JP2000260074A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2000260074A
JP2000260074A JP11057608A JP5760899A JP2000260074A JP 2000260074 A JP2000260074 A JP 2000260074A JP 11057608 A JP11057608 A JP 11057608A JP 5760899 A JP5760899 A JP 5760899A JP 2000260074 A JP2000260074 A JP 2000260074A
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JP
Japan
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layer
peripheral side
recording
outer peripheral
temperature
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JP11057608A
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English (en)
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Hirofumi Senda
浩文 千田
Yoshinobu Ishii
義伸 石井
Hirotaka Tanaka
浩貴 田中
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】角速度一定で駆動した場合に外周側でのロー記
録感度の劣化を防止する。 【解決手段】int層3に含まれる少なくとも一種の希
土類元素の組成比を、ディスク状の基板1の外周側に比
べて内周側で増大させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により再生を行う光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光変調ダイレクトオーバーライト
(以下、オーバーライトという)が可能な光磁気記録媒
体(以下、媒体と略す)M1の磁性層構成を図2に示
す。
【0003】同図は、媒体M1の部分断面図であり、上
向き磁化か下向き磁化とすることにより2値情報(0,
1)を記録する記録層(Memory layerで、以下、M層と
略す)12と、M層12よりも高いキュリー温度と室温
超の所定温度以上でM層12よりも大きな保磁力を有
し、外部のバイアス磁界(記録磁界)により昇温時に磁
化方向が反転可能な記録補助層(Writing layer で、以
下、W層と略す)13と、キュリー温度が最も低く高温
で磁化が消失してW層13と初期化層15間の交換結合
力を遮断する制御層(Switching layer で、以下、S層
と略す)14と、これらの磁性層の中で最もキュリー温
度が高く降温時にS層14を通じてW層13の磁化方向
を初期化する初期化層(Initializing layerで、以下、
I層と略す)15とを、基板11上に順次積層して、オ
ーバーライト可能としたものが提案されている。
【0004】このような、M層12,W層13,S層1
4,I層15を有するタイプの光強度変調方式によるオ
ーバーライトの基本的なメカニズムを図3により説明す
ると、各磁性層の正味の磁化方向は遷移金属元素(Tran
sition Metal elementで、以下、TMという)副格子磁
化と希土類元素(Rare Earth elementで、以下、REと
いう)副格子磁化の合成ベクトルで表され、カー効果に
よる情報の読出(再生)にはTM副格子磁化が関与する
(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参
照)。磁気的組成は、M層12がTMリッチ(TM副格
子磁化が磁気的に優勢)、W層13がREリッチ(RE
副格子磁化が磁気的に優勢)、S層14がTMリッチ、
I層15がREリッチで、W層13とI層15が室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0005】M層12のキュリー温度をTc1、W層13
のキュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層1
4のキュリー温度をTc3、I層15のキュリー温度をT
c4及び補償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<T
comp2 <Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低
温プロセスによるローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)時の最高温度をTL 、高温プロセスによるハイパワ
ー記録(以下、ハイ記録という)時の最高温度をTH と
すると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録
及びハイ記録は、高低の2値にパルス変調されたレーザ
ビーム等を媒体に照射することにより行われ、低レベル
のレーザビームの照射部(ピット)でロー記録、高レベ
ルのレーザビームの照射部(ピット)でハイ記録とな
る。また、Troomは約20℃〜約30℃の室温である。
【0006】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層12の保磁力が最も大きく、次いでW層13,I
層15,S層14の順である。S層14は最も保磁力及
びキュリー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が
消失する。W層13とI層15は補償温度付近で保磁力
が発散し、非常に大きくなる。また、M層12とW層1
3を比較すると、M層12は相対的に低いキュリー温度
Tc1と室温で高い保磁力を有し、W層13はM層12に
比べて相対的に高いキュリー温度Tc2と室温で低い保磁
力を有する。
【0007】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層12のTM副格子磁化が
下向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報
の”1”とする)か、若しくはM層12のTM副格子磁
化が上向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情
報の”0”とする)の2状態のいずれかである。低温プ
ロセスでは、高低の2レベルにパルス変調されたレーザ
ビームの低レベルビームが照射されることにより、前記
2状態のいずれかから出発して昇温され、室温Troomに
戻ったときには”1”状態に統一される。このとき、”
0”状態から出発した場合は、W層13がTcomp2 の前
後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、Tcomp2 よりも高温で正味の磁化方向が下向きに変
化するため、その交換結合力によりM層12の磁化方向
を反転させ、”1”状態に変化する。
【0008】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層12とS層14の磁化が消失しW層
13の磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右
から1又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、
バイアス磁界によりW層13の正味の磁化方向が反転
し、Tc1付近で交換結合力によりM層12の磁化方向を
揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W層13
はTcomp2 付近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、室温TroomでS層14を通してI層1
5の交換結合力により初期化される。そして、高温プロ
セス後の”0”状態では、M層12とW層13の各々の
TM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるため、
その界面に界面磁壁が生じる。
【0009】このようなオーバーライト動作が可能な媒
体において、ディスク状の基板上に読出層と、内周側か
ら外周側に向かって厚さを薄くした書込層とを含むこと
により、基板を角速度一定で回転させて記録再生する場
合に、基板の内周側と外周側で線速度が異なり外周にな
るほど記録感度が低下していたのを解消し、記録領域全
般にわたって高感度且つ高C/Nとなるというものが提
案されている(従来例1:特許2616058号公報参
照)。
【0010】また、従来例2として、第1磁性層(M
層)と第2磁性層(W層)とを基板上に有するオーバー
ライト可能な光磁気記録媒体において、第1磁性層と第
2磁性層の間に、これらの磁性層に比べ相対的に小さな
磁壁エネルギーを有する垂直磁化膜である第3磁性層を
設けることで、界面磁壁エネルギーを制御することが可
能になり、その結果交換結合力と保磁力を独立に制御で
きるというものが公知である(特開平1−211343
号公報参照)。
【0011】このようなM層とW層に設けられて両層の
交換結合力を調整する層を、中間層又は交換結合力調整
層(Interface wall energy layer で、以下、int層
という)と呼んでおり、このint層によって、M層と
W層とが強く交換結合し過ぎてW層の磁化方向を独立に
制御し難くなるのを防止できる。例えば、室温における
M層とW層との交換結合を弱めることでW層を初期化し
易くすることができ、その結果記録時の磁化方向の転写
及び制御がスムーズになり、繰返記録再生に対する耐久
性や記録(消去)特性をバランス良く両立させることが
できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1において、基板外周側の記録感度の低下を防止で
きるが、W層の外周側の膜厚が薄いためにC/N比が劣
化し易いという問題点があった。
【0013】また、ディスク状の基板は回転数一定、即
ち角速度一定で駆動する場合がほとんどであり、その場
合基板の内周側で最適であった特性が外周側で劣化して
いた。例えば、外周側の方が線速度が速くなるので、一
定の再生パワーでは繰返記録再生に対する耐久性は変化
しないか向上するが、ロー記録時のパワーが外周側で不
十分になる。ロー記録時のパワーを制御し外周側で大き
くすると、ロー記録とハイ記録とのパワー差が外周側で
小さくなり、外周側にいくほどロー記録によるビットと
ハイ記録によるビットの差が不明瞭になり、BER(Bi
t Erorr Rate)の劣化及びC/N比の低下をもたらす。
【0014】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、ロー記録に対する内周側
と外周側での記録感度差を解消し、媒体全体にわたって
高いC/N比が得られると共に、外周側でのバイアス磁
界依存性(追従性)を改善することにある。
【0015】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、ディスク状の基板上に、記録層,交換結合力調整
層,記録補助層,制御層及び初期化層の5つの磁性層が
積層され、これらの磁性層は希土類元素と遷移金属元素
の非晶質合金から成り、記録層,記録補助層,制御層及
び初期化層は垂直磁気異方性を有し、かつ少なくとも記
録補助層,制御層及び初期化層が室温で交換結合してい
る光磁気記録媒体であって、前記交換結合力調整層に含
まれる少なくとも一種の希土類元素の組成比を基板の外
周側に比べて内周側で増大させたことを特徴とする。
【0016】本発明は、このような構成により、交換結
合力調整層に含まれる希土類元素が基板の内周側から外
周側に向かって減少することで、交換結合力調整層の保
磁力の垂直成分が外周側で増すことにより、交換結合力
調整層が面内磁化から垂直磁化へ変化する温度が外周側
で低下する。すると、交換結合力調整層のロー記録感度
が外周側で高くなり、角速度一定で駆動した場合に外周
側でのロー記録感度の劣化が防止される。
【0017】また本発明において、好ましくは、前記交
換結合力調整層及び記録補助層がGdを含んでおり、両
層のGdの組成比を基板の外周側に比べて内周側で増大
させる。
【0018】この場合、光磁気記録媒体用の磁性層につ
いて一般的に良く使用される希土類元素としてDy,T
b,Gdがあるが、飽和磁化Ms と保磁力Hcとの積M
s ・Hcが大きな順にTb,Dy,Gdであり、これら
のうちGdを減少させることで磁性層のMs ・Hcを大
きくすることができる。その結果、角速度一定で駆動し
た場合に外周側でのロー記録感度の劣化が防止されると
共に、記録補助層のバイアス磁界依存性も改善され外周
側でのハイ記録特性も向上し、良好なオーバーライト特
性が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の媒体M2の基本的な磁性
層構成を図1に示す。同図において、1はポリカーボネ
ート等のプラスチック,ガラス等の透明材料から成り、
プリグルーブが形成されたディスク状の基板、2はM
層、3はint層、4はW層、5はS層、6はI層であ
る。
【0020】前記基板1とM層2との間に、サイアロン
(Si,Al,O,Nの非晶質膜),イットリウムサイ
アロン(Y,Si,Al,O,Nの非晶質膜),Si3
4,SiO2 等から成る保護層を設けてもよく、更に
I層6の上に、サイアロン,イットリウムサイアロン,
Si3 4 ,AlTi,SiO2 等から成る保護層を形
成してもよい。このような保護層は、磁性層の損傷、酸
化を防止するために設けられる。
【0021】そして、M層2,W層4,S層5,I層6
は全動作温度範囲(室温〜約300℃)内で垂直磁気異
方性を示し、int層3は室温付近で面内磁化、昇温時
に垂直磁化を示すものであるが、室温付近で保磁力が小
さいものであれば良く、必ずしも室温付近で面内磁化に
なる必要はない。また、W層4,S層5及びI層6は室
温で交換結合している。場合によっては、即ち”0”又
は”1”のいずれかの状態で、M層2とW層4も室温で
交換結合しても良い。
【0022】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTMと、Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。例えば、
各磁性層はTbFe,TbFeCo,GdFeCo,G
dTbFeCo等から成る。また、これらの磁性層はス
パッタリング法等の薄膜形成法により形成する。
【0023】本発明において、int層3に含まれる少
なくとも一種のREの組成比を基板1の外周側に比べて
内周側で増大させる、即ちREを外周側に向かって減少
させる。少なくとも一種のREとは、例えばGd,D
y,Tb,GdDy,GdTb等である。int層3の
組成としては、GdFeCo,GdFe,DyFeC
o,DyFe,TbFeCo,TbFe,GdCo,D
yCo,GdDyFeCo,GdDyFe,GdTbF
eCo,GdTbFe,TbCo,GdDyCo,Gd
TbCo等が、以下に示すような温度特性が得られ好ま
しい。このうち、GdFe,GdFeCo,DyFe,
TbFe,GdDyFe,GdTbFeが、組成比を調
整することで温度特性を用意に制御でき、好適である。
【0024】また、int層3の温度特性については、
室温付近では面内磁化であり、160℃程度以上では垂
直磁化を示す。
【0025】int層3中のREを外周側に向かって減
少させるにつき、REを内周側で最大35at%、外周
側で最小6at%とするのが良い。内周側での最大値が
35at%を超えると、M層2の磁化方向の転写速度が
遅くなり過ぎる。また、外周側での最小値が6at%未
満では、M層2の磁化方向の転写速度が早くなり過ぎ
る。前記int層3中のREの組成比は、内周側から外
周側に向かって滑らかに減少させるのが良く、温度特性
を徐々に変化させることができる。
【0026】また、int層3の厚さは100〜200
Åが良く、100Å未満ではM層2の磁化方向の転写速
度が早くなり過ぎ、200Åを超えるとM層2の磁化方
向の転写速度が遅くなり過ぎる。
【0027】本発明において、int層3及びW層4が
Gdを含んでおり、両層のGdの組成比を基板1の外周
側に比べて内周側で増大させる、即ちREを外周側に向
かって減少させることが好ましい。この場合、int層
3の組成は上述したGdFeCo,GdFe等である。
また、W層4の組成としては、GdTbFeCo,Gd
FeCo,GdDyFeCo,GdDyCO,GdTb
Fe,GdTbCo等が好ましく、温度特性を組成比で
容易に制御できる。
【0028】そして、W層4の組成比はGdの含有率が
6〜30at%の範囲が良く、前記範囲内で良好な磁界
依存性を維持でき、記録感度も実用的なものとなる。
【0029】W層4中のGdを外周側に向かって減少さ
せるにつき、Gdを内周側で最大30at%、外周側で
最小6at%とするのが良い。内周側での最大値が30
at%を超えると、W層4がREリッチになり過ぎて飽
和C/N磁界が小さくなり過ぎる。外周側での最小値が
6at%未満では、W層4がTMリッチになり過ぎて、
キュリー温度が低下しM層2への磁化方向の転写ができ
なくなる。前記W層4中のREの組成比は、内周側から
外周側に向かって滑らかに減少させるのが良く、温度特
性を徐々に変化させることができる。
【0030】上記したようなint層3及びW層4を形
成するには、マグネトロンスパッタリング法により成膜
する際に、int層3,W層4形成用のGdターゲット
上に膜厚修正板を設けることで行うことができる。例え
ば、基板の外周側に位置するようにドーナツ状の膜厚修
正板を設けると、基板内周側でGdの組成比が大きくな
り、基板外周側でGdの組成比が小さくなる。
【0031】また、int層3及びW層4中におけるG
d等のRE成分の組成比は、X線光電子分光分析法(X-
ray Photoelectron Spectroscopy:XPS),ESCA
等の方法により分析できる。
【0032】一方、M層2については、そのキュリー温
度は約180℃〜約240℃が好適であり、180℃未
満ではC/N比が低下し、240℃超ではW層4のキュ
リー温度と同等以上となるため、W層4からM層2への
磁化を転写する際の転写可能な温度幅が狭くなり、記録
パワーの設定が困難になる。
【0033】また、M層2の組成はTbFeCo,Tb
DyFeCo等が良く、その組成比は20at%≦Tb
≦30at%,0at%≦Dy≦10at%,50at
%≦Fe≦75at%,0at%<Co≦15at%
が、キュリー温度が約180℃〜約240℃となる。
【0034】M層2の厚みは約100Å〜約300Åが
よく、100Å未満ではM層2の交換結合力が強すぎ、
300Å超ではW層4からM層2への交換結合力による
磁化の転写が困難になる。
【0035】そして、S層5,I層6については基本的
に従来のものと同様であるが、W層4をTMリッチとし
て補償温度のないものとし、かつ室温でW層4の保磁力
が最も大きく、次いでM層2,I層6,S層5の順とな
るように構成することもできる。この場合、バイアス磁
界依存性が改善され、オーバーライトを確実に安定的に
行うことができる。
【0036】また、W層4が室温でTMリッチの場合、
磁性層組成としてGdTbFeCo等があり、GdとT
bの原子比がGd:Tb=4:1〜3:2であるものが
好ましい。Tb/Gd<1/4の場合、W層4はREリ
ッチで補償温度がないものとなり、M層2のキュリー温
度付近でM層2との温度及び保磁力のマージンが小さく
なり、またW層4のバイアス磁界に対する磁界依存性も
劣化する。Tb/Gd>2/3の場合、REリッチで補
償温度が存在するものとなるが、補償温度が低くなりす
ぎて、M層2のキュリー温度付近でM層2との温度及び
保磁力のマージンが小さくなる。
【0037】I層6については、GdTbFeCoが良
く、0at%≦Gd≦20at%,20at%≦Tb≦
40at%,0at%≦Fe≦30at%,0at%≦
Co≦60at%,1/4<(Gd+Tb)/(Fe+
Co)<2/3,Gd<Tb,Fe<Coの組成比のも
のが、キュリー温度が約300℃以上で比較的大きな所
望の保磁力を有するものとなる。
【0038】本発明は、基本的にM層2,int層3,
W層4,S層5,I層6の少なくとも5層を有してお
り、基板1とM層2との間に読出専用の読出層(Readin
g layer で、以下、R層という)を設けることで、C/
N比を改善することもできる。また、本発明によるオー
バーライトの基本的なメカニズムは図3と同様である。
【0039】そして、基板上に、M層2,int層3,
W層4,S層5及びI層6の5つの磁性層を順次積層す
る場合について説明したが、前記積層順を逆にしても構
わない。即ち、基板上に、I層6,S層5,W層4,i
nt層3,M層2の順に積層させても良い。
【0040】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、i
nt層の保磁力の垂直成分が外周側で増すことにより、
int層が面内磁化から垂直磁化へ変化する温度が外周
側で低下する。すると、int層のロー記録感度が外周
側で高くなり、角速度一定で駆動した場合に外周側での
ロー記録感度の劣化が防止される。また、int層及び
W層のGdの組成比を基板の内周側から外周側に向かっ
て減少させることで、両層のMs ・Hc を大きくするこ
とができ、その結果角速度一定で駆動した場合に外周側
でのロー記録感度の劣化が防止されると共に、W層のバ
イアス磁界依存性も改善され外周側でのハイ記録特性も
向上し、良好なオーバーライト特性が得られるという作
用効果を有する。
【0041】本発明において、各磁性層を基板の両面に
積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板を貼
り付けることにより、2倍の記録密度としてもよい。ま
た、レーザビームをパルス変調する光強度変調方式によ
るオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるものであ
れば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0042】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0043】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0044】(実施例1)図1に示す磁性層構成の媒体
M2(光磁気ディスク)を以下のようにして構成した。
ポリカーボネートから成る3.5インチ径のディスク状
の基板1の主面上に、マグネトロンスパッタリング法に
より、a−SiNの誘電体層(図示せず)を500Å成
膜した。
【0045】次いで、マグネトロンスパッタリング法に
より、 〔1〕TMリッチ,膜厚約250Å,保磁力約13kO
e(室温),キュリー温度約190℃のTb25Fe60
15から成るM層2 〔2〕REリッチ,膜厚約100Å,保磁力約0.5k
Oe(室温),キュリー温度約230℃のGdFeCo
からなるint層3 〔3〕REリッチ,膜厚約300Å,保磁力約7kOe
(室温),キュリー温度約240℃のGd10Tb20Fe
65Co5 から成るW層4 〔4〕TMリッチ,膜厚約100Å,キュリー温度約1
30℃のTb25Fe75から成るS層5 〔5〕REリッチ,キュリー温度約350℃,補償温度
約280℃のTb30Fe 10Co60から成るI層6 を順次積層した。
【0046】更に、I層6上にa−SiNの誘電体層
(図示せず)をマグネトロンスパッタリング法で300
Å積層し、その上に紫外線防止用の樹脂層をコートして
光磁気ディスクを作製した。
【0047】そして、int層3において、3種の組成
比のGdFeCoにつき、Gdを内周側から外周側に向
かって減少させた場合に、ロー記録時のパワーを内周側
と外周側で測定した結果を表1に示す。また、比較例と
して、記録領域全体で一定の組成比のGdFeCoから
なるint層3とした以外は本実施例と同様に作製した
ものを用いた。尚、表1中のrはディスク中心からの半
径を示す。
【0048】また、オーバーライトの条件は以下のよう
なものであった。最初に回転数3000rpm、初期化
磁界5kOeで12mWのレーザビームを基板1側から
照射して初期化し、その後、バイアス磁界100Oeの
下で約10mWと約3mWにパルス変調されたレーザビ
ームを基板1側から照射して、6.96MHz,デュー
ティー20%の信号を2回オーバーライトし、1.5m
Wの再生用レーザで再生した。そして、光波長680n
m,回転数3600rpmの評価機を用いてロー記録時
のパワーを測定した。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示すように、本実施例では、ロー記
録時のパワーが内周側と外周側とで3mWレベルとほぼ
同じであり、低温(5℃以下)でのロー記録感度低下を
防止する上で最大4mWとする必要があるが、4mWま
でに十分なマージンが取れた。
【0051】これに対し、比較例のNO.4では外周側
で4.5mWと4mWを超えており、比較例のNO.5
では外周側は4mW未満と条件を満たしているが、内周
側で1.8mWとなり再生パワーの1.5mWに対しほ
とんどマージンがなくなった。そのため、高温環境下で
繰返再生を行うと記録ビットが消去されてしまい、実用
に適さないものであった。
【0052】(実施例2)図1に示す磁性層構成の媒体
M2(光磁気ディスク)を以下のようにして構成した。
ポリカーボネートから成る3.5インチ径のディスク状
の基板1の主面上に、マグネトロンスパッタリング法に
より、a−SiNの誘電体層(図示せず)を500Å成
膜した。
【0053】次いで、マグネトロンスパッタリング法に
より、 〔1〕REリッチ,膜厚約200Å,保磁力約0.5k
Oe(室温),補償温度約80℃のGd28Fe60Co12
から成るR層(図示せず) 〔2〕TMリッチ,膜厚約200Å,保磁力約13kO
e(室温),キュリー温度約190℃のTb25Fe60
15から成るM層2 〔3〕REリッチ,膜厚約100Å,保磁力約0.5k
Oe(室温),キュリー温度約230℃のGdFeCo
からなるint層3 〔4〕REリッチ,膜厚約300Å,保磁力約7kOe
(室温),キュリー温度約240℃のGdTbFeCo
から成るW層4 〔5〕TMリッチ,膜厚約100Å,キュリー温度約1
30℃のTb25Fe75から成るS層5 〔6〕REリッチ,膜厚約400Å,キュリー温度約3
50℃,補償温度約280℃のTb30Fe10Co60から
成るI層6 を順次積層した。
【0054】更に、I層6上に300Åのa−SiNの
誘電体層(図示せず)、1000ÅのAl保護層(図示
せず)をマグネトロンスパッタリング法で順次積層し、
その上に紫外線防止用の樹脂層をコートして光磁気ディ
スクを作製した。
【0055】そして、int層3のGdFeCoにつき
Gdを内周側から外周側に向かって減少させ、且つW層
4のGdTbFeCoにつきGdを内周側から外周側に
向かって減少させた場合に、ロー記録時のパワーを内周
側と外周側で測定した結果、及び媒体M2の飽和C/N
磁界を内周側と外周側で測定した結果を表2に示す。ま
た、比較例として、記録領域全体で一定の組成比のGd
FeCoからなるint層3及び一定の組成比のGdT
bFeCoからなるW層4とした以外は本実施例と同様
に作製したものを用いた。尚、表1中のrはディスク中
心からの半径を示す。
【0056】また、オーバーライトの条件は以下のよう
なものであった。最初に回転数3000rpm、初期化
磁界5kOeで12mWのレーザビームを基板1側から
照射して初期化し、その後、バイアス磁界100Oeの
下で約10mWと約3mWにパルス変調されたレーザビ
ームを基板1側から照射して、6.96MHz,デュー
ティー20%の信号を2回オーバーライトし、1.5m
Wの再生用レーザで再生した。そして、光波長680n
m,回転数3600rpmの評価機を用いてロー記録時
のパワー、飽和C/N磁界を測定した。
【0057】
【表2】
【0058】表2より、本発明品は内周側と外周側でロ
ー記録時のパワー差がなく、Ms は同様であった。比較
例では、内周側と外周側でロー記録時のパワー差1.0
mWあり、外周側でロー記録が行えない場合があった。
また、外周側のMs が小さくなったため外周側でint
層3及びW層4の保磁力が増大し、W層4のバイアス磁
界依存性が低下し、その結果ハイ記録特性も劣化してオ
ーバーライトがスムーズに実行できなくなった。
【0059】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、int層に
含まれる少なくとも一種の希土類元素の組成比を基板の
外周側に比べて内周側で増大させたことにより、int
層の保磁力の垂直成分が外周側で増すことにより、in
t層が面内磁化から垂直磁化へ変化する温度が外周側で
低下する。すると、int層のロー記録感度が外周側で
高くなり、角速度一定で駆動した場合に外周側でのロー
記録感度の劣化が防止される。
【0060】また、本発明は、int層及びW層がGd
を含んでおり、両層のGdの組成比を基板の外周側に比
べて内周側で増大させたことにより、両層のMs ・Hc
を大きくすることができ、その結果角速度一定で駆動し
た場合に外周側でのロー記録感度の劣化が防止されると
共に、W層のバイアス磁界依存性も改善され外周側での
ハイ記録特性も向上し、良好なオーバーライト特性が得
られる。
【0061】本発明の光磁気記録媒体はオーバーライト
可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁気カー
ド、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体M2の磁性層構成を示
す部分断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体M1の磁性層構成を示す
部分断面図である。
【図3】従来の光磁気記録媒体のオーバーライトのメカ
ニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:M層 3:int層 4:W層 5:S層 6:I層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状の基板上に、記録層,交換結合
    力調整層,記録補助層,制御層及び初期化層の5つの磁
    性層が積層され、これらの磁性層は希土類元素と遷移金
    属元素の非晶質合金から成り、記録層,記録補助層,制
    御層及び初期化層は垂直磁気異方性を有し、かつ少なく
    とも記録補助層,制御層及び初期化層が室温で交換結合
    している光磁気記録媒体であって、前記交換結合力調整
    層に含まれる少なくとも一種の希土類元素の組成比を基
    板の外周側に比べて内周側で増大させたことを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記交換結合力調整層及び記録補助層がG
    dを含んでおり、両層のGdの組成比を基板の外周側に
    比べて内周側で増大させた請求項1記載の光磁気記録媒
    体。
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