JP3395189B2 - 光磁気記録方法 - Google Patents

光磁気記録方法

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JP3395189B2 JP10598691A JP10598691A JP3395189B2 JP 3395189 B2 JP3395189 B2 JP 3395189B2 JP 10598691 A JP10598691 A JP 10598691A JP 10598691 A JP10598691 A JP 10598691A JP 3395189 B2 JP3395189 B2 JP 3395189B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録方法例えば
レーザー光照射による光(熱)磁気記録方法であって、
その記録の読出しはカー回転角の検出によって行うこと
ができるようにした光磁気記録方法に関わる。 【0002】 【従来の技術】光磁気相互作用によって情報ビット(磁
区)の読み出しを行う記録媒体に対してのその情報の光
(熱)磁気記録方法においては、垂直磁化膜による磁性
薄膜を有する記録媒体に対し、その磁化の方向を膜面に
垂直な一方向に予め揃えるいわゆる初期化を施してお
き、この磁化方向と反対向きの垂直磁化を有する磁区を
レーザー光照射等の局部加熱により形成することによっ
て、2値化された情報ビットとして情報を記録してい
る。 【0003】光(熱)磁気記録方法においては、情報の
書き換えに先立って、記録された情報の消去(上記初期
化に相当)の過程すなわち消去のための時間を要し、高
転送レートでの記録を実現できない。これに対し、この
ような独立の消去過程の時間が不要とされた重ね書き、
いわゆるオーバーライト方式による記録方法が種々提案
されている。 【0004】このオーバーライト方式の光磁気記録方法
の中で有望視されている方法としては、例えば媒体に対
する外部磁場変調法と、記録用のヘッドの他に消去用の
ヘッドを設ける2ヘッド法とが知られている。 【0005】外部磁場変調法とは、例えば特公昭60−
48806号公報に開示されているように、膜面に垂直
な磁化容易軸を有する非晶質フェリ磁性薄膜記録媒体に
対する昇温用ビームの照射領域に入力デジタル信号電流
の状態に対応する極性の磁場を印加することにより記録
を行うものである。 【0006】ところで、上述のような外部磁場変調法に
よって情報転送レートの高い高速記録を行おうとする
と、例えばMHzオーダで動作する電磁石が必要とな
る。このような電磁石の作製は困難であり、また作製で
きたとしても消費電力及び発熱が大きく実用的でないと
いう問題点がある。また、2ヘッド法では、余分なヘッ
ドを必要とし、2つのヘッドを離して設置しなければな
らず、ドライブシステムへの負担が大きく、経済性が悪
く、量産にも向かない等の問題点を有している。 【0007】そこでレーザー光等による媒体の加熱温度
を切換制御することで容易に書き換えすなわちオーバー
ライトが可能な光磁気記録方法が注目される。 【0008】本出願人は、このような問題点の解決をは
かる光(熱)磁気記録方法を、特開昭63−52354
号出願、及び特開昭63−52355号出願で提供し
た。これら出願で提案された光(熱)磁気記録方法は、
第1及び第2の希土類−遷移金属磁性薄膜の積層構造に
よる熱(光)磁気記録媒体を用い、所要の第1の外部磁
場の印加の下に第1の磁性薄膜のほぼキュリー温度Tc
1 以上でかつ第2の磁性薄膜の副格子磁化の反転が生じ
ない第1の温度T1 に加熱する第1の加熱状態と、温度
Tc1 以上でかつ第2の磁性薄膜の副格子磁化を反転さ
せるに充分な第2の温度T2 に加熱する第2の加熱状態
とを、記録しようとする情報例えば“0”,“1”に応
じて切換変調し、冷却過程で、第1及び第2の磁性薄膜
の交換結合力により第1の磁性薄膜の副格子磁化の向き
を第2の磁性薄膜の副格子磁化の向きに揃えて、例えば
“0”,“1”の記録ビット(磁区)を第1の磁性薄膜
に形成すると共に、第2の外部磁場によって、或いは第
2の磁性薄膜組成を、その補償温度が室温から第2の温
度T2 間に存在するように選定することによって、室温
で第1の外部磁場のみによって第2の磁性薄膜の副格子
磁化が反転するようにして、オーバーライト可能な状態
を得るようにするものである。 【0009】この場合、消去のための特別の過程(時
間)を要することがなく高転送レート化を図ることがで
きるとか、上述した2ヘッド方式あるいは外部磁場変調
方式による場合の諸問題を解決できる。 【0010】上記特開昭63−52534号出願による
熱(光)磁気記録方法について説明すると、この記録方
法では、図8に温度Tに対応して上述した第1及び第2
の各磁性薄膜1及び2における各磁化状態を、各図示の
薄膜1及び2内に矢印をもって模式的に示すように、室
温TR 下において、両磁性薄膜1及び2の磁化の向きが
同一である状態Aと、互いに逆向きの状態Bとの2態様
によって例えば“0”,“1”の情報の記録がなされ
る。 【0011】これら記録は、記録磁界即ち第1の外部磁
場Hexの印加と、レーザー光照射による第1及び第2
の加熱温度T1 及びT2 による加熱によって行われる。 【0012】まず例えば状態Aにある部位に対してレー
ザー光を照射して、このレーザー光の強度あるいは照射
時間を記録信号に応じて変調制御してその加熱温度T
を、第1の磁性薄膜1のほぼキュリー温度Tc1 以上で
かつ所要の記録磁界(外部磁場)Hexによって第2の
磁性薄膜2に磁化反転の生じない第1の加熱温度T1
加熱する。このような加熱を行うと第1の磁性薄膜1は
磁化を失う状態Cを示すが、この加熱が終了して磁性薄
膜1及び2の積層膜が温度Tc1 以下に下がると第1の
磁性薄膜1に磁化が生じる。このとき、第2の磁性薄膜
2との交換結合力が支配的となるようになされていて、
これによって第1の磁性薄膜1の磁化の向きは、第2の
磁性薄膜2と同一の向きとされる。つまり、状態Aを生
じさせて、例えば“0”の情報の記録を行う。 【0013】一方、加熱温度Tを、上述の温度T1 より
高くかつ第2の磁性薄膜2の磁化を記録磁界(外部磁
場)Hexによって反転することができる第2の加熱温
度T2 に加熱する。このような加熱を行うと第1の磁性
薄膜1は磁化を失い、一方、第2の磁性薄膜2が記録磁
界Hexによってその磁化が反転した状態Dが生じる
が、この加熱が終了して磁性薄膜1及び2の積層膜が温
度Tc1 に下がると第1の磁性薄膜1に第2の磁性薄膜
2による交換結合力によって状態E、すなわちもとの初
期状態とはその磁化の向きが逆の状態が形成される。こ
のとき第2の磁性薄膜に対する初期化磁界即ち第2の外
部磁界、いわば外部補助磁場HSUb を印加して室温TR
近傍で保磁力が比較的低く選定されている第2の磁性薄
膜2のみの磁化の向きを反転させ、両磁性薄膜1及び2
間に磁壁MWが生じた磁化状態B、つまり磁化状態Aと
は第1の磁性薄膜1の磁化の向きのみが反転した状態B
を生じさせて例えば“1”の情報の記録を行う。 【0014】このように状態A及び状態Bにより情報
“0”,“1”の記録がなされこの第1の磁性薄膜1に
よる磁化の向きを読み出しレーザー光照射のカー回転に
よって検出するものである。 【0015】この場合これら状態A及び状態Bのいずれ
においてもこれの上に光強度変調オーバーライトが可能
である。すなわちいずれの状態A、状態Bからも温度T
1 及びT2 の加熱を行う場合、状態Cの過程を経ること
によって前述したと同様に温度T1 及びT2 の選定によ
って初期の状態が状態Aであるか状態Bであるかを問わ
ず情報“0”及び“1”によって状態A及び状態Bのオ
ーバーライトが可能となる。 【0016】ところで、上述の構成による光磁気記録媒
体では、その第1及び第2の磁性薄膜1及び2の積層膜
の界面には、交換エネルギーが働いており、このために
第1の状態Bでは磁壁MWが発生するものであり、この
磁壁エネルギーσW は、下記数1となる。 【0017】 【数1】 σW ≒2((A1 1 1/2 +(A2 2 1/2 ) 【0018】(A1 及びA2 ,K1 及びK2 はそれぞれ
第1及び第2の磁性薄膜1及び2の交換定数、垂直磁気
異方性定数)そして、そのオーバーライトのために必要
な条件は、室温(−20℃〜60℃)において状態Bか
ら状態Aへの移行が生じることがないようにするための
条件下記数2となる。 【0019】 【数2】Hc1 >Hw1 =σW /2MS11 【0020】また状態Bから状態Eへの移行が生じない
ようにするために下記数3の条件を満足することが必要
である。 【0021】 【数3】Hc2 >Hw2 =σW /2Ms22 【0022】さらにまた状態Eにおいて、その第1の磁
性薄膜1が、外部補助磁場HSUb によって反転してしま
うことがないようにするためには、 【0023】 【数4】Hc1 ±Hw1 >HSUb 【0024】ここに左辺の+−は、第1の磁性薄膜1が
希土類金属優勢膜であり、第2の磁性薄膜2が遷移金属
優勢膜である場合は「+」となり、第1及び第2の磁性
薄膜1及び2が共に遷移金属優勢膜である場合は「−」
となる。 【0025】一方状態Eから状態Bへの移行を生じせし
めるためには、下記数5を満足することが必要である。 【0026】 【数5】 HSUb >Hc2 +Hw2 =Hc2 +σW /2Ms2 2 【0027】また、さらに加熱温度が第1の磁性薄膜1
のキュリー温度Tc1 近傍において、状態Cから状態A
への移行、すなわち第1の磁性薄膜1の磁化の向きが第
2の磁性薄膜2の磁化の向きに揃えられるためには、下
記数6の条件が満足されることが必要である。 【0028】 【数6】Hw1 >Hc1 +Hex 【0029】さらに状態Cから状態Eへの移行が生じな
いために、下記数7の条件が満足されることが必要であ
る。 【0030】 【数7】Hc2 −Hw2 >Hex 【0031】尚、上記各式においてHw1 及びHw2
上記数2及び数3で定義された交換結合力による実効的
磁界、Hc1 及びHc2 、Ms1 及びMs2 、h1 及び
2 はそれぞれ第1及び第2の磁性薄膜の保磁力、飽和
磁化、厚さである。 【0032】これらより明らかなように、室温において
は上記数2及び数3を満足し得る上で磁壁エネルギーσ
W は小さい方が望ましいが、実際には例えば文献:イン
ターマグ’87(Intermag’87)BB−07
よりK〜4×106 erg/cm3 ,A=2×10-6
rg/cmと推定すると、σW ≒2.5erg/cm 3
という可成り高い値を示す。 【0033】一方、2層膜ヒステリシスループからの実
測値ではσW =3〜8erg/cm 3 にある。今、仮に
σW =5erg/cm2 とし、HcMs≒0.45×1
6 erg/cm2 を用いてHex=2kOeとして上
記数7を室温TR で確保するには、すなわちHc2 −H
2 >2kOeを確保するには、h2 =1100Å,H
2 =4kOe,Hw2 ≦2kOe程度となり、第2の
磁性薄膜2の膜厚h2 が大きくなるとともに上記数5よ
り外部補助磁場HSUb が大きくなる。 【0034】一方、前述の図8で説明した光磁気記録方
法において、その室温での磁壁エネルギー密度σW を小
さくし、かつ上記数5を満足させるようなσW の温度特
性を改善することによって第2の磁性薄膜2の膜厚h2
及び外部補助磁場HSUb の減少をはかるものとして本出
願人は先に特開平2−24801号及び特開平2−12
1103号において熱磁気記録方法の提案をなした。 【0035】上記特開平2−24801号出願で提案さ
れた記録方法においては、図9に示す光磁気記録媒体1
0を用意するものである。この光磁気記録媒体10は、
垂直磁気異方性を有する第1及び第2の磁性薄膜1及び
2が面内磁気異方性もしくは小さい垂直磁気異方性を有
する第3の磁性薄膜3を介して順次磁気的に結合されて
積層された積層膜を有してなる。 【0036】そしてこの記録媒体10に対してレーザー
光照射による温度Tを図8で説明したと同様に図9に示
すように、第1及び第2の温度T1 及びT2 に加熱する
ことによる情報記録を行う。すなわち、第1の磁性薄膜
1のほぼキュリー温度Tc1 以上でかつ第2の磁性薄膜
2の磁気モーメントの反転の生じない第1の温度T1
加熱する第1の加熱状態と、第1の磁性薄膜1のキュリ
ー温度Tc1 以上でかつ第2の磁性薄膜2の磁気モーメ
ントを反転させるに充分な第2の温度T2 に加熱する第
2の加熱状態とを、記録しようとする情報信号に応じて
変調し、それぞれの加熱状態から冷却することにより上
述した状態A及び状態Bを得る。 【0037】このような方法においても、第1の磁性薄
膜1の磁化状態によって情報記録を行うものであるが、
この方法による場合、第1及び第2の磁性薄膜1及び2
が面内磁気異方性もしくは小さい垂直磁気異方性を有す
る第3の磁性薄膜3を介して磁気的に結合されているこ
とによって、第1および第2の磁性薄膜1及び2間の磁
壁エネルギーσW が低減化され、これによって上記数5
の条件が満たされやすくなり、前記状態EからBへの移
行すなわち第2の磁性薄膜2の初期化のための外部補助
磁場HSUb の低減化をはかることができると共に積層膜
全体の厚さの低減化をはかることができる。 【0038】ところで、前述した図8及び図9のいずれ
の場合も、第2の磁性薄膜2は、記録される磁区状態を
決める役割と、初期化磁界(外部補助磁場)の大きさを
決める役割とが課せられる。つまり第2の磁性薄膜2と
しては、初期化磁界を小さくするために、室温TR での
おおよその保磁力Hc2 が小さい材料を用いることが望
まれるが、このように室温での保磁力Hc2 が小さく実
効的な垂直磁気異方性が小さいときは、記録磁区状態
(形状、磁化状態)が乱れ、記録時ノイズが増加し、S
/N(C/N)が充分高められない。 【0039】 【発明が解決しようとする課題】本発明においては、こ
の初期化磁界(外部補助磁界HSUb )の低減化とノイズ
の低減化との相容れない課題の解決をはかることを目的
とする。 【0040】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともそ
れぞれ垂直磁気異方性を有する第1及び第2の磁性薄膜
が、第3の磁性薄膜を介して順次磁気的に結合されて積
層された積層膜を有してなり、この第2の磁性薄膜は、
交換結合され、共に室温で希土類金属優勢膜よりなる第
1及び第2の構成膜が積層されてなる光磁気記録媒体を
構成する。第1及び第2の構成膜の室温における保磁力
をそれぞれHc2-1 及びHc2-2とし、キュリー温度を
それぞれTc2-1 及びTc2-2 とするときに図2にその
関係を曲線121及び122で示すように、Hc2-1
Hc2-2 、Tc2-1 >Tc2-2 とする。また第3の磁性
薄膜は、第1及び第2の磁性薄膜の垂直磁気異方性より
小さく、垂直磁気異方性定数が1×106 erg/cm
3 以下を有する磁性薄膜によって構成される。 【0041】そしてこの光磁気記録媒体を用いて第1の
磁性薄膜のほぼキュリー温度Tc1近傍で第2の磁性薄
膜の磁気モーメントの反転を生じさせることのない第1
の温度T1 に加熱する第1の加熱状態と、キュリー温度
Tc1 以上で第1の構成膜の磁気モーメントを反転させ
るに充分な温度T2 に加熱する第2の加熱状態とを、記
録しようとする情報信号に応じて変調し、室温から第1
又は第2の加熱状態まで昇温し、この加熱状態から室温
まで冷却する全温度変化過程において、第1及び第2の
構成膜の間に界面磁壁が生じないものとする。 【0042】 【作用】本発明方法においても、その磁化態様は、図8
若しくは図9で説明した過程と同様の過程による記録、
再生方法が採られるが、上述したように本発明において
は、第2の磁性薄膜2を第1及び第2の構成膜21及び
22によって構成し、室温での保磁力Hc2-1 及びHc
2-2 をHc2-1 >Hc2-2 としたことによって、この第
2の磁性薄膜2全体の反転磁界Heff(保磁力)Hc
2 としては、保磁力の小さい第2の構成膜22の存在に
よってその低減化が図られることから、前記数5によっ
て初期化磁界(補助磁界)HSUb を低く抑えた状態で、
Tc2-1 >Tc2-2 としたことから、記録温度T2
は、Tc2-1 >T2-2とすることによって、この記録時
において保磁力の小さい第2の構成膜22は実質的にそ
の磁気的特性を失うようにすることができ、これの情報
磁区の形成への関与を回避でき、高いS/N(C/N)
を確保できる。つまり保磁力の高い第1の構成膜21に
よって情報磁区が形成されることから、発生した記録磁
区は鮮明となり、S/N(C/N)にすぐれた光磁気記
録を行うことができるものである。 【0043】 【実施例】本発明の一例を説明するに、まず図1を参照
してこれに用いる光磁気記録媒体Sについて説明する。
この光磁気記録媒体Sは例えばガラス板やアクリル板等
の光透過性基板5の一方の面に、保護膜または干渉膜と
なる透明の誘電体6を介して、第1の磁性薄膜1と、第
3の磁性薄膜3と、更に第2の磁性薄膜2を構成する第
1及び第2の構成膜21及び22とを順次例えばマグネ
トロン型スパッタ装置によって多源ターゲットをもって
形成する。 【0044】第1の磁性薄膜1は、希土類−遷移金属薄
膜による垂直磁気異方性の大きい磁性薄膜によって構成
される。 【0045】第2の磁性薄膜2の第1及び第2の構成膜
21と22とは、比較的大きい垂直磁気異方性を有する
材料と垂直磁気異方性の弱い材料とにより構成する。そ
して第1及び第2の構成膜の室温における保磁力をそれ
ぞれHc2-1 及びHc2-2 とし、キュリー温度をそれぞ
れTc2-1 及びTc2-2 とするときHc2-1>H
2-2 、Tc2-1 >Tc2-2 とする。尚、この場合の第
1及び第2の構成膜の保磁力の温度依存性を図2におい
て曲線121及び122として示す。図2において、T
compは第1の構成膜21の補償温度を示す。第3の磁性
薄膜3は、室温で面内磁気異方性もしくは第1及び第2
の磁性薄膜1及び2に比し小さい垂直磁気異方性の例え
ば1×106 erg/cm3 以下で、かつ、その有効異
方性定数Kの温度特性曲線が、上に凸の特性ないしは直
線的特性を示す希土類優勢金属膜で、室温での飽和磁化
Msが0〜450emu/cm3 である材料とする。 【0046】参考例1 図3に示すように、光透過性基板5上に、誘電体膜6を
介してそれぞれ厚さ400Åの第1の構成膜21と第2
の構成膜22とをスパッタした場合の特性についてみ
る。 【0047】この場合、第1の構成膜21は、飽和磁化
Ms2-1 =217emu/cm3 、保磁力Hc2-1
4.7(kOe)、キュリー温度Tc2-1 =324℃、
補償温度Tcomp=190℃の特性を有する(Gd3
b)(Fe66Co30Cr4 )によって構成した。 【0048】また、第2の構成膜22は、キュリー温度
Tc2-2 が第1の構成膜21のキュリー温度Tc2-2
第1の構成膜21のキュリー温度Tc2-1 より充分低い
例えば200℃のGd(Fe91Co5 Cr4 )によって
構成した。 【0049】この構成による磁性薄膜2について、第2
の構成膜22の飽和磁化Ms2-2 を、希土類元素のGd
の添加量を変えることによって変化させて、それぞれの
C/Nを測定した結果を図4中●印(実線曲線)をもっ
てプロットした。 【0050】比較例1 第1の構成膜21については、参考例1と同様の磁性膜
によって構成し、第2の構成膜22については、Gd
(Fe66Co30Cr4 )のキュリー温度Tc2-2が35
0〜360℃程度のものによって構成した。この場合の
同様のMs2-2 を変えてC/Nを測定した結果を図4中
○印(破線曲線)をもってプロットして示した 【0051】尚、この場合のC/Nの測定は、記録磁界
を300(Oe)とし、照射レーザ光の実施例1及び比
較例の各媒体に対する各相対線速度を10m/sec、
記録周波数5MHzとした場合である。 【0052】また図5に、参考例1及び比較例における
第1及び第2の構成膜21及び22の全体としての保磁
力Heff の、同様に第2の構成膜22の飽和磁化Ms
2-2 を変化させて測定した結果をそれぞれ●印(実線曲
線)及び○印(破線曲線)でプロットした。 【0053】図4をみて明らかなように、参考例1にお
けるように、Hc2-1 >Hc2-2 と共に、Tc2-1 >T
2-2 としたものは、高いC/Nが得られている。そし
て、図5の参考例1による実線曲線によれば、例えばH
eff =2.2kOeとなるMs2-2 は約170emu/
ccとなるが、このMs2-2 =170emu/ccでの
C/Nを図4の実線曲線からみると、C/Nは約52d
Bが得られる。因みに、上述の構成膜21の単層構造で
は、C/Nは53dB程度であるので、参考例1におけ
るように第1及び第2の構成膜21及び22による2層
構造としてHeff を下げても、C/Nに殆んど遜色がな
いことがわかる。 【0054】次に、このように、第1の構成膜21とし
て同一の磁性膜を用いるにも拘わらず記録に差が生じる
ことの原因を調べるために、図6に第2の構成膜22の
飽和磁化Ms2-2 を変化させたときの補償温度の測定結
果を図6に示す。図6において●印及び○印は参考例1
及び比較例1によるもの、△印は比較例1における第2
の構成膜22のみの厚さ800Åとした単層構造とした
場合のものである。尚、図6中実線の直線61は参考
1及び比較例1における第1の構成膜のみの補償温度T
compを表わしたものである。 【0055】図6から明らかなように、第2の構成膜2
2がGd(Fe91Co5 Cr4 )の実施例1では、●印
(実線曲線)のように第2の構成膜の組成の影響を殆ん
ど受けることなく、Tcompは殆んど変化しないが、第2
の構成膜22がGd(Fe66Co30Cr4 )の比較例1
の○印(破線曲線)では、Gd(Fe66Co30Cr4
の単層の△印(鎖線曲線)で示す補償温度変化に対応し
て変化している。このように、第2の構成膜22のキュ
リー温度Tc2-2 が低いGd(Fe91Co5 Cr4 )で
は、高温で第1の構成膜21の特性に影響を与えないこ
とがわかる。 【0056】つまり、参考例1では第1の構成膜21の
記録特性に余り影響を与えずに良好なC/Nを確保し、
しかも室温における反転磁界Heff を低めることができ
る。 【0057】参考例2参考 例1の構成を採り、第2の磁性薄膜2として反転磁
界Heff =2.4kOe、C/Nが約52dBとした光
磁気ディスクを作製した。 【0058】比較例2 保磁力Hcが2.7kOeの(Gd3 Tb)(Fe66
30Cr4 )の単層膜による光磁気ディスクを作製し
た。 【0059】図7中●印及び△印はそれぞれ参考例2と
比較例2の図8、9で説明した記録磁界Hex とC/Nの
関係の測定結果を示す。これによればHexの小さいとこ
ろで第2の磁性薄膜2が2層構造のものは、単層膜に比
し約7dBC/Nの向上がはかられる。 【0060】実施例 図1に示す構造を有し、第1の磁性薄膜1が厚さ400
ÅのTb(Fe91Co5 Cr4 )によって構成され、第
3の磁性薄膜3が厚さ150ÅのGd(FeCo91Cr
4 )によって構成され、第2の磁性薄膜2が厚さ400
Åの(Gd3 Tb)(Fe66Co30Cr4 )による第1
の構成膜21と、厚さ400ÅのGd(Fe91Co5
4 )による第2の構成膜22とによるHc2-1 >Hc
2-2 、Tc2-1 >Tc2-2 とした構成の2通りの光磁気
ディスク(試料1及び2)を作製した。 【0061】比較例3 実施例と同様の構成によるが、第2の磁性薄膜2を、
単層とした光磁気ディスク(試料3)を作製した。 【0062】各試料1〜3の特性を下記表1に示す。 【0063】 【表1】 【0064】これより明らかなように、本発明による試
料1及び2は、本発明によらない試料3に比し、記録磁
界Hexを小さくでき、初期化磁界HSUbを低く抑えた
状態でC/Nの向上がはかられる。 【0065】尚、上述の本発明で用いる光磁気記録媒体
の第1及び第2の構成膜21及び22の積層関係は、互
いに上下いずれでも良い。 【0066】 【発明の効果】上述したように本発明によれば、C/N
を確保しつつ、記録のための印加磁界、即ち図8及び図
9の記録過程における外部磁界HSUb 及びHexを低め
ることができるので、これら外部磁界を与えるための磁
界発生手段の小型化、消費電力の低減化等をはかること
ができるなど実用上大きな利点を有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による光磁気記録媒体の断面図である。 【図2】温度−保磁力曲線図である。 【図3】第2の磁性膜の構成図である。 【図4】C/N測定曲線図である。 【図5】保磁力測定曲線図である。 【図6】補償温度測定曲線図である。 【図7】C/N測定曲線図である。 【図8】磁化状態図である。 【図9】磁化状態図である。 【符号の説明】 S 光磁気記録媒体 1 第1の磁性薄膜 2 第2の磁性薄膜 21 第1の構成膜 22 第2の構成膜 3 第3の磁性薄膜

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくともそれぞれ垂直磁気異方性を有
    する第1及び第2の磁性薄膜が、第3の磁性薄膜を介し
    て順次磁気的に結合されて積層された積層膜を有してな
    り、 上記第2の磁性薄膜は、交換結合され、共に室温で希土
    類金属優勢膜よりなる第1及び第2の構成膜が積層され
    てなり、上記第1及び第2の構成膜の室温における保磁
    力をそれぞれHc2-1 及びHc2-2 とし、キュリー温度
    をそれぞれTc2-1 及びTc2-2 とするとき、Hc2-1
    >Hc2-2 、Tc2-1 >Tc2-2 とされ、 上記第3の磁性薄膜の垂直磁気異方性が、上記第1及び
    第2の磁性薄膜の垂直磁気異方性より小さく、垂直磁気
    異方性定数が1×106 erg/cm3 以下とされた光
    磁気記録媒体を用い、 上記第1の磁性薄膜のほぼキュリー温度Tc1 近傍で上
    記第2の磁性薄膜の磁気モーメントの反転を生じさせる
    ことのない第1の温度T1 に加熱する第1の加熱状態
    と、上記キュリー温度Tc1 以上で上記第1の構成膜の
    磁気モーメントを反転させるに充分な温度T2 に加熱す
    る第2の加熱状態とを、記録しようとする情報信号に応
    じて変調し、室温から上記第1又は第2の加熱状態まで昇温し、上記
    加熱状態から室温まで冷却する全温度変化過程におい
    て、上記第1及び第2の構成膜の間に界面磁壁が生じな
    いこと を特徴とする光磁気記録方法。
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