JPH10214442A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH10214442A
JPH10214442A JP1644697A JP1644697A JPH10214442A JP H10214442 A JPH10214442 A JP H10214442A JP 1644697 A JP1644697 A JP 1644697A JP 1644697 A JP1644697 A JP 1644697A JP H10214442 A JPH10214442 A JP H10214442A
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JP
Japan
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layer
temperature
recording
temp
magnetization
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JP1644697A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kajiwara
光広 梶原
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リード耐久性と広いロー記録可能領域を有し、
良好なオーバーライト特性が得られるものとする。 【解決手段】M層2とW層4間に設けられ、両層の交換
結合力を調整するint層3とを有する光磁気記録媒体
であって、前記int層3が、室温でREリッチで、M
層2のキュリー温度付近でREリッチの垂直磁気異方性
を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光強度変調方式等
の熱磁気記録により2値情報をオーバーライト可能で、
カー効果等の磁気光学効果により光磁気的に再生を行う
光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上向き磁化か下向き磁化とするこ
とにより2値情報(0,1)を記録する記録層(Memory
layerで、以下、M層と略す)と、M層よりも高いキュ
リー温度と室温超の所定温度以上で記録層よりも大きな
保磁力を有し、外部のバイアス磁界(記録磁界)により
昇温時に磁化方向が反転可能な記録補助層(Writing la
yer で、以下、W層と略す)とを基板上に積層して、ダ
イレクトオーバーライト(以下、オーバーライトとい
う)を可能とした光磁気記録媒体(以下、媒体と略す)
が知られている。そして、M層とW層間に、それらの交
換結合力を調整する中間層(交換結合力調整層:Interf
ace wall energy controlling layer で、以下、int
層という)を設けることで、交換結合力の大きさを所望
の範囲に調整したり、室温よりも昇温時に交換結合力を
大きくするといった構成が提案されている。
【0003】例えば、低いキュリー温度と高い保磁力を
有し垂直磁気異方性を示す第1磁性層と、これに比べて
相対的に高いキュリー温度と低い保磁力を有し垂直磁気
異方性を示す第3磁性層と、両磁性層間に設けられ、室
温で面内磁気異方性で昇温時に垂直磁気異方性を示す第
2磁性層(中間層)とから成るよう構成することによ
り、第1,第3磁性層間に働く交換力を調整し、室温よ
りも記録が行われる高温でより大きな交換結合力が働く
ようにしたものが提案されている(特開昭63−316
343号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、室温で面内磁気異方性で昇温時に垂直磁
気異方性であるという特性のint層を用いた場合、そ
の副格子磁化の磁化方向の温度依存性により、オーバー
ライト特性が劣化するという問題があった。すなわち、
前記int層としてよく使用されるGdFeCo膜の場
合、その組成比によっては、磁気の異方性が小さくキュ
リー温度直前に垂直磁化膜化する温度幅が狭いために、
M層とW層とが交換結合可能な温度幅が狭く、その交換
結合力も小さくなり、その結果、W層の磁化方向をM層
に十分に転写できなかった。
【0005】また、GdFeCo膜に発現した垂直磁化
による交換結合力も小さすぎ、M層の磁化方向をint
層を通じてW層の交換結合力により反転させるのが難し
くなり、従って、ローパワー記録(以下、ロー記録とい
う)が不可能か、可能であっても再生感度が不十分とな
る。これを回避するために、より希土類元素(Rare Ear
th elementで、以下、REとする)リッチな組成とし、
補償温度を200℃付近にして、補償温度前後の磁化に
よる交換結合力を大きくすることもできる。しかし、そ
のキュリー温度が350℃以上と高いため、W層のキュ
リー温度付近でもint層の磁化が十分に残存してい
る。その結果、W層のみならずM層にまでint層を通
して実効的なバイアス磁界が印加されることになり、ハ
イパワー記録(以下、ハイ記録という)時のバイアス磁
界特性が著しく劣化することとなる。
【0006】ここで、前記ロー記録とハイ記録は、高低
の2レベルにパルス変調されたレーザビームを記録ビッ
トに照射する等の熱磁気的手段により、記録ビット毎に
低温プロセスか高温プロセスのいずれかを設定し、これ
らのプロセスの違いにより異なる2値情報を記録するこ
とを意味する。そして、ロー記録は低温プロセスによ
り、ハイ記録は高温プロセスによる記録に相当する。例
えば、低レベルのレーザビームが照射されたM層の記録
ビットは、低温プロセスにより2値情報のいずれかの情
報(例えば”1”)に相当する磁化方向に統一され、高
レベルのレーザビームが照射されたM層の記録ビット
は、高温プロセスにより低温プロセスと異なる2値情報
(例えば”0”)に相当する磁化方向に統一される。こ
の場合、一般的に、ハイ記録時にW層の磁化方向がバイ
アス磁界により反転し、その反転した磁化方向をM層に
転写する。
【0007】更には、GdFeCo膜の場合、キュリー
温度直前に垂直磁化膜化することの再現性がきわめて不
安定である。また、成膜条件のばらつきに起因するin
t層,M層及びW層の内部応力変動、あるいはこれらの
磁性層の組成のばらつきによって、磁気の異方性やキュ
リー温度は変動するが、特にGdFeCo膜の場合はこ
れらの特性を均一にかつ再現性良く発現させることは困
難である。
【0008】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、int層の副格子磁化の
磁化方向の温度依存性を改善し、良好なオーバーライト
特性を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手投】本発明の光磁気記録媒体
は、熱磁気的に磁化方向を制御することにより情報を記
録し光磁気的に再生する垂直磁気異方性の記録層と、該
記録層と交換結合し記録層より高いキュリー温度を有す
る垂直磁気異方性の記録補助層と、前記記録層と記録補
助層との間に設けられ、両層の交換結合力を調整する中
間層とを有する光磁気記録媒体であって、前記中間層
が、室温域で希土類元素の副格子磁化が優勢な面内磁気
異方性を示し、記録層のキュリー温度付近の温度域で希
土類元素の副格子磁化が優勢な垂直磁気異方性を示すこ
とを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の媒体の基本的な磁性層構
成の断面図を図1に示す。同図において、1はポリカー
ボネート等のプラスチック,ガラス等の材料から成り、
プリグルーブが形成されたディスク状の基板、2は垂直
磁化が上向きか下向きかにより2値情報(0,1)を記
録再生するためのM層、3は室温域(約20〜30℃)
で希土類元素の副格子磁化が優勢(REリッチ)な面内
磁気異方性を示し、M層2のキュリー温度付近の温度域
でREリッチな垂直磁気異方性を示すint層、4は高
温でバイアス磁界によって磁化方向が反転可能とされた
W層、5は低キュリー温度であり、高温でその上下の磁
性層の交換結合を遮断する制御層(Switching Layer
で、以下、S層と略す)、6は最もキュリー温度が高
く、S層5とW層4の磁化方向を降温時に初期化する初
期化層(Initializing Layerで、以下、I層と略す)で
ある。そして、上記int層3以外の磁性層は全動作温
度範囲で垂直磁化膜である。
【0011】上記各磁性層は、基本的にCr,Fe,C
o,Ni,Cu等の遷移金属元素(Transition Metal e
lementで、以下、TMと略す)と、Nd,Sm,Gd,
Tb,Dy,Ho等のREとの非晶質合金から成る。上
記層構成において、基板1とM層2との間に、Si3
4 ,アモルファスSiN等から成る保護層及びカー回転
角エンハンス層を積層したり、I層6に更に前記のよう
な保護層を積層してもよい。
【0012】本発明のint層3は、Gdx Fey Co
z (30≦x≦40,35≦y≦65,0≦z≦30)
とするのが好ましく、xが30未満では保磁力,補償温
度,キュリー温度が膜厚に依存して大きく変化するよう
になり、40超では全動作温度範囲で垂直磁気異方性を
示さなくなる。また、yが35未満では全動作温度範囲
で垂直磁気異方性を示さなくなり、65超では保磁力,
補償温度,キュリー温度が膜厚に依存して大きく変化す
るようになる。Coはなくてもよいが、存在した場合補
償温度とキュリー温度の調節が可能になるという効果が
あり好ましく、zが30超ではバイアス磁界特性、すな
わちW層4のバイアス磁界追従性(バイアス磁界依存
性)が劣化する。より好ましくは、30≦x≦40,4
0≦y≦60,5≦z≦20とするのがよい。
【0013】また、int層3のキュリー温度Tcint
M層2のキュリー温度Tc1よりも小さいことが、int
層3に起因するW層4のバイアス磁界特性を向上させる
という点で好適である。より好ましくは、0℃<Tc1
cint≦40℃とするのがよく、Tc1−Tcintが40℃
を越えると、ロー記録時にW層4からM層2への磁化の
転写が可能になる温度(M層2の保磁力が十分小さくな
る温度)でint層3がキュリー温度に達するため、磁
化の転写ができなくなる。
【0014】図6は、基本4層(M層2,W層4,S層
5,I層6)において、光強度変調方式によるオーバー
ライトの基本的なメカニズムを説明する磁化の状態図で
ある(日本応用磁気学会誌 Vol.14,p165-170,NO.2,199
0 参照)。同図において、各磁性層の正味の磁化方向は
TM副格子磁化とRE副格子磁化の合成ベクトルで表さ
れ、カー効果による情報の読出(再生)にはTM副格子
磁化が関与する。磁気的組成は、M層2がTMリッチ、
W層4がREリッチ、S層5がTMリッチ、I層6がR
Eリッチで、W層4とI層6が室温Troomよりも高温で
補償温度を有する。
【0015】M層2のキュリー温度をTc1、W層4のキ
ュリー温度をTc2及び補償温度をTcomp2 、S層5のキ
ュリー温度をTc3、I層6のキュリー温度をTc4及び補
償温度をTcomp4 とすると、Troom<Tc3<Tcomp2
c1<Tcomp4 <Tc2<Tc4である。また、低温プロセ
スによるロー記録時の最高温度をTL 、高温プロセスに
よるハイ記録時の最高温度をTH とすると、TL ≒Tc1
でTH ≒Tc2である。
【0016】各磁性層の保磁力と温度の関係は、室温で
はM層2の保磁力が最も大きく、次いでW層4,I層
6,S層5の順である。S層5は最も保磁力及びキュリ
ー温度が低く、130℃程度で磁化が消失する。W層4
とI層6は補償温度付近で保磁力が発散する。また、M
層2とW層4を比較すると、M層2は相対的に低いキュ
リー温度TC1と低い保磁力を有し、W層4はM層2に比
べて相対的に高いキュリー温度TC2と高い保磁力を有す
る。これは、両層間に室温で面内磁気異方性のint層
3が存在するため、室温で両層は交換結合せず、その結
果、室温でW層4の保磁力をM層2よりも低くしてM層
2の磁化を安定化させる必要がないことによる。
【0017】図6において、オーバーライト前の状態
は、Troomの状態であり、M層2のTM副格子磁化が下
向き(最上段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
1”とする)か、若しくはM層2のTM副格子磁化が上
向き(最下段左から1番目の状態で、仮に2値情報の”
0”とする)の2状態である。低温プロセスでは、高低
の2レベルにパルス変調されたレーザビームの低レベル
ビームが照射されることにより、前記2状態のいずれか
から出発して昇温され、Troomに戻ったときには”1”
状態に統一される。このとき、”0”状態から出発した
場合は、W層4がTcomp2 の前後でTM副格子磁化とR
E副格子磁化の大小関係が反転し、Tcomp2 よりも高温
で正味の磁化方向が下向きに変化するため、その交換結
合力によりM層2の磁化方向を反転させ、”1”状態に
変化する。
【0018】また、高温プロセスでは、レーザビームの
高レベルビームが照射されることにより、前記2状態の
いずれかから出発して昇温され、Troomに戻ったときに
は”0”状態に統一される。この場合、いずれの状態か
ら出発しても、M層2とS層5の磁化が消失しW層4の
磁化も消失するかきわめて小さい状態(最下段右から1
又は2番目の状態)まで昇温される。このとき、バイア
ス磁界によりW層4の正味の磁化方向が反転し、Tc1
近で交換結合力によりM層2の磁化方向を揃わせ、”
0”状態とする。降温するにつれ、W層4はTcomp2
近でTM副格子磁化とRE副格子磁化の大小関係が反転
し、TroomでS層5を通してI層6の交換結合力により
初期化される。そして、高温プロセス後の”0”状態で
は、M層2とW層4の各々のTM副格子磁化とRE副格
子磁化の方向が異なるため、その界面に界面磁壁が生じ
る。
【0019】上記M層2の記録ビットの状態(”0”又
は”1”)が安定に存在するためには、M層2の磁化を
SM、厚みをhM 、W層4の磁化をMSW、厚みをhW
し、M層2とW層4の磁壁エネルギーをσW で表すと、
CM>σW /(2MSMM ),HCW>σW /(2MSW
W )という関係が成立すればよい。ただし、HCMはM層
2の保磁力で、HCWはW層4の保磁力であり、前記σW
/(2MSMM )及びσW /(2MSWW )は、M層2
とW層4のそれぞれに働く交換結合力である。この交換
結合力を抑制して、記録ビットの安定性を維持するため
に、中間層(int層3)を設ける。
【0020】一方、低温プロセスでは、昇温時にM層2
の保磁力が小さくなった際に、交換結合力によってM層
2の記録ビットの磁化方向を反転させるために、HCM
σW/(2MSMM )となる必要がある。また、良好な
オーバーライト記録とリード耐久性の点で、以下の3つ
の温度が独立に存在することが重要である。
【0021】(a)M層2のキュリー温度付近であっ
て、W層4からM層2への磁気転写動作が生じる温度
(ロー記録温度)。
【0022】(b)W層4のキュリー温度付近であっ
て、バイアス磁界によるW層4への書込み動作が生じる
温度(ハイ記録温度)。
【0023】(c)S層5のキュリー温度以下であっ
て、W層4の初期化動作が生じる温度(初期化温度)。
【0024】特に、(a)のロー記録温度については、
M層2の磁化反転方向(図6で下向き)とは逆向き(図
6で上向き)のバイアス磁界がかかっていること、再生
時にはバイアス磁界はかかっていないものの、ロー記録
開始温度(ローパワー最小値)と、記録ビットが安定に
維持された状態にある再生時の再生パワー最大値での媒
体温度とは、実際上重要な温度でありながらその差が微
妙である。
【0025】図2は、それを説明するものであり、M層
2のレーザパワーに対する磁化の変化を示す。同図中縦
軸のDiff(Differential:微分)出力は、レーザを光磁
気記録媒体に照射した時の反射光の偏光角θK 、すなわ
ちM層2の磁化の大きさ及び方向に相当し、偏光角測定
装置(ナカミチ株式会社製の「OMS−2000」)で
測定したものである。このとき、M層2,int層3,
W層4,S層5,I層6の5層を積層した光磁気ディス
クを、回転数3600rpm、記録レーザパワー8m
W、−300Oeのバイアス磁界で一旦ハイ記録し、次
いで−300Oeのバイアス磁界を印加しつつ消去用の
レーザを照射し、そのパワーを上げていったときの、M
層2の磁化の変化を示す。Diff出力が+から−に移行し
た領域がロー記録可能領域である。
【0026】消去レーザパワーが0〜2mW程度の範囲
が再生時の特性で、5mW程度以上の範囲がハイ記録時
の特性である。一般的に、int層3を設けて交換結合
力の大きさのみを調整した場合、交換結合力を小さくす
るとリード耐久性はある、つまり再生可能領域が大きく
なるが、ロー記録可能領域が狭くなりロー記録感度が低
下する。反対に交換結合力を大きくすると、ロー記録可
能領域が拡がるため記録感度は向上するものの、リード
耐久性が劣化してしまう。
【0027】このような問題を解決するために、本発明
のような、室温で面内磁気異方性であり高温で垂直磁気
異方性を示すという磁気転移温度を有するint層3を
適用することが好適である。図2において、曲線aが本
発明、曲線bが比較例1、曲線cが比較例2を示し、本
発明のものは消去レーザパワーに対して急峻な変化を示
し、そのためリード耐久性がありかつロー記録可能領域
も拡大している。
【0028】また、図3は本発明のint層3の磁核発
生磁界HN の温度による変化を示し、図4は比較例1、
図5は比較例2に相当する。本発明のものはHN が正
(垂直磁気異方性)の領域が広く(40℃〜50℃
幅)、HN の値も大きい。従って、T1 ≒TL 以下でロ
ー記録する際に、M層2とW層4の交換結合力が大きく
なるとともに交換結合可能な範囲が拡がるため、確実な
ロー記録ができオーバーライト特性が向上する。
【0029】それに対して、比較例1ではHN が正の領
域が20℃幅程度しかないため、ロー記録可能な領域が
狭く、比較例2では室温から常にHN が正になっている
ため、M層2とW層4の交換結合力がそれらの動作温度
範囲で常に働いており、リード耐久性が劣化する。
【0030】尚、磁核発生磁界HN とは、磁性体に外部
磁界を印加した場合に、磁性体中に磁区の核が発生した
2状態(磁化方向が反対の状態)の外部磁界の幅であ
り、それが正で値が大きい場合に、大きな垂直磁気異方
性の磁区が発生することになる。
【0031】かくして、本発明の光磁気記録媒体は、リ
ード耐久性に優れ、かつ広いロー記録可能領域を有し、
その結果、良好なオーバーライト特性が得られるという
作用効果を有する。
【0032】本発明において、各磁性層を基板1の両面
に積層するか、片面に各磁性層を積層した2枚の基板1
を貼り付けることにより、2倍の記録密度としてもよ
い。また、レーザビームをパルス変調する光強度変調方
式によるオーバーライトに限らず、熱磁気記録によるも
のであれば他の手段によってもオーバーライトできる。
【0033】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。まず、図
1に示すような、ポリカーボネートから成るディスク状
の基板1上に、M層2,int層3,W層4,S層5,
I層6を積層した光磁気ディスクを作成した。基板1と
M層2間には、保護層として、Y,SiN及びAl2
3 のアモルファスから成るイットリウムサイアロン(Y
SiAlON)層を形成し、I層6上の最上層には保護
層及び断熱層としてのAl合金(AlTi)層を設け
た。そして、前記各磁性層の諸特性を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】前記光磁気ディスクについて、図2のよう
なロー記録可能領域について測定したところ、約2.5
〜4.5mWで2mW幅となり、比較例1及び比較例2
の約2.5〜4mWで1.5mW幅に対し、約33%拡
大した。同時に、再生可能なレーザパワー最大値も約
2.2mWと2mWを越え、リード耐久性も向上した。
ここで、比較例1はGd28Fe50Co22で、室温で面内
磁気異方性でTMリッチ、昇温時に垂直磁気異方性でT
Mリッチである。比較例2はGd24Fe54Co22で、室
温及び昇温時ともに垂直磁気異方性でTMリッチであ
る。
【0037】そして、前記光磁気ディスクを用い、回転
数3600rpm,ロー記録パワー4.2mW,ハイ記
録パワー12mWで、6.98MHzの2値情報をバイ
アス磁界−300Oeでオーバーライトを行った場合、
ロー記録可能領域が拡がったため、記録ビットのエラー
レートは、比較例1,2が約6.22×10-3であった
のに対し、実施例では3.27×10-5というようにオ
ーバーライト特性が向上した。
【0038】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、int層3
が室温でREリッチの面内磁気異方性で、M層2のキュ
リー温度付近でREリッチの垂直磁気異方性を示すこと
により、昇温時に垂直磁気異方性となる領域が広くな
り、その結果、ロー記録可能領域が広がり、またリード
耐久性が向上する。従って、良好なオーバーライト特性
が得られるという優れた効果を有する。
【0039】また、本発明の光磁気記録媒体は、熱磁気
記録によりオーバーライト可能な媒体であればよく、光
磁気ディスク、光磁気カード、光磁気テープ等に応用可
能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の磁性層の基本構成の
断面図である。
【図2】ロー記録可能領域を説明するためのグラフであ
る。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の磁核発生磁界HN
温度との関係を示すグラフである。
【図4】比較例1の磁核発生磁界HN と温度との関係を
示すグラフである。
【図5】比較例2の磁核発生磁界HN と温度との関係を
示すグラフである。
【図6】オーバーライトの基本的なメカニズムを説明す
る磁化の状態図である。
【符号の説明】
1:基板 2:M層 3:int層 4:W層 5:S層 6:I層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱磁気的に磁化方向を制御することにより
    情報を記録し光磁気的に再生する垂直磁気異方性の記録
    層と、該記録層と交換結合し記録層より高いキュリー温
    度を有する垂直磁気異方性の記録補助層と、前記記録層
    と記録補助層との間に設けられ、両層の交換結合力を調
    整する中間層とを有する光磁気記録媒体であって、前記
    中間層が、室温域で希土類元素の副格子磁化が優勢な面
    内磁気異方性を示し、記録層のキュリー温度付近の温度
    域で希土類元素の副格子磁化が優勢な垂直磁気異方性を
    示すことを特徴とする光磁気記録媒体。
JP1644697A 1997-01-30 1997-01-30 光磁気記録媒体 Pending JPH10214442A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023188674A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 ソニーグループ株式会社 磁気記録媒体およびカートリッジ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023188674A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 ソニーグループ株式会社 磁気記録媒体およびカートリッジ

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