JPH1143619A - テトラアザポルフィリン化合物とその前駆体及びそれらの製造方法 - Google Patents

テトラアザポルフィリン化合物とその前駆体及びそれらの製造方法

Info

Publication number
JPH1143619A
JPH1143619A JP9215979A JP21597997A JPH1143619A JP H1143619 A JPH1143619 A JP H1143619A JP 9215979 A JP9215979 A JP 9215979A JP 21597997 A JP21597997 A JP 21597997A JP H1143619 A JPH1143619 A JP H1143619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
tetraazaporphyrin
metal
producing
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9215979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3961078B2 (ja
Inventor
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
Yasuhiro Azuma
康弘 東
Noboru Sasa
登 笹
Yasunobu Ueno
泰伸 植野
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP21597997A priority Critical patent/JP3961078B2/ja
Publication of JPH1143619A publication Critical patent/JPH1143619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3961078B2 publication Critical patent/JP3961078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度光ディスクシステムに適用可能な耐光
性、保存安定性に優れた光記録媒体用の記録材料として
有用な化合物とその前駆体及びそれらの製造方法を提供
する。 【解決手段】 下記一般式(I)−a等で示されるジシ
アノエチレン系化合物及び下記一般式(II)−a及びそ
の異性体を含む1〜4種の化合物からなるテトラアザポ
ルフィリン化合物並びにそれらの製造方法。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なテトラアザ
ポルフィリン化合物とその前駆体及びそれらの製造方法
に関し、詳しくは染料、顔料、光電機能材料、記録及び
記憶材料等、特に光記録媒体用材料として有用な新規な
テトラアザポルフィリン化合物とその前駆体である新規
なジシアノエチレン系化合物及びそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在の追記光型ディスクシステム(WO
RM、CD−R)では、使用レーザの発振波長が770
nm〜790nmにあり、記録媒体は上記波長で記録、
再生が可能なように構成されている。今後、情報量の増
大に伴い記録媒体の大容量化への流れは必須である。従
って、記録、再生に用いるレーザ波長が短波長化するこ
とも必然的に起ってくることが容易に予想される。
【0003】ただ、フタロシアニン色素をデータ用追記
光型ディスク記録材料として用いたものには、特開昭6
1−150243号、特開昭61−177287号、特
開昭61−154888号、特開昭61−246091
号、特開昭62−39286号、特開昭63−3779
1号、特開昭63−39888号各公報等があり、また
フタロシアニン色素をコンパクトディスク記録材料とし
て用いたものには、特開平1−176585号、特開平
3−215466号、特開平4−113886号、特開
平4−226390号、特開平5−1272号、特開平
5−171052号、特開平5−116456号、特開
平5−69860号、特開平5−139044号各公報
等がある。しかしながら、耐光性、保存安定性に優れ、
且つ700nm以下のレーザを用いた光ピックアップで
記録、再生が可能な記録材料は、未だ開発されていない
のが現状である。
【0004】また、フタロシアニンの類似化合物である
無置換のテトラアザポルフィリンは、光や熱に安定であ
り、且つ高吸収である一方、有機溶剤への溶解性が乏し
く薄膜化することは困難であった。なお、4置換アルキ
ルテトラアザポリフィリンの合成については、J.Ge
n.Chem.USSR 1977,47,1954な
どに記載があるが、異性体の生成については述べられて
いない。なお、α−置換フタロシアニンの製造方法につ
いては、特開平3−62878号、特開平3−2154
66号、特開平4−226390号、特開平4−348
168号、特開平5−25177号各公報等に述べられ
ているが、これらにはテトラアザポルフィリンについて
の適用並びにその可能性についての記述は全く見当たら
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
のような状況に鑑みてなされたものであって、上記従来
システムに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レ
ーザを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能な耐
光性、保存安定性に優れた光記録媒体用の記録材料とし
て有用な化合物及びその製造方法を提供すること目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、特定のテトラアザポルフィリン化合物を主
成分とする記録層を設けることにより、発振波長700
nm以下の半導体レーザを用いる高密度光ディスクシス
テムに適用可能なことを見出し、更には合成温度、触媒
の添加等により上記化合物を効率よく製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、第一に、下記一般
式(I)−a及び(I)−bで示されるジシアノエチレ
ン系化合物が提供される。
【化1】
【化2】 〔式中、X及びYは、それぞれ独立に水素原子、置換若
しくは未置換の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和
のアルキル基、シクロアルキル基、置換若しくは未置換
のフェニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基又はハ
ロゲン原子を表す(但し、X、Yのすべてが水素原子と
なることはない。)。〕 第二に、アシルシアニドと1置換アセトニトリル誘導体
の脱水反応により、前記一般式(I)−a又は(I)−
bで示されるジシアノエチレン系化合物を得ることを特
徴とするジシアノエチレン系化合物の製造方法が提供さ
れる。第三に、前記一般式(I)−bで示されるジシア
ノエチレン系化合物トランス体を有機溶媒中、光照射
し、前記一般式(I)−aで示されるシス体に異性化さ
せることを特徴とするジシアノエチレン系化合物の製造
方法が提供される。第四に、下記一般式(II)−a〜
(II)−dで示される4種のうちの1種又は2種以上の
混合物からなるテトラアザポルフィリン化合物が提供さ
れる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】 〔式中、M、X1〜X4及びY1〜Y4は、それぞれ以下の
ものを表わす。 M:2個の水素原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原
子を有してもよい2価、3価若しくは4価の金属原子、
又は置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、−(OPR1112)t
基、(−OPOR1314)t基、−(OSiR1516
17)t基、−(OCOR18)t基、−(OR19)t基、
−(OCOCOOR20)t基、−(OCOCOR21)t
基若しくは−(OCONR2223)t基を有してもよい
金属原子、 R11〜R23:それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未
置換の1価の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは未置換
の1価の芳香族炭化水素基、 t:0〜2の整数、 X1〜X4、Y1〜Y4:それぞれ独立に水素原子又は置換
若しくは未置換の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽
和のアルキル基、シクロアルキル基、置換若しくは未置
換のフェニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基又は
ハロゲン原子(但し、X1〜X4、Y1〜Y4のすべてが水
素原子になることはない。)。〕 第五に、上記第四において、X≠Yであることを特徴と
するテトラアザポルフィリン化合物が提供される。第六
に、前記一般式(II)−a〜(II)−dで示される4種
のうちの1種又は2種以上の混合物を得るために、相当
する前駆体である前記一般式(I)−a〜(I)−dで
示されるジシアノエチレン系化合物の少なくとも1種と
金属又は金属誘導体を反応させることを特徴とするテト
ラアザポルフィリン化合物の製造方法が提供される。第
七に、上記第六において、反応が有機溶媒中で行われる
ことを特徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製造
方法が提供される。第八に、上記第七において、有機溶
媒がアルコール類であることを特徴とするテトラアザポ
ルフィリン化合物の製造方法が提供される。第九に、上
記第六〜第八のいずれかにおいて、金属又は金属誘導体
が遷移金属、遷移金属ハロゲン塩又は遷移金属カルボン
酸塩であることを特徴とするテトラアザポルフィリン化
合物の製造方法が提供される。第十に、上記第六〜第九
のいずれかにおいて、反応温度が80〜220℃である
ことを特徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製造
方法が提供される。第十一に、上記第六〜第十のいずれ
かにおいて、使用する溶媒の量が前記一般式(I)−a
で示される前駆体に対して1〜100倍量であることを
特徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製造方法が
提供される。第十二に、上記第六〜第十一のいずれかに
おいて、塩基を共存させることを特徴とするテトラアザ
ポルフィリン化合物の製造方法が提供される。第十三
に、上記第十二において、塩基がジアザビシクロウンデ
セン、ジアザビシクロノネン、モリブデン酸アンモニウ
ムから選ばれるうちの少なくとも1種であることを特徴
とするテトラアザポルフィリン化合物の製造方法が提供
される。第十四に、上記第六〜第十三のいずれかにおい
て、中心金属をMgとして環形成した後、金属交換する
か又はMgを脱離して、所望の金属テトラアザポルフィ
リン又はH2テトラアザポルフィリンを得るか、あるい
は得られたH2テトラアザポルフィリンに、金属を挿入
し、所望の金属テトラアザポルフィリンを得ることを特
徴とする金属テトラアザポルフィリン又はH2テトラア
ザポルフィリンの製造方法が提供される。第十五に、上
記第十四において、有機溶媒、モリブデン酸アンモニウ
ム、酸のいずれか少なくとも1種と請求項9記載の金属
若しくは金属誘導体とMgテトラアザポルフィリンとを
共存させて金属交換又はMg脱離することを特徴とする
テトラアザポルフィリン化合物の製造方法が提供され
る。
【0008】本発明の前記一般式(II)−a〜(II)−
dで示されるテトラアザポルフィリンは、嵩高い置換基
が導入された構造となっており、溶解性が高く、溶剤塗
工法等により塗膜化が可能で工業的に非常に有用であ
る。特に、一般式(II)−a〜(II)−dで示される異
性体混合物である場合に、テトラアザポルフィリンが本
来持つ安定性を損なうことなしに有機溶剤への溶解性が
向上し、生産性の高い溶剤塗工可能なテトラアザポルフ
ィリン化合物となる。詳しく述べると、一般式(II)−
aで示される化合物は結晶性が高く、それ単体で溶剤塗
工することは困難である。しかし、一般式(II)−b〜
(II)−dで示される3つの異性体は、いずれも単体で
も溶剤塗工が可能である。従って、4つの異性体混合物
の場合でも、一般式(II)−aで示される異性体の含有
量をできるだけ少なくした混合物が、溶剤塗工で成膜す
る場合には有利である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では下記一般式(II)−a〜(II)−dで示され
る4種のうちの1種の化合物又は2種以上の混合物から
なるテトラアザポルフィリン化合物及びその製造方法に
関する。
【0010】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0011】上記一般式(II)−a〜(II)−dにおい
て、Mは2個の水素原子、又は酸素原子若しくはハロゲ
ン原子を有してもよい2価、3価若しくは4価の金属原
子、又は置換若しくは未置換のアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−(OPR11
12)t基、(−OPOR1314)t基、−(OSiR15
1617)t基、−(OCOR18)t基、−(OR19
t基、−(OCOCOOR20)t基、−(OCOCOR
21)t基若しくは−(OCONR2223)t基を有して
もよい金属原子を表す。R11〜R23はそれぞれ独立に水
素原子、置換若しくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基
又は置換若しくは未置換の1価の芳香族炭化水素基を表
し、tは0〜2の整数を表す。X1〜X4及びY1〜Y4
それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換の直鎖若
しくは分岐の飽和若しくは不飽和のアルキル基、シクロ
アルキル基、置換若しくは未置換のフェニル基、カルボ
ン酸エステル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但
し、X1〜X4及びY1〜Y4の全てが水素原子となること
はない。
【0012】テトラアザポルフィリン環を合成する条件
としては、原料の下記一般式(I)−a及び(I)−b
で示されるジシアノエチレン系化合物の1〜4種と、金
属又は金属誘導体とを、溶媒中90〜350℃で加熱反
応させる。
【0013】
【化1】
【化2】
【0014】上記一般式(I)−a及び(I)−bにお
いて、X及びYは、それぞれ独立に水素原子、置換若し
くは未置換の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和の
アルキル基、シクロアルキル基、置換若しくは未置換の
フェニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基又はハロ
ゲン原子を表す。但し、X、Yのすべてが水素原子とな
ることはない。
【0015】本発明のテトラアザポルフィリン環合成反
応においては、上記一般式(I)−aを主成分とする
〔一般式(I)−bが含まれていてもよい〕ものが好ま
しい。本発明のジシアノエチレン誘導体を前駆体とし、
テトラアザポルフィリンを合成すると、波長570〜7
00nm吸収を有し、有機溶媒に可溶で工業的に非常に
有用な色素の提供が可能となる。しかも、本発明のテト
ラアザポルフィリンは光に対し安定であり、利用価値が
高い。
【0016】ここで前記一般式(I)−a及び(I)−
bに示されるジシアノエチレン誘導体は、アシルシアニ
ド誘導体とアセトニトリル誘導体とを酸性触媒、塩基性
触媒の存在下で反応することによって得ることが出来
る。反応に使用される酸性触媒としては例えば、酢酸、
四塩化チタン、塩化亜鉛あるいは三フッ化ホウ素などが
挙げられ、塩基性触媒としては、ピリジン、ピペリジ
ン、N−メチルモルホリン、n−メチルピペリジン、あ
るいはトリエチルアミンなどの有機塩基、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、あるいは酢酸アンモニウムなどの酢
酸塩、炭酸ナトリウム、あるいは炭酸カリウムなどの無
機塩基などを挙げることが出来る。この反応は通常、無
溶媒かジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タンなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフランなどの
エーテル系溶媒、あるいはベンゼン、トルエンなどの芳
香族系溶媒中でおこなうことが出来る。反応温度は−2
0℃〜150℃好ましくは−10℃〜70℃である。
【0017】また、この際、得られたジシアノエチレン
誘導体は通常シス、トランスの混合物として得られる
が、テトラアザポルフィリンを得る前駆体としては、シ
ス体の方が好ましく、トランス体をシス異性化すること
により、テトラアザポルフィリンの合成収率を向上でき
る。トランス体をシス化する方法としては、有機溶媒中
光を照射することにより達成可能で使用する溶媒として
は、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、
ヘキサン、エーテル、石油エーテル等が挙げられる。な
お、アルキル置換マレオニトリルの合成については、
J.Gen.Chem.USSR 1977,47,1
954などに記載されている。
【0018】次いで、テトラアザポルフィリンを得る際
の好ましい反応温度としては80〜220℃であり、8
0℃以下であると反応がなかなか進行せず、220℃を
越えると分解物が多く生成してしまい、収率の低下を招
く。更に、特筆すべきことは反応温度を150以上とす
ると、メタルフリー体の生成や一般式(II)−aで示さ
れる異性体成分の生成比が多くなり、高い溶解性を必要
とする用途には好ましくなく、逆に結晶性を必要とする
用途には好ましい生成物が得られるようになる。
【0019】溶媒の使用量としてはジシアノエチレン誘
導体の1〜100重量倍、好ましくは5〜15重量倍で
ある。溶媒としては、沸点が100℃以上であれば良い
が、好ましくは沸点が135℃以上であれば良い。具体
例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メ
チル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、テトラ
ヒドロナフタレン、ベンジルアルコール、キノリン、
N,N−ジメチルアミノエタノ−ルなどが挙げられる
が、特に好ましい例としては脂肪族のアルコ−ル、即
ち、n−プロパノール、n−ブタノール、n−アミルア
ルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2
−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−
ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エ
トキシエタノール、プロポキシエタノール等である。
【0020】反応に用いる金属又は金属誘導体として
は、Al、Si、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、
Ni。Cu、Zn、Ge、Mo、Ru、Rh、Pd、I
n、Sn、Pt、Pb、Mg及びそのハロゲン化物、カ
ルボン酸誘導体、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、
酸化物、錯体等が挙げられる。好ましくは、塩化銅、臭
化銅、ヨウ化銅、酢酸銅、塩化ニッケル、臭化ニッケ
ル、酢酸ニッケル、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、
塩化白金、塩化亜鉛、臭化白金、酢酸亜鉛、塩化チタン
(IV)、三塩化バナジウム、四塩化ケイ素、アセチルア
セトンバナジウム等である。
【0021】テトラアザポルフィリン環形成の際、塩基
の添加により、反応時間の短縮及び、合成収率の向上が
計れ、非常に有効であることがわっかた。即ち、塩基を
無添加の場合、反応温度を上昇させるか、反応時間を多
くとらないとなかなか反応が終点まで進行せず、前者の
場合、メタルフリー体及び分解物の生成により収率低下
を招き、後者の場合、有機塩基添加に比べて、反応温度
が高温でなければならないこと、更に反応時間が3〜1
0倍かかり、生産性の低下を招く。塩基としては金属ナ
トリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、金属リチウム、炭酸カリウム、モリブデン酸アンモ
ニウム、ホルムアミド、尿素、トリアルキルアミン等の
アミン類、ジアザビシクロウンデセン、ヂアザビシクロ
ノネン等が挙げられるが、特にモリブデン酸アンモニウ
ム、ジアザビシクロウンデセン、ヂアザビシクロノネン
が好ましく、これらの使用量は原料のジシアノエチレン
誘導体に対して、0.0001〜3.0モルあれば良
く、好ましくは0.0005〜1.5モルである。
【0022】また、テトラアザポルフィリンをMgを中
心金属として環形成した後、Mgを金属交換反応により
所望の金属テトラアザポルフィリンにしたり、Mgを脱
離してH2テトラアザポルフィリンを得ることもでき
る。あるいはH2テトラアザポルフィリンに金属挿入反
応により所望の金属テトラアザポルフィリンにしたりす
ることも可能である。即ち、Mgテトラアザポルフィリ
ンは有機溶媒中、Mgアルコキシドと本発明のジシアノ
エチレン誘導体を80〜160℃で反応させることのよ
り収率良く得られ、このMgテトラアザポルフィリンを
有機溶媒中、金属誘導体と作用させ金属交換することに
より所望の金属テトラアザポルフィリンを得ることがで
きる。ここで金属交換反応の際、モリブデン酸アンモニ
ウムと酸の存在により、反応収率を向上することが出来
る。具体的な酸としては、酢酸、塩酸、トリフロロ酢
酸、硫酸、リン酸などが挙げられ、添加量としては、M
gテトラアザポルフィリンに対し0.01〜1000倍
重量比であり、好ましくは0.5〜50倍重量比であ
り、モリブデン酸アンモニウムの添加量としてはMgテ
トラアザポルフィリンに対し0.000001〜1.0
倍重量比である。また、Mgテトラアザポルフィリンは
上記の酸中で常温若しくは加熱しながら溶解することに
より速やかにH2テトラアザポルフィリンになることか
ら、H2テトラアザポルフィリンと金属誘導体とを作用
させ所望の金属テトラアザポルフィリンを得ても良い。
【0023】一般式(I)−a、(I)−b、(II)−
a〜(II)−d中X、X1〜X4及びY、Y1〜Y4の置換
フェニル基の置換基は、メチル基、エチル基、ブチル
基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、
イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピ
ル基、1−メチルブチル基、tert−ブチル基、te
rt−ヘキシル基、tert−アミル基などのアルキル
基や同様のアルキルを有したアルコキシ基、フッ素置換
アルキル(アルコキシ)基、ハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基等で置換していても良く、その他の置換基とし
てトリフルオルメチル基、トリフルオロエチル基、ジフ
ルオロエチル基、ジフルオロプロピル基、トリフルオロ
プロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオ
ロブチル基、または各種ペリフルオロアルキル基などが
挙げられる。
【0024】一般式(I)−a、(I)−b、(II)−
a〜(II)−d中X、X1〜X4及びY、Y1〜Y4の置換
若しくは未置換のアルキル基は、トリフルオルメチル
基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、ジフ
ルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、テトラフ
ルオロプロピル基、ヘキサフルオロブチル基、又は各種
ペリフルオロアルキル基などが挙げられ、他のハロゲン
原子例えば、塩素、臭素などが置換されているアルキル
基も同義である。
【0025】その他一般的なアルキル基は、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、
2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペン
チル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル
基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチル
ヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシ
ル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、
3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘ
プチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル
基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3
−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ドデシル基等の1級アルキル基、イソプロピル基、s
ec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブ
チル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプ
チル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル
基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチ
ルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプ
チル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2
−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル
基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチル
ヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペン
チル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピ
ル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチ
ルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチ
ル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−
メチルブチル基等の2級アルキ基、tert−ブチル
基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、te
rt−オクチル基、等の3級アルキル基、シクロヘキシ
ル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロ
ヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、
4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニ
ル基、イソボルニル基、アダマンタン基等のシクロアル
キル基等が挙げられ、これらのアルキル基はハロゲン原
子等の置換基で置換されていても良い。不飽和のアルキ
ル基としてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ヘキセン基、オクテン基、ドデセン基、シクロヘキセン
基、ブチルヘキセン基などが挙げられる。
【0026】一般式(II)−a〜(II)−d中のMは、
Al、Si、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、N
i。Cu、Zn、Ge、Mo、Ru、Rh、Pd、I
n、Sn、Pt、Pb、Mg及びそのハロゲン化物、酸
化物、アルキル化物、アルコキシ化物、アリール化物、
アリールオキシ化物、シリルオキシ化物、水酸化物等で
ある。
【0027】前記一般式(II)−aで表される化合物の
具体例としては、例えば表1に示されるものが挙げられ
る。なお、表1に示す化合物は異性体については記述し
ていないが、実際には前述したような4つの異性体が存
在する。
【0028】
【表1−(1)】
【0029】
【表1−(2)】
【0030】
【表1−(3)】
【0031】
【表1−(4)】
【0032】
【実施例】以下、実施例について本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1 Dry 1,1,2−トリクロロエタン 300mlに
Benzoylcyanide 9.18g(70mm
ol)とCyanoacetic Acidn−But
yl Ester9.88g(70mmol)を氷浴下
温度−10〜5℃にて溶解して攪拌する。これに塩化亜
鉛28.62g(210mmol)を温度が5℃以下で
加え、次いでこれも温度5℃以下にてピペリジン 3
6.76g(420mmol)を1時間かけて滴下して
氷浴をはずし、室温にて3時間攪拌する。反応物を氷水
300mlにあけ、クロロホルム 400mlで抽出す
る。こ れを2〜3回水洗いして適量の硫酸マグネシウ
ムを加え、濾過した濾液を濃縮してトルエン/シリカゲ
ルカラムにて精製して淡緑色結晶[下記構造式(A)で
示される化合物]12.3g(収率69.2%)を得
た。
【0034】
【化7】
【0035】上記淡緑色結晶の元素分析結果は、 理論値C:70.85%、H:5.50%、N:11.
01%に対し、 測定値C:70.87%、H:5.52%、N:11.
01%、であった。 上記化合物のIRスペクトルを図1に示す。
【0036】実施例2 Dry クロロホルム 300mlにBenzoylc
yanide 9.18g(70mmol)とIsov
aleronitrile 5.82g(70mmo
l)を氷浴下温度−10〜5℃にて溶解して攪拌する。
これに塩化亜鉛28.62g(210mmol)を温度
が5℃以下で加え、次いで、これも温度5℃以下にてピ
リジン 33.22g(420mmol)を1時間かけ
て滴下して氷浴をはずし、室温にて4時間攪拌する。反
応物を氷水300mlにあけ、クロロホルム 400m
lで抽出する。これを2〜3回水洗いして適量の硫酸マ
グネシウムを加え、濾過した濾液を濃縮してトルエン/
シリカゲルカラムにて精製して2種の白色結晶[下記構
造式(B)−1、(B)−2で示される化合物]7.5
1gと3.38g(収率79.4%)を得た。なお、
7.51gの方がTrans体であり、3.38gの方
がcis体であることが種々の分析及びテトラアザポル
フィリン化反応により判明した。
【0037】
【化8】
【化9】
【0038】上記白色結晶[(B)−1]の元素分析結
果は、 理論値C:79.56%、H:6.11%、N:14.
27%に対し 測定値C:79.51%、H:6.18%、N:14.
25%であった。 上記化合物[(B)−1]のIRスペクトルを図2に示
す。
【0039】実施例3 Dry ジクロロメタン 300mlにPivaloy
l Cyanide8.89g(80mmol)とAl
ly; Cyanide 5.90g(88mmol)
を氷浴下温度−10〜5℃にて溶解して攪拌する。これ
に四塩化チタン45.53g(240mmol)を温度
が5℃以下で加え、次いでこれも温度5℃以下にてN−
メチルモルホリン 48.55g(480mmol)を
1時間かけて滴下して氷浴をはずし、室温にて3時間攪
拌 する。反応物を氷水400mlにあけ、クロロホル
ム 400mlで抽出する。これを2〜3回水 洗いし
て適量の硫酸マグネシウムを加え、濾過した濾液を濃縮
してトルエン/ヘキサン=2/1/、シリカゲルカラム
にて精製して2種の透明液体[下記構造式(C)−1、
(C)−2で示される化合物]5.48gと2.68g
(収率63.7%)を得た。なお、5.48gの方がT
rans体であり、2.68gの方がcis体であるこ
とが種々の分析及びテトラアザポルフィリン化反応によ
り判明した。
【0040】
【化10】
【化11】
【0041】上記透明液体[(C)−1]の元素分析結
果は、 理論値C:74.90%、H:7.49%、N:17.
48%に対し、 測定値C:74.91%、H:7.59%、N:17.
40%であった。
【0042】実施例4 Dry ジクロロメタン 300mlに4−tert−
Butyl−Cyanide 14.98g(80mm
ol)とIsovaleronitrile7.32g
(88mmol)を氷浴下温度−10〜5℃にて溶解し
て攪拌する。これに四塩化チタン45.53g(240
mmol)を温度が5℃以下で加え、次いでこれも温度
5℃以下にてN−メチルモルホリン 48.55g(4
80mmol)を1時間かけて滴下して氷浴をはずし、
室温にて3時間攪拌する。反応物を氷水400mlにあ
け、クロロホルム 400mlで抽出する。これを2〜
3回水洗いして適量の硫酸マグネシウムを加え、濾過し
た濾液を濃縮してトルエン/ヘキサン=2/1、/シリ
カゲルカラムにて精製して2種の白色結晶[下記構造式
(D)−1、(D)−2で示される化合物]をそれぞれ
12.3g、3.45g(収率78.4%)を得た。な
お、12.3gの方がTrans体であり、3.45g
の方がcis体であることが種々の分析及びテトラアザ
ポルフィリン化反応により判明した。
【0043】
【化12】
【化13】
【0044】上記白色結晶[(D)−1]の元素分析結
果は、 理論値C:80.84%、H:7.93%、N:11.
10%に対し、 測定値C:80.87%、H:7.95%、N:11.
02%であった。 上記白色結晶[(D)−1]のIRスペクトルを図3に
示す。
【0045】実施例5 Dry ジクロロメタン 300mlにPivaloy
l Cyanide7.78g(70mmol)とo−
Xylyl Cyanide 9.18g(70mmo
l)を氷浴下温度−10〜5℃にて溶解して攪拌する。
これに四塩化チタン39.83g(210mmol)を
温度が5℃以下で加え、次いでこれも温度5℃以下にて
N−メチルモルホリン 42.48g(420mmo
l)を1時間かけて滴下して氷浴をはずし、室温にて4
時間攪拌する。反応物を氷水400mlにあけ、クロロ
ホルム 400mlで抽出する。これを2〜3回水洗い
して適量の硫酸マグネシウムを加え、濾過した濾液を濃
縮してトルエン/ヘキサン=2/1、/シリカゲルカラ
ムにて精製して透明液体と白色結晶[下記構造式(E)
−1、(E)−2で示される化合物]5.55gと6.
98g(収率79.8%)を得た。なお、透明液体5.
55gの方がTrans体であり、白色結晶6.98g
の方がcis体であることが種々の分析及びテトラアザ
ポルフィリン化反応により判明した。
【0046】
【化13】
【化14】
【0047】上記白色結晶[(E)−1]の元素分析結
果は、 理論値C:80.25%、H:7.13%、N:12.
48%に対し、 測定値C:80.26%、H:7.20%、N:12.
54%であった。 上記化合物[(E)−1]のIRスペクトルを図4に示
す。
【0048】実施例6 光反応容器にアセトン500mlを入れ、実施例4で得
た、[構造式(D)−2]で示されるTransジシア
ノエチレン誘導体12.0gを加え、高圧水銀灯にて光
照射を2時間したのち、アセトンを留去してトルエン/
ヘキサン=2/1、/シリカゲルカラムにて精製したと
ころ、60%がcis異性化し残りはTrans体のま
まであった。
【0049】実施例7 下記式(F)に示すジシアノエチレン誘導体 2.74
g(12mmol)と1−ペンタノール18mlと塩化
第1銅0.3g(3mmol)を混合し温度90〜95
℃にてジアザビシクロウンデセン1.46g(9.6m
mol)を滴下して、滴下した後125℃にて7時間攪
拌した。室温まで冷却の後、反応物を100mlのメタ
ノールで希釈し、このメタノール溶液を70mlの水に
攪拌しながら加えて、析出してきた結晶を濾取して乾燥
し、これをヘキサン/クロロホルム=3/1、/シリカ
ゲルカラムにて精製して下記[(G)−1〜(G)−
4]に示す4つの異性体混合物である結晶1.89g
(収率64.5%)を得た。
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0052】なお、この4つの異性体混合物のクロロホ
ルム中λmaxは594nmでε=138000であっ
た。1:2:3:4のおおよその組成比は10:65:
20:5であった。上記白色結晶の元素分析結果は、 理論値C:68.81%、H:5.32%、N:11.
47%に対し、 測定値C:68.70%、H:5.18%、N:11.
50%であった。 上記異性体混合物のIRスペクトルを図5に示す。
【0053】実施例8 Dry n−Pentanol30ml中に削り状の金
属マグネシウム 0.729g(30mmol)を分散
し1時間加熱環流する。次いでやや温度を下げ、実施例
2で合成した[構造式(B)−1]で示すジシアノエチ
レン誘導体5.88g(30mmol)を加えて再び加
熱環流を4時間続けた後、室温まで冷却し反応物のクロ
ロホルム溶解成分のみを濾別してクロロホルムを留去、
メタノール/水=1/10混合液を400ml加えて結
晶を濾取。この結晶を乾燥の後、クロロロホルム/シリ
カゲルカラムにて精製して下記[(H)−1〜(H)−
4]に示す4つの異性体混合物である結晶5.5g(収
率90.6%)を得た。
【0054】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0055】なお、この4つの異性体混合物のクロロホ
ルム中λmaxは621nmでε=99000であっ
た。1:2:3:4のおおよその組成比は20:45:
30:5であった。上記化合物の元素分析結果は、 理論値C:77.10%、H:5.93%、N:13.
83%に対し、 測定値C:77.00%、H:5.99%、N:13.
59%であった。
【0056】実施例9 実施例8で合成したMgテトラアザポルフィリン異性体
混合物3.23g(4mmol)と塩化ニッケル無水物
0.648g(5mmol)と8mlの酢酸と25ml
の1,2,4−Trichlorobenzeneを混
合し、3時間加熱環流する。これをヘキサン/シリカゲ
ルカラムで1,2,4−Trichlorobenze
neを除いた後、展開溶媒をクロロホルムに変えて精製
して下記[(I)−1〜(I)−4]に示す4つの異性
体混合物である結晶3.02g(収率89.7%)を得
た。
【0057】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【0058】なお、この4つの異性体混合物のクロロホ
ルム中λmaxは600nmでε=100000であっ
た。上記化合物の元素分析結果は、 理論値C:73.96%、H:5.69%、N:13.
28%に対し、 測定値C:73.78%、H:5.75%、N:13.
21%であった。
【0059】
【発明の効果】請求項1の新規なジシアノエチレン系化
合物は、前記一般式(I)−a及び(I)−bの構造を
有するため、テトラアザポルフィリンの前駆体として非
常に有用である。
【0060】請求項2のジシアノエチレン系化合物の製
造方法は、アシルシアニドと1置換アセトニトリル誘導
体の脱水反応によるものとしたことから、温和な条件で
目的物を得ることができる。
【0061】請求項3のジシアノエチレン系化合物の製
造方法は、トランス体を容易にシス体に異性化すること
ができるため、本方法によると、テトラアザポルフィリ
ンの合成収率を向上できる。
【0062】請求項4のテトラアザポルフィリン化合物
は前記一般式(II)−a〜(II)−dで示される少なく
とも1種の構造を有するものとしたことから、高密度光
デイスクシステムに適用可能な耐光性、保存安定性に優
れた光記録媒体用の記録材料として有用なものである。
【0063】請求項5のテトラアザポルフィリン化合物
は前記一般式(II)−a〜(II)−dにおいてX≠Yと
したことから、溶解性が向上したものとなる。
【0064】請求項6のテトラアザポルフィリン化合物
の製造方法は前記一般式(I)−a、(I)−bで示さ
れるジシアノエチレン系化合物と、金属(誘導体)とを
反応させるものとしたことから、本製造方法によると容
易に高収率で前記一般式(II)−a〜(II)−dで示さ
れる少なくとも1種の化合物を得ることができる。
【0065】請求項7及び8のテトラアザポルフィリン
化合物の製造方法は、請求項6の反応を溶媒中又はアル
コール中で実施するものとしたことから、より高収率で
目的物を得ることができる。
【0066】請求項9のテトラアザポルフィリン化合物
の製造方法は、金属(誘導体)として遷移金属、遷移金
属ハロゲン塩又は遷移金属カルボン酸塩を用いたことか
ら、より容易に目的物を得ることができる。
【0067】請求項10のテトラアザポルフィリン化合
物の製造方法は、反応温度を80〜220℃としたこと
から、より効率良く目的物を得ることができる。
【0068】請求項11のテトラアザポルフィリン化合
物の製造方法は、溶媒量を原料に対して1〜100倍量
としたことから、より効率良く目的物を得ることができ
る。
【0069】請求項12及び13のテトラアザポルフィ
リン化合物の製造方法は、反応系に塩基、又は特にジア
ザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、モリブ
デン酸アンモニウムの少なくとも1種を共存させたこと
から、より低温で、特に結晶性の高い異性体の生成を抑
え、高溶解性の目的物を効率良く得ることができる。
【0070】請求項14のテトラアザポルフィリン化合
物の製造方法は、中心金属をMgとして環形成した後、
金属交換するか又はMgを脱離して所望の金属テトラア
ザポルフィリン又はH2テトラアザポルフィリンを得る
ものとしたことから、より効率良く目的物を得ることが
できる。
【0071】請求項15のテトラアザポルフィリン化合
物の製造方法は、有機溶媒、モリブデン酸アンモニウ
ム、酸のいずれか少なくとも1種と請求項9記載の金属
若しくは金属誘導体とMgテトラアザポルフィリンとを
共存させて金属交換又はMg脱離するものとしたことか
ら、更により効率良く目的物物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物のIRスペクトル図
である。
【図2】実施例2で得られた化合物[(B)−1]のI
Rスペクトル図である。
【図3】実施例4で得られた化合物[(D)−1]のI
Rスペクトル図である。
【図4】実施例5で得られた化合物[(E)−1]のI
Rスペクトル図である。
【図5】実施例5で得られた化合物[(G)−1〜
(G)−4混合物]のIRスペクトル図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 255/41 C07D 487/22 C07D 487/22 C07F 1/08 C C07F 1/08 3/02 Z 3/02 7/10 S 7/10 7/22 U 7/22 7/24 7/24 7/28 F 7/28 9/00 A 9/00 Z 11/00 B 11/00 13/00 A 13/00 15/00 A 15/00 B F 15/02 15/02 15/04 15/04 15/06 15/06 C09B 67/22 Z C09B 67/22 G11B 7/24 516 G11B 7/24 516 B41M 5/26 Y (72)発明者 植野 泰伸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐藤 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)−a及び(I)−bで
    示されるジシアノエチレン系化合物。 【化1】 【化2】 〔式中、X及びYは、それぞれ独立に水素原子、置換若
    しくは未置換の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和
    のアルキル基、シクロアルキル基、置換若しくは未置換
    のフェニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基又はハ
    ロゲン原子を表す(但し、X、Yのすべてが水素原子と
    なることはない。)。〕
  2. 【請求項2】 アシルシアニドと1置換アセトニトリル
    誘導体の脱水反応により、前記一般式(I)−a又は
    (I)−bで示されるジシアノエチレン系化合物を得る
    ことを特徴とするジシアノエチレン系化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)−bで示されるジシア
    ノエチレン系化合物トランス体を有機溶媒中、光照射
    し、前記一般式(I)−aで示されるシス体に異性化さ
    せることを特徴とするジシアノエチレン系化合物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)−a〜(II)−dで示
    される4種のうちの1種又は2種以上の混合物からなる
    テトラアザポルフィリン化合物。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 〔式中、M、X1〜X4及びY1〜Y4は、それぞれ以下の
    ものを表わす。 M:2個の水素原子、又は酸素原子若しくはハロゲン原
    子を有してもよい2価、3価若しくは4価の金属原子、
    又は置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、−(OPR1112)t
    基、(−OPOR1314)t基、−(OSiR1516
    17)t基、−(OCOR18)t基、−(OR19)t基、
    −(OCOCOOR20)t基、−(OCOCOR21)t
    基若しくは−(OCONR2223)t基を有してもよい
    金属原子、 R11〜R23:それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未
    置換の1価の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは未置換
    の1価の芳香族炭化水素基、 t:0〜2の整数、 X1〜X4、Y1〜Y4:それぞれ独立に水素原子又は置換
    若しくは未置換の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽
    和のアルキル基、シクロアルキル基、置換若しくは未置
    換のフェニル基、カルボン酸エステル基、シアノ基又は
    ハロゲン原子(但し、X1〜X4、Y1〜Y4のすべてが水
    素原子になることはない。)。〕
  5. 【請求項5】 請求項4において、X≠Yであることを
    特徴とするテトラアザポルフィリン化合物。
  6. 【請求項6】 前記一般式(II)−a〜(II)−dで示
    される4種のうちの1種又は2種以上の混合物を得るた
    めに、相当する前駆体である前記一般式(I)−a〜
    (I)−dで示されるジシアノエチレン系化合物の少な
    くとも1種と金属又は金属誘導体を反応させることを特
    徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、反応が有機溶媒中で
    行われることを特徴とするテトラアザポルフィリン化合
    物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、有機溶媒がアルコー
    ル類であることを特徴とするテトラアザポルフィリン化
    合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかにおいて、金属
    又は金属誘導体が遷移金属、遷移金属ハロゲン塩又は遷
    移金属カルボン酸塩であることを特徴とするテトラアザ
    ポルフィリン化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかにおいて、反
    応温度が80〜220℃であることを特徴とするテトラ
    アザポルフィリン化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれかにおいて、
    使用する溶媒の量が前記一般式(I)−aで示される前
    駆体に対して1〜100倍量であることを特徴とするテ
    トラアザポルフィリン化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項6〜11のいずれかにおいて、
    塩基を共存させることを特徴とするテトラアザポルフィ
    リン化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において、塩基がジアザビ
    シクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、モリブデン
    酸アンモニウムから選ばれるうちの少なくとも1種であ
    ることを特徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 請求項6〜13のいずれかにおいて、
    中心金属をMgとして環形成した後、金属交換するか又
    はMgを脱離して、所望の金属テトラアザポルフィリン
    又はH2テトラアザポルフィリンを得るか、あるいは得
    られたH2テトラアザポルフィリンに、金属を挿入し、
    所望の金属テトラアザポルフィリンを得ることを特徴と
    する金属テトラアザポルフィリン又はH2テトラアザポ
    ルフィリンの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、有機溶媒、モリ
    ブデン酸アンモニウム、酸のいずれか少なくとも1種と
    請求項9記載の金属若しくは金属誘導体とMgテトラア
    ザポルフィリンとを共存させて金属交換又はMg脱離す
    ることを特徴とするテトラアザポルフィリン化合物の製
    造方法。
JP21597997A 1997-07-25 1997-07-25 ジシアノエチレン系化合物の製造方法 Expired - Lifetime JP3961078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21597997A JP3961078B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 ジシアノエチレン系化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21597997A JP3961078B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 ジシアノエチレン系化合物の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007046005A Division JP4482008B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 テトラアザポルフィリン化合物を含む材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1143619A true JPH1143619A (ja) 1999-02-16
JP3961078B2 JP3961078B2 (ja) 2007-08-15

Family

ID=16681412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21597997A Expired - Lifetime JP3961078B2 (ja) 1997-07-25 1997-07-25 ジシアノエチレン系化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3961078B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003493A (ja) * 2000-06-27 2002-01-09 Canon Inc オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウム、該オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウムの製造方法、該オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウムを用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007099744A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Yamada Chem Co Ltd テトラアザポルフィリン化合物の製造法
JP2014130249A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Yamada Chem Co Ltd 色補正フィルタ、照明装置及びディスプレイ装置
JP2016011348A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 山田化学工業株式会社 テトラアザポルフィリン化合物、色補正フィルタ及び外光補正フィルタ
WO2019131473A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 山田化学工業株式会社 テトラアザポルフィリン化合物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003493A (ja) * 2000-06-27 2002-01-09 Canon Inc オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウム、該オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウムの製造方法、該オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウムを用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007099744A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Yamada Chem Co Ltd テトラアザポルフィリン化合物の製造法
JP2014130249A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Yamada Chem Co Ltd 色補正フィルタ、照明装置及びディスプレイ装置
JP2016011348A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 山田化学工業株式会社 テトラアザポルフィリン化合物、色補正フィルタ及び外光補正フィルタ
WO2019131473A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 山田化学工業株式会社 テトラアザポルフィリン化合物
CN111511843A (zh) * 2017-12-27 2020-08-07 山田化学工业株式会社 四氮杂卟啉化合物
JPWO2019131473A1 (ja) * 2017-12-27 2020-12-10 山田化学工業株式会社 テトラアザポルフィリン化合物
CN111511843B (zh) * 2017-12-27 2022-05-10 山田化学工业株式会社 四氮杂卟啉化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3961078B2 (ja) 2007-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920002984B1 (ko) 나트탈로시아닌 화합물의 제조방법
CN1070783C (zh) 光记录材料和光记录介质
JP3860616B2 (ja) フタロシアニン化合物
JPH0745509B2 (ja) ニッケル錯体
JP3836192B2 (ja) フタロシアニン化合物
JP3961078B2 (ja) ジシアノエチレン系化合物の製造方法
JP4854250B2 (ja) フタロシアニン化合物およびその類縁体の製造方法
JP3998821B2 (ja) ハロゲン化テトラアザポルフィリン化合物を含む材料及びその材料の製造方法。
JPH03103476A (ja) 含金属インドアニリン系化合物
JP4482008B2 (ja) テトラアザポルフィリン化合物を含む材料及びその製造方法
JP3998761B2 (ja) テトラアザポルフィリン化合物を含む材料及びその製造方法
JPH11100520A (ja) テトラアザポルフィリン化合物及びその製造方法
CN1563201A (zh) 高倍速dvd-r用双体三甲川菁染料及其合成方法
JPH11130971A (ja) テトラアザポルフィリン化合物とその前駆体及びテトラアザポルフィリン化合物の製造方法
JP4093807B2 (ja) 光学記録材料
JP3663528B2 (ja) ピリドフェノオキサジン金属キレート化合物
JPH09202860A (ja) フタロシアニン化合物、その製造方法およびそれらを用いた光記録媒体
JP2698067B2 (ja) フタロシアニン化合物及びその製造方法
JPH1180574A (ja) テトラアザポルフィリン化合物及びその製造方法
JPH06172361A (ja) フタロシアニン化合物
JP3839073B2 (ja) フタロニトリル化合物、ジイミノイソインドリン化合物及びフタロシアニン近赤外吸収材料並びにそれらの製造方法
JPH0860008A (ja) フタロシアニン化合物、その中間体、該化合物の製造方法及びこれを含有する近赤外線吸収材料
JP2011126815A (ja) 錯化合物およびそれを含有する光記録媒体
JP3583162B2 (ja) フタロニトリル化合物、ジイミノイソインドリン化合物及びフタロシアニン近赤外線吸収剤並びにそれらの製造方法
JP2549381B2 (ja) 新規なジチオ−ル系遷移金属錯化合物

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term