JPH11352619A - ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法並びに写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法並びに写真感光材料

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JPH11352619A
JPH11352619A JP17054798A JP17054798A JPH11352619A JP H11352619 A JPH11352619 A JP H11352619A JP 17054798 A JP17054798 A JP 17054798A JP 17054798 A JP17054798 A JP 17054798A JP H11352619 A JPH11352619 A JP H11352619A
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emulsion
silver
chemical
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JP17054798A
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Hiroaki Ando
浩明 安藤
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度かつ低カブリであるハロゲン化銀写真乳
剤、ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法を提供すること。 【解決手段】ハロゲン化銀粒子上に化学増感核を有して
いるハロゲン化銀乳剤において、化学増感剤の添加開始
から終了までの間に、ハロゲン化銀粒子表面に、ハライ
ド組成が異なる領域を設ける工程及び/または化学増感
制御剤添加の工程が導入されていることを特徴とするハ
ロゲン化銀写真乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な化学増感法で増
感されたハロゲン化銀写真乳剤、ハロゲン化銀写真乳剤
層を設けたハロゲン化銀写真感光材料及びハロゲン化銀
写真乳剤の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、写真用ハロゲン化銀乳剤に対する
高性能化の要請はますます厳しく、高感度、優れた粒状
性、高鮮鋭性、低いカブリ濃度及び十分高い光学濃度等
の写真性能に対して益々高水準の要求がなされている。
これらの一見異なると思われる要求も、低カブリで高感
度のハロゲン化銀乳剤の製造技術により解決される場合
が殆どであり、このような低カブリで高感度のハロゲン
化銀乳剤の開発は当業界の最大の課題である。
【0003】高感度化を達成するためには、ハロゲン化
銀結晶の感光過程で、非効率をもたらす点を軽減させ、
量子効率を向上させることである。従来、この量子効率
を向上させるために、光電子を捕獲する感光中心として
機能する硫化銀、硫化金、セレン化銀、その他の銀カル
コゲナイドまたはこれらの混合物からなる化学増感核を
ハロゲン化銀結晶表面ないし内部に形成付与せしめるこ
とが行われている。これらは一般に、硫黄増感、金硫黄
増感、セレン増感等として知られている。
【0004】しかしながら、従来の化学増感方法で電子
捕獲効率のよい化学増感核を形成せしめようとしても、
潜像形成効率、即ち、感度に限界があることが知られて
いる。
【0005】更なる高感度、低カブリを達成する手段と
して、化学増感工程において、いわゆる化学増感制御剤
を存在せしめ、化学増感核形成過程をコントロールする
技術が提案されている。これら技術は、例えば、特開昭
58−126526号公報、米国特許第2,131,0
38号明細書、同第3,411,914号明細書、同第
3,554,757号明細書及びダフィン著「写真乳剤
化学」、フォーカルプレス社刊(1966)、第138
頁〜第143頁などに記載されている。
【0006】また、ハロゲン化銀粒子上に形成される化
学増感核の位置をコントロールすることにより感光効率
を向上させることを目的とした種々の方法が、特開昭6
1−93447号公報、特開昭64−40938号公
報、特開昭64−62631号公報、特開昭64−74
540号公報、特開平1−201651号公報、特開平
2−298935号公報などに開示されている。また、
特開平1−158425号公報には、(100)面と
(111)面を有する粒子において、(100)面と
(111)面上の化学増感核の核数比をコントロールす
ることにより感光効率の向上が達成されると述べられて
いる。
【0007】しかしながら、我々の検討の結果、最近の
高感度化の要望のレベルは、これらの改良策では十分に
達成出来ないことがわかった。即ち、化学増感核の位置
あるいは数をコントロールするというこれらの技術にお
いては、基本的にはハロゲン化銀粒子上での化学増感剤
の反応面積を制限するということがその達成方法であ
り、その結果、比較的狭い領域で反応させることになり
化学増感反応過程の制御が難しく、十分に感度を高めよ
うとするとカブリが増加しやすいという欠点がある。更
に、低照度不軌の増大を伴うなど撮影用写真感材の性能
を満足するには十分ではない。
【0008】一方、特開平3−198042号公報に
は、2つの性質の異なるカルコゲナイドを含有する化学
増感核を粒子表面に共存させたこと特徴とするハロゲン
化銀乳剤が開示されている。該技術は、該公報の記載か
らすると、1つの化学増感核がハロゲン化銀粒子の内部
感度を優先的に増加させるものである。
【0009】特開平5−127290号公報には、増感
核サイズ分布の異なる感光核群を粒子表面に設けること
で、上記の問題点を解決することが記載されている。該
技術における感光核サイズ分布のコントロールは、後述
するような化学増感制御剤を用いたり、異なる増感剤を
用いて行うものであり、増感剤の添加開始から終了まで
の間に、ハロゲン化銀粒子表面に、ハライド組成の異な
る領域を設けたり、増感色素のような化学増感制御剤を
特定のタイミングで添加したりして、増感環境を積極的
にコントロールすることには触れられていない。
【0010】特開平3−121445号公報では、粒子
表面のハロゲン組成を予め制御しておき、化学増感核の
形成サイトを最適化する技術を公開している。しかし、
化学増感剤が複数種にわたり、化学増感の最適化に対す
る要望が厳しくなる現状では、予めハロゲン組成を制御
するだけでは、化学増感処方のバリエーションを増や
し、更なる感度上昇を目指すには不十分であった。
【0011】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、高感度かつ低カ
ブリであるハロゲン化銀写真乳剤を提供することにあ
る。
【0012】本発明の第2の目的は、高感度かつ低カブ
リであるハロゲン化銀写真乳剤の製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】本発明の第3の目的は、高感度かつ低カブ
リであるハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあ
る。
【0014】
【発明の構成】本発明者は鋭意研究の結果、本発明の上
記目的が、下記構成により達成されることを見いだし
た。 (1)ハロゲン化銀粒子上に化学増感核を有しているハ
ロゲン化銀乳剤において、化学増感剤の添加開始から終
了までの間に、ハロゲン化銀粒子表面に、ハライド組成
が異なる領域を設ける工程及び/または化学増感制御剤
添加の工程が導入されていることを特徴とするハロゲン
化銀写真乳剤。 (2)ハロゲン化銀粒子が、主として(111)面を有
する平板粒子であることを特徴とする上記(1)に記載
のハロゲン化銀写真乳剤。 (3)化学増感核が、カルコゲナイド化合物を含有する
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のハロ
ゲン化銀写真乳剤。 (4)ハロゲン化銀粒子上に化学増感核を形成するハロ
ゲン化銀乳剤の製造方法において、化学増感剤の添加開
始から終了までの間に、ハロゲン化銀粒子表面にハライ
ド組成が異なる領域を設ける工程及び/または化学増感
制御剤添加の工程を行うことを特徴とするハロゲン化銀
写真乳剤の製造方法。 (5)ハロゲン化銀粒子が主として(111)面を有す
る平板粒子であることを特徴とする上記(4)に記載の
ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。 (6)形成される化学増感核がカルコゲナイド化合物を
含有する化学増感核であることを特徴とする上記(4)
または(5)に記載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方
法。 (7)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン
化銀写真乳剤を含有する乳剤層が設けられていることを
特徴とする写真感光材料。
【0015】本発明において、化学増感剤の添加開始か
ら終了までの間とは、化学増感剤の添加を始めてから添
加を終了するまでの期間をいい、化学増感剤を連続的に
添加する場合にあっては、化学増感剤を添加している間
をいい、同一または異なる種類の化学増感剤を2以上の
回に分けて添加する場合にあっては、最初の化学増感剤
の添加を開始してから最後の化学増感剤の添加が終了す
るまでをいう。この場合、化学増感剤を添加していない
期間も存在するが、これら期間も化学増感剤の添加開始
から終了までの間に含まれる。本発明において、ハライ
ド組成が異なる領域の形成、化学増感制御剤の添加は、
上記化学増感剤の添加開始から終了までの間であれば、
化学増感剤の添加中に行っても、また、化学増感剤の添
加を休止している間に行ってもよい。
【0016】また、ハロゲン化銀粒子表面に、ハライド
組成の異なる領域を設けるとは、ハロゲン化銀粒子表面
に、該表面とは異なるハライド組成を有するハロゲン化
銀を設けることであって、具体的には、表面にAgBr
Iを有する粒子に対して、もとのAgBrI組成の一部
は表面に残したままで、更にI含有率の異なるAgBr
I部あるいはAgBr部を粒子表面の一部になるように
設ける、表面がAgBrIClの粒子に対して、AgB
rClを一部の粒子表面に設けることを例として挙げる
ことができる。
【0017】本発明においては、表面がAgBrIであ
る粒子に、AgBrICl部あるいはAgBrCl部を
導入することが好ましい。それは、Cl含有部を設ける
と、乳剤中あるいは粒子表面で反応する増感剤の反応速
度、生成した銀カルコゲナイドの凝集速度が顕著に変化
させられるからである。
【0018】本発明で用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は、平板粒子が好ましい。平板状粒子は、正6面体、
あるいは8面体と比較して、単位体積あたりの表面積が
大きく、増感色素を多量に吸着させることが可能であ
り、増感に適しているからである。特に、(111)平
板については研究が盛んであり、(111)平板ハロゲ
ン化銀粒子表面にハライド組成の異なる領域を設けるに
は、例えば、特開平3−121445号公報、特開平8
−254778号公報に示されているような、環状バン
ドを設ける手法、特開平9−319017号公報に示さ
れているように、頂点付近にCl含有部を設ける手法な
どが利用できる。また、米国特許第4,435,501
号明細書に記載されているように、エピタキシャル操作
で銀を付着させる操作も利用できる。
【0019】本発明において、ハロゲン化銀粒子表面に
ハライド組成の異なる領域が設けられたか否かは、以下
の手法で確認することができる。 1.低温で元素分析装置を有する透過型電子顕微鏡を用
いて観察する。 2.化学増感中、粒子表面にハライド組成の異なる領域
を設けた後、表面感度を測定する。
【0020】化学増感剤の一部が添加された後に、銀及
びハライドの添加により、ハライド組成の異なる領域を
設けた時、もし粒子表面が添加した銀ハライドにより全
体が被覆されていなければ、表面感度の上昇が保持され
る。 3.低温発光顕微鏡を用いて観察する。
【0021】ジャーナル オブ イメージング サイエ
ンス、32、p160(1988)に記載されているよ
うに、低温下で発光を観察すると、ハライド組成の異な
る部分を同定できる場合がある。
【0022】以上の手法が全てではないが、必要であれ
ばこれらの手法の組み合わせにより、ハライド組成の異
なる領域が設けられたかどうか判定することができる。
【0023】ハライド組成の異なる領域の大きさは、粒
子投影面積の50%以下が好ましく、さらに好ましくは
20%以下である。要は、最初に添加された増感剤がも
との粒子面上で反応し、その後に添加された増感剤が反
応する時、新たに設けられたハライド組成の異なる領域
上で反応するように化学増感を行い、両方が同時に粒子
表面に存在できるようにするのである。
【0024】一方、化学増感制御剤の添加では、最初に
添加された増感剤がもとの粒子面上で反応し、化学増感
制御剤がそれを被覆した後、化学増感制御剤が吸着して
いない領域で新たに加えられた増感剤が反応する。その
ため化学増感制御剤の添加量は、飽和吸着量に対する量
比で50%以上添加されることが好ましい。
【0025】本発明において、化学増感剤としては、金
化合物、カルコゲン含有化合物等種々の化学増感剤を用
いることができ、特に制限されるものではない。
【0026】本発明において用いられるカルコゲン含有
化合物には、硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤
などがあるが、写真用として用いるには硫黄増感剤、セ
レン増感剤が好ましい。
【0027】硫黄増感剤としては、公知のものを用いる
ことができる。例えば、チオ硫酸塩、アリルチオカルバ
ミド、チオ尿素、アリルイソチオシアナート、シスチ
ン、ローダニンなどが挙げられる。その他、米国特許第
1,574,944号明細書、同第2,410,689
号明細書、同第2,278,947号明細書、同第2,
728,668号明細書、同第3,501,313号明
細書、同第3,656,955号明細書、西独出願公開
(OLS)第1,422,869号公報、特開昭56−
24937号公報、同55−45016号公報等に記載
されている硫黄増感剤も用いることができる。
【0028】セレン増感剤としては、アリルイソセレノ
シアナートの如き脂肪族イソセレノシアナート類、セレ
ノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカ
ルボン酸類及びそのエステル類、セレノホスフェート
類、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド等のセ
レナイド類などを用いることができ、それらの具体例
は、米国特許第1,574,944号明細書、同第1,
602,592号明細書、同第1、623、499号明
細書等に記載されている。
【0029】カルコゲン増感剤の添加量としては、ハロ
ゲン化銀乳剤の感度を効果的に増大させるのに十分な量
であればよく、この適量は化学熟成時のpH、温度、ハ
ロゲン化銀粒子サイズ、形状など種々の条件の下で変動
するが、ハロゲン化銀1モル当たり10-7モル〜10-3
モルが好ましい。
【0030】本発明のハロゲン化銀乳剤には、金増感を
併用することが好ましい。金増感を併用する場合には、
平均サイズの大きい化学増感核中に金イオンまたは金原
子が含有されることが好ましい。
【0031】本発明において、金増感剤としては、金の
価数が+1価でも+3価でもよく、多種の金化合物が用
いられる。代表的な例としては、塩化金酸類、カリウム
クロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウ
ムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレー
ト、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオー
ロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールド、金−
ジメチルローダニン錯体等が挙げられる。
【0032】金増感剤の添加量は、種々の条件により異
なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり約10
-7〜10-1モルまでの範囲が好ましい。金増感剤の添加
時期は、カルコゲナイド化合物と同時でも、カルコゲナ
イド増感工程の前、途中あるいは終了後でもよい。
【0033】本発明における化学増感には他の貴金属、
例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウムのよ
うな金属塩あるいはそれらの錯塩による増感法も併用で
きる。更に、金−ゼラチナートより金を離脱させ、か
つ、ハロゲン化銀粒子への金イオン吸着を促進する化合
物として、Rh,Pd,Ir,pt等の錯体を用いるこ
とが効果的である。
【0034】具体的化合物としては、(NH42(Pt
Cl4)、(NH42(PdCl4)、K3(IrB
6)、(NH43(RhCl6)・12H2O等が挙げ
られるが、特に好ましいのは、テトラクロロパラジウム
(II)酸アンモニウムである。添加量は、金増感剤に対
し化学量論比(モル比)で10〜100倍の範囲が好ま
しい。
【0035】添加時期は、化学増感処理の開始時、進行
中、終了後の何れの工程でもよいが、好ましくは化学増
感処理進行中であり、特に好ましくは金増感剤の添加と
同時あるいはその前後である。
【0036】本発明において化学熟成は、ハロゲン化銀
溶剤の存在下に行なってもよい。また、化学増感助剤
(化学増感改質剤)の存在下に行なうこともできる。
【0037】ハロゲン化銀溶剤とは、チオシアン酸塩
(例えば、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモ
ニウム等)、チオエーテル化合物、(a)例えば、米国
特許第3,021,215号明細書、同第4,276,
374号明細書等に記載の化合物)チオン化合物、
(b)例えば、特公昭59−11892号公報、同60
−11341号公報、米国特許第4,221,863号
明細書等に記載の化合物等が挙げられる。
【0038】本発明において、ハライド組成が異なる領
域を設ける工程について、さらに具体的に例を挙げて説
明する。
【0039】例えば、(111)主面を有するAgBr
I平板粒子の主面上にAg2S(あるいはAgAuS)
からなる化学増感核を設け、頂点付近にAg2Seから
なる化学増感核を設ける場合を考える。頂点付近にAg
2Seを設けてから主面上にAg2S(あるいはAgAu
S)を設けることも可能であるが、ここでは、Ag2
(あるいはAgAuS)を設けてからAg2Seを設け
る手段を説明する。まず、Ag2S(あるいはAgAu
S)を形成するのに必要な硫黄増感剤及び金増感剤を添
加し、主平面上に多くのAg2S(あるいはAgAu
S)を形成する。この時点では、ハロゲン組成の異なる
領域は設けられておらず、化学増感制御剤の添加も行わ
れていないので、粒子主平面上に最大限のAg2S(あ
るいはAgAuS)を形成できる。主面上に小さなAg
2Sを多く設けるためには、例えば、チオ硫酸ナトリウ
ムを用いることができ、金増感剤としては、例えば、塩
化金酸を用いることができる。特に、金増感剤を硫黄増
感剤に対して多く(モル比で1:1以上)添加しておく
と、Ag2Sの過凝集を抑制でき好ましい。過凝集防止
のためにはテトラアザインデンのような化合物を少量添
加することも有効である。
【0040】所望のAg2S(あるいはAgAuS)を
設けた後、引き続き、セレン増感剤として、トリフェニ
ルホスフィンセレノイドを用い、セレン増感を行うと、
Ag2S(あるいはAgAuS)の凝集が抑えられない
ので、Ag2Se増感核が形成できた時には、Ag2
(あるいはAgAuS)が過凝集を起こしてしまうので
ある。そこで、Ag2Sを(あるいはAgAuS)形成
後、ハロゲン化銀粒子表面にAgBrClからなる領域
を頂点付近に設けておくと、頂点付近でのセレン増感剤
の反応が大きく促進され、Ag2S(あるいはAgAu
S)の望ましい状態を維持したまま、所望のAg2Se
核を形成できる。
【0041】ハライド組成が異なる領域は、セレン増感
核の形成サイトが好ましいが、それ以外の場所でもよ
い。増感剤の化学構造により粒子表面での反応サイトを
頂点付近にコントロールできる場合があるのに加え、セ
レン増感核形成サイトでなくても反応に必要な銀イオン
供給サイトにはなりうるからである。セレン増感剤添加
前に、化学増感助剤を添加しておけば、小サイズの化学
増感核の状態をよりよく保持でき好ましい。この場合の
化学増感助剤は、増感色素であると分光増感も同時に可
能となり好ましいが、化学増感核の最適サイズ分布を実
現するためには、増感色素である必要はない。
【0042】本発明において用いられる化学増感制御剤
について説明する。
【0043】化学増感制御剤は、例えば、ハロゲン化銀
粒子表面に吸着しうる含窒素複素環化合物であり、リサ
ーチ・ディスクロージャー誌第307巻866頁〜86
9頁(1989年)に記載されている。より具体的に
は、含窒素複素環化合物の含窒素複素環としては、例え
ば、ピラゾール環、ピリミジン環、1,2,4−トリア
ゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−
チアジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、
1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジア
ゾール環、1,2,3,4−テトラゾール環、ピリダジ
ン環、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリア
ジン環、1,3,5−トリアジン環、ベンゾトリアゾー
ル環、ベンツイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キ
ノリン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾセレナゾール
環、ナフトチアゾール環、ナフトイミダゾール環、ロー
ダニン環、チオヒダントイン環、オキサゾール環、チア
ゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、
ナフトオキサゾール環、オキサゾリジンジオン環、トリ
アゾロトリアゾール環、アザインデン環、(例えば、ジ
アザインデン環、トリアザインデン環、テトラザインデ
ン環、ペンタザインデン環)、フタラジン環、インダゾ
ール環などを挙げることができる。
【0044】含窒素複素環化合物の中でも好ましいの
は、アザインデン環を有する化合物であり、置換基とし
てヒドロキシ基を有するアザインデン化合物、特に、ヒ
ドロキシテトラアザインデン化合物等が好ましい。複素
環には、ヒドロキシ基以外の置換基を有してもよい。こ
れら置換基としては、例えば、アルキル基、アルキルチ
オ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アシ
ルアミノ基、シアノ基、メルカプト基等が挙げられる。
【0045】以下に、本発明で化学増感制御剤として用
いられる含窒素複素環化合物の具体例を列記するが、こ
れらに限定されるものではない。 1.4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン 2.4−ヒドロキシ−6−t−ブチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン 3.4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,3,3a,7
−テトラザインデン 4.4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザイン
デン 5.4−メチル−6−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデン 6.2−メチルチオ−4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン 7.4−ヒドロキシ−5−ブロモ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン 8.4−ヒドロキシ−6−メチル−1,2,3a,7−
テトラザインデン 9.4−ヒドロキシ−6−エチル−1,2,3a,7−
テトラザインデン 10.2,4−ジヒドロキシ−6−フェニル−1,3
a,7−トリアザインデン 11.4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,2,3,3
a,7−ペンタザインデン 12.アデニン 13.グアニン 14.ベンゾトリアゾール 15.5−メチルベンゾトリアゾール 16.5−ニトロ−ベンゾイミダゾール 17.5−(m−シアノフェニル)テトラゾール 18.1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 19.1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテ
トラゾール 20.1−(3,5−ジカルボキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール 21.1−エチル−5−メルカプトテトラゾール 22.1−メチル−2−メルカプト−1,3,5−トリ
アゾール 23.1−フェニル−2−メルカプト−イミダゾール 24.2−メルカプト−5−スルホベンゾチアゾール 25.2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール 26.1−メルカプト−3−メチルチオチアジアゾール 27.2−エチル−3−メチル−β−ナフトチアゾリウ
ムp−トルエンスルホネート これら化学増感制御剤の添加量は、有効量であればよい
が、ハロゲン化銀1モル当たり10-5モル〜10-1
ル、好ましくは10-4モル〜3×10-2モル、より好ま
しくは2×10-4モル〜10-2モルである。
【0046】本発明では、化学増感制御剤として増感色
素を用いることもできる。これら増感色素としては、例
えば、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン
色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、
スチリル色素及びヘミオキソノール色素等が挙げられ
る。特に有用な色素として、シアニン色素、メロシアニ
ン色素及び複合メロシアニン色素に属する色素を挙げる
ことができる。
【0047】これらの色素類には、塩基性異節環核とし
て、シアニン色素類に通常利用される核、即ち、ピロリ
ン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オ
キサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダ
ゾール核、テトラゾール核、ピリジン核など;これらの
核に脂環式炭化水素環が融合した核;これらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベ
ンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾー
ル核、ナフトオキサゾール核、ベンズチアゾール核、ナ
フトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミ
ダゾール核、キノリン核などを適用することができる。
これらの核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。
【0048】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素には、ケトメチレン構造を有する核として、ピラゾ
リン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキ
サゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4
−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核等の
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0049】これら増感色素としては、例えば、リサー
チ・ディスクロージャー17643、第23頁IV項(1
978年12月)に記載された化合物または引用された
文献に記載された化合物を用いることができる。より具
体的には、以下の化合物を用いることができる。
【0050】5,5′−ジクロロ−3,3′−ジエチル
チアシアニン臭化物、5,5′−ジクロロ−3,3′−
ジ(4−スルホブチル)−チアシアニンNa塩、5−メ
トキシ4,5−ベンゾ−3,3′−ジ(3−スルホプロ
ピル)チアシアニンNa塩、5,5′−ジクロロ−3,
3′−ジエチルセレナシアニン沃化物、5,5′−ジク
ロロ−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプロピ
ル)チアカルボシアニンピリジニウム塩、アンヒドロ−
5,5′−ジクロロ−9−エチル−3−(4−スルホブ
チル)−3′−エチル水酸化物、1,1−ジエチル−
2,2′−シアニン臭化物、1,1−ジペンチル−2,
2′−シアニン過塩素酸、9−メチル−3,3′−ジ
(4−スルホブチル)−チアカルボシアニンピリジニウ
ム塩、5,5′−ジフェニル−9−エチル−3,3′−
ジ(2−スルホエチル)−オキサカルボシアニンNa
塩、5−クロロ−5′−フェニル−9−エチル−3−
(3−スルホプロピル)−3′−(2−スルホエチル)
オキサカルボシアニンNa塩、5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプロピル)オキサ
カルボシアニンNa塩、5,5′−ジクロロ−6,6′
−ジクロロ−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ(3−
スルホプロピル)イミダカルボシアニンNa塩、5,
5′−ジフェニル−9−エチル−3,3′−ジ(3−ス
ルホプロピル)チアカルボシアニンNa塩これら色素
は、例えば、ハロゲン化銀1モル当たり、4×10-6
8×10-3モルで用いることができるが、ハロゲン化銀
粒子サイズが0.2〜1.2μmの場合は、5×10-5
〜2×10-3モルがより有効である。
【0051】本発明においては還元増感を併用すること
が好ましい。還元増感に用いる還元剤には特に制限はな
いが、塩化第1錫、二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及
びその誘導体、ヒドラジン誘導体、ポリアミン等が挙げ
られる。還元増感を行う時期は、ハロゲン化銀粒子の成
長の途中段階で行うことが好ましい。
【0052】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子について説明する。
【0053】本発明のハロゲン化銀乳剤に含まれるハロ
ゲン化銀粒子としては、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、沃
臭化銀あるいは塩沃臭化銀などの任意のハロゲン組成の
ものでよく、P.Glafkides著、Chimie et Physique Phot
ographique(Paul Montel社刊 1967年):G.F.Duf
fin著、Photographic Emulsion Chemistry(The Focal P
ress社刊 1966年):V.L.Zelikman等共著、Making
and Coating Photographic Emulsion(The Forcal Pre
ss社刊1964年)などに記載された方法を用いて調整
することができる。
【0054】粒子形成法は、酸性法、中性法、アンモニ
ア法等のいずれでもよく、また、可溶性銀塩と可溶性ハ
ロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時
混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよ
い。また、粒子を銀イオン過剰のもとにおいて形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。
【0055】同時混合法の一つの形式であるハロゲン化
銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、即
ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。また、特願昭63−224002号明
細書に記載されている沃化銀微粒子で沃素イオンを供給
する乳剤製造方法や、特開平1−183417号公報に
記載されるような沃臭化銀微粒子をオストワイルド熟成
によって成長させる方法を用いてもよい。
【0056】本発明のハロゲン化銀乳剤中に含まれるハ
ロゲン化銀粒子は、立方体、8面体、14面体のような
規則的な形状でもよく、また、球状などのように変則的
な結晶形を持つもの、双晶面を持つものあるいはそれら
の複合形でもよい。また、ハロゲン化銀結晶の構造は、
実質的に組成が均一な構造でも、コア/シェル型の2重
構造でも多重の層構造でもよい。好ましくは、粒子表面
層のハロゲン組成のハロゲン化銀の価電子帯−伝導帯間
のバンドギャップよりも小さいバンドギャップエネルギ
ーのハロゲン化銀相を粒子内部に有する粒子である。
【0057】また、本発明の増感法は、平板状ハロゲン
化銀粒子の増感にも適用できる。平板状ハロゲン化銀粒
子が平板状の双晶である場合、粒子の投影面積同等円換
算直径と粒子厚みの比(アスペクト比)が1〜20のも
のが投影面積の60%以上あることが好ましい。アスペ
クト比は更に、1.2以上8.0未満が好ましく、特
に、1.5以上、5未満が好ましい。
【0058】本発明のハロゲン化銀乳剤中に含まれるハ
ロゲン化銀粒子は、母体となるハロゲン化銀粒子にエピ
タキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接
合されていてもよく、また、例えば、チオシアン酸銀、
酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されてい
てもよい。
【0059】本発明のハロゲン化銀粒子は、転移線を有
することが望ましい。平板粒子の転位線の数について
は、5本以上の転位線を含む粒子が乳剤中のハロゲン化
銀粒子の全投影面積の50%以上あることが好ましい
が、80%以上あることが更に好ましい。また、転位線
の数は10本以上であることが更に好ましい。
【0060】特に平板粒子である場合で、粒子内部とフ
リンジ部に転位線が存在する場合には、粒子内部に5本
以上の転位線が存在することが好ましく、フリンジ部と
粒子内部に共に5本以上存在することが更に好ましい。
【0061】転位線の導入方法については特に限定はな
いが、転位線の導入は、転位を導入したい位置で沃化カ
リウムのような沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダ
ブルジェットで添加する方法、沃化銀微粒子を添加する
方法、沃素イオン溶液のみを添加する方法、特開平6−
11781号公報に記載されるような沃化物イオン放出
剤を用いる方法等で行うことができる。これらの中で、
沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで
添加する方法、沃化銀微粒子を添加する方法、沃化物イ
オン放出剤を用いる方法が好ましく、沃化銀微粒子を用
いる方法が更に好ましい。沃素イオン水溶液としては沃
化アルカリ水溶液が好ましく、水溶性銀塩水溶液として
は硝酸銀溶液が好ましい。
【0062】平板粒子の転位線は、例えばJ.F.Hamilto
n,Phot.Sci.Eng.,11、57、(1967)やT.Shiozawa,J.Soc.P
hot.Sci.Japan,35、213、(1972)に記載
の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法に
より観察することができる。即ち、乳剤から粒子に転位
線が発生するほどの圧力をかけないよう注意して取り出
したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュに
のせ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐよ
うに試料を冷却した状態で透過法により観察を行う。こ
の時粒子の厚みが厚い程、電子線が透過しにくくなるの
で高圧型(0.25μmの厚さの粒子に対して200k
V以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察する
ことができる。このような方法により得られた粒子の写
真より、主平面に対して垂直方向から見た場合の各粒子
についての転位線の位置及び数を求めることができる。
【0063】また、ハロゲン化銀粒子形成または物理熟
成の過程において、ドーピングのため、硫黄、セレン及
びテルルなどのカルコゲン化合物や、カドミウム塩、亜
鉛塩、鉛塩、タリウム、イリジウム塩またはその錯塩、
ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩などの金
属塩または金属錯体を共存させてもよく、本発明の乳剤
においては、鉄塩または鉄錯塩または、鉛塩を共存させ
ることが特に好ましい。本発明のハロゲン化銀乳剤は、
単分散性のハロゲン化銀乳剤であることが好ましい。
【0064】本発明において、単分散性のハロゲン化銀
乳剤とは、(粒径標準偏差/平均粒径)×100=分布
の広さ(%)によって定義した分布の広さでいうと、分
布の広さが20%以下のものであり、さらに好ましく
は、15%以下である。ここでの粒径測定方法は、粒子
の投影像を同面積の円像に換算した時の直径である。粒
径は、例えば、粒子を電子顕微鏡で1万から5万倍に拡
大して投影し、そのプリント上の粒子直径または投影時
の面積を測定することで得られる。
【0065】平均粒径=Σdini/Σni 本発明のハロゲン化銀乳剤の平均粒径は、0.1μm〜
10.0μmであることが好ましく、更に好ましくは
0.2μm〜5.0μm、特に好ましくは0.3μm〜
3.0μmである。単分散性の正常晶乳剤は、例えば、
特開昭59−177535号公報、同60−13853
8号公報、同59−52238号公報、同60−143
331号公報、同60−35726号公報、同60−2
58536号公報及び同61−14636号公報に開示
された方法を参考にすることによって製造することがで
きる。
【0066】単分散性の双晶乳剤は、例えば、特開昭6
1−14636号公報に開示された球型種乳剤を成長さ
せる方法を参考にすることによって得ることができる。
【0067】本発明のハロゲン化銀粒子のハロゲン組成
構造は、例えば、ハロゲン化銀粒子中の沃化銀含有率が
内部(コア部)で高く、表層(シェル部)で低い組成構
造でも、また逆に、内部に比べ最表層の沃化銀含有率が
高い組成構造でもよく、ハロゲン化銀写真感光材料の使
用目的によって選択することが好ましい。
【0068】前者の具体例は、特公昭43−13162
号公報、特開昭57−154232号公報、同59−1
77535号公報、同60−138538号公報、同6
0−143331号公報、同61−88253号公報及
び同61−112142号公報等に開示されている。一
方、後者の具体例は、特開昭63−106745号公
報、特開平1−183646号公報、同1−28484
8号公報、同1−279237号公報、同2−1214
2号公報及び同1−273033号公報等に開示されて
いる。
【0069】粒子形成中に用いるゼラチンあるいはゼラ
チン状バインダーは、単分散性の優れた乳剤を得るた
め、以下のように使い分けることが好ましい。平板状粒
子の核形成を天然メチオニン含量を減少させる処理をさ
れていないゼラチンあるいはゼラチン状バインダーを用
いて行う一方、存在するゼラチンあるいはゼラチン状バ
インダー及び後で導入したゼラチンあるいはゼラチン状
バインダーのメチオニン分を実質的に除去した後に粒子
成長を行う。これを達成するのに都合のよい手法は、核
形成後で成長が進行する前にメチオニン酸化剤を導入す
ることである。
【0070】ゼラチンあるいはゼラチン状バインダーの
メチオニンを酸化するための従来の手法のいずれをも用
いることができる。米国特許第4,713,320号明
細書(Maskasky)(以下、「Maskasky−III」
と称する)には、酸化によりメチオニン量を、ゼラチン
1グラム当たり30μモル未満、好ましくは、強力な酸
化剤を用いることにより12μモル未満に減少させるこ
とを教示している。事実、Maskasky−IIIが用
いる酸化剤処理により、メチオニンが検出限界未満にま
で減少する。ゼラチンあるいはゼラチン状バインダー中
のメチオニンを酸化するために用いられる薬剤として
は、例えば、NaOCl、クロラミン、過硫酸カリウ
ム、過酸化水素及び過酸化物放出化合物並びにオゾンが
挙げられる。また、米国特許第4,942,120号明
細書(King等)には、ゼラチンあるいはゼラチン状
バインダーのメチオニン成分をアルキル化剤で酸化する
ことが教示されており、ヨーロッパ特許出願第0434
012号明細書(Takada等)には、次式のうちの
一つで表されるチオスルホネートの存在下で沈殿を行う
ことを開示しており、これらを用いることもできる。
【0071】(I) R−SO2S−M (II) R−SO2S−R1 (III) R−SO2S−Lm−SSO2−R2 [式中、R、R1及びR2は、脂肪族基、芳香族基、複素
環式基を表し、Mは、カチオンを表し、Lは、二価の結
合基す。mは、0もしくは1を表す。また、R、R1
2、Lは結合して環を形成するものであってもよ
い。] ゼラチン状バインダーには、例えば、アルカリ処理ゼラ
チン(家畜、骨もしくは皮ゼラチン)もしくは酸処理ゼ
ラチン(豚の皮ゼラチン)及びゼラチン誘導体、例え
ば、アセチル化もしくはフタル化ゼラチンが含まれる。
単分散化等に有効である特開平9−166838に示さ
れているような水分散性の酸化カチオンデンプンを用い
ることもできる。
【0072】本発明のハロゲン化銀乳剤の調製時(種乳
剤の調製時も含む。)に、ハロゲン化銀粒子に対して吸
着性を有するゼラチン以外の物質を添加してもよい。こ
のような吸着物質としては、例えば、増感色素、カブリ
防止剤または安定化剤として当業界で用いられる化合物
または重金属イオンが有用である。上記吸着性物質は、
特開昭62−7040号公報に具体例が記載されてお
り、これらを用いることができる。
【0073】吸着性物質であるカブリ防止剤、安定化剤
の少なくとも1種を種乳剤の調製時に添加せしめること
が、乳剤のカブリを減少せしめ、かつ、経時安定性を向
上せしめる点で好ましい。カブリ防止剤、安定化剤の中
では、ヘテロ環メルカプト化合物及び/またはアザイン
デン化合物が特に好ましい。より好ましいヘテロ環メル
カプト化合物、アザインデン化合物の具体例は、特開昭
63−41848号公報に詳細に記載されている。
【0074】上記ヘテロ環メルカプト化合物、アザイン
デン化合物の添加量は限定的ではないが、ハロゲン化銀
1モル当たり好ましくは1×10-5〜3×10-2モル、
更に好ましくは5×10-5〜3×10-3モルである。こ
の量はハロゲン化銀粒子の製造条件、ハロゲン化銀粒子
の平均粒径及び上記化合物の種類により適宜選択される
ものである。
【0075】調製したハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀粒子形成後に公知の方法により脱塩を行なうことがで
きる。脱塩の方法としては、特開昭63−243936
号公報、特開平1−185549号公報等に記載の凝集
ゼラチン剤等を用いる方法、ゼラチンをゲル化させて行
うヌーデル水洗法が用いられる。更には、多価アニオン
よりなる無機塩類、例えば、硫化ナトリウム、アニオン
性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレ
ンスルホン酸)を利用した凝析法を用いてもよい。一般
に、上記のようにして脱塩されたハロゲン化銀乳剤は、
ゼラチン中に再分散されて乳剤が調製される。
【0076】更に、本発明のハロゲン化銀乳剤は増感色
素を用いて、所望の波長域に光学的に増感できる。
【0077】分光増感は、リサーチ・ディスクロージャ
ー(Research Disclosure、以下R
Dと略す。)の下記に示す巻及び頁に記載の分光増感剤
を用いて行うことができる。
【0078】No.17643(p.23〜24) No.18716(p.648〜649) No.308119(p.996、IV−A、B、C、
D:H、I、J項) 本発明において得られる効果は、本発明のハロゲン化銀
乳剤を分光増感することによって顕著となる。特に、ト
リメチン及び/またはモノメチンのシアニン色素を単独
であるいは他の分光増感剤と併用して用いた場合に本発
明の効果はより顕著となる。また、本発明の感光材料に
用いる、本発明のハロゲン化銀乳剤ではないハロゲン化
銀乳剤も、適宜所望の波長域に光学的に増感することで
きる。
【0079】用いることができる分光増感方法には特に
制限はなく、例えば、ゼロメチン色素、モノメチン色
素、ジメチン色素、トリメチン色素等のシアニン色素あ
るいはメロシアニン色素等のシアニン色素あるいはメロ
シアニン色素等の分光増感剤を単独あるいは併用して光
学的に増感することができる。増感色素の組合せは特に
強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と共
に、その自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視
光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す
物質を乳剤中に含んでもよい。
【0080】これらの技術については、米国特許第2,
688,545号明細書、同第2,912,329号明
細書、同第3,397,060号明細書、同第3,61
5,635号明細書、同第3,628,964号明細
書、英国特許第1,195,302号明細書、同第1,
242,588号明細書、同第1,293,862号明
細書等の各明細書、西独特許(OLS)第2,030,
326号明細書、同第2,121,780号明細書、特
公昭43−14030号公報等やRD176巻1764
3(1978年12月発行)第23頁IVのJ項等にも記
載されている。使用する分光増感剤は、増感すべき波長
域、感度等、感光材料の目的、用途に応じて選択するこ
とができる。
【0081】本発明の感光材料を作成する際して、写真
感光材料には、種々の添加剤を用いることができる。使
用できる公知の写真用添加剤は、例えば、下記のRDに
例示されている。表1に、関連する記載箇所を示す。
【0082】
【表1】 本発明の感光材料には、種々のカプラーを使用すること
ができる。その具体例は、例えば、下記のRDに例示さ
れている。表2に、関連ある記載箇所を示す。
【0083】
【表2】 使用する添加剤は、RD308119 XIVに記載され
ている分散法などにより添加することができる。また、
本発明の感光材料においては、前述のRD17643、
第28頁、RD18716 647〜8頁及びRD30
8119のXVIIに記載されている支持体を使用すること
ができる。
【0084】本発明の感光材料には、前述のRD308
119 VII−K項に記載されているフィルター層や中
間層の補助層を設けることができる。本発明の感光材料
は前述のRD308119 VII−K項に記載されてい
る順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとるこ
とができる。
【0085】本発明の感光材料は、それを構成するハロ
ゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が本発明のハロゲン化
銀乳剤で形成されるが、同層に本発明のハロゲン化銀乳
剤のハロゲン化銀粒子以外のハロゲン化銀粒子が含有さ
れていてもよい。この場合、好ましくは、本発明のハロ
ゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子が20重量%以上を占
めるのが望しく、40重量%以上を占めるのが更に望ま
しい。
【0086】また、本発明の感光材料が2以上のハロゲ
ン化銀乳剤層を有する場合、少なくとも1層が本発明の
ハロゲン化銀乳剤を有していればよく、他の層は、本発
明のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀以外のハロゲン化
銀粒子のみからなるハロゲン化銀乳剤層であってもよ
い。この場合、本発明のハロゲン化銀乳剤が、感光材料
を構成する全ての感光性層に使用されるハロゲン化銀乳
剤の10重量%以上を占めるのが好ましく、20重量%
以上を占めるのが更に好ましい。
【0087】本発明の感光材料に使用される本発明のハ
ロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀以外のハロゲン化銀乳剤
において、ハロゲン化銀粒子粒子サイズ分布は如何なる
ものであっても構わない。粒子サイズ分布の広い乳剤
(多分散性乳剤と称する。)を用いてもよいし、粒子サ
イズ分布の狭い乳剤(単分散性乳剤と称する。)を用い
てもよい。
【0088】本発明の写真感光材料は、一般用もしくは
映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレ
ビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポ
ジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々のカ
ラー感光材料として好ましい。また、本発明の写真感光
材料は、白黒一般用、Xレイ用、赤外用、マイクロ用、
銀色素漂白法用、拡散転写法用、反転用等の種々の用途
にも供し得る。
【0089】本発明の感光材料は、通常用いられる公知
の方法により現像処理することができる。例えば、RD
17643 第28頁〜第29頁、RD18716 第
615頁及びRD308119 XIXに記載された通
常の方法によって、現像処理することができる。
【0090】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0091】実施例1 《角取れ立方体AgBr乳剤の調整(EM−1)》ゼラ
チン3%とアンモニア2%を含む水溶液を55℃に保
ち、3.5N硝酸銀水溶液と3.5N臭化カリウム溶液
を60分間にわたり添加した。添加中のEAgを60m
Vに保ち、添加終了後、特開平5−72658号公報に
記載の方法に従い脱塩したところ、平均球換算径0.8
μmの角取れ立方体乳剤(EM−1)を得た。
【0092】《増感処方1》―ハライド組成の異なる領
域を導入しない増感処方― 銀1モル相当量の乳剤EM−1を、50℃において、p
Ag=8.0に調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり
2×10-6モルのチオ硫酸ナトリウムを添加した。チオ
硫酸ナトリウムを添加した30分後に、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-6モルの1−エチル−3−(2−チ
アゾリル)チオウレアを添加し、さらに、感度−カブリ
が最適になるように熟成した。感度−カブリが最適にな
る時間は、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオウ
レアを加えてから15分後であった。
【0093】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり1.4
gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンと31gのオセインゼラチン、0.2
8gのトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを加え、ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0094】得られたハロゲン化銀乳剤を、塗布銀量が
30g/m2になるように下引き済みのトリアセテート
セルロース支持体上に塗布、乾燥し、試料a1を作成し
た。
【0095】《増感処方2》―化学増感のインターバル
にハライド組成の異なる領域を導入する増感処方― 銀1モル相当量の乳剤EM−1を、50℃において、p
Ag=8.0に調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり
2×10-6モルのチオ硫酸ナトリウムを添加した。チオ
硫酸ナトリウムを添加した20分後に、銀量に対して
0.5モル%のNaClを添加し、ここに硝酸銀水溶液
を添加し、再びpAg=8.0に調整し、ハライド組成
の異なる領域を導入した。チオ硫酸ナトリウムを加えて
から30分後に、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6
モルの1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオウレア
を添加し、さらに、感度−カブリが最適になるように熟
成した。感度−カブリが最適になる時間を求めたとこ
ろ、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオウレアを
加えてから10分後であった。
【0096】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり1.4
gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンと31gのオセインゼラチン、0.2
8gのトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを加え、ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0097】得られたハロゲン化銀乳剤を用いて、試料
a1と同様にして試料a2を作成した。 《増感処方3》―ハライド組成の異なる領域を導入した
後に化学増感を行わない増感処方― 増感処方2において、1−エチル−3−(2−チアゾリ
ル)チオウレアを添加しなかった以外は上記増感処方2
と同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製し、試料a2と同
様にして試料b2を作成した。 《増感処方4》―化学増感を行わないでハライド組成の
異なる領域を導入する処方― 増感処方2において、チオ硫酸ナトリウム及び1−エチ
ル−3−(2−チアゾリル)チオウレアを共に添加しな
かった以外は上記増感処方2と同様にしてハロゲン化銀
乳剤を調製し、試料a2と同様にして試料c2を作成し
た。
【0098】《増感処方5》―化学増感前にハライド組
成の異なる領域を導入する増感処方― 銀1モル相当量の乳剤EM−1を、50℃において、p
Ag=8.0に調整した後、銀量に対して0.5モル%
のNaClを添加し、ここに硝酸銀水溶液を添加し、再
びpAg=8.0に調整し、ハライド組成の異なる領域
を導入した。次いで、ハロゲン化銀1モル当たり2×1
-6モルのチオ硫酸ナトリウムを加え、10分間熟成し
た後、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6モルの1−
エチル−3−(2−チアゾリル)チオウレアを添加し、
さらに、感度−カブリが最適になるように熟成した。感
度−カブリが最適になる時間を求めたところ、1−エチ
ル−3−(2−チアゾリル)チオウレアを加えてから5
分後であった。
【0099】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり1.4
gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンと31gのオセインゼラチン、0.2
8gのトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを加え、ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0100】得られたハロゲン化銀乳剤を用いて、試料
a1と同様にして試料a3を得た。
【0101】また、チオ硫酸ナトリウムを加え後の熟成
時間を30分間とした以外は試料a3と同様にして試料
a4を作成した。
【0102】《増感処方6》―化学増感後にハライド組
成の異なる領域を導入する増感処方― 銀1モル相当量の乳剤EM−1を、50℃において、p
Ag=8.0に調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり
2×10-6モルのチオ硫酸ナトリウムを添加した。ハロ
ゲン化銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウムを2×10-6
モル添加した。チオ硫酸ナトリウムを添加した30分後
に、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6モルの1−エ
チル−3−(2−チアゾリル)チオウレアを添加し、1
5分熟成した。更に、銀量に対して0.5モル%のNa
Clを添加し、ここに硝酸銀水溶液を添加し、再びpA
g=8.0に調整し、ハライド組成の異なる領域を導入
した。
【0103】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり1.4
gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンと31gのオセインゼラチン、0.2
8gのトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを加え、ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0104】得られたハロゲン化銀乳剤を用いて、試料
a1と同様にして試料a5を得た。
【0105】《増感処方7》―化学増感剤添加と同時に
ハライド組成の異なる領域を導入する増感処方― 銀1モル相当量の乳剤EM−1を、50℃において、p
Ag=8.0に調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり
2×10-6モルのチオ硫酸ナトリウムを添加した。チオ
硫酸ナトリウムを添加した20分後に、銀量に対して
0.5モル%のNaClを添加し、ここに硝酸銀水溶液
とハロゲン化銀1モル当たり1×10-6モルの1−エチ
ル−3−(2−チアゾリル)チオウレアをダブルジェッ
トで1分間にわたり添加した。その間、pAg=8.0
になるようにした。その後、感度−カブリが最適になる
ように熟成した。感度−カブリが最適になる時間を求め
たところ、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオウ
レアの添加開始から5分後であった。
【0106】次いで、ハロゲン化銀1モル当たり1.4
gの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンと31gのオセインゼラチン、0.2
8gのトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを加え、ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0107】得られたハロゲン化銀乳剤を用いて、試料
a1と同様にして試料a6を得た。
【0108】得られた試料a1〜a6及び試料b2、c
2を、青色光で1/100秒露光し、下記の表面現像液
を用いて、20℃、10分の表面現像を行い、カブリ及
び表面感度を求めた。
【0109】表面感度は下記式により求めた値である。
【0110】感度=−logE 但し、Eはカブリ+0.1の濃度を与える露光量であ
る。
【0111】得られたカブリ及び感度を、試料a1のカ
ブリ及び感度を100とした相対値で表3に示す。
【0112】(表面現像液) メトール 2.5g L−アスコルビン酸 10g メタホウ酸ナトリウム(4水塩) 35g NaCl 0.5g 水を加えて1リットルとする。
【0113】
【表3】
【0114】表3に示すように、化学増感の途中でハラ
イド組成の異なる領域を導入する操作を行った本発明の
ハロゲン化銀乳剤は、感度、カブリが改善されている。
【0115】実施例2 《種乳剤T−1の調製》特開昭62−160128号公
報に記載の撹拌装置を用い、30℃で、激しく撹拌した
A−1液にE−1液を添加し、その後B−1液とC−1
液とをダブルジェット法により各々279mLを1分間
定速で添加し、ハロゲン化銀核の生成を行った。
【0116】その後、D−1液を添加し、31分かけて
温度を60℃に上げ、更にG−1液を添加し、H−1液
でpHを9.3に調整し、6.5分間熟成を行った。そ
の後、F−1液でpHを5.8に調整し、残りのB−1
液とC−1液とをダブルジェット法により37分で加速
添加し、直ちに常法にて脱塩を行い、種乳剤T−1を得
た。この種乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、互い
平行な2枚の双晶面をもつECD=0.72μm、CO
V=16%の単分散平板乳剤であった。
【0117】 (A−1液) オセインゼラチン 38.0g 臭化カリウム 11.7g 水で 34.0L (B−1液) 硝酸銀 810.0g 水で 3815mL
【0118】 (C−1液) 臭化カリウム 567.3g 水で 3815mL (D−1液) オセインゼラチン 163.4g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%エタノール溶液 5.5mL 水で 3961mL
【0119】 (E−1液) 硝酸(10%) 91.1mL (F−1液) 56%酢酸水溶液 必要量 (G−1液) アンモニア水(28%) 105.7mL (H−1液) 水酸化カリウム水溶液(10%) 必要量
【0120】《平板状粒子乳剤EM−2の調製》反応容
器内にA−2液を添加し、75℃にて激しく撹拌しなが
ら、I−2液を添加した後、B−2液、C−2液、D−
2液を表4に示した組み合わせで用い、同時混合法によ
って添加し、種結晶を成長させ、Em−2を調製した。
【0121】ここで、B−2液、C−2液、D−2液の
添加速度は、臨界成長速度を考慮し、添加時間に対して
関数様に変化させ、成長している種粒子以外の小粒子の
発生や、成長粒子間のオストワルド熟成による粒径分布
の劣化が起こらないようにした。
【0122】結晶成長は、先ず第1添加を反応容器内の
溶液温度を75℃、pAgを8.9、pHを5.8にコ
ントロールして行った。第1添加ではB−2液の65.
8%を添加した。その後、J−2液を添加し、30分間
で反応容器内の溶液温度を40℃に下げ、pAgを1
0.3に調整し、H−2液を2分間定速で全量を添加
し、直ちに第2添加を行った。第2添加は反応容器内の
溶液温度を40℃、pAgを10.3、pHを5.0に
コントロールして行い、B−2液の残りをすべて添加し
た。pAg及びpHのコントロールはE−2液、F−2
液、K−2液を添加して行った。なお、第1添加及び第
2添加において、添加時間に対する添加銀量は表4に示
すとおりであった。
【0123】粒子形成後に、特開平5−72658号公
報に記載の方法に従い脱塩処理を行い、その後ゼラチン
を加えて分散し、40℃において、pAg8.06、p
H5.8の乳剤を得た。
【0124】この乳剤中のハロゲン化銀粒子を電子顕微
鏡にて観察したところ、ECD(投影面積円換算粒径)
が1.50μm、粒径分布が14%、平均アスペクト比
が7.0の六角平板状単分散ハロゲン化銀粒子であっ
た。
【0125】 (A−2液) オセインゼラチン 519.9g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10%エタノール溶液 4.5mL 種乳剤T−1 5.3モル相当 水で 18.0L
【0126】 (B−2液) 3.5N硝酸銀水溶液 2787mL (C−2液) 臭化カリウム 1020g 沃化カリウム 29.1g 水で 2500mL
【0127】 (D−2液) 臭化カリウム 618.5g 沃化カリウム 8.7g 水で 1500mL
【0128】 (E−2液) 臭化カリウム 208.3g 水で 1000mL (F−2液) 56%酢酸水溶液 必要量
【0129】 (G−2液) 臭化カリウム 624.8g 水で 1500mL
【0130】 (H−2液) 3.0重量%のゼラチンと沃化銀微粒子(ECD=0.05μm)から成る微 粒子乳剤 0.672モル相当 上記の微粒子乳剤は、0.254モルの沃化カリウムを
含む5.0%のゼラチン溶液9942mLに10.59
モルの硝酸銀と10.59モルの沃化カリウムを含む水
溶液各々3092mLを35分間かけて等速添加して形
成した微粒子乳剤である。なお、微粒子形成中、温度を
40℃に制御したが、pH、EAgは制御しなかった。
【0131】 (I−2液) 二酸化チオ尿素をハロゲン化銀1モル当たり1.4×10-6モル含む水溶液 10mL (J−2液) エチルチオスルホン酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり2.3×10-5 モル含む水溶液 100mL (K−2液) 10%水酸化カリウム水溶液 必要量
【0132】
【表4】
【0133】《化学増感工程》上記乳剤EM−2に、以
下のようにして化学増感を施した。
【0134】添加した化合物の量(ハロゲン化銀1モル
当り)を以下に示す。
【0135】 増感色素(SD−6、SD−7) 第9層処方記載量 アデニン 10mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸 10-4モル チオ硫酸ナトリウム 10-4モル トリフェニルホスフィンセレナード 2mg PMT(化学熟成終了時に安定剤として添加) 10mg TAI(化学熟成終了時に安定剤として添加) 100mg
【0136】なお、増感色素は、増感色素の所定量を予
め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾルバ
ー)で3,500rpmにて30〜120分間にわたっ
て撹拌することによって得た固体微粒子状分散物を使用
した。
【0137】〈増感処方1〉(本発明) 55℃に調整したEM−2に、チオシアン酸アンモニウ
ム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウムを添加した。2分後
にKBrをAgに対するモル比で4%、NaClをAg
に対するモル比で1%添加し、続いてAgNO3を添加
し、EAgが120mVになるようにしてハライド組成
の異なる領域を導入した。ここで、化学増感制御用及び
分光増感用に増感色素を添加し、色素吸着を行った。そ
の20分後にアデニンとトリフェニルホスフィンセレナ
イドを添加し、感度−カブリが最適になるように熟成
し、Se増感を施した。感度−カブリが最適になる時間
は、約60分であった。
【0138】その後、PMTとTAIを添加し、ハロゲ
ン化銀乳剤を調製した。増感後に粒子の塩化銀含有率
を、元素分析装置を有する透過型電子顕微鏡を用い、低
温で測定したところ、粒子にバンド状のClを含有する
部分ができていることが確認された。
【0139】〈増感処方2〉(本発明) 増感処方1において、ハライド組成の異なる領域の導入
を最初に行い、次に、アデニンを添加するようにした以
外は、増感処方1と同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製
した。感度−カブリが最適となるSe増感開始後、約1
00分であった。
【0140】〈増感処方3〉(本発明) 増感処方2において、ハライド組成の異なる領域の導入
を行わずに、EAgを120mVに調整した以外は、増
感処方2と同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0141】〈増感処方4〉(比較例) 増感処方3において、EAgを120mVに調整し、ア
デニンを添加した後に、増感色素の添加を行い、その後
に、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸、チオ硫酸ナ
トリウムの添加、トリフェニルホスフィンセレナイドの
添加を行った以外は、増感処方3と同様にしてハロゲン
化銀乳剤を調製した。
【0142】感度−カブリが最適となる時間は約40分
であった。
【0143】〈増感処方5〉(比較例) 増感処方4において、増感色素の添加を、Se増感剤を
添加した10分後に行うようにした以外は増感処方4と
同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0144】〈増感処方6〉(比較例) 増感処方4において、KBrをAgに対するモル比で4
%、NaClをAgに対するモル比で1%添加し、続い
てAgNO3を添加し、EAgが120mVになるよう
にして行うハライド組成の異なる領域の導入を、Se増
感剤を添加した5分後行った以外は、増感処方4と同様
にしてハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0145】増感後に粒子の塩化銀含有率を元素分析装
置を有する透過型電子顕微鏡を用い、低温で測定したと
ころ、粒子頂点付近にエピタキシャル状のClを含有す
る部分ができていることが確認された。
【0146】〈増感処方7〉(本発明) 増感処方1において、ハライド組成の異なる領域の導入
を、増感色素を添加した後に行うようにした以外は、増
感処方1と同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0147】増感後に粒子の塩化銀含有率を元素分析装
置を有する透過型電子顕微鏡を用い、低温で測定したと
ころ、粒子頂点付近にエピタキシャル状のCL含有部が
できていることが確認された。
【0148】〈増感処方8〉(比較例) 増感処方7において、チオシアン酸アンモニウム、塩化
金酸、チオ硫酸ナトリウムの添加を、増感色素の添加、
ハライド組成の異なる領域の導入を行った後に行った以
外は、増感処方7と同様にしてハロゲン化銀乳剤を調製
した。
【0149】《ハロゲン化銀カラー感光材料の作成》下
塗りを施したトリアセチルセルロースフィルム支持体上
に、以下に示す組成の各層を支持体側から順次形成し、
多層カラー感光材料試料11〜18を作成した。なお、
添加量は特に記載のない限り1m2当たりのグラム数を
示す。また、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して
示し、増感色素は銀1モル当たりのモル数で示した。
【0150】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.16 ゼラチン 1.23 第2層:中間層 化合物(SC−1) 0.15 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.17 ゼラチン 1.27
【0151】 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(ECD=0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.21 増感色素(SD−1) 2.8×10-4 増感色素(SD−2) 1.9×10-4 増感色素(SD−3) 1.9×10-5 増感色素(SD−4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.48 シアンカプラー(C−2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.021 DIR化合物(D−1) 0.020 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.53 ゼラチン 1.30
【0152】 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.52μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(ECD=0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.27 増感色素(SD−1) 2.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.2×10-4 増感色素(SD−3) 1.6×10-5 増感色素(SD−4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.15 シアンカプラー(C−2) 0.18 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.030 DIR化合物(D−1) 0.013 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.30 ゼラチン 0.93
【0153】 第5層:高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=1.0μm、沃化銀含有率8.0モル%) 1.27 増感色素(SD−1) 1.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.3×10-4 増感色素(SD−3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.12 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.013 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.14 ゼラチン 0.91 第6層:中間層 化合物(SC−1) 0.09 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.11 ゼラチン 0.80
【0154】 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.61 沃臭化銀乳剤(ECD=0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.20 増感色素(SD−4) 7.4×10-5 増感色素(SD−5) 6.6×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.18 マゼンタカプラー(M−2) 0.44 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.75 ゼラチン 1.95 第8層:中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.59μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.87 増感色素(SD−6) 2.4×10-4 増感色素(SD−7) 2.4×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.058 マゼンタカプラー(M−2) 0.13 DIR化合物(D−2) 0.025 DIR化合物(D−3) 0.025 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.50 ゼラチン 1.00
【0155】 第9層:高感度緑感性層 表5に示す化学増感処方をしたEM−2 1.27 増感色素(SD−6) 1.4×10-4 増感色素(SD−7) 1.4×10-4 マゼンタカプラー(M−2) 0.084 マゼンタカプラー(M−3) 0.064 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.012 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.27 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.012 ゼラチン 1.00
【0156】 第10層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC−2) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.19 ゼラチン 1.10 第11層:中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 ゼラチン 0.60 第12層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.38μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.22 沃臭化銀乳剤(ECD=0.27μm、沃化銀含有率2.0モル%) 0.10 増感色素(SD−8) 4.9×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.75 DIR化合物(D−1) 0.01 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.30 ゼラチン 1.20 第13層:中感度青感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.59μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.90 増感色素(SD−8) 3.2×10-4 増感色素(SD−9) 3.2×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.15 DIR化合物(D−1) 0.010 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.47
【0157】 第14層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(ECD=1.00μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.85 増感色素(SD−8) 3.2×10-4 増感色素(SD−9) 3.2×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.11 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.47 第15層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(ECD=0.08μm、沃化銀乳含有率1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV−1) 0.065 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.07 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.40 ゼラチン 1.31
【0158】 第16層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤PM−1(ECD=2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(ECD=0.08μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55
【0159】なお、上記の他に、塗布助剤Su−1、分
散助剤Su−2、粘度調整剤V−1、硬膜剤H−1、H
−2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−
2及び防腐剤DI−1を添加した。DI−1の添加量は
9.4mg/m2とした。
【0160】上記試料に用いた化合物の構造を以下に示
す。
【0161】
【化1】
【0162】
【化2】
【0163】
【化3】
【0164】
【化4】
【0165】
【化5】
【0166】
【化6】
【0167】
【化7】
【0168】
【化8】
【0169】
【化9】
【0170】得られた試料11〜18を白色光でセンシ
ンメトリー用露光を与えた後、40℃、80%RH下で
7日間保存し、下記の処理工程で処理し、緑色光で濃度
を測定し、感度及び緑濃度カブリを評価した。
【0171】感度は、カブリ+0.1の濃度を与える露
光量(E)から下記式により求めた。
【0172】感度=−logE 得られた結果を、カブリは、白色光でセンシンメトリー
用露光を与えた後、直ちに、下記の処理工程で処理した
試料No.15の試料で得られたカブリを100とする
相対値で、また、感度は、白色光でセンシンメトリー用
露光を与えた後、直ちに、下記の処理工程で処理した試
料No.11の試料で得られた感度を100とする相対
値で表5に示した。
【0173】処理工程(38℃) 処理工程 処理時間 発色現像 3分15秒 漂白 6分30秒 水洗 3分15秒 定着 6分30秒 水洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾燥
【0174】処理工程において使用した処理液組成は下
記の通りである。 (発色現像) 〔発色現像液処方〕 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル)アニ リン塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム(一水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、pH=10.0に調整する。
【0175】 〔漂白液処方〕 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニアを用いてpH4.4に調整する。
【0176】 〔定着液処方〕 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH6.0に調整する。
【0177】 〔安定液処方〕 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ[株]製) 7.5ml 水を加えて1リットルとする。
【0178】
【表5】 表5から明らかな用に、本発明の試料No.11〜No.13
は、比較に対して感度、カブリともに優れた性能が得ら
れた。
【0179】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀乳剤は、高感度か
つ低カブリであり、感度が高くかつ低カブリであるハロ
ゲン化銀写真感光材料を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀粒子上に化学増感核を有して
    いるハロゲン化銀乳剤において、化学増感剤の添加開始
    から終了までの間に、ハロゲン化銀粒子表面に、ハライ
    ド組成が異なる領域を設ける工程及び/または化学増感
    制御剤添加の工程が導入されていることを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀粒子が、主として(111)
    面を有する平板粒子であることを特徴とする請求項1に
    記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】化学増感核が、カルコゲナイド化合物を含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロ
    ゲン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】ハロゲン化銀粒子上に化学増感核を形成す
    るハロゲン化銀乳剤の製造方法において、化学増感剤の
    添加開始から終了までの間に、ハロゲン化銀粒子表面に
    ハライド組成が異なる領域を設ける工程及び/または化
    学増感制御剤添加の工程を行うことを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真乳剤の製造方法。
  5. 【請求項5】ハロゲン化銀粒子が主として(111)面
    を有する平板粒子であることを特徴とする請求項4に記
    載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
  6. 【請求項6】形成される化学増感核がカルコゲナイド化
    合物を含有する化学増感核であることを特徴とする請求
    項4または5に記載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン
    化銀写真乳剤を含有する乳剤層が設けられていることを
    特徴とする写真感光材料。
JP17054798A 1998-06-04 1998-06-04 ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法並びに写真感光材料 Pending JPH11352619A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7314707B2 (en) 2000-09-19 2008-01-01 Fujifilm Corporation Silver halide photographic emulsion
US7371512B2 (en) 2000-02-23 2008-05-13 Fujifilm Corporation Silver halide photographic emulsion and silver halide photographic lightsensitive material using the same

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