JP2000215534A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2000215534A
JP2000215534A JP1899499A JP1899499A JP2000215534A JP 2000215534 A JP2000215534 A JP 2000215534A JP 1899499 A JP1899499 A JP 1899499A JP 1899499 A JP1899499 A JP 1899499A JP 2000215534 A JP2000215534 A JP 2000215534A
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magnetic field
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bias magnetic
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Yoshinobu Ishii
義伸 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低外部バイアス磁界とすることができ、また記
録及び消去時に確実な転写を実現することでC/N比等
の記録再生特性が向上する。 【解決手段】ポリカーボネートから成る3.5インチ径
のディスク状の基板1の主面上に、マグネトロンスパッ
タリング法により、a−SiNの誘電体層、R層(図示
せず)、M層2、int層(図示せず)、W層3、S層
4、I層5、厚さ50Åのa−SiNから成る交換結合
力遮断層6、TMリッチ,膜厚約200〜600Å,保
磁力約2kOe(室温),キュリー温度約260℃のT
bFeCo,DyFeCo又はGdTbFeCoから成
るバイアス磁界補助層7を順次積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により再生を行う光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光変調ダイレクトオーバーライト
(以下、オーバーライトという)が可能な光磁気記録媒
体(以下、媒体と略す)M1の磁性層構成を図2に示
す。
【0003】同図は、媒体M1の部分断面図であり、上
向き磁化か下向き磁化とすることにより2値情報(0,
1)を記録する記録層(Memory layerで、以下、M層と
略す)12と、M層12よりも高いキュリー温度と室温
超の所定温度以上でM層12よりも大きな保磁力を有
し、外部のバイアス磁界(記録磁界)により昇温時に磁
化方向が反転可能な記録補助層(Writing layer で、以
下、W層と略す)13と、キュリー温度が最も低く高温
で磁化が消失してW層13と初期化層15間の交換結合
力を遮断する制御層(Switching layer で、以下、S層
と略す)14と、これらの磁性層の中で最もキュリー温
度が高く降温時にS層14を通じてW層13の磁化方向
を初期化する初期化層(Initializing layerで、以下、
I層と略す)15とを、基板11上に順次積層して、オ
ーバーライト可能としたものが提案されている。
【0004】このような、M層12,W層13,S層1
4,I層15を有するタイプの光強度変調方式によるオ
ーバーライトの基本的なメカニズムを図3により説明す
ると、各磁性層の正味の磁化方向は遷移金属元素(Tran
sition Metal elementで、以下、TMという)副格子磁
化と希土類元素(Rare Earth elementで、以下、REと
いう)副格子磁化の合成ベクトルで表され、カー効果に
よる情報の読出(再生)にはTM副格子磁化が関与する
(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参
照)。磁気的組成は、M層12がTMリッチ(TM副格
子磁化が磁気的に優勢)、W層13がREリッチ(RE
副格子磁化が磁気的に優勢)、S層14がTMリッチ、
I層15がREリッチで、W層13とI層15が室温T
roomよりも高温で補償温度を有する。
【0005】M層12のキュリー温度をTc1、W層13
のキュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層1
4のキュリー温度をTc3、I層15のキュリー温度をT
c4及び補償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<T
comp2 <Tc1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低
温プロセスによるローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)時の最高温度をTL 、高温プロセスによるハイパワ
ー記録(以下、ハイ記録という)時の最高温度をTH と
すると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録
及びハイ記録は、高低の2値にパルス変調されたレーザ
ビーム等を媒体に照射することにより行われ、低レベル
のレーザビームの照射部(ピット)でロー記録、高レベ
ルのレーザビームの照射部(ピット)でハイ記録とな
る。また、Troomは約20℃〜約30℃の室温である。
【0006】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層12の保磁力が最も大きく、次いでW層13,I
層15,S層14の順である。S層14は最も保磁力及
びキュリー温度が低く、100〜130℃程度で磁化が
消失する。W層13とI層15は補償温度付近で保磁力
が発散し、非常に大きくなる。また、M層12とW層1
3を比較すると、M層12は相対的に低いキュリー温度
Tc1と室温で高い保磁力を有し、W層13はM層12に
比べて相対的に高いキュリー温度Tc2と室温で低い保磁
力を有する。
【0007】同図において、オーバーライト前の状態は
室温Troomの状態であり、M層12のTM副格子磁化が
下向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報
の”1”とする)か、若しくはM層12のTM副格子磁
化が上向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情
報の”0”とする)の2状態のいずれかである。低温プ
ロセスでは、高低の2レベルにパルス変調されたレーザ
ビームの低レベルビームが照射されることにより、前記
2状態のいずれかから出発して昇温され、室温Troomに
戻ったときには”1”状態に統一される。このとき、”
0”状態から出発した場合は、W層13がTcomp2 の前
後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、Tcomp2 よりも高温で正味の磁化方向が下向きに変
化するため、その交換結合力によりM層2の磁化方向を
反転させ、”1”状態に変化する。
【0008】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層12とS層14の磁化が消失しW層
13の磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右
から1又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、
バイアス磁界によりW層13の正味の磁化方向が反転
し、Tc1付近で交換結合力によりM層12の磁化方向を
揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W層13
はTcomp2 付近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、室温TroomでS層14を通してI層1
5の交換結合力により初期化される。そして、高温プロ
セス後の”0”状態では、M層12とW層13の各々の
TM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるため、
その界面に界面磁壁が生じる。
【0009】このようなオーバーライト動作が可能な媒
体において、垂直磁気異方性を有し且つ室温以下で補償
温度を有するRE−TM薄膜よりなるメモリ層と、垂直
磁気異方性を有し且つ室温以下で補償温度を有するRE
−TM薄膜よりなり、メモリ層と交換結合しており記録
用の浮遊磁場を発生するバイアス層と、垂直磁気異方性
を有し、且つ記録消去の際に磁化が反転しないRE−T
M薄膜よりなり、バイアス層と交換結合してバイアス層
を初期化する初期化層とよりなることにより、完全無磁
場光変調オーバーライトを可能とするものが提案されて
いる(特開平6−267125号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例において、メモリ層とバイアス層を室温以下で補償
温度を有するTMリッチ組成とすることで、バイアス層
の浮遊磁場を250Oe程度と大きくしているが、同じ
TMリッチ組成のメモリ層とバイアス層を積層すると、
両層の磁気的性質が類似しているため、バイアス層から
メモリ層への磁化方向の転写が不十分になったり、本来
転写する方の磁性層(バイアス層)に転写される方の磁
性層(メモリ層)の磁化方向が転写されるという問題点
があった。
【0011】このような問題を防ぐには、転写温度領域
で転写のベースになる磁性層の保磁力、即ち交換結合力
を十分大きくすることが良く、具体的には昇温過程にお
いて補償温度を有するREリッチの磁性層が、W層1
3,I層15に用いられている。しかし、REリッチの
磁性層は高温域(200〜300℃程度)でTMリッチ
のものに比べて飽和磁化が小さく、そのため十分なバイ
アス磁界を発生することができず、自ずとバイアス磁界
用の大きな外部磁界が必要となる。このように、転写の
ベースになる磁性層の交換結合力を強めようとすると、
バイアス磁界が小さくなり、大きな外部磁界が必要にな
るという矛盾が生じていた。
【0012】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、外部のバイアス磁界を補
助するバイアス磁界補助層を設けることで、外部のバイ
アス磁界を小さくし、また記録及び消去時に確実な転写
を実現することでC/N比等の記録再生特性を向上さ
せ、更には従来、転写のベースになる磁性層の交換結合
力とバイアス磁界とのバランスがとれるように、磁性層
の組成及び磁気的特性を細かに制御する必要があったの
を不要とし、その結果製造のマージンが広がり歩留りが
向上して低コストに製造できるものとすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に、記録層、記録補助層、制御層及び初期化
層の4つの磁性層が順次積層され、これらの磁性層は垂
直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元素の非晶質
合金から成り、かつ少なくとも記録補助層、制御層及び
初期化層が室温で交換結合している光磁気記録媒体であ
って、前記初期化層の基板と反対側に交換結合力遮断層
を介して、遷移金属元素の副格子磁化が優勢であり且つ
保磁力が5kOe以下のバイアス磁界補助層を設けたこ
とを特徴とする。
【0014】本発明は、このような構成により、外部の
バイアス磁界を補助することで小さな外部のバイアス磁
界とすることができ、バイアス磁界を補助することによ
り記録及び消去時に確実な転写を実現することでC/N
比等の記録再生特性が向上し、また転写のベースになる
磁性層の保磁力とバイアス磁界とのバランスがとれるよ
うに、磁性層の組成及び磁気的特性の細かな制御をする
必要がなくなるので、製造のマージンが広がる。また、
従来、記録層に対するロー記録時の磁化方向の転写と、
ハイ記録時に記録層の磁化方向をバイアス磁界方向に揃
えることの両方を記録補助層単独で行っていたが、記録
層に対するロー記録時の磁化方向の転写を記録補助層
に、ハイ記録時に記録層の磁化方向をバイアス磁界方向
に揃えることをバイアス磁界補助層に担わせることによ
り、それぞれを最適な特性となるように構成できる。
【0015】また、初期化層とバイアス磁界補助層との
間に、両層の交換結合力を遮断する交換結合力遮断層を
設けることにより、初期化層とバイアス磁界補助層が交
換結合するのを防ぐと共に、バイアス磁界特性のみを向
上し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の媒体M2の基本的な磁性
層構成を図1に示す。同図において、1はポリカーボネ
ート等のプラスチック,ガラス等の透明材料から成り、
プリグルーブが形成されたディスク状の基板、2はM
層、3はW層、4はS層、5はI層、6は交換結合力遮
断層、7はバイアス磁界補助層である。
【0017】前記基板1とM層2との間に、サイアロン
(Si,Al,O,Nの非晶質膜),イットリウムサイ
アロン(Y,Si,Al,O,Nの非晶質膜),Si3
4,SiO2 等から成る保護層を設けてもよく、更に
バイアス磁界補助層7の上に、サイアロン,イットリウ
ムサイアロン,Si3 4 ,AlTi,SiO2 等から
成る保護層を形成してもよい。このような保護層は、磁
性層の損傷、酸化を防止するために設けられる。
【0018】そして、各磁性層は全動作温度範囲(室温
〜約300℃)内で垂直磁気異方性を示し、W層3、S
層4及びI層5は室温で交換結合している。場合によっ
ては、即ち”0”又は”1”のいずれかの状態で、M層
2とW層3も室温で交換結合している。
【0019】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTMと、Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。例えば、
各磁性層はTbFe,TbFeCo,GdFeCo,G
dTbFeCo等から成る。また、これらの磁性層はス
パッタリング法等の薄膜形成法により形成する。
【0020】本発明において、バイアス磁界補助層7の
キュリー温度は約250℃〜約300℃が好適であり、
250℃未満では、W層3を記録時に加熱する際にバイ
アス磁界補助層7の磁化が小さ過ぎ、バイアス磁界の大
きさが不十分になる。また、記録時の加熱によりバイア
ス磁界補助層7の磁化が反転し易くなる。300℃を超
えると、記録ビット周辺での飽和磁化の増大が抑えら
れ、レーザスポット中心部に強い磁化が残留してしまい
これが逆方向バイアス磁界を発生させる。
【0021】バイアス磁界補助層7の保磁力は5kOe
以下が良く、5kOeを超えると飽和磁化が小さくなる
ためバイアス磁界の発生が不十分となる。また、前記保
磁力は1Oe以上とするのが良く、1Oe未満では20
0℃程度以上の高温域で垂直磁化を保持できなくなり、
バイアス磁界の発生が不十分となる。この保磁力はカー
効果測定装置で測定できる。
【0022】バイアス磁界補助層7の厚みは約200Å
〜約600Åが良く、200Å未満ではバイアス磁界の
発生が不十分となり、600Åを超えると全体の記録感
度が低下し高出力のレーザ光が必要になる。
【0023】上記のような特性のバイアス磁界補助層7
としては、TbFeCo,DyFeCo,GdTbFe
Co等の組成の磁性層が良く、その組成比は(Tb,D
y,GdTb)x (Fe1-y Coy 1-x (0.15<
x<0.35,0.10<y<0.15)の範囲にする
のが好ましい。
【0024】本発明の交換結合力遮断層6は、アモルフ
ァスSiN(a−SiNと表記する),SiO2 ,Zn
S,AlN等の誘電体層、又はTi,Al,Cr等の非
磁性金属層が良く、これらは磁気特性に悪影響を与え
ず、耐久性に優れ、磁性金属元素との密着性も良好であ
る。
【0025】交換結合力遮断層6の厚さは、10〜20
0Åが良く、10Å未満ではI層5とバイアス磁界補助
層7との間に作用する交換結合力を完全に遮断できず、
200Åを超えるとバイアス磁界補助層7に対する加熱
が不十分になり、レーザビーム中心での磁化が残留す
る。
【0026】一方、M層2については、そのキュリー温
度は約180℃〜約240℃が好適であり、180℃未
満ではC/N比が低下し、240℃超ではW層3のキュ
リー温度と同等以上となるため、W層3からM層2への
磁化を転写する際の転写可能な温度幅が狭くなり、記録
パワーの設定が困難になる。
【0027】また、M層2の組成はTbFeCo,Tb
DyFeCo等が良く、その組成比は20at%≦Tb
≦30at%,0at%≦Dy≦10at%,50at
%≦Fe≦75at%,0at%<Co≦15at%
が、キュリー温度が約180℃〜約240℃となる。
【0028】M層2の厚みは約100Å〜約300Åが
よく、100Å未満ではM層2の交換結合力が強すぎ、
300Å超ではW層3からM層2への交換結合力による
磁化の転写が困難になる。
【0029】そして、W層3,S層4,I層5について
は基本的に従来のものと同様であるが、W層3をTMリ
ッチとして補償温度のないものとし、かつ室温でW層3
の保磁力が最も大きく、次いでM層2,I層5,S層4
の順となるように構成することもできる。この場合、バ
イアス磁界依存性が改善され、オーバーライトを確実に
安定的に行うことができる。
【0030】また、W層3が室温でTMリッチの場合、
磁性層組成としてGdTbFeCo等があり、GdとT
bの原子比がGd:Tb=4:1〜3:2であるものが
好ましい。Tb/Gd<1/4の場合、W層3はREリ
ッチで補償温度がないものとなり、M層2のキュリー温
度付近でM層2との温度及び保磁力のマージンが小さく
なり、またW層3のバイアス磁界に対する磁界依存性も
劣化する。Tb/Gd>2/3の場合、REリッチで補
償温度が存在するものとなるが、補償温度が低くなりす
ぎて、M層2のキュリー温度付近でM層2との温度及び
保磁力のマージンが小さくなる。
【0031】I層5については、GdTbFeCoが良
く、0at%≦Gd≦20at%,20at%≦Tb≦
40at%,0at%≦Fe≦30at%,0at%≦
Co≦60at%,1/4<(Gd+Tb)/(Fe+
Co)<2/3,Gd<Tb,Fe<Coの組成比のも
のが、キュリー温度が約300℃以上で比較的大きな所
望の保磁力を有するものとなる。
【0032】本発明は、基本的にM層2,W層3,S層
4,I層5,交換結合力遮断層6,バイアス磁界補助層
7の少なくとも6層を有しており、M層2とW層3との
間に交換結合力調整層(Interface wall energy layer
で、以下、int層という)を設けてもよく、その場
合、M層2とW層3間に働く交換結合力を少なくとも室
温で遮断することにより、W層3の初期化及び昇温時に
おけるW層3からM層2への磁化方向の転写をスムーズ
にできる。また、基板1とM層2との間に読出専用の読
出層(Reading layer で、以下、R層という)を設ける
ことで、C/N比を改善することもできる。また、本発
明によるオーバーライトの基本的なメカニズムは図3と
同様である。
【0033】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、外
部のバイアス磁界を補助することで小さな外部のバイア
ス磁界とすることができ、バイアス磁界を補助すること
により記録及び消去時に確実な転写を実現することでC
/N比等の記録再生特性が向上するという作用効果を有
する。
【0034】本発明において、各磁性層を基板の両面に
積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板を貼
り付けることにより、2倍の記録密度としてもよい。ま
た、レーザビームをパルス変調する光強度変調方式によ
るオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるものであ
れば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0035】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0036】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0037】(実施例)図1に示す磁性層構成の光磁気
ディスクを以下のようにして構成した。ポリカーボネー
トから成る3.5インチ径のディスク状の基板1の主面
上に、マグネトロンスパッタリング法により、a−Si
Nの誘電体層(図示せず)を500Å成膜した。
【0038】次いで、マグネトロンスパッタリング法に
より、 〔1〕REリッチ,補償温度約120℃,膜厚約300
Å,キュリー温度約320℃でGd28Fe60Co22から
成るR層(図示せず) 〔2〕TMリッチ,膜厚約250Å,保磁力約13kO
e(室温),キュリー温度約190℃のTb25Fe60
15から成るM層2 〔3〕REリッチ,膜厚約100Å,保磁力約0.5k
Oe(室温),キュリー温度約230℃のint層(図
示せず) 〔4〕REリッチ,膜厚約300Å,保磁力約7kOe
(室温),キュリー温度約240℃のGd10Tb20Fe
65Co5 から成るW層3 〔5〕TMリッチ,膜厚約100Å,キュリー温度約1
30℃のTb25Fe75から成るS層4 〔6〕REリッチ,キュリー温度約350℃,補償温度
約280℃のTb30Fe10Co60から成るI層5 〔7〕厚さ50Åのa−SiNから成る交換結合力遮断
層6 〔8〕TMリッチ,膜厚約200〜600Å,保磁力約
2kOe(室温),キュリー温度約260℃のTbFe
Co,DyFeCo又はGdTbFeCoから成るバイ
アス磁界補助層7 を順次積層した。
【0039】更に、バイアス磁界補助層7上にa−Si
Nの誘電体層(図示せず)をマグネトロンスパッタリン
グ法で300Å積層し、その上に紫外線防止用の樹脂層
をコートして光磁気ディスクを作製した。また、比較例
として、交換結合力遮断層6及びバイアス磁界補助層7
がないもの、バイアス磁界補助層7を100Å,800
OÅ,1000Åとした以外は本実施例と同様に作製し
たものを用いた。
【0040】そして、バイアス磁界補助層7の組成比及
び厚さを種々に変化させた場合について、100Oeの
低外部バイアス磁界下で測定した再生時のC/N比を表
1に示す。また、オーバーライトの条件は以下のような
ものであった。最初に回転数3000rpm、初期化磁
界5kOeで12mWのレーザビームを基板1側から照
射して初期化し、その後、バイアス磁界100Oeの下
で10mWと3mWにパルス変調されたレーザビームを
基板1側から照射して、6.96MHz,デューティー
20%の信号を2回オーバーライトし、1.5mWの再
生用レーザで再生した。これついて、光波長680n
m,3600rpmの評価機を用いて、再生時のC/N
比を測定した。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すように、本実施例では、低い外
部バイアス磁界下においてもバイアス磁界補助層7によ
りM層2への磁化方向の転写が確実に行えたと推定さ
れ、いずれのものも48.5dB以上の高いC/N比を
示した。これに対し、比較例では47.5dB以下とC
/N比が劣化した。
【0043】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、初期化層の
基板と反対側に交換結合力遮断層を介して、遷移金属元
素の副格子磁化が優勢であり且つ保磁力が5kOe以下
のバイアス磁界補助層を設けたことにより、外部のバイ
アス磁界を補助することで小さな外部のバイアス磁界と
することができ、記録及び消去時に確実な転写を実現す
ることでC/N比等の記録再生特性が向上し、また転写
のベースになる磁性層の保磁力とバイアス磁界とのバラ
ンスがとれるように、磁性層の組成及び磁気的特性の細
かな制御をする必要がなくなるので、製造のマージンが
広がり歩留りが向上する。
【0044】また、従来、記録層に対するロー記録時の
磁化方向の転写と、ハイ記録時に記録層の磁化方向をバ
イアス磁界方向に揃えることの両方を記録補助層単独で
行っていたが、記録層に対するロー記録時の磁化方向の
転写を記録補助層に、ハイ記録時に記録層の磁化方向を
バイアス磁界方向に揃えることをバイアス磁界補助層に
担わせることにより、それぞれを最適な特性となるよう
に構成できる本発明の光磁気記録媒体はオーバーライト
可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁気カー
ド、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体M2の磁性層構成を示
す部分断面図である。
【図2】従来の光磁気記録媒体M1の磁性層構成を示す
部分断面図である。
【図3】従来の光磁気記録媒体のオーバーライトのメカ
ニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:M層 3:W層 4:S層 5:I層 6:交換結合力遮断層 7:バイアス磁界補助層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、記録層、記録補助層、制御層及
    び初期化層の4つの磁性層が順次積層され、これらの磁
    性層は垂直磁気異方性を有し希土類元素と遷移金属元素
    の非晶質合金から成り、かつ少なくとも記録補助層、制
    御層及び初期化層が室温で交換結合している光磁気記録
    媒体であって、前記初期化層の基板と反対側に交換結合
    力遮断層を介して、遷移金属元素の副格子磁化が優勢で
    あり且つ保磁力が5kOe以下のバイアス磁界補助層を
    設けたことを特徴とする光磁気記録媒体。
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