JP2000260075A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2000260075A
JP2000260075A JP11057610A JP5761099A JP2000260075A JP 2000260075 A JP2000260075 A JP 2000260075A JP 11057610 A JP11057610 A JP 11057610A JP 5761099 A JP5761099 A JP 5761099A JP 2000260075 A JP2000260075 A JP 2000260075A
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layer
composition
magneto
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film
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Shigemasa Okuma
薫正 大隈
Hirotaka Tanaka
浩貴 田中
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Ms (飽和磁化)を大きくしM層の基板側の組
成比を均一とすることにより、M層の層厚を薄くしてB
ER及びC/N比が高くなるようにする。 【解決手段】基板1上に、M層3、W層5、S層6及び
I層7の4つの磁性層が順次積層され、これらの磁性層
は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元素の非
晶質合金から成り、かつ少なくともW層5、S層6及び
I層7が室温で交換結合している光磁気記録媒体であっ
て、M層3とW層5との間に、REとTMの組成比が厚
さ方向で周期的に異なる組成変調膜3aを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により再生を行う光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光変調ダイレクトオーバーライト
(以下、オーバーライトという)が可能な光磁気記録媒
体(以下、媒体と略す)M1の磁性層構成を図2に示
す。
【0003】同図は、媒体M1の部分断面図であり、上
向き磁化か下向き磁化とすることにより2値情報(0,
1)を記録する記録層(Memory layerで、以下、M層と
略す)12と、M層12よりも高いキュリー温度と室温
超の所定温度以上でM層12よりも大きな保磁力を有
し、外部のバイアス磁界(記録磁界)により昇温時に磁
化方向が反転可能な記録補助層(Writing layer で、以
下、W層と略す)13と、キュリー温度が最も低く高温
で磁化が消失してW層13と初期化層15間の交換結合
力を遮断する制御層(Switching layer で、以下、S層
と略す)14と、これらの磁性層の中で最もキュリー温
度が高く降温時にS層14を通じてW層13の磁化方向
を初期化する初期化層(Initializing layerで、以下、
I層と略す)15とを、基板11上に順次積層して、オ
ーバーライト可能としたものが提案されている。
【0004】このような、M層12,W層13,S層1
4,I層15を有するタイプの光強度変調方式によるオ
ーバーライトの基本的なメカニズムを図3により説明す
ると、各磁性層の正味の磁化方向は遷移金属元素(Tran
sition Metal elementで、以下、TMという)副格子磁
化と希土類元素(Rare Earth elementで、以下、REと
いう)副格子磁化の合成ベクトルで表され、カー効果に
よる情報の読出(再生)にはTM副格子磁化が関与する
(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参
照)。磁気的組成は、M層12がTMリッチ(TM副格
子磁化が磁気的に優勢)、W層13がREリッチ(RE
副格子磁化が磁気的に優勢)、S層14がTMリッチ、
I層15がREリッチで、W層13とI層15が室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0005】M層12のキュリー温度をTc1、W層13
のキュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層1
4のキュリー温度をTc3、I層15のキュリー温度をT
c4及び補償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<T
comp2 <Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低
温プロセスによるローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)時の最高温度をTL 、高温プロセスによるハイパワ
ー記録(以下、ハイ記録という)時の最高温度をTH と
すると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録
及びハイ記録は、高低の2値にパルス変調されたレーザ
ビーム等を媒体に照射することにより行われ、低レベル
のレーザビームの照射部(ピット)でロー記録、高レベ
ルのレーザビームの照射部(ピット)でハイ記録とな
る。また、Troomは約20℃〜約30℃の室温である。
【0006】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層12の保磁力が最も大きく、次いでW層13,I
層15,S層14の順である。S層14は最も保磁力及
びキュリー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が
消失する。W層13とI層15は補償温度付近で保磁力
が発散し、非常に大きくなる。また、M層12とW層1
3を比較すると、M層12は相対的に低いキュリー温度
Tc1と室温で高い保磁力を有し、W層13はM層12に
比べて相対的に高いキュリー温度Tc2と室温で低い保磁
力を有する。
【0007】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層12のTM副格子磁化が
下向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報
の”1”とする)か、若しくはM層12のTM副格子磁
化が上向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情
報の”0”とする)の2状態のいずれかである。低温プ
ロセスでは、高低の2レベルにパルス変調されたレーザ
ビームの低レベルビームが照射されることにより、前記
2状態のいずれかから出発して昇温され、室温Troomに
戻ったときには”1”状態に統一される。このとき、”
0”状態から出発した場合は、W層13がTcomp2 の前
後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、Tcomp2 よりも高温で正味の磁化方向が下向きに変
化するため、その交換結合力によりM層2の磁化方向を
反転させ、”1”状態に変化する。
【0008】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層12とS層14の磁化が消失しW層
13の磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右
から1又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、
バイアス磁界によりW層13の正味の磁化方向が反転
し、Tc1付近で交換結合力によりM層12の磁化方向を
揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W層13
はTcomp2 付近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、室温TroomでS層14を通してI層1
5の交換結合力により初期化される。そして、高温プロ
セス後の”0”状態では、M層12とW層13の各々の
TM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるため、
その界面に界面磁壁が生じる。
【0009】このようなオーバーライト動作が可能な媒
体において、垂直磁化膜からなりM層よりも高キュリー
点のリード層(Reading layer で、以下、R層とい
う)、R層に交換結合した垂直磁化膜からなるM層、M
層に交換結合した垂直磁化膜からなるW層の少なくとも
3層を含み、R層が積層周期が5Å以下の重RE超薄膜
とTM超薄膜との交互多層構造又は合金構造からなり、
M層が積層周期5〜20Åの重RE超薄膜とTM超薄膜
との交互多層構造からなることにより、マーク長さのジ
ッタが小さく、その結果キャリアレベルが高くノイズが
小さいというものが提案されている(従来例1:特開平
5−314554号公報参照)。
【0010】従来例2として、従来例1と同じR層,M
層,W層の少なくとも3層を含み、R層はRE−TM合
金ターゲットを用いたスパッタリングにより成膜され、
M層はREターゲットとTMターゲットを用いた同時ス
パッタリングにより成膜されることにより、マーク長さ
のジッタが小さく、その結果キャリアレベルが高くノイ
ズが小さいというものが提案されている(特開平5−3
14555号公報参照)。
【0011】従来例3として、従来例1と同じR層,M
層,W層の少なくとも3層を含み、R層をRE−TM合
金ターゲットを用いたスパッタリングにより成膜し、M
層とW層はREターゲット及びTMターゲットの2つの
ターゲットを用いた2元同時スパッタリングにより成膜
することにより、光磁性膜が安定構造となり、繰返し記
録再生に対する耐久性が向上するものが公知である(特
開平7−85519号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1〜3は、M層を成膜する際にREターゲットとT
Mターゲットの2元スパッタリングを行っているが、M
層のR層側の界面に組成比のむらができるという問題点
があった。また、M層をRE−TM合金ターゲットを用
いたスパッタリングにより成膜すると、2元スパッタリ
ングと比較してMs (飽和磁化)が小さくなるため膜厚
を厚くする必要があった。
【0013】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、M層のW層側に組成変調
膜を形成することでMs を大きくし、またM層の基板側
の組成比を均一とすることにより、M層の層厚(以下、
膜厚ともいう)を薄くしてBER(Bit Error Rate)を
低下させ、C/N比を向上させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に、記録層、記録補助層、制御層及び初期化
層の4つの磁性層が順次積層され、これらの磁性層は垂
直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元素の非晶質
合金から成り、かつ少なくとも記録補助層、制御層及び
初期化層が室温で交換結合している光磁気記録媒体であ
って、前記記録層と記録補助層との間に、希土類元素と
遷移金属元素の組成比が厚さ方向で周期的に異なる組成
変調膜を設けたことを特徴とする。
【0015】本発明は、このような構成により、記録層
と記録補助層との間に組成変調膜を設けることでMs を
大きくし、記録層の層厚を薄くできると共にBERが低
下し、C/N比も高くなる。
【0016】本発明において、前記組成変調膜は、希土
類元素と遷移金属元素の組成比が異なる複数種の磁性層
を周期的に積層させた構成であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の媒体M2の基本的な磁性
層構成を図1に示す。同図において、1はポリカーボネ
ート等のプラスチック,ガラス等の透明材料から成り、
プリグルーブが形成されたディスク状の基板、2はR
層、3はM層、3aはM層3とW層5との間に設けられ
た組成変調膜、4はM層3とW層5間の交換結合力を調
整する交換結合力調整層(Interface wall energy laye
r で、以下、int層という)、5はW層、6はS層、
7はI層である。
【0018】前記基板1とR層2との間に、サイアロン
(Si,Al,O,Nの非晶質膜),イットリウムサイ
アロン(Y,Si,Al,O,Nの非晶質膜),Si3
4,SiO2 等から成る保護層を設けてもよく、更に
I層7の上に、サイアロン,イットリウムサイアロン,
Si3 4 ,AlTi,SiO2 等から成る保護層を形
成してもよい。このような保護層は、磁性層の損傷、酸
化を防止するために設けられる。
【0019】そして、各磁性層は全動作温度範囲(室温
〜約300℃)内で垂直磁気異方性を示し、W層5、S
層6及びI層7は室温で交換結合している。場合によっ
ては、即ち”0”又は”1”のいずれかの状態で、M層
3とW層4も室温で交換結合しても良い。
【0020】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTMと、Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。例えば、
各磁性層はTbFe,TbFeCo,GdFeCo,G
dTbFeCo等から成る。また、これらの磁性層はス
パッタリング法等の薄膜形成法により形成する。
【0021】本発明のM層3は、そのキュリー温度は約
180℃〜約240℃が好適であり、180℃未満では
C/N比が低下し、240℃超ではW層5のキュリー温
度と同等以上となるため、W層5からM層3への磁化を
転写する際の転写可能な温度幅が狭くなり、記録パワー
の設定が困難になる。
【0022】また、M層3の組成はTbFeCo,Tb
DyFeCo等が良く、その組成比は20at%≦Tb
≦30at%,0at%≦Dy≦10at%,50at
%≦Fe≦75at%,0at%<Co≦15at%
が、キュリー温度が約180℃〜約240℃となる。
【0023】M層3の厚みは、組成変調膜3aを含めて
約100Å〜約400Åがよく、100Å未満ではM層
3の交換結合力が強すぎ、400Å超ではW層5からM
層3への交換結合力による磁化の転写が困難になる。
【0024】M層3とW層5との間に設けられた組成変
調膜3aは、例えば組成がTbFeCo等から成り、R
E成分とTM成分が膜厚方向において組成が変調した膜
である。その膜厚は約100Å〜約300Åがよく、1
00Å未満ではM層3の基板1側に組成むらを起こしC
/N比やBERの劣化を引き起こす。300Åを超える
と、M層3とW層5との交換結合に影響を及ぼし、オー
バーライト不能になる。
【0025】また、組成変調膜3aのRE成分とTM成
分の変調周期は約5Å〜約20Åが好ましく、5Å未満
ではM層3及び組成変調膜3aの飽和磁化Ms が小さく
なり、20Åを超えるとディスク状の基板1の周方向に
おいて組成のむらができる。
【0026】そして、RE成分とTM成分の変調度は、
RE成分が最も多い部分でRE成分=28at%、RE
成分が最も少ない部分でRE成分=22at%であり、
よってRE成分が22at%〜28at%と変化するよ
うに変調させるのが好ましい。22at%未満では、M
層3及び組成変調膜3aの保磁力が大きくなり過ぎW層
5との交換結合ができなくなり、28at%を超える
と、M層3及び組成変調膜3aの保磁力が小さくなり過
ぎ、この場合にもW層5との交換結合が不能になる。
【0027】このような組成変調膜3aは、REターゲ
ットとTMターゲットを用い、2元同時スパッタリング
を行うことにより成膜できる。まず、M層3をR層2上
に成膜する際にRE−TM合金ターゲットによるスパッ
タリングを施し、次いで上記2元同時スパッタリングを
する。2元同時スパッタリングをする場合、所定の真空
状態でAr雰囲気中でTbターゲットとFeCo合金タ
ーゲットを用いたDC(直流)マグネトロンスパッタリ
ングによる同時スパッタリングにより組成変調を施すこ
とができる。
【0028】この2元同時スパッタリングの際に、支持
台上に別個に載置固定されたTbターゲットとFeCo
合金ターゲットとに対し、基板1を自公転させる。つま
り、Tbターゲットの直上とFeCo合金ターゲットの
直上を、基板1が交互に通過することにより、組成変調
が行える。Tbターゲット直上に基板1がある状態では
Tb成分が多くなり、FeCo合金ターゲット直上に基
板1がある状態ではFeCo成分が多くなる。このよう
な構成において、基板1のみを可動とするに限らず、T
bターゲットとFeCo合金ターゲット及び基板1が相
対的に移動して、前記の如く運動し組成変調ができば良
い。
【0029】また本発明は、組成変調膜3aを、REと
TMの組成比が異なる複数種の磁性層を周期的に積層さ
せた構成、即ち上記実施形態の如く連続的に組成が変調
するのではなく、厚さ方向で断続的に組成が変化する所
謂積層構造であっても良い。この場合、M層3の厚み
は、組成変調膜3aを含めて約100Å〜約400Åが
よく、100Å未満ではM層3の交換結合力が強すぎ、
400Å超ではW層5からM層3への交換結合力による
磁化の転写が困難になる。
【0030】M層3とW層5との間に設けられた組成変
調膜3aは、例えば組成がTbFeCo等から成り、そ
の膜厚は約100Å〜約300Åがよく、100Å未満
ではM層3の基板1側に組成むらを起こしC/N比やB
ERの劣化を引き起こす。300Åを超えると、M層3
とW層5との交換結合に影響を及ぼし、オーバーライト
不能になる。
【0031】また、組成変調膜3aのRE成分とTM成
分の変調周期は約10Å〜約30Åが好ましく、10Å
未満ではM層3及び組成変調膜3aの飽和磁化Ms が小
さくなり、30Åを超えるとディスク状の基板1の周方
向において組成のむらができる。
【0032】そして、RE成分とTM成分の変調度は、
RE成分が最も多い部分でRE成分=32at%、RE
成分が最も少ない部分でRE成分=18at%であり、
よってRE成分が18at%〜32at%と変化するよ
うに変調させるのが好ましい。18at%未満では、M
層3及び組成変調膜3aの保磁力が大きくなり過ぎW層
5との交換結合ができなくなり、32at%を超える
と、M層3及び組成変調膜3aの保磁力が小さくなり過
ぎ、この場合にもW層5との交換結合が不能になる。同
様に、組成変調膜3a全体では、上記の理由でRE成分
を22〜28at%とするのが良い。
【0033】また、組成変調膜3aをTbFeCoとし
た場合、組成変調膜3a全体での組成比について、Tb
=20〜30at%、Fe=50〜75at%、CO=
0〜15at%が好ましく、この範囲から外れるとM層
3とW層5との交換結合が困難になる。
【0034】このような積層構造の組成変調膜3aは、
各種磁性層用のターゲットを用い、磁性層の種類毎にタ
ーゲットを交換してスパッタリングで成膜することがで
きる。
【0035】そして、int層4,W層5,S層6,I
層7については基本的に従来のものと同様であるが、W
層5をTMリッチとして補償温度のないものとし、かつ
室温でW層5の保磁力が最も大きく、次いでM層3,I
層7,S層6の順となるように構成することもできる。
この場合、バイアス磁界依存性が改善され、オーバーラ
イトを確実に安定的に行うことができる。
【0036】また、W層5が室温でTMリッチの場合、
磁性層組成としてGdTbFeCo等があり、GdとT
bの原子比がGd:Tb=4:1〜3:2であるものが
好ましい。Tb/Gd<1/4の場合、W層5はREリ
ッチで補償温度がないものとなり、M層3のキュリー温
度付近でM層3との温度及び保磁力のマージンが小さく
なり、またW層5のバイアス磁界に対する磁界依存性も
劣化する。Tb/Gd>2/3の場合、REリッチで補
償温度が存在するものとなるが、補償温度が低くなりす
ぎて、M層3のキュリー温度付近でM層2との温度及び
保磁力のマージンが小さくなる。
【0037】I層7については、GdTbFeCoが良
く、0at%≦Gd≦20at%,20at%≦Tb≦
40at%,0at%≦Fe≦30at%,0at%≦
Co≦60at%,1/4<(Gd+Tb)/(Fe+
Co)<2/3,Gd<Tb,Fe<Coの組成比のも
のが、キュリー温度が約300℃以上で比較的大きな所
望の保磁力を有するものとなる。
【0038】本発明は、基本的にM層3,W層5,S層
6,I層7の少なくとも4層を有しており、M層3とW
層5との間にint層4を設けてもよく、その場合、M
層3とW層5間に働く交換結合力を少なくとも室温で遮
断することにより、W層5の初期化及び昇温時における
W層5からM層3への磁化方向の転写をスムーズにでき
る。また、基板1とM層3との間に読出専用のR層2を
設けることで、C/N比を改善することもできる。ま
た、本発明によるオーバーライトの基本的なメカニズム
は図3と同様である。
【0039】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、M
層3とW層5との間に組成変調膜3aを設けることでM
s が大きくなりM層3の層厚が薄くなり、BERが低下
し、C/N比が高くなるという作用効果を有する。
【0040】本発明において、各磁性層を基板の両面に
積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板を貼
り付けることにより、2倍の記録密度としてもよい。ま
た、レーザビームをパルス変調する光強度変調方式によ
るオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるものであ
れば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0041】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0042】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0043】(実施例1)図1に示す磁性層構成の光磁
気ディスクを以下のようにして構成した。ポリカーボネ
ートから成る3.5インチ径のディスク状の基板1の主
面上に、マグネトロンスパッタリング法により、a−S
iNの誘電体層(図示せず)を500Å成膜した。
【0044】次いで、マグネトロンスパッタリング法に
より、 〔1〕REリッチ,補償温度約120℃,膜厚約300
Å,キュリー温度約320℃でGd28Fe60Co22から
成るR層2 〔2〕TMリッチ,膜厚約200〜400Å,保磁力約
13kOe(室温),キュリー温度約190℃のTb25
Fe60Co15から成るM層3及び組成変調膜3a 〔3〕REリッチ,膜厚約100Å,保磁力約0.5k
Oe(室温),キュリー温度約230℃のint層4 〔4〕REリッチ,膜厚約300Å,保磁力約7kOe
(室温),キュリー温度約240℃のGd10Tb20Fe
65Co5 から成るW層5 〔5〕TMリッチ,膜厚約100Å,キュリー温度約1
30℃のTb25Fe75から成るS層6 〔6〕REリッチ,膜厚約200Å,キュリー温度約3
50℃,補償温度約280℃のTb30Fe10Co60から
成るI層7を順次積層した。
【0045】更に、I層7上にa−SiNの誘電体層
(図示せず)をマグネトロンスパッタリング法で300
Å積層し、その上に紫外線防止用の樹脂層をコートして
光磁気ディスクを作製した。
【0046】このとき、組成変調膜3aは、Tbターゲ
ットとFeCo合金ターゲットとを支持台上に別個に載
置固定し、基板1を自公転させて、Tbターゲット直上
とFeCo合金ターゲット直上とを基板1が交互に通過
するようにして成膜した。そして、組成変調膜3aの変
調周期は10Å,変調度はRE成分が最大27at%,
最小23at%になるようにした。
【0047】また、第1の比較例(NO.1〜9)とし
て、組成変調膜3aがなくM層3を2元同時スパッタリ
ング法で成膜した以外は本実施例と同様に作製したも
の、第2の比較例(NO.10〜18)として、組成変
調膜3aがなくM層3を合金ターゲットを用いたスパッ
タリング法で成膜した以外は本実施例と同様に作製した
ものをそれぞれ用意した。
【0048】そして、本実施例のものにつき組成変調膜
3aの膜厚を100〜300Åの範囲で種々に変化さ
せ、かつR層2の膜厚を100〜300Åの範囲で種々
に変化させた9種類、第1の比較例につきM層3の膜厚
を200〜400Åの範囲で種々に変化させ、かつR層
2の膜厚を100〜300Åの範囲で種々に変化させた
9種類、第2の比較例につきM層3の膜厚を200〜4
00Åの範囲で種々に変化させ、かつR層2の膜厚を1
00〜300Åの範囲で種々に変化させた9種類、につ
いて再生時のC/N比及びBERを測定した結果を表1
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】また、オーバーライトの条件は以下のよう
なものであった。最初に回転数3000rpm、初期化
磁界5kOeで12mWのレーザビームを基板1側から
照射して初期化し、その後、バイアス磁界100Oeの
下で10mWと3mWにパルス変調されたレーザビーム
を基板1側から照射して、6.96MHz,デューティ
ー20%の信号を2回オーバーライトし、1.5mWの
再生用レーザで再生した。これついて、光波長680n
m,3600rpmの評価機を用いて、再生時のC/N
比を測定した。
【0051】表1に示すように、本実施例では、いずれ
のものも49.6dB以上の高いC/N比及び10-5
ーダーの低いBERを示した。特に、組成変調膜3a及
びM層3の膜厚を200Åと薄くしても、C/N比及び
BERは高特性が維持された。これに対し、比較例では
いずれも49.0dB以下とC/N比が劣化し、1
-3,10-4オーダーのBERとなった。そして、M層
3の膜厚が200Åと薄い場合、300Å,400Åの
場合よりもC/N比及び/又はBERの劣化が大きかっ
た。
【0052】(実施例2)組成変調膜3aを、表2のよ
うに組成比の異なるTbFeCoから成る2種の磁性層
1,2を交互に積層させた以外は実施例1と同様に構成
し、再生時のC/N比及びBERを測定した。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示すように、本発明のNO.1〜6
はいずれもC/N比が48.2dB以上、BERが9.
6×10-5以下と高い特性を示した。これに対し、比較
例のNO.7〜12について、NO.7は変調周期が3
0Åを超えNO.8は変調周期が10Å未満であり、N
O.9は組成変調膜の厚さが100Å未満でNO.10
は組成変調膜の厚さが300Å超であり、NO.11は
組成変調膜全体の組成比でTbが30at%を超え、N
O.12は組成変調膜全体の組成比でTbが20at%
未満且つFeが75at%を超えている。これらNO.
7〜12は、C/N比が46.7dB以下、BERが
4.5×10-4以上と特性が劣化した。
【0055】本実施例2において、組成変調膜3aを2
種の磁性層1,2で構成したが、3種以上の磁性層を周
期的に積層させても構わない。
【0056】
【発明の効果】本発明は、M層とW層との間に、REと
TMの組成比が厚さ方向で周期的に異なる組成変調膜を
設けたことにより、M層のMs (飽和磁化)を大きく
し、M層の層厚を薄くした状態でBER及びC/N比が
向上するという作用効果を有する。
【0057】本発明の光磁気記録媒体はオーバーライト
可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁気カー
ド、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体M2の磁性層構成を示
す部分断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体M1の磁性層構成を示す
部分断面図である。
【図3】従来の光磁気記録媒体のオーバーライトのメカ
ニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:R層 3:M層 3a:組成変調膜 4:int層 5:W層 6:S層 7:I層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、記録層、記録補助層、制御層及
    び初期化層の4つの磁性層が順次積層され、これらの磁
    性層は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元素
    の非晶質合金から成り、かつ少なくとも記録補助層、制
    御層及び初期化層が室温で交換結合している光磁気記録
    媒体であって、前記記録層と記録補助層との間に、希土
    類元素と遷移金属元素の組成比が厚さ方向で周期的に異
    なる組成変調膜を設けたことを特徴とする光磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】前記組成変調膜は、希土類元素と遷移金属
    元素の組成比が異なる複数種の磁性層を周期的に積層さ
    せた構成である請求項1記載の光磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113755793A (zh) * 2021-08-27 2021-12-07 电子科技大学 一种薄膜传感器用抗氧化自修复防护层及其制备方法

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