、例えば50 ℃未満にすべきである。フッ素化は、例えば、(−)−2,4−ジアミノ−5− (2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジンと三フッ化ジ エチルアミノ硫黄(DAST)との反応によって行いうる。これはジクロロメタ ン中、−78℃で行いうる。次に、溶液を−10℃に4.5時間温めながら撹拌 して、(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フ ルオロメチルピリミジンを得る。 必要ならば、得られるフッ素化化合物は遊離塩基にまたはその酸付加塩に換え うる。適した酸付加塩は上に記した。これらの塩は、遊離塩基の形のR(−)光 学的対掌体を適切な酸で処理することによって製造しうる。 本発明の第一の方法は、ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフ ェニル)−6−フルオロメチルピリミジンから出発する。これは次の2つの方法 で製造することができる:方法1 2,3−ジクロロベンズアルデヒドを硼水素化ナトリウムを用い、例えばトル エン/メタノール混合物中で完全に還元する。過剰の硼水素化物が分解したら、 得られた2,3−ジクロロベンジルアルコールの懸濁液を塩化メタンスルホニル で処理してメタンスルホネートを得、これを相転移触媒の存在下、水性シアン化 カリウムを用いて2,3−ジクロロフェニルアセトニトリルに直接変換する。 メタノール中のナトリウムメトキシドの存在下での2,3−ジクロロフェニル アセトニトリルとフルオロ酢酸エチルとのクライゼンタイプ縮合でナトリウムエ ノラートが得られる。pHを調節すると、粗製2−(2,3−ジクロロフェニル )−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ブテンニトリルが得られる。 2−(2,3−ジクロロフェニル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ブ テンニトリルのアルキル化を、炭酸カリウムの存在下、ジメチルホルムアミド中 のヨウ化エチルを用いて適宜行うと、粗製2−(2,3−ジクロロフェニル)− 3−エトキシ−4−フルオロ−2−ブテンニトリルが得られる。 2−(2,3−ジクロロフェニル)−3−エトキシ−4−フルオロ−2−ブテ ンニトリルの塩酸グアニジンとのカップリングをナトリウムメトキシドの存在下 、メタノール中で行うと、ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフ ェニル)−6−フルオロメチルピリミジンが得られる。方法2 2,3−ジクロロベンズアルデヒドを、メタノール中の硼水素化ナトリウムの アルカリ性溶液を用い、完全に還元して、2,3−ジクロロベンジルアルコール を得る。 2,3−ジクロロベンジルアルコールをトルエン中、塩化メタンスルホニルで 処理して、メタンスルホネートを得、これを相転移触媒の存在下、水性シアン化 カリウムを用いて、2,3−ジクロロフェニルアセトニトリルに直接変換する。 ジメトキシエタン中、カリウムt−ブトキシドの存在下での2,3−ジクロロ フェニルアセトニトリルとジエトキシ酢酸エチルとのクライゼンタイプ縮合で、 カリウムエノラートが得られる。カリウムエノラートのアルキル化をヨウ化エチ ルを用いて行うと、粗製2−(2,3−ジクロロフェニル)−3,4,4−トリ エトキシ−ブト−2-エンニトリルが得られる。 2−(2,3−ジクロロフェニル)−3,4,4−トリエトキシ−ブト−2− エンニトリルの塩酸グアニジンとのカップリングをナトリウムエトキシドの存在 下、エタノール中で行うと、2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニ ル)−6−ジエトキシメチルピリミジンが得られる。 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ジエトキシメチ ルピリミジンを水性塩酸中、90℃で加水分解し、冷却および中和すると、2, 4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ホルミルピリミジンが 得られる。 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ホルミルピリミ ジンをエタノール中で硼水素化ナトリウム還元を行うと、ラセミ2,4−ジアミ ノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジンが得 られる。 ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキ シメチルピリミジンのフッ素化は、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を 用いて行うことができる。これをジクロロメタン中、初めは−78℃で、次いで 、−10℃に4.5時間温めることによって行うと、ラセミ2,4−ジアミノ− 5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンが得られる 。 本発明の第二の方法は、ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフ ェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジンから出発する。これは方法2に記載 のように製造することができる。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩は鎮痛薬として有用 である。従って、これらは痛みの治療にまたは痛みを止めるのに有用である。こ れらは痛みに苦しんでいるホスト、一般には人の状態の改善に用いうる。これら はホストの痛みを軽くするのに用いうる。従って、式(I)の化合物およびその 薬学的に許容される酸付加塩は、術後の痛みのための先制鎮痛薬として;急性の 痛み、例えば抜歯後の痛みのような術後の痛みの治療に;および慢性の痛み、例 えば慢性の炎症性の痛み、ニューロパシーの痛みおよび癌の痛みの治療に用いう る。ここに記載のニューロパシーの痛みには、例えばエイズニューロパシー、ポ ストヘルペス性ニューロパシー、糖尿病性ニューロパシーおよび三叉神経痛が含 まれる。式(I)の化合物は片頭痛に伴う痛みの治療および予防にも用いうる。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩はさらに、非潰瘍性 消化不良、非心臓性の胸の痛み、特に過敏性腸症候群を含めた機能性腸疾患の治 療に有用である。過敏性腸症候群は、器官疾患の形跡のない腹痛および様々な腸 習慣を特徴とする胃腸疾患である。式(I)の化合物またはその塩は従って、過 敏性腸症候群に伴う痛みを軽減するのに用いうる。過敏性腸症候群患者の状態は 従って改善される。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩はまた、抗痙攣薬と しても有用である。従って、これらはてんかんの治療に有用である。これらを使 用して、てんかんのホスト、一般には人の状態を改善しうる。これらを用いて、 ホストのてんかん症状を軽減しうる。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩はさらに、躁うつ病 としても知られる二極性疾患の治療にも有用である。タイプIまたはIIの二極性 疾患を治療しうる。式(I)の化合物およびその塩は、従って、二極性疾患の患 者(人)の状態を改善するのに用いうる。これらを使用して、ホストの二極性疾 患の症状を軽減しうる。式(I)の化合物はまた、一極性うつ病の治療にも使用 しうる。 さらに、式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩はまた、依 存症誘導薬剤における依存症の予防または軽減、あるいは依存症誘導薬剤に対す る耐性もしくは逆転耐性の予防または軽減にも有用である。依存症誘導薬剤の例 は、オピオド(例えば、モルフィネ)、CNS抑制薬(例えば、エタノール)、 精神刺激薬(例えば、コカイン)およびニコチンである。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩はまた、神経変性疾 患、例えばアルツハイマー病、ALS、運動神経疾患、特にパーキンソン病の治 療にも有用である。式(I)の化合物は、発作、外傷性脳損傷後の神経変性の治 療にも有用である。 従って、本発明はさらに、式(I)の化合物の、実質的に上記のような疾患の 治療用薬剤製造における使用を提供するものである。本発明はさらに、治療に有 効な量の式(I)の化合物を患者に投与することを含む、実質的に上記のような 疾患にかかったまたはかかり易い患者の治療法を含む。 ホスト、特に人の患者に投与する式(I)の化合物またはその塩の正確な量は 、担当医が責任をもって決定する。しかしながら、使用投与量は患者の年令およ び性別、治療される正確な状態およびその重症度、並びに投与経路を含めた多く の要因によって変わる。 式(I)の化合物およびその塩は、遊離塩基として計算して、0.1〜30mg /kg体重/日の投与量で投与しうる。成人の投与量は、遊離塩基として計算して 、一般に8〜2400mg/日、好ましくは35〜1050mg/日である。 式(I)の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を、原料のままの化 学物質として投与することは可能であるが、医薬配合物として提供するのが好ま しい。本発明の配合物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される酸付 加塩と、1種以上のその許容される担体または希釈剤、および任意に他の治療用 成分とを含む。担体は、配合物の他の成分と適合性であり、そしてその受容者に 悪影響を及ぼさないという意味で、”許容される”ものでなければならない。 配合物には、経口、非経口(筋肉内、皮下、鞘内、筋肉内および静脈内を含む )、直腸および局所(皮膚、口内および舌下を含む)に適したものが含まれるが 、最も適したルートは、例えば受容者の状態および疾患によって決められる。配 合物は、単位投薬形態で提供すると好都合であり、薬剤分野で周知のどのような 方法によっも製造しうる。いずれの方法も、式(I)の化合物またはその薬学的 に許容される酸付加塩(”活性成分”)と、1種以上の添加成分を構成する担体 とを混合する工程を含む。一般に、配合物は、活性化合物と、液体担体もしくは 微粉砕固体担体または両者とを均一かつ均質に混合し、そして必要ならば、生成 物を所望の配合物に成形することによって製造される。 経口投与に適した本発明の配合物は、各々所定量の活性成分を含有するカプセ ル、カシェ剤または錠剤のような個別単位として;粉剤または顆粒剤として;水 性または非水性液体中の液剤または懸濁液剤として;あるいは水中油滴形液体エ マルジョンまたは油中水滴形液体エマルジョンとして提供しうる。活性成分はボ ーラス、舐剤またはパスタ剤として提供することもできる。 錠剤は、任意に1種以上の添加成分と共に、圧縮または成形することによって 製造しうる。圧縮錠剤は、任意に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、減摩剤、表面 活性剤または分散助剤と共に、粉末または顆粒のようなさらさらした形の活性成 分を適当な機械で圧縮することによって製造しうる。成形錠剤は、不活性液体希 釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することによって製造し うる。錠剤は被覆してもまたは刻みをつけてもよく、そしてその中の活性成分を 徐放出または調整放出するように配合してもよい。 非経口投与用配合物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および配合物を受容 者の血液と等張性にする溶質を含んでいてもよい水性および非水性滅菌注入溶液 ;並びに懸濁化剤および増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性滅菌懸濁液 が含まれる。配合物は、単位投与量または多投与量容器、例えば密閉アンプルお よびバイアルの形で提供してもよく、そして使用直前に滅菌液体担体、例えば注 射用水を添加するだけでよい凍結乾燥状態で貯蔵してもよい。即席注射溶液およ び懸濁液は、上記の滅菌粉剤、顆粒剤および錠剤から製造しうる。 直腸投与用配合物は、通常の担体、例えばココアバター、硬質脂肪またはポリ エチレングリコールと共に座薬として提供しうる。 口、例えば口内または舌下の局所投与に適した配合物には、活性成分を風味を つけた基剤、通常はサッカロースおよびアカシアまたはトラガカント中に含むロ ゼンジ;活性成分を基剤、例えばゼラチンおよびグリセリンまたはサッカロース およびアカシア中に含むトローチが含まれる。 配合物は、上で詳しく述べた成分の他に、本配合物の種類に関する分野で慣用 的な他の薬剤を含んでいてもよい。例えば、経口投与に適したものにはフレーバ ー剤がある。 好ましい単位投薬配合物は、活性成分を上記のような1日当たりの有効投与量 、またはこれを適当に分割した量で含有する配合物である。その量は、遊離塩基 として計算して、好都合なのは5〜500mg、より好都合なのは10〜250mg 、最も好都合なのは20〜200mgである。 次の例は本発明を説明するものである。参考例を示す。参考例1: ラセミ(+/−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフ ェニル)−6−フルオロメチルピリミジンの合成法 1. 2,3−ジクロロフェニルアセトニトリルの製造 トルエン(254リットル)およびメタノール(40リットル)中の2,3− ジクロロベンズアルデヒド(40kg、228.6mol)の懸濁液に、硼水素化ナ トリウム(2.59kg、68.6mol)を1時間かけて滴加した。混合物を30 分間撹拌し、その後アセトン(20リットル)で処理した。過剰の硼水素化ナト リウムが分解したら、水(80リットル)を加えた。トルエン(54リットル) をトルエン相に加え、懸濁液を42℃±2℃に温めて、溶液を得、分離した。有 機相を蒸留して54リットルの共沸混合物を除去し、水、アセトンおよびイソプ ロピルアルコールの除去を行った。 得られた2,3−ジクロロベンジルアルコールのトルエン溶液を冷却した。得 られた懸濁液にトリエチルアミン(27.8kg、274.3mol)、次に塩化メ タンスルホニル(31.4kg、274.3mol)を、0℃±2℃を維持するよう に、1.5時間かけて加えた。 混合物を1時間撹拌し、次に水(100リットル)を懸濁液に入れ、混合物を 激しく撹拌し、分離した。 トルエン相中のメタンスルホネートに、水(70リットル)中の硫酸水素テト ラブチルアンモニウム(15.6kg、45.8mol)および水性シアン化カリウ ム溶液(22.4kg,342.8mol)を40分かけて加えた。 2相混合物を一晩撹拌し、分離し、有機相を水(70リットル)で洗浄した。 トルエン相を蒸留して、130kgのトルエンを木炭(2.8kg)およびジカライ ト(dicalite)(2.8kg)の存在下で除去した。石油エーテル60/80(3 00リットル)を残留物に加え、混合物を熱濾過し、真空下で結晶化して、2, 3−ジクロロフェニルアセトニトリル(30kg、収率72%)を得た。 2. 2−(2,3−ジクロロフェニル)−3−エトキシ−4−フルオロ−2− ブテンニトリルの製造 メタノール(90リットル)中の2,3−ジクロロフェニルアセトニトリル( 45kg、241.9mol)の懸濁液に、メタノール中の30%w/wナトリウム メトキシド溶液(113.5kg、630.6mol)、次いでエチルフルオロアセ テート(29.7kg、280.1mol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、生 成物を水(350リットル)中の水性塩酸(63.7kg、648mol)から沈殿 させた。スラリーを濾過し、固体を酢酸エチルに溶解し、ブライン溶液で洗浄し た。酢酸エチル(100リットル)を真空蒸留によって除去した。DMF(70 リットル)を加え、蒸留を続けて、残りの酢酸エチルを除去した。 得られたDMF中のエノールに、炭酸カリウム(20kg、145mol)を10 分かけて加えた。カリウムエノラートのアルキル化は、ヨウ化エチル(37.7 kg、241.9mol)を用い、70℃にて1時間15分で行うことができた。反 応混合物をトルエン(140リットル)と水(75リットル)との間で分配し、 トルエン相を水(50リットル)で洗浄した。トルエン(75リットル)を蒸留 によって除去して、粗牢成物をトルエン溶液として得た。 3. ラセミ(+/−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル )−6−フルオロメチルピリミジンの製造 メタノール(60リットル)中の塩酸グアニジン(25.4kg、266mol) に、メタノール中の30%w/wナトリウムメトキシド溶液(49.2kg、27 3.3mol)を加えた。懸濁液を55℃±2℃に加熱した。2−(2,3−ジク ロロフェニル)−3−エトキシ−4−フルオロ−2−ブテンニトリルのトルエン 溶液を、45分かけて加え、得られた混合物を4時間、還流下沸騰させ、冷却し 、次に水(230リットル)に入れて急冷した。固体沈殿物をメタノール (25リットル)で5回洗浄して、ラセミ化合物をオフホワイト色の固体(26 .3kg、2.3−ジクロロフェニルアセトニトリルからの収率38%)として得 た。参考例2: ラセミ(+/−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフ ェニル)−6−フルオロメチルピリミジンの別の合成法 1. 2,3−ジクロロベンジルアルコールの製造 メタノール(3.5リットル)中の2,3−ジクロロベンズアルデヒド(50 0g、2.85mol)に、0.2N水酸化ナトリウム溶液(241ml)中の硼水 素化ナトリウム(113.5g、2.975mol)のアルカリ性溶液を1時間か けて加えた。2時間後、反応混合物を水(3.7リットル)に入れて急冷し、氷 酢酸(125ml)を用いてpH6に調整した。濾過して、2,3−ジクロロベン ジルアルコールを白色固体(467g、収率92%)として得た。 2. 2,3−ジクロロフェニルアセトニトリルの製造 トルエン(1.97リットル)中の2,3−ジクロロベンジルアルコール(4 70.5g、2.658mol)に、トリエチルアミン(322.8g、3.19m ol)およびジメチルアミノピリジン(16.23g、0.13mol)を加えた。 塩化メタンスルホニル(365.4g、3.19mol)を1時間かけて加えた。 2時間後、トルエン溶液を水で洗浄した。 トルエン中のメタンスルホネートに、水(641ml)中の硫酸水素テトラブチ ルアンモニウム(180.5g、0.53mol)の溶液、次いで水(712ml) 中の水性シアン化カリウム溶液(259.6g、3.987mol)を加えた。2 相反応混合物を一晩撹拌し、分離し、有機相を水(1069ml)で洗浄した。ト ルエンを真空下で除去し、生成物を石油エーテル60/80(1069ml)から 沈殿させ、濾過し、そして石油エーテル60/80(356ml)で洗浄して、粗 製2,3−ジクロロフェニルアセトニトリル(406g、収率83%)を得た。 3. 2−(2,3−ジクロロフェニル)−3,4,4−トリエトキシ−ブト− 2−エンニトリルの製造 ジメトキシエタン(750ml)およびジエトキシ酢酸エチル(142g、0. 81mol)中の2,3−ジクロロフェニルアセトニトリル(100g、0.54m ol)に、カリウム−t−ブトキシドを1度に加えた。混合物を4.5時間、還流 下で沸騰させ、冷却し、その後ヨウ化エチル(169.8g、1.08mol)を 加え、次に65℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、濃縮し、得られた残留物を 水(1.5リットル)と酢酸エチル(1リットル)との間で分配した。水性相を 酢酸エチル(1リットル)で抽出し、一緒にした有機相を水(500ml)で洗浄 し、MgSO4で乾燥し、真空中で蒸発させて、所望のエノールエーテルを油状 物として得た。これはそれ以上精製することなく用いた。 4. 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ジエトキシ メチルピリミジンの製造 塩酸グアニジン(308.1g、3.24mol)に、エタノール中のナトリウ ムエトキシド(1.15kg、3.54mol)およびエタノール(3リットル)を 加えた。得られた混合物に粗製エノールエーテル(664g、1.62mol)、 さらにエタノール(1.85リットル)を加えた。室温で2時間後、混合物を一 晩65℃に加熱し、濃縮して残留物を得、そして水(5リットル)に入れて急冷 した。沈殿物を濾過し、水(1リットル)で洗浄し、温かい酢酸エチル(9リッ トル)と水(1リットル)との間で分配した。有機相を冷却し、濾過して、ジエ トキシメチルピリミジン(207g)を得た。母液を濃縮して残留物を得、これ をイソプロピルアルコール(2.5リットル)から再結晶して、さらに159g を得た。全体収量(266g、63%)。 5. 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ホルミルピ リミジンの製造 水(6.5リットル)中の水性塩酸(232ml)に、ジエトキシメチルピリミ ジン(315g、0.88mol)を加えた。混合物を90℃に2時間加熱し、冷 却し、その後中和して、2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル) −6−ホルミルピリミジンをオリゴマー誘導体(218g、収率87%)として 得た。 6. (+/−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6 −ヒドロキシメチルピリミジンの製造 方法A エタノール(343ml)中のホルミルピリミジン(64g、0.23mol)の 懸濁液に、硼水素化ナトリウム(3.4g、0.09mol)を加えた。TLCに よる測定で反応が完了したら、酢酸エチル(262ml)を加え、混合物を一晩撹 拌し、濾過し、そしてエタノールで洗浄した。 固体を水(2リットル)中でスラリーにし、濾過し、水(1リットル)で洗浄 し、乾燥して、クリーム状の固体(43.8g、68%)を得た。2回目の回収 物は、エタノール濾液を濃縮して残留物を得、酢酸エチル(5容量)中でスラリ ーにして、必要な生成物(4.3g、6.6%)を得ることによって得た。全体 収量(48.14g、75%)。方法B エタノール(250ml)中のホルミルピリミジン(52.3g、0.18mol )のスラリーに、硼水素化ナトリウム(5g、0.13mol)を加えた。適当な 分析技術(TLC)による測定で反応が完了するまで、得られた懸濁液を室温で 撹拌し、その後、水(750ml)を加えた。スラリーを濾過し、水(3×250 ml)で洗浄し、乾燥して必要な生成物(40.8g、収率78%)を得た。 7. ラセミ(+/−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル )−6−フルオロメチルピリミジンの製造 ラセミヒドロキシメチルピリミジン(125g、438.6mmol)をジクロロ メタン(1.25リットル)に入れて−78℃に冷却した。三フッ化ジエチルア ミノ硫黄(DAST)(291.67g、2193mmol)を1度に加えた。得ら れた混合物を−78℃で1時間撹拌し、その後−10℃に温め、この温度で4. 5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3.5リットル)を90分かけ て加え、pH7にした。水性および有機相を有機沈殿物からデカントし、分離し 、水性相を酢酸エチル(2×1.5リットル)で抽出した。有機相は一緒にし、 ブライン溶液で洗浄し、Na2SO4およびMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮し た黄色固体を得、これをオレンジ色の沈殿物と一緒にし、メタノール中で粉砕し て、必要な生成物を白色固体として得た。メタノール液を濃縮すると、さらに回 収物が得られた(110g、87%)。参考例3: キラル酸を用いる分割 1. 一般法 10-4モルのキラル酸を、10-4モルのラセミ2,4−ジアミノ−5−(2, 3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンまたはラセミ2,4− ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジ ンと混合した。混合物に、1mlの無水エタノールを加えた。混合物を温めて、固 体を溶解し、そして結晶化させた。デカントし、洗浄すると、塩が得られた。次 に、これをキラルシフト試薬(R−2,2,2−トリフルオロ−9−アントリル エタノール)を用いるキラルHPLCまたはNMRによって分析した。次のキラ ル酸を試験した: 1. (+)−ジベンゾイル−D−酒石酸1水和物 2. (+)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸 3. (+)−ジベンゾイル−L−酒石酸1水和物 4. (−)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸 5. (S)(+)O′−アセチルマンデル酸 6. 1R(−)樟脳−10−スルホン酸 7. R(−)マンデル酸 8. (S)(+)マンデル酸 9. 1R,3R,4R,5R(−)キナ酸 10. L(−)リンゴ酸 11. L(+)酒石酸 12. (+)酒石酸(右旋性) 13. 1R,3S(+)樟脳酸 14. L(−)酒石酸 15. (1S)(+)3−ブロモ樟脳−10−スルホン酸1水和物 16. (S)(+)1,1−ビナフチル2,2′−ジイルリン酸水素塩 17. (R)(−)1,1−ビナフチル2,2′−ジイルリン酸水素塩 18. D(+)リンゴ酸 19. (IS)(+)樟脳−10−スルホン酸 20. 2,3,4,6−ジ−O,O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グリ コン酸1水和物 2. 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメ チルピリミジン 使用した20の酸からの15の塩を結晶化した。(−)−ジベンゾイル−L− 酒石酸および(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸のみが分割でき、前者はS(+ )光学的対掌体に対するR(−)光学的対掌体の比率が増加した。 3. 2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシ メチルピリミジン 使用した20の酸からの11の塩を結晶化した。これらの中で、(+)−ジ− p−トルオイル−D−酒石酸が、S(+)光学的対掌体に対するR(−)光学的 対掌体の比率を増加することができた。 4. 溶媒 ブタノン、アセトン、メタノールおよび酢酸エチルのような溶媒を用いて、分 割を行うこともできる。 さらに、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、および水とメタノール、 アセトンまたはエタノールのいずれかとの混合物のような溶媒を用いて、(+/ −)2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチ ルピリミジンの分割を行うことができる。実施例1: 小規模分割によるR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジ クロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンの製造 1. フラスコ中のラセミ(+/−)2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロ ロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン(0.8006g)に、(−)− ジベンゾイル−L−酒石酸・H2O(1.0490g)を加えた。無水エタノー ル(27.7ml)を加え、混合物を温め、得られた溶液を一晩放置した。次に、 母液を形成された白色結晶質固体からデカントした。固体を50℃の真空オーブ ン中で一晩乾燥した。得られた結晶質物質(0.9534g)の収率は約52% であった。 R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジン(”R(−)光学的対掌体”)対S(+)−2,4−ジア ミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン(” S(+)光学的対掌体”)の比は81:19であった。 2. 初期分割工程1で得られた結晶質物質(0.8796g)を温めながら無 水エタノール(36ml)に溶解した。溶液を放置して一晩冷却した。母液をデカ ントした。得られた白色結晶質固体を50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した; 収率(0.6111g)69%。S(+)光学的対掌体に対するR(−)光学的 対掌体の比率は94.6%であった。 3. 工程2からの再結晶化物質(0.5227g)を温めながら無水エタノー ル(25ml)に溶解した。得られた溶液を放置して一晩冷却した。次いで、母液 をデカントした。得られた白色結晶質固体をエタノール(1ml)で洗浄し、真空 オーブン中で50℃にて一晩乾燥した;収率(0.397g)76%。R(−) 光学的対掌体対S(+)光学的対掌体の比は99.8:0.2であった。 4. 工程3からの結晶質塩を2M NaOH溶液で塩基性にした。蒸留水を塩 に加えた。得られたスラリーを室温で撹拌した。次に、pH12が維持されるま で、2M NaOHを加えた。得られた懸濁液を1時間放置した。そして固体を 濾過し、水で洗浄した。湿った固体を真空中で50℃にて乾燥して白色固体を得 た。実施例2: 大規模分割によるR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジ クロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンの製造 1. フラスコ中のラセミ(+/−)2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロ ロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン(78.83g)に、(−)−ジ ベンゾイル−L−酒石酸・H2O(103.27g)、次に無水エタノール(2 727ml)を加えた。すべての固体が溶解するまで、混合物を加熱還流した。溶 液を18時間放置して室温に冷却した。形成された白色固体を濾過し、真空中で 3時間50℃にて乾燥した。乾燥固体を無水エタノールから2回(2×1500 ml)再結晶した。得られた白色結晶質固体を真空中で6時間、50℃にて乾燥し た。得られた乾燥結晶質物質(22g)中のR(−)光学的対掌体耐S(+)光 学的対掌体の比は>99:1であった。 2. 再結晶からの母液を真空中で濃縮し、次に2M HaOH(水溶液)で処 理して塩を塩基性にした。水(100ml)を塩(98g)に加え、次に、懸濁液 を激しく撹拌しながら、2M HaOH溶液(250ml)を50mlづつ加えた。 懸濁液をpH12に2時間維持した。白色固体を濾過し、そしてpH7が維持さ れるまで、水(5×50ml)で洗浄した。固体を真空中で50℃にて4時間乾燥 して遊離塩基(39g)を得た。乾燥遊離塩基中のR(−)光学的対掌体対S( +)光学的対掌体の比は30:70であった。 3. 次に、S(+)光学的対掌体に富む遊離塩基をラセミ化合物に再循環させ た。トルエン(500ml)を遊離塩基(39g)に加えた。混合物を24時間、 加熱還流し、そして室温に冷却した。褐色固体を濾過し、真空中で50℃にて3 時間乾燥した。得られた乾燥物質(33g)中のR(−)光学的対掌体:S(+ )光学的対掌体の比は50:50であった。 4. 次に、このラセミ化合物を工程1に送って、光学的対掌体純度が>99% のR(−)光学的対掌体をさらに得た。一緒にした塩を2M HaOH溶液で塩 基性にした。蒸留水(250ml)を塩(86.6g)に加え、このスラリーを室 温で撹拌した。次に、2M HaOH(154ml)を50mlづつ加え、そしてp H12が維持されるまで2mlづつ2回加えた。得られた懸濁液を1時間放置し、 固体を濾過し、水(7×100ml)で洗浄した。湿った固体を真空中で50℃に て乾燥して、このバッチの場合は、淡黄色固体(37.9g)を得た。しかしな がら、他のバッチでは白色固体を得た。乾燥物質中のR(−)光学的対掌体:S (+)光学的対掌体の比は99.7:0.3であった。化学的純度=99.2% 。実施例3: R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル) −6−フルオロメチルピリミジンの(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3− ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジンからの製造 1. (−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒ ドロキシメチルピリミジンの製造 ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキ シメチルピリミジンは、参考例2に記載の手順により製造した。(+)−ジ−p −トルオイル−D−酒石酸(7.091g)およびラセミ(+/−)2,4−ジ アミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジン (5g)を、溶解するまで、60mlのエタノールで加熱還流した。次に、反応混 合物を放置して、一晩室温で冷却した。形成された固体を濾過し、真空中で14 時間50℃で乾燥した。 NMR分析で測定した得られた乾燥物質(3.12g)の(−)−2,4−ジ アミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジン (”(−)光学的対掌体”)対(+)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジク ロロフェニル)−6−ヒドロキシメチルピリミジン(”(+)光学的対掌体”) の比は82:18であった。 2.5gの上記物質をできるだけ少ない量のエタノール(60ml)に溶解した 。エタノール溶液を放置して一晩冷却し、濾過して、真空中、50℃で14時間 乾燥後、1.74gのキラル塩(回収率70%)を得た。乾燥物質中の(−)光 学的対掌体:(+)光学的対掌体の比は95:5であった。 1.5gの(−):(+)が95:5の物質を再びできるだけ少ない量のエタ ノール(60ml)から再結晶した。エタノール溶液を一晩放置し、濾過し、得ら れた固体を真空中、50℃で5.5時間乾燥した。得られた結晶質物質(1.1 9g)の収率は80%であった。(−)光学的対掌体対(+)光学的対掌体の比 は次の通りであった: >98:2 H1NMR(DCl、メチルシクロデキストリンを溶媒とし て)による 99.8:0.2 ダイセルキラパック ADカラム(250×4.6mm ステンレス鋼)上でのキラルHPLCによる、移動相 650:350のヘキサ ン:プロパン−2−オール; 周囲温度; 254nmのUVによる検出;20ml のエタノールに溶解した結晶質物質20μlを注入;流量1.0ml/分;減衰0 .05aufs。 2. R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6− フルオロメチルピリミジンの製造 工程1で生成された(−)光学的対掌体(0.13g、0.00046mol) をジクロロメタン(2×2ml)中で−50℃より低い温度に冷却した。懸濁液に 三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)(0.153g、0.00115mol )を加えた。1時間後、反応混合物を−10℃に温めた。40分後、得られたオ レンジ色の溶液を−50℃より低い温度に冷却し、その後、飽和炭酸水素ナトリ ウム溶液(1.6ml)を加えた。全体を酢酸エチルで抽出し、一緒にした抽出物 を水、飽和ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。濾液を濃縮して、石油エ ーテル60/80中で粉砕すると、オフホワイト色の生成物が得られた(80mg 、収率61%):99.6%のR−(−)−光学的対掌体、および0.4%のS −(+)−光学的対掌体。実施例4: R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル) −6−フルオロメチルピリミジンイセチオネートの製造 AG1×8イオン交換樹脂(50メッシュ)を、水性イセチオン酸ナトリウム で溶離することによってクロリドからイセチオネート形にまず換えた。水で洗浄 した後、カラムを希HClで溶離して、イセチオン酸を水溶液として得、次にこ れを希水酸化ナトリウム溶液で滴定した。 0.46Mイセチオン酸(11.35ml、1.0当量)を、水(100ml)中 のR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジン(1.5g、5.22mmol)の懸濁液に加えた。次に、溶 液を濾過し、凍結乾燥して、生成物をクリーム状固体として得た。 収量 2.1g(89%) 融点 85〜90℃実施例5: R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル) −6−フルオロメチルピリミジンメタンスルホネートの製造 メタンスルホン酸(0.158ml、0.234g、2.39×10-3mol)を 乾燥エーテル(21ml)中のR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジク ロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンの懸濁液に加えた。得られた混 合物を室温で2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥エーテル(5ml)で十分に 洗浄し、吸引乾燥し、そして真空下、室温で乾燥した。 収量 0.911g(93%) 融点 245〜247℃実施例6: R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル) −6−フルオロメチルピリミジンモノヒドロクロリドの製造 R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジン(0.70g、0.0024mol)をエーテル性塩酸(5 .60ml)に懸濁し、室温で2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、乾燥エーテル( ×2、10ml)で十分に洗浄し、吸引乾燥し、そして真空下、室温で乾燥して白 色固体を得た。 収量 0.773g(98%) 融点 232〜235℃(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキ シメチルピリミジンの性質 物理的外観: 白色固体 融点: 179〜181℃ 分子式: C1110Cl24O 分子量: 331.20 旋光度: [α]26 D=−49.06°(c=0.5、EtOH) [α]26 Hg546=−54.82°(c=0.5、EtOH) (+)光学的対掌体の旋光度: [α]23 Hg546=+65.09°(c=0.5、EtOH) [α]23 D=+32.05°(c=0.5、EtOH) NMRデータ: 7.62(二重線の二重線(dd),1H,4′);7.38(三重線(t) ,1H,5′);7.23(dd,1H,6′);6.08(一重線(s),2 H,2−NH2);5.83(s,2H,4−NH2);4.55(t,1H,O H);3.85(t,2H,CH2R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオ ロメチルピリミジンの性質 1. 化学的/物理化学的性質 物理的外観: 白色固体 融点: 215〜216℃ 分子式: C119Cl2FN4 分子量: 287.13 旋光度: [α]25.5 D=−56.75°(c=0.53、EtOH) [α]25.5 Hg546=−72.07°(c=0.53、EtOH) S(+)光学的対掌体の旋光度: [α]25.5 D=+59.20°(c=0.52、EtOH) [α]25.5 Hg546=+70.00°(c=0.52、EtOH) NMRデータ: 7.65(dd,1H,4′);7.39(t,1H,5′);7.23(d d,1H,6′);6.15(s,2H,2−NH2);5.98(s,2H, 4−NH2);4.88(四重線(q),1H,CH2F);4.64(q,1H ,CH2F) 2. ジヒドロフォーレートレダクターゼ(DHFR)活性に対する活性 R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジン、そのS(+)光学的対掌体およびラモトリジンを、分光 光度分析法を用いて、ラットの肝臓のDHFRに対する活性について分析した。 分析法は、Biochemical Pharmacology 20,561-574,1917に記載の変形法である 。結果は次の通りである: R(−)光学的対掌体=100μMで25%抑制 S(+)光学的対掌体=100μMで33%抑制 ラモトリジン:IC50=119.6μM 3. グルタメート放出の抑制 Epilepsia 27,490-497,1986に記載のプロトコルに従って、R(−)光学的 対掌体、S(+)光学的対掌体およびラモトリジンを、ラットの脳スライスから のベラトリン誘導グルタメート放出に及ぼすそれらの効果について試験した。結 果は次の通りである: R(−)光学的対掌体=10μMで64%抑制 S(+)光学的対掌体=10μMで0%抑制 ラモトリジン:IC50=21μM 4. 電位でゲート調整されるナトリウムチャンネルに対する活性 組み換えラットタイプIIAチャンネル R(−)光学的対掌体の、モルモットの卵巣に安定して発現したラットタイプ IIAナトリウムチャンネルに及ぼす作用は、全体細胞記録法を用いて調べ、そし てラモトリジンと比較した。R(−)光学的対掌体(1〜500μM)およびラ モトリジンはいずれも、濃度依存性および電位依存性のNa+流の抑制をもたら し た。2つの異なる保持電位(Vh)におけるIC50は次の通りであった: R(−)光学的対掌体: Vh=−60mVで18μM Vh=−90mVで160μM ラモトリジン: Vh=−60mVで98μM Vh=−90mVで413μM本来のチャンネル (a) 培養されたラットの線条体ニューロン R(−)光学的対掌体の、培養されたラット線条体ニューロンにおける本来の チャンネルに及ぼす作用を、全体細胞記録法を用いて調べた。化合物は、Na+ 流の濃度および電位依存性抑制をもたらした。−60mVの保持電位(Vh)での IC50は約8μMであり、これに対してVh=−90mVではずっと低い効力であっ た。10〜30μMのR(−)光学的対掌体によって生じる抑制は、細胞をVh= −120mVに過分極することによって実質的になくなった。 (b) 培養された胎芽ラットの海馬ニューロン R(−)光学的対掌体、S(+)光学的対掌体およびラモトリジンの、培養さ れた胎芽ラットの海馬ニューロンにおける全体細胞ナトリウム流に及ぼす効果を 、パッチ−クランプ法を用いて調べた。ナトリウム流は、20ミリ秒の双極パル スを用いることによって引き出し、これによって膜電位を−60mVの保持電位か ら−10mVに下げた。3つの化合物はいずれもピークナトリウム流の濃度依存性 減少を示し、IC50は次の通りであった: R(−)光学的対掌体:4μM S(+)光学的対掌体:20μM ラモトリジン:16μM 5. 鎮痛活性 PGE2誘導急性痛覚過敏の発現における効果 PGE2(100ng)の足底下注射の1時間前に、R(−)光学的対掌体、S (+)光学的対掌体およびラモトリジンをラットに経口投与した。PGE2を注 射した3時間後に、足を押したときの反応時間を測定した。同時に、アリーナに 入れたラットを観察することによって、運動失調を評価した。結果は以下の表1 に示す。運動失調は、運動失調と無痛覚との比、ED50、p.o.、n=5とし て示す。 確定されたPGE2誘導急性痛覚過敏に及ぼす効果 痛覚過敏が確定されたとき、PGE2(100ng)を足底下注射して2時間後 に、R(−)光学的対掌体を経口投与した。PGE2投与して3時間後に、足を 押したときの反応時間を測定した。無痛覚ED50および95%信頼限界は3.4 (3.1〜3.7)mg/kgであった。 6. 抗痙攣活性 最大電気ショック試験 この発作モデルは耳クリップ電極を使用し、間代/強直性発作(大発作)およ び二次的な全身化を伴う部分発作の抑制に臨床的に用いられる抗てんかん薬に敏 感である(Swinyard,J.Am.Pharm.Ass.38,201-204,1949; Loscher and Sch midt,Epilepsy Res.2,145-181,1988)。 (a) 作用時間 R(−)光学的対掌体、S(+)光学的対掌体およびラモトリジンについて、 注射後、様々な時間間隔で、ラットにおいて腹腔内(i.p.)試験した。次の表2に 示されるED50値は、動物の50%において後ろ脚の伸張を妨げた用量である。 これらのデータは、R(−)光学的対掌体が有効な抗痙攣薬であり、ラモチリ ジンよりも2〜3倍活性であり、S(+)光学的対掌体よりも15〜20倍活性 であることを示している。さらに、R(−)光学的対掌体のイセチオネート付加 塩(塩基として計算)はi.p.(腹腔内)ルートによりR(−)光学的対掌体塩基 と等しい活性であった(2時間でのED50:各々1.8および2.5mg/kg;p <0.05)。 別の一連の実験では、オスのラットにおけるR(−)光学的対掌体の半減期( t1/2)は5.4時間であり、これに対してS(+)光学的対掌体のt1/2は3. 1時間であった。 (b) 各種投与ルート R(−)光学的対掌体およびラモトリジンを、各種ルートによる薬剤投与の1 時間後に試験したマウスにおいて評価した。結果を次の表3に示す。 別の調査では、R(−)光学的対掌体のイセチオネートを、薬剤投与の1時間 後に試験したラットにおいてi.v.ルートによって評価した。他の方法では20mA を用いたのに比べて、より強い電流(200mA)を用いた。R(−)光学的対掌 体塩のED50(塩基として計算した)は1.5mg/kgであった(ラモトリジンの ED50は2.5mg/kgであった。 これらの結果は、R(−)光学的対掌体が有効な抗痙攣薬であり、試験を行っ た各種ルートでほぼ等しい活性であり、ラットおよびマウスにおける最大電気シ ョック試験ではラモトリジンよりも2〜3倍の効力があることを示している。R (−)光学的対掌体は作用時間が長く、すべての投与ルートで有効である。 7. 過敏性腸症候群 体重が100〜150gのオスのラット(Listar hooded rat)を使用した。 ラットは、卵アルブミン(10ug/ml)、百日咳ワクチン(1mg/ml)および水 酸化アルミニウム(10mg/ml)を含有する溶液をi.p.(ラット当たり1ml)投 与することによって感作した。対照動物には食塩水を与えた。 7日後、イソフルランを用いてラットに麻酔をかけ、外斜筋を露出させた。2 本のニクロム線を筋肉内に埋め込み、線を首の後ろに出し、皮膚を縫合し、動物 を麻酔から覚ました。 6日後、動物を一晩断食させた。翌日、動物に麻酔をかけ、食塩水を使用して 結腸直腸を洗浄した。ポルテックスカニューレに結合した長さ4cmのラテックス バルーンを膨張装置に接続し、首の後ろのニクロム電極をヘッドステージに接続 した。 外斜筋の電気活性は、電気スパイクの数を計算するデータ捕捉装置(”スパイ ク2”)によって記録した。感作動物および対照動物における一連の圧力反応曲 線(10〜100mmHg)を作成した。バルーンを各圧力で1分間膨張させ、その 後5分間静止させた。 各圧力でのスパイクの平均数を対照動物、感作動物、およびR(−)光学的対 掌体で処理した感作動物について計算した。R(−)光学的対掌体または賦形剤 (0.25%メチルセルロース)は経口投与し(5ml/kg)、60分後に圧力反 応曲線の作成を開始した。結果 正常なラットでは、関連圧力で生じた結腸直腸拡張は腹筋における電気活性を 高めた(約40mmHgを上まわる圧力)。卵アルブミンでのラットの感作後、一定 の拡張(圧力)に対してこれらの筋肉の電気活性は著しく増加したが、そのよう な活性の限界値(約20mmHg)も低下した。10mg/kg p.o.のR(−)光学的 対掌体では、卵アルブミンによって誘導される変化の完全な逆転が生じた。 これらの結果は、過敏性腸症候群に見られるような過敏性の状態では、R(− )光学的対掌体は過敏性の逆転に有効であり、従って、過敏性腸症候群に伴う痛 みおよび無運動性を減じる。 8. MPTP誘導神経毒性モデル 動物および処理 生後6週のオスのC57B1/6マウス(日本SLC社、浜松)を、餌および 水に自由に近づける状態で、12時間明るく/12時間暗くした温度調整室に、 1カゴ当たり10匹収容した。 マウスにオリーブ油中のR(−)光学的対掌体およびS(+)光学的対掌体( 30mg/kg)をi.p.注射し、12時間後にMPTP注射を開始し、そして12時 間毎に5回注射した。対照マウスにはオリーブ油を注射した。 マウスに食塩水中のMPTP・HCl(遊離塩基40mg/kg;リサーチバイオ ケミカルス社)のs.c.注射を行った。対照には食塩水のみを注射した。線状体ドパミンレベルの測定 電気化学的検出と共にHPLCを用いて、線状体ドーパミンレベルを測定した (J.C Garcia: Journal of Chromatography B,656(1994)77-80)。 MPTP注射の7日後に、マウス(グループ当たり7.9匹)を殺し、線状体 を切り離し、直ちに冷凍し、分析を行うまで−80℃で貯蔵した。分析を行う日 に、組織試料を、内部標準として1.6μg/mlの3,4−ジヒドロキシベンジル アミンヒドロブロミド(シグマ社)を含有する0.1Mの過塩素酸/1.9mM の亜硫酸水素ナトリウムの10容量(重量/容量)中で音波粉砕した。遠心分離 (室温で10分間、2,800×g)および濾過(0.5μm;ミリポアーメン ブランフィルター)の後、10μlの上澄みをイナートシル(Inertsil) OD S3 カラム(4.6×250mm;GLサイエンス社、東京)に注入した。移動相は8 8%の115mM NaH2PO4/0.178mM Na2EDTA/0.92m M 1−オクタンスルホン酸(pH=2.6)溶液および12%のエタノールか らなる。流量は1.0ml/分であった。ピークは島津電気化学検出器LECD− 6A(700mV)によって検出した。 * 1〜7日間の死亡率(%) 試験化合物は1〜2日間、6回(12時間感覚)腹腔内投与した。MPTPま たは食塩水は0日に皮下注射した。7日目に首を脱きゅうさせることによってマ ウスを犠牲にした。線状体中のドーパミン含有量はHPLC−ECD装置を使用 して測定した。R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオ ロメチルピリミジン塩の溶解度および安定性試験 1. 実験 各々10mgのR(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル )−6−フルオロメチルピリミジンのアセテート、ベンゾエート、HCl、トシ レート、ベンジレート、スクシネート、サリチレート、タートレート、(L)− ラクテート、スルフェート、フマレート、シトレート、マロネート、ホスフェー ト、ナフシレートおよびメシレート塩を合成した。融点特性 メトラーホットステージおよび顕微鏡を用いて加熱現象を目で観察した。次に 、DSCスキャンを用いて、観察された現象を確認し、現象のタイプを識別した 。DSC実験は、TAC7/DX記録器を備えたパーキン エルマーDSC−7 装置を使用して行った。できるだけ多くの現象を捕らえるために、10℃/分の スキャン速度および1〜2mgの試料を用いた。40℃〜400℃、または50℃ から、ホットステージ上で観察される現象の範囲を50℃越える温度までのDS Cを、1つまたは2つの試料において行った。試料および対照(空気)を50μ lの孔あきアルミニウムパンに入れた。溶解度およびpH 溶解度は、薬剤添加法によって測定した。室温で薬剤を0.25mlの脱イオン 水に加えた。pH測定のために試料を2mlに希釈した。測定は1回行った。 2. 結果 以下の表5に、メトラーホットステージおよびDSCを用いて測定した塩の融 点特性を示す。 加熱時にラセミ化が観察されなかった塩、および遊離塩基よりも高い温度でラ セミ化学が生じる化合物は、潜在的に良好な安定性を有する候補として選択した 。試験は、トシレート、ベンジレート、タートレート、スルフェート、シトレー ト、マロネート、ホスフェート、ナフシレートおよびメシレートが良好な安定性 を有することを示した。トシレート、ベンジレート、マロネートおよびホスフェ ート塩は100℃未満で溶融した。従って、これらは取り扱いが難しく、従って 、配合物にはあまり適していない。 以下の表6には、相当する塩基に換算した、室温の水中での塩の溶解度、およ び溶液のpHを示す。 * 試料は飽和していない。 表6は、4つの塩(アセテート、ベンゾエート、(L)−ラクテートおよびナ フシレート)の溶解度が1mg/ml未満であることを示している。従って、これら は経口および静脈内使用に適していない。5つの塩(HCl、スルフェート、ホ スフェート、メシレートおよびイセチオネート)は、相当する塩基の溶解度が約 25mg/mlを越えるが、溶液のpHが3を越えるのはこれらのうちの2つだけで あった。注射部位付近に良くない作用を及ぼすのを避けるとしたら、注射用溶液 のpHは3を越えなければならない。この試験から、HCl塩およびメシレート 塩が静脈内注射用配合物に好ましい。医薬配合物の例 1. 錠剤 錠剤1 R(−)光学的対掌体 150mg) ラクトース 200mg) トウモロコシデンプン 50mg) ポリビニルピロリドン 4mg) ステアリン酸マグネシウム 4mg) ) = 錠剤当たりの含有量 R(−)光学的対掌体をラクトースおよびデンプンと混合し、ポリビニルピロ リドンの水溶液と共に粒状化した。得られた粒状物を乾燥し、ステアリン酸マグ ネシウムと混合し、圧縮して錠剤を得た。錠剤2 次の成分を用いて、各錠剤配合物中に5.0mg、25.0mg、35.0mg、5 0.0mg、75.0mgおよび150.0mgのR(−)光学的対掌体を含有する錠 剤をさらに製造した。 R(−)光学的対掌体、ラクトース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび微 晶質セルロースを共に混合して、乾燥粉末混合物を形成した。ポビドンを精製水 に溶解した。ポビドン溶液を、R(−)光学的対掌体を含有する乾燥粉末混合物 に加えて、粒状化に適した稠度を有する湿った物質を得た。得られた湿った物質 をふるいに通し、粒状物を乾燥し、ふるいにかけた。ステアリン酸マグネシウム を加え、次にブレンドし、圧縮した。 2. 注射剤 注射剤I R(−)光学的対掌体のメタンスルホネート塩を注射用滅菌水に溶解する。静脈内注射配合剤II R(−)光学的対掌体のメタンスルホネート塩 200g 滅菌した、発熱性物質を含まない、 ホスフェート緩衝液(pH9.0) 全体で10mlにする メタンスルホネート塩を35〜40℃でホスフェート緩衝液のほとんどに溶解 し、目的の体積にし、滅菌微孔質フィルターに通して濾過し、滅菌10mlガラス バイアル(タイプ1)に入れ、これを滅菌クロージャーおよびオーバーシールで 密閉する。 次の例において、活性成分はR(−)光学的対掌体またはその薬学的に許容さ れる酸付加塩(塩基として計算した)である。 3. カプセル配合剤 カプセル配合剤I 配合剤Iは、成分を混合し、2つ割り硬質ゼラチンカプセルに、得られた混合 物を詰めることによって製造しうる。 mg/ カプセル (a)活性成分 250 (b)ラクトースB.P. 143 (c)デンプングリコール酸ナトリウム 25 (d)ステアリン酸マグネシウム 420カプセル配合剤II mg/ カプセル (a)活性成分 250 (b)マクロゲル4000BP 350 600 カプセルは、マクロゲル4000BPを溶融し、溶融物に活性成分を分散し、 2つ割り硬質ゼラチンカプセルにこれを詰めることによって製造しうる。カプセル配合剤III(調整放出カプセル) mg/ カプセル (a)活性成分 250 (b)微晶質セルロース 125 (c)ラクトースBP 125 (d)エチルセルロース 13 513 調整放出カプセル配合剤は、混合成分(a)〜(c)を押し出し機を用いて押 し出し、次に押し出し物を球状にし、そして乾燥することによって製造しうる。 乾燥ペレットを、調整放出膜としてのエチルセルロース(d)で被覆し、2つ割 り硬質ゼラチンカプセルにこれを詰めることによって製造しうる。 4. シロップ配合剤 活性成分 0.2500g ソルビトール溶液 1.5000g グリセロール 1.0000g 安息香酸ナトリウム 0.0050g フレーバー剤 0.0125 ml 精製水 全体で5.0 mlにする 安息香酸ナトリウムを精製水の一部に溶解し、ソルビトール溶液を加えた。活 性成分を加え、溶解した。得られた溶液をグリセロールおよびフレーバー剤と混 合し、そして精製水で必要な体積にする。 5. 座薬配合剤 mg /座薬 活性成分(63μm)* 250 硬質脂肪、BP (Witepsol H15−ダイナミット ノベル) 1770 2020 * 活性成分は粉末として使用し、粒子の少なくとも90%は直径63μ m以下である。 Witepsol H15の1/5を、蒸気ジャケットを被せたパン内で最高45℃にて 溶融する。活性成分を200μmふるいに通してふるい、溶融基剤に加え、滑ら かな分散物が得られるまで、切断ヘッドを取り付けたシルバーソンを使用して混 合した。混合物を45℃に維持しながら、残りのWitepsol H15を懸濁物に加え 、これを撹拌して確実に均質な混合物にする。全部の懸濁物を250μmステン レス鋼ふるいに通し、連続撹拌しながら、40℃に冷却する。38〜40℃で、 2.02gの混合物のアリコートを適当なプラスチック型に満たし、これらの座 薬を室温に冷却する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式(I)のピリミジンまたはその酸付加塩。 2. 薬学的に許容される酸付加塩である、請求項1に記載の塩。 3. スルフェート、ホスフェートまたはイセチオネート塩である、請求項1 に記載の塩。 4. ヒドロクロリドまたはメタンスルホネート塩である、請求項1に記載の 塩。 5. 請求項1に記載の式(I)のピリミジンまたはその酸付加塩の製造法で あって、 (i) ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フル オロメチルピリミジンを適当なキラル酸で分割し、得られた塩を再結晶してR( −)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメ チルピリミジンとの塩のみから実質的になる塩を得ること;並びに (ii) 所望ならば、再結晶塩を遊離塩基または必要に応じて別の酸付加塩に変 換すること を含む方法。 6. 請求項1に記載の式(I)のピリミジンまたはその酸付加塩の製造法で あって、 (a) ラセミ2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒ ドロキシメチルピリミジンを適当なキラル酸で分割し、得られた塩を再結晶して (−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−ヒドロキ シメチルピリミジンとの塩のみから実質的になる塩を得ること; (b) 所望ならば、再結晶塩を遊離塩基または別の塩に変換すること; (c) 工程(a)からの再結晶塩または工程(b)からの遊離塩基もしくは他 の塩を、(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6− ヒドロキシメチルピリミジンまたは得られた(−)−2,4−ジアミノ−5−( 2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンのラセミ化が生じ ない条件下でフッ素化すること;並びに (d) 所望ならば、得られたフッ素化化合物を遊離塩基にまたは必要に応じて その酸付加塩に変換すること を含む方法。 7. 活性成分として、請求項1に記載の式(I)のピリミジンまたはその薬 学的に許容される酸付加塩、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む 、医薬配合物。 8. 治療に使用するための、請求項1に記載の式(I)のピリミジンまたは その薬学的に許容される酸付加塩。 9. 鎮痛薬もしくは抗てんかん薬、または過敏性腸症候群もしくは二極性疾 患の治療用薬剤の製造に使用するための、請求項1に記載の式(I)のピリミジ ンまたはその薬学的に許容される酸付加塩。 10. 鎮痛薬もしくは抗てんかん薬、または機能性腸疾患、二極性疾患もし くは神経変性疾患の治療用薬剤、または依存症誘導薬剤における依存の予防もし くは軽減のための薬剤、または依存症誘導薬剤への耐性を予防もしくは軽減する ための薬剤の製造に使用するための、請求項1に記載の式(I)のピリミジンま たはその薬学的に許容される酸付加塩。 11. 式(III)のピリミジン。
JP9510854A 1995-09-05 1996-09-03 鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体 Ceased JPH11512108A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB9518027.9A GB9518027D0 (en) 1995-09-05 1995-09-05 Pharmacologically active compound
GB9518027.9 1995-09-05
PCT/EP1996/003856 WO1997009317A2 (en) 1995-09-05 1996-09-03 Optically active phenyl pyrimidine derivative as analgesic agent

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11512108A true JPH11512108A (ja) 1999-10-19

Family

ID=10780172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9510854A Ceased JPH11512108A (ja) 1995-09-05 1996-09-03 鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体

Country Status (32)

Country Link
US (1) US6124308A (ja)
EP (1) EP0879230B1 (ja)
JP (1) JPH11512108A (ja)
KR (1) KR19990044397A (ja)
CN (1) CN1200729A (ja)
AP (1) AP640A (ja)
AR (1) AR004192A1 (ja)
AT (1) ATE203523T1 (ja)
AU (1) AU710091B2 (ja)
BG (1) BG65102B1 (ja)
BR (1) BR9610388A (ja)
CA (1) CA2230362A1 (ja)
CO (1) CO4750651A1 (ja)
CZ (1) CZ65598A3 (ja)
DE (1) DE69614150T2 (ja)
EA (1) EA000695B1 (ja)
ES (1) ES2160834T3 (ja)
GB (1) GB9518027D0 (ja)
HR (1) HRP960399A2 (ja)
HU (1) HUP9901260A3 (ja)
ID (1) ID17274A (ja)
IL (1) IL123414A0 (ja)
IS (1) IS4673A (ja)
NO (1) NO980923L (ja)
NZ (1) NZ318390A (ja)
PL (1) PL325329A1 (ja)
SK (1) SK28598A3 (ja)
TR (1) TR199800386T1 (ja)
TW (1) TW367326B (ja)
WO (1) WO1997009317A2 (ja)
YU (1) YU49796A (ja)
ZA (1) ZA967466B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504362A (ja) * 2000-07-21 2004-02-12 オーソ−マクニール・フアーマシユーチカル・インコーポレーテツド 神経障害性疼痛ならびに群発性頭痛および偏頭痛に関連する疼痛の予防もしくは治療における使用のためのカルバメート化合物
JP2010516734A (ja) * 2007-01-24 2010-05-20 グラクソ グループ リミテッド 3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジンまたはr(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンを含む医薬組成物

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AR016212A1 (es) * 1998-04-28 2001-06-20 Astra Ab Uso de compuestos farmaceuticos que tienen una actividad antagonista de nmda para preparar un medicamento para el tratamiento del sindrome de intestino irritable (ibs), y composiciones farmaceuticas
US6420354B1 (en) 1998-06-08 2002-07-16 Advanced Medicine, Inc. Sodium channel drugs and uses
AU4672699A (en) * 1998-06-08 1999-12-30 Theravance, Inc. Novel sodium channel drugs and uses
GB9907965D0 (en) * 1999-04-09 1999-06-02 Glaxo Group Ltd Medical use
US6479498B1 (en) 1999-06-04 2002-11-12 Theravance, Inc. Sodium channel drugs and uses
IL157608A0 (en) * 2001-02-27 2004-03-28 Teva Pharma New crystal forms of lamotrigine and processes for their preparations
IL163666A0 (en) 2002-02-22 2005-12-18 New River Pharmaceuticals Inc Active agent delivery systems and methods for protecting and administering active agents
DE60312670T2 (de) * 2002-04-23 2007-12-06 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Pharmazeutische zusammensetzung enthaltend lamotrigine-partikel mit definierter morphologie
JP2006515326A (ja) * 2003-01-30 2006-05-25 ダイノジェン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 胃腸管障害を処置するためのナトリウムチャネルモジュレーターの使用
GB0603087D0 (en) * 2006-02-15 2006-03-29 Glaxo Group Ltd Novel use
GB201111712D0 (en) 2011-07-08 2011-08-24 Gosforth Ct Holdings Pty Ltd Pharmaceutical compositions

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA803250B (en) * 1979-06-01 1982-01-27 Wellcome Found Substituded aromatic compounds
FI895821A0 (fi) * 1988-12-07 1989-12-05 Wellcome Found Farmaceutiskt aktiva cns foereningar.

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504362A (ja) * 2000-07-21 2004-02-12 オーソ−マクニール・フアーマシユーチカル・インコーポレーテツド 神経障害性疼痛ならびに群発性頭痛および偏頭痛に関連する疼痛の予防もしくは治療における使用のためのカルバメート化合物
JP2010516734A (ja) * 2007-01-24 2010-05-20 グラクソ グループ リミテッド 3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジンまたはr(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンを含む医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
AR004192A1 (es) 1998-11-04
MX9801680A (es) 1998-05-31
ZA967466B (en) 1998-04-06
YU49796A (sh) 1999-07-28
IL123414A0 (en) 1998-09-24
HRP960399A2 (en) 1998-04-30
CZ65598A3 (cs) 1998-07-15
NO980923L (no) 1998-05-04
NO980923D0 (no) 1998-03-04
CN1200729A (zh) 1998-12-02
WO1997009317A2 (en) 1997-03-13
EA199800189A1 (ru) 1998-10-29
KR19990044397A (ko) 1999-06-25
DE69614150T2 (de) 2001-11-22
AU710091B2 (en) 1999-09-16
AU6986596A (en) 1997-03-27
SK28598A3 (en) 1998-09-09
CO4750651A1 (es) 1999-03-31
ID17274A (id) 1997-12-18
TR199800386T1 (xx) 1998-05-21
ATE203523T1 (de) 2001-08-15
ES2160834T3 (es) 2001-11-16
AP640A (en) 1998-04-14
EA000695B1 (ru) 2000-02-28
DE69614150D1 (de) 2001-08-30
IS4673A (is) 1998-02-23
WO1997009317A3 (en) 1997-04-03
CA2230362A1 (en) 1997-03-13
EP0879230A2 (en) 1998-11-25
GB9518027D0 (en) 1995-11-08
TW367326B (en) 1999-08-21
NZ318390A (en) 1999-02-25
EP0879230B1 (en) 2001-07-25
PL325329A1 (en) 1998-07-20
BG65102B1 (bg) 2007-02-28
BG102342A (en) 1998-09-30
HUP9901260A2 (hu) 1999-09-28
HUP9901260A3 (en) 2001-04-28
BR9610388A (pt) 1999-07-06
US6124308A (en) 2000-09-26
AP9600857A0 (en) 1996-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7572785B2 (en) Substituted imidazoles as cannabinoid receptor modulators
DE69326160T2 (de) 4-carboxamidopiperidinderivate, zwischenprodukte und verwendung als neurokinin antagonisten
US20040248956A1 (en) Substituted imidazoles as cannabinoid receptor modulators
CZ288944B6 (cs) Derivát 5H-thiazolo[3,2-a]pyrimidinu, způsob jeho přípravy, meziprodukt pro jeho přípravu a farmaceutický prostředek, který ho obsahuje
HU221726B1 (hu) Piperazinszármazékok, e vegyületeket tartalmazó gyógyászati készítmények és eljárás a vegyületek előállítására
JPH11512108A (ja) 鎮痛薬としての光学活性フェニルピリミジン誘導体
JP2000513383A (ja) タキキニン受容体拮抗薬2−(r)−(1−(r)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(s)−(4−フルオロ)フェニル−4−(3−(5−オキソ−1h,4h−1,2,4−トリアゾロ)メチルモルホリンの多形結晶
JPH05320142A (ja) 中枢神経系に薬理活性をもつ化合物
JP2000505793A (ja) 2,3―ベンゾジアゼピン誘導体及びそのampa―レセプター抑制剤としての使用
JPH0367071B2 (ja)
JP2000503308A (ja) キノリン―2―(1h)―オン類
HUT72740A (en) Dimethylbenzofurans and dimethylbenzopyrans and they use for preparing pharmaceutical compositions having 5-ht3 antagonistic activity
EA008907B1 (ru) Производные индола
HUT72677A (en) Xanthine derivatives as adenosine a1 receptor antagonists
TWI258480B (en) Novel piperidinecarboxamide derivatives, a method for their preparation and pharmaceutical compositions containing them
JP3353784B2 (ja) 公知のブラジキニン拮抗剤のガラス体
JP2010504316A (ja) ムスカリン様受容体アンタゴニストとしてのアゼチジン誘導体
JP2002532480A (ja) モルホリノン及びモルホリン誘導体、ならびにその使用
HU205920B (en) Process for producing 2-phenoxy-methyl/-3-/alkanoyl-, carboxy-, carbalkoxy- or carboxamido- -acetyl/-1,3-thiazolidine derivatives and pharmaceutical compositions containing them
JP2002536442A (ja) (1−フェナシル−3−フェニル−3−ピペリジルエチル)ピペリジン誘導体、その製造方法およびそれを含有する医薬組成物
JP2003513095A (ja) タキキニン受容体アンタゴニストの多形
US6172078B1 (en) Quinolinomorphinane derivatives and medicinal use thereof
JP2002541095A (ja) アリールアルカノイルピリダジンの使用
MXPA98001680A (en) Derivative of phenyl pyrimidine optically active as analges agent
KR880001454B1 (ko) 피리미도[4,5-g]퀴놀린 유도체

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060320

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060906

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20061023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070420

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20080515

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624