JPH10334527A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH10334527A
JPH10334527A JP14063197A JP14063197A JPH10334527A JP H10334527 A JPH10334527 A JP H10334527A JP 14063197 A JP14063197 A JP 14063197A JP 14063197 A JP14063197 A JP 14063197A JP H10334527 A JPH10334527 A JP H10334527A
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JP
Japan
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layer
temperature
recording
magnetization
layers
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Application number
JP14063197A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Tanaka
浩貴 田中
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録補助層のバイアス磁界依存性を向上させ、
良好なオーバーライト特性が得られるものとする。 【解決手段】基板1上に、垂直磁気異方性を持ったM層
3と、該M層3上にM層3よりも高いキュリー温度を有
する垂直磁気異方性のW層4a,4bと、前記M層3と
W層4a,4bとの間に積層され両層の交換結合力を調
整するint層8とが設けられ、前記W層4a,4bが
2層構造をなし、かつ該M層3側に高保磁力層(W層4
a)が配されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により光磁気的に再生を行う
光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上向き磁化か下向き磁化とするこ
とにより2値情報(0,1)を記録する記録層(Memory
layerで、以下、M層と略す)と、M層よりも高いキュ
リー温度と室温超の所定温度以上で記録層よりも大きな
保磁力を有し、外部のバイアス磁界(記録磁界)により
昇温時に磁化方向が反転可能な記録補助層(Writing la
yer で、以下、W層と略す)とを基板上に積層して、ダ
イレクトオーバーライト(以下、オーバーライトとい
う)を可能とした光磁気記録媒体(以下、媒体と略す)
が提案されている。
【0003】例えば、M層としての第1磁性層と、W層
としての第2磁性層と、制御層(Switching layer で、
以下、S層と略す)としての第3磁性層と、初期化層
(Initializing layerで、以下、I層と略す)としての
第4磁性層とを備え、これらが特定のキュリー温度の高
低関係と保磁力の大小関係を有し、オーバーライト可能
なものが知られている(特許第2505602号公報参
照)。
【0004】このような、M層,W層,S層,I層を有
するタイプのオーバーライト動作を図4に示す。同図
は、光強度変調方式によるオーバーライトの基本的なメ
カニズムを説明する磁化の状態図である(日本応用磁気
学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,1990 参照)。同図にお
いて、各磁性層の正味の磁化方向はTM(遷移金属元
素)副格子磁化とRE(希土類元素)副格子磁化の合成
ベクトルで表され、カー効果による情報の読出(再生)
にはTM副格子磁化が関与する。磁気的組成は、M層が
TMリッチ(TMが磁気的に優勢)、W層がREリッチ
(REが磁気的に優勢)、S層がTMリッチ、I層がR
Eリッチで、W層とI層が室温Troomよりも高温で補償
温度を有する。
【0005】M層のキュリー温度をTc1、W層のキュリ
ー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層のキュリー
温度をTc3、I層のキュリー温度をTc4及び補償温度を
comp4 とすると、Troom<Tc3<Tcomp2 <Tc1<T
comp4 <Tc2<Tc4である。また、低温プロセスによる
ローパワー記録(以下、ロー記録という)時の最高温度
をTL 、高温プロセスによるハイパワー記録(以下、ハ
イ記録という)時の最高温度をTH とすると、TL ≒T
c1でTH ≒Tc2である。尚、ロー記録及びハイ記録は、
高低の2値にパルス変調されたレーザビーム等を媒体に
照射することにより行われ、低レベルのレーザビームの
照射部(ビット)でロー記録、高レベルのレーザビーム
の照射部(ビット)でハイ記録となる。
【0006】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層の保磁力が最も大きく、次いでW層,I層,S層
の順である。S層は最も保磁力及びキュリー温度が低
く、130℃程度で磁化が消失する。W層とI層は補償
温度付近で保磁力が発散する。また、M層とW層を比較
すると、M層は相対的に低いキュリー温度TC1と高い保
磁力を有し、W層はM層に比べて相対的に高いキュリー
温度TC2と低い保磁力を有する。
【0007】図4において、オーバーライト前の状態
は、Troomの状態であり、M層のTM副格子磁化が下向
き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
1”とする)か、若しくはM層のTM副格子磁化が上向
き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
0”とする)の2状態である。低温プロセスでは、高低
の2レベルにパルス変調されたレーザビームの低レベル
ビームが照射されることにより、前記2状態のいずれか
から出発して昇温され、Troomに戻ったときには”1”
状態に統一される。このとき、”0”状態から出発した
場合は、W層がTcomp2 の前後でTM副格子磁化とRE
副格子磁化の大小関係が反転し、Tcomp2 よりも高温で
正味の磁化方向が下向きに変化するため、その交換結合
力によりM層の磁化方向を反転させ、”1”状態に変化
する。
【0008】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層とS層の磁化が消失しW層の磁化も
消失するかきわめて小さい状態(最下段右から1又は2
番目の状態)まで昇温される。このとき、バイアス磁界
によりW層の正味の磁化方向が反転し、Tc1付近で交換
結合力によりM層の磁化方向を揃わせ、”0”状態とす
る。降温するにつれ、W層はTcomp2 付近でTM副格子
磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転し、TroomでS
層を通してI層の交換結合力により初期化される。そし
て、高温プロセス後の”0”状態では、M層とW層の各
々のTM副格子磁化とRE副格子磁化の方向が異なるた
め、その界面に界面磁壁が生じる。
【0009】更に、他の従来例として、光磁気記録層
(M層),非磁性層,バイアス磁性層(W層)が積層さ
れ、外部磁界を用いることなくバイアス磁性層の磁化に
よってオーバーライト可能とすることが提案されている
(特開昭60−294858号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、M層,W層,S層,I層の4層構成及び
光磁気記録層,非磁性層,バイアス磁性層の3層構成の
いずれの場合であっても、W層のバイアス磁界依存性
(バイアス磁界追従性)、及び、W層とM層の交換結合
を利用してM層の磁化方向を反転させることによる記録
・消去(”1”,”0”の反転)のC/N比が必ずしも
良好なものではなく、そのためオーバーライト動作も不
安定であった。例えば、106 回オーバーライトを行っ
た後では、BER(Bit Error Rate:ビットの記録誤り
率)が1×10-2以上で、C/Nが40dB以下若しく
は測定不可能となるというものであった。
【0011】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、W層のバイアス磁界依存
性を改善し、安定したオーバーライト動作を実現するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に、垂直磁気異方性を持った記録層と、該記
録層上に記録層よりも高いキュリー温度を有する垂直磁
気異方性の記録補助層と、前記記録層と記録補助層との
間に積層され両層の交換結合力を調整する交換結合力調
整層とが設けられ、前記記録補助層が多層構造をなし、
かつ該記録層側に高保磁力層が配されてなることを特徴
とし、記録補助層のハイ記録時の磁界依存性(磁界追従
性)及び磁化の安定性を高め、オーバーライト動作を良
好なものとする。
【0013】また、好ましくは、記録補助層をそれぞれ
補償温度を有する2層構造とし、記録層と反対側のもの
の補償温度が、記録層側のものの補償温度よりも高く且
つ記録層のキュリー温度よりも高いようにする。これに
より、記録層のキュリー温度以下で、記録層に記録補助
層の磁化方向を転写する際に、記録層側の記録補助層の
磁化方向がバイアス磁界の方向と一致しているため、記
録層への磁化の転写が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の媒体の基本的な磁性層構
成の断面図を図1に示す。同図において、1はポリカー
ボネート等のプラスチック,ガラス等の材料から成り、
プリグルーブが形成されたディスク状の基板、2はサイ
アロン(Si,Al,O,Nの非晶質膜),イットリウ
ムサイアロン(Y,Si,Al,O,Nの非晶質膜),
Si34 ,SiO2 等から成る保護層、3は垂直磁化
が上向きか下向きかにより2値情報(0,1)を記録再
生するためのM層、4a,4bは高温でバイアス磁界に
よって磁化方向が反転可能とされた2層構造のW層、5
は低キュリー温度であり、高温でその上下の磁性層の交
換結合を遮断するS層、6は最もキュリー温度が高く、
S層5とW層4a,4bの磁化方向を降温時に初期化す
るI層、7はAlTi,SiO2 等から成る保護層、8
はM層3とW層4a,4bとの間の交換結合力を調整す
る交換結合力調整層(Interface wall energy controll
ing layerで、以下、int層という)であり、例えば
室温で面内に磁化容易軸を有し、昇温するにつれ室温と
M層3のキュリー温度間で垂直磁気異方性になる温度域
を有するものである。
【0015】前記保護層2,7は磁性層の損傷、酸化を
防止し、更に必要に応じカー回転角をエンハンスするた
めに設けられる。そして、上記int層8を除く各磁性
層は全動作温度範囲で垂直磁気異方性である。
【0016】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等のTM(遷移金属元素:Transition M
etal elementで、以下、TMとする)と、Nd,Sm,
Gd,Tb,Dy,Ho等のRE(希土類元素:Rare E
arth elementで、以下、REとする)との非晶質合金か
ら成る。例えば、各磁性層はTbFe,TbFeCo,
GdFeCo,GdTbFeCo等から成る。
【0017】本発明において、W層4aの保磁力をH
c2a 、W層4bの保磁力をHc2b とすると、Hc2a >H
c2b である。好ましくは、0<Hc2a −Hc2b ≦5kO
eとするのがよく、5kOeを超えるとW層4aが面内
方向、特にディスクの周方向でHc2a のムラを発生し、
c2a の分布が大きくなるという点で不都合である。
【0018】また、8kOe≦Hc2a ≦12kOeとす
るのがよく、8kOe未満では、W層4aの補償温度
が、バイアス磁界によるW層4a,4bへの記録(磁化
方向の転写・反転)が行われるTc1よりも高くなり、W
層4aの正味の磁化方向がバイアス磁界の方向と反対に
なり、W層4aへのバイアス磁界による記録がし難くな
る。12kOe超では、W層4aが面内方向、特にディ
スクの周方向でHc2a のムラを発生し、Hc2a の分布が
大きくなる。
【0019】一方、2kOe≦Hc2b ≦8kOeとする
のがよく、2kOe未満では、W層4aとW層4bとで
記録ビットの大きさが違ってくるため、バイアス磁界に
よる記録が2段になり、またC/Nが低下する。8kO
e超では、106 回のオーバーライト後のBERが1×
10-4以上になる。このようなW層4a,4bとしての
磁性層は、Gda Dyb Tbc Fed Coe (a〜eは
at%)という組成で、W層4aの場合、0≦a≦5,
0<b≦30,0≦c≦10,45<d≦75,0<e
≦30とし、W層4bの場合、0≦a≦15,0<b≦
35,0≦c≦15,45<d≦75,0<e≦30と
するのが好適であり、前記組成比からはずれると保磁
力,補償温度,キュリー温度が下記の条件からはずれて
しまう。
【0020】即ち、前記組成及び組成比の磁性層は、M
層のキュリー温度とI層のキュリー温度との間にキュリ
ー温度を有し、補償温度を有するREリッチの磁性層と
なる。この場合、W層4a,4bのキュリー温度はほぼ
同じである。図3に、これらの保磁力−温度特性及びキ
ュリー温度、補償温度(破線部)を示す。W層4bの補
償温度Tcomp2b(≒Tcomp4 )がW層4aの補償温度T
comp2aよりも高くかつTc1よりも高くなっており、W層
4aの補償温度Tcomp2aはW層4bの補償温度Tcomp2b
よりも低くかつTc1よりも低くなっている。これは、T
c1以下の温度でM層にW層4aの磁化方向を転写する際
に、W層4aの磁化方向がバイアス磁界の方向と一致し
ているため、M層への記録が容易になるからである。
【0021】また、W層4aの厚みは100Å以上30
0Å以下とするのがよく、100Å未満では磁界依存性
が劣化し、300Å超では106 回のオーバーライト後
にBERが1×10-4以上になってしまう。W層4bの
厚みは100Å以上200Å以下とするのがよく、10
0Å未満では106 回のオーバーライト後にBERが1
×10-4以上になり、200Å超では磁界依存性が劣化
する。
【0022】また、W層は上記のような2層構造に限ら
ず、3層以上の多層構造であってもよく、その場合、M
層側から順次高保磁力層とする。このような多層構造の
W層の低保磁力層、例えば上記W層4bは降温時の初期
化過程で、まずI層の交換結合力により磁化方向が反転
し、次いで高保磁力層のWa層を反転させるという作用
を有する。よって、本発明は初期化がスムーズに行える
という効果も有する。
【0023】更に、M層3とW層4a,4bとの間に
は、室温で面内方向に磁化容易軸を有し、室温とM層3
のキュリー温度(約250℃)との間で垂直磁気異方性
を示すint層8が存在しており、そのため降温時の初
期化過程では、M層3とW層4a間の交換結合力よりも
I層6からW層4aに働く交換結合力の方が大きくな
り、初期化がスムーズになる。
【0024】図2は、本発明において、光強度変調方式
によるオーバーライトの基本的なメカニズムを説明する
磁化の状態図である。尚、同図において、図4と同じ箇
所には同一の符号を付している。各磁性層の磁気的組成
は、M層3がTMリッチ、W層4a,4bがREリッ
チ、S層5がTMリッチ、I層6がREリッチで、W層
4a,4bとI層6が室温Troomよりも高温で補償温度
を有し、int層8はREリッチである。また、各磁性
層のキュリー温度と補償温度の関係は、Troom<Tc3
comp2a<Tc1≒TC8<Tcomp2b≒Tcomp4 <Tc2<T
c4である。また、低温プロセスによるロー記録時の最高
温度をTL 、高温プロセスによるハイ記録時の最高温度
をTH とすると、TL ≒Tc1でTH ≒Tc2である。
【0025】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層3の保磁力が最も大きく、次いでW層4,I層
6,S層5の順である。S層5は最も保磁力及びキュリ
ー温度が低く、100〜150℃程度で磁化が消失す
る。W層4a,4bとI層6は補償温度付近で保磁力が
発散する。
【0026】図2において、各ビットのオーバーライト
前の状態は、Troomの状態であり、M層3のTM副格子
磁化が下向き(2値情報の”1”)か、若しくはM層3
のTM副格子磁化が上向き(2値情報の”0”)の2状
態である。低温プロセスでは、高低の2レベルにパルス
変調されたレーザビームの低レベルビームが照射される
ことにより、前記2状態のいずれかから出発して昇温さ
れ、Troomに戻ったときには”1”状態に統一される。
このとき、”0”状態から出発した場合は、W層4aが
comp2aの前後でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大
小関係が反転し、Tcomp2aよりも高温で正味の磁化方向
が下向きに変化し、その交換結合力によりM層3の磁化
方向を反転させ、”1”状態に変化する。
【0027】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層3とS層5の磁化が消失しW層4
a,4bの磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下
段右から1又は2番目の状態)まで昇温される。このと
き、バイアス磁界によりW層4a,4bの正味の磁化方
向が反転し、Tc1付近で交換結合力によりM層3の磁化
方向を揃わせ、”0”状態とする。降温するにつれ、W
層4aはTcomp2a付近でTM副格子磁化とRE副格子磁
化の大小関係が反転し、更に降温すると、W層4b,4
aが順次S層5を通してI層6の交換結合力により初期
化される。そして、高温プロセス後の”0”状態では、
M層3とW層4aの各々のTM副格子磁化とRE副格子
磁化の方向が異なるが、int層8があるためM層3と
W層4aの交換結合は遮断されている。
【0028】上記実施形態においては、M層,W層,S
層,I層の基本4層にint層を付加したものについて
説明したが、S層とI層は必ずしも必要ではなく、W層
の初期化を外部磁界等により行うものの場合はS層とI
層はなくてもよい。しかしながら、S層とI層がある方
が、余計な初期化磁石等が不要となり好ましい。
【0029】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、W
層のバイアス磁界依存性が向上するためM層への2値情
報の記録・消去が確実に行え、その結果、再生時のC/
N比が向上し、またオーバーライト特性も安定するとい
う作用効果を有する。
【0030】本発明において、各磁性層を基板1の両面
に積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板1
を貼り付けることにより、2倍の記録密度としてもよ
い。また、レーザビームをパルス変調する光強度変調方
式によるオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるも
のであれば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0031】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0032】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。まず、図
1に示すような、ポリカーボネートから成るディスク状
の基板1上に、アモルファスSiN(900Å)から成
る保護層2を成膜した。
【0033】次いで、TMリッチ,膜厚約400Å,保
磁力約10kOe,キュリー温度約230℃のTb21
72Co7 からなるM層3、REリッチ,膜厚約200
Å,保磁力約10kOe,キュリー温度約280℃,補
償温度約200℃のDy15Fe55Co20からなるW層4
a、REリッチ,膜厚約200Å,保磁力約6kOe,
キュリー温度約280℃,補償温度約260℃のDy20
Fe55Co25からなるW層4b、TMリッチ,膜厚約2
00Å,保磁力約3kOe,キュリー温度約150℃の
Tb21Fe79からなるS層5、REリッチ,膜厚約80
0Å,保磁力約2kOe,キュリー温度約350℃,補
償温度約260℃のTb25Fe5 Co70のI層6を積層
した。
【0034】また、M層3とW層4aとの間には、RE
リッチ,膜厚約200Å,キュリー温度約250℃のG
30Fe65Co5 からなり、室温(約20〜30℃)で
面内に磁化容易軸を有し、昇温するにつれ200℃付近
で垂直磁気異方性に変化するint層8を設けた。
【0035】更に、アモルファスSiN(300Å)と
Al(600Å)から成るの保護層7を順次スパッタリ
ング法により成膜し、保護層7の上に紫外線防止用の樹
脂層をコートして光磁気ディスクを作製した。
【0036】上記構成において、各磁性層の膜厚を上記
値から種々の値に変化させた場合の、C/N比とオーバ
ーライト動作(OW動作)の合否判定の結果を表1に示
す。表1中の比較例1〜4はW層が1層の例である。表
1中のC/N比は、回転数3000rpm,初期化磁界
5KOeで12mWのレーザビームを照射して初期化
し、その後、バイアス磁界300Oeの下でピークパワ
ーレベル10mW,ベースパワーレベル3mWにパルス
変調されたレーザビームを照射して、5.8MHzの信
号をオーバーライトし、1.5mWの再生用レーザで再
生したときのものである。また、オーバーライト動作の
合否判定は、106 回のオーバーライト後にBER<1
×10-4でC/N比≧49dBのものを合格(○印)と
し、前記条件を満たさないものを不合格(×印)として
行った。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように、実施例1〜5のものは
いずれもC/N比が50.0dB以上で、オーバーライ
ト動作も良好で安定している。
【0039】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、W層を多層
構造とし、かつW層のM層側に高保磁力層を配すること
により、W層のバイアス磁界依存性が向上するためM層
への2値情報の記録・消去が確実に行え、その結果、再
生時のC/N比が向上し、またオーバーライト特性も安
定するという優れた効果を有する。
【0040】また、本発明の光磁気記録媒体はオーバー
ライト可能な媒体であればよく、光磁気ディスク、光磁
気カード、光磁気テープ等に応用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の磁性層の基本構成の
断面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体のオーバーライト動作
のメカニズムを説明する磁化の状態図である。
【図3】本発明の2層構造のW層の保磁力−温度特性を
示すグラフである。
【図4】従来の光磁気記録媒体のオーバーライト動作の
メカニズムを説明する磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:保護層 3:M層 4a:W層 4b:W層 5:S層 6:I層 7:保護層 8:int層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、垂直磁気異方性を持った記録層
    と、該記録層上に記録層よりも高いキュリー温度を有す
    る垂直磁気異方性の記録補助層と、前記記録層と記録補
    助層との間に積層され両層の交換結合力を調整する交換
    結合力調整層とが設けられ、前記記録補助層が多層構造
    をなし、かつ該記録層側に高保磁力層が配されてなるこ
    とを特徴とする光磁気記録媒体。
JP14063197A 1997-05-29 1997-05-29 光磁気記録媒体 Pending JPH10334527A (ja)

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JP14063197A JPH10334527A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 光磁気記録媒体

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