JP2903729B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2903729B2 JP3024119A JP2411991A JP2903729B2 JP 2903729 B2 JP2903729 B2 JP 2903729B2 JP 3024119 A JP3024119 A JP 3024119A JP 2411991 A JP2411991 A JP 2411991A JP 2903729 B2 JP2903729 B2 JP 2903729B2
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    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばレーザー光の光
強度変調によって繰返しオーバライトが可能な光磁気記
録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】光磁気相互作用によって情報ビット(磁
区)の読み出しを行う光磁気記録再生方法において、情
報の書き換えすなわちオーバライト(overwrite)を可能
にした記録方法としては、光磁気記録媒体に与える外部
磁場を変調する磁界変調型と、記録用のヘッドのほかに
消去用のヘッドを設ける2ヘッド型とが一般に知られて
いる。
【0003】磁界変調型の記録は、例えば、特開昭60−
48806 号公報に開示されているように、膜面に垂直な磁
化容易軸を有する非晶質フェリ磁性薄膜記録媒体に対
し、その記録を行う場合、例えばオーバライト部にレー
ザー光を照射して此処を局部的に加熱し、記録情報、例
えば“0”,“1”に応じて極性が反転変調された磁界
を磁性薄膜に垂直方向に与えて、その磁化による記録を
行うというものである。
【0004】ところが、この磁界変調型の記録による場
合、情報転送レートの高い高速記録を行おうとすると、
高い周波数で動作する電磁石が必要となり、作製上の問
題が生じてくると共に、消費電力、発熱の問題が生じて
くる。
【0005】一方、2ヘッド型記録は、オーバライトに
先立って消去ヘッドによっていわば記録媒体を初期化す
るものであり、この場合、2つのヘッドを離して設置す
ることからドライブシステムの組立製造の煩雑さ、大型
化、経済性に問題が生じて来る。
【0006】このような問題を解決するものとして、特
開昭63−52354 号公報、特開昭63−268103号公報、及び
特開平2−24801 号公報に開示された熱(光)磁気記録
方法の提案がある。
【0007】特開昭63−52354 号公報に開示された記録
方法は、図10にその基本的構造の断面図を示すよう
に、基板10上に、それぞれ非晶質希土類−遷移金属磁
性薄膜の垂直磁化より成るメモリー層となる第1の磁性
薄膜1と、記録層となる第2の磁性薄膜2とが磁気的に
結合して積層して成る磁気記録媒体を用い、所要の第1
の外部磁界の印加の下に第1の磁性薄膜1のほぼキュリ
ー温度TC1以上でかつ第2の磁性薄膜2の副格子磁化の
反転が生じない第1の温度T1 に加熱する第1の加熱状
態と、温度TC1以上でかつ第2の磁性薄膜の副格子磁化
を反転させるに充分な第2の温度T2 に加熱する第2の
加熱状態とを、記録しようとする情報例えば“0”,
“1”に応じて切換変調し、冷却過程で、第1及び第2
の磁性薄膜1及び2間の交換結合力により第1の磁性薄
膜1の副格子磁化の向きを第2の磁性薄膜2の副格子磁
化の向きに揃えて、例えば“0”,“1”の記録ビット
(磁区)を第1の磁性薄膜1に形成すると共に、第2の
外部磁界によって、或いは、第2の磁性薄膜2の組成
を、その補償温度が室温から第2の温度T2 間に存在す
るように設定することによって室温で第1の外部磁界の
みによって第2の磁性薄膜2の副格子磁化が初期化状態
での向き、即ち正方向に反転するようして、オーバライ
トが可能な状態を得るようにするものである。
【0008】この場合消去のための特別の過程(時間)
を要することがなく高転送レート化をはかることができ
るとか、上述した2ヘッド方式、或いは外部磁場変調方
法による場合の諸問題を解決できるものである。
【0009】これに対し特開昭63−268103号公報で開示
された記録方法では、上述の方法における第2の磁界の
省略、ないしは低減化をはかってその記録方法を実施す
る装置のより簡略化をはかることができるようにしたも
のであって、この場合図11でその基本的構造の断面図
を示すように、基板10上に、図10で示したメモリー
層(第1の磁性薄膜1)と記録層(第2の磁性薄膜2)
に加えて更に同様に希土類−遷移金属薄膜の垂直磁化膜
より成る第3の磁性薄膜3が磁気的に結合して順次積層
して成る磁気記録媒体を用い、膜面にほぼ垂直方向の外
部磁界Hexの印加の下で第1の磁性薄膜のほぼキュリー
温度TC1以下であって第2の磁性薄膜2の遷移金属の副
格子磁化の向きを所定の向き即ち正方向に保持する第1
の温度T1 による第1の加熱状態と、ほぼキュリー温度
C1以上で第2の磁性薄膜2の遷移金属の副格子磁化の
向きを上述の正方向と逆向きに反転し得る第2の温度T
2 による第2の加熱状態とを、記録しようとする情報例
えば“0”,“1”に応じて切換え変調し、第1及び第
2の加熱状態からの冷却過程で第3の磁性薄膜3におけ
る副格子磁化は常に正方向として第1の磁性薄膜1の副
格子磁化の向きを反転させることなく第2の磁性薄膜2
の副格子磁化を第3の磁性薄膜3の副格子磁化と同じ向
きに揃えるようにするものである。即ち、この場合、第
3の磁性薄膜3の磁化をもって第2の磁性薄膜2の正方
向に揃えるための外部磁界の省略ないしは減少をはかる
ことができるようにするものである。
【0010】更に、特開平2−24801 号公報に開示の記
録方法では、図12に基本的構造の断面図を示すよう
に、図10で説明した特開昭63−52354 号公報に開示の
記録方法において用いた記録媒体の第1及び第2の磁性
薄膜1及び2間に、両者間の磁壁エネルギーを制御する
中間磁性薄膜4を設けて、上述した第2の磁性薄膜2の
正方向への反転を確実に行うことができるようにするも
のである。
【0011】上述した各熱(光)磁気記録方法では、上
述した例えば“0”,“1”の情報を記録するための第
1及び第2の加熱は、例えばレーザー光の照射パワーを
変調することによって行うものであるが、このように2
種の加熱状態による記録を行う場合、相対的にスイッチ
ング温度が高くなり、繰返しオーバライトを行うなど高
温加熱が繰返されることによって磁性薄膜の結晶化や、
薄膜相互間の原子の拡散等が問題となり寿命の低下を来
す。特にメモリー層、即ち第1の磁性薄膜1の磁化の不
安定性は、安定確実なオーバライトを阻害し、信頼性の
低下を来す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、上述した少くともメモリー層と記録層の2層以上
の磁性薄膜を有し、例えば2値の記録情報に応じた2種
の温度によってその記録を行う記録態様を採る光磁気記
録媒体において、熱的信頼性の問題、寿命の問題であっ
て、これらの改善をはかる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその一
例の略線的断面図を示すように、それぞれ希土類−遷移
金属非晶質磁性薄膜より成る、少くともメモリー層とな
る第1の磁性薄膜11と、記録層となる第2の磁性薄膜
12とが磁気的に結合されて積層されて成る光磁気記録
媒体において、少くとも第1の磁性薄膜11が、図2に
その模式的拡大断面図を示すように、3.5Å〜10.5Åの
厚さの希土類金属層15REと、2.5Å〜22.5Åの厚さの遷
移金属層15TMの繰返し積層構造、すなわち人工格子構造
とする。
【0014】
【作用】上述した希土類金属層15REと、遷移金属層15TM
との繰返し積層構造によって第1の磁性薄膜11、即ち
メモリー層を構成する場合、信頼性の向上、長寿命化が
はかられた。
【0015】
【実施例】図1を参照してメモリー層となる第1の磁性
薄膜11と、記録層となる第2の磁性薄膜12を有する
光磁気記録媒体に適用する場合の一実施例を説明する。
この場合、例えばガラス、アクリル、ポリカーボネート
等の光透過性基板10上に保護膜または干渉膜となる透
明の例えば厚さ 800Åの SiN膜より成る誘電体層16を
形成し、これの上に例えば第1の磁性薄膜11、中間層
13、第2の磁性薄膜12を順次連続スパッタリングに
よって積層する。更にこれの上に非磁性金属膜或いは誘
電体膜例えば厚さ 800ÅのSiN 膜より成る保護膜17を
被着形成する。
【0016】第1及び第2の各磁性薄膜11及び12
は、それぞれ、図2で模式的に示すように希土類金属層
15REと、遷移金属層15TMとの繰返し積層の人工格子構造
とする。そして、第2の磁性薄膜12は、全体として例
えばGdTbFeCo30Cr4 の組成で厚さ 900Åとなるように、
第1の磁性薄膜11は、全体としてTbFeCo7Cr4で厚さ 3
00Åに形成する。
【0017】また、中間層14は、例えばGdFeCo7Cr4
100Åの厚さに形成する。
【0018】第1及び第2の磁性薄膜11及び12更に
中間層14は、例えば図3にその略線的平面図を示すよ
うに、4元のスパッタガン、すなわち4種のターゲット
21,22,23,24を有するスパッタ装置を用い
る。ターゲット21はFeCo30Cr4 より成り、ターゲット
22は、FeCo7Cr4合金より成り、ターゲット23はGdよ
り成り、ターゲット24はTbより成る。そして、基板1
0を、矢印aで示すように自転させ乍ら各ターゲット2
1,22,23,24によるスパッタ位置を順次通過す
るように相対的に矢印bで示す公転を行わしめる。そし
て、第1の磁性薄膜11の形成においては、FeCo7Cr4
ーゲット22とTbターゲット24のみを動作させ、矢印
a及びbの相対的自転及び公転を行ってスパッタリング
する。このようにすると、FeCo7Cr4による遷移金属層15
TMとTbによる希土類金属層15REとの繰返し構造によるTb
FeCo7Cr4の第1の磁性薄膜11を形成することができ
る。次に、FeCo7Cr4ターゲット22とGdターゲット23
のみを動作させて同様のスパッタリングを行ってGdFeCo
7Cr4による中間層14の形成を行い、続いて、FeCo30Cr
4 ターゲット21と、Gdターゲット23と、Tbターゲッ
ト24のみを動作させて同様のスパッタリングを行って
GdとTbによる希土類金属層15REと、FeCo30Cr4 による遷
移金属層15TMの繰返し積層構造によるGdTbFeCo30Cr4
よる第2の磁性薄膜12を形成する。
【0019】上述した構造による光磁気記録媒体に対す
る記録は、特開平2−24801 号公報に開示された方法と
同様にして行われる。即ち、この場合、図4に温度Tに
対応して上述した第1及び第2の各磁性薄膜11及び1
2における各磁化状態を短い矢印をもって模式的に示す
ように、室温TR 下において、両磁性薄膜11及び12
の磁化の向きが同一である状態Aと、互いに逆向きの状
態Bとの2態様によって例えば“0”,“1”の情報の
記録がなされる。そして、これら記録は、外部磁場Hex
の印加と、レーザー光照射による第1及び第2の加熱温
度T1 とT2 による加熱によって行われる。まず例えば
状態Aにある部位に対してレーザー光を照射して、この
レーザー光の強度あるいは照射時間を記録信号に応じて
変調制御してその加熱温度Tを、第1の磁性薄膜11の
ほぼキュリー温度TC1以上でかつ所要の外部磁場Hex
よって第2の磁性薄膜2に磁化反転の生じない第1の加
熱温度T1 に加熱する。このような加熱を行うと第1の
磁性薄膜11は磁化を失う状態Cを示すが、この加熱が
終了して磁性薄膜11及び12の積層膜が温度TC1に下
がると第1の磁性薄膜11に磁化が生じる。このとき、
第2の磁性薄膜12との交換結合力が支配的となるよう
になされていて、これによって第1の磁性薄膜11の磁
化の向きは、第2の磁性薄膜12と同一の向きとされ
る。つまり状態Aを生じさせて、例えば“0”の情報の
記録を行う。
【0020】一方、加熱温度Tを、上述の温度T1 以上
でかつ第2の磁性薄膜12の磁化を外部磁場Hexにより
反転させるに充分な第2の加熱温度T2 に加熱する。こ
のような加熱を行うと第1の磁性薄膜11は磁化を失
い、第2の磁性薄膜12の磁化が反転した状態Dが生じ
るが、この加熱が終了して磁性薄膜11及び12の積層
膜が温度TC1に下がると第1の磁性薄膜11に第2の磁
性薄膜12による交換結合力によって状態E、即ち元の
初期状態とその磁化の向きが逆の状態が形成されるが、
このとき外部補助磁場HSUB の印加によって室温TR
傍で第2の磁性薄膜12の磁化の向きを反転させ両磁性
薄膜11及び12の間には中間層14によって磁壁エネ
ルギーの制御によって所要の磁壁が生じた磁化状態B、
つまり磁化状態Aとは第1の磁性薄膜11の磁化の向き
のみが反転した状態Bを生じさせて例えば“1”の情報
の記録を行う。
【0021】このように状態A及び状態Bにより情報
“0”,“1”の記録がなされるものである。そして、
この場合これら状態A及び状態Bのいずれにおいてもこ
れの上に光強度変調オーバーライトが可能である。即ち
いずれの状態A、状態Bからも温度T1 及びT2 の加熱
を行う場合、状態Cの過程を経ることによって前述した
と同様に温度T1 及びT2 の選定によって初期の状態が
状態Aであるか状態Bであるかを問わず情報“0”及び
“1”によって状態A及び状態Bのオーバーライトが可
能となる。
【0022】そして、この光磁気記録媒体からの情報の
読み出しは、情報書き込みのレーザー光より充分パワー
の小さいレーザー光照射によって、光磁気相互作用、即
ちカー効果、ないしはファラデー効果による直線偏光の
偏光面の回転を光強度の変化として、これを電気的出力
に変換して検出する。
【0023】ここに、第1及び第2の磁性薄膜11及び
12の希土類金属層15REの厚さは、3.5 Å〜10.5Åに選
定する。これは、約1原子層から3原子層に相当する。
また、遷移金属層15TMの厚さは2.5 Å〜22.5Åに選定す
る。これは約1原子層から9原子層に相当する。図5は
この希土類金属層15REと遷移金属層15TMの積層の厚さ、
即ち両層の原子層の比RE:TMを変えたときの希土類金属
の全体に占める割合を示したもので、例えば希土類金属
層15REが1原子層、遷移金属層15TMを1原子層の割合と
したRE:TM=1:1では希土類の含有量は37%となり、
15REを1原子層、15TMを2原子層の割合としたRE:TM=
1:2では21重量%、RE:TM=1:4では14重量%程度
となるが、実際上この希土類金属層15REと、遷移金属層
15TMの周期積層構造において、その垂直異方性は、RE:
TM(原子層比)は1:1〜1:4に、即ち、磁性薄膜1
1及び12中の希土類金属の全体に対する割合は14〜37
重量%が望ましい。即ち、これら磁性薄膜に対する垂直
方向の保磁力HC と希土類金属の含有量の関係をみる
と、図6に示すようになる。
【0024】図7は、TbFeCo7Cr4による組成の第1の磁
性薄膜11と、GdTbFeCo30Cr4 の組成の磁性薄膜12を
用いて各組成を一定としたものにおいて、矢印bの公転
数を変化させて形成したときの繰返し記録可能回数の測
定結果を示したもので、図7中曲線71は、その公転数
を30rpm としたときで、このとき希土類金属層15REの厚
さは 3.7Åとなった。そして、曲線72及び73は、そ
れぞれ公転数を50rpm,80rpm としたときで、このとき希
土類金属層15REの厚さは、2.2 Å, 1.4 Åとそれぞれ測
定されたが、これらでは遷移金属層と希土類金属層との
繰返し積層構造が生じて来ないと思われる。そして、こ
の場合図4で説明した記録態様を採りHsub =6KOe、H
ex=600KOeとし、上述した第1の加熱状態の温度T1
得るため即ち上述の“0”の情報の記録のためのレーザ
ーパワーPL を6mWとし、第2の加熱状態の温度T2
ち上述の“1”の情報の記録のためのレーザーパワーP
h を変化させた場合の各記録可能回数、即ち寿命を測定
した場合である。この寿命は、繰返し記録によって通常
の光記録再生のエラー訂正可能なエラーレート1×10-4
バイトエラーレートとなった回数までをその寿命、即ち
記録可能回数とした。これによれば、本発明による曲線
71のものは、比較例としての曲線72及び72に比し
格段に長寿命化が達成されている。これは、熱的ダメー
ジが磁性薄膜11及び12に生じ難くなっていることに
因る。即ち上述した第2の温度T2 は例えば250 ℃〜30
0 ℃であれば良いが、上述の“0”と“1”の情報の記
録パワーPL とPh のマージンを大きくするためにPh
は大とされ、このときの加熱温度は500 〜600 ℃にも及
んでしまい、これによって非晶質磁性薄膜11及び12
が結晶化するなどのダメージが生じ易くなるが、本発明
によるときは、結晶化が生じ難くなって長寿命化がはか
られる。
【0025】これは、1個の希土類金属原子に対し、2
個の遷移金属原子が結合した基本的原子対が過不足なく
生じたときに、磁気的にすぐれた垂直異方性及び安定性
を示し、この状態が上述した3.5 Å〜10.5Å(1〜3原
子層)の希土類金属層15REと、2.5 〜22.5Å(1〜9原
子層)で、希土類金属が14〜37重量%で良好に得られる
ものと思われる。
【0026】尚、ここで各層15RE, 15TM等の厚さの測定
は、いわゆる小角(2θ)X線回折による回折強度測定
によって行った。
【0027】図1の例では、第1及び第2の磁性薄膜1
1及び12間に、両者間の交換結合、磁気エネルギーを
選定する中間層14を設けた光磁気記録媒体に本発明を
適用した場合であるが、図10で示した中間層14が介
在されない構成による光磁気記録媒体において、少くと
もそのメモリー層となる第1の磁性薄膜11、望ましく
はメモリー層及び記録層の両磁性薄膜11及び12を上
述したと同様の遷移金属層15TMと希土類金属層15REの繰
返し構造とすることができる。
【0028】また、本発明は、上述した図11の構造の
光磁気記録媒体に適用することもできる。図8は、この
場合の一実施例の略線的断面図で、図1と対応する部分
には同一符号を付す。この場合図11の各磁性薄膜1,
2,3に対応するメモリー層となる第1の磁性薄膜11
と、記録層となる第2の磁性薄膜12と、磁化保持膜と
なる第3の磁性薄膜13と、更に第2及び第3の磁性薄
膜12及び13と間に中間層24が介在された構成を採
った場合で、この場合においても少くともメモリー層と
なる第1の磁性薄膜11、更に記録層となる第2の磁性
薄膜12、更に望ましくは第1,第2,第3の磁性薄膜
11,12,13を共に、図2で説明した 3.5Å〜10.5
Åの厚さの希土類金属層15REと、2.5 Å〜22.5Åの厚さ
の遷移金属層15TMとの繰返し積層構造で、しかも各磁性
薄膜においてその組成が14〜37重量%の希土類金属を含
む組成とする。
【0029】この光磁気記録媒体に対する記録は、前述
の特開昭63−268103号公報に開示された方法を採り得
る。
【0030】第1,第2及び第3の磁性薄膜11,12
及び13は、遷移金属(TM)副格子磁化優勢膜いわゆるTM
リッチ膜であっても、希土類金属(RE)副格子磁化優勢膜
いわゆるREリッチ膜のいずれでも良い。
【0031】例えば第1及び第2の磁性薄膜11及び1
2は、室温からこれらの各キュリー温度TC1及びTC2
至る迄の温度でTMリッチ膜、第3の磁性薄膜13は、室
温から加熱温度T1 までREリッチ膜であるとする。
【0032】第1,第2,第3の磁性薄膜11,12,
13と中間層24は、それぞれキュリー温度をTC1,T
C2,TC3,TC4とすると、
【0033】TC1<TC2
【0034】TC4<TC2,TC3
【0035】TC4≦TC1 に選定する。
【0036】中間層24は、その膜厚を、この中間層2
4のキュリー温度TC4より低い温度で第2及び第3の磁
性薄膜12及び13間の交換力を充分に遮断し得る程度
において薄い膜厚例えば 100Åの膜厚に選定する。
【0037】この例では初期状態で例えば状態A、すな
わち、第1及び第2の磁性薄膜11及び12のTMスピン
方向が共に正方向にあって、この時第3の磁性薄膜13
もまたそのTMスピンが、第1及び第2の磁性薄膜11及
び12のそれと同方向にあるものとする。
【0038】今、この室温TR における初期状態Aか
ら、温度Tを第1の温度T1 或いは第2の温度T2 に昇
温する。この第1の温度T1 は、第1の磁性薄膜11の
ほぼキュリー温度TC1以上でかつ後述する外部磁場Hex
により第2の磁性薄膜12の磁化に反転が生じることの
ない温度とする。第2の温度T2 は、第1の温度T1
り高く、かつ第2の磁性薄膜12のTM副格子磁化を外部
磁場Hexによって反転させるに充分な、ほぼ第2の磁性
薄膜12のキュリー温度TC2以上の温度とする。
【0039】このような温度T1 或いはT2 への加熱が
終了した時には、その温度TがTC1より下がったときに
第1の磁性薄膜11に磁化が現れるが、このときその方
向の決定に関しては、磁性薄膜11及び12間のいわゆ
る交換結合力が支配的となるようにされているものとす
る。すなわち、媒体温度TがTC1より下がったときの磁
化状態としては、第1及び第2の磁性薄膜11及び12
のTM副格子磁化の向きは互いに揃った図9の状態Aある
いは状態Bのいずれかとなり、その加熱時の温度がT1
のとき状態Aに、加熱時の温度がT2 のとき状態Bとな
る。
【0040】図9において状態Eは、温度Tが第1の温
度T1 に昇温されて第1の磁性薄膜11の磁化が消失し
た状態であり、これより冷却過程で温度Tがほぼ第1の
磁性薄膜11のキュリー温度TC1以下となると前述した
ように第1の磁性薄膜11はTM副格子磁化が第2の磁
性薄膜12の交換結合力によって第2の磁性薄膜12の
それと同方向の磁化方向となり初期の状態Aとなって例
えば“0”の情報が記録される。また、図9において状
態Fは、温度Tが第2の温度T2 に昇温されて第1及び
第2の磁性薄膜11及び12の磁化が一旦消失ないし減
少して第2の磁性薄膜12のTM副格子磁化が磁界Hex
よって反転された状態で、この場合、中間層24の存在
によって第2及び第3の磁性薄膜12及び13間の交換
力が遮断されていることによって状態Fのように両膜1
2及び13のTM副格子磁化の向きが互いに逆向きとなる
ことができるようにされている。そして更に温度Tが、
第1の磁性薄膜11のキュリー温度TC1近傍に下がる
と、第2の磁性薄膜12による交換結合力によって第1
の磁性薄膜11に第2の磁性薄膜12と同方向つまり反
転方向のTM副格子磁化が生じ状態Gが生じる。第2及び
第3の磁性薄膜12及び13間の中間層24には第2及
び第3の磁性薄膜12及び13の副格子磁化の向きが互
いに逆向きとなることによって界面磁壁25が発生す
る。そして、更にこの状態Gから、温度Tが室温TR
で冷却して来ると、下記数1及び数2の条件の設定によ
って状態Bもしくは状態Cとなる。この時第1の磁性薄
膜11のTM副格子磁化が反転方向になることによって例
えば“1”の情報が記録される。
【0041】そして、ここで状態Cとなるときは、第1
及び第2の磁性薄膜11及び12の界面に互いのTM副格
子磁化すなわちTMスピンが逆向きとなることによって界
面磁壁25が生じることになる。ここで、状態Gから状
態Bをとるか、状態Cをとるかは、数1,数2で決定さ
れる。ここに、第2及び第3の磁性薄膜12及び13と
中間層24の各膜厚をh2 ,h3 及びh4 とし、磁化を
S2,MS3及びMS4とし、保磁力HC1,HC3及びHC4
し、計算上h4 ≪h2 ,h3 とし、MS4・HC4≪MS2
C2,MS3・HC3とする。また、第1及び第2の磁性薄
膜11及び12間の界面磁壁エネルギー密度をσW1
し、第2及び第3の磁性薄膜12及び13間の界面磁壁
エネルギーをσW2とすると、第3の磁性薄膜13が磁化
反転しない条件は、
【0042】
【数1】 σW2−2MS3・h3 ・Hex<2MS3・h3 ・HC3とな
る。また、状態Gから状態Cへの遷移条件は、
【0043】
【数2】 σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex>2MS2・h2 ・HC2
となる。更にまた、状態Gから状態Bへの遷移条件は、
【0044】
【数3】 σW2−σW1−2MS2・h2 ・Hex<2MS2・h2 ・HC2
となる。
【0045】したがって上記数1及び数2が共に満足さ
れる条件が与えられるときは、外部磁界Hex以外に何ら
特段の外部磁界が与えられずとも、室温で状態Cが得ら
れることになる。
【0046】一方、上記数1及び数3が共に満足されな
い場合は、室温で状態Bから状態Cへの遷移を行うに
は、図9に示すように、初期化状態における正方向の他
の外部磁界Hsub を必要とすることになる。
【0047】そして、上述した状態Cへの遷移によっ
て、第2及び第3の磁性薄膜12及び13の磁化の向
き、すなわちTMスピンの向きは、初期化状態の状態Aに
おけると同方向の正方向となっていることによって、次
の情報の書き換えに際しての、書き込み情報に応じた温
度変調、即ち第1及び第2の温度T1 及びT2 への温度
上昇に当たっては、初期化状態からの場合と同様に状態
Eに遷移されることからオーバライトが可能となる。
【0048】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば少くと
もメモリー層となる第1の磁性薄膜11と、記録層とな
る第2の磁性薄膜12を有する光磁気記録媒体におい
て、特にそのメモリー層を安定化したことによって、高
温記録によっても確実に、したがって高信頼をもって、
更に長寿命化をはかることができることから、実用に供
してその利益は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気記録媒体の断面図である。
【図2】磁性薄膜の模式的断面図である。
【図3】スパッタ装置の平面図である。
【図4】磁化状態図である。
【図5】希土類−遷移金属層の膜厚と組成の関係を示す
図である。
【図6】希土類金属の含有量と保磁力HC の関係を示す
図である。
【図7】繰返し記録可能回数の測定結果を示す図であ
る。
【図8】光磁気記録媒体の断面図である。
【図9】磁化状態図である。
【図10】従来の記録媒体の断面図である。
【図11】従来の記録媒体の断面図である。
【図12】従来の記録媒体の断面図である。
【符号の説明】
11 第1の磁性薄膜 12 第2の磁性薄膜 13 第3の磁性薄膜 14 中間層 24 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中沖 有克 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−311641(JP,A) 特開 平2−130739(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 506

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ希土類−遷移金属非晶質磁性薄
    膜より成る、少くともメモリー層となる第1の磁性薄膜
    と記録層となる第2の磁性薄膜とが磁気的に結合されて
    積層されて成る光磁気記録媒体において、少くとも上記
    第1の磁性薄膜が、 3.5Å〜10.5Åの厚さの希土類金属
    層と、2.5 Å〜22.5Åの厚さの遷移金属層の繰返し積層
    構造とされたことを特徴とする光磁気記録媒体。
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MY104246A (en) * 1988-10-20 1994-02-28 Mitsui Chemicals Inc Magnetooptical recording media.
NL8803168A (nl) * 1988-12-24 1990-07-16 Philips Nv Werkwijze voor het thermomagnetisch registreren van informatie en het optisch uitlezen van de geregistreerde informatie alsmede een registratie-element dat geschikt is voor toepassing in deze werkwijze.

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JPH04251454A (ja) 1992-09-07
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