JPH1145468A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH1145468A
JPH1145468A JP20501597A JP20501597A JPH1145468A JP H1145468 A JPH1145468 A JP H1145468A JP 20501597 A JP20501597 A JP 20501597A JP 20501597 A JP20501597 A JP 20501597A JP H1145468 A JPH1145468 A JP H1145468A
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layer
recording layer
magnetization
coercive force
recording
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JP20501597A
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Makoto Sugawara
信 菅原
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】W層の漏洩磁界を大きくし、BER、C/N
比、バイアス磁界依存性等を改善する。 【解決手段】M層3の保磁力HcmがHcm>σw /(2M
sw×tw )(σw :界面磁壁エネルギー,Msw:W層4
の磁化,tw :W層4の膜厚)の関係を満たし、W層4
がREの含有量が22at%以下であり、かつ保磁力が
10kOe以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により再生を行う光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光変調ダイレクトオーバーライト
(以下、オーバーライトという)が可能な光磁気記録媒
体(以下、媒体と略す)M1 の磁性層構成を図2に示
す。同図は、媒体M1 の部分断面図であり、上向き磁化
か下向き磁化とすることにより2値情報(0,1)を記
録する記録層(Memory layerで、以下、M層と略す)1
2と、M層12よりも高いキュリー温度と室温超の所定
温度以上でM層12よりも大きな保磁力を有し、外部の
バイアス磁界(記録磁界)により昇温時に磁化方向が反
転可能な記録補助層(Writing layer で、以下、W層と
略す)13と、キュリー温度が最も低く高温で磁化が消
失してW層13と初期化層15間の交換結合力を遮断す
る制御層(Switching layer で、以下、S層と略す)1
4と、これらの磁性層の中で最もキュリー温度が高く降
温時にS層14を通じてW層13の磁化方向を初期化す
る初期化層(Initializing layerで、以下、I層と略
す)15とを、基板11上に順次積層して、オーバーラ
イト可能としたものが提案されている。
【0003】このような、M層12,W層13,S層1
4,I層15を有するタイプの光強度変調方式によるオ
ーバーライトの基本的なメカニズムを図6により説明す
ると、各磁性層の正味の磁化方向は遷移金属元素(Tran
sition Metal elementで、以下、TMという)副格子磁
化と希土類元素(Rare Earth elementで、以下、REと
いう)副格子磁化の合成ベクトルで表され、カー効果に
よる情報の読出(再生)にはTM副格子磁化が関与する
(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参
照)。磁気的組成は、M層12がTMリッチ(TM副格
子磁化が磁気的に優勢)、W層13がREリッチ(RE
副格子磁化が磁気的に優勢)、S層14がTMリッチ、
I層15がREリッチで、W層13とI層15が室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0004】M層12のキュリー温度をTc1、W層13
のキュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層1
4のキュリー温度をTc3、I層15のキュリー温度をT
c4及び補償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<T
comp2 <Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低
温プロセスによるローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)時の最高温度をTL 、高温プロセスによるハイパワ
ー記録(以下、ハイ記録という)時の最高温度をTH と
すると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録
及びハイ記録は、高低の2値にパルス変調されたレーザ
ビーム等を媒体に照射することにより行われ、低レベル
のレーザビームの照射部(ピット)でロー記録、高レベ
ルのレーザビームの照射部(ピット)でハイ記録とな
る。また、Troomは約20℃〜約30℃の室温である。
【0005】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層12の保磁力が最も大きく、次いでW層13,I
層15,S層14の順である。S層14は最も保磁力及
びキュリー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が
消失する。W層13とI層15は補償温度付近で保磁力
が発散する。また、M層12とW層13を比較すると、
M層12は相対的に低いキュリー温度Tc1と高い保磁力
を有し、W層13はM層12に比べて相対的に高いキュ
リー温度Tc2と低い保磁力を有する。
【0006】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層12のTM副格子磁化が
下向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報
の”1”とする)か、若しくはM層12のTM副格子磁
化が上向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情
報の”0”とする)の2状態のいずれかである。低温プ
ロセスでは、高低の2レベルにパルス変調されたレーザ
ビームの低レベルビームが照射されることにより、前記
2状態のいずれかから出発して昇温され、室温Troomに
戻ったときには”1”状態に統一される。このとき、”
0”状態から出発した場合は、W層13がTcomp2 の前
後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、Tcomp2 よりも高温で正味の磁化方向が下向きに変
化するため、その交換結合力によりM層12の磁化方向
を反転させ、”1”状態に変化する。
【0007】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層12とS層14の磁化が消失しW層
13の磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右
から1又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、
バイアス磁界によりW層13の正味の磁化方向が反転
し、Tc1付近で交換結合力によりM層12の磁化方向を
揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W層13
はTcomp2 付近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、室温TroomでS層14を通してI層1
5の交換結合力により初期化される。そして、高温プロ
セス後の”0”状態では、M層12とW層13の各々の
TM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるため、
その界面に界面磁壁が生じる。
【0008】このようなオーバーライト動作が可能な媒
体において、一般的にはW層13は室温でREリッチで
ある。また、垂直磁気異方性を有し室温以下に補償温度
を有するメモリ層(M層)と、垂直磁気異方性を有し室
温以下に補償温度を有し、TMリッチのバイアス層(W
層)と、垂直磁気異方性を有しバイアス層を初期化する
初期化層(I層)とからなり、レーザ光によって加熱さ
れたバイアス層の部分に作用する浮遊磁場の方向が、メ
モリ層の磁化方向と逆向きになるようにし、冷却過程で
前記浮遊磁場の方向にメモリ層の磁化方向を揃えさせ
て、結果的にレーザ光によって加熱された部分のメモリ
層の磁化方向を反転若しくは非反転させる光磁気記録媒
体であって、完全無磁場オーバーライトが可能なものが
提案されている(特開平6−267125号公報参
照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、バイアス層を1500Åと厚くする必要があ
り、そのためバイアス層の交換結合力が小さくなり、ま
たレーザ光の加熱に対する感度も低下するため、オーバ
ーライト動作が不安定になり、ビットエラーレート(Bi
t Error Rateで、以下、BERとする)等が劣化すると
いう問題があった。
【0010】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、W層の漏洩磁界を大きく
し、その結果BER、C/N比、バイアス磁界依存性等
を改善することにある。
【0011】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に、記録層、記録補助層、制御層及び初期化
層の少なくとも4つの磁性層が順次積層され、これらの
磁性層は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元
素の非晶質合金から成り、前記記録補助層、制御層及び
初期化層は室温で互いに交換結合している光磁気記録媒
体であって、前記記録層の保磁力HcmがHcm>σw /
(2Msw×tw )(σw :界面磁壁エネルギー,Msw:
記録補助層の磁化,tw :記録補助層の膜厚)の関係を
満たし、前記記録補助層は希土類元素の含有量が22原
子%以下であり、かつ保磁力が10kOe以上であるこ
とを特徴とし、上記構成により記録補助層の漏洩磁界を
大きくし、その結果、記録補助層の記録磁界(バイアス
磁界)依存性(追従性)が良好になり、小さな記録磁界
でも記録補助層の磁化方向の制御が可能となり、また記
録層への磁化方向の転写もスムーズにでき、BER、C
/N比等を大幅に改善できる。
【0012】また、好ましくは、前記記録補助層は希土
類元素の含有量が補償組成の組成比〜22原子%(at
%)であり、前記補償組成の組成比としては15at%
程度である。このような組成比は、記録補助層が単層状
態ではREリッチ又は補償組成であるのに対し、積層状
態ではTMリッチになるような組成比である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の媒体Mの基本的な磁性層
構成の部分断面図を図1に示す。同図において、1はポ
リカーボネート等のプラスチック,ガラス等の透明材料
から成り、プリグルーブが形成されたディスク状の基
板、2はサイアロン(Si,Al,O,Nの非晶質
膜),イットリウムサイアロン(Y,Si,Al,O,
Nの非晶質膜),Si3 4 ,SiO2 等から成る保護
層である。
【0014】また、3は垂直磁化が上向きか下向きかに
より2値情報(0,1)を記録再生するためのM層、4
は高温でバイアス磁界によって磁化方向が反転可能とさ
れたW層、5は低キュリー温度であり、高温でその上下
の磁性層の交換結合を遮断するS層、6はこれらの磁性
層の中で最もキュリー温度が高く、S層5とW層4の磁
化方向を降温時に初期化するI層である。
【0015】そして、7はサイアロン,イットリウムサ
イアロン,Si3 4 ,AlTi,SiO2 等から成る
保護層である。前記保護層2,7は磁性層の損傷、酸化
を防止するために設けられる。そして、上記各磁性層は
全動作温度範囲(室温〜約300℃)内で垂直磁気異方
性を示す。
【0016】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTMと、Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。例えば、
各磁性層はTbFe,TbFeCo,GdFeCo,G
dTbFeCo等から成る。
【0017】本発明のW層4は、REの含有量が22a
t%以下であり、22at%を超えると積層後にREリ
ッチになり、昇温時に実質的に外部に磁化が現れない補
償組成に変化するため、漏洩磁界が小さくなる。また、
W層4の保磁力は10kOe以上であるが、10kOe
未満では積層後にREリッチになり、漏洩磁界が小さく
なる。
【0018】上記のような特性のW層4とするには、G
dTbFeCo,GdDyFeCo,TbFeCo,D
yFeCo,TbDyFeCo等の組成の磁性層が良
く、その組成比は0at%≦Gd≦22at%,0at
%≦Tb≦22at%,0at%≦Dy≦22at%,
65at%≦Fe≦72at%,6at%≦Co≦20
at%の範囲内とするのがよい。
【0019】また、W層4の厚みは100〜800Åが
良く、100Å未満では漏洩磁界が小さすぎ、800Å
超ではレーザ光の加熱に対する感度が低下しオーバーラ
イト動作が不安定になる。
【0020】一方、M層3については、TMリッチ、キ
ュリー温度約170℃〜約200℃、保磁力約7kOe
〜約9kOeのものが良く、この条件からはずれるとC
/N比が低下したり、再生時の信号のジッターが劣化し
易い。
【0021】また、M層3の組成はTbFeCo,Tb
DyFeCo等がよく、その厚みは100〜400Åが
良い。100Å未満ではC/N比が低下し、400Å超
では保磁力が強くなりW層4からの磁化方向が転写され
難くなる。
【0022】本発明のM層3の一つの特徴は、M層3が
降温時の初期化過程でI層6によって初期化されないこ
とである。それは、全動作温度範囲でM層3の保磁力H
cmがW層4の交換結合力よりも大きいためであり、Hcm
>σw /(2Msw×tw )(σw :界面磁壁エネルギ
ー,Msw:W層4の磁化,tw :W層4の膜厚)という
関係が成り立つ。この関係は、例えばtw をある程度厚
くする、例えば約200Å以上にすることによって実現
できる。
【0023】S層5については、TMリッチ、キュリー
温度約100℃〜約130℃、保磁力約7kOe〜約9
kOeのものが良く、この条件からはずれるとオーバー
ライト動作が不安定になる。
【0024】上記の特性を得る上で、S層5の組成はT
bFe等が良く、その組成比は15at%≦Tb≦25
at%,75at%≦Fe≦85at%がよい。また、
S層5の厚みは約50Å〜約200Åが良く、50Å未
満では昇温時にW層4とI層6間の交換結合力を遮断で
きず、200Å超ではW層4とI層6間の交換結合力が
小さすぎてW層4の初期化が困難となる。
【0025】I層6については、REリッチ、キュリー
温度約330℃〜約360℃、保磁力約1kOe〜約3
kOeのものが良く、この条件からはずれるとオーバー
ライト動作が不安定になる。
【0026】上記の特性を得る上で、I層6の組成はT
bFeCo,TbCo等が良く、その組成比は15at
%≦Tb≦25at%,0at%≦Fe≦40at%,
45at%≦Co≦85at%がよい。また、I層6の
厚みは約100Å〜約800Åが良く、100Å未満で
はW層4の初期化が困難となり、800Å超ではレーザ
光の加熱に対する感度が低下する。
【0027】本発明では、基本的にM層3,W層4,S
層5,I層6の少なくとも4層を有しており、M層3と
W層4との間に交換結合力調整層(Interface wall ene
rgycontrolling layer で、以下、int層という)を
設けてもよく、その場合、M層3とW層4間に働く交換
結合力を少なくとも室温で遮断することにより、W層4
の初期化及び昇温時におけるW層4からM層3への磁化
方向の転写をスムーズにできる。また、M層3と保護層
2との間に、C/N比を向上させるための再生層(Reco
rding layer で、以下、R層という)を設けても良い。
【0028】ここで、本発明によるオーバーライトの基
本的なメカニズムを図5により説明する。各磁性層の磁
気的組成は、M層3がTMリッチ、W層4がTMリッ
チ、S層5がTMリッチ、I層6がREリッチで室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0029】M層3のキュリー温度をTc1、W層4のキ
ュリー温度をTc2、S層5のキュリー温度をTc3、I層
6のキュリー温度をTc4及び補償温度をTcomp4 とする
と、Troom<Tc3<Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4であ
る。また、ロー記録時の最高温度をTL 、ハイ記録時の
最高温度をTH とすると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2であ
る。尚、ロー記録及びハイ記録は、高低の2値にパルス
変調されたレーザビーム等を媒体に照射することにより
行われ、低レベルのレーザビームの照射部(ピット)で
ロー記録、高レベルのレーザビームの照射部(ピット)
でハイ記録となる。また、Troomは約20℃〜約30℃
の室温である。
【0030】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はW層4の保磁力が最も大きく、次いでM層3,I層
6,S層5の順である。S層5は最も保磁力及びキュリ
ー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が消失す
る。I層6は補償温度付近で保磁力が発散する。
【0031】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層3のTM副格子磁化が下
向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
1”とする)か、若しくはM層3のTM副格子磁化が上
向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
0”とする)の2状態のいずれかである。低温プロセス
では、レーザビームの低レベルビームが照射されること
により、前記2状態のいずれかから出発して昇温され、
室温Troomに戻ったときには”1”状態に統一される。
このとき、”0”状態から出発した場合は、Tc1付近で
M層3の磁化が極めて小さくなるか消失するため、W層
4の交換結合力によりM層3の磁化方向が反転し、”
1”状態に変化する。
【0032】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層3とS層5の磁化が消失しW層4の
磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右から1
又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、バイア
ス磁界によりW層4の正味の磁化方向が反転し、Tc1付
近で交換結合力によりM層3の磁化方向を揃わせ、”
0”状態とする。W層4は室温Troom付近でS層5を通
してI層6の交換結合力により初期化される。そして、
高温プロセス後の”0”状態では、M層3とW層4の各
々のTM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるた
め、その界面に界面磁壁が生じる。
【0033】また、W層4の漏洩磁界が大きくなると、
図3に示すように、室温ではW層4の磁化は一方向(同
図では上方向)に初期化されているが、ハイ記録時に磁
化方向を反転させようとする磁界がバイアス磁界以外に
も存在することになり、オーバーライト時のW層4の磁
化方向の反転がスムーズに行われることになる。尚、同
図はW層4以外の磁性層は省略してある。
【0034】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、W
層4,S層5及びI層6の漏洩磁界、特にW層4の漏洩
磁界を大きくし、その結果BER、C/N比、バイアス
磁界依存性等を改善できるという作用効果を有する。
【0035】本発明において、各磁性層を基板の両面に
積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板を貼
り付けることにより、2倍の記録密度としてもよい。ま
た、レーザビームをパルス変調する光強度変調方式によ
るオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるものであ
れば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0036】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0037】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0038】(実施例1)まず、図1に示すように、ポ
リカーボネートから成るディスク状の基板1上に、アモ
ルファスSiN(800Å)から成る保護層2を成膜し
た。
【0039】次いで、TMリッチ,膜厚約200Å,保
磁力約8kOe,キュリー温度約180℃のTb22Fe
73Co5 からなるM層3、TMリッチ,膜厚約200
Å,キュリー温度約240℃のGdTbFeCoからな
るW層4、TMリッチ,膜厚約100Å,保磁力8kO
e,キュリー温度約130℃のTb22Fe78からなるS
層5、REリッチ,膜厚約200Å,キュリー温度約3
50℃,補償温度約220℃のTb22Fe10Co68から
なるI層6を積層した。
【0040】更に、アモルファスSiN(800Å)か
ら成る保護層7を順次スパッタリング法により成膜し、
保護層7の上に紫外線防止用の樹脂層をコートして光磁
気ディスクを作製した。
【0041】上記構成において、W層4の組成比を種々
の値に調整した場合の単層時の磁気的組成、積層時の磁
気的組成、保磁力、バイアス磁界−C/N比特性におけ
る立上り磁界及び飽和磁界、BERの平均値を表1に示
す。尚、表1において、単層は単層時の磁気的組成、積
層は積層時の磁気的組成を表す。
【0042】また、オーバーライトは以下のようにして
行った。最初に回転数3000rpm、初期化磁界5k
Oeで12mWのレーザビームを照射して初期化し、そ
の後、バイアス磁界300Oeの下で10mWと3mW
にパルス変調されたレーザビームを照射して、6.96
MHz,デューティー20%の信号を2回オーバーライ
トし、1.5mWの再生用レーザで再生した。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すように、実施例(NO.1〜
5)のものはいずれも積層時にはTMリッチ、保磁力1
0kOe以上であり、BERも良好な値を示した。これ
に対して、比較例(NO.6〜11)では積層時にRE
リッチ、保磁力10kOe未満であり、BERが劣化し
た。
【0045】また、立上り磁界及び飽和磁界の特性につ
いて、表1のNO.2(丸印のデータ)、表1のNO.
4(三角印のデータ)、表1のNO.9(四角印のデー
タ)を図4に示した。同図より明らかなように、本発明
品(表1のNO.2,NO.4)はバイアス磁界に対す
る依存性(追従性)がきわめて良好であった。
【0046】ここで、NO.1〜5のものは、M層3の
保磁力HcmがHcm>σw /(2Msw×tw )の関係を満
たしており、NO.6〜11のものはW層4の積層後の
磁気的組成がREであることから、保磁力が低下してお
り、その結果保磁力に反比例するMswが大きくなりHcm
≦σw /(2Msw×tw )であった。従って、NO.6
〜11のものはオーバーライトが不安定又は困難となっ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、W層がRE
の含有量が22at%以下であり、かつ保磁力が10k
Oe以上であることにより、W層の漏洩磁界を大きく
し、その結果BER、C/N比、バイアス磁界依存性等
を改善できるという優れた効果を有する。
【0048】また、本発明の光磁気記録媒体はオーバー
ライト可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁
気カード、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体Mの磁性層構成の部分
断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体M1の磁性層構成の部分
断面図である。
【図3】本発明のW層の漏洩磁界の働きを説明するもの
で、W層の磁化状態の部分断面図である。
【図4】本発明のW層のバイアス磁界依存性を示し、バ
イアス磁界−C/N比特性のグラフである。
【図5】本発明の光磁気記録媒体Mのオーバーライト動
作のメカニズムを説明する磁化の状態図である。
【図6】従来の光磁気記録媒体M1のオーバーライト動
作のメカニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:保護層 3:M層 4:W層 5:S層 6:I層 7:保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、記録層、記録補助層、制御層及
    び初期化層の少なくとも4つの磁性層が順次積層され、
    これらの磁性層は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷
    移金属元素の非晶質合金から成り、前記記録補助層、制
    御層及び初期化層は室温で互いに交換結合している光磁
    気記録媒体であって、前記記録層の保磁力HcmがHcm>
    σw /(2Msw×tw )(σw :界面磁壁エネルギー,
    Msw:記録補助層の磁化,tw :記録補助層の膜厚)の
    関係を満たし、前記記録補助層は希土類元素の含有量が
    22原子%以下であり、かつ保磁力が10kOe以上で
    あることを特徴とする光磁気記録媒体。
JP20501597A 1997-07-30 1997-07-30 光磁気記録媒体 Pending JPH1145468A (ja)

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