JPH07248564A - ハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07248564A
JPH07248564A JP3722994A JP3722994A JPH07248564A JP H07248564 A JPH07248564 A JP H07248564A JP 3722994 A JP3722994 A JP 3722994A JP 3722994 A JP3722994 A JP 3722994A JP H07248564 A JPH07248564 A JP H07248564A
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JP
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silver halide
emulsion
silver
solution
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JP3722994A
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Inventor
Koji Tashiro
耕二 田代
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度でかつ熱安定性及び放射線耐性に優れ
たハロゲン化銀写真感光材料を提供する。 【構成】 還元増感されかつ、下記一般式〔I〕で表さ
れる化合物を少なくとも1種含有するハロゲン化銀写真
乳剤及び該乳剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、R1、R2、R3及びR4は各々、水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は複
素環基を表し、R5、R6、R7及びR8は各々、置換基を
表す。L1及びL2は各々メチン基を表し、Zは酸素原
子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、−C(R9)(R10)
−又は−N(R9)−を表す。R9及びR10は各々、水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基又は複素環基を表す。又、R1とR2、R3とR4、R
5とR6、R7とR8、R9とR10は、それぞれ結合して環
を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀乳剤に関
し、特に高感度、低カブリのハロゲン化銀乳剤を用いた
写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の感光材料において高感度、低カブ
リの要求は強く、様々な技術が開発されている。しかし
これらの性能をより長く維持し、実際ユーザーがこれら
の感光材料を用いる際、設計どおりの性能を発揮させる
ような技術開発の要請がなされている。
【0003】これまで当業界においては、内部高沃度型
コア/シェル乳剤を用いた電子−正孔再結合防止、ある
いは選択的な化学増感核の成長による潜像形成効率の向
上、或いは強色増感剤を用いた増感色素からハロゲン化
銀結晶への電子移動効率の向上等の多くの増感技術の検
討がなされてきたが、上記の様に実際にユーザーが使用
する環境において高感度を維持するにはより総合的な複
数の技術の組み合わせが必要となる。
【0004】この高感度化を達成するために、これまで
多くの技術が開示されてきたが、その最も代表的な方法
として還元増感を挙げることができる。キャロルは、米
国特許第2,487,850号において錫化合物を用い、またロ
ウエは同第2,512,925号においてポリアミン化合物を用
い、またファーレンスは、英国特許第789,823号におい
て、二酸化チオ尿素を用い、さらにコリアーはPhotogra
phic Science and Engineer-ing第23巻,第111頁(197
9)において種々の還元増感法を試みた。具体的には、
ジメチルアミンボラン、塩化第一錫、ヒドラジン、高p
H熟成、低pAg熟成を採用した。
【0005】また、特開平2-136852号、同2-196232号等
では還元剤としてアスコルビン酸の使用を開示してい
る。しかし、これらの還元増感の方法は、増感は達成さ
れるものの、還元増感効果が経時で低下するという大き
な問題があり、その解決が望まれていた。さらに、上記
の還元増感法は、いずれの技術も大幅なカブリの上昇を
伴い、低カブリ、高感度の観点においてもまだ不十分な
技術であった。
【0006】更に特開平5-197059号では還元増感乳剤中
にCd等の多価金属をドープさせることにより高感度を
保ちながらカブリ変動を抑えているが、このカブリ変動
の改良効果は満足いくレベルではなく、しかも放射線耐
性は多価金属によりむしろ悪化する。このため、実際ユ
ーザーが市場で使用するような、あるレベルの熱、湿
度、放射線がかかった条件下において満足のいく低カブ
リを高感度を保ちながら維持する技術はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高感度
でかつ熱安定性及び放射線耐性に優れたハロゲン化銀写
真感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は還元
増感されかつ、下記一般式〔I〕で表される化合物を少
なくとも1種含有するハロゲン化銀写真乳剤及び該乳剤
を含有するハロゲン化銀写真感光材料により達成され
た。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1、R2、R3及びR4は各々、水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基又は複素環基を表し、R5、R6、R7及びR8
各々、置換基を表す。L1及びL2は各々メチン基を表
し、Zは酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原
子、−C(R9)(R10)−又は−N(R9)−を表す。R9及びR10
は各々、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリール基又は複素環基を表す。又、R1
2、R3とR4、R5とR6、R7とR8、R9とR10は、そ
れぞれ結合して環を形成してもよい。〕 以下本発明をより詳細に説明する。
【0011】本発明に適用される還元増感はハロゲン化
銀粒子の成長途中でもよく、粒子形成後でもよく、さら
には化学熟成終了後でもよい。ただしカブリが低く高感
度であるという観点からは成長途中に還元増感すること
が好ましい。この中でも特に粒子全体の体積で90%より
内側が更に好ましく、特に好ましいのは70%より内側で
の還元増感である。
【0012】還元増感は、ハロゲン化銀乳剤又は粒子成
長のための混合溶液に還元剤を添加することによって行
われる。あるいは、ハロゲン化銀乳剤または粒子成長の
ための混合溶液をpAg7以下の低pAg下で、又はpH7以
上の高pH条件下で熟成又は粒子成長させることによっ
て行われる。これらの方法を組み合わせて行う方法は本
発明の好ましい態様である。
【0013】還元剤として好ましいものとしては二酸化
チオ尿素、アスコルビン酸及びその誘導体、第一錫塩が
挙げられる。他の適当な還元剤としては、ボラン化合
物、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、
シラン化合物、アミン及びポリアミン類及び亜硫酸塩等
が挙げられる。添加量はハロゲン化銀1モル当たり10-2
〜10-8モルが好ましい。
【0014】低pAg熟成をおこなうためには、銀塩を添
加することができるが、水溶性銀塩が好ましい。水溶性
銀塩としては硝酸銀が好ましい。熟成時のpAgは7以下
が適当であり、好ましくは6以下、更に好ましくは1〜
3である(ここで、pAg=−Log〔Ag+〕である)。
【0015】高pH熟成は、例えばハロゲン化銀乳剤あ
るいは粒子成長の混合溶液にアルカリ性化合物を添加す
ることによって行われる。アルカリ性化合物としては、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、アンモニア等を用いることができ
る。ハロゲン化銀形成にアンモニア性硝酸銀を添加する
方法において、アンモニアの効果が低下するため、アン
モニアを除くアルカリ性化合物が好ましく用いられる。
【0016】環元増感のための銀塩、アルカリ性化合物
の添加方法としては、ラッシュ添加でもよいし、あるい
は一定時間をかけて添加してもい。この場合には、一定
流量で添加してもよいし、関数様に流量を変化させても
よい。また、何回かに分割して必要量を添加してもよ
い。可溶性銀塩及び/可溶性ハロゲン化物の反応容器中
への添加に先立ち、反応容器中に存在せしめてもよい
し、あるいは可溶性ハロゲン化物溶液中に混入し、ハロ
ゲン化物とともに添加してもよい。更には、可溶性銀
塩、可溶性ハロゲン化物とは別個に添加を行ってもよ
い。
【0017】本発明のハロゲン化銀乳剤の作成において
は、種粒子から成長させる方法が好ましく用いられる。
具体的には、反応容器に予め保護コロイドを含む水溶液
及び種粒子を存在させ、必要に応じて銀イオン、ハロゲ
ンイオンあるいはハロゲン化銀微粒子を供給して種粒子
を結晶成長させて得るものである。ここで種粒子は当該
分野でよく知られているシングルジェット法、コントロ
ールドダブルジェット法等により調製することができ
る。種粒子のハロゲン組成は任意であり、臭化銀、沃化
銀、塩化銀、沃臭化銀、塩沃化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀のいずれかであってもよいが、臭化銀、沃臭化銀が好
ましく、沃臭化銀の場合は平均沃化銀含有率は1モル%
〜20モル%が好ましい。種粒子から結晶成長させる形態
において、低pAg熟成は種乳剤の形成後、即ち種粒子の
脱塩直前〜脱塩後までの工程の間に硝酸銀を添加させる
ことが好ましい。特に種粒子の脱塩後に硝酸銀を添加し
て熟成させるのが好ましく、熟成温度は40℃以上、50〜
80℃が好ましい。熟成時間は、30分以上、50〜150分が
好ましく用いられる。
【0018】種粒子から成長させる形態において、高p
H熟成を行う場合は、成長後の粒子の体積に対して、70
%に相当する部分が成長するまでにpH7以上の環境を
少なくとも1回は経て粒子成長させる必要があり、成長
後の粒子に対して、50%に相当する部分が成長するまで
にpH7以上の環境を少なくとも1回は経て粒子成長さ
せることが好ましく、成長後の粒子の体積に対して、40
%に相当する部分が成長するまでにpH8以上の環境を
少なくとも1回は経て粒子成長させることが特に好まし
い。
【0019】本発明のハロゲン化銀乳剤は酸化剤を用い
ることができる。酸化剤としては以下のものを使用する
ことができる。
【0020】過酸化水素(水)及びその付加物:H2O2
NaBO2,H2O2-3H2O2,Na4P2O7-2H2O2,2Na2S04-H2O2-2H2
O2等 ペルオキシ酸:K2S2O3,K2C2O3,K4P2O3,K2〔Ti(O2)C2
O4〕-3H2O,過酢酸、オゾン、沃素、臭素、チオスルホ
ン酸系化合物等が挙げられる。
【0021】本発明で用いられる酸化剤の添加量は、還
元剤の種類、還元増感条件、酸化剤の添加時期、添加条
件によりその量に影響を受けるが、用いた還元剤1モル
当たり10-2〜10-5モルが好ましい。
【0022】酸化剤の添加時期は、ハロゲン化銀乳剤製
造工程中であればどこでもよい。還元剤の添加に先立っ
て添加することもできる。
【0023】また、酸化剤を添加した後に、過剰な酸化
剤を中和するために新たに還元剤を添加することもでき
る。これらの還元性物質としては、上記酸化剤を還元し
得る物質であり、スルフィン酸類、ジ及びトリヒドロキ
シベンゼン類、クロマン及びヒドラジン類、p-フェニレ
ンジアミン類、アルデヒド類、アミノフェノール類、エ
ンジオール類、オキシム類、還元性糖類、フェニドン
類、亜硫酸類、アスコルビン酸誘導体等がある。これら
の還元性物質の添加量は、用いる酸化剤の量1モル当た
り10-3〜103モルが好ましい。
【0024】次に一般式〔I〕で表される化合物につい
て説明する。
【0025】一般式〔I〕において、R1、R2、R3、R
4で表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、i-プロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチ
ル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オク
チル、ドデシル等が挙げられる。これらのアルキル基
は、更にハロゲン原子(例えば塩素、臭素、弗素等)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、1,1-ジメチ
ルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等)、ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフチルオキシ
等)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル等)、ア
ルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2-エチルヘキ
シルカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル
等)、アルケニル基(例えばビニル、アリル等)、複素
環基(例えば2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、モ
ルホリル、ピペリジル、ピペラジル、ピリミジル、ピラ
ゾリル、フリル等)、アルキニル基(例えばプロパギ
ル)、アミノ基(例えばアミノ、N,N-ジメチルアミノ、
アニリノ等)、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホ基、
カルボキシル基、スルホンアミド基(例えばメチルスル
ホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホ
ニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、フェニルスル
ホニルアミノ等)等によって置換されてもよい。
【0026】R1、R2、R3、R4で表されるアルケニル
基としては、例えばビニル、アリル等が挙げられる。
【0027】R1、R2、R3、R4で表されるアルキニル
基としては、例えばプロパギルが挙げられる。
【0028】R1、R2、R3、R4で表されるアリール基
としては、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0029】R1、R2、R3、R4で表される複素環基と
しては、例えばピリジル基(例えば2-ピリジル、3-ピリ
ジル、4-ピリジル等)、チアゾリル基、オキサゾリル
基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル
基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、
セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピ
ラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0030】上記アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、複素環基は、いずれもR1、R2、R3、R4で表さ
れるアルキル基及びアルキル基の置換基として示した基
と同様な基によって置換することができる。
【0031】R5、R6、R7、R8で表される置換基とし
ては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、スルホンアミド基、スルファモイル
基、ウレイド基、アシル基、カルバモイル基、アミド
基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、メ
ルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケ
ニルチオ基、ヘテロ環チオ基等又は水素原子を表す。こ
れらの基は、R1、R2、R3、R4で表されるアルキル基
及びアルキル基の置換基として示した基と同様な基によ
って置換することができる。
【0032】R1、R2で形成できる環としては、例えば
ベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピリジン、フラ
ン、ピリミジン、シクロヘキセン、ピラン、ピロール、
ピラジン、インドール等の環が挙げられる。
【0033】R3とR4は環を形成することが好ましい。
3、R4で形成できる環としては、例えばピペリジン、
ピロリジン、モルホリン、ピロール、ピラゾール、ピペ
ラジン等の環が挙げられる。
【0034】R5とR6、R7とR8、で形成できる環とし
ては、例えばベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピリ
ジン、フラン、ピリミジン、シクロヘキセン、ピラン、
ピロール、ピラジン、インドール等の環が挙げられる。
【0035】以上の環は、R1、R2、R3、R4で表され
るアルキル基及びアルキル基の置換基として挙げられる
基と同様な基によって置換することができる。
【0036】L1、L2で表されるメチン基は置換基を有
してもよく、置換基として例えばアルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基
等が挙げられる。これらの基は、更にR1、R2、R3
4で表されるアルキル基及びアルキル基の置換基とし
て挙げられる基と同様な基によって置換することができ
る。
【0037】以下に本発明に用いられる一般式〔I〕で
表される化合物(以下、本発明の化合物と称す)の具体
例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるもので
はない。
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】以下に本発明の化合物の具体的合成例を示
すが他の一般式〔I〕で表される化合物も同様の方法で
容易に合成することができる。
【0048】合成例1(化合物I−4の合成) 2-メチルベンゾチアゾール14.9gに、p-ジエチルアミノ
ベンズアルデヒド17.7g、水素化ナトリウム(硬油60
%)6g、ジメチルホルムアミド60ccを加え、室温で30
分間反応を行った。反応液を水に注加し析出固体を濾別
した。固体を乾燥させた後、メタノールで再結晶するこ
とにより目的物を得た。収量19.4g(收率63%)。
【0049】本発明の一般式〔I〕で示される化合物は
ハロゲン化銀粒子形成中から塗布までの期間であればど
こで添加してもかまわないがハロゲン化銀粒子形成中か
ら化学増感が完了するまでに添加することが好ましい。
【0050】本発明の化合物の添加量はハロゲン化銀1
モル当たり2×10-7〜1×10-2モル用いるのが好まし
く、更には2×10-7〜5×10-3モルが好ましい。
【0051】本発明において、ハロゲン化銀乳剤はリサ
ーチ・ディスクロージャNo.308119(以下、RD308119と
略す)に記載されているものを用いることができる。以
下に記載箇所を示す。
【0052】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 933 I−A項 エピタキシャル 933 I−A項 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 933 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 995 I−G項 適用感材 ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明において、ハロゲン化銀乳剤は物理熟成、化学熟
成及び分光増感を行ったものを使用することが好まし
い。
【0053】本発明において化学増感剤として硫黄増感
剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることができ
る。本発明において適用できる硫黄増感剤としては、1,3
-ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1-エチル-
3-(2-チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ロー
ダニン誘導体、ジチカルバミン酸類、ポリスルフィド有
機化合物、チオ硫酸ナトリウム、硫黄単体などが好まし
い例として挙げられる。尚、硫黄単体としては、斜方晶
系に属するα-硫黄が好ましい。
【0054】その他、硫黄増感剤としては、米国特許1,
574,944号、同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,6
68号、同3,501,313号、同3,656,955号等の各明細書、西
独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56-24937号、同
55-45016号公報等に記載されている硫黄増感剤も用いる
ことが出来る。
【0055】本発明に於いて、使用できるセレン増感剤
は広範な種類のセレン化合物を含む。例えばこれに関し
ては、米国特許1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,
499号、特開昭60-150046号、特開平4-25832号、同4-109
240号、同4-147250号に記載されている。有用なセレン
増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレノシア
ネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、
セレノ尿素類(例えば、N,N-ジメチルセレノ尿素、N,N,
N′-トリエチルセレノ尿素、N,N,N′-トリメチル-N′-
ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′-トリメチル-N′-
ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,
N′-トリメチル-N′-4-ニトロフェニルカルボニルセレ
ノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド(例え
ば、セレノアセトアミド、N,N-ジメチルセレノベンズア
ミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類
(例えば2-セレノプロピオン酸、メチル-3-セレノブチ
レート等)、セレノフォスフェート類(例えばトリ-p-
トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類(ジメチ
ルセレナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられ
る。特に、好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セ
レノアミド類、及びセレノケトン類である。
【0056】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。米国特許第1,57
4,944号、同第1,602,592号、同1,623,499号、同3,297,4
66号、同3,297,447号、同3,320,069号、同3,408,196
号、同3,408,197号、同3,442,653号、同3,420,670号、
同3,591,385号、フランス特許第2,693,038号、同2,093,
209号、特公昭52-34491号、同52-34492号、同53-295
号、同57-22090号、特開昭59-180536号、同59-185330
号、同59-181337号、同59-187338号、同59-192241号、
同60-150046号、同60-151637号、同61-246738号、特開
平3-4221号、同3-24537号、同3-111838号、同3-116132
号、同3-148648号、同3-237450号、同4-16838号、同4-2
5832号、同4-32831号、同4-96059号、同4-109240号、同
4-140738号、同4-140739号、同4-147250号、同4-149437
号、同4-184331号、同4-190225号、同4-191729号、同4-
195035号、英国特許255,846号、同861,984号、尚、H.E.
Spencer等著Jounal of Photographic Science誌、31
巻、158〜169(1983)等の研究論文にも開示されてい
る。
【0057】本発明に於いて使用できるテルル増感剤及
び増感法に関しては、米国特許第1,623,499号、同3,32
0,069号、同3,772,031号、同3,531,289号、同3,655,394
号、英国特許第235,211号、同1,121,469、同1,295,462
号、同1,396,696号、カナダ特許第800,958号、特開平4-
20464号等に開示されている。有用なテルル増感剤の例
としては、テルロ尿素類、テルロアミド類などが挙げら
れる。
【0058】硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤
の添加量はハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の
種類、熟成条件などによって一様ではないが通常は、ハ
ロゲン化銀1モル当り1×10-4モル〜1×10-9モルであ
ることが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×
10-8モルである。
【0059】本発明の化学増感に於いては、金増感を併
用することにより、更に高感度化できる。有用な金増感
剤としては、塩化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等
の他に、米国特許第2,597,856号、同5,049,484号、同5,
049,485号、特公昭44-15748号、特開平1-147537号、同4
-70650号等に開示されている有機化合物の金錯体などが
挙げられる。
【0060】前記の種々の増感剤の添加方法は、使用す
る化合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノ
ールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添
加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予め混合して
添加する方法でも特開平4-140739号に開示されている方
法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化
分散物の形態で添加する方法でも良い。
【0061】本発明において、化学増感をハロゲン化銀
吸着性化合物の存在下で施すと、本発明の効果が一層増
す。該ハロゲン化銀吸着性化合物としては、本発明の一
般式〔I〕で示される化合物、増感色素、カブリ防止剤
及び安定剤などが使用できる。増感色素としては、シア
ニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合
メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシ
アニン色素、スチリル色素、ヘミオキソノール色素、オ
キソノール、メロスチリルおよびストレプトシアニンを
含むポリメチン染料を挙げることができる。
【0062】カブリ防止剤、安定剤としては、例えばテ
トラザインデン類、アゾール類、例えばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾ
ール類、クロロベンズイミダゾール類、プロモベンズイ
ミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾト
リアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプ
トテトラゾール類(特に1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾール)など、またメルカプトピリミジン類、メルカ
プトトリアジン類、例えばオキサゾリチオンのようなチ
オケト化合物、更にはベンゼンチオスルフィン酸、ベン
ゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、ハイ
ドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食子酸
誘導体、アスコルビン酸誘導体を挙げることができる。
【0063】本発明に於いては、ハロゲン化銀溶剤共存
下で増感を施すとしばしば良い結果が得られる。
【0064】本発明で用いられるハロゲン化銀溶剤とし
ては、米国特許第3,271,157号、同3,531,2891号、同3,5
74,628号各明細書、特開昭54-1019号、同54-158917号各
公報等に記載された(a)有機チオエーチル類、特開昭
53-82408号、同55-77737号、同55-2982号各公報等に記
載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53-144319号公
報に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子と
に挟まれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶
剤、特開昭54-100717号公報に記載された(d)イミダ
ゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が
挙げられる。
【0065】以下にこれらの具体的化合物を示す。
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】特に好ましい溶剤としてはチオシアネート
およびテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる溶
剤の量は種類によっても異なるが、例えばチオシアネー
トの場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当り5mg〜
1gの範囲である。
【0069】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記リサーチ・ディスクロージャに記載されている。以
下に記載箇所を示す。
【0070】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII-I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII-J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII C, XIII C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 X VI 現像剤(感光材料中に含有)1011 XX-B項 本発明には種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は、上記リサーチ・ディスクロージャに記載され
ている。以下に関連ある記載箇所を示す。
【0071】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕〔RD18716〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基放出カプラー 1001 VII−F項 アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119 XIVに記載されて
いる分散法などにより、添加することができる。
【0072】本発明においては、前述RD17643 28頁、RD
18716 647〜8頁及びRD308119のXIXに記載されている
支持体を使用することができる。
【0073】本発明の感光材料には、前述RD3081
19VII−K項に記載されているフィルター層や中間
層等の補助層を設けることができる。
【0074】本発明の感光材料は、前述RD308119VII−K
項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々
な層構成をとることができる。
【0075】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーポジフィルムに代表される種々のカ
ラー感光材料に適用することができる。
【0076】これらのカラー感光材料は、乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が24μm以下で
あることが好ましく、20μm以下がより好ましく、18μm
以下が更に好ましい。又、膜膨張潤速度T1/2は30秒以
下が好ましく、20秒以下がより好ましい。膜厚は25℃相
対湿度55%調湿下(2hr)で測定した膜厚を意味し、膜
膨張潤速度T1/2は、当該技術分野において公知の手法
に従って測定することができる。
【0077】膨張潤速度T1/2は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。又、
膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、先に述べ
た条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−
膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0078】カラー感光材料は、前述のRD17643の28、2
9頁及びRD18716の615頁左欄〜右欄に記載された通常の
方法によって現像処理することができる。
【0079】カラー感光材料をロール状の形態で使用す
る場合には、カートリッジに収納した形態を取るのが好
ましい。カートリッジとして最も一般的なものは、現在
の135のフォーマットのパトローネである。その他、下
記特許で提案されたカートリッジも使用できる。
【0080】実開昭58-67329号、 特開昭58-181035号、
米国特許4,221,479号、 特開平1-231045号、同2-199451
号、米国特許4,846,418号、 同4,848,693号、 同4,832,27
5号。
【0081】又、1992年1月31日出願(八木敏彦他)の
「小型の写真用ロールフィルムパトローネとフィルムカ
メラ」に本発明を適用することができる。
【0082】本発明の感光材料は前述RD17643 28〜29
頁、RD18716 615頁及びRD308119のXIXに記載された通常
の方法によって現像処理することができる。
【0083】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが本発
明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0084】以下の実施例において、感光材料中の添加
量は特に記載のない限り1m2当たりのグラム数を示す。
又、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示し、増
感色素は銀1モル当たりのモル数で示した。
【0085】実施例1 (双晶種乳剤T−Iの調製)以下に示す方法によって、
2枚の平行な双晶面を有する種乳剤を調製した。
【0086】 A オセインゼラチン 80.0g 臭化カリウム 47.4g ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ -ジ琥珀酸エステルナトリウム塩(10%メタノール溶液) 0.48ml 水で 8000.0ml B 硝酸銀 1200.0g 水で 1600.0ml C オセインゼラチン 32.2g 臭化カリウム 790.0g 沃化カリウム 70.34g 水で 1600.0ml D アンモニア水 470.0ml 40℃で激しく撹拌したA液に、B液とC液をダブルジェ
ット法により7.7分間で添加し、核の生成を行った。こ
の間、pBrは1.60に保った。
【0087】その後、30分かけて温度を20℃に下げた。
更にD液を1分間で添加し、引き続き5分間の熟成を行
った。熟成時の臭化カリウム濃度は0.03モル/リット
ル、アンモニア濃度は0.66モル/リットルであった。
【0088】熟成終了後、pHを6.0に調整し、常法に従
って脱塩を行った。この種乳剤粒子を電子顕微鏡観察し
たところ、互いに平行な2枚の双晶面を有する6角平板
状粒子であった。
【0089】この種乳剤粒子の平均粒径は0.236μm、2
枚平行双晶面比率は全粒子の個数比で75%であった。
【0090】(双晶種乳剤T−IIの調製)脱塩までは種
乳剤T-Iと同様に調製し、60℃で15分間撹拌分散させた
後、21.0gの硝酸銀を含む水溶液130mlを添加して乳剤
のpAgを1.9に調整し、引き続き60℃で80分間撹拌熟成さ
せた。その後、14.5gの臭化カリウムを含む水溶液193m
lを添加し、乳剤温度を40℃に下げて蒸留水を加え仕上
げた。
【0091】(乳剤EM−1の調製)以下に示す7種類
の溶液を用いて乳剤EM−1を調製した。
【0092】 (溶液A−1) オセインゼラチン 61.0g 蒸留水 1963.0ml ポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシド共重合物 (10%メタノール溶液) 2.5ml 種乳剤(T−1) 98.5g 蒸留水で3500mlに仕上げる。
【0093】 (溶液B−1) 3.5N-硝酸銀水溶液 4702.0ml (溶液C−1) 3.5N臭化カリウム水溶液 (溶液D−1) 3wt%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る 微粒子乳剤(*) 1897.0g *調製法を以下に示す。
【0094】0.06モルの沃化カリウムを含む6.0wt%の
ゼラチン溶液5000mlに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モル
の沃化カリウムを含む水溶液各々2000mlを、10分間で添
加した。微粒子形成中の温度は40℃に制御した。仕上が
り重量は12.53kgであった。
【0095】 (溶液E−1) 1.75N-臭化カリウム水溶液 必要量 (溶液F−1) 3wt%のゼラチンと沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)からなる微粒子乳剤(* *) 3.291モル **調製法を以下に示す。
【0096】0.06モルの臭化カリウムを含む6.0wt%の
ゼラチン溶液5000mlに、7.06モルの硝酸銀と、6.64モル
の臭化カリウムと0.42モルの沃化カリウムを含む水溶液
2000mlとを10分間で添加した。微粒子形成中の温度は30
℃に制御した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて3.0に
制御し、微粒子形成後に炭酸ナトリウム水溶液を用いてp
Hを6.0に調整した。
【0097】反応容器内に溶液A−1を添加し、激しく
撹拌しながら、溶液B−1〜溶液D−1を表1に示した
組み合わせに従って同時混合法により添加を行い種結晶
を成長させ、コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を調製し
た。
【0098】ここで、(1)溶液B−1、溶液C−1及
び溶液D−1の添加速度、(2)溶液B−1及び溶液C
−1の添加速度は、それぞれハロゲン化銀粒子の臨界成
長速度に見合ったように時間に対して関数様に変化さ
せ、成長している種結晶以外に小粒子の発生及びオスト
ワルド熟成による多分散化が起こらないように適切な添
加速度にコントロールした。
【0099】また結晶成長の全域にわたって反応容器内
の溶液温度を75℃、pAgを8.8にコントロールした。pAg
のコントロールのために必要に応じて溶液E−1を添加
した。pHのコントロールは行わなかったが、粒子成長
の間を通じてpH5.0〜6.0の範囲に保たれた。
【0100】添加溶液の添加時間に対するどの時点での
添加銀量及び形成中のハロゲン化銀相の沃化銀含有率も
また表1に示した。
【0101】溶液B−1の80%の添加が終了した時点で
B−1及びC−1の添加を止め、溶液F−1を7分間で
添加し20分間熟成した。その後に、特願平3-41314号に
記載の方法に従い脱塩処理を施し、20wt%のゼラチン水
溶液1.19リットルを加え50℃で15分間分散した後、50℃
にて3.5N臭化カリウム水溶液でpBrを1.5に調整し、撹拌
している該ハロゲン化銀乳剤中へ溶液F−1を30秒間で
添加し、引き続き20分間撹拌した後40℃にてpHを5.80、p
Brを3.55に調整して乳剤EM−1を調製した。得られた
ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子は平均粒
径1.36μm(投影面積円換算直径)、平均アスペクト比2.
6、粒径分布18%の単分散平板状ハロゲン化銀粒子であ
った。
【0102】
【表1】
【0103】〔乳剤EM−2の調製〕EM−1の製造方
法において溶液A−1中の種乳剤をT−IIにした以外は
EM−1と同様の製造方法によりEM−2を調製した。
【0104】〔乳剤EM−3の調製〕EM−1の製造方
法において、脱塩処理後20wt%のゼラチン水溶液1.19リ
ットルを加えた後、硝酸銀水溶液でEAgを200mVに合わせ
50℃で30分間撹拌した後、50℃にて3.5N臭化カリウム水
溶液でpBrを1.5に調整した以外はEM−1と同様にして
EM−3を調製した。
【0105】表3に示すように乳剤EM−1〜EM−3
を50℃において下記増感色素(SD−9)、(SD−1
1)で分光増感を施し、かつ塩化金酸、チオシアン酸ア
ンモニウム、チオ硫酸ナトリウムで適当に化学増感後、
本発明の化合物を添加し、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,
3a,7-テトラザインデン及び1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾールを加えて安定化し乳剤を得た。
【0106】これらの乳剤を以下に示すような重層の第
13層乳剤Eとして塗布し試料101〜110を得た。この試料
をフレッシュな状態40℃、80%RHで1週間放置後、
300mRのX線照射後において常法に従いウエッジを通
して白色露光を行い、直ちに下記の処理工程に従って現
像処理を行った。こうして得られた試料を濃度測定し青
感性層のかぶりと感度を求めた。なお感度はかぶり+0.
1を与える受光量の逆数の相対値であり、試料101の感度
を100とする値で示した。
【0107】〈重層塗布処方〉試料101〜110は第13層の
乳剤Eを各々置換して作成した。
【0108】塗布量はハロゲン化銀及びコロイド銀につ
いては、金属銀に換算してg/m2単位で表した量を、
又、カプラー、添加剤についてはg/m2単位で表した量
を、又増感色素については同一層内のハロゲン化銀1モ
ル当たりのモル数で示した。
【0109】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV-1) 0.20 高沸点溶媒(OIL-1) 0.16 ゼラチン 1.60 第2層:中間層 化合物(SC-1) 0.14 高沸点溶媒(OIL-2) 0.17 ゼラチン 0.80 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤A 0.15 沃臭化銀乳剤B 0.35 増感色素(SD-1) 2.0×10-4 増感色素(SD-2) 1.4×10-4 増感色素(SD-3) 1.4×10-5 増感色素(SD-4) 0.7×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.53 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.04 DIR化合物(D-1) 0.025 高沸点溶媒(OIL-3) 0.48 ゼラチン 1.09 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤B 0.30 沃臭化銀乳剤C 0.34 増感色素(SD-1) 1.7×10-4 増感色素(SD-2) 0.86×10-4 増感色素(SD-3) 1.15×10-5 増感色素(SD-4) 0.86×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.33 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.013 DIR化合物(D-1) 0.02 高沸点溶媒(OIL-1) 0.16 ゼラチン 0.79 第5層:高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤EM−1 0.95 増感色素(SD-1) 1.0×10-4 増感色素(SD-2) 1.0×10-4 増感色素(SD-3) 1.2×10-5 シアンカプラー(C-2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.016 高沸点溶媒(OIL-1) 0.16 ゼラチン 0.79 第6層:中間層 化合物(SC-1) 0.09 高沸点溶媒(OIL-2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤A 0.12 沃臭化銀乳剤B 0.38 増感色素(SD-4) 4.6×10-5 増感色素(SD-5) 4.1×10-4 マゼンタカプラー(M-1) 0.14 マゼンタカプラー(M-2) 0.14 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.03 カラードマゼンタカプラー(CM-2) 0.03 高沸点溶媒(OIL-4) 0.34 ゼラチン 0.70 第8層:中間層 ゼラチン 0.41 第9層:中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤B 0.30 沃臭化銀乳剤C 0.34 増感色素(SD-6) 1.2×10-4 増感色素(SD-7) 1.2×10-4 増感色素(SD-8) 1.2×10-4 マゼンタカプラー(M-1) 0.04 マゼンタカプラー(M-2) 0.04 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.008 カラードマゼンタカプラー(CM-2) 0.009 DIR化合物(D-2) 0.025 DIR化合物(D-3) 0.002 高沸点溶媒(OIL-4) 0.12 ゼラチン 0.50 第10層:高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤EM−1 0.95 増感色素(SD-6) 7.1×10-5 増感色素(SD-7) 7.1×10-5 増感色素(SD-8) 7.1×10-5 マゼンタカプラー(M-1) 0.09 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.005 カラードマゼンタカプラー(CM-2) 0.006 高沸点溶媒(OIL-4) 0.11 ゼラチン 0.79 第11層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 化合物(SC-1) 0.15 高沸点溶媒(OIL-2) 0.19 ゼラチン 1.10 第12層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤A 0.12 沃臭化銀乳剤B 0.24 沃臭化銀乳剤C 0.12 増感色素(SD-9) 6.3×10-5 増感色素(SD-10) 1.0×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.50 イエローカプラー(Y-2) 0.50 DIR化合物(D-4) 0.04 DIR化合物(D-5) 0.02 高沸点溶媒(OIL-2) 0.42 ゼラチン 1.40 第13層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤EM−1 0.95 増感色素(SD-9) 8.0×10-5 増感色素(SD-11) 3.1×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.12 高沸点溶媒(OIL-2) 0.05 ゼラチン 0.79 第14層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm、沃化銀含有率1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV-1) 0.065 高沸点溶媒(OIL-1) 0.07 高沸点溶媒(OIL-3) 0.07 ゼラチン 0.65 第15層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX-1) 0.04 ゼラチン 0.55 尚上記組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤Su
−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST
−1、かぶり防止剤AF−1、平均分子量:10,000及び
平均分子量:1,100,000の2種のAF−2、及び防腐剤
DI−1を添加した。
【0110】上記試料に用いた乳剤は、下記のとおりで
ある。尚平均粒径は、立方体に換算した粒径で示した。
また、各乳剤は、金・硫黄増感を最適に施した。
【0111】
【表2】
【0112】
【化14】
【0113】
【化15】
【0114】
【化16】
【0115】
【化17】
【0116】
【化18】
【0117】
【化19】
【0118】
【化20】
【0119】
【化21】
【0120】
【化22】
【0121】
【化23】
【0122】
【化24】
【0123】 (処理工程) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38± 0.3℃ 780cc 漂 白 45秒 38± 2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38± 2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38± 5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55± 5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0124】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0125】発色現像液及び発色補充液 現像液 補充液 水 800cc 800cc 炭酸カリウム 30g 35g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 3.0g 亜硫酸カリウム 3.0g 5.0g 臭化ナトリウム 1.3g 0.4g 沃化カリウム 1.2mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 3.1g 塩化ナトリウム 0.6g − 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g 6.3g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 2.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いて発色現像液はpH10.06に、補充液はpH10.18
に調整する。
【0126】漂白液及び漂白補充液 漂白液 補充液 水 700cc 700cc 1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g 硝酸ナトリウム 40g 50g 臭化アンモニウム 150g 200g 氷酢酸 40g 56g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を
用いて漂白液はpH4.4に、補充液はpH4.0に調整する。
【0127】定着液及び定着補充液 定着液 補充液 水 800cc 800cc チオシアン酸アンモニウム 120g 150g チオ硫酸アンモニウム 150g 180g 亜硫酸ナトリウム 15g 20g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いて定着液はpH6.2に、補
充液はpH6.5に調整後、水を加えて1リットルとする。
【0128】安定液及び安定補充液 水 900cc p-オクチルフェノールのエチレンオキシド10モル付加物 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5cc 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50%
硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0129】評価結果を表3に示す。
【0130】
【表3】
【0131】本発明の試料105〜110は比較試料に対し熱
湿度をかけた後でも、また放射線照射後でも低かぶりで
感度が高く、経時保存性に優れていることが分かる。
【0132】
【発明の効果】還元増感されかつ、前記一般式〔I〕で
表される化合物を少なくとも1種含有するハロゲン化銀
写真乳剤及び該乳剤を含有するハロゲン化銀写真感光材
料により、高感度でかつ熱安定性及び放射線耐性に優れ
たハロゲン化銀写真感光材料を提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元増感されかつ、下記一般式〔I〕で
    表される化合物を少なくとも1種含有するハロゲン化銀
    乳剤。 【化1】 〔式中、R1、R2、R3及びR4は各々、水素原子、アル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は
    複素環基を表し、R5、R6、R7及びR8は各々、置換基
    を表す。L1及びL2は各々メチン基を表し、Zは酸素原
    子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、−C(R9)(R10)
    −又は−N(R9)−を表す。R9及びR10は各々、水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
    ル基又は複素環基を表す。又、R1とR2、R3とR4、R
    5とR6、R7とR8、R9とR10は、それぞれ結合して環
    を形成してもよい。〕
  2. 【請求項2】 還元増感されかつ、前記一般式〔I〕で
    表される化合物を少なくとも1種含有する前記請求項1
    記載のハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びそ
    の誘導体、第一錫塩から選ばれる少なくとも1種を用い
    て還元増感された請求項1記載のハロゲン化銀乳剤。
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