JPH1173696A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH1173696A
JPH1173696A JP23355397A JP23355397A JPH1173696A JP H1173696 A JPH1173696 A JP H1173696A JP 23355397 A JP23355397 A JP 23355397A JP 23355397 A JP23355397 A JP 23355397A JP H1173696 A JPH1173696 A JP H1173696A
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JP
Japan
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layer
recording
temperature
magnetization
ratio
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JP23355397A
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English (en)
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Yoshinobu Ishii
義伸 石井
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】R層とM層との間の交換結合力を制御すること
で記録時のR層からM層への影響を小さくし、その結果
記録ノイズが小さくなり、C/N比が改善される。 【解決手段】基板1上に、R層3、M層4、W層5、S
層6及びI層7の少なくとも5つの磁性層が順次積層さ
れ、これらの磁性層は垂直磁気異方性を有しREとTM
の非晶質合金から成り、R層3にPt,Au,Ru,R
h,Pd,Ag,Irの少なくとも1種を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により再生を行う光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光変調ダイレクトオーバーライト
(以下、オーバーライトという)が可能な光磁気記録媒
体(以下、媒体と略す)M1 の磁性層構成を図2に示
す。同図は、媒体M1 の部分断面図であり、上向き磁化
か下向き磁化とすることにより2値情報(0,1)を記
録する記録層(Memory layerで、以下、M層と略す)1
2と、M層12よりも高いキュリー温度と室温より高い
所定温度以上でM層12よりも大きな保磁力を有し、外
部のバイアス磁界(記録磁界)により昇温時に磁化方向
が反転可能な記録補助層(Writing layer で、以下、W
層と略す)13と、キュリー温度が最も低く高温で磁化
が消失してW層13と初期化層15間の交換結合力を遮
断する制御層(Switching layer で、以下、S層と略
す)14と、これらの磁性層の中で最もキュリー温度が
高く降温時にS層14を通じてW層13の磁化方向を初
期化する初期化層(Initializing layerで、以下、I層
と略す)15とを、基板11上に順次積層して、オーバ
ーライト可能としたものが提案されている。
【0003】このような、M層12,W層13,S層1
4,I層15を有するタイプの光強度変調方式によるオ
ーバーライトの基本的なメカニズムを図3により説明す
ると、各磁性層の正味の磁化方向は遷移金属元素(Tran
sition Metal elementで、以下、TMという)副格子磁
化と希土類元素(Rare Earth elementで、以下、REと
いう)副格子磁化の合成ベクトルで表され、カー効果に
よる情報の読出(再生)にはTM副格子磁化が関与する
(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参
照)。磁気的組成は、M層12がTMリッチ(TM副格
子磁化が磁気的に優勢)、W層13がREリッチ(RE
副格子磁化が磁気的に優勢)、S層14がTMリッチ、
I層15がREリッチで、W層13とI層15が室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0004】M層12のキュリー温度をTc1、W層13
のキュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層1
4のキュリー温度をTc3、I層15のキュリー温度をT
c4及び補償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<T
comp2 <Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低
温プロセスによるローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)時の最高温度をTL 、高温プロセスによるハイパワ
ー記録(以下、ハイ記録という)時の最高温度をTH と
すると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録
及びハイ記録は、高低の2値にパルス変調されたレーザ
ビーム等を媒体に照射することにより行われ、低レベル
のレーザビームの照射部(ピット)でロー記録、高レベ
ルのレーザビームの照射部(ピット)でハイ記録とな
る。また、Troomは約20℃〜約30℃の室温である。
【0005】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層12の保磁力が最も大きく、次いでW層13,I
層15,S層14の順である。S層14は最も保磁力及
びキュリー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が
消失する。W層13とI層15は補償温度付近で保磁力
が発散し、非常に大きくなる。また、M層12とW層1
3を比較すると、M層12は相対的に低いキュリー温度
Tc1と室温で高い保磁力を有し、W層13はM層12に
比べて相対的に高いキュリー温度Tc2と室温で低い保磁
力を有する。
【0006】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層12のTM副格子磁化が
下向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報
の”1”とする)か、若しくはM層12のTM副格子磁
化が上向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情
報の”0”とする)の2状態のいずれかである。低温プ
ロセスでは、高低の2レベルにパルス変調されたレーザ
ビームの低レベルビームが照射されることにより、前記
2状態のいずれかから出発して昇温され、室温Troomに
戻ったときには”1”状態に統一される。このとき、”
0”状態から出発した場合は、W層13がTcomp2 の前
後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、Tcomp2 よりも高温で正味の磁化方向が下向きに変
化するため、その交換結合力によりM層12の磁化方向
を反転させ、”1”状態に変化する。
【0007】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層12とS層14の磁化が消失しW層
13の磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右
から1又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、
バイアス磁界によりW層13の正味の磁化方向が反転
し、Tc1付近で交換結合力によりM層12の磁化方向を
揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W層13
はTcomp2 付近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、室温TroomでS層14を通してI層1
5の交換結合力により初期化される。そして、高温プロ
セス後の”0”状態では、M層12とW層13の各々の
TM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるため、
その界面に界面磁壁が生じる。
【0008】このようなオーバーライト動作が可能な媒
体において、垂直磁気異方性を有する少なくとも2つの
磁性層(M層,W層)が積層されてなり、これらの磁性
層のいずれか一方又は両方に、Si,Ge,Ti,C
r,Cu又はInからなる非磁性元素を0.5atm%
以上添加することにより、両磁性層間に働く交換結合力
を制御することが提案されている(特開昭64−765
49号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、非磁性元素の含有量が多くなると、非磁性元
素の反射率が40〜50%と低いため反射光量が低下
し、かつM層のカー回転角が小さくなり、その結果、M
層のC/N比等の読出特性が劣化するという問題点があ
った。
【0010】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、読出層(Reading layer
で、以下、R層という)とM層との間の交換結合力を制
御することにより、C/N比、記録ノイズ等の読出特性
を向上させ、良好なオーバーライト特性を得ることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に、読出層、記録層、記録補助層、制御層及
び初期化層の少なくとも5つの磁性層が順次積層され、
これらの磁性層は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷
移金属元素の非晶質合金から成り、前記読出層にPt,
Au,Ru,Rh,Pd,Ag,Irの少なくとも1種
を含むことを特徴とし、上記構成によりR層とM層との
間の交換結合力を制御するとともに、C/N比、記録ノ
イズ等の読出特性の劣化を防止し、良好なオーバーライ
ト特性が得られる。また、R層の膜厚を厚くすることに
より、R層とM層との間の交換結合力を所望の程度に弱
めることでき、記録信号のキャリアレベルが増大し、C
/N比が改善される。
【0012】好ましくは、Pt,Au,Ru,Rh,P
d,Ag,Irの含有量は1〜10at%(原子%)で
あり、またR層の組成は(Gda Feb Coc 100-X
X(M=Pt,Au,Ru,Rh,Pd,Ag,Ir
で、20≦a≦40,20≦b≦60,20≦c≦4
5,X=1〜10)である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の媒体Mの基本的な磁性層
構成の部分断面図を図1に示す。同図において、1はポ
リカーボネート等のプラスチック,ガラス等の透明材料
から成り、プリグルーブが形成されたディスク状の基
板、2はサイアロン(Si,Al,O,Nの非晶質
膜),イットリウムサイアロン(Y,Si,Al,O,
Nの非晶質膜),Si3 4 ,SiO2 等から成る保護
層である。
【0014】また、3はM層4からの磁化を転写して読
取り専用とされたR層、4は垂直磁化が上向きか下向き
かにより2値情報(0,1)を記録するためのM層、5
は高温でバイアス磁界によって磁化方向が反転可能とさ
れたW層、6は低キュリー温度であり、高温でその磁化
が消失して上下の磁性層の交換結合を遮断するS層、7
はS層6とW層5の磁化方向を降温時に初期化するI層
である。
【0015】そして、8はサイアロン,イットリウムサ
イアロン,Si3 4 ,AlTi,SiO2 等から成る
保護層である。前記保護層2,8は磁性層の損傷、酸化
を防止するために設けられる。そして、上記各磁性層は
全動作温度範囲(室温〜約300℃)内で垂直磁気異方
性を示す。
【0016】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTMと、Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。例えば、
各磁性層はTbFe,TbFeCo,GdFeCo,G
dTbFeCo等から成る。そして、これらの磁性層及
び上記保護層2,8はスパッタリング法等の薄膜形成法
により成膜される。
【0017】本発明のR層3に含まれるPt,Au,R
u,Rh,Pd,Ag,Irは、光の反射率が85〜9
5%と高く、そのため含有量が多くなっても読出特性が
ほとんど劣化しない。また、Pt等を含有させることに
より、R層3とM層4との間の交換結合力を弱くするこ
とができ、そのためW層5からM層4へ情報を記録する
際にR層3からの影響が小さくなり、記録ノイズが小さ
くなる。その結果C/N比が改善され読出特性が向上す
る。更に、前記交換結合力を弱めることでR層3の膜厚
を厚くすることができ、記録信号のキャリアレベルが増
大し、C/N比を更に改善できる。
【0018】また、上記Pt等は、R層をスパッタリン
グ法により成膜する際に、R層用のターゲットに予め合
金として含有させて一元スパッタ成膜を行う、又はR層
用のターゲットと別個のターゲットを併用して二元スパ
ッタ成膜を行うことにより、R層中に非晶質(アモルフ
ァス)状態で含まれることになる。
【0019】そして、R層3はPt等の少なくとも1種
を1〜10at%(原子%)含有するのがよく、1at
%未満ではR層3とM層4との間の交換結合力を制御す
ることができず、10at%を超えるとR層3のキャリ
アレベルが低下してC/N比が劣化する。勿論、Pt,
Au,Ru,Rh,Pd,Ag,Irの2種以上を混合
してR層3に含ませてもよい。
【0020】ここで、R層に含まれるPt等の検出分析
方法としては、オージェ電子分光分析(Auger Electron
Spectroscopy :AES)法、X線光電子分光分析(X-
RayPhotoelectron Spectroscopy:XPS)法がある。
AES法では、薄膜の深さ方向の元素の分布状態が測定
でき、また試料表面上で照射電子線を走査することによ
り元素の分布状態が判る。XPS法では元素の化学結合
状態も解析可能である。これらの分析方法により測定さ
れた各元素の分光スペクトルを解析すること、例えば各
スペクトルの全積分値に対する検出対象元素のスペクト
ルの積分値から、容易に検出対象元素の組成比を算出す
ることができる。
【0021】本発明のR層3は補償温度が約80℃〜約
120℃であるのが好ましく、この範囲からはずれると
再生時の垂直磁化が弱くなり、C/N比等が劣化する。
R層3のキュリー温度は約300℃〜約400℃が好適
であり、300℃未満ではカー回転角不足でC/N比が
低下し、400℃超では垂直磁化が困難になる。
【0022】上記のようなR層3の組成としては、(G
a Feb Coc 100-X X (M=Pt,Au,R
u,Rh,Pd,Ag,Irで、20≦a≦40,20
≦b≦60,20≦c≦45,X=1〜10)が好まし
く、この場合上記のような本発明の効果を有し、かつ約
80℃〜約120℃の補償温度と約300℃〜約400
℃のキュリー温度を実現できる。
【0023】また、R層3の厚みは約100Å〜約40
0Åが良く、100Å未満ではC/N比が低下し、40
0Å超ではオーバーライトが困難になる。より好ましく
は、約100Å〜約300Åであり、300Å以下では
記録ノイズの増加なしでC/N比を改善できる。
【0024】上記のようにR層3の厚さを比較的厚くで
きるのは、厚くするとR層3とM層4間の交換結合力が
低下し、M層4への影響を小さくできることによる。即
ち、R層3はキュリー温度がかなり高いので記録時に磁
気モーメントが十分に存在しており、またR層3は保磁
力が非常に小さいため、磁区の形成範囲が広く、これが
W層5からM層4へ磁化を転写する際に影響を与え、磁
化の転写が忠実に行われ難くくなる。つまり、記録ノイ
ズの増加及びC/N比の劣化に繋がり、これを改善させ
る上でR層3を厚くすることは好適である。
【0025】一方、M層4については、室温でR層3よ
りも高い保磁力及びR層3の補償温度でR層3よりも低
い保磁力を有するものであり、そのキュリー温度は約1
80℃〜約240℃が好適であり、180℃未満ではC
/N比が低下し、240℃超ではW層5のキュリー温度
と同等以上となるため、W層5からM層4へ磁化を転写
する際の転写可能な温度幅が狭くなり、記録パワーの設
定が困難になる。
【0026】また、M層4の組成はTbFeCo,Tb
DyFeCo等が良く、その組成比は20at%≦Tb
≦30at%,0at%≦Dy≦10at%,50at
%≦Fe≦75at%,0at%<Co≦15at%
が、キュリー温度が約180℃〜約240℃となる。
【0027】M層4の厚みは約100Å〜約300Åが
よく、100Å未満ではM層4の交換結合力が強すぎR
層3を厚くすることが困難になり、300Å超ではW層
5からM層4への交換結合力による磁化の転写が困難に
なる。
【0028】そして、W層5,S層6,I層7について
は基本的に従来のものと同様であるが、W層5をTMリ
ッチとして補償温度のないものとし、かつ室温でW層5
の保磁力が最も大きく、次いでM層4,I層7,S層
6,R層3の順となるように構成することもできる。こ
の場合、バイアス磁界依存性が改善され、オーバーライ
トを確実に安定的に行うことができる。
【0029】本発明は、基本的にR層3,M層4,W層
5,S層6,I層7の少なくとも5層を有しており、M
層4とW層5との間に交換結合力調整層(Interface wa
ll energy controlling layer で、以下、int層とい
う)を設けてもよく、その場合、M層4とW層5間に働
く交換結合力を少なくとも室温で遮断することにより、
W層5の初期化及び昇温時におけるW層5からM層4へ
の磁化方向の転写をスムーズにできる。
【0030】本発明によるオーバーライトの基本的なメ
カニズムは図3と同様であり、本発明の場合同図ではM
層4上にR層3が存在し、降温時にM層4の磁化がR層
3に転写される点が異なる。
【0031】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、R
層3とM層4との間の交換結合力を弱くすることで、M
層4へW層5から情報を記録する際にR層3からの影響
が小さくなり、記録ビットの形状が良好になり記録ノイ
ズが小さくなる。その結果C/N比が改善され読出特性
が向上する。更に、R層3の膜厚を厚くすることで、前
記交換結合力を弱めることができ、記録信号のキャリア
レベルが増大し、C/N比を更に改善できるという作用
効果を有する。
【0032】本発明において、各磁性層を基板の両面に
積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板を貼
り付けることにより、2倍の記録密度としてもよい。ま
た、レーザビームをパルス変調する光強度変調方式によ
るオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるものであ
れば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0033】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0035】(実施例1)まず、図1に示すように、ポ
リカーボネートから成るディスク状の基板1上に、アモ
ルファスSiN(800Å)から成る保護層2を成膜し
た。
【0036】次いで、REリッチ,膜厚約200Å,保
磁力1kOe,キュリー温度約350℃,補償温度約1
00℃の(Gd33Fe22Co45100-XaPtXa又は(G
33Fe22Co45100-XbAuXbからなるR層3、TM
リッチ,膜厚約200Å,保磁力約8kOe,キュリー
温度約180℃のTb22Fe73Co5 からなるM層4、
REリッチ,膜厚約200Å,保磁力約7kOe,キュ
リー温度約240℃,補償温度約150℃のDy27Fe
40Co33からなるW層5、TMリッチ,膜厚約100
Å,保磁力約4kOe,キュリー温度約130℃のTb
22Fe78からなるS層6、REリッチ,膜厚約200
Å,キュリー温度約310℃,補償温度約220℃のT
22Fe10Co68からなるI層7を積層した。
【0037】更に、アモルファスSiN(800Å)か
ら成る保護層8を順次スパッタリング法により成膜し、
保護層8の上に紫外線防止用の樹脂層をコートして光磁
気ディスクを作製した。
【0038】上記構成において、R層3のPtの含有量
X=Xa(at%)とAuの含有量X=Xb(at%)
を種々の値としたときの記録ノイズ(dB)、C/N比
(dB)を表1と表2に示す。尚、記録ノイズとは、記
録情報の消去時(イレース時)と単一周波数で情報を記
録したときのR層3のノイズレベルの差であり、一般的
に情報を記録したときのノイズレベルが大きくなる。
【0039】また、オーバーライトは以下のようにして
行った。最初に回転数3000rpm、初期化磁界5k
Oeで12mWのレーザビームを基板1側から照射して
初期化し、その後、バイアス磁界300Oeの下で10
mWと3mWにパルス変調されたレーザビームを基板1
側から照射して、6.96MHz,デューティー20%
の信号を2回オーバーライトし、1.5mWの再生用レ
ーザで再生した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1に示すように、実施例(NO.1〜
5)のものはいずれもC/N比が実用的に十分な48.
5dBを超えており、記録ノイズも小さい。これに対し
て、比較例(NO.6)ではPtが含まれていないため
記録ノイズが大きく、C/N比が劣化した。また、他の
比較例(NO.7)では記録ノイズは小さいが、キャリ
アレベルが低下しているためC/N比が劣化した。表2
においても、同様の結果が得られた。
【0043】また、PT,Auの代わりにRu,Rh,
Pd,Ag,Irを使用した場合も同様の結果が得られ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、R層にP
t,Au,Ru,Rh,Pd,Ag,Irの少なくとも
1種を含有させることにより、光の反射率が85〜95
%と高いPt等は含有量が多くなっても読出特性がほと
んど劣化せず、また、Pt等を含有させることにより、
R層とM層との間の交換結合力を弱くすることができ、
そのため記録時のR層からM層への影響が小さくなり、
記録ノイズが小さくなり、その結果C/N比が改善され
読出特性が向上する。
【0045】更に、前記交換結合力を弱めることでR層
からM層への影響が小さくなり、またR層の膜厚を厚く
することで交換結合力を弱めることができる。そもそも
R層はM層よりもキュリー温度が高くθk (カー回転
角)も大きいので、厚くすることにより記録信号のキャ
リアレベルが増大しC/N比が向上する。従来、R層の
厚みが100Å程度以下だったのが、本発明により記録
ノイズを増加させずに300Å程度まで厚くすることが
できた。
【0046】また、本発明の光磁気記録媒体はオーバー
ライト可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁
気カード、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体Mの磁性層構成の部分
断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体M1の磁性層構成の部分
断面図である。
【図3】従来の光磁気記録媒体M1のオーバーライト動
作のメカニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:保護層 3:R層 4:M層 5:W層 6:S層 7:I層 8:保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、読出層、記録層、記録補助層、
    制御層及び初期化層の少なくとも5つの磁性層が順次積
    層され、これらの磁性層は垂直磁気異方性を有し希土類
    元素と遷移金属元素の非晶質合金から成り、前記読出層
    にPt,Au,Ru,Rh,Pd,Ag,Irの少なく
    とも1種を含むことを特徴とする光磁気記録媒体。
JP23355397A 1997-08-29 1997-08-29 光磁気記録媒体 Pending JPH1173696A (ja)

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