JP2006515326A - 胃腸管障害を処置するためのナトリウムチャネルモジュレーターの使用 - Google Patents

胃腸管障害を処置するためのナトリウムチャネルモジュレーターの使用 Download PDF

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スティーブン ビー. ランダウ,
マシュー オリバー フレイザー,
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Abstract

本発明は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特にテトロドトキシン抵抗性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターを使用して、消化管障害、特に炎症性大腸障害および過敏性腸症候群を処置する方法に関する。本発明の組成物は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターならびに薬学的に受容可能な、薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、およびこれらの他の誘導体を含有する。

Description

(発明の分野)
本発明は、胃腸管障害、特に炎症性腸障害および過敏性腸症候群を処置するためのナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターの使用方法に関する。
(発明の背景)
胃腸(GI)管障害は、毎年米国における何百万人もの男性および女性の生活の質に影響を及ぼす。胃腸管障害は、GI平滑筋、上皮、感覚求心性ニューロン、または中枢神経系経路の妨害を含み得る。中枢の機構もしくは末梢の機構または両方の機構が、胃腸管障害に関与するか否かに関して不確定であるにもかかわらず、多くの提唱された機構が、内臓感覚を媒介するニューロンおよび経路に関係する。胃腸管からの内臓感覚情報は、後根神経節(DRG)を介して脊髄に入るかまたは、迷走求心性神経を介して下神経節に投射する感覚線維によって伝えられる(Physiology,R.M BerneおよびM.N.Levy(編),1983,CV Mosby Co.St.Louis)。多くの種々のサブタイプの感覚求心性ニューロンが、胃腸管からの神経伝達に関与し得る。これらは、小さい直径のニューロン、中位の直径のニューロン、大きい直径のニューロン、ミエリン化されたニューロン、無髄ニューロン、仙骨ニューロン、腰ニューロン、DRGニューロン、迷走ニューロン、結節ニューロン、ペプチド作用性ニューロン、非ペプチド作用性ニューロン、IB4陽性ニューロン、IB4陰性ニューロン、C線維ニューロン、Aδ線維ニューロン、Aβ線維ニューロン、高閾値ニューロンまたは低閾値ニューロンに分類され得るが、これらに限定されない。
胃腸管障害は、構造的(または粘膜の)胃腸管障害および非構造的(または非粘膜の)胃腸管障害と特徴づけられている。構造的障害としては、炎症性腸障害および非炎症性構造的胃腸管障害が挙げられる。非構造的障害としては、機能的胃腸管障害に分類される種々の障害が挙げられる。
炎症性腸障害としては、胃腸管の炎症または潰瘍を引き起こし得る障害の群が挙げられる。潰瘍性大腸炎およびクローン病は、炎症性腸障害の最も一般的な型であるが、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ性(顕微鏡的)大腸炎、および他の障害もまた、記載されている。
潰瘍性大腸炎は、大腸を悪化させる病因が未知の慢性炎症性障害であり、極めて重篤な場合を除いて、腸粘膜に限定される。この障害の過程は、連続性または再発性であり得、軽いまたは重篤であり得る。医学的処置としては、主に、患者の臨床的状態に依存して、サリチル酸誘導体、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾンまたはプレドニゾンアセテート)および代謝拮抗剤の使用が挙げられる。サリチル酸誘導体(例えば、スルファジン(sulphazine)またはメサラミン(mesalamine))は、軽い症状のこの障害に罹患している患者において有効である。副腎皮質ステロイドおよび代謝拮抗剤は、中程度または重篤の疾患に罹患している患者において有効であるが、多くの副作用を伴う。これらの障害を制御するために慢性用量の副腎皮質ステロイドまたは代謝拮抗剤を必要とする患者は、最終的に、外科的に結腸の除去を受けてこの疾患を取り除く。
潰瘍性大腸炎のように、クローン病(限局性腸炎、回腸炎、または肉芽腫性炎症としてもまた公知)は、病因が未知の慢性炎症性障害である。しかしながら、この疾患の位置および病理は、異なる。クローン病は、代表的に、小腸、大腸またはこの2つの位置の組合わせのいずれかにおいて現れ、腸壁内に位置する筋肉および漿膜のより深いところに炎症を引き起こし得る。この障害の過程は、連続性または再発性であり得、軽度または重篤であり得る。医学的処置としては、サリチル酸誘導体、副腎皮質ステロイド、代謝拮抗剤、および抗TNF抗体の投与の連続的使用が挙げられる。多くのクローン病患者は、この疾患に関連する問題のための腸の手術を必要とするが、潰瘍性大腸炎とは異なり、後の再発が、一般的である。
コラーゲン蓄積大腸炎およびリンパ性大腸炎は、代表的に中年または高齢の個体において水様下痢を引き起こす結腸の特発性炎症性障害である。リンパ性大腸炎は、肥厚した上皮下膠原性層の欠如によって、コラーゲン蓄積大腸炎と区別される。ペプトビスモル(Pepto−Bismol)の形態のビスマスは、いくつかの患者において有効な処置であり得るが、より重篤な場合は、サリチル酸誘導体、抗生物質(例えば、メトロニダゾール)、および副腎皮質ステロイドの使用を必要とし得る。
機能的胃腸管障害は、代謝または構造的異常における変化の徴候がない腹型症状の提示を特徴とする。代表的に、機能的障害のもとに考慮される障害としては、嚥下困難、非潰瘍性消化不良、過敏性腸症候群、遅い通過の(slow−transit)便秘、および瀉出障害が挙げられる(Camilleri(2002)Gastrointestinal Motility Disorders,WebMD Scientific American Medicine,David C.DaleおよびDaniel D.Federman(編),New York,NY,WebMD)。機能的胃腸管障害の顕著な例は、過敏性腸症候群(IBS)であり、種々の異名(これらには、機能的腸、幽門痙攣、神経性消化不良、痙攣性結腸、痙攣性大腸炎、痙攣性腸、腸神経症、機能的大腸炎、過敏結腸、粘液性大腸炎、腸を緩める作用がある(laxative)大腸炎、および機能性消化不良が挙げられる)によっても公知である。IBSは、概して、明らかな病因がない、腹痛および/または腹の不快感、および用便習慣における変化を引き起こす。診断は、患者の症状(presentation)に関連する全ての症状を考慮するRoma判定基準に依存する(例えば、Drossmanら(1997)Gastroenterology,112:2120を参照のこと)。患者は、代表的に、痛覚過敏および異痛に一致する症状を示す。
現在、IBSのための処置は、大部分は、無効であり、そしてIBSの処置としては、ストレス管理、食事制限、および薬物が挙げられる。向精神薬(例えば、抗不安薬および抗うつ薬)が利用されているが、副作用の性質の理由から限定された有用性を有する。鎮痙薬および種々の下痢止め調製物もまた使用されているが、これらは、IBSを有する患者に対し、不満足な療法のままである。
非潰瘍性消化不良(NUD)は、確立された病因がない機能的胃腸管障害の別の顕著な例である。NUDに関連する症状としては、悪心、嘔吐、疼痛、早期満腹、鼓脹および食欲減少が挙げられる。異常な胃内容排出ならびに上昇した胃の感受性および窮迫は、NUDに寄与し得るが、その症状を完全には説明できない。処置としては、行動療法、精神療法、または抗うつ薬、運動性調節薬剤、Hレセプターアンタゴニスト、および消化管運動改善薬(prokinetics)の投与が挙げられる。しかしながら、これらの処置の多くは、多くの患者において、限定された効力を示している。
上記の構造的/非構造的分類に加えて、胃腸管障害はまた、SleisengerおよびFordtranのGastrointestinal and Liver Disease,第6版(W.B.Saunders Co.1998);K.M.Sanders(1996)Gastroenterology,111:492−515;P.Holzer(1998)Gastroenterology,114:823−839;ならびにR.K.Montgomeryら(1999)Gastroenterology,116:702−731に記載されるとおり、胃腸管の種々の部分の解剖学的特性、生理学的特性、および他の特性に基づき下位分類され得る。例えば、酸性消化性障害は、概して、胃液分泌の酸性および/または消化性活性によるダメージから生じると考えられ、食道、胃、および十二指腸に影響を及ぼし得る。酸性消化性障害としては、胃食道逆流疾患、消化性潰瘍(胃および十二指腸の両方)、糜爛性食道炎および食道狭窄症が挙げられる。ゾリンジャーエリソン症候群(Zollinger−Ellison Syndrome)は、代表的に、内分泌腺腫瘍によって引き起こされる過剰の酸分泌による複数の潰瘍を示すことから、酸性消化性障害と考えられ得る。処置としては、代表的に、胃酸抑制治療、抗生物質、および手術が挙げられる。しかしながら、いくつかの患者においては、これらの治療は、無効であることが証明されている。
胃腸管障害についての別の下位分類は、SleisengerおよびFordtranのGastrointestinal and Liver Disease,第6版(W.B.Saunders Co.1998);K.M.Sanders(1996)Gastroenterology,111:492−515;P.Holzer(1998)Gastroenterology,114:823−839;ならびにR.K.Montgomeryら(1999)Gastroenterology,116:702−731に開示されるとおり、胃腸管の種々の部分の間の特性に基づく胃食道障害と腸障害との間で規定され得る。構造的胃食道障害としては、幽門から遠位の構造的摂動(粘膜において観察される摂動を含む)の証拠がない胃および/または食道の障害が挙げられる。消化不良(上腹部中心での慢性疼痛または慢性不快感)は、大半の構造的胃食道障害の顕著な特徴であるが、これはまた、非構造的摂動においても観察され得、全ての一般医療診断のうちの2〜5%を占めると見積もられている。構造的胃食道障害としては、胃炎および胃癌が挙げられる。対照的に、構造的腸管障害は、小腸(十二指腸、空腸、および回腸)および大腸の両方において発生する。構造的腸管障害は、腸の粘膜または筋層における構造的変化を特徴とし、構造的腸管障害としては、小腸の非消化性潰瘍、悪性腫瘍、および憩室症が挙げられる。小腸における非消化性潰瘍は、代表的に、非ステロイド性抗炎症薬物の投与に関連する。憩室症は、まれに小腸に発生し、最も一般的には結腸に現れる障害である。
胃腸管障害のための現存の治療および処置は、上記のような制限を伴うことから、新しい治療および処置が、所望される。
(発明の要旨)
胃腸管障害、特に炎症性腸障害および過敏性腸症候群を処置するための組成物および方法が、提供される。本発明の組成物は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特にテトロドトキシン抵抗性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターならびに薬学的に受容可能な、薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、およびこれらの他の誘導体を含有する。本発明における使用のためのTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターとしては、Na1.8チャネルおよび/またはNa1.9チャネルを調節するかまたはこれらと相互作用する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの組成物は、哺乳動物、特にヒトにおいて、胃腸管障害、特に炎症性腸障害および過敏性腸症候群を処置するために、これらの組成物を必要とする患者に治療的に有効量において投与される。胃腸管障害の処置にとって有効量が、送達される限り、これらの組成物は、投与の任意の手段によって投与され得ることが認識される。これらの組成物は、例えば、持続的投与、連続的投与、または随時投与のために処方され得る。
(発明の詳細な説明)
(概観および定義)
本発明は、構造的障害(炎症性腸障害および構造的腸障害を含む)、ならびに非構造的障害(機能性胃腸管障害を含む)を含むが、酸−消化管障害または胃食道障害を含まない胃腸管の障害を処置するための組成物および方法を提供する。この組成物は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、テトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターを含む。この方法は、例えば、ある量のナトリウムチャネルモジュレーター、特に、テトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターを含む種々の組成物および処方物を投与することによって達成される。
先の記載および関連する図面に示される教示の利益を有する、多くの改変および本明細書中に記載される本発明の他の実施形態は、これらの発明が属する分野の当業者が思い浮かぶ。従って、本発明が開示される特定の実施形態に制限されないこと、および改変および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。特定の用語が本明細書中で使用されるが、これらは、一般的および説明的意味だけで使用され、制限の目的ではない。
この明細書および付随の実施形態に使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」が、文脈が明らかに他のものを示さない限り、複数の対象を含むことが注意されなければならない。従って、例えば、「活性薬剤(an active agent)」または「薬理学的に活性な薬剤(a pharmacologically active agent)」は、単一の活性薬剤および二つ以上の異なる活性薬剤の組合せを含み、「キャリア(a carrier)」との参照は、2つ以上のキャリアの混合物および単一のキャリアなどを含む。
用語「構造的胃腸管障害」または「粘膜胃腸管障害」とは、胃腸管の構造的異常または粘膜の異常に関連するか、あるいは関連する代謝の乱れの証拠が存在する任意の胃腸管障害(炎症性腸障害、構造的胃食道障害、および構造的腸障害を含むが、これらに限定しない)をいう。
「炎症性腸障害」によって、小腸および/または大腸の炎症に主に関連する任意の障害(潰瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、直腸炎、セリアック病(または非熱帯性スプルー)、血清陰性関節症と関連する腸疾患、顕微鏡的(microscopic)大腸炎またはコラーゲン蓄積大腸炎、好酸球性胃腸炎、または直腸結腸切除後に生じる嚢炎(pouchitis)、および回腸肛門吻合(ileoanal anastomosis)後の嚢炎が挙げられるがこれらに限定されない)が意図される。
「クローン病」は、主に小腸および大腸の胃腸炎症(フィステルまたは腸外発現を有する障害を含む)をいうためにその従来の意味で使用され、限局性腸炎、回腸炎、および肉芽腫回結腸炎を含む全ての症状を包含する。
「直腸炎」は、直腸内層の炎症をいうために、その従来の意味で使用される。
「セリアック病」は、小腸の形態学における変化(代表的に、絨毛の平滑化(villus blunting)を有するかまたは有さない、グルテンまたはグルテン副生成物に対する変化した感受性に主に関連する任意の障害をいうために、その従来の意味で使用され、セリアックスプルーおよび非熱帯性スプルーを含む全ての類義語を包含する。セリアック病を有すると診断された患者は、顕著な下痢および腹部疼痛を有するか、または最小の症状(例えば、腹部の不快および付随する疱疹状皮膚炎を有する、徴候的なグルテン不耐性を有し得る。
「大腸炎」は、大腸の炎症をいうために、その従来の意味で使用される。
「潰瘍性大腸炎」は、大腸の内層の上層における炎症および潰瘍をいうためにその従来の意味で使用され、任意の程度であり得る(直腸炎、直腸S状結腸炎、左側大腸炎、または全大腸炎(pan−colitis)を含む)。
「コラーゲン蓄積大腸炎」または「顕微鏡的大腸炎」は、主な症状として水溶性下痢を有する未知の病因論の炎症性障害をいうためにその従来の意味で使用される。腸の生検は、代表的に、結腸の内側表面(上皮)のすぐ下のコラーゲンの正常より厚い層(結合組織)ならびに/または上皮および上皮の下にある結合組織の炎症を示す。この障害と関節炎との関連が存在する
「好酸性胃腸炎」は、胃腸管の生検が好酸球と呼ばれるある型の白血球での浸潤を示す状態をいうためにその従来の意味で使用される。好酸球胃腸炎の単一の原因は無く、多くの場合において、公知の原因はない。症状としては、食事を完了する前の満腹感、下痢、腹部の痙攣または疼痛、悪心および嘔吐が挙げられ得る。喘息およびアレルギーが、この障害に時々関連する。
「嚢炎」は、腸における手術後の腸の遠位位置における炎症をいうためにその従来の意味で使用される。
「リンパ球性大腸炎」は、潰瘍の無い大腸の炎症をいうためにその従来の意味で使用され、顕微鏡的大腸炎を含む全ての類義語を包含する。
用語「非構造的胃腸管障害」または「非粘膜胃腸管障害」は、胃腸管の構造的異常にも粘膜の異常にも関連せず、関連する代謝の乱れの証拠も存在しない任意の胃腸管障害(機能性胃腸管障害を含むが、これらに限定されない)をいう。
「機能性胃腸管障害」は、粘膜の損傷も構造的損傷も無く、代謝障害も無しで、運動機能または感覚機能の乱れと関連する任意の胃腸管障害を意図する。機能性胃腸管障害としては、機能性嚥下困難、非潰瘍性消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、ゆっくり通過する便秘および排便障害が挙げられる。
「非潰瘍性消化不良」は、食後の任意の腹部の症状(悪心、嘔吐、疼痛、初期の満腹、鼓張および食欲の喪失を含む)と関連する任意の障害を意図し、ここで、食道にも、胃にも、十二指腸にも潰瘍が存在しない。変化した胃の空、増加した胃の感受性および苦痛が、非潰瘍性消化不良の発生における因子と考えられる。
「過敏性腸症候群」または「IBS」は、腹部疼痛および/または腹部の不快感ならびに腸の性質の変化と関連する任意の障害を意図し、機能性腸、幽門痙攣、神経性消化障害、痙性結腸、痙性大腸炎、痙性腸、腸壊死、機能性大腸炎、過敏性大腸炎、粘膜性大腸炎、下痢性大腸炎、および機能性消化不良を含む全ての類義語を包含する。
「ゆっくり通過する便秘」は、器官を通る長期の通過時間を有する、大腸における運動性の遅延を有する障害として意図される。
「排便障害」は、排便が乏しく起こり、患者が便を放出し得ない任意の障害として意図される。
「酸性消化障害」は、食道、胃、および/または十二指腸に影響する胃の分泌の酸性活性および/または消化活性に起因する損傷と関連する任意の障害を意図する。酸性消化障害としては、胃食道逆流疾患、消化性潰瘍(胃および十二指腸の両方)、糜爛性食道炎、食道狭窄症、およびZollinger−Ellison症候群が挙げられる。
胃腸管障害は、Sleisenger and Fordtran’s Gastrointestinal and Liver Disease,第6版(W.B.Saunders Co.1998);K.M.Sanders(1996)Gastroenterology,111:492−515;P.Holzer(1998)Gastroenterology,114:823−839;およびR.K.Montgomeryら(1999)Gastroenterology,116:702−731に開示されるように、胃腸管の異なる部分の解剖学的、生理学的、および他の特徴に基づいて、胃食道障害と腸障害との間で分けられ得る。
「胃食道」によって、食道および胃の全ての部分が意図される。「胃食道障害」によって、食道および/または十二指腸に関係する任意の障害が意図される。「構造的胃食道障害」によって、幽門から遠位の構造的乱れの証拠(粘膜において観察されるものを含む)が無い、胃および/または食道の任意の障害が意図される。構造的胃食道障害は、胃癌および胃炎を含む。
「腸管」によって、十二指腸、空腸、回腸および大腸(または結腸)の全ての部分が意図される。「腸管障害」によって、十二指腸、空腸、回腸、および大腸(または結腸)に関係する任意の障害が意図される。「構造的腸管障害」によって、重要な粘膜および構造的異常が存在するか、または炎症性腸障害も酸性消化障害もない関連の代謝の乱れの証拠がある、十二指腸、空腸、回腸、および/または大腸(または結腸)に関係する任意の障害が意図される。構造的腸障害としては、非ステロイド性抗炎症性薬剤のような薬物療法に代表的に関連する潰瘍、悪性疾患、および憩室症が挙げられる。
「小腸」で、十二指腸、空腸および回腸の全ての部分を意味する。用語「十二指腸」は、慣習的な意味で使用され、幽門部に始まり、トライツ靱帯に終わる胃腸管の一部分を指す。十二指腸は、4部分に分けられる。(例えば、Yamada(1999)Textbook of Gastroenterology 第3版、Lippincott Williams&Wilkinsを参照のこと)。十二指腸の第一の部分は、十二指腸の上部の部分としてもまた知られており、そして幽門部に始まり、約5cmの長さである。そして十二指腸の第一の部分は、肝臓の下で、後方におよび上方に胆嚢の首部(胆嚢の最初の2cm〜3cmは、十二指腸球部である)まで通っている。十二指腸の第2の部分は、十二指腸の下向き部分としてもまた知られており、そして膵臓の頭部の右縁に沿って伸びており、そして約7cm〜10cmの長さである。十二指腸の第3の部分は、十二指腸の横向き部分としてもまた知られており、そして十二指腸が背骨を横切って右から左に通っている場所であり、約5cm〜8cm上方に傾いている。十二指腸の第4の部分は、十二指腸の上向き部分としてもまた知られており、そして脊柱の左部分に始まり、大動脈の左側を2cm〜3cmにわたって上り、そしてトランツ靭帯にて終わる。
用語「活性な薬剤」および「薬理学的に活性な薬剤」は、本明細書中で互換的に使われ、そして所望の効果、すなわち、この場合においては、酸消化管障害または構造的な胃食道障害を除く胃腸管の障害の処置を誘導する化合物を指す。本明細書中の第一の活性な薬剤は、TTX−Rナトリウムチャネルと相互作用する化合物であり、ナトリウムチャネルモジュレーター、特にテトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存ナトリウムチャネルモジュレーター(Nav1.8チャネルおよび/またはNav1.9チャネルを調節し、またはこれらと相互作用する化合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、TTX−Rナトリウムチャネルと相互作用するナトリウムチャネルモジュレーター、特にテトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存ナトリウムチャネルモジュレーター化合物が、追加の1種以上の活性な薬剤と共に投与される併用療法もまた、本発明の範囲内である。このような併用療法は、異なる活性薬剤を単一の組成物で投与することでか、異なる活性薬剤を別個の組成物中で同時投与することでか、または別個の活性薬剤を逐次投与することにより、実行され得る。所望の効果を誘導もすると特に言及されるこれらの化合物または化合物の部類の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および誘導体が含まれる。
本明細書中で用いられる場合、用語「ナトリウムチャネルモジュレーター」は、チャネル孔それ自体と相互作用(例えば、結合事象)する薬剤、またはチャネルのアロステリックモジュレーターとしてチャネル複合体上の部位と相互作用(例えば、結合事象)することにより作用し得る薬剤、ならびに塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物およびそれらの他の誘導体を包含するように意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物または誘導体は、薬学的に受容可能であり、ならびに薬理学的に活性であることが、理解される。
本明細書中で用いられる場合、用語TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターは、TTX−Rナトリウムチャネルと相互作用する薬剤および/またはTTX−Rナトリウムチャネルと関連(例えば、結合事象)する任意のタンパク質と相互作用し、生理的効果(例えば、チャネルの開口、閉口、遮断、チャネルの上方制御発現または下方制御発現であって、アンチセンス技術またはノックアウト技術ではない)を生み出す薬剤を含むことが意図される。「TTX−Rナトリウムチャネルおよび/またはTTX−Rナトリウムチャネルと関連する任意のタンパク質と相互作用する薬剤」としては、アミノ酸化合物、ペプチド、非ペプチド、ペプチド模放物、小分子量有機化合物およびTTX−Rナトリウムチャネルを調節するかまたはTTX−RナトリウムチャネルもしくはTTX−Rナトリウムチャネルと関連(例えば、結合事象)するタンパク質(例えば、アンカータンパク質)と相互作用(例えば、結合事象)する他の化合物ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および他の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。「TTX−Rナトリウムチャネルおよび/またはTTX−Rナトリウムチャネルと結合する任意のタンパク質と相互作用する薬剤」もまた、アミノ酸化合物、ペプチド、非ペプチド、ペプチド模放物、小分子量有機化合物、ならびにNav1.8および/もしくはNav1.9チャネルを調節するかもしくはこれらと相互作用(例えば、結合事象)するか、またはNav1.8および/もしくはNav1.9チャネルに関連する(例えば、結合事象)タンパク質(例えば、アンカータンパク質)を調節するかもしくはこれらと相互作用する他の化合物ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および他の誘導体)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物または誘導体は、薬学的に受容可能であり、ならびに薬理学的に活性であることが理解される。
本明細書中で用いられる場合、用語「活性依存ナトリウムチャネルモジュレーター」または「用途依存ナトリウムチャネルモジュレーター」は、活性化しているかもしくは開いているナトリウムチャネルの活性を優先的に調節し、そして開いたチャネルの活性を修飾するか、またはHille B.(1992)Ionic Channels in Excitable Membranes.第2版、Sinauer Associates,Sunderland、Mass.、pp.390〜422に記載されるようなチャネルの不活性化状態の活性を修飾するかいずれかにより、その効果を示す薬剤を意味する。他に示されなければ、用語「活性依存ナトリウムチャネルモジュレーター」は、チャネル孔それ自体と相互作用(結合事象)する薬剤、またはチャネル複合体上の部位と相互作用することにより、そのチャネルのアロステリックモジュレーターとして作用し得る薬剤およびこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物およびこれらの化合物の他の誘導体を含むように意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物または誘導体は、薬学的に受容可能でかつ薬学的に活性であることが理解される。
用語「ペプチド模放物」は、慣習的な意味で使われ、ペプチドの生物学的活性に類似した活性を持つが化学的性質においてはもはやペプチドではない分子(アミノ酸間のアミド結合を欠く分子、ならびに擬似ペプチド(pseudo−peptide)、セミペプチド(semi−peptide)およびペプトイド(peptoid)を含む)を指す。本発明に基づくペプチド模放物は、上記ペプチド模放物が基礎とするペプチドの活性基の三次元配置に非常に類似する反応性化学部分の空間的配置を提供する。この類似の活性部位配置の結果として、ペプチド模放物は、上記ペプチドの生物学的活性に類似する生物系に影響を及ぼす。
本明細書中で用いられる場合、用語「抗コリン作用剤」は、任意のアセチルコリンレセプターアンタゴニストを指し、これは、ニコチン型および/またはムスカリン型アセチルコリンレセプターのアンタゴニストを包含する。本明細書中で用いられる場合、用語「抗ニコチン剤」は、任意のニコチンアセチルコリンレセプターアンタゴニストを指す。本明細書中で用いられる場合、用語「抗ムスカリン剤」は、ムスカリン型アセチルコリンレセプターアンタゴニストを指す。他に示されなければ、用語「抗コリン作用剤」、「抗ニコチン剤」および「抗ムスカリン剤」は、本明細書中でさらに開示されるような抗コリン作用を示す薬剤、抗ニコチン作用を示す薬剤および抗ムスカリン作用を示す薬剤、ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を包含することが意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体が、薬学的に受容可能でかつ薬理学的に活性であることが理解される。
用語「β3 アドレナリンアゴニスト」は、β3アドレナリンレセプターをアゴナイズする化合物を指すために、その従来の意味で使用される。他に示されない限り、用語「β3アドレナリンアゴニスト」とは、本明細書中にさらに開示されるようなβ3アドレナリンアゴニスト作用薬、およびこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を含むことが意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体は、薬学的に受容可能であり、かつ薬理学的に活性であることが理解される。
用語「鎮痙薬(spasmolytic)」(「抗痙攣薬(antispasmodic)」としてもまた知られている)は、筋肉の痙攣、特に平滑筋の痙攣を緩和または予防する化合物を指すために、その従来の意味で使用される。他に示されない限り、用語「鎮痙の」は、本明細書中にさらに開示される鎮痙薬、ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を含むことが意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体が薬学的に受容可能であり、同時に薬理学的に活性であることが理解される。
用語「ニューロキニンレセプターアンタゴニスト」は、ニューロキニンレセプターをアンタゴナイズする化合物を指すために、その従来の意味で使用される。他に示されない限り、用語「ニューロキニンレセプターアンタゴニスト」は、本明細書中にさらに開示されるニューロキニンレセプターアンタゴニスト剤、ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を含むことが意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体が、薬学的に受容可能であり、かつ薬理学的に活性であることが理解される。
用語「ブラジキニンレセプターアンタゴニスト」は、ブラジキニンレセプターをアンタゴナイズする化合物を指すために、その従来の意味で使用される。他に示されない限り、用語「ブラジキニンレセプターアンタゴニスト」は、本明細書中にさらに開示されるようなブラジキニンレセプターアンタゴニスト剤、ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を含むことが意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体が、薬学的に受容可能でかつ薬理学的に活性であることが理解される。
用語「酸化窒素ドナー(nitric oxide donor)」は、患者に投与された場合の遊離の酸化窒素を放出する化合物を指すために、その従来の意味で用いられる。他に示されない限り、用語「酸化窒素ドナー」は、本明細書中にさらに開示される酸化窒素ドナー剤、ならびにこれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、および他の誘導体を含むように意図される。さらに、任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、または誘導体が、薬学的に受容可能でかつ薬理学的に活性であることが理解される。
用語「処置すること」および「処置」は、本明細書中で使用される場合、酸消化管障害もしくは構造的胃食道障害以外の胃腸管障害に関連する症状を緩和すること、または不快感を減少させることをさす。
薬物または薬理学的に活性な薬剤の「有効な」量または「治療上有効な量」により、上記薬物または薬剤の、所望の効果を提供するための無毒性ではあるが十分な量(すなわち、酸消化管障害もしくは構造的胃食道障害以外の胃腸管障害に関連する症状を緩和するか、または不快感を減少させるのに十分な量)が意味される。
「薬学的に受容可能な」(例えば、「薬学的に受容可能なキャリア」または薬学的に受容可能な酸付加塩」の記載において)により、生物学的にも他の意味でも望ましくない物質が意味される。すなわち、上記物質は、いかなる望ましくない生物学的影響も引き起こすことなく、上記物質が含有される上記組成物の他の任意の構成成分と有害な方法で相互作用することなく、患者に投与される薬学的組成物中に組み込まれ得る。「薬理学的に活性な」誘導体または代謝物の「薬学的に活性な」(または単に「活性な」)とは、上記親化合物と同一の型の薬理学的活性を有する誘導体または代謝物をいう。用語「薬学的に受容可能な」が、活性な薬剤の誘導体(例えば、塩またはアナログ)を指すために使用される場合、上記化合物は、薬理学的にもまた活性であり、すなわち、哺乳動物、特にヒトにおける、酸消化管障害または構造的胃食道障害以外の胃腸管障害を処置するのに治療上有効であることが理解される。
「連続的」投与によって、選択された活性薬剤の慢性投与が意味される。「随時(as−needed)」投与(必要な場合に(「pro re nata」「prn」)投与および「要求があり次第(on demand)」の投与(dosingまたはadministration)としても公知である)によって、酸性消化障害または構造性胃食道障害以外の胃腸管障害の症状の抑制が望ましい活動の開始前のいつかに単一用量の上記活性薬剤を投与することが意味される。投与は、処方物に依存して、そのような活動の直前(そのような活動の約0分間前、約10分間前、約20分間前、約30分間前、約1時間前、約2時間前、約3時間前、約4時間前、約5時間前、約6時間前、約7時間前、約8時間前、約9時間前、または約10時間前を含む)であり得る。
「短期間(short−term)」によって、薬物投与後の約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分間、約20分間、または約10分間まで(これらを含む)の任意の期間が、意図される。
「迅速な開始(rapid−offset)」によって、薬物投与後の約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分間、約20分間、または約10分間まで(これらを含む)の任意の期間が、意図される。
用語「制御放出(controlled release)」とは、薬物の放出が即時ではない任意の薬物含有処方物を指すことが意図される(すなわち、「制御放出」処方物を用いると、経口投与は、吸収プールへのその薬物の即時放出をもたらさない)。この用語は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版(Philadelphia,Pa:Lippincott Williams & Wilkins,2000)において定義される「非即時放出(non−immediate release」と互換可能に使用される。
「吸収プール(absorption pool)」とは、特定の吸収部位で投与される薬物の溶液を示し、k、kおよびkは、それぞれ、1)処方物からの薬物の放出、2)吸収、および3)排泄についての一次速度定数である。即時放出投与形態について、薬物放出についての速度定数kは、吸収速度定数kよりもはるかに大きい。制御放出処方物について、逆は真(すなわち、k<<<k)であり、その投与形態からの薬物の放出速度は、標的領域へのその薬物の送達における律速段階である。用語「制御放出」とは、本明細書中で使用される場合、任意の非即時放出処方物(徐放(sustained release)性処方物、遅延放出(delayed release)性処方物、および拍動放出(pulsatile release)性処方物が挙げられるが、これらに限定されない)を包含する。
用語「徐放(sustained release)」とは、長期間にわたる薬物の漸次放出を提供し、好ましくは(必ずしもそうであるわけではないが)薬物投与後の長期間にわたって(例えば、約72時間まで、約66時間まで、約60時間まで、約54時間まで、約48時間まで、約42時間まで、約36時間まで、約30時間まで、約24時間まで、約18時間まで、約12時間まで、約10時間まで、約8時間まで、約7時間まで、約6時間まで、約5時間まで、約4時間まで、約3時間まで、約2時間まで、または約1時間まで)薬物の実質的に一定の血中レベルをもたらす、薬物処方物を指すために、その従来の意味で使用される。
用語「遅延放出(delayed release)」とは、薬物投与後にいくらか遅延した後にその薬物の初期放出を提供し、好ましくは(必ずしもそうであるわけではないが)約10分間まで、約20分間まで、約30分間まで、約1時間まで、約2時間まで、約3時間まで、約4時間まで、約5時間まで、約6時間まで、約7時間まで、約8時間まで、約9時間まで、約10時間まで、約11時間まで、または約12時間までの遅延を含む、薬物処方物を指すためにその従来の意味で使用される。
用語「拍動放出(pulsatile release)」とは、薬物投与後にその薬物の拍動性血漿プロフィールを生じる様式でその薬物放出を提供する薬物処方物を指すために、その従来の意味で使用される。用語「即時放出(immediate release)」とは、薬物投与直後にその薬物の放出を提供する薬物処方物を指すために、その従来の意味で使用される。
用語「即時放出(immediate release)」とは、薬物投与直後にその薬物の放出を提供する薬物処方物を指すために、その従来の意味で使用される。
用語「経皮」薬物送達によって、皮膚または粘膜組織を通って血流中へと薬物が通過することによる送達が、意味される。
用語「局所投与」とは、皮膚または粘膜への局所的薬物または薬理学的に活性な因子の送達を意味するために、その従来の意味で使用される。
用語「経口投与」とは、口を通る薬物の送達ならびに胃および消化管を通る摂取を意味するためにその従来の意味で使用される。
用語「吸入投与」とは、吸入の間に鼻または口を通る通過および肺壁を通る薬物の通過によって、エアロゾル形態の薬物を送達することを意味するためにその従来の意味で使用される。
用語「非経口」薬物送達によって、最初に消化管(alimentary canal)(すなわち、胃腸管(digestive tract))を通過する必要なく、薬物が血流中に通過することによる送達が、意味される。非経口薬物送達は、「皮下」であり得る。「皮下」とは、皮膚の下への投与による薬物の送達を指す。別の形態の非経口薬物送達は、「筋肉内」である。「筋肉内」とは、筋肉組織中への投与による薬物の送達を指す。別の形態の非経口薬物送達は、「皮内」である。「皮内」とは、皮膚中への投与による薬物の送達を指す。さらなる形態の非経口薬物送達は、「静脈内」である。「静脈内」とは、静脈中への投与による薬物の送達を指す。さらなる形態の非経口薬物送達は、「動脈内」である。「動脈内」とは、動脈中への投与による薬物の送達を指す。別の形態の非経口薬物送達は、「経皮」である。「経皮」とは、皮膚を通って血流中へと薬物が通過することによる薬物の送達を指す。
なお別の形態の非経口薬物送達は、「経粘膜」である。「経粘膜」とは、個体の粘膜表面へと薬物を投与して、その薬物が、その粘膜組織を通ってその個体の血流へと至るようにすることを指す。経粘膜薬物送達は、「口腔粘膜(buccal)」または「経口腔粘膜(transbuccal)」であり得る。「口腔粘膜」または「経口腔粘膜」とは、個体の口腔粘膜(buccal mucosa)を通って血流中へと通過させることによる薬物の送達を指す。別の形態の本明細書中の経粘膜薬物送達は、「舌(lingual)」薬物送達である。「舌」薬物送達とは、個体の舌粘膜を通って血流中へと薬物を通過させることによる薬物の送達を指す。別の形態の本明細書中の経粘膜薬物送達は、「舌下」薬物送達である。「舌下」薬物送達とは、個体の舌下粘膜を通って血流中へと薬物を通過させることによる薬物の送達を指す。別の形態の経粘膜薬物送達は、「経鼻」薬物送達または「鼻内」薬物送達である。「経鼻」薬物送達または「鼻内」薬物送達とは、個体の鼻粘膜を通って血流中へと至る薬物の送達を指す。さらなる形態の本明細書中の経粘膜薬物送達は、「直腸」薬物送達または「経直腸」薬物送達である。「直腸」薬物送達または「経直腸」薬物送達とは、個体の直腸粘膜を通って血流へと薬物を通過させることによる薬物の送達を指す。別の形態の経粘膜薬物送達とは、「尿道」送達または「経尿道」送達である。「尿道」送達または「経尿道」送達とは、薬物が尿道壁に接触して尿道壁を通過するような、尿道中への薬物の送達を指す。さらなる形態の経粘膜薬物送達は、「膣」送達または「経膣」送達である。「膣」送達または「経膣」送達とは、個体の膣粘膜を通って血流中へと薬物を通過させることによる薬物の送達を指す。さらなる形態の経粘膜薬物送達は、「膣周囲」送達である。「膣周囲」送達とは、膣陰唇組織を通って血流中へと至る薬物の送達を指す。
本発明の方法を実行するために、選択された活性薬剤が、酸性消化障害または構造的胃食道障害以外の胃腸管障害に罹患している患者に投与される。治療有効量の上記活性薬剤は、経口投与、静脈内投与、皮下投与、経粘膜(口腔粘膜、舌下、経尿道、および直腸を含む)投与、局所投与、経皮投与、吸入による投与、または他の任意の投与経路を使用する投与をされ得る。
(胃腸管障害)
胃腸管障害は、米国において毎年数百万人の男性および女性の生活の質に影響を与える。胃腸管障害は、胃腸の平滑筋、上皮、感覚求心性ニューロン、または中枢神経系経路の障害に関与し得る。中枢機構もしくは末梢機構、またはその両方が、胃腸管障害に関与しているか否かに関する不確実性にも関わらず、提唱される多くの機構は、内臓感覚を媒介するニューロンおよび経路に関係する。胃腸管からの内臓感覚情報は、脊髄神経節(DRG)を介して脊髄に入るかまたは迷走神経求心性線維を介して下神経節へと突出する、感覚線維により伝達される(Physiology、R.M.BerneおよびM.N.Levy編、1983、CV Mosby Co.,St.Louis)。多数の種々のサブタイプの感覚求心性ニューロンが、胃腸管からの神経伝達に関与し得る。これらは、小直径、中直径、大直径、有髄、無髄、仙骨、腰、脊髄神経節(DRG)、迷走神経、結節性、ペプチド作動性、非ペプチド作動性、IB4陽性、IB4陰性、C線維、Aδ線維、Aβ線維、高閾値または低閾値のニューロンとして分類され得るが、これらに限定はされない。
(構造的胃腸管障害および非構造的胃腸管障害)
胃腸管障害は、構造的(または粘膜)胃腸管障害および非構造的(または非粘膜)胃腸管障害として特徴付けられている。構造的障害としては、炎症性腸障害および非炎症性構造胃腸管障害が挙げられる。非構造的障害としては、機能的胃腸管障害として分類されている種々の障害が挙げられる。
炎症性腸障害は、胃腸管の炎症または潰瘍形成を引き起こし得る一群の障害を包含する。潰瘍性大腸炎およびクローン病は、最も一般的な型の炎症性腸障害であるが、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性(顕微鏡的)大腸炎、および他の障害もまた、記載されている。
本発明の化合物は、潰瘍性大腸炎の処置において有用である。潰瘍性大腸炎は、大腸に罹患する未知の病因の慢性炎症性障害であり、非常に重篤な場合以外は、腸粘膜に限定される。この障害の経過は、連続的であっても再発的であってもよく、そして軽度であっても重篤であってもよい。医療処置は、患者の臨床状態に依存して、主に、サリチル酸誘導体、糖質コルチコステロイド(例えば、プレドニゾンまたは酢酸プレドニゾン)、および代謝拮抗物質の使用を包含する。サリチル酸誘導体(例えば、スルファジンまたはメサラミン)は、その障害の軽度の症例を有する患者において有効である。糖質コルチコステロイドおよび代謝拮抗物質は、中程度の疾患または重篤な疾患を有する患者において有効であるが、多数の副作用に関係がある。その障害の制御のために糖質コルチコステロイドまたは代謝拮抗物質を慢性投与する必要がある患者は、最終的には、結腸を外科的に除去してその疾患を排除する。従って、本発明の化合物は、潰瘍性大腸炎についての新規な処置についての既存の必要性を満たす。
本発明の化合物はまた、クローン病の処置にも有効である。潰瘍性大腸炎と同様に、クローン病(限局的な腸炎、回腸炎、または肉芽腫性回結腸炎としても知られる)は、未知の病因の慢性炎症性障害であるが、しかしこの疾患の位置および病理学は、異なる。クローン病は典型的に、小腸、大腸またはこの二箇所の組み合わせのいずれかに現れ、この腸壁内に位置する深層の筋肉および漿膜に炎症を引き起こし得る。この障害の過程は、継続的または再発性であり得、軽症または重症であり得る。医学的処置としては、サリチル酸塩誘導体、糖質コルチコステロイド、代謝拮抗物質の継続的な使用および抗TNF抗体の投与が挙げられる。多くのクローン病患者は、この疾患に関連する問題のために腸の手術を必要とするが、潰瘍性大腸炎と異なり、その後の再発が、一般的である。従って、本発明の化合物は、クローン病のための新規治療法に対する既存の要求に応える。
本発明の化合物はまた、コラーゲン蓄積大腸炎およびリンパ球性大腸炎の処置にも有効である。コラーゲン蓄積大腸炎およびリンパ球性大腸炎は、結腸の特発性炎症性障害であって、典型的に中年の個体または高齢の個体に水っぽい下痢を引き起こす。リンパ球性大腸炎は、肥厚した上皮下膠原性層を欠いているためにコラーゲン蓄積大腸炎特別される。ペプトビスモル形態のビスマスは、一部の患者に有効な処置であり得るが、より重症な症例には、サリチル酸誘導体、メトロニダゾールのような抗生物質、および糖質コルチコステロイドの使用を必要とし得る。従って、本発明の化合物は、コラーゲン蓄積大腸炎およびリンパ球性大腸炎の新規治療法に対する既存の要求に応える。
本発明の化合物はまた、胃腸管の機能障害の処置にも有効である。胃腸管の機能障害は、代謝の変化または構造的異常の徴候のない腹部型の症状の提示によって特徴付けられる。典型的に機能障害下にあると考えられる障害としては、嚥下障害、非潰瘍性消化不良、過敏性腸症候群、緩性移行型(slow−transit)の便秘、および瀉出障害が挙げられる(David C.DaleおよびDaniel D.編集による、Camilleri(2002)Gastrointestinal Motility Disorders(WebMD Scientific American Medicine)Federman,NewYork,NY,WebMD)。胃腸管の機能障害の顕著な例は、過敏性腸症候群(IBS)であり、これはまた種々の同義語(機能性腸、幽門痙攣、神経性消化不良、痙攣性結腸、痙攣性大腸炎、痙攣性腸、腸神経症、機能性大腸炎、過敏性結腸、粘液性大腸炎、下痢性大腸炎、および機能性消化不良が挙げられる)によって知られている。IBSは一般に、腹の痛みおよび/または不快感を引き起こし、明確な病因もなく腸体質の変化を引き起こす。診断は、患者の症状に関連する全ての症状を考慮に入れるローマ判定基準に基づく(例えば、Drossmanら、(1997)Gastroenterology,112:2120)。患者は典型的に、痛覚過敏および異痛と同じ症状を示す。
本発明の化合物はまた、IBSの処置にも有用である。現在、IBSの処置の大部分は、効果がなく、ストレスマネージメント、治療食、および薬物が含まれている。抗不安薬および抗うつ薬のような向精神薬が、利用されているが、その副作用のプロファイルが原因で限定された有用性しかを有さない。鎮痙薬および種々の下痢止め調製物もまた、用いられているが、これらは、依然としてIBSの患者にとって不十分な治療薬のままである。従って、本発明の化合物は、IBSの新規治療法に対する既存の要求に応える。
本発明の化合物はまた、非潰瘍性消化不良の処置にも有効である。非潰瘍性消化不良(NUD)は、立証された病因のない胃腸管の機能障害の顕著な別の例である。NUDに関連する症状としては、悪心、嘔吐、痛み、早期に満腹になること、鼓脹および食欲不振が挙げられる。異常な胃の空腹感ならびに増加した胃の敏感性および困難は、NUDの一因になり得るが、その症状は完全に説明されない。処置としては、行動療法、精神療法、または抗うつ薬、運動調節薬、制酸薬、Hレセプターアンタゴニストおよびプロキネティック(prokinetic)の投与が挙げられる。しかし、これらの処置の多くは、多くの患者において限定された効力しか示していない。従って、本発明の化合物は、NUDの新規治療法に対する既存の要求に応える。
(解剖学的特徴および生理学的特徴)
上記の構造的/非構造的な分類に加えて、胃腸管障害はまた、解剖学、生理学、およびSleisengerおよびFordtran’s Gastrointestinal and Liver Disease,第6版(W.B.Saunders Co.1998);K.M.Sanders(1996)Gastroenterology,111:492〜515;P.Holzer(1998)Gastroenterology,114:823〜839;ならびにR.K.Montgomeryら(1999)Gastroenterology,116:702〜731に記載されるような異なる部分の胃腸管の他の特徴に基づいて下位分類され得る。例えば、酸性消化障害は一般に、胃の分泌物の酸活性および/または消化活性に起因する損傷に由来して生じると考えられ、食道、胃、および十二指腸に発症し得る。酸性消化障害としては、胃食道逆流疾患、消化性潰瘍(胃および十二指腸の両方)、びらん性食道炎、および食道狭窄が挙げられる。ゾリンジャー−エリソン症候群は、典型的に内分泌腺の腫瘍によって引き起こされる過剰な酸分泌に起因する多数の潰瘍を示すので、酸性消化障害と考えられ得る。処置としては、典型的には、胃酸抑制療法、抗生物質、および手術が挙げられる。しかし、一部の患者において、これらの治療法は、有効ではないことが示されている。従って、本発明の化合物は、酸性消化障害の新規治療法に対する既存の要求に応じる。
胃腸管障害についての別の下位分類は、SleisengerおよびFordtran’s Gastrointestinal and Liver Disease第6版(W.B.Saunders Co.1998);K.M.Sanders(1996)Gastroenterology,111:492−515;P.Holzer(1998)Gastroenterology,114:823〜839;ならびにR.K.Montgomeryら(1999)Gastroenterology,116:702〜731に開示されるような胃腸管の種々の部分の間の特徴に基づいて胃食道障害と腸障害との間でなされ得る。構造的胃食道障害としては、幽門の遠位に構造的障害の形跡(粘膜に見られる構造的障害を含む)のない胃および/または食道の障害を含む。消化不良(腹部上部に集中した慢性的な痛みまたは不快感)は、多くの構造的胃食道障害の顕著な特徴であるが、非構造的障害もまた観察され得、一般的な医療診断の全体の2%〜5%の割合を占めると推定されている。構造的胃食道障害としては、胃炎および胃癌が挙げられる。対照的に、構造的腸管障害は、小腸(十二指腸、空腸、および回腸)および大腸の両方に生じる。構造的腸管障害は、腸の粘膜または筋肉層における構造変化により特徴付けられ、小腸の非消化性潰瘍、悪性疾患、および憩室症が挙げられる。小腸の非消化性潰瘍は典型的に、非ステロイド性抗炎症剤の投与に関連する。憩室症は、小腸にまれに生じ、最も一般的には、結腸に現れる。
本発明の化合物は、胃食道障害および腸障害の両方の処置に有効である。
(非炎症性胃腸管障害)
本発明の化合物は、非炎症性胃腸管障害の処置に有効である。非炎症性胃腸管障害としては、非炎症性構造的胃腸管障害および非構造胃腸管障害が挙げられる。非炎症性構造胃腸管障害としては、裂孔ヘルニア、狭窄、食道ウェッブ、シャッツキー輪、食道憩室、および食道強皮症が挙げられるが、これらに限定されない。非構造胃腸管障害としては、アカラシアおよびびまん性食道痙攣のような食道の運動性障害、ならびに過敏性腸症候群のような胃腸管の機能障害が挙げられる。
裂孔(hiatal)(裂孔(hiatus)とも称される)ヘルニアは、滑脱型および傍食道型の二つの型に分けられ得る。(First Principles of Gastroenterology,The basis of disease and an approach to management(2000),第4版,Thompson ABRおよびShaffer EA(編集)、Canadian Association of Gastroenterology and AstraZeneca)。滑脱性裂孔ヘルニアは、比較的一般的であり、噴門および近位胃の周辺カフが、横隔膜の裂孔を通って胸郭へと移動する場合に生じる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。滑脱性裂孔ヘルニアの病因は、不明であり、しばしば自然に緩和および改善するが、症状がひどい場合には、外科的修正が、実施され得る(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。対照的に、傍食道裂孔ヘルニアは、比較的一般的ではなく、胃の基底部が、胃食道接合部の変位を伴うことなく食道に平行する裂孔を通って移動する場合に生じる。(例えば、Thompsonおよびhaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。傍食道ヘルニアの病因もまた、不明である。傍食道ヘルニアはしばしば、無症候性であるが、その多くは、そのヘルニア様部分が、絞扼性ヘルニアおよび梗塞性ヘルニアとなり得るので、外科的に処置され得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。本発明の化合物は、裂孔ヘルニアの処置に有効である。
本発明の化合物は、狭窄症の処置に有効である。狭窄症は、胃腸管の狭窄化である。食道の狭窄症は、食道の狭窄化である。
本発明の化合物はまた、食道ウェッブの処置にも有効である。食道ウェッブは、食道腔へ突出した薄い、膜様構造であり、扁平上皮で両側が覆われ、かつ頸部食道において最も一般的に見出される。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。食道ウェッブは、食道腔をまれに完全に塞ぎ嚥下障害を引き起こす。食道ウェッブは、通常、バリウムx線の間に偶発的に検出される。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。一部の食道ウェッブは、原因が先天性であり得るが、他は、食道の損傷後に形成し得る。(例えば、Thompsonおよび Shaffer,First Principles of Gastroenterology(前出))。食道ウェッブの病因は、不明である。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(前出)を参照のこと)。
本発明の化合物はまた、シャッツキー輪の処置において有用である。食道ウェッブと同様に、シャッツキー輪もまた、膜様構造物である。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Pinciples of Gastroenterology(上記)参照)。しかし、ウェッブと同様に、シャッツキー輪は、その上面で平滑上皮により内側を覆われ、円柱上皮により下方内側を覆われている。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。シャッツキー輪は、稀にしか、嚥下困難を引き起こすに充分な食道管腔を閉塞しないが、すべての胃腸管上部バリウムX線のうちの10%までで偶発的に検出される。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。しかし、嚥下困難が生じた場合、シャッツキー輪が、一般的原因である。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。症候性シャッツキー輪の処置は、大きな直径のブジーまたはバルーン拡張器を用いてその輪を粉砕することを含む。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、シャッツキー輪の新規な処置についての既存の必要性を満たす。
本発明の化合物は、食道憩室の処置において有用である。食道憩室は、食道壁の1つ以上の層からなる袋状突出(outpouching)であり、中部食道憩室および下部食道憩室を含む。
中部食道憩室(「牽引性」憩室とも呼ばれる)は、古い縦隔の炎症(例えば、結核)の次に生じるとかつて考えられ、これは、外側食道壁に対する縦隔構造の接着を引き起こした(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。最近の証拠は、非常に少数の中部食道憩室しか、この様式では生じず、代わりに、運動障害に関連することを示唆する(例えば、ThompsonおよびShaffter,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。実際、中部食道は、実際には、蠕動波が、平滑筋食道における同時収縮または痙攣収縮へと劣化した場合に形成される「内圧性」憩室である可能性がある。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。中部食道憩室は、稀にしか特異的な治療を必要としないが、関連する運動障害は、症候性である場合に処置を必要とし得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、中部食道憩室のための新規な処置についての既存の必要性を満たす。
下部食道憩室もまた、「内圧性」憩室であり、下部食道括約筋のすぐ上に形成されている。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。下部食道憩室は、常に食道運動障害に関連しており、患者は、通常は、嚥下困難および/またはアンギナ様胸部疼痛を示す。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。患者はまた、大量の停滞した流体が夜間に逆流することを訴え得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。現在の処置選択肢としては、硝酸塩およびいくつかのカルシウムチャネルブロッカーの使用が挙げられるが、食道筋肉切開術が、医学的手段に対して非応答性である重篤な疾患を有する患者にとっての選択肢であり得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、下部食道憩室のための新規な処置についての既存の必要性を満たす。
本発明の化合物はまた、食道強皮症の処置において有用である。食道強皮症は、しばしば、全身性強皮症を有する患者において生じ、明らかな皮膚および関節の関与が存在しない場合でされ、存在し得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。初期の損傷は、小血管に関与し、これは、壁内ニューロンの機能不全をもたらし、最終的には、急性筋肉損傷および線維症をもたらす。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。これらの影響は、超低血圧性下部食道括約筋および弱い非推進性食道収縮をもたらす。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。強皮症はまた、胃に関与し、遅延性胃排出および胃食道逆流を引き起こす。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。患者は、嚥下困難を報告し得る。これは、食道の貧弱な推進誘導構造および/または逆流誘導構造に起因し得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。そのような患者は、胃食道逆流についての非常に積極的な処置を必要とするが、非常に貧弱な蠕動機能が原因で、逆流防止手術は、下部食道括約筋における障壁を増加することによって、嚥下困難を顕著に悪化させ得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、食道強皮症のための新規な処置についての既存の必要性を満たす。
本発明の化合物はまた、食道の運動障害の処置において有用である。食道の運動障害は、一次または二次として分類され得る。食道の一次運動障害は、通常は、食道のみ影響を与え、既知の病因を有さない。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。対照的に、食道の二次運動障害は、他のいくつかの全身状態または局所状態(酸逆流誘導性運動障害および糖尿病性神経障害に関連する運動障害が挙げられる)により引き起こされる運動障害である。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。
食道の一次運動障害としては、汎発性食道痙攣(DES)およびアカラシア挙げられる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。DESは、頻繁な高圧の非伝搬性(すなわち、三次)波および多ピーク波によって妨害される通常の蠕動によって特徴付けられ、患者は、しばしば、嚥下困難および胸部疼痛を示す。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。進行型DESにおいて、X線検査によって、食道の種々の部分が精力的かつ同時に収縮することに起因する螺旋状パターンが示される。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。未知ではあるが、DESの病因は、内在食道神経および外在食道神経における変性変化に関連し得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。現在の処置選択肢としては、硝酸塩およびいくつかのカルシウムチャネルブロッカーの使用が挙げられるが、長食道筋肉切開術が、医学的手段に非応答性である重篤な疾患を有する患者にとっての選択肢であり得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、DESの新規な処置についての既存の必要性を満たす。
アカラシアは、食道本体における無蠕動、下部食道括約筋圧力の増加、および嚥下に応答する下部食道括約筋弛緩が存在しないかまたは不完全であることによって特徴付けられる、比較的珍しい一次運動障害である。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。下部食道括約筋弛緩が存在しないと、食道の進行的近位拡張および休止食道内圧の増加が生じる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。食道は、X線検査にて拡張され、遠位食道は、くちばし様式で狭くなる。アカラシアは、食道および下部食道括約筋層間神経叢内における抑制神経の変性、ならびに迷走神経幹および迷走神経後核における神経損傷によって引き起こされる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。寄生生物であるクルーズトリパノソーマは、腸管筋ニューロンを破壊することによって、アカラシアを引き起こし得る(例えば、シャーガス病)。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。腫瘍性疾患もまた、食道および下部食道括約筋の神経機能に干渉することによって、「二次」アカラシアを引き起こし得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。
アカラシアを有する患者は、しばしば、嚥下困難を示し、何人かの患者は、胸部疼痛および/または食道内容物の逆流を訴え得る。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。胸焼けもまた起こり得るが、胸焼けは、停滞した食道内容物の発酵により形成される乳酸によって引き起こされるのであり、胃食道の逆流から引き起こされるのではない。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。現在の処置選択肢としては、硝酸塩およびいくつかのカルシウムチャネルブロッカーの使用が挙げられる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。下部食道括約筋の空気式バルーン拡張もまた、使用され得、これは、上記括約筋にバルーンを通す工程、およびそのバルーンを迅速に膨張させてその括約筋を強制的に拡張させる工程からなる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。空気拡張に応答しない患者について、ヘラーの粘膜外筋切開術が使用され得、この術において、下部食道括約筋の筋肉を通して、長い切開が行われる。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。いくつかの最近の研究によってまた、下部食道括約筋の筋肉にボツリヌス毒素を注射すると、アカラシアを有する患者のうちの約3分の2において嚥下困難が改善され得るが、緩和の平均持続期間は、たった一年間に過ぎないことが見出された。(例えば、ThompsonおよびShaffer,First Principles of Gastroenterology(上記)参照)。従って、本発明の化合物は、アカラシアにとっての新規な処置についての既存の必要性を満たす。
(末梢効果対中枢効果)
哺乳動物神経系は、中枢神経系(CNS)(脳および脊髄を含む)と、末梢神経系(PNS)(脳および脊髄の外側にある、交感ニューロン、副交感ニューロン、感覚ニューロン、運動ニューロン、および腸ニューロンを含む)とを含む。本発明に従う活性薬剤が、中枢に作用する(すなわち、CNS中のニューロンに対する作用を介してその効果を発揮する)ように意図される場合、その活性薬剤は、CNS中に直接投与されるかまたは血液脳関門を迂回もしくは通過可能であるかのいずれかでなければならない。血液脳関門は、血液中に存在するすべてではないが選択されたカテゴリーの物質を効果的に排除してそれらの物質がCNS中へと通過するのを防ぐ、毛細血管壁構造体である。血液脳関門を構成する脳毛細血管の独特の形態学的特徴は、1)CNSの血液脳関門領域内にある脳毛細血管のすべての内皮を一緒に全く固定する、上皮様の高い抵抗性の緊密な結合;および2)わずかな飲細胞作用または経内皮チャネル(末梢器官の内皮中では豊富である)である。血液脳関門の独特の特徴に起因して、身体中の他の組織へは容易に接近する多くの親水性薬物およびペプチドは、脳への侵入を防がれるか、またはその進入速度は非常に遅い。
血液脳関門は、脳への活性薬剤の直接注入によってか、または、嗅覚ニューロンによる活性薬剤の取り込みおよび逆行性輸送に適切な処方物の経鼻投与もしくは吸入によって、効果的にバイパスされ得る。CNS内への直接的な投与のための最も一般的な手順は、脳室系または鞘内スペースへのカテーテルの移植である。あるいは、この活性薬剤は、血液脳関門をまたがるこの活性薬剤の輸送を高めるように改変され得る。これは、一般的に、脂質中への薬物のいくらかの溶解性を必要とするか、または当業者に公知の他の適切な改変を必要とする。例えば、この活性薬剤は、短縮され得るか、誘導体化され得るか、潜在性を高められ得る(親水性薬物から脂質溶解性薬物へ変換される)か、親油性部分もしくは血液脳関門を介して能動輸送される物質に結合され得るか、または当業者に公知の標準手段を使用して改変され得る。例えば、Pardridge,Endocrine Reviews 7:(314−330)(1986)および米国特許第4,801,575号を参照のこと。
本発明に従う活性薬剤が、排他的に末梢性に作用すること(すなわち、PNSにおけるニューロンに対する作用または標的組織に対する直接的な作用のいずれかを介してその効果を及ぼすこと)が意図される場合、本発明の化合物が血液脳関門を通過しないように、本発明の化合物が改変されることが所望され得る。従って、血液脳関門透過の原理は、末梢の標的に対する選択的効力を有する活性薬剤を設計することに使用され得る。一般的に、脂質溶解性薬物は、血液脳関門を通過せず、そしてCNSに対する効果を生じない。神経系に作用する基本的な薬物は、この薬物の四級化によって選択的末梢性効果を生じるように変化され得る。この変化は、その脂質溶解性を減少させ、この薬物のCNSへの輸送を実質的に利用不可能にさせる。例えば、荷電した抗ムスカリン様作用薬臭化メトスコパラミンは、末梢性効果を有するが、他方、非荷電抗ムスカリン様作用薬スコポラミンは、中枢的に作用する。当業者は、血液脳関門をまたがる輸送を防ぐために、周知の標準化学合成技術を使用して脂質不透過性官能基(例えば、四級化アミン、スルフェート、カルボキシレート、ホスフェート、またはスルホニウム)を加えることで、本発明の活性薬剤を選択および改変し得る。このような改変は、本発明の活性薬剤が血液脳関門に対して不透過性であるように改変され得る唯一の方法では決してなく;他の周知の薬学的技術が存在し、この他の周知の薬学的技術は、本発明の範囲内であると考えられる。
(薬剤)
本発明において有用な化合物は、本明細書中他の箇所で定義されるような任意の活性薬剤を含む。このような活性薬剤としては、例えば、ナトリウムチャネルモジュレーター(TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターを含む)が挙げられる。本発明での使用のためのTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターとしては、Nav1.8チャネルおよび/もしくはNa1.9チャネルを調節する化合物、またはNav1.8チャネルおよび/もしくはNa1.9チャネルと相互作用する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
電位型ナトリウムチャネル(電位依存性ナトリウムチャネルとしても公知)は、細胞外環境から細胞内部への制御されたナトリウム流入を可能にする膜貫通タンパク質である。電位型ナトリウムチャネルの開放および閉鎖(開閉)は、電場内で移動する荷電アミノ酸を含むそのタンパク質の電位感受性領域によって制御される。これらの荷電した群の移動は、チャネル構造の立体配座的変化をもたらし、伝導状態(開放/活性化)または非伝導状態(閉鎖/不活性化)をもたらす。
電位型ナトリウムチャネルは、種々の組織中に存在し、動物におけるいくつかの生命維持過程に関与する。電位依存性ナトリウムチャネルに媒介される細胞内へのナトリウム流入の変化は、種々のヒト障害(例えば、癲癇、疼痛、麻酔、神経保護、不整脈、および片頭痛)に関与している(例えば、米国特許第6,479,498号を参照のこと)。
少なくとも9つの別個の電位型ナトリウムチャネルが、哺乳動物において同定されている(A.I.Goldin(2001)Annu.Rev.Physiol.,63:871−94)。大部分の電位型ナトリウムチャネルはテトロドトキシン感受性(TTX−S)ナトリウムチャネルであるが、テトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルもまた同定されている。これらのTTX−Rナトリウムチャネルのうちの2つ(Na1.8およびNa1.9)は、感覚ニューロン(脊髄神経節(DRG)のニューロンを含む)に特異的であると考えられる。アンチセンス技術およびノックアウト技術は、疼痛性の膀胱障害におけるTTX−Rナトリウムチャネルについて可能な役割を示唆している(例えば,N.Yoshimuraら(2001)J.Neurosci.21:8690−6;N.Yoshimuraら(2001)Urology 57:116−7を参照のこと)。
活性依存的様式でナトリウムチャネルを調節する化合物が記載されてきた。このことは、これらの化合物が、活性化されているかまたは開口されているナトリウムチャネルの活性を選択的に調節し、そして、開口チャネルの活性を調節することによるか、またはチャネルの不活性化状態の活性を調節することのいずれかによってこれらの効果を示すことを意味する(Hille B.(1992)Ionic Channels in Excitable Membbranes.第2版.Sinauer Associates,Sunderland,Mass.,頁390−422に記載される)。一般的に、この活性依存型ナトリウムチャネル調節は、ニューロンの持続性脱分極および/または活動電位の反復性発火を正常に引き起こす条件下で神経伝達物質の放出を変化させる。活性依存型方法でナトリウムチャネルを調節する化合物は、それ自体のナトリウムチャネル細孔と相互作用する薬剤、および、チャネル複合体の部位と相互作用することによってチャネルのアロステリックモジュレーターとして作用する薬剤を含み得る。
いくつかのナトリウムチャネルモジュレーターは、TTX−Rナトリウムチャネルを選択的に調節し得、他方他のナトリウムチャネルモジュレーターは、ナトリウムチャネルに対して非選択的に作用し得る。同様に、いくつかの活性依存型ナトリウムチャネルモジュレーターは、TTX−Rナトリウムチャネルを選択的に調節し得、他方他の活性依存型ナトリウムチャネルモジュレーターは、ナトリウムチャネルに対して、または非TTX−Rナトリウムチャネルに対して、非選択的に作用し得る。
本発明の実施において有用な薬剤としては、ラルフィナミド(Ralfinamide)(NW−1029)(米国特許第5236957号および米国特許第5391577号に開示される)のようなプロピオンアミドが挙げられるが、これに限定されず、これは、(+)−2(S)−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロピオンアミドとしても公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される。本発明はまた、ラルフィンアミドの任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することも理解され、これらとしては、以下が挙げられる:
a.サフィナミド(Safinamide)(米国特許第5236957号および米国特許第5391577号に開示される)(これはまた、2(S)−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロピオンアミドメタンスルホネートとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
b.米国特許第5236957に開示されるラルフィンアミドおよびサルフィンアミドに加えて、他のN−フェニルアルキル置換α−アミノカルボキサミド誘導体;
c.米国特許第5391577に開示されるラルフィンアミドおよびサルフィンアミドに加えて、他のN−フェニルアルキル置換α−アミノカルボキサミド誘導体;
d.米国特許第6,303,819号に開示される置換2−ベンジルアミノ−2−フェニル−アセタミド化合物(以下の化学構造の構造体:
Figure 2006515326
を有する薬剤を含み、
ここで:
nは、0、1、2、または3であり;
Xは、−O−、−S−、−CH−、または−NH−であり;
R、R、RおよびRのうちの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、またはトリフルオロメチルであり;
およびRのうちの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、もしくはC〜Cシクロアルキルであるか;またはその薬学的に受容可能な塩である);ならびに
e.米国特許第5,945,454号に開示される、2−(4−置換)−ベンジルアミノ−2−メチル−プロパンアミド誘導体(以下の構造:
Figure 2006515326
を有する薬剤を含み、
ここで:
nは、0、1、2、または3であり;
Xは、−O−、−S−、−CH−、または−NH−であり;
RおよびRのうちの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、またはトリフルオロメチルであり;
、RおよびRのうちの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、もしくはC〜Cシクロアルキルであるか;または
その薬学的に受容可能な塩であり、ただし、Xが−S−である場合、R、R、R、RおよびRは水素であり、nは0でない)。
本発明はまた、上記化合物のうちのいずれ化合物の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することがさらに理解される。
本発明の実施に有用なさらなる薬剤としては、以下のようなアリールジアジンおよびアリールトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない:
a.シパトリジン(Sipatrigine)(BW−619C;米国特許第5684005号に開示される)(これはまた、4−アミノ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピリミジン;2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピリミジン−4−アミンとしても公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
b.ラモトリジン(Lamotrigine)(米国特許第4602017号に開示される)(これはまた、6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン−3,5−ジアミンとしても公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
c.GW−273293(米国特許第6599905号に開示される)(これはまた、3−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジン−2,6−ジアミンとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);および
d.4030W92(米国特許第6124308号に開示される)(これはまた、5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−(フルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミンとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される)。
本発明はまた、上記薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施に有用なさらなる薬剤としては、以下のようなジベンズアゼピン(dibenzazepine)が挙げられるが、これらに限定されない:
a.カルバマゼピン(Carbamazepine)(米国特許第2948718号に開示される)(これはまた、5H−ジベンズ[d,f]アゼピン−5−カルボキサミドとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
b.オクスカルバゼピン(Oxcarbazepine)(米国特許第3642775号に開示される)(これはまた、10−オクス−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
c.リカルバゼピン(Licarbazepine)(独国特許第2011045号に開示される)(これはまた、(±)−10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);
d.BIA−2−093(米国特許第5753646号に開示される)(これはまた、酢酸5−カルバモイル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−10(S)−イルエステルとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される);および
e.ADCI(米国特許第5196415号に開示される)(これはまた、(±)−5,10−イミノ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボキサミドとして公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される)。
本発明はまた、上記薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施において有用なさらなる薬剤としては、以下のようなヒダントインが挙げられるが、これらに限定されない:
a.(US 2409754に開示されるような)フェニトインナトリウムおよび(US 4260769に開示されるような)OROS(登録商標)−フェニトイン、これらはまた、それぞれ5,5−ジフェニルヒダントインナトリウム塩および5,5−ジフェニル−2,4−イミダゾリジンジオン塩として公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
b.(US 4260769に開示されるような)フォスフェニトインナトリウム(Fosphenytoin sodium)およびホスフェニトインナトリウム(phosphenytoin sodium)、これらはまた、3−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジフェニルヒダトインホスフェートエステル二ナトリウム塩および5,5−ジフェニル−3−[(ホスホノオキシ)メチル]−2,4−イミダゾリジンジオン二ナトリウム塩として公知であり、以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
本発明はまた、上述の薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施において有用なさらなる薬剤としては、以下のような3原子および4原子間隔をあけたフェニルアミンが挙げられるが、これらに限定されない:
a.(US 4564624に開示されるような)塩酸ピルジカイニド(Pilsicainide hydrochloride)、これはまた、N−(2,6−ジメチルフェニル)−8−ピロリジンアセトアミドヒドロクロリド;N−(2,6−ジメチルフェニル)−1−アザビシクロ[3.3.0]オクタン−5−アセトアミドヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
b.(DE 2235745に開示されるような)トカイニド、これはまた、2−アミノ−N−(2,6−ジメチルフェニル)プロパンアミドヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
c.(US 3900481に開示されるような)フレカイニド、これはまた、N−(2−ピペリジルメチル)−2,5−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンズアミドモノアセテートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
d.(US 3954872に開示されるような)塩酸メキシレチン、これはまた、1−(2,6−ジメチルフェノキシ)−2−プロパンアミンヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
e.(PCT国際公開公報WO 85/00599に開示されるような)塩酸ロピバカイン(Ropivacaine hydrochloride)、これはまた、(−)−(S)−N−(n−プロピル)ピペリジン−2−カルボン酸2,6−キシリジドヒロドクロリド一水和物;(−)−(S)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−1−プロピルピペリジン−2−カルボキサミドヒドロクロリド一水和物;(−)−(S)−1−プロピル−2’,6’−ピペコロキシリジドヒドロクロリド一水和物として公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
f.(US 2441498に開示されているような)リドカイン、これはまた、2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
g.(US 2799679に開示されるような)メピバカイン、これはまた、N−(2,6−ジメチルフェニル)−1−メチル−2−ピペリジンカルボキサミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
h.(US 2955111に開示されるような)ブピバカイン、これはまた、1−ブチル−N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−ピペリジンカルボキサミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
i.(US 3160662に開示されるような)プリロカイン、これはまた、N−(2−メチルフェニル)−2−(プロピルアミノ)プロパンアミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
j.(US 3812147に開示されるような)エチドカイン、これはまた、N−(2,6−ジメチルフェニル)−1−メチル−2−ピペリジンカルボキサミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
k.(US 1889645に開示されるような)テトラカイン、これはまた、4−(ブチルアミノ)安息香酸2−(ジエチルアミノ)エーテルエステルとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
l.(US 1825623に開示されるような)ジブカイン、これはまた、2−ブトキシ−N−[2−(ジエチルアミノ)−エチル]−4−キノリンカルボキサミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
m.ソレトリド(Soretolide)、これはまた、2,6−ジメチル−N−(5−メチルイソオキサゾール(methylisozaxol)−3−イル)ベンズアミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
n.(US 6110937に開示されるような)RS−132943、これはまた、3(S)−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシメチル)−1−メチルピペリジンヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
o.(HU 144997に開示されるような)トルペリゾン(Tolperisone)、これはまた、2−メチル−1−(4−メチルフェニル)−3−(1−ピペリジニル)プロパン−1−オンとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
本発明はまた、上述の薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施において有用なさらなる薬剤としては、以下のような抗痙攣薬(anticonvulsant)が挙げられるが、これらに限定されない:
a.(US 3855320に開示されるような)ロシガモン(Losigamone)、これはまた、(5R)−5−[(αS)−o−クロロ−α−ヒドロキシベンジル]−4−メトキシ−2(5H)−フラノンとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
b.(US 4172896に開示されるような)ゾニサミド(Zonisamide)、これはまた、3−(スルファモイルメチル)−1,2−ベンゾイソキサゾール;1,2−ベンゾイソキサゾール−3−メタンスルホンアミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
c.(US 4513006に開示されるような)トピラメート(Topiramate)、これはまた、2,3:4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−1−O−スルファモイル−β−D−フルクトピラノース;2,3:4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
d.(US 4789680に開示されるような)ラフィナミド(ルフィナマイド)、これはまた、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
e.(US 5166209に開示されるような)BW−534U87、これはまた、4−アミノ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c]ピリジンヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
f.(US 5502051に開示されるような)AWD−140−190、これはまた、4−(4−ブロモフェニル)−3−(モルホリン−4−イル)ピロール−2−カルボン酸メチルエステルとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
g.(US 5773475に開示されるような)ハルコセリド(Harkoseride)、これはまた、エルロサミド(erlosamide)および2(R)−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
h.(US 3391142に開示されるような)塩酸メマンチン(Memantine hydrochloride)、これは、3,5−ジメチル−1−アダマンタンアミンヒドロクロリドとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
i.(US 2884444に開示されているような)フェルバメート、これはまた、2−フェニル−1,3−プロパンジオールジカルバメートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
j.バルプロエート、これはまた、2−プロピルペンタン酸ナトリウム塩として公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
本発明はまた、上述の薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施において有用なさらなる薬剤としては、以下のようなペプチドトキシンおよび/または殺虫剤が挙げられるが、これらに限定されない:
a.Westら(2002)Biochemistry 41:15388−15393に開示されるようなConus stercusmuscarumに由来するμ−コノトキシンSmIIIA(μ−conotoxin SmIIIA);
b.Tanら(2001)Neuropharmacology 40:352−357に開示されるようなトキシン;
c.Middletonら(2002)Biochemistry 41:14734−14747に開示されるようなタランチュラ毒液トキシンProTx−IおよびProTx−II;
d.サソリ神経毒BmK IT2;
e.太平洋シグアトキシン−1(Pacific Ciguatoxin−1)(P−CTX−1);
f.(WO 9211249に開示されるような)インドキサカルブ(Indoxacarb)、これはまた、メチル(S)−N−[7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−4a−(メトキシカルボニル)インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−2−イルカルボニル−4’−(トリフロロメトキシ)カルバニレートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
g.インドキサカルブのDCJW代謝物;
h.(Tsurubuchiら、Neurotoxicology 22:443−453,2001に開示されるような)RH−3421、これはまた、メチル3−(4−クロロフェニル)−1−[N−(4−トリフルオリメチル−フェニル)カルバモイル]−4−メチル−2−ピラゾール−4−カルボキシレートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
i.(DE 2439177に開示されるような)デルタメトリン(Deltamethrin)、これはまた、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンゾイル(1R,3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
j.(US 3268398に開示されるような)テトラメチリン、これはまた、シクロネックス(cyclonex)−1−エン−1,2−ジカルボキシイミドメチル(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)シクロプロパンカルボキレートとして公知であり、そして以下の構造によって示される:
Figure 2006515326
本発明はまた、上述の薬剤の任意の塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、および誘導体を包含することが理解される。
本発明の実施において有用なさらなる薬剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
a.テトロドトキシンであって、(4R,4aR,5R,7S,9S,10S,10aR,11S,12S)−オクタヒドロ−12−(ヒドロキシメチル)−2−イミノ−5,9:7,10a−ジメタノ−10aH−[1,3]ジオキソシノ[6,5−d]ピリミジン−4,7,10,11,12−ペントールとしても公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
b.アンブロキソール(US 3536713において開示される)であって、4−[[2−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)メチル]アミノ]シクロヘキサノールとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
c.エネカジン(enecadin)ハイドロクロライド(US 6191149において開示される)であって、4−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−6−[5−(l−ピペリジニル)ペンチルオキシ]ピリミジンハイドロクロライドとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
d.フルフェナジンハイドロクロライド(US3058979において開示される)であって、4−[3−[2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン−10−イル]プロピル]−1−ピペラジンエタノールジハイドロクロライドとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
e.トリメブチンマレアート(FR 1344455において開示される)であって、3,4,5−トリメトキシ安息香酸2−(ジメチルアミノ)−2−フェニルブチルエステルマレアートとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
f.リルゾール(EP 0050551において開示される)であって、2−アミノ−6−(トリフルオロメトキシ)ベンゾチアゾール;6−(トリフルオロメトキシ)ベンゾチアゾール−2−アミンとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
g.シルペリソン(silperisone)ハイドロクロライドおよびこれのアナログ(US 5198446において開示される)であって、1−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−3−ピペリジノ−2−シラプロパンハイドロクロライド;1−[(4−フルオロベンジル)ジメチルシリルメチル]ピペリジンハイドロクロライドとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
h.RSD−921およびこれのアナログ(US 5506257において開示される)であって、(+)−(lR,2R)−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゾ[b]チオフェン−4−アセトアミドとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
i.クロベネチン(crobenetine)ハイドロクロライドおよびこれのアナログ(US 6455538において開示される)であって、(2R,6S)−3−[2(S)−ベンジルオキシプロピル]−6,11,11−トリメチル−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−2,6−メタノ−3−ベンザゾシン−10−オルハイドロクロライドとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
j.DL−017およびこれのアナログ(US 5340814において開示される)であって、3−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(メチルスルファニル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]キナゾリンとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
k.SUN−N8075およびこれのアナログ(US 6407099において開示される)であって、1−(4−アミノ−2,3,5−トリメチルフェノキシ)−3−[4−[4−(4−フルオロベンジル)フェニル]ピペラジン−1−イル]プロパン−2(S)−オールジメタンスルホネートとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
l.アミトリプチリン(US 3205264において開示される)であって、3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]−シクロヘプテン−5−イリデン)−N,N−ジメチル−1−プロパンアミンとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
m.Odaら(2000)Anesth.Analg.91:1213−1220において開示される化合物;
n.ベンゾカインであって、4−アミノ安息香酸エチルエステルとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
o.Liuら、(2001)J.Biol.Chem.276:18925−18933において開示される、Annexin II軽鎖またはFHF1BのTTX−Rナトリウムチャネルへの結合を阻害する化合物;
p.チメロサール(US 1672615において開示される)であって、エチル[2−メルカプトベンゾアト(2−)−O,S]メルクラート(l−)ナトリウムとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
q.ビンポセチンであって、(3α,16α)−エブルナメニン−14−カルボン酸エチルエステルとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
r.ビンカミンであって、(3α,14β,16α)−14,15−ジヒドロ−14−ヒドロキシエブルナメニン−14−カルボン酸メチルエステルとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;
s.キニジンであって、1(R)−(6−メトキシ−4−キノリニル)−1−[(2R,4S,5R)−5−ビニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル]メタノールとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される;および
t.Co−102862(US 6613803において開示される)であって、4−[4−フルオロフェノキシ]ベンズアルデヒドセミカルバゾンとしてもまた公知であり、以下の構造:
Figure 2006515326
によって表される。
本発明はまた、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、および前述の薬剤の誘導体を包含することが理解される。
本発明において有用な他の薬剤としては、ナトリウムチャネルと相互作用するか、またはナトリウムチャネルを調節する他の化合物(合成ペプチド、ペプチド模倣薬(peptidomimetic)、または同じシリーズのメンバーもしくは上に特異的に列挙される化合物と同じ種かもしくは関連種に由来する毒素を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
TTX−RナトリウムチャネルまたはTTX−Rナトリウムチャネルに関連するタンパク質について親和性を有する他の薬剤の同定は、本発明において有用であり、機能的TTX−Rチャネル活性(例えば、Stallcup,WB(1979)J.Physiol.286:525−40において開示されるナトリウム流動)を測定する方法によって、またはWeiserおよびWilson(2002)Mol.Pharmacol 62:433−438において開示される電気生理学的アプローチによって、決定され得る。ナトリウムチャネルの活性依存性調節を示し、本発明において有用である他の薬剤の同定は、Liら、(1999)Molecular Pharmacology 55:134−141に開示される方法によって決定され得る。
1以上のさらなる活性薬剤は、ナトリウムチャネルモジュレーター(特に、テトロドドキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター)と一緒に、同時にかまたは連続的に投与され得る。さらなる活性薬剤は、概して、必然的にではないが、酸性消化障害もしくは構造的胃腸管障害を除く胃腸管障害の処置において有効である薬剤、および/またはナトリウムチャネルモジュレーターの効果を増強する薬剤であり、このモジュレーターは特に、テトロドドキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターである。適切な二次薬剤としては、例えば、抗痙攣薬、三環系抗うつ薬、デュロキセチン、ベンラファキシン、モノアミン再取り込みインヒビター(選択的セロトニン再取り込みインヒビター(SSRI’s)およびセロトニン/ノルエピネフリン再取り込みインヒビター(SNRI’s)を含む)、鎮痙薬(spasmolytics)、抗コリン作用性薬剤(特に、抗ムスカリン性薬剤)、ギャバペンチン、プレギャバリン、置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体(トラマドールを含む)、5−HTアンタゴニスト、5−HTアンタゴニスト、β3アドレナリン作用性アゴニスト、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニスト、一酸化窒素供与体ならびに/またはナトリウムチャネルモジュレーター(特に、テトロドドキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/もしくは活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター)の作用を阻害しない任意の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる活性薬剤として使用され得る鎮痙薬としては、例えば、アリベンドール、アンブセタミド、アミノプロマジン(Aminopromazine)、アポロアトロピン、メチル硫酸ベボニウム、ビエタミベリン、ブタベリン、臭化ブトロピウム、N−ブチルスコポルアンモニウム(butylscopolammonium)ブロマイド、カロベリン(caroverine)、臭化シメトロピウム、シンナメドリン、クレボプリド、コニインハイドロブロマイド、コリンハイドロクロライド、ヨウ化シクロニウム、ジフェメリン、ジイソプロミン、ジオキサフェチルブチレート、臭化ジポニウム、ドロフェニン、臭化エメプロニウム、エタベリン、フェクレミン、フェナラミド、フェノベリン(fenoverine)、フェンピプラン、臭化フェンピベリニウム、フェントニウム(fentonium)ブロマイド、フラボキサート、フロプロピオン、グルコン酸、グアイアクタミン、ハイドラミトラジン(hydramitrazine)、ヒメクロモン、レイオピロール(leiopyrrole)、メベベリン、モクサベリン(moxaverine)、ナフィベリン(nafiverine)、オクタミルアミン、オクタベリン、ペンタピペリド、フェナマシド(phenamacide)ハイドロクロライド、フロログルシノール、臭化ピナベリウム、ピペリレート(piperilate)、ピポクソラン(pipoxolan)塩酸塩、プラミベリン、臭化プリフィニウム、プロペリジン、プロピバン(propivane)、プロピロマジン(propyromazine)、プロザピン(prozapine)、ラセフェミン、ロシベリン、スパスモリトール(spasmolytol)、ヨウ化スチロニウム、スルトロポニウム(sultroponium)、ヨウ化チエモニウム、臭化チキジウム、チロプラミド、トレピブトン、トリクロミル(tricromyl)、トリフォリウム、トリメブチン、N,N−1トリメチル−3,3−ジフェニル−プロピルアミン、トロペンジル(tropenzile)、塩化トロスピウム、およびクセニトロピウム(xenytropium)ブロマイドが挙げられる。
抗痙攣薬は、筋肉(特に、平滑筋)の痙攣を除去、予防または軽減する化合物である。一般に、鎮痙薬は、内臓障害の処置における効果と関係している(例えば、Takedaら、(2000)J.Pharmacol.Exp.Ther.293:939−45を参照のこと)。
いかなる鎮痙薬もまた、本発明のさらなる活性薬剤として有用である。鎮痙薬として同定されており、かつ本発明のさらなる活性薬剤として有用である化合物としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
a.米国特許第5,897,875号に開示されているα−α−ジフェニル酢酸−4−(N−メチル−ピペリジル)エステル;
b.米国特許第5,783,416号に開示されているグリコシル化形態のヒト鎮痙薬ポリペプチドおよびブタ鎮痙薬ポリペプチドならびにそれらの改変体;
c.米国特許第4,965,259号に開示されているジオキサゾシン(Dioxazocine)誘導体;
d.米国特許第4,608,377号に開示されている4量体6,11−ジヒドロ−ジベンゾ−[b,e]−チエピン−11−N−アルキルノルスコピンエーテル;
e.米国特許第4,594,190号に開示されているジベンゾ[1,4]ジアゼピノン,ピリド−[1,4]ベンゾジアゼピノン,ピリド[1,5]ベンゾジアゼピノンの4量体塩;
f.米国特許第4,558,054号に開示されているエンド−8,8−ジアルキル−8−アゾニアビシクロ(3.2.1)オクタン−6,7−エキソ−エポキシ−3−アルキル−カルボン酸塩;
g.米国特許第4,370,317号に開示されている膵臓鎮痙薬ポリペプチド;
h.米国特許第4,203,983号に開示されているトリアジノン;
i.米国特許第4,185,124号に開示されている2−(4−ビフェニルイル)−N−(2−ジエチルアミノアルキル)プロピオンアミド;
j.米国特許第4,166,852号に開示されているピペラジノ−ピリミジン;
k.米国特許第4,163,060号に開示されているアルキルアミノカルボン酸;
l.米国特許第4,034,103号に開示されているアラルキルアミノスルホン;
m.米国特許第6,207,852号に開示されている平滑筋鎮痙薬;および
n.パパベリン。
鎮痙薬活性を有し、それゆえ本発明のさらなる活性薬剤として有用なさらなる化合物の同定は、米国特許第6,207,852号;Noronha−Blobら(1991)J.Pharmacol.Exp.Ther.256:562−567;および/またはKachurら(1988)J.Pharmacol.Exp.Ther.247:867−872.に記載されるような膀胱ストリップ収縮性研究を実施することによって決定され得る。
アセチルコリンは、全ての動物の神経系における化学的神経伝達物質である。「コリン作動性神経伝達」とは、アセチルコリンに関連する神経伝達をいい、そして、移動運動、消化、心拍(cardiac rate)、「闘争または逃走(fight or flight)」反応、ならびに学習および記憶のような多様な機能の制御に関連している(Salvaterra(Feb.2000)Acetylcholine.Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。アセチルコリンのレセプターは、以下の1)または2)に優先的に結合する植物アルカノイドに基づいて2つの大きな範疇に分類される:1)ニコチン性(ニコチン結合);または2)抗ムスカリン性(ムスカリン結合)(例えば、Salvaterra,Acetylcholine、前出を参照のこと)。
アセチルコリンレセプターの2つの大きな範疇は、その薬理学的特性および電気生理学的特性の差異に基づいてサブクラスにさらに分類され得る。ニコチンレセプターは、以下のサブクラスを同定するために使用される種々のサブユニットから構成されるリガンド開口型イオンチャネル(ligand gated ion channel)である:1)筋肉ニコチン性アセチルコリンレセプター;2)ヘビ毒液α−ブンガロトキシンに結合しないニューロンニコチン性アセチルコリンレセプター;および3)ヘビ毒液α−ブンガロトキシンに結合しないニューロンニコチン性アセチルコリンレセプター(Daniら(1999年、7月)Nicotinic Acetylcholine Receptors in Neurons.Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net;Lindstrom(2001年、10月)Nicotinic Acetylcholine Receptors.Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。対照的に、ムスカリンレセプターは、5つのサブクラス(M〜Mと称される)に分類され得、そして特異的なGタンパク質(M、MおよびMはGと;MおよびMはG/Gと)優先的にカップリングされ得る(Nathanson(1999年、7月)Muscarinic Acetylcholine Receptors.Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。概して、ムスカリンレセプターは、平滑筋機能に関係している(例えば、Appell(2002)Cleve.Clin.J.Med.69:761−9;Dioufら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.12:2535−9;Crandall(2001)J.Womens Health Gend.Based Med.10:735−43;Chapple(2000)Urology 55:33−46を参照のこと)。
任意の抗コリン作用剤、特に、任意の抗ムスカリン剤は、本発明のさらなる活性薬剤として有用である。抗ムスカリン剤として同定され、そして本発明のさらなる活性薬剤として有用な化合物として、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
a.ダリフェナシン(Darifenacin)(Daryon(登録商標));
b.YM−905(ソリフェナシンスクシネート(solifenacin succinate));
c.オキシブチニン(Ditropan(登録商標));
d.S−オキシブチニン;
e.N−デスエチル−オキシブチニン;
f.トルテロジン(Tolterodine)(Detrol(登録商標));
g.トロスピウム(Trospium)(Uraplex(登録商標)、Spasmex(登録商標));
h.プロピベリン(Propiverine)(Detrunorm(登録商標));
i.プロパンテリンブロミド(Propantheline bromide)(Pro−Banthine(登録商標));
j.硫酸ヒヨスチアミン(Hyoscyamine sulfate)(Levsin(登録商標)、Cystospaz(登録商標));
k.塩酸ジシクロミン(Bentyl(登録商標));
l.塩酸フラボキセイト(Urispas(登録商標));
m.d,l(ラセミ)4−ジエチルアミノ−2−ブチニルフェニルシクロヘキシルグリコレート;
n.(R)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパンアミンL−酒石酸水素(hydrogen tartrate);
o.(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸モノスクシネート;
p.α(+)−4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−1,2−ジフェニル−2−ブタノールプロピオネート;
q.1−メチル−4−ピペリジルジフェニルプロポキシアセテート;
r.3’’−ヒドロキシスピロ[l’’H,5’’H−ノルトロパン−8,1’−ピロリジニウムベンジレート(pyrrolidinium benzilate);
s.Dioufら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.12:2535−9に開示されるような化合物を含む4アミノ−ピペリジン;
t.ピレンゼピン(pirenzipine);
u.メトクトラミン(methoctramine);
v.4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジンメチロジド(methiodide);
w.トロピカミド;
x.(2R)−N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2−[(1R)−3,3−ジフルオロシクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド;
y.PNU−200577((R)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−3−フェニルプロパンアミン);および
z.NS−21。
抗ムスカリン活性を有し、それゆえ本発明のさらなる活性薬剤として有用なさらなる化合物の同定は、Nilvebrant(2002)Pharmacol.Toxicol.90:260−7によって記載されるようなムスカリンレセプター結合特異性研究またはModiriら(2002)Urology 59:963−8に記載されるような膀胱内圧測定研究を実施することによって決定され得る。
アドレナリン作動性レセプター(adrenergic receptor)は、2つの主要なカテコールアミンホルモンおよび神経伝達物質:ノルアドレナリンおよびアドレナリンに対する細胞表面レセプターである(Malbonら(2000年、2月)Adrenergic Receptors.Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。アドレナリン作動性レセプターは、重要な生理学的プロセス(血圧の制御、心筋および平滑筋の収縮、肺の機能、代謝、および中枢神経系活性(例えば、Malbonら、Adrenergic Receptors、前出を参照のこと)を含む)に関係している。アドレナリン作動性レセプターの2つのクラス(αおよびβ)が同定されており、これらは、異なるアゴニストへのその結合特異性および分子クローニング技術に基づいて、各々少なくとも3つのサブタイプ(α1A、B、およびD;α2A、B、およびC;ならびにβ1、β2およびβ3)を有する、さらに3つの主要なファミリー(α1、α2およびβ)に分類され得る(例えば、Malbonら、Adrenergic Receptors、前出を参照のこと)。β3アドレナリンレセプターは、排尿筋に発現され、かつ排尿筋は、β3アゴニストで弛緩することが示されている(Takeda,M.ら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.288:1367−1373)、そして一般的に、β3アドレナリン作動性レセプターは、膀胱機能に関係している(例えば、Takedaら(2002)Neurol.Urodyn.21:558−65;Takedaら(2000)J.Pharmacol.Exp.Ther.293:939−45を参照のこと)。
本発明において有用な他の薬剤としては、任意のβ3アドレナリン作動性アゴニスト剤が挙げられる。β3アドレナリン作動性アゴニスト剤として同定され、かつ本発明において有用な化合物は、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
a.TT−138および米国特許第6,069,176号、PCT公開番号WO97/15549に開示されるようなフェニルエタノールアミン化合物およびMitsubishi Pharma Corp.社製のフェニルエタノールアミン化合物;
b.FR−149174および米国特許第6,495,546号および同第6,391,915号に開示されるようなプロパノールアミン誘導体ならびにFujisawa Pharmacerutical Co.社製のプロパノールアミン誘導体;
c.Kissei Pharmaceutical Co.社製のKUC−7483;
d.4’−ヒドロキシノルエフェドリン誘導体(例えば、Tanakaら(2003)J.Med.Chem.46:105−12に開示されるような2−2−クロロ−4−(2((1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ)エチル)フェノキシ酢酸);
e.2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物(例えば、日本国特許公報第26744号(1988年)および欧州特許番号第23385に開示されるようなBRL35135((R)−(.+−.)−[4−[2−[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸メチルエステルヒドロブロミド塩)、およびSR58611A(日本国特許公開公報第66152号(1989)および欧州特許公開公報第255415号に開示されるような((RS)−N−(7−エトキシカルボニルメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフサ−2−イル)−2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエタンアミンヒドロクロリド);
f.GS 332(Iizukaら(1998)J.Smooth Muscle Res.34:139−49に開示されるような(2R)−[3−[3−[2−(3クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]シクロヘキシル]フェノキシ]酢酸ナトリウム);
g.Tsujiiら(1998)Physiol.Behav.63:723−8に記載され、Glaxosmithklineから入手可能なBRL−37,344(4−[−[(2−ヒドロキシ−(3−クロロフェニル)エチル)−アミノ]プロピル]フェノキシアセテート);
h.Takahashiら(1992)Jpn Circ.J.56:936−42に記載され、Glaxosmithklineから入手可能なBRL−26830A;
i.Tavernierら(1992)J.Pharmacol.Exp.Ther.263: 1083−90に記載され、Ciba−Geigyから入手可能なCGP 12177(4−[3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンズイミダゾール−2−オン)(β3アドレナリン作動性レセプターに対するアゴニストとして機能することが報告されているβ1/β2アドレナリン作動性アンタゴニスト);
j.Berlanら(1994)J.Pharmacol.Exp.Ther.268:1444−51に記載されるCL 316243(R,R−5−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキシレート);
k.米国特許出願20030018061に開示されるようなβ3アドレナリン作動性アゴニスト活性を有する化合物;
l.Howe(1993)Drugs Future 18:529に記載され、AstraZeneca/ICI Labsから入手可能なICI 215,001 HCl((S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]フェノキシ酢酸塩酸塩);
m.Howe(1993)Drugs Future 18:529に記載され、AstraZeneca/ICI Labsから入手可能なZD 7114 HCl(ICI D7114;(S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]−N−(2−メトキシエチル)フェノキシアセトアミド HCl);
n.Blinら(1994)Mol.Pharmacol.44:1094に開示される、ピンドロール(1−(1H−インドール−4−イルオキシ)−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−プロパノール);
o.Walterら(1984)Naunyn−Schmied.Arch.Pharmacol.327:159およびKalkman(1989)Eur.J.Pharmacol.173:121に開示される、(S)−(−)−ピンドロール((S)−1−(1H−インドール−4−イルオキシ)−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−プロパノール);
p.Manaraら(1995)Pharmacol.Comm.6:253およびManaraら(1996)Br.J.Pharmacol.117:435に開示され、Sanofi−Midyから入手可能なSR 59230A HC1(1−(2−エチルフェノキシ)−3−[[(1S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]アミノ]−(2S)−2−プロパノール塩酸塩);ならびに
q.Gauthierら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.290:687−693に開示され、Sanofi Researchから入手可能なSR 58611(N[2s)7−カルボ−エトキシメトキシ−1,2,3,4−テトラ−ヒドロナフト]−(2r)−2−ヒドロキシ−2(3−クロロフェニル)エタミン塩酸塩)。
β3アドレナリン作動性アゴニスト活性を有し、従って、本発明において有用なさらなる化合物の同定は、放射性リガンド結合アッセイならびに/または、Zilberfarbら(1997)J.Cell Sci.110:801−807;Takedaら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.288:1367−1373;およびGauthierら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.290:687−693に記載されるような収縮性研究を実施することによって決定され得る。
タキキニン(TK)は、サブスタンスP、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)を含む、構造的に関連したペプチドのファミリーである。ニューロンは、末梢におけるTKの主要な供給源である。TKの重要な一般的な効果は、ニューロンの刺激であるが、他の効果としては、内皮依存性の血管拡張、血漿タンパク質の血管外遊出、肥満細胞の漸増および脱顆粒、ならびに、炎症性細胞の刺激が挙げられる(Maggi,C.A.(1991)Gen.Pharmacol.,22:1−24を参照のこと)。一般に、タキキニンレセプターは、膀胱機能に関与している(例えば、Kamoら(2000)Eur.J.Pharmacol.401:235−40およびOmhuraら(1997)Urol.Int.59:221−5を参照のこと)。
サブスタンスPは、NKと呼ばれるニューロキニンレセプターサブタイプを活性化する。サブスタンスPは、感覚神経終末に存在するウンデカペプチドである。サブスタンスPは、C線維の活性化後に、末梢において炎症および疼痛を生じる、多数の作用(血管拡張、血漿の血管外遊出、および肥満細胞の脱顆粒を含む)を有することが知られている(Levine,J.D.ら(1993)J.Neurosci.13:2273)。
ニューロキニンAは、感覚ニューロンにおいてサブスタンスPと共存するペプチドであり、このペプチドもまた、炎症および疼痛を誘発する。ニューロキニンAは、NKと呼ばれる特異的なニューロキニンレセプターを活性化する(Edmonds−Alt,S.,ら(1992)Life Sci.50:PL101)。尿道において、TKは、ヒトの膀胱ならびにヒトの尿道および尿管においてNK2レセプターのみを通じて機能する、強力な収縮因子である(Maggi,C.A.(1991)Gen.Pharmacol.,22:1−24)。
本発明において有用な他の薬剤としては、任意のニューロキニンレセプターアンタゴニスト剤が挙げられる。NKレセプターに作用する、本発明における用途のための適切なニューロキニンレセプターアンタゴニストとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:1−イミノ−2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル)−7,7−ジフェニル−4−ペルヒドロイソインドールオン(3aR,7aR)(「RP 67580」);2S,3S−シス−3−(2−メトキシベンジルアミノ)−2−ベンズヒドリルキヌクリジン(「CP 96,345」);および(aR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6,13−ジオン)(「TAK−637」)。NKレセプターに作用する、本発明における用途に適切なニューロキニンレセプターアンタゴニストとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:((S)−N−メチル−N−4−(4−アセチルアミノ−4−フェニルピペリジノ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチルベンズアミド(「SR 48968」);Met−Asp−Trp−Phe−Dap−Leu(「MEN 10,627」);ならびにcyc(Gln−Trp−Phe−Gly−Leu−Met)(「L 659,877」)。ニューロキニンレセプターアンタゴニスト活性を有し、従って、本発明において有用なさらなる化合物の同定は、Hopkinsら(1991)Biochem.Biophys.Res.Comm.180:1110−1117;およびAharonyら(1994)Mol.Pharmacol.45:9−19に記載されるような結合アッセイ研究を実施することによって決定され得る。
ブラジキニンレセプターは一般に、ブラジキニン(B)サブタイプとブラジキニン(B)サブタイプに分けられる。研究は、ブラジキニンにより生じる急性の末梢疼痛および炎症が、Bサブタイプにより媒介される一方で、慢性炎症の環境におけるブラジキニン誘導性疼痛は、Bサブタイプにより媒介される(Perkins,M.N.,ら(1993)Pain 53:191−97);Dray,A.,ら(1993)Trends Neurosci.16:99−104)。一般に、ブラジキニンレセプターは、膀胱機能に関与している(例えば、Meiniら(2000)Eur.J.Pharmacol.388:177−82およびBelichardら(1999)Br.J.Pharmacol.128:213−9を参照のこと)。
本発明において有用な他の薬剤としては、任意のブラジキニンレセプターアンタゴニスト剤が挙げられる。Bレセプターに作用する、本発明における用途に適切なブラジキニンレセプターアンタゴニストとしては以下が挙げられるがこれらに限定されない:des−Arg10HOE 140(Hoechst Pharmaceuticalsから入手可能)およびdes−Argブラジキニン(DABK)。Bレセプターに作用する、本発明における用途に適切なブラジキニンレセプターアンタゴニストとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:D−Phe−BK;D−Arg−(Hyp−Thi5,8−D−Phe)−BK(「NPC 349」);D−Arg−(Hyp−D−Phe)−BK(「NPC 567」);D−Arg−(Hyp−Thi−D−Tic−Oic)−BK(「HOE 140」);H−DArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−c(Dab−DTic−Oic−Arg)c(7γ−10α)(「MEN11270」);H−DArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−DTic−Oic−Arg−OH(「Icatibant」);(E)−3−(6−アセトアミド−3−ピリジル)−N−[N−[2,4−ジクロロ−3−[(2−メチル−8−キノリニル)オキシメチル]フェニル]−N−メチルアミノカルボニルメチル]アクリルアミド(「FR173567」);およびWIN 64338。これらの化合物は、Perkins,M.N.,ら、Pain,前出;Dray,A.,ら、Trends Neurosci.,前出;およびMeiniら(2000)Eur.J.Pharmacol.388:177−82により完全に記載される。ブラジキニンレセプターアンタゴニスト活性を有し、従って、本発明において有用なさらなる化合物の同定は、Manningら(1986)J.Pharmacol.Exp.Ther.237:504および米国特許第5,686,565号に記載されるような結合アッセイ研究を実施することにより決定され得る。
一酸化窒素供与体は、特にその抗収縮活性のために、本発明に含まれ得る。一酸化窒素(NO)は、多くの生理学的プロセスの分子メディエーターとして重要な役割(血管拡張および正常な血管張度の調節を含む)を果たす。NOの作用は、内在性の局所的血管拡張機構に関与する。NOは、知られている最小の生物学的活性分子であり、生理学的プロセスの驚くべき範囲のメディエーターである(Nathan(1994)Cell 78:915−918;Thomas(1997)Neurosurg.Focus 3:Article 3)。NOはまた、エンドセリン−1の公知の生理学的アンタゴニストであり、これは、最も強力な公知の哺乳動物血管収縮薬であり、アンジオテンシンIIの少なくとも10倍の血管収縮能力を有する(Yanagisawaら(1988)Nature 332:411−415;Kasuyaら(1993)J Neurosurg.79:892−898;Kobayashiら(1991)Neurosurgery 28:673−679)。NOの生物学的半減期は、極端に短い(Morrisら(1994)Am.J.Physiol.266:E829−E839;Nathan(1994)Cell 78:915−918)。NOは、専ら、内皮由来の弛緩因子(EDRF)の生物学的効果を担い、cGMP依存性プロテインキナーゼの作用を通じて機能して、血管拡張に影響を及ぼすと考えられている、非常に強力な血管拡張剤である(Henryら(1993)FASEB J.7:1124−1134;Nathan(1992)FASEB J.6:3051−3064;Palmerら(1987)Nature 327:524−526;Snyderら(1992)Scientific American 266:68−77)。
内皮細胞内において、NOシンターゼ(NOS)として知られる酵素は、L−アルギニンのNOへの変換を触媒し、これは、拡散性のセカンドメッセンジャーとして機能し、そして、隣接する平滑筋細胞における応答を媒介する。NOは、収縮を阻害し、基底冠動脈の張度を制御する基底条件下で、血管内皮により連続して形成および放出され、そして、種々のアンタゴニスト(例えば、アセチルコリン)および他の内皮依存性血管拡張剤に応答して、内皮において産生される。従って、NOS活性およびNOの得られるレベルの調節は、血管の張度の制御の重要な分子標的である(Muramatsuら(1994)Coron.Artery Dis.5:815−820)。
本発明において有用な他の薬剤としては、任意の一酸化窒素供与剤が挙げられる。本発明の実施に適切な一酸化窒素供与体としては以下が挙げられるがこれらに限定されない:
a.ニトログリセリン;
b.ニトロプルシドナトリウム;
c.FK 409(NOR−3);
d.FR 144420(NOR−4);
e.3−モルホリノシドノンイミン;
f.リンシドミン(Linsidomine)塩酸塩(「SIN−1」);
g.S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(「SNAP」);
h.AZD3582(CINODリード化合物、NicOx S.A.から入手可能);
i.NCX 4016(NicOx S.A.から入手可能);
j.NCX 701(NicOx S.A.から入手可能);
k.NCX 1022(NicOx S.A.から入手可能);
l.HCT 1026(NicOx S.A.から入手可能);
m.NCX 1015(NicOx S.A.から入手可能);
n.NCX 950(NicOx S.A.から入手可能);
o.NCX 1000(NicOx S.A.から入手可能);
p.NCX 1020(NicOx S.A.から入手可能);
q.AZD 4717(NicOx S.A.から入手可能);
r.NCX 1510/NCX 1512(NicOx S.A.から入手可能);
s.NCX 2216(NicOx S.A.から入手可能);
t.NCX 4040(NicOx S.A.から入手可能);
u.米国特許第5,155,137号において開示されるような一酸化窒素供与体;
v.同第5,366,997号において開示されるような一酸化窒素供与体;
w.同第5,405,919号において開示されるような一酸化窒素供与体;
x.同第5,650,442号において開示されるような一酸化窒素供与体;
y.同第5,700,830号において開示されるような一酸化窒素供与体;
z.同第5,632,981号において開示されるような一酸化窒素供与体;
aa.同第6,290,981号において開示されるような一酸化窒素供与体;
bb.同第5,691,423号において開示されるような一酸化窒素供与体;
cc.同第5,721,365号において開示されるような一酸化窒素供与体;
dd.同第5,714,511号において開示されるような一酸化窒素供与体;
ee.同第6,511,911号において開示されるような一酸化窒素供与体;および
ff.同第5,814,666号において開示されるような一酸化窒素供与体。
一酸化窒素供与体活性を有し、そのため、本発明において有用であるさらなる化合物の同定は、米国特許第6,451,337号および同第6,358,536号、ならびにMoon(2002)IBJU Int.89:942−9およびFathian−Sabetら(2001)J.Urol.165:1724−9に記載される放出プロファイルおよび/または誘導血管痙攣研究により決定され得る。
ギャバペンチン(ニューロンチン、または1−(アミノメチル)シクロヘキサン酢酸)は、いくつかのカルシウムチャネルサブユニットに対して高い結合親和性を有する抗痙攣薬であり、そして以下の構造:
Figure 2006515326
により表わされる。ギャバペンチンは、式:
Figure 2006515326
の一連の化合物のうちの1つであり、ここで、Rは、水素または低級アルキル基であり、そしてnは、4、5、または6である。ギャバペンチンは、本来、痙性を処置するためのGABA模倣化合物として開発されたが、ギャバペンチンは、直接的なGABA作動性作用は有さず、そしてGABAの取り込みまたは代謝をブロックしない(概説として、Roseら(2002)Analgesia 57:451−462を参照のこと)。しかし、ギャバペンチンは、他の抗痙攣薬に対して治療抵抗性である患者における部分発作の防止のための有効な処置であることが見出されている(Pedley T A,Meldrum B S(編),Recent Advances in EpilepsyにおけるChadwick(1991)Gabapentin,Churchill Livingstone,New York,211頁〜222頁)。ギャバペンチンおよびその関連薬物であるプレギャバリンは、カルシウムチャネルのαδサブユニットと相互作用する(Geeら(1996)J.Biol.Chem.271:5768−5776)。
その公知の抗痙攣効果に加えて、ギャバペンチンは、ホルマリンおよびカラゲナンにより誘導される侵害受容の持続期をブロックし、そして機械的痛覚過敏および機械的異痛/熱異痛の神経障害性疼痛モデルにおいて阻害効果を発揮することが示されている(Roseら(2002)Analgeisa 57:451−462)。二重盲検プラセボ−コントロール試験は、ギャバペンチンが、糖尿病性末梢ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、および神経障害性疼痛と関連する疼痛症状の有効な処置であることを示している(例えば、Backonjaら(1998)JAMA 280:1831−1836;Mellegersら(2001)Clin.J.Pain 17:284−95を参照のこと)。
プレギャバリン((S)−(3−アミノメチル)−5−メチルへキサン酸または(S)−イソブチルGABA)は、抗痙攣薬としてのその使用が試験されている別のGABAアナログである(Bryansら(1998)J.Med.Chem.41:1838−1845)。プレギャバリンは、カルシウムチャネルのαδサブユニットに対して、ギャバペンチンよりもさらに高い結合親和性を有することが示されている(Bryansら(1999)Med.Res.Rev.19:149−177)。
本発明における使用のために適切な置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体は、構造式I:
Figure 2006515326
およびその鏡像異性体ならびにその混合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物または水和物により表され、ここで:
およびR’は、独立して、水素、脂肪族基、アリール基、アリールアルキル基、ハロゲン、−CN、−OR、−SR、−NR、−OC(O)R、−C(O)OR、−C(O)R、または−C(O)NRであり;
は、水素、ハロゲン、−ORもしくは−OC(O)Rであり;
は、ハロゲンまたは脂肪族基であり;
またはRおよびRは、一緒になって二重結合を形成し;
およびRは、独立して、水素、脂肪族基、アリール基、またはアリールアルキル基であり;
は、水素、脂肪族基、アリール基またはアリールアルキル基であり;
は、水素、脂肪族基、アリール基またはアリールアルキル基である。
式Iの特定の実施形態において、Rは、−OHである。Rが−OHである場合、R’は水素であり、かつRはOCHであり、好ましくは、フェニル環のメタ位が置換されていることが好ましい。
式Iのさらなる実施形態において、Rは−OHであり、R’は水素であり、かつRは−ORであり、フェニル環のメタ位が置換されており、そしてRは脂肪族基(例えば、アルキル基)である。Rが−OHである特定の実施形態において、R’は水素であり、かつRは−ORであり、フェニル環のメタ位が置換されており、そしてRはアルキル基であり、R、RおよびRは、水素またはアルキル基であり得る。
1つの実施形態において、本発明における使用のために適切な上記置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体は、構造式II:
Figure 2006515326
およびその鏡像異性体ならびにその混合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物により表される。
特定の実施形態において、式IIの化合物は、(+)シス鏡像異性体と(−)シス鏡像異性体との混合物であり、ここで、シクロヘキシル環のC−1炭素およびC−2炭素は、それぞれ(1R,2R)および(1S,2S)であり、そしてC−1およびC−2における上記置換基は、シス配向にある。
具体的な実施形態において、(+)シス鏡像異性体と(−)シス鏡像異性体との混合物は、ラセミ混合物である。すなわち、式IIの化合物は、以下:
Figure 2006515326
に示されるような(+)シス鏡像異性体および(−)シス鏡像異性体の50:50の混合物である。
言い換えれば、式IIの化合物は、一般的にトラマドール(tramadol)と呼ばれる(+/−)シス−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノールの50:50の混合物である。上記化合物は、薬学的に受容可能な塩の形態であり得る。代表的に、トラマドールは、塩酸塩の形態で投与される。トラマドール塩酸塩はまた、例えば、商品名ULTRAM(登録商標)によっても公知である。
塩酸塩形態のトラマドールは、鎮痛薬として広く使用されている。トラマドールは、オピオイドレセプターに対して低い親和性を有する中枢作用性鎮痛薬である。他のオピオイドとは対照的に、トラマドールの鎮痛作用は、オピオイドアンタゴニストであるナロキソンにより部分的に阻害されるのみであり、このことは、さらなる非オピオイド作用機構の存在を示唆する。ノルアドレナリンおよびセロトニン(5−HT)再取り込みが阻害されるモノアミン作動性活性は、侵害受容性インパルスを脊髄レベルでブロックすることにより、トラマドールの鎮痛作用に大いに寄与することが見出されている。
さらなる実施形態において、投与される化合物は、上述のトラマドール(+)シス鏡像異性体である。
別の実施形態において、置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体は、以下の構造式III:
Figure 2006515326
およびその鏡像異性体ならびにその混合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物により表され、ここで、アミノメチル基の窒素は、N−オキシドの形態である。
特定の実施形態において、式IIIの化合物は、(+)シス鏡像異性体と(−)シス鏡像異性体との混合物であり、ここで、シクロヘキシル環のC−1炭素およびC−2炭素は、それぞれ、(1R,2R)および(1S,2S)であり、C−1およびC−2上の置換基は、シス配向にある。
具体的な実施形態において、(+)シス鏡像異性体と(−)シス鏡像異性体との混合物は、ラセミ混合物である。すなわち、式IIIの化合物は、以下:
Figure 2006515326
に示されるような(+)シス鏡像異性体および(−)シス鏡像異性体の50:50混合物である。
言い換えると、式IIIの化合物は、(+/−)シス−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノールのN−オキシドの50:50混合物である。
さらなる実施形態において、N−オキシドは、主に上述のような(+)シス鏡像異性体である。
一実施形態において、本発明における使用に適した置換アミノメチルフェニルシクロヘキサン誘導体は、構造式IV:
Figure 2006515326
によって表され、ならびにこれらのエナンチオマーおよびこれらの混合物またはこれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物であり、ここで:
、RおよびR10は、独立に水素またはアルキル基である。
特定の実施形態において、式IVの化合物は、(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーの混合物であって、そのシクロヘキシル環のC−1炭素およびC−2炭素は、それぞれ(1R,2R)および(1S,2S)であって、C−1およびC−2に対する置換基は、シス配向である。
特定の実施形態において、(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーの混合物は、ラセミ混合物である。すなわち、式IVの化合物は、以下:
Figure 2006515326
に示される(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーの50:50混合物である。
さらなる実施形態において、式IVの化合物は、主に、上に示す(+)シスエナンチオマーである。
特定の実施形態において、R10は、水素である。R10が水素であるさらなる実施形態において、RおよびRは独立に、水素またはアルキル基(例えば、メチル基)である。R10が水素であり、RおよびRがメチル基であり、式IVが、(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーのラセミ混合物である場合、その化合物は、O−デスメチルトラマドールと称され得る。上記の特定の(+)エナンチオマーおよび(−)エナンチオマーは、(+)O−デスメチルトラマドールおよび(−)O−デスメチルトラマドールと称され得る。
なお別の実施形態において、R10は水素であって、Rは水素であって、Rは、メチル基である。R10が水素であり、Rが水素であり、Rがメチル基でり、式IVが、(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーのラセミ混合物である場合、その化合物は、O−デスメチル−N−モノ−デスメチル−トラマドールと称され得る。上記の特定の(+)シスエナンチオマーおよび(−)シスエナンチオマーは、(+)O−デスメチル−N−モノ−デスメチル−トラマドールおよび(−)O−デスメチル−N−モノ−デスメチル−トラマドールと称され得る。
なお別の実施形態において、置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体は、構造式V:
Figure 2006515326
によって表され、ならびにこれらのエナンチオマーおよびこれらの混合物またはこれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物であり、ここで:
11は、−OHであり;
12は、水素であるか、または、R11およびR12は、一緒に二重結合を形成し;
13は、以下:
Figure 2006515326
からなる群より選択されるアリール基であり、ここで:
14は、水素またはアルキル基であり;
15は、水素、−NH、−NHR20または−OR20であり;
16は、水素、−COR20、−OR20またはハロゲンであり;
17は、水素、アルキル基、−O−アルケニル基、フェニル基であるか、またはR16およびR17は、−CH=CR21−CR22+CH−であり、芳香環を形成し;
18は、水素、−COR23、−OR24またはハロゲンであり;
19は、水素、ハロゲン、アルキル基、−O−アルキル基、−NO基またはアリール基であり;
20は、必要に応じて、以下:ハロゲン、−NO、アルキル基、アルケニル基、−OHまたは−NHの一つ以上によって置換されたフェニル基であり;
21およびR22は、独立に水素または−O−アルキルであり;
23は、必要に応じて、以下:ハロゲン、−NO、アルキル基、アルケニル基、−OHまたは−NHの一つ以上によって置換されたフェニル基であり;
24は、水素、−CO−アルキル(好ましくはメチル)または必要に応じて、以下:ハロゲン、−NO、アルキル基、およびアルケニル基、−OHまたは−NHの一つ以上によって置換されたフェニル基であり;
25およびR26は、独立に水素、アルキル基であるか、または−CH−CH−基を形成し;
27は、必要に応じて、以下:ハロゲン、−NO、アルキル基、アルケニル基、−OHまたは−NHの一つ以上によって置換されたフェニル基である。
式Vの特定の実施形態において、R11は−OHであり、R12はHであり、R13は以下:
Figure 2006515326
であり、ここで:
24は、水素または−COCHであり;
19は、ハロゲン、アルキル基、−O−アルキルまたは−NOである。
19が−O−アルキルである場合、そのアルキル基は、メチル基であることが好ましい。
19がアルキル基である場合、そのアルキル基は、一つ以上のハロゲンで置換されることが好ましい。例えば、その置換されたアルキル基は、−CFである。
式Vに従う、置換されたアミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体は、さらに米国特許第6,455,585号および公開されたPCT出願WO01/49650に記載され、これらは、本明細書中に参考として援用される。
本発明のさらなる活性物質として使用され得る5−HTアンタゴニストとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
a.オンダンセトロン[1,2,3,9−テトラヒドロ−9−メチル−3−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4H−カルバゾール−4−オン](Merck Index、第12版、項目6979を参照のこと);
b.グラニセトロン[エンド−1−メチル−N−(9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−1H−イミダゾール−3−カルボキサミド](Merck Index、第12版、項目4557を参照のこと);
c.ドラセトロン[1H−インドール−3−カルボン酸(2α,6α,8α,9α,β)オクタヒドロ−3−オキソ−2,6メタノ−2H−キノリン−8−イルエステル](Merck Index、第12版、項目3471を参照のこと);
d.インドール−3−イル−カルボン酸−エンド−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3,2,1]−オクト−3−イル−エステル、トロピセトロンとしても公知である(Merck Index、第12版、項目9914を参照のこと);
e.4,5,6,7−テトラヒドロ−5−[(1−メチル−インドール−3イル)カルボニル]ベンズゾイミダゾール(ラモセトロン、米国特許第5,344,927号もまた参照のこと);
f.(+)−10−メチル−7−(5−メチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−a]インドール−6−オン(ファベセトロン、欧州特許第0 361 317号もまた参照のこと);
g [N−(1−エチル−2−イミダゾリン−2−イル−メチル)−2−メトキシ−4−アミノ−5−クロロベンズアミド](リントプリド−Chem.−Abstr.−No.107429−63−0もまた参照のこと);および
h.2,3,4,5−テトラヒドロ−5−メチル−2−[(5−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]−1H−ピリド[4,3−b]インドール−1−オン(アロセトロン、欧州特許第0 306 323号もまた参照のこと)。
本発明のさらなる活性物質として使用され得る5−HTアゴニストとしては、Mongeら、(1994)J.Med.Chem.37:1320〜1325に開示される2−ピペラジニルベンゾチアゾール誘導体および2−ピペラジニルベンゾオキサゾール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
(処方物)
本発明の処方物としては、持続性処方物、必要な場合、短期間の処方物、迅速に停止する処方物、放出が制御された処方物、徐放性処方物、遅延放出性処方物、および、拍動性放出性の処方物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、テトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターを含有する。本発明に使用するためのTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターとしては、Nav1.8チャネルおよび/またはNav1.9チャネルと相互作用する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの組成物は、酸消化性障害または構造的な胃食道の障害を除く消化管の障害を処置するために、この組成物を必要とする患者に、治療的に有効量で投与される。この組成物は、酸消化性障害または構造的な胃食道の障害を除く消化管障害を処置するために有効量が送達される限り、任意の投与手段によって投与され得ることが認識される。
任意の活性物質が、塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは誘導体が薬理学的に適している場合、すなわち、本発明の方法に有効である場合、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、誘導体などの形態で投与され得る。活性物質の塩、エステル、アミド、プロドラッグおよび他の誘導体は、合成有機化学の当業者に公知の標準的な手順を用いて調製され得、それらは、例えば、J.March、Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms and Structure、第4版(New York:Wiley−Interscience、1992)に記載される。例えば、酸付加塩は、従来の方法を用いて遊離塩基から調製され、適切な酸との反応を必要とする。酸付加塩を調製するための適切な酸としては、有機酸ならびに無機酸の両方が挙げられるが、その有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられ、その無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。酸付加塩は、適切な塩基との処理により遊離塩基に再変換され得る。本明細書中の活性物質の特に好ましい酸付加塩は、有機酸で調製した塩である。逆に、活性物質に存在し得る酸部分の塩基性塩の調製は、薬学的に受容可能な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなど)を用いて、類似した様式で調製される。
エステルの調製は、薬物の分子構造内に存在し得るヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の官能基化を必要とする。エステルは、代表的に、遊離アルコール基のアシル置換誘導体、すなわち、式RCOOHのカルボン酸から誘導される部分であり、ここで、Rは、アルキル、好ましくは、低級アルキルである。エステルは、所望の場合、従来の水素化分解手順または加水分解手順を用いることにより遊離酸から再変換され得る。アミドおよびプロドラッグはまた、当業者に公知の技術または関連する文献に記載される技術を用いて調製され得る。例えば、アミドは、適切なアミン反応物を用いてエステルから調製され得るか、または、アンモニアもしくは低級アルキルアミンとの反応により無水物または酸塩化物から調製され得る。プロドラッグは、代表的に、部分の共有結合性の付着により調製され、それにより、個体の代謝系により改変されるまでは治療的に不活性である化合物を生じる。
他の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および活性物質の誘導体は、有機合成化学の当業者に公知の標準的技術を用いて調製され得るか、または、関連する文献に対する参照により推論され得る。さらにキラル活性な物質は、異性体的に純粋な形態で存在し得るか、または異性体のラセミ混合物として投与され得る。
(薬学的組成物および投薬形態)
適切な組成物および投薬形態としては、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ゲルキャップ、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、溶液、シロップ、経皮パッチ、ゲル、散剤、軟膏、舐剤、クリーム、ペースト、硬膏、ローション、ディスク、坐剤、鼻内投与または経口投与のための液体スプレー、吸入のための乾燥パウダーまたはエーロゾル化処方物、膀胱内投与のための組成物および処方物などが挙げられる。さらに当業者は、本明細書中の他に記載されるとおりのこれらの処方物を含む、これらの組成物および投薬形態に関する適切な処方物を容易に推測し得る。
(経口投薬形態)
経口投薬形態としては、錠剤、カプセル、カプレット、溶液、懸濁液および/またはシロップが挙げられ、そしてまた被包性であってもなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ、散剤またはペレットを含み得る。このような投薬形態は、薬学的処方の分野において公知の従来の方法、および適切なテキストに記載される方法(例えば、in Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出)を使用して調製される。錠剤およびカプセルは、最も便利な経口投薬形態を表し、この場合において、固体の薬学的キャリアが使用される。
錠剤は、標準的な錠剤加工手順および装置を使用して製造され得る。錠剤を形成するための一つの方法は、単独でか、あるいは一つ以上のキャリア、添加剤などと組み合せて活性薬剤を含有する散剤組成物、結晶性組成物または顆粒組成物の直接的圧縮による。直接的圧縮に対する代替として、錠剤は湿潤顆粒プロセスまたは乾燥顆粒プロセスを使用して調製され得る。錠剤はまた、湿性物質または他のような取り扱いやすい物質から開始して、圧縮ではなく成形され得る;しかし、圧縮技術および顆粒技術が好ましい。
次いで、活性薬剤に加えて、経口投与のために本発明の方法を使用して調製された錠剤は、一般に、結合剤、希釈剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性薬剤、防腐剤、発色剤、矯味矯臭剤などといった他の物質を含む。結合剤は、錠剤に粘着性質を与えるために使用され、従って、錠剤は、圧縮後、無傷のままであることが確実である。適切な結合物質としては、デンプン(トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、蝋、ならびに天然ゴムおよび合成ゴム(例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン)、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)、およびVeegumが挙げられるが、これらに限定されない。希釈剤は、代表的にはバルクを増加させるために必要であり、従って実際の大きさの錠剤が、最終的に提供される。適切な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩酸ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉末状の糖が挙げられる。滑沢剤は、錠剤製造を容易にするために使用される;適切な滑沢剤の例としては、例えば、植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ油)、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムならびにステアリン酸が挙げられる。存在する場合、ステアリン酸塩は、好ましくは薬物含有核の約2重量%以下になる。崩壊剤は、錠剤の崩壊を容易に使用するために使用され、一般に、デンプン、クレイ(clay)、セルロース、アルギン、ゴムまたは架橋ポリマーである。例えば、充填剤としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末状セルロースおよび微結晶性セルロースといった物質、ならびにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウム、およびソルビトールといった可溶性物質が挙げられる。安定剤は、例として、酸化反応を含む薬物の分解反応を阻害または遅延するために使用される。界面活性薬剤は、アニオン界面活性薬剤、カチオン界面活性薬剤、両向性界面活性薬剤または非イオン性界面活性薬剤であり得る。
投薬形態はまた、カプセルであり得、この場合において、活性薬剤含有組成物は、液体または固体(顆粒剤、ビーズ、散剤またはペレットといった粒子を含む)の形態において被包され得る。適切なカプセルは、硬性か、または軟性のどちらかであり得、ゼラチン、デンプン、またはセルロース材料から一般に作製されるゼラチンカプセルが好ましい。二個の硬性ゼラチンカプセルは、好ましくはゼラチンバンドなどを使用してシールされる(例えば、Remington:The Science and Practice of pharmacy,前出、これは、被包性の医薬品を調製するための材料および方法を記載する)。活性薬剤含有組成物が、液体形態でカプセル内に存在する場合、液体キャリアが、その活性薬剤を溶解するために必要とされる。このキャリアは、カプセル物質および薬学的組成物の全ての成分と適合するべきであり、そして摂取に適切であるべきである。
錠剤、カプセル、カプレットまたは粒子のいずれに拘わらず、固体の投薬形態は、所望の場合、遅効性放出を提供するために、被覆され得る。遅効性放出のコーティングを使用した投薬形態は、標準的なコーティングの手順および機材を使用して製造され得る。このような手順は、当業者に公知であり、適切なテキストに記載される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、前出を参照のこと)。一般に、固体の投薬形態を調製した後、遅効性放出のコーティング組成物は、コーティングパン、エアレススプレー技術、流動床コーティング機材などを使用して適用される。遅効性放出のコーティング組成物は、ポリマー材料(例えば、セルロースブチレートフタレート、セルロース水素フタレート、セルロースプロピオネートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ジオキシプロピルメチルセルローススクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、アクリル酸、メタクリル酸および/またはこれらのエステルから形成されたポリマーおよびコポリマー)を含有する。
持続性放出投薬形態は、長期間にわたって薬物の放出を提供し、そして遅効性放出であってもなくてもよい。一般に、当業者により理解されるように、持続性放出の投薬形態は、薬物を漸進的に生物侵食可能(加水分解可能)物質のマトリクス(例えば、不溶性プラスチック、親水性ポリマーもしくは脂肪化合物)内に分散することによるか、あるいはこのような物質を使用して固体の薬物含有投薬形態を被覆することにより処方される。不溶性プラスチックマトリクスは、例えば、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンからなり得る。持続性放出のコーティングまたはマトリックスセルロースポリマーを提供するのに有用な親水性ポリマーとしては、セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、セルロースヘキサヒドロフタレート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム);アクリル酸ポリマーおよびコポリマー(好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなど(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび/またはエチルメタクリレートのコポリマーから形成され、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド(商標名 Eudragit RSの下で販売される)のターポリマーが好ましい);ビニルポリマーおよびビニルコポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマーおよびエチレンビニルアセテートコポリマー);ゼイン;ならびにシェラック、アンモニア化シェラック、シェラックアセチルチルアルコールおよびシェラックn−ブチルステアレートが挙げられるが、これらに限定されない。持続的な放出マトリックス材料としての使用のための脂肪化合物としては、一般的に蝋(例えば、カルナウバ蝋)およびトリステアリン酸グリセロールが挙げられるが、これらに限定されない。
(経粘膜組成物および投薬形態)
本組成物は経口的に投与され得るが、さらに他の投与形態も適切である。例えば、経粘膜投与が、有利に使用され得る。経粘膜投与は、粘膜組織への適用に適切な処方または投薬単位の任意の型を使用して実行され得る。例えば、選択された活性薬剤は、粘着錠剤もしくはパッチにおいて頬粘膜へ投与され得るか、舌下部に固体投薬形態を置くことにより舌下部投与され得るか、舌上に固体投薬形態を置くことにより舌投与され得るか、小滴もしくは鼻内スプレーとして鼻内投与され得るか、エーロゾル処方物、非エーロゾル液体処方物または乾燥散剤の吸入により投与され得るか、直腸内もしくは直腸付近に置かれ得る(「経直腸的」処方)、あるいは坐剤、軟膏などとして尿道内へ投与され得る。
好ましい頬内投薬形態は、代表的には、治療有効量の活性薬剤およびこの投薬形態を頬粘膜へ付着するのにもまた役立ち得る生物侵食性(加水分解性)重合キャリアを含む。この頬内投薬単位は、予定された期間にわたって侵食するように製作され、ここで、薬物送達は、本質的に全期間にわたって提供される。この期間は、代表的には約1時間〜約72時間の範囲である。好ましい頬内送達は、好ましくは約2時間〜約24時間の期間にわたって生じる。短期間使用の頬内薬物送達は、約2時間〜約8時間の期間にわたって生じるはずであり、より好ましくは、約3時間〜約4時間の期間にわたって生じるはずである。必要とされる場合、頬内薬物送達は、好ましくは約1時間〜約12時間、より好ましくは約2時間〜約8時間、最も好ましくは約3時間〜約6時間の期間にわたって生じる。持続した頬内薬物送達は、好ましくは約6時間〜約72時間、より好ましくは約12時間〜約48時間、最も好ましくは、約24時間〜約48時間の期間にわたって生じる。頬内薬物の送達は、当業者に理解されるように、経口薬物投与(例えば、胃腸管において存在する流体による活性薬剤の低速の吸収もしくは分解および/あるいは肝臓における初回通過の不活性化)と遭遇する失敗を回避する。
頬内投薬単位における活性薬剤の「治療有効量」は、当然、薬剤の効力に依存し、次には、その意図した投薬は、処置、特定の指示などを受ける特定の個体に依存する。この頬内投薬単位は、一般に約1.0重量%〜約60重量%の活性薬剤を含有し、好ましくは約1重量%〜約30重量%程度の活性薬剤を含有する。生物侵食性(加水分解性)重合キャリアに関して、所望の薬物放出プロフィールが損なわれない限り、実質的にこのような任意のキャリアが使用され得、そしてこのキャリアは投与されるためのナトリウムチャネルモジュレーター、詳細にはテトロドキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存ナトリウムチャネルモジュレーターならびに頬内の投薬単位の任意の他の成分と適合可能であることが理解される。一般に、この重合キャリアは、頬粘膜の湿表面に吸着する親水性(水溶性および水吸収可能な)ポリマーを含む。本明細書において有用な重合体キャリアの例としては、アクリル酸ポリマー、およびコポリマー(co)、例えば、「カルボマー(carbomer)」として公知のポリマー(B.F.Goodrichより入手可能なCarbopol(登録商標)は、このようなポリマーの1つである)が挙げられる。他の適切なポリマーとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:加水分解したポリビニルアルコール;ポリエチレンオキシド(例えば、Sentry Polyox(登録商標)水溶性樹脂、Union Carbideより入手可能);ポリアクリレート(例えば、Gantrez(登録商標)、GAFより入手可能);ビニルポリマーおよびコポリマー;ポリビニルピロリドン;デキストラン;グアールガム;ペクチン;デンプン;ならびにセルロース誘導体ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標)、Dow Chemical Companyより入手可能),ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標)、これもまた、Dowより入手可能)、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、Aldermanに対する米国特許第4,704,285号を参照のこと)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、フタル酸セルロースアセテート、酪酸セルロースアセテートなど)。
他の成分がまた、本明細書中に記載される頬投薬形態に組み込まれ得る。追加の成分としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:崩壊剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着色剤、保存剤など。使用され得る崩壊剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:架橋ポリビニルピロリドン(例えば、クロスポビドン(例えば、Polyplasdone(登録商標)XL、GAFから入手可能)、架橋カルボン酸メチルセルロース(例えば、クロスカルメロース(例えば、Ac−di−sol(登録商標)、FMCから入手可能)、アルギン酸、およびナトリウムカルボキシメチルデンプン(例えば、Explotab(登録商標)、Edward Medell Co.,Inc.より入手可能)、メチルセルロース、寒天ベントナイトおよびアルギン酸。適切な希釈剤は、圧縮技術を使用して調製される薬学的処方物において一般に有用なものであり、例えば、リン酸二カルシウム二水和物(例えば、Di−Tab(登録商標)、Staufferから入手可能)、デキストリンと同時結晶化することにより処理されている糖(例えば、同時結晶化したスクロースおよびDi−Pak(登録商標)のようなデキストリン、Amstarから入手可能)、リン酸カルシウム、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、粉末化糖など。使用される場合、結合剤は、接着を増強するものである。このような結合剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:デンプン、ゼラチンおよび糖(例えば、スクロース、デキストロース、糖蜜およびラクトース)。特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸塩およびステアリン酸であり、そして、最適な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
舌下および舌の投薬形態としては、錠剤、クリーム、軟膏、ロゼンジ、ペースト、および活性成分が崩壊可能なマトリクス内に混合される、任意の他の固体投薬形態が挙げられる。舌下もしくは舌送達用の錠剤、クリーム、軟膏またはペーストは、治療有効量の選択された活性薬剤、および舌下または舌の薬物投与に適切な1つ以上の従来の非毒性キャリアを含む。本発明の舌下および舌の投薬形態は、従来のプロセスを使用して製造され得る。舌下および舌の投薬単位は、迅速に崩壊するように製造される。この投薬単位が完全に崩壊する時間は、代表的には、約10秒〜約30分の範囲内であり、最適には、5分未満である。
他の成分がまた、本明細書中に記載される舌下および舌の投薬形態内に組み込まれ得る。追加の成分としては、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤などが挙げられるがこれらに限定されない。使用され得る結合剤の例としては、水、エタノール、ポリビニルピロリドン;デンプン溶液、ゼラチン溶液などが挙げられる。適切な崩壊剤としては、乾燥デンプン、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、ラクトースなどが挙げられる。使用される場合、湿潤剤としては、グリセリン、デンプンなどが挙げられる。特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸塩およびポリエチレングリコールである。舌下および舌の投薬形態に組み込まれ得る追加の成分は、公知であるか、または、当業者に明らかである(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。
経尿道投与について、処方物は、活性薬剤、および1つ以上の選択されたキャリアまたは賦形剤(例えば、水、シリコーン、蝋、石油ゼリー、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール(「PG」)、リポソーム、糖(例えば、マンニトールおよびラクトース)ならびに/または種々の他の物質であるが、ポリエチレングリコールおよびその誘導体が特に好ましい)を含有する尿道用投薬形態を含む。
投与される特定の活性薬剤に依存して、尿道投薬形態の経尿道浸透増強剤を組み込むことが望ましくあり得る。適切な経尿道浸透増強剤の例としては、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、N,N−ジメチルアセトアミド(「DMA」)、デシルメチルスルホキシド(「C10MSO」)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(「PEGML」)、モノラウリル酸グリセロール、レシチン、1置換アザシクロヘプタン−2−オン(特に、1−n−ドデシルシクロアザシクロヘプタン−2−オン(Azone(登録商標)の商品名でNelson Research & Development Co.,Irvine,Calif.から入手可能))、SEPA(登録商標)(Macrochem Co.,Lexington,Mass.から入手可能)、上述のような界面活性薬剤(例えば、Tergitol(登録商標)、Nonoxynol−9(登録商標)およびTWEEN−80(登録商標))、ならびにエタノールのような低級アルカノールが挙げられる。
米国特許第5,242,391号、同第5,474,535号、同第5,686,093号、および同第5,773,020号に説明されるような、経尿道薬物投与は、種々の尿道投薬形態を使用して、多数の異なる方法で実施され得る。例えば、薬物は、柔軟なチューブ、圧搾ボトル、ポンプまたはエアロゾルスプレーから尿道内に導入され得る。薬物はまた、尿道内で吸収され、溶解されるか、もしくは生体侵食される、コーティング、ペレットまたは坐剤中に含まれ得る。特定の実施形態において、薬物は、陰茎挿入物の外側表面上のコーティング中に含まれる。必須ではないが、薬物は、尿道内の少なくとも約3cmから、そして好ましくは尿道内の少なくとも約7cmから送達されることが好ましい。一般に、尿道内の少なくとも約3cm〜約8cmからの送達は、本発明の方法と組合せて有効な結果を提供する。
PEGまたはPEG誘導体を含有する尿道坐剤処方物は、当業者に理解され、関連の文献および製薬の教科書に記載されるように、従来の技術(例えば、圧縮成形、熱成形など)を使用して簡便に処方され得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。これは、尿道坐剤の形態の薬学的組成物を調製する代表的な方法を開示する。PEGまたはPEG誘導体は、好ましくは、約200〜約2,500g/molの範囲、好ましくは、約1,000〜約2,000g/molの範囲の分子量を有する。適切なポリエチレングリコール誘導体としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール)、ポリエチレングリコールソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート)などが挙げられる。特定の活性薬剤に依存して、尿道坐剤が、PEGまたは他の経尿道ビヒクル内の活性薬剤の溶解度を増加するのに有効な1つ以上の可溶化剤を含むことが好ましくあり得る。
薬剤の制御放出または持続放出を提供する尿道投薬形態で、活性薬剤を送達することが望ましくあり得る。このような場合、投薬形態は、生体適合性かつ生体分解性の物質、代表的には、生体分解性ポリマーを含む。このようなポリマーの例としては、ポリエステル、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、アルブミン、ゼラチンおよびデンプンが挙げられる。例えば、PCT公開番号WO 96/40054に説明されるように、これらおよび他のポリマーが、制御薬物放出および持続薬物放出を可能にし、次に、必要とされる投薬頻度を最小にする、生体分解性の微粒子を提供するために使用され得る。
尿道投薬形態は、好ましくは、約2〜約20mmの長さ、好ましくは、約5〜約10mmの長さ、かつ約5mm未満の幅、好ましくは、約2mm未満の幅のオーダーの坐剤を含む。坐剤の重量は、代表的には、約1mg〜約100mgの範囲、好ましくは、約1mg〜約50mgの範囲である。しかし、坐剤のサイズは、薬物の効力、処方物の性質および他の因子に依存して変化し得ることが、当業者に理解される。
経尿道薬物送達は、「活性な」送達機構(例えば、イオン導入法、エレクトロポレーション、またはフォノフォレーシス(phonophoresis))を含み得る。この方法で薬物を送達するためのデバイスおよび方法は、当該分野で周知である。イオン導入法により補助される薬物送達は、例えば、上で引用されたPCT公開番号WO 96/40054に記載されている。簡単に述べると、外側の電極から、尿道プローブ内に含まれるか、または尿道プローブに固定された第2の電極へと通過する電流によって、活性薬剤が尿道壁を介して駆動される。
好ましい経直腸投薬形態としては、直腸坐剤、クリーム、軟膏および液体処方物(浣腸)が挙げられる。経直腸送達のための坐剤、クリーム、軟膏または液体処方物は、治療有効量の選択されたホスホジエステラーゼインヒビター、および経直腸薬物投与に適切な1つ以上の従来の非毒性キャリアを含む。本発明の経直腸投薬形態は、従来の手順を使用して製造され得る。経直腸投薬単位は、迅速にか、または数時間にわたって、崩壊するように製造され得る。完全に崩壊する時間は、好ましくは、約10分〜約6時間の範囲であり、最適には、約3時間未満である。
他の成分がまた、本明細書中に記載される経直腸投薬形態内に組み込まれ得る。追加の成分としては、硬化剤、抗酸化剤、保存剤などが挙げられるがこれらに限定されない。使用され得る硬化剤の例としては、例えば、パラフィン、白蝋および黄蝋が挙げられる。使用される場合、好ましい抗酸化剤としては、亜硫酸水素ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
好ましい膣または膣周囲用の投薬形態としては、膣坐剤、クリーム、軟膏、液体処方物、ペッサリー、タンポン、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーが挙げられる。膣または膣周囲への送達のための坐剤、クリーム、軟膏、液体処方物、ペッサリー、タンポン、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーは、治療有効量の選択された活性薬剤、および、膣または膣周囲への薬物投与に適切な1つ以上の従来の非毒性のキャリアを含む。本発明の膣または膣周囲用の形態は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、前出に開示されるような従来の手順を使用して製造され得る(また、米国特許第6,515,198号;同第6,500,822号;同第6,417,186号;同第6,416,779号;同第6,376,500号;同第6,355,641号;同第6,258,819号;同第6,172,062号;および同第6,086,909号においてアレンジされるような薬物処方物を参照のこと)。膣または膣周囲用の投薬単位は、迅速にか、または数時間にわたって崩壊するように製造され得る。完全に崩壊する時間は、好ましくは、約10分〜約6時間の範囲であり、最適には、約3時間未満である。
他の成分がまた、本明細書中に記載される膣または膣周囲用の投薬形態内に組み込まれ得る。追加の成分としては、硬化剤、抗酸化剤、保存剤などが挙げられるがこれらに限定されない。使用され得る硬化剤の例としては、例えば、パラフィン、白蝋および黄蝋が挙げられる。使用される場合、好ましい抗酸化剤としては、亜硫酸水素ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
この活性薬剤もまた、鼻内に、または吸入により投与され得る。鼻内投与のための組成物は、一般に、スプレーとしての、または点滴剤の形態の投与用液体処方物であるが、鼻内投与用の粉末処方物(例えば、吸入剤)もまた、公知であり、鼻用のゲル剤、クリーム剤、ペースト剤または軟膏剤についても同様である。液体処方物に関して、この活性薬剤は、緩衝化されたかもしくは緩衝化されていない溶液(例えば、水または等張生理食塩水)に、または懸濁物として処方され得る。好ましくは、このような溶液または懸濁物は、鼻分泌物と比較して等張であり、そして約pH4.0〜約pH7.4または約pH6.0〜約pH7.0の範囲のほぼ同じpHのものである。緩衝液は、生理学的に適合性であるべきであり、単なる例示として、リン酸緩衝液が挙げられる。さらに、種々のデバイスが、液滴、小滴およびスプレーの生成に関して当該分野で入手可能であり、このデバイスとしては、点滴注入器、スクイーズボトル、ならびに手動および電気的に作動される鼻内ポンプディスペンサーが挙げられる。活性薬剤含有鼻内キャリアとしてはまた、鼻粘膜表面との所望の持続接触に依存して、例えば、約10cps〜約6500cpsまたはそれより大きな粘度を有する、鼻用のゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、または軟膏剤が挙げられ得る。このようなキャリア粘性処方物は、単に例示として、当該分野で周知の高粘度のアルキルセルロースおよび/または他の生体適合性キャリアに基づき得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。他の成分(例えば、当該分野で公知の保存剤、着色剤、滑沢剤または粘性の鉱油もしくは植物油、香料、天然植物抽出物もしくは合成植物抽出物(例えば、芳香油)、ならびに湿潤剤および粘度増強剤(例えば、グリセロール))はまた、さらなる粘度、水分保持ならびに好適なテクスチャーおよび臭いをこの処方物に提供するように含まれ得る。
吸入用処方物は、液剤エアロゾル(活性薬剤がキャリア(例えば、プロペラント)中に可溶化されている)または分散剤エアロゾル(活性薬剤がキャリアおよび必要に応じて溶媒全体に懸濁または分散されている)のいずれかのエアロゾルとして調製され得る。吸入用の非エアロゾル処方物は、液体(代表的には水性懸濁物)の形態を採り得るが、水溶液もまた同様に用いられ得る。このような場合、このキャリアは代表的に、この処方物が正常な体液に対して等張であるような濃度を有する塩化ナトリウム溶液である。このキャリアに加えて、この液体処方物は、以下を含む水および/または賦形剤を含み得る:抗微生物保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、チメロサールおよびそれらの組み合わせ)、緩衝剤(例えば、クエン酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせ)、界面活性薬剤(例えば、ポリソルベート80(polysorbate 80)、ラウリル硫酸ナトリウム、モノパルミチン酸ソルビタンおよびそれらの組み合わせ)、および/または懸濁化剤(例えば、寒天、ベントナイト、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガカント、ビーガム(veegum)およびそれらの組み合わせ)。吸入用の非エアロゾル処方物はまた、粉末が約0.1μm〜約50μm、好ましくは約1μm〜約25μmの平均粒径を有する乾燥粉末処方物(特に、吸入剤)を含み得る。
(局所処方物)
局所処方物は、体表面への適用に適切な任意の形態であり得、そして例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、液剤、ペースト剤などが挙げられ得、そして/またはリポソーム、ミセルおよび/またはミクロスフェアを含むように調製され得る。本明細書中での好ましい局所処方物は、軟膏剤、クリーム剤およびゲル剤である。
軟膏剤は、薬学的処方物の分野で周知の通り、代表的に、ワセリンまたは他の石油誘導体に基づく半固体の調製物である。用いられるべき特定の軟膏基剤は、当業者によって理解されるように、最適な薬物送達を提供する基剤であり、好ましくは、他の所望の特徴(例えば、皮膚軟化性など)をも提供する。他のキャリアまたはビヒクルについてと同様、軟膏基剤は、不活性で、安定で、非刺激性でかつ非感作性であるべきである。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出において説明される通り、軟膏基剤は、以下の4つのクラスに分類され得る:油性基剤;乳化可能基剤;乳濁剤基剤;および水溶性基剤。油性軟膏基剤としては、例えば、植物油、動物から得た脂肪、および石油から得た半固体炭化水素が挙げられる。吸収性軟膏基剤としても公知の乳化可能軟膏基剤は、水をほとんど含まないかまたは全く含まず、そして例えば、ヒドロキシステアリン硫酸、無水ラノリンおよび親水性ワセリンが挙げられる。乳濁剤軟膏基剤は、油中水型(W/O)乳濁液または水中油型(O/W)乳濁液のいずれかであり、そして例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンおよびステアリン酸が挙げられる。好ましい水溶性軟膏基剤は、種々の分子量のポリエチレングリコールから調製される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。
クリーム剤は、当該分野でまた周知のように、水中油型または油中水型のいずれかの粘性の液体または半固体の乳濁剤である。クリーム剤の基剤は、水で洗浄可能であり、そして油相、乳化剤および水相を含む。油相は、「内」相とも呼ばれ、一般に、ワセリンおよび脂肪アルコール(例えば、セチルアルコールまたはステアリルアルコール)から構成される。水相は通常、油相よりも体積が多いが、必ずしもそうではなく、一般に湿潤剤を含む。クリーム処方物中の乳化剤は一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性薬剤である。
薬学的処方物の分野の当業者によって認識される通り、ゲル剤は、半固体の懸濁型の系である。単相ゲル剤は、キャリア液体全体に実質的に均質に分布した有機高分子を含み、キャリア液体は代表的には水性であるが、しかしまた好ましくはアルコールおよび必要に応じて油を含む。好ましい「有機高分子」(すなわち、ゲル化剤)は、架橋したアクリル酸ポリマー(例えば、「カルボマー」ファミリーのポリマー(例えば、商標Carbopol(登録商標)の下で市販され得るカルボキシポリアルキレン))である。また好ましいのは、親水性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコール);セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロース);ガム(例えば、トラガカントおよびキサンタンガム);アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンである。均質なゲルを調製するために、分散剤(例えば、アルコールまたはグリセリン)が添加され得るか、またはゲル化剤が、粉砕、機械的混合および/または攪拌によって分散され得る。
当業者に公知の種々の添加剤は、局所処方物に含まれ得る。例えば、可溶化剤は、特定の活性薬剤を可溶化するために用いられ得る。皮膚または粘膜組織を通しての異常に低い透過率を有する薬物に関して、透過増強剤をこの処方物中に含むことが所望され得る;適切な増強剤は、本明細書中の他の箇所に記載される通りである。
(経皮投与)
本発明の化合物はまた、従来の経皮薬物送達系を用いて、皮膚または粘膜組織を通して投与され得、ここで、この因子は、皮膚に固定されるべき薬物送達デバイスとして役立つ積層構造体(代表的には、経皮「パッチ」と呼ばれる)中に含まれる。経皮薬物送達は、受動的拡散を含み得るか、またはこれは、電気的輸送(例えば、イオン導入)を用いて促進され得る。代表的な経皮「パッチ」では、この薬物組成物は、上の裏打ち層の下にある層、すなわち「レザバ」中に含まれる。この積層構造体は、単一のレザバを含んでもよく、またはこれは複数のレザバを含んでもよい。「モニリシック」系といわれる1つの型のパッチでは、このレザバは、薬物送達の間、この系を皮膚へと固定するのに役立つ、薬学的に受容可能な接触接着剤材料のポリマーマトリクスから構成される。適切な皮膚接触接着剤材料の例としては、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、ポリウレタンなどが挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、薬物含有レザバおよび皮膚接触接着剤は、別々の独立した層であり、このレザバの下にある接着剤は、この場合に、上記のポリマーマトリクスであってもよく、または液体レザバもしくはヒドロゲルレザバであってもよく、何らかの他の形態を採ってもよい。
このデバイスの上表面として役立つこれらの積層体における裏打ち層は、積層構造体の主な構造要素として機能し、このデバイスにその可撓性の多くを提供する。裏打ち材料に選択される材料は、この活性薬剤および存在する他の任意の材料を実質的に不透過性であるように選択されるべきであり、この裏打ちは、好ましくは、可撓性のエラストマー材料のシートまたはフィルムから作製される。裏打ち層に適切であるポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが挙げられる。
保存の間および使用前に、この積層構造体は、剥離ライナーを含む。使用の直前に、この層はこのデバイスから除去されて、薬物レザバまたは別個の接触接着剤層のいずれかであるその基部表面が露出され、その結果、この系は、皮膚に固定され得る。剥離ライナーは、薬物/ビヒクルを不透過性の材料から作製されるべきである。
経皮薬物送達系は、さらに、皮膚透過増強剤を含み得る。すなわち、いくつかの薬物に対する皮膚の固有の透過性が、治療レベルの薬物を、合理的なサイズの面積の破れていない皮膚を通して通過させるには低すぎるかもしれないので、皮膚透過増強剤をこのような薬物と共投与することが必要である。適切なエンハンサーは、当該分野で周知であり、そして例えば、経粘膜組成物において上記に列挙したエンハンサーを包含する。
(非経口投与)
非経口投与は、用いられる場合、一般に、筋肉内注射、腹腔内注射、静脈内(IV)注射および皮下注射が挙げられる注射によって特徴付けられる。注射可能な処方物は、従来の形態で、液体の溶液もしくは懸濁物として;注射前に液体中に溶解もしくは懸濁するために適切な固体形態で、または乳濁物としてのいずれかで調製され得る。好ましくは、無菌の注射可能な懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当該分野で公知の技術に従って処方される。この無菌の注射可能な処方物もまた、無毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の、無菌の注射可能な溶液または懸濁物であり得る。用いられ得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中でも、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来通り用いられる。非経口投与のための、より近年変更されたアプローチは、緩徐放出系または徐放系の使用を含む(例えば、米国特許第3,710,795号を参照のこと)。
(髄腔内投与)
髄腔内投与は、用いられる場合、一般に、髄腔内空間(ここでは、流体が脊髄の周りに流れている)への直接的な投与によって特徴付けられる。
髄腔内投与のために利用される1つの一般的な系は、Medtronic,Inc.から利用可能なAPT Intrathecal処置系である。APT Intrathecalは、外科手術によって腹部の皮膚の下に配置されて薬物を髄腔内空間へと直接的に送達する小さなポンプを使用する。この薬物は、カテーテル(これもまた、外科手術によって配置される)と呼ばれる小さな管を通して送達される。次いで、薬物は、胃腸管障害に関連した感覚シグナルおよび運動シグナルを運ぶことに関与した脊髄中の細胞に直接的に投与され得る。
髄腔内投与のために一般的に利用される、Medtronicから利用可能な別のシステムは、十分に移植可能であり、プログラム可能なSynchroMed(登録商標)Infusion Systemである。このSynchroMed(登録商標)Infusion Systemは、外科手術手順の間に、ともに体内に設置される2つの部品を備える:カテーテルおよびポンプ。カテーテルは、小さく、軟らかい管である。一端は、ポンプのカテーテルポートに連結され、そしてもう一端は髄腔内の空間に設置される。ポンプは、円形の金属デバイス(厚さ約1インチ(2.5cm)、直径3インチ(8.5cm)および重さ約6オンス(205g))であって、所定の量の医薬を貯蔵し、そして髄腔内の空間に直接放出するデバイスである。これは軽量で、医療等級金属であるチタン製である。レザバは、医薬を保持する、ポンプの内部空間である。充填ポートは、ポンプの隆起した中央部分であり、これを通してポンプは再充填される。医師または看護士は、患者の皮膚を貫いて針を挿入し、そして充填ポートを貫いて針を挿入し、ポンプを充填する。医師が、他の医薬または滅菌溶液をポンプを迂回して直接カテーテルに注入することができる、サイドカテーテルアクセスポートを備えるポンプもある。
このSynchroMed(登録商標)ポンプは、カテーテルを通して、最も効果的である脊髄周辺の髄腔内の空間に、制御された量の医薬を自動的に送達する。医師によって処方された、正確な投薬量、速度およびタイミングは、プログラマー(ポンプのメモリを制御する外部コンピューター様デバイス)を用いてポンプに入力される。患者の処方箋に関する情報は、このポンプのメモリに格納される。医師は、プログラマーを用いることにより、この情報を容易に概観し得る。プログラマーは、医師が、どのようにポンプが操作されているかいつでも分かることが可能な無線信号によって、ポンプと連絡している。医師はまた、患者の医薬用量を変更するためにプログラマーを使用し得る。
髄腔内投与の方法としては、Medtronicから利用可能な上記のもの、ならびに当業者に公知である他の方法が挙げられ得る。
(さらなる投薬処方物および薬物送達システム)
従来の薬物送達アプローチと比較して、いくつかの制御放出技術は、高分子および合成低分子両方の改変を基とし、それらが体内で受動的に吸収される代わりに、能動的に吸収されることを可能とする。例えば、XenoPort Inc.は、既存の分子を取り出し、そしてそれらを再加工し、以下のいずれかの改善した薬理学的性質を有する新しい化学実体(独特な分子)を作製する技術を利用する:1)薬物の、短い半減期を長くする;2)不充分な吸収を克服する;および/または3)標的組織への不十分な薬物分布に対処する。薬物の短い半減期を長くする技術としては、遅い切断速度を有し、長時間にわてって薬物を放出するプロドラッグの使用または小腸および大腸において経口徐放送達システムの使用を可能にする輸送体に関与するプロドラッグの使用、ならびに能動的輸送システムに関与する薬物の使用が挙げられる。このような制御放出処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムならびに本発明と共に使用するのに適切なものの例は、以下の公開され、Xenoport Inc.に譲渡された米国特許出願およびPCT特許出願において記載されるものが挙げられる:US20030158254;US20030158089;US20030017964;US2003130246;WO02100172;WO02100392;WO02100347;WO02100344;WO0242414;WO0228881;WO0228882;WO0244324;WO0232376;WO0228883;およびWO0228411。いくつかの他の制御放出技術は、胃での維持を促進または強化する方法(例えば、Depomed Inc.により開発されたもの)に基づく。多くの薬物は胃および小腸の上部において最もよく吸収されるので、Depomedは、未消化の食品のように処理されるように、食後状態または食事状態の間に胃において膨張する錠剤を開発した。ゆえにこれらの錠剤は、胃において6時間、8時間またはそれより長い時間安全かつ中性で留まり、そして薬物を、所望の速度および時間で上部胃腸部位に送達する。この分野における具体的な技術としては、以下が挙げられる:1)胃液中でゆっくりと腐食し、ほぼ一定の速度で薬物を送達する錠剤(不溶性の高い薬物に対して特に有用);2)異なる特性を備える薬物を、単一の錠剤の中に組み合わせる二層錠剤(例えば、両方の徐放のための、腐食層中の不溶性の高い薬物および拡散層中の可溶性の薬物)および;3)薬物を同時に送達し得るか、あるいは所望の期間に亘って順に送達し得るかのいずれかを可能にする組み合わせ錠剤(早く作用する薬物の初期バースト、続いて、別の薬物のゆっくりとした送達および徐放送達を含む)。本発明と共に使用するのに適切であり、食後状態または食事状態の間の胃の保持に基づく、このような制御放出処方物の例としては、Depomed Inc.に譲渡された以下の米国特許における錠剤、投薬形態および薬物送達システムが挙げられる:US 6,488,962;US 6,451,808;US 6,340,475;US 5,972,389;US 5,582,837;およびUS 5,007,790。本発明と共に使用するのに適切であり、食後状態または食事状態の間の胃の保持に基づく、このような制御放出処方物の例としては、Depomed Inc.に譲渡された、公開された以下の米国特許出願およびPCT特許出願における錠剤、投薬形態および薬物送達システムが挙げられる:US20030147952;US20030104062;US20030104053;US20030104052;US20030091630;US20030044466;US20030039688;US20020051820;WO0335040;WO0335039;WO0156544;WO0132217;WO9855107;WO9747285;およびWO9318755。
他の制御放出システムとしては、ALZA Corporationによって開発された以下に基づくものが挙げられる:1)経口送達のための浸透圧技術;2)パッチによる経皮送達;3)静脈内注射によるリポソームの送達;4)移植片による長期間送達のための浸透圧技術;および5)薬剤を数日〜1ヶ月の期間送達するよう設計されるデポー(depot)技術。ALZA経口送達システムとしては、正確な、制御された薬物送達を、24時間まで、可溶性の乏しい薬物および可能性の高い薬物の両方に対して提供するような浸透圧を用いるもの、ならびに高い薬物負荷の要求を満たす高い薬物用量を送達するものが挙げられる。ALZAの制御経皮送達システムは、1回の塗布で1週間もの長期に亘って無傷の皮膚を通じての薬物送達を提供して、薬物の吸収を改善し、そして一定量の薬物を長期にわたって血流中に送達する。ALZAのリポソーム送達システムは、それらの独特なポリエチレングリコール(PEG)コーティングに起因して、免疫系による認識を回避する脂質ナノ粒子を含み、身体の疾患特異領域に薬物の正確な送達を可能にする。ALZAはまた、低分子の薬物、ペプチド、タンパク質、DNAおよび他の生体活性高分子の、1年間までの全身的治療あるいは組織特異的治療のための、持続的送達を可能にする浸透圧的に駆動されるシステムを開発した。最後に、ALZAデポー注入治療は、生物薬剤および低分子を数日〜1ヶ月の期間に亘り、高分子の安定化および独特の送達プロフィールのために、非水系のポリマー溶液を用いて送達するよう設計される。
本発明と共に使用するのに適切である、制御放出処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの例は、ALZA Corporationに譲渡された、以下の米国特許に記載される:
Figure 2006515326
Figure 2006515326
Figure 2006515326
本発明と共に使用するのに適切である、制御放出処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの他の例は、ALZA Corporationに譲渡された、以下の公開された米国特許出願およびPCT特許出願に記載される:
Figure 2006515326
Figure 2006515326
Andrx Corporationはまた、本発明における使用に適切な、以下を含む薬物送達技術を開発した:1)ペレット状にした拍動性送達システム(「PPDS」);2)単一組成浸透圧性錠剤システム(「SCOT」);3)溶解度調節ヒドロゲルシステム(「SMHS」);4)遅延拍動性ヒドロゲルシステム(「DPHS」);5)安定化したペレット送達システム(「SPDS」);6)顆粒状調節ヒドロゲルシステム(「GMHS」);7)ペレット状にした錠剤システム(「PELTAB」);8)多孔性錠剤システム(「PORTAB」);および9)安定化した錠剤送達システム(「STDS」)。PPDSは、特定のポリマーでコーティングされたペレットおよびこのマイクロカプセル薬物の放出速度を制御する薬剤を使用し、そしてパルス放出を必要とする薬物と共に使用するために設計される。SCOTは、種々の浸透圧調整剤ならびにポリマーコーティングを利用し、ゼロ次の薬物放出を提供する。SMHSは、一般的に他の徐放ヒドロゲル処方物で観察される「初期バースト効果」を避けるヒドロゲルベースの投薬システムを利用し、そして製造のコストを追加する特別のコーティングも特別の構造の使用をも必要としない徐放を提供する。DPHSは、急速な放出に続く、初期ゼロ次薬物放出によって特徴づけられるヒドロゲルマトリクス産物と共に使用されるために設計され、遅延パルスを達成するための選択したヒドロゲルポリマーを混合することにより達成される。SPDSは、薬物のペレットコアおよび保護性のポリマー外層を組み込み、そして不安定な薬物に特異的に設計され、一方GMHSは、ヒドロゲルおよび結合ポリマーを薬物とともに組み込み、そして圧縮されて錠剤形態となる顆粒を形成する。PELTABは、別々の薬物結晶またはペレットをコーティングするために、水に不溶性であるポリマーを用いることによってそれらを消化管での流体の作用に耐え得るようにする制御放出を提供し、そしてこれらのコーティングされたペレットは次いで圧縮されて錠剤とされる。PORTABは、連続したポリマーコーティングを備える浸透圧性のコアおよび水溶性成分を組み込むことによって制御放出を提供し、この水溶液成分はコアを展開し、そして薬物が放出される微小孔性のチャネルを産生する。最後に、STDSは、オメプラゾールのコアから腸溶性コーティング層を分離するコーティング層の使用を必要としない二層コーティング技術を含む。
本発明と共に使用するのに適切である、制御放出処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの例は、Andrx Corporationに譲渡された、以下の米国特許に記載されるも:
Figure 2006515326
本発明と共に使用するのに適切である、制御放出処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの他の例は、Andrx Corporationに譲渡された、以下の公開された米国特許出願およびPCT特許出願に記載される:
Figure 2006515326
薬物送達アプローチのいくつかの他の例は、非経口薬物送達に焦点を合わせであり、タンパク質、ペプチドおよび低分子の、非経口送達、経粘膜送達および局所送達を提供する。例えば、Atrix Laboratories Inc.によって市販されるAtrigel(登録商標)薬物送達システムは、生分解性のポリマー(生分解性縫合糸中に使用されるものと同様)を含み、生体適合性キャリア中で溶解する。これらの医薬品は、製造の時点で液体送達システム中に混合され得、あるいは製品によっては、使用時に医師によって後から添加され得る。小さいゲージの針を通じての、液体製品の皮下注射または筋肉内注射、あるいはカニューレを通じての、接近し易い組織部位への配置は、組織流体中での水とキャリアとの置換を引き起こし、引き続いて沈澱を引き起こして、ポリマーから固体フィルムまたは固体移植片を形成させる。次いで移植片中にカプセル化された薬物は、数日〜1ヶ月の範囲の期間に亘って、ポリマーマトリクスが生分解するにつれて制御された様式で放出される。このような薬物送達システムの例としては、AtrixのEligard(登録商標)、Atridox(登録商標)/Doxirobe(登録商標)、Atrisorb(登録商標)、FreeFlowTM/Atrisorb(登録商標)−D FreeFlow、骨成長製品、ならびに、Atrix Laboratories Inc.に譲渡された、以下の公開された米国特許出願およびPCT特許出願に記載されるもの通りの他のが挙げられる:
Figure 2006515326
Atrix Laboratories Inc.はまた、数分〜数時間の期間に亘る、薬物の非経口経粘膜送達のための技術を市販する。例えば、AtrixのBEMATM
(Bioerodible Muco−Adhesive Disc)薬物送達システムは、局所送達または全身送達のための、前もって形成された生物腐食性のディスクを含む。このような薬物送達システムの例としては、米国特許第6,245,345号に記載のものが挙げられる。
Atrix Laboratories Inc.によって市販される他の薬物送達系は、局所薬物送達に焦点を合わせている。例えば、SMPTM(Solvent Particle System)は、高度に非水溶性の薬物の局所送達を可能にする。この製品は、制御された量の溶解された薬物を、この溶解された薬物と、この薬物の微粒子懸濁液とを組み合わせることによって、皮膚の上皮層に浸透させる。SMPTMシステムは段階的に機能し、これによって:1)製品は、皮膚表面に塗布され;2)毛胞(follicle)近傍のこの製品は、汗孔に集まり;3)薬物は、皮脂中へと容易に分配され;そして、4)この薬物は、その領域全体に拡散する。対照的に、MCA(登録商標)(Mucocutaneous Absorption System)は、持続的薬物送達を提供する耐水性の局所ゲルである。MCA(登録商標)は、湿った表面または乾燥した表面のいずれかのための粘着性の強いフィルムを形成し、ここで:1)この製品は、皮膚表面または粘膜表面に塗布され;2)製品は、粘着性の強い耐湿性のフィルムを形成し;そして、3)この粘着フィルムは、数時間から数日に及ぶ期間、薬物の徐放を提供する。なお別の製品BCPTM(Biocompatible Polymer System)は、創傷治癒のための保護フィルムとして適用される、非細胞毒性のゲルまたは液体を提供する。これらのシステムの例としては、Orajel(登録商標)−Ultra Mouth Sore Medicine、および以下のAtrix Laboratories Inc.に譲渡された、公開された米国特許および出願に記載されるものが挙げられる:米国特許第6,537,565号;同第6,432,415号;同第6,355,657号;同第5,962,006号;同第5,725,491号;同第5,722,950号;同第5,717,030号;同第5,707,647号;同第5,632,727号;およびUS20010033853。
(用量および投与)
任意の前述の投薬形態および組成物中における活性薬剤の濃度は、大きく変動し得、そして種々の要因に依存する。この要因としては、組成物または投薬形態の型、その対応する投与様式、特定の活性薬剤の性質および活性、ならびに意図される薬物放出プロフィール、が挙げられる。好ましい投薬形態は、単位用量の活性薬剤(すなわち、単回治療有効用量)を含む。クリーム、軟膏などについては、「単位用量」は、特定量の塗布されるべき処方物中に単位用量を提供する、活性薬剤の濃度を必要とする。任意の特定の活性薬剤の単位用量は、当然、その活性薬剤および投与様式に依存する。ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについては、経口投与のための単位用量は、約1mg〜約10,000mgの範囲内であり、代表的には、約100mg〜約5,000mgの範囲内であり;局所投与のためには、適切な単位用量は、より低い可能性がある。あるいは、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについては、経口投与のための単位用量は、以下よりも高い:約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約1,000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,000mg、約4,500mg、約5,000mg、約5,500mg、約6,000mg、約6,500mg、約7,000mg、約7,500mg、約8,000mg、約8,500mg、約9,000mg、または約9,500mg。薬学的処方分野の当業者は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについての適切な単位用量、ならびに本発明の投薬形態に組み込まれ得る他の型の薬剤の適切な単位用量を、容易に推定し得る。
ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについて、経粘膜投与、局所投与、経皮投与、膀胱内投与および非経口投与のための単位用量は、約1ng〜約10,000mgの範囲内であり、代表的には、約100ng〜約5,000mgの範囲内である。あるいは、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについては、経粘膜投与、局所投与、経皮投与、膀胱内投与および非経口投与のための単位用量は、以下よりも高い:約1ng、約5ng、約10ng、約20ng、約30ng、約40ng、約50ng、約100ng、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約1μg、約5μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約1,000mg、約1,500mg、約2,000mg、約2,500mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,000mg、約4,500mg、約5,000mg、約5,500mg、約6,000mg、約6,500mg、約7,000mg、約7,500mg、約8,000mg、約8,500mg、約9,000mg、または約9,500mg。薬学的処方分野の当業者は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについての適切な単位用量、ならびに本発明の投薬形態に組み込まれ得る他の型の薬剤の適切な単位用量を、容易に推定し得る。
ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについて、髄腔内投与のための単位用量は、約1fg〜約1mgの範囲内であり、代表的には、約100fg〜約1ngの範囲内である。あるいは、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについては、髄腔内投与のための単位用量は、以下よりも高い:約1fg、約5fg、約10fg、約20fg、約30fg、約40fg、約50fg、約100fg、約200fg、約300fg、約400fg、約500fg、約1pg、約5pg、約10pg、約20pg、約30pg、約40pg、約50pg、約100pg、約200pg、約300pg、約400pg、約500pg、約1ng、約5ng、約10ng、約20ng、約30ng、約40ng、約50ng、約100ng、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約1μg、約5μg,約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、または約500μg。薬学的処方分野の当業者は、ナトリウムチャネルモジュレーター、特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーターについての適切な単位用量、ならびに本発明の投薬形態に組み込まれ得る他の型の薬剤の適切な単位用量を、容易に推定し得る。
所定の個体に投与される特定の活性薬剤の治療有効量は、当然、多くの要因に依存する。この要因としては、特定の活性薬剤、組成物、または投薬形態の濃度、選択された投与様式、処置される個体の年齢および一般的状態、個体の状態の重症度、ならびに処方する医師にとって既知の他の要因が挙げられる。
好ましい実施形態において、薬物投与は、随時方法に依存し、そして慢性的薬物投与を含まない。即時放出投薬形態では、随時投与は、活性の開始の直前での薬物投与を含み得、ここで、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害の症状の抑制が所望されるが、この随時投与は、一般的にはこのような活性の約0分前〜約10時間前の範囲内であり、好ましくは、このような活性の約0分前〜約5時間前の範囲内であり、最も好ましくは、このような活性の約0分前〜約3時間前の範囲内である。徐放性投薬形態では、単回用量が、その処方に依存して、約1時間〜約72時間の範囲、代表的には、約8時間〜約48時間の範囲の延長された期間にわたり、治療効果を提供し得る。すなわち、放出期間は、特定の徐放性ポリマーの選択および相対量によって変動し得る。しかし、必要な場合、薬物投与は、継続中の投薬レジメンの範囲内で(すなわち、週に一回を基本として、週に二回、毎日などで)実施され得る。
(パッケージ化されたキット)
別の実施形態において、パッケージ化されたキットが提供される。このキットは、投与されるべき薬学的処方物(すなわち、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害の処置のための、治療有効量の選択された活性薬剤を含む薬学的処方物)、保存中および使用前にこの処方物を収納するための容器(好ましくは密閉されている)、ならびに、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害を処置するために有効な様式で薬物投与を実施するための使用説明、を含む。この使用説明は、代表的に、パッケージの挿入物および/またはラベルに記載された使用説明である。処方物の型および意図された投与様式に依存して、上記キットはまた、処方物を投与するためのデバイスを含む。この処方物は、本明細書において記載されるような、任意の適切な処方物であり得る。例えば、この処方物は、単位用量の選択された活性薬剤を含む、経口投薬形態であり得る。上記キットは、同じ薬剤の異なる投薬形態の複数の処方物を含み得る。このキットはまた、異なる活性薬剤の複数の処方物を含み得る。
(保険金請求)
一般的に、所定の医学的処置または薬物治療の補償のための保険金請求の手続きは、保険会社または他のいずれかの事業体への、請求が申請される保険証が発行されていること、医学的処置または薬物治療が実施されることの届け出を含む。次いで、実施された医学的処置または薬物治療がこの保険証の条件で補償されるか否かについて、決定がなされる。次いで、補償される場合、この請求が処理される。この処理としては、支払い、償還、または控除に対する適用が挙げられ得る。
本発明は、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害の処置に使用されるナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/もしくは活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性代謝産物のために、保険証に基づいて保険金請求を処理するための方法を包含する。本方法は、以下を包含する:1)上記ナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/もしくは活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性代謝産物を用いた、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害の処置を行うことの通知を受け取る工程、あるいは、酸性消化性障害または構造的胃食道障害を除く胃腸管障害を処置するための、上記ナトリウムチャネルモジュレーターについての処方の通知を受け取る工程;2)上記ナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/もしくは活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性代謝産物を用いた上記処置が、上記保険証の下で補償されるか否かを決定する工程;そして、3)上記ナトリウムチャネルモジュレーター、特にTTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/もしくは活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性代謝産物を用いた処置についての上記請求を処理する工程であって、この処置が、支払い、償還、または控除に対する適用を包含する、工程。
本発明はまた、上記の保険金請求を処理するための方法を包含し、ここでナトリウムチャネルモジュレーター(特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター)ならびに二次薬剤(secondary agent)は、酸ペプシン性障害(acid peptic disorder)または構造性胃食道障害を除く、胃腸管障害の処置において使用される。二次薬剤としては、抗痙攣薬、三環系抗鬱剤、デュロキセチン(duloxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)、モノアミン再取り込みインヒビター、鎮痙薬、抗コリン作動剤、ギャバペンチン、プレギャバリン(pregabalin)、置換型アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体、5−HTアンタゴニスト、5−HTアンタゴニスト、β3アドレナリン作動性アゴニスト、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニスト、一酸化窒素ドナー、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性な代謝産物が挙げられ得る。さらに、本発明に従う保険金請求を処理するための方法は、上記ナトリウムチャネルモジュレーター(特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター)および上記二次薬剤、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性な代謝産物が、連続して、同じ組成物中で同時に、または異なる組成物中で同時に投与される方法を包含する。本発明に従う保険金請求を処理するための方法はまた、ナトリウムチャネルモジュレーター(特に、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターおよび/または活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター)および上記二次薬剤のうちの1種、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは活性な代謝産物を、酸ペプシン性障害または構造性胃食道障害を除く、胃腸管障害の処置のために、いずれかが別個に処方されるか、または同時に処方される場合の、請求処理を包含する。
本明細書中に示される発明の多くの改変および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面中に示される教示の利益を有する、本発明が属する技術の当業者に想起される。従って、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるべきでなく、改変および他の実施形態は、添付の実施形態の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。特定の用語が本明細書中で使用されているが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味においてのみ使用されているのであって、限定を目的としているのではない。
本明細書中で言及される全ての特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
(ナトリウムチャネルモジュレーターを投与することによる胃腸管障害を処置するための方法)
本発明は、以下の実施例においてさらに記載され、それらの実施例は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を制限しない。以下の実施例は、胃腸管障害のための十分に許容されたモデルに対するナトリウムチャネルモジュレーターの投与の効果を例示する。これらの結果は、酸ペプシン性障害または構造性胃食道障害を除く、胃腸管障害の処置のためのナトリウムチャネルモジュレーターの効力を実証することが予測される。
(目的および原理)
本研究の目的は、TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターの効果または胃腸管一次求心性ニューロンにおけるナトリウム電流(胃腸管障害の一般に使用されるモデル)を調節する能力に対する依存性ナトリウムチャネルモジュレーターの使用を決定することであった。
(方法)
胃腸管求心性ニューロンの標識:成体雌性Sprague−Dawleyラット(150〜300g)を、ペントバルビタール麻酔によって深く麻酔し、イソフルラン維持麻酔に置いた。腹部正中切開を腹部皮膚および筋肉組織を通して行い、胃腸管を露出した。蛍光色素Di−I(DMSO中の25mg/ml Di−Iを各5μl)またはFast Blue(4% w/v)を5回結腸壁に注射して、一次求心性繊維を標識し、胃腸管を刺激した。その領域を、滅菌生理食塩水ですすぎ、色素の非特異的拡散を除去し、その切開を閉じた。ラットを、5〜12日間で回復させて、遠位末端から脊髄神経節(DRG)ニューロンの体細胞へ蛍光色素を輸送させた。
標識されたニューロンを、蛍光オプティクスを使用してインビトロで同定した。
ニューロン培養:蛍光色素を注射したラットを、ペントバルビタール麻酔で安楽死させた。胃腸管ニューロンについて、仙骨(S)DRGを、脊柱から切開した。神経節を、0.3% コラゲナーゼBを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に60分間、37℃で別個に置いた。その細胞溶液を、カルシウム/マグネシウム非含有ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水溶液中の0.25% トリプシンに交換し、37℃で30分間さらに消化した。新鮮なDMEM中で洗浄した後、神経節を、火炎研磨パスツールピペットを用いる一連の粉砕によって解離させた。DRG細胞を、ポリリジン処理ガラスカバースリップ上に置いた。細胞を、1ml DMEM(10% FBS、NGF、および100U/mlペニシリン/ストレプトマイシンを補充した)中、0.5神経節/カバースリップの密度でプレートした。ラットが関与する全ての実験手順を、Institutional Animal Care and Use Committeeにより認可されたプロトコルの下で行った。試薬の濃度、インキュベーション時間などにおける小さな変動は想起され得、類似の結果を与えると予測される。
大部分の実験において、ニューロンを、記録の前に、FITC標識レクチンBSI−B4(IB4、10mg/ml)を含む培養培地中、37℃で5分間インキュベートした。カバースリップを、上記蛍光オプティクスを装備した倒立顕微鏡のステージ上に載せた記録チャンバに置く前に、細胞外記録溶液で1分間洗浄した。ニューロン画像を、デジタルカメラシステムを使用して取り込んだ。
電気生理学:ニューロンの電気生理学的評価を、プレートして4〜48時間以内に行った。全細胞パッチ−クランプ記録を、蛍光色素標識DRGニューロンから得た。(mM単位で)140 NaCl、3 KCl、1 CaCl、1 MgCl、0.1 CdCl、10 HEPES、および10 グルコースからなる細胞外記録溶液(pH7.4、295〜320mosM)中で記録を得た。パッチ−クランプ電極を、ホウケイ酸ガラスから引っ張り、火炎研磨して、2〜6Mオーム先端抵抗にした。内部ピペット記録溶液(pH7.3、290〜300mosM)は、(mM単位で)140 CsCl、10 NaCl、1 EGTA、および10 HEPESからなった。テトロドトキシン(TTX、0.3μM)を細胞外溶液に含めて、TTX感受性ナトリウム電流をブロックした。溶液のために使用される試薬の濃度および型における変動は想起され得、類似の結果を与えることが予測される。
ナトリウム電流を、標準的電気生理学プロトコルを使用して、DRGニューロンから記録した。ニューロンを、代表的には、−50mVで電圧クランプした。電流を、パッチ−クランプ増幅器を使用して記録し、捕捉のために3〜10kHzでデジタル化した。ニューロン入力抵抗および膜キャパシタンスを、振幅および−50mVの保持電位からの電圧パルスに対する電流応答速度論から決定した。一連の抵抗を、全ての記録について75〜95%補償した。漏れ電流を、標準P/4プロトコルを使用してオンラインで相殺した。5mV増分における一連の−60〜+40mVの50m秒電圧工程を、ナトリウム電流−電圧関係について、5秒ごとに送達した。薬物によるナトリウム電流の緊張調節を研究するために、−50mV〜0mVまたは−90mV〜0mVのいずれかからの脱分極試験パルスを、薬物適用の間に、5秒ごとに送達した。薬物によるナトリウム電流の活性依存性調節(Liら(1999)Molecular Pharmacology 55:134−141)を研究するために、高周波数刺激列(17Hzでの40脱分極パルス)を、脱分極試験パルスの直前に、送達した。全ての細胞型について、ベースライン応答を、一定期間にわたって記録して、その応答が安定であることを保証した。通常、洗浄期間または回復期間の次に、薬物適用期間を設けた。全てのデータ取得および分析を、標準的な細胞電気生理学ソフトウェアを使用して行った。電気生理学プロトコルにおける細部の変化は想起され得、類似の結果を与えることが予測される。
ラモトリジンが関与する条件について、細胞を、記録チャンバ中、細胞外溶液を用いて、約1ml/分の速度で一定に灌流した。ラモトリジンを、定常状態まで、個々の細胞に浴を介して適用し、薬物効果を達成した。
アンブロキソールが関与する条件について、細胞を、記録チャンバ中、細胞外溶液を用いて、0.5〜2ml/分の速度で一定に灌流した。アンブロキソールを、個々の細胞に浴を介して適用した。これらの薬剤を、代表的には、2〜10分間適用するか、または定常状態になるまで適用して、薬物効果を達成した。累積濃度応答曲線を、各細胞に対する薬物濃度の連続増加から得た。
全てのデータを、平均±SEMとして表す。
(結果および結論)
胃腸管求心性ニューロンを、インビトロDRG培養において蛍光色素陽性ニューロンとして同定した。
図1は、結腸DRGニューロンにおいて記録されたピーク活性依存性ナトリウム電流に対するラモトリジン(100μM)の使用依存性効果を実証する。ナトリウム電流の遅い活性化は、0.2Hzの周波数で送達された−50〜0mVからの脱分極工程からなった。ナトリウム電流の遅い活性化は、0.2Hzの周波数で送達された−50〜0mVからの脱分極工程からなった。速い活性化は、17Hzの周波数で送達される同じ脱分極工程からなった。図1Aは、遅い刺激プロトコルおよび速い刺激プロトコルの両方の下でのラモトリジンに対する代表的な応答を示す。ピーク電流振幅を、速い刺激条件下で、結腸DRGナトリウム電流の使用依存性調節と一致させて、より大きな程度まで減少させた。図1Bは、3つのニューロンから得たまとめのデータを示す。データを、コントロール条件下および100μM ラモトリジンの適用の間に得た。平均ピークナトリウム電流振幅(平均%コントロール振幅±SEMとして表される)を、速い刺激条件下で、使用依存性様式で、結腸DRGナトリウム電流の調節と一致させて、より大きな程度まで減少させる。アスタリスクは、遅い刺激に対して、有意差を示す(P<0.05、t検定)
図2Aは、アンブロキソールの浴適用(100μM)の前(コントロール)およびその間に記録された代表的な内側TTX−Rナトリウム電流を示す。類似の胃腸管求心性ニューロンにおいて記録されたこのおよび他の応答の速度論は、Nav1.8サブタイプの電流に似ていた。これは、Renganathanら(2002)J.Neurophysiol.,87:761−775に記載されるような「永続性(Nav1.9)」ナトリウム電流とは対照的に、「遅い(Nav1.8)」である。
図2Bは、アンブロキソールが4つの胃腸管求心性ニューロンにおけるTTX−Rナトリウム電流の濃度依存性可逆性ブロックを生成したことを示す。そのブロックは、10μMと100μMとの間の推定IC50濃度において生じ、これは、アンブロキソールによるTTX−R電流の選択的ブロックと一致した(WeiserおよびWilson(2002)Mol.Pharmacol.62:433−438)。
この実施例は、胃腸管障害の哺乳動物形態におけるナトリウムチャネルモジュレーターの有効性を示す。
図1Aは、遅い刺激プロトコルおよび速い刺激プロトコルの両方の下で、ラモトリジンに対する胃腸管求心性ニューロンの代表的な応答を示す。図1Bは、コントロール条件下および100μMラモトリジンの適用の間の3つのニューロンから得たデータの要約を示す。応答の大きさを正規化し、そして平均±SEMを示す。 図2Aは、アンブロキソールの浴適用の前および適用の間の、標識された胃腸管求心性ニューロンから記録された代表的な内向きのTTX−Rナトリウム流れを示す。図2Bは、胃腸管求心性ニューロンに対するアンブロキソールの組み合わせた効果を示す棒グラフの要約を示す。薬物の存在下で応答が定常状態に達した場合に、内向きの流れの大きさのピークを測定した。応答の大きさを正規化し、そして平均±SEMを示す。

Claims (37)

  1. 酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管障害を処置するための方法であって、該方法は、必要とする個体に、治療有効量の活性薬剤を投与する工程であって、ここで、該薬剤は、ナトリウムチャネルモジュレーター、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物である、工程を包含する、方法。
  2. 前記活性薬剤が、薬学的処方物内に含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記薬学的処方物が、単一投薬処方物である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記活性薬剤が、随時ベースで投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記活性薬剤が、活性の開始前に投与され、ここで、酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管の症状の抑制が所望される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記活性薬剤が、活性の開始の約0分前〜約3時間前に投与され、ここで、酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管障害の症状の抑制が所望される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記処方物が、制御放出投薬処方物である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記処方物が、遅延放出投薬処方物である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記処方物が、持続放出投薬処方物である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記処方物が、持続放出投薬処方物である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記持続放出投薬形態が、約6時間〜約8時間の時間にわたって薬物の放出を提供する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記活性薬剤が、経口投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記活性薬剤が、経口投与される、請求項2に記載の方法。
  14. 前記薬学的処方物が、錠剤、カプセル、カプレット、溶液、懸濁液、シロップ、顆粒、ビーズ、散剤およびペレットからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記活性薬剤が、経粘膜投与される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記活性薬剤が、舌下投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記活性薬剤が、頬投与される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記活性薬剤が、鼻腔内投与される、請求項15に記載の方法。
  19. 前記活性薬剤が、経尿道投与される、請求項15に記載の方法。
  20. 前記活性薬剤が、直腸投与される、請求項15に記載の方法。
  21. 前記活性薬剤が、吸入により投与される、請求項15に記載の方法。
  22. 前記活性薬剤が、局所投与される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記活性薬剤が、経皮投与される、請求項1に記載の方法。
  24. 前記活性薬剤が、非経口投与される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記活性薬剤が、くも膜下腔内投与される、請求項1に記載の方法。
  26. 前記胃腸管障害が、炎症性腸障害および過敏性腸症候群からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  27. 前記炎症性腸障害が、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、および直腸炎からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ナトリウムチャネルモジュレーターが、以下:
    a.TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーター、もしくはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体;または
    b.活性依存性ナトリウムチャネルモジュレーター、もしくはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体
    である、請求項1に記載の方法。
  29. 前記TTX−Rナトリウムチャネルモジュレーターが、以下:
    a.Na1.8チャネルと相互作用する化合物、もしくはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体;または
    b.Na1.9チャネルと相互作用する化合物、もしくはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体
    である、請求項26に記載の方法。
  30. 前記ナトリウムチャネルモジュレーターが、ラルフィナミドまたはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記ナトリウムチャネルモジュレーターが、アンブロキソールまたはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  32. 前記ナトリウムチャネルモジュレーターが、シパトリジンまたはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  33. 前記ナトリウムチャネルモジュレーターが、ラモトリジンまたはその塩、鏡像異性体、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  34. 前記薬学的処方物が、さらに追加の活性薬剤を含む、請求項2に記載の方法。
  35. 前記追加の活性薬剤が、抗痙攣薬、三環系抗鬱薬、デュロキセチン、ベンラファキシン、モノアミン再取込みインヒビター、鎮痙薬、抗コリン薬、ギャバペンチン、プレギャバリン、置換アミノメチル−フェニル−シクロヘキサン誘導体、5−HTアンタゴニスト、5−HTアンタゴニスト、β3アドレナリン作動性アゴニスト、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニスト、一酸化窒素供与体、およびこれらの誘導体からなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
  36. 酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管障害を処置するための、経粘膜薬物投与用に適合される薬学的処方物であって、該処方物は、治療有効量のナトリウムチャネルモジュレーター、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物、ならびに、頬、舌下、鼻腔内、直腸または吸入による経粘膜薬物送達に適切なキャリアを含有する、処方物。
  37. 酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管障害の処置において患者が使用するための包装されたキットであって、該キットは、以下:ナトリウムチャネルモジュレーターの薬学的処方物;保存の間および投与前に該薬学的処方物を格納するための容器;ならびに、酸消化性障害もしくは構造的消化管障害を除く胃腸管障害を処置するために有効な様式での薬物の投与を実施するための指示書を備える、キット。
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