JPH1148818A - ハブクラッチ - Google Patents

ハブクラッチ

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JPH1148818A
JPH1148818A JP21345597A JP21345597A JPH1148818A JP H1148818 A JPH1148818 A JP H1148818A JP 21345597 A JP21345597 A JP 21345597A JP 21345597 A JP21345597 A JP 21345597A JP H1148818 A JPH1148818 A JP H1148818A
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JP
Japan
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cam
torque
clutch
wheel
angle
Prior art date
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JP21345597A
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English (en)
Inventor
Tadashi Eda
正 江田
Shoji Hayashi
昭二 林
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ部を断続するカムを正常に作動させ
ながら、カムによるピ−クトルクを小さくする。 【解決手段】 車輪側のハウジング及び駆動軸と噛み合
ってこれらを連結する連結位置とこの噛み合いが解除さ
れる連結解除位置とに移動可能なクラッチ部材と、互い
に係合する凸部49と凹部53との間でカム角αのカム
面43、45を有し、操作トルクを受けてクラッチ部材
を移動操作するカム37とを備え、カム37において凸
部49の角部51と最初に接触する凹部53側にカム角
αより傾斜の緩やかなカム角βを有するカム面47を形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、四輪駆動車にお
いて駆動車軸と車輪間の断続を行うハブクラッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平8−219170号公報に図5と
図6のようなハブクラッチ201が記載されている。
【0003】このハブクラッチ201のクラッチ部は、
車輪ホイ−ル203に固定されたハウジング205と、
ハウジング205に設けられたロック歯207と、駆動
軸209に固定されたスリ−ブ211と、スリ−ブ21
1の外周に軸方向移動可能にスプライン連結されたドラ
イブクラッチ213(クラッチ部材)と、ハウジング2
05のロック歯207と噛み合うドライブクラッチ21
3のクラッチ歯215と、クラッチ歯215がロック歯
207と噛み合う方向にドライブクラッチ213を押圧
するロックスプリング217と、クラッチ歯215とロ
ック歯207の噛み合いが解除される方向にドライブク
ラッチ213を付勢するリタ−ンスプリング219など
から構成されている。
【0004】又、ハブクラッチ201の切換操作部は、
車輪ホイ−ル203に固定されたキ−ブロック221
と、キ−ブロック221に所定の角度範囲だけ相対回転
可能に連結されたインナ−カム223と、インナ−カム
223に設けられたカム225と、スリ−ブ211の外
周にスプライン連結されたアウタ−カム227と、アウ
タ−カム227に設けられインナ−カム223のカム2
25と噛み合うカム229などから構成されている。
【0005】ハブクラッチ201は四輪駆動車が二輪駆
動走行する際に切り離される車輪側に配置されており、
トランスファには、ハブクラッチ201の連結を解除す
るときに、ハブクラッチ201側(駆動軸209)の駆
動力を遮断する同期式の断続機構が設けられている。
【0006】この断続機構を連結して駆動軸209に駆
動力を送ると、切換操作部のアウタ−カム227が駆動
軸209(スリ−ブ211)と共に回転し、カム22
5、229の噛み合いによってインナ−カム223が回
転する。所定角度の回転の後インナ−カム223の回転
がキ−ブロック221(車輪ホイ−ル203)によって
停止すると、アウタ−カム227のカム229がインナ
−カム223のカム225に乗り上げる。
【0007】(以下、一方のカムが他方のカムに乗り上
げる動作をカムアウト動作と呼び、一方のカムが他方の
カムに乗り上げた状態をカムアウト状態と呼ぶ。) このカムアウト動作に伴って、アウタ−カム227はリ
タ−ンスプリング219を撓めて移動し、ドライブクラ
ッチ213はアウタ−カム227の移動に伴ってロック
スプリング217に押圧されて移動し、クラッチ歯21
5がハウジング205のロック歯207と噛み合う。
【0008】こうしてハブクラッチ201が連結される
と、車両は四輪駆動状態になる。
【0009】又、断続機構によって駆動軸209を切り
離した後車両を後進させると、アウタ−カム227が上
記と反対方向に回転し、リタ−ンスプリング219によ
ってアウタ−カム227とインナ−カム223のカム2
29、225が係合すると共に、このアウタ−カム22
7の移動に伴ってドライブクラッチ213が移動し、ク
ラッチ歯215とロック歯207との噛み合いが解除さ
れる。
【0010】こうしてハブクラッチ201の連結が解除
されると、車両は二輪駆動状態になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図7乃至図10は、従
来のハブクラッチに用いられているカム231を示して
いる。このカム231はアウタ−カム233とインナ−
カム235の間の両回転方向に形成されており、図7と
図8のように、カム角αのカム面237、239を持っ
ている。
【0012】又、図4のグラフ241は、切換操作部に
カム231を用いた従来のハブクラッチにおいて駆動軸
の回転角に対する軸トルクの変化を示している。
【0013】矢印Aが示すピ−クトルクは、図8のよう
にアウタ−カム233とインナ−カム235の各カム面
237、239が接触し、これらが摺動を開始したとき
に現れ、矢印Bの部分は、これらのカム面237、23
9が摺動しているときのトルク変化を示し、矢印Cの部
分は、図9のようにインナ−カム235の角部243が
アウタ−カム233のカム面237と接触したときのト
ルクを示し、矢印Dは、図10のようにインナ−カム2
35の頂面245がアウタ−カム233の頂面247に
乗り上げたときのトルクを示している。
【0014】しかし、ハブクラッチの切換操作に際し
て、カム231は静止状態から作動を開始するから、カ
ム面237、239に発生する摩擦は動摩擦より摩擦係
数の大きい静摩擦であり、従って、矢印Aが示すように
ピ−クトルクが極めて大きくなる。
【0015】又、摩擦係数の大きい静摩擦はバラツキが
大きいから、このように静摩擦で現れるピ−クトルクも
バラツキが大きくなる。
【0016】従って、出荷管理時と実際に車両に組付け
たときとでピ−クトルクが大きく変わることがあり、管
理が極めて難しい。
【0017】ピ−クトルクを小さくするには、カム面2
37、239のカム角αを小さくする必要がある。
【0018】一方、図4のトルクtnは、四輪駆動に切
り換えるとき、インナ−カム235の頂面245がアウ
タ−カム233の頂面247に乗り上げるために必要な
トルクである。
【0019】しかし、カム面237、239が噛み合っ
た二輪駆動状態で走行時の振動を受けると、ピークトル
クが低下し、頂面245が頂面247に乗り上げて四輪
駆動状態になる誤動作が発生することがあり、これを防
止するには必要トルクtnを高めに設定する必要があ
る。
【0020】又、例えば、外気温が零度以下になる低温
域では、同期式断続機構やハブクラッチ内部のオイル粘
度が上がって引きずりトルクが大きくなるから、カム面
237、239のカム角αを小さくすると、二輪駆動時
にこれらの引きずりトルクを受けてカム231が作動し
四輪駆動状態に切り換わる誤動作が発生する恐れがあ
る。従って、トルクtnはある程度大きく設定しなけれ
ばならない。
【0021】しかし、カム面237、239のカム角α
を小さくすると、充分な必要トルクtnが得られなくな
るから、ピ−クトルクを小さくするためにカム角αを小
さくすることはできない。
【0022】更に、上記のように、ピ−クトルク値とそ
のバラツキが大きいと、又、必要トルクtnを大きく設
定すると、四輪駆動状態に切り換えるときにハブクラッ
チ側を連結する同期式断続機構の容量をそれに応じて大
きく設定しなければならない。
【0023】しかし、同期式断続機構の容量を大きくす
ると、動力伝達系がそれだけ大型になり重くなる。
【0024】又、その引きずりトルクも大きくなるか
ら、引きずりトルクによる誤動作も起こり易くなる。
【0025】そこで、この発明は、クラッチ部を断続す
るためのカムを正常に作動させ、誤差動を防止しなが
ら、カムによるピ−クトルクを小さくするハブクラッチ
の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1のハブクラッチ
は、車輪側に連結され内周に噛み合い部を有するハウジ
ングと、このハウジングを挿通し外周側に噛み合い部を
有する駆動軸と、ハウジング及び駆動軸側の各噛み合い
部と噛み合ってこれらを連結する連結位置とこの噛み合
いが解除される連結解除位置とに移動可能なクラッチ部
材と、互いに係合する凸部と凹部との間でカム角αのカ
ム面を有し、操作トルクを受けてクラッチ部材を移動操
作するカムとを備え、このカムにおいて凸部の角部と最
初に接触する凹部側のカム面にカム角αより傾斜の緩や
かなカム角βを有するカム面を形成したことを特徴とす
る。
【0027】このように、請求項1のハブクラッチで
は、操作トルクを受けてクラッチ部材を移動操作するカ
ムにおいて、凸部の角部と最初に接触する凹部側のカム
面にカム角αより傾斜の緩やかなカム角βのカム面を形
成した。
【0028】従って、このカムのピ−クトルクは、傾斜
の緩やかなカム角βのカム面での摺動が終了し、摺動が
カム角αのカム面に移行したときに現れるが、従来例と
異なって、このときの摩擦は動摩擦であるから、ピ−ク
トルクは従来例より大幅に小さくなる。
【0029】又、カムの摺動はカム角βのカム面で開始
され、このときの摩擦は静摩擦であるが、カム角βが小
さいから、ピ−クトルクにはならない。
【0030】このように、ピ−クトルクは動摩擦時に現
れるからバラツキが小さく、従って、出荷管理時のピ−
クトルクと車両に組付けたときのピ−クトルクとの変化
が小さくなり、管理が容易になる。
【0031】又、ピ−クトルク値とそのバラツキが小さ
くなると、二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り換える
ときにハブクラッチに駆動力を伝達する同期式断続機構
の容量を必要最小限に小さく設定することが可能にな
り、例えば、同期式断続機構をマルチコ−ン型からシン
グルコ−ン型のものにして、動力伝達系を軽量化し、コ
ストを低減することができる。
【0032】又、同期式断続機構の容量を小さくするこ
とにより、その引きずりトルクも小さくなるから、低温
時でも、ハブクラッチは引きずりトルクの影響から解放
されて誤動作が防止される。更に、カムにカム角βの小
さいカム面を形成しても誤動作することはない。
【0033】これに加えて、ピ−クトルクを小さくする
目的で、カム面のカム角αを小さくする必要がないか
ら、カムをカムアウト動作させるための必要トルクtn
を充分に大きく保つことができる。
【0034】このように、トルクtnが大きく保たれる
から、二輪駆動中に振動を受けてピークトルクが低下し
ても、四輪駆動状態になる誤動作が生じない。
【0035】又、低温域で同期式断続機構やハブクラッ
チ内部のオイル粘度が上昇し、引きずりトルクが大きく
なっても、大きく保たれたトルクtnによって、ハブク
ラッチの誤動作が防止される。
【0036】請求項2の発明は、請求項1記載のハブク
ラッチであって、カムの操作トルクが、駆動軸、あるい
は、車輪の回転トルクであることを特徴とし、請求項1
の構成と同等の効果を得る。
【0037】
【発明の実施の形態】図1と図3と図4とにより本発明
の第1実施形態の説明をする。この実施形態は請求項
1、2の特徴を備えている。
【0038】なお、この実施形態において、図1の部材
以外の構成は図5と図6の従来例と同等である。従っ
て、以下の説明の中で、従来例と同機能部材には同一の
符号を与えて引用すると共に、これら同機能部材の重複
説明は省く。
【0039】図1はこの実施形態のハブクラッチに用い
られたカムを示しており、図3はこのハブクラッチが用
いられた四輪駆動車の動力系を示している。
【0040】この動力系は、エンジン1、トランスミッ
ション3、トランスファ5、トランスファ5内に配置さ
れた同期式の二輪−四輪切り換え機構7、前輪側のプロ
ペラシャフト9、フロントデフ11(前輪側のデファレ
ンシャル装置)、前車軸13、15、ハブクラッチ1
7、19、左右の前輪21、23、後輪側のプロペラシ
ャフト25、リヤデフ27(後輪側のデファレンシャル
装置)、後車軸29、31、左右の後輪33、35など
から構成されている。
【0041】車両が四輪駆動状態の時、エンジン1の駆
動力はトランスミッション3からトランスファ5とプロ
ペラシャフト25とを介してリヤデフ27に伝達され、
左右の後輪33、35に分配される。又、エンジンの駆
動力はトランスファ5の二輪−四輪切り換え機構7から
プロペラシャフト9を介してフロントデフ11に伝達さ
れ、ハブクラッチ17、19を介して左右の前輪21、
23に分配される。
【0042】又、二輪−四輪切り換え機構7の連結を解
除すると前輪21、23はエンジン1側から切り離され
て車両は2輪駆動状態になる。この時、ハブクラッチ1
7、19の連結も解除され、前輪21、23からの連れ
回りによる前輪側動力伝達系の振動、騒音、磨耗などが
防止される。
【0043】図1のように、実施形態のハブクラッチ1
7、19に用いられたカム37は、アウタ−カム39と
インナ−カム41の間で両回転方向に形成されている。
【0044】カム37はカム角αのカム面43、45と
それより傾斜の緩やかなカム角βのカム面47とで構成
されている。このカム面47は、インナ−カム41の凸
部49の角部51と最初に接触するアウタ−カム39側
凹部53のカム面45に形成されている。なお、破線は
カム面47を形成しない従来のアウタ−カムを示してい
る。
【0045】車両を四輪駆動状態に切り換えるとき、各
ハブクラッチ17、19では駆動軸のトルクを受けてイ
ンナ−カム41が矢印55の方向に回転し、カム37に
おいて、先ず角部51がカム面47と接触し、次にカム
面43、45が接触する。
【0046】図4のグラフ57は、カム37が用いられ
た実施形態のハブクラッチ17、19を四輪駆動に切り
換えるときに生じる駆動軸の回転角に対する軸トルク変
化を示している。
【0047】矢印Eは、インナ−カム41の角部51が
アウタ−カム39のカム面47と接触したときの静摩擦
によるトルクを示している。カム面47のカム角βは、
矢印Eのトルクがハブクラッチ17、19を正常に切り
換え操作するための(カム37をカムアウト動作させる
ための)必要トルクtnになるように調整されている。
【0048】又、矢印Fの部分は、角部51がカム面4
7上を移動しているときのトルクを示し、矢印Gは、ア
ウタ−カム39とインナ−カム41の摺動がカム面4
3、45に移行したときの動摩擦によるトルクを示し、
これがピ−クトルクになる。又、矢印Iは、インナ−カ
ム41の頂面59がアウタ−カム39の頂面61に乗り
上げたとき(カムアウト状態)のトルクを示している。
【0049】このように、カム37においてインナ−カ
ム41の角部51が最初に接触するアウタ−カム39側
にカム角βの小さいカム面47を形成したことにより、
カム37のピ−クトルクは、傾斜の緩やかなカム角βの
カム面47での摺動が終了し、カム角αのカム面43、
45の摺動に移行したときに現れるが、このときの摩擦
は、従来例と異なって動摩擦であるから、矢印Gが示す
ピ−クトルクは従来例と較べて大幅に小さくなる。
【0050】又、カム37の摺動は、矢印Eが示すよう
に、カム角βのカム面47で開始され、このときの摩擦
は静摩擦であるが、カム角βが小さいから矢印Eのトル
クはピ−クトルクにはならない。
【0051】車両を二輪駆動状態から四輪駆動状態に切
り換える場合は、トランスファ5の2輪−4輪切り換え
機構7を連結し、フロントデフ11から各ハブクラッチ
17、19側の駆動軸に駆動力を送る。
【0052】駆動軸に駆動力が送られると、図5、6の
従来例と同様な機能によって、アウタ−カム39が駆動
軸と共に回転し、アウタ−カム39とインナ−カム41
とが、図4の矢印Iのように、カムアウト状態になり、
アウタ−カム39の移動によって各ハブクラッチ17、
19は連結され、車両は四輪駆動状態になる。
【0053】又、車両を四輪駆動状態から二輪駆動状態
に切り換える場合は、切り換え機構7によって駆動軸を
切り離した後車両を後進させると、アウタ−カム39が
上記と反対方向に回転し、その凹部53がインナ−カム
41の凸部49と噛み合って移動し、このアウタ−カム
39の移動に伴って各ハブクラッチ17、19の連結が
解除され、車両は二輪駆動状態になる。
【0054】こうして、第1実施形態のハブクラッチ1
7、19が構成されている。
【0055】第1実施形態のハブクラッチ17、19で
は、切り換え機構に用いたカム37に、上記のように、
傾斜の緩やかなカム角βのカム面47を形成し、ピ−ク
トルクを動摩擦時に現れるようにし、ピ−クトルク値を
大幅に小さくしている。
【0056】又、動摩擦時に現れるピ−クトルクはバラ
ツキが小さいから、出荷管理時と車両に組付けたときと
でピ−クトルクの変化が小さくなり、管理が容易にな
る。
【0057】又、ピ−クトルク値とそのバラツキが小さ
くなるから、二輪−四輪切り換え機構7の容量を必要最
小限に小さくすることが可能になり、例えば、マルチコ
−ン型からシングルコ−ン型のものにして、動力伝達系
を小型軽量にし、コストを低減することができる。
【0058】又、二輪−四輪切り換え機構7は、容量を
小さくすることによって引きずりトルクも小さくなるか
ら、低温時でもハブクラッチ17、19はその引きずり
トルクの影響から解放されて誤動作が防止され、更に、
カム角βの小さいカム面47を形成しても、誤動作する
ことはない。
【0059】これに加えて、ピ−クトルクを小さくする
目的で、カム面43、45のカム角αを小さくする必要
がないから、必要トルクtnを充分に大きく保つことが
できる。
【0060】このように、トルクtnが大きく保たれる
から、二輪駆動中に振動を受けてピークトルクが低下し
ても、四輪駆動状態になる誤動作が生じない。
【0061】又、低温域で二輪−四輪切り換え機構7や
ハブクラッチ17、19内部のオイル粘度が上昇し、引
きずりトルクが大きくなっても、大きく保たれたトルク
tnによって、ハブクラッチ17、19の誤動作が防止
される。
【0062】図1はアウタ−カム39にカム角βの小さ
いカム面47を形成し、カム37のピ−クトルクを小さ
くした例であるが、第2実施形態のように、カム角βの
小さいカム面はインナ−カム41側に形成してもよい。
【0063】次に、図2と図4とによって第2実施形態
の説明をする。この実施形態は請求項1、2の特徴を備
えている。
【0064】なお、図2による第2実施形態の説明の中
で、図1と同機能部材には同一の符号を与えて引用す
る。
【0065】図2のように、カム63はカム角αのカム
面43、45とそれより傾斜の緩やかなカム角βのカム
面65とで構成されている。このカム面65は、アウタ
−カム39の凸部67の角部69と最初に接触するイン
ナ−カム41側の凹部71の曲率を大きくすることによ
って形成されている。なお、破線はカム面65を形成し
ない従来のインナ−カムを示している。
【0066】ハブクラッチ17、19を四輪駆動に切り
換えるとき、駆動軸のトルクを受けてインナ−カム41
が矢印55の方向に回転し、カム63において、先ず角
部69がカム面65と接触し、次にカム面43、45が
接触する。
【0067】図4のグラフ57において、矢印Eは、ア
ウタ−カム39の角部69がインナ−カム41のカム面
65と接触したときの静摩擦によるトルクを示してお
り、カム面65のカム角βは、このトルクがカム63を
カムアウト動作させるための必要トルクtnになるよう
に調整されている。
【0068】又、矢印Fの部分は、角部69がカム面6
5上を移動しているときのトルクを示し、矢印Gは、ア
ウタ−カム39とインナ−カム41の摺動がカム面4
3、45に移行したときに現れる動摩擦によるピ−クト
ルクを示す。又、矢印Iは、インナ−カム41の頂面5
9がアウタ−カム39の頂面61に乗り上げたとき(カ
ムアウト状態)のトルクを示している。
【0069】このように、カム63においてアウタ−カ
ム39の角部69が最初に接触するインナ−カム41側
にカム角βの小さいカム面65を形成したことにより、
カム63のピ−クトルクは、傾斜の緩やかなカム角βの
カム面65での摺動が終了し、カム角αのカム面43、
45の摺動に移行したときに現れるが、このときの摩擦
は、従来例と異なって動摩擦であるから、矢印Gが示す
ピ−クトルクは従来例と較べて大幅に小さくなる。
【0070】又、カム63の摺動は、矢印Eが示すよう
に、カム角βのカム面65で開始され、このときの摩擦
は静摩擦であるが、カム角βが小さいから矢印Eのトル
クはピ−クトルクにはならない。
【0071】こうして、第2実施形態のハブクラッチ1
7、19が構成されている。
【0072】第2実施形態のハブクラッチ17、19
は、上記のように、ピ−クトルク値とそのバラツキを小
さくしたから、第1実施形態と同様に、出荷管理時と車
両に組付けたときとでピ−クトルクの変化が小さくな
り、管理が容易になる。
【0073】又、二輪−四輪切り換え機構7の容量を必
要最小限に小さくすることが可能になり、動力伝達系を
小型軽量にし、コストを低減することができる。
【0074】又、二輪−四輪切り換え機構7は、容量を
小さくすることによって引きずりトルクも小さくなるか
ら、低温時でもハブクラッチ17、19はその引きずり
トルクの影響から解放されて誤動作が防止され、更に、
カム角βの小さいカム面65を形成しても、誤動作する
ことはない。
【0075】これに加えて、ピ−クトルクを小さくする
目的で、カム面43、45のカム角αを小さくする必要
がないから、必要トルクtnを充分に大きく保つことが
できる。
【0076】このように、トルクtnが大きく保たれる
から、二輪駆動中に振動を受けてピークトルクが低下し
ても、四輪駆動状態になる誤動作が生じない。
【0077】又、低温域で二輪−四輪切り換え機構7や
ハブクラッチ17、19内部のオイル粘度が上昇し、引
きずりトルクが大きくなっても、大きく保たれたトルク
tnによって、ハブクラッチ17、19の誤動作が防止
される。
【0078】なお、本発明では、例えば、各実施形態に
おいてアウタ−カム39とインナ−カム41の両方に、
カム角βの小さいカム面を設けてもよい。
【0079】又、本発明では、各実施形態と異なって、
カムアウト状態で二輪駆動になるように構成してもよ
い。
【0080】又、本発明のハブクラッチは、二輪駆動と
四輪駆動の切り換えを手動操作で行うように構成しても
よい。
【0081】
【発明の効果】請求項1記載のハブクラッチは、二輪駆
動と四輪駆動の切り換えを行うカムにおいて、最初に接
触する箇所にカム角βの小さいカム面を形成したことに
より、ピ−クトルクを動摩擦時に現れるようにして、ピ
−クトルク値とそのバラツキを小さくしている。
【0082】従って、出荷管理時と車両に組付けたとき
のピ−クトルクの変化が小さくなり、管理が容易にな
る。
【0083】又、ハブクラッチ側車輪の駆動力を遮断す
る同期式断続機構の容量を必要最小限に小さくすること
が可能になり、動力伝達系を軽量にし、コストを低減す
ることができる。
【0084】又、同期式断続機構の引きずりトルクも小
さくなり、低温時でも、ハブクラッチは引きずりトルク
の影響から解放されて誤動作が防止される。更に、カム
にカム角βの小さいカム面を形成しても誤動作すること
はない。
【0085】又、ピ−クトルクを小さくする目的で、カ
ム面のカム角αを小さくする必要がないから、必要トル
クtnを充分に大きく保つことができ、二輪駆動中に振
動を受けてピークトルクが低下しても、四輪駆動状態に
なる誤動作が防止され、更に、低温域で同期式断続機構
やハブクラッチ内部のオイル粘度が上昇し、引きずりト
ルクが大きくなっても、大きく保たれたトルクtnによ
って、ハブクラッチの誤動作が防止される。
【0086】請求項2記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に用いられたカムを示す
図である。
【図2】本発明の第2実施形態に用いられたカムを示す
図である。
【図3】各実施形態のハブクラッチを用いた四輪駆動車
の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図4】各実施形態及び従来例において、それぞれのカ
ムによる駆動軸の回転角に対する軸トルクの変化を示す
グラフである。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】図5の要部を示す図である。
【図7】従来例に用いられたカムを示す図である。
【図8】図7のカムのカム面が接触を開始した状態を示
す図である。
【図9】図7のカムの一側部材の角部が他側部材のカム
面と接触した状態を示す図である。
【図10】図7のカムの一側部材の頂面が他側部材の頂
面に乗り上げた状態を示す図である。
【符号の説明】
17、19 ハブクラッチ 37、63 カム 39 アウタ−カム 41 インナ−カム 43、45 カム角αのカム面 47、65 傾斜の緩やかなカム角βを有するカム面 49 インナ−カム41の凸部 51 インナ−カム41の角部 53 アウタ−カム39の凹部 59 インナ−カム41の頂面 61 アウタ−カム39の頂面 67 アウタ−カム39の凸部 69 アウタ−カム39の角部 71 インナ−カム41の凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪側に連結され内周に噛み合い部を有
    するハウジングと、このハウジングを挿通し外周側に噛
    み合い部を有する駆動軸と、ハウジング及び駆動軸側の
    各噛み合い部と噛み合ってこれらを連結する連結位置と
    この噛み合いが解除される連結解除位置とに移動可能な
    クラッチ部材と、互いに係合する凸部と凹部との間でカ
    ム角αのカム面を有し、操作トルクを受けてクラッチ部
    材を移動操作するカムとを備え、このカムにおいて凸部
    の角部と最初に接触する凹部側のカム面にカム角αより
    傾斜の緩やかなカム角βを有するカム面を形成したこと
    を特徴とするハブクラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、カムの操
    作トルクが、駆動軸、あるいは、車輪の回転トルクであ
    ることを特徴とするハブクラッチ。
JP21345597A 1997-08-07 1997-08-07 ハブクラッチ Pending JPH1148818A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1168138A (ja) * 1997-08-22 1999-03-09 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 集光式太陽電池装置
JP2014167351A (ja) * 2014-05-30 2014-09-11 Nsk Ltd カム装置
JP2016094950A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 日本精工株式会社 カム装置及びステアリングホイールの位置調節装置

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