JPH08171157A - ハロゲン化銀写真乳剤及びそれを用いたカラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びそれを用いたカラー写真感光材料

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JPH08171157A
JPH08171157A JP31207594A JP31207594A JPH08171157A JP H08171157 A JPH08171157 A JP H08171157A JP 31207594 A JP31207594 A JP 31207594A JP 31207594 A JP31207594 A JP 31207594A JP H08171157 A JPH08171157 A JP H08171157A
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JP
Japan
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silver halide
silver
emulsion
group
grain
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Application number
JP31207594A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Nakayama
知是 中山
Hiroshi Takada
宏 高田
理英子 ▲れん▼
Rieko Ren
Masashi Matsuzaka
昌司 松坂
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、低かぶりで、圧力減感が改良された
ハロゲン化銀写真乳剤及びそれを用いたカラー写真感光
材料を提供する。 【構成】 全粒子の30%以上(個数)が、粒子内部に沃
化銀含有率の異なる2つ以上の相を有し、最大沃化銀含
有相の沃化銀含有率が5モル%より多くかつ8モル%未
満であり、該相より外側に該相より沃化銀含有率の少な
い相を有し、かつ転位線を5本以上有する平板状ハロゲ
ン化銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀写真乳
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、詳しくは感度、かぶり、耐圧特性の改良さ
れたハロゲン化銀写真乳剤及び感光材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、写真用ハロゲン化銀乳剤に対する
要請は益々激しく、例えば高感度で優れた粒状性、高鮮
鋭性を有し、かつ耐圧性に優れている等、極めて高水準
の性能が求められている。
【0003】例えば、高鮮鋭性を達成するためのハロゲ
ン化銀粒子技術としては、鮮鋭性を劣化させる一因であ
るハロゲン化銀粒子による光散乱を低減させるように光
の進入方向に対する粒子厚を光散乱長からづらして設計
することが知られている。この場合、粒状性を劣化させ
ないためには、光散乱をもたらす粒子厚に対し、薄い側
に設計することが必要である。このため、8面体、6面
体のような形状のハロゲン化銀粒子では粒子サイズが小
さくなり一粒子あたりの受光効率が小さくなり感度低下
を招くことが知られている。
【0004】この問題を解決する一つの方法として、平
板状粒子を用いることが知られている。平板状ハロゲン
化銀粒子に関しては、既に米国特許第4,434,226号、同
4,439,520号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,41
4,306号、同4,459,353号、特開昭58-111935号、同58-11
1936号、同58-111937号、同58-113927号、同59-99433号
等に記載されている。
【0005】また、ハロゲン化銀粒子の感光の量子効率
そのものを高める技術として粒子内部に沃化銀含有率の
高いコアを用いる技術が知られており、平板状粒子内部
に沃化銀含有率の高いコアを設ける技術が特開昭63-929
42号に開示されている。
【0006】近年の高感度化、高画質化に対する要請は
益々激しく、このような高沃度コア相を設けたハロゲン
化銀粒子を用いることは、高感度感光材料のみならず常
用カラーネガ感光材料においても必須となっていた。
【0007】一方、このような内部高沃度コアを有する
粒子は、圧力減感が著しいという欠点を持っており、こ
のようなハロゲン化銀粒子を用いた感光材料の取扱いに
おいて大きな問題となっている。内部高沃度コア相の沃
化銀含有率を減少させれば、圧力減感は改良されるが、
写真感度の低下をもたらし、実用化に耐えない。更に、
平板状粒子を用いた場合には、その形状的要因から耐圧
力性がより劣化する傾向にある。そこで、光散乱の少な
く、高感度かつ圧力減感が改良されたハロゲン化銀乳剤
の開発が望まれていた。
【0008】ところで、ハロゲン化銀粒子の圧力かぶり
を改良する技術としてハロゲン化銀粒子の形成途中で混
合溶液中に沃素イオンを急激に加え、粒子内部に沃化銀
含有率を局所的に高める技術が特開昭62-58237号に示さ
れている。これらの技術は、ハロゲン化銀粒子内部に転
位線、沃化銀あるいは高沃化銀含有相を局在させること
により、耐圧特性を改良するものであるが、その効果
は、圧力カブリの改良であった。また、特開平3-237450
号には、粒子内部に沃化銀含有率が12モル%の相を有
し、転位線を導入した平板粒子の事例が開示されている
が、圧力減感についての効果については触れられていな
い。特開平4-350850号には、粒子内部に沃化銀含有率8.
9モル%の相を有し、転位線を導入した平板粒子の事例
が示されているが圧力減感についてはふれられていな
い。
【0009】従って、高感度かつ圧力減感の改良された
平板粒子、特に転位線を有する平板粒子の技術について
はこれまで知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度、低かぶりで、圧力減感が改良されたハロゲン化銀乳
剤及びそれを用いた写真感光材料を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、本発明の目的は次の技術によって達成されるこ
とを見いだした。
【0012】(1)全粒子の30%以上(個数)が、粒子内
部に沃化銀含有率の異なる2つ以上の相を有し、最大沃
化銀含有相の沃化銀含有率が5モル%より多くかつ8モ
ル%未満であり、該相より外側に該相より沃化銀含有率
の少ない相を有し、かつ転位線を5本以上有する平板状
ハロゲン化銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀
写真乳剤。
【0013】(2)最大沃化銀含有相が粒子体積の30%以
上90%以下である前記(1)項に記載のハロゲン化銀写真
乳剤。
【0014】(3)転位線が粒子内部及びフリンジ部に存
在することを特徴とする前記(1)または(2)項に記載のハ
ロゲン化銀写真乳剤。
【0015】(4)平板状粒子投影面の円換算直径の変動
係数が20%以下である前記(1)、(2)または(3)項に記載
のハロゲン化銀写真乳剤。
【0016】(5)転位線導入位置が最大沃化銀含有相と
その外側に隣接する相の界面である前記(1)、(2)、(3)
または(4)項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
【0017】(6)下記一般式〔I〕で示される化合物を
含有する前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)項に記載の
ハロゲン化銀写真乳剤。
【0018】一般式〔I〕 Het−(SR)i 式中、Hetは複素環を表し、Rは水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表す。iは
0、1又は2の整数を表す。但しHet又はRは−SO3H、
−COOH又は−OHから選ばれた基またはそれらの塩の少な
くとも1つを直接又は間接に有する。
【0019】(7)支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層
を有し、少なくとも1層中に前記(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)または(6)項に記載のハロゲン化銀乳剤を含有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0020】以下、更に詳細に説明する。
【0021】本発明における平板(状)粒子というの
は、2つの平行な主平面を有し該主平面の円相当直径
(該主平面と同じ投影面積を有する円の直径)と主平面
間の距離(即ち粒子の厚み)の比、即ちアスペクト比2
以上の粒子を言う。
【0022】本発明の平板粒子の全粒子の投影面積の総
和の50%以上がアスペクト比5以上の平板粒子であるこ
とが好ましく、更に好ましくは8以上である。
【0023】本発明の平板粒子の直径は、0.3〜10μm、
好ましくは0.5〜5.0μm、さらに好ましくは0.5〜2.0μm
である。粒子厚みは、好ましくは0.05〜0.8μmである。
【0024】本発明に於ける粒子直径、粒子厚みの測定
は米国特許第4,434,226号に記載の方法で求めることが
できる。
【0025】本発明の平板粒子のサイズ分布は、主平面
の円換算直径(該主平面と同じ投影面積を有する円の直
径)の変動係数(直径分布の標準偏差を平均直径で割っ
たもの)が30%以下であることが好ましく、20%以下で
あることが更に好ましい。
【0026】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成として
は、沃臭化銀または塩沃臭化銀であることが好ましく、
沃化銀含有率は1〜15モル%であることが好ましく、3
〜10モル%であることが更に好ましい。
【0027】本発明のハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率
の粒子間分布は、沃化銀含有率の変動係数(沃化銀含有
率粒子間分布の標準偏差を平均沃化銀含有率で割ったも
の)が30%以下であることが好ましく、20%以下である
ことが更に好ましい。
【0028】本発明の平板粒子は、粒子内部にハロゲン
組成の異なる少なくとも2つ以上の相を有するが、その
沃化銀含有率が最大の相の沃化銀含有率は5モル%より
多く8モル%未満である。また、該相の粒子内に占める
体積分率は30%以上90%以下であることが好ましく、30
%以上60%以下であることが更に好ましい。
【0029】該相の外側に隣接する相の沃化銀含有率
は、最大沃化銀含有相より低ければよいが、好ましくは
0〜8モル%、更に好ましくは2〜5モル%である。最
大高沃度含有相は、それより外側に低沃度含有率の相を
隣接していることが必要であるが、該隣接相は必ずしも
最大高沃度含有相を完全に被覆している必要はない。
【0030】粒子内のハロゲン組成に関する構造は、X
線回折法、EPMAによる組成分析法等により調べるこ
とができる。
【0031】本発明の平板粒子の表面の沃化銀含有率
は、前述の粒子内部の最大沃化銀含有相の沃化銀含有率
より高くてもかまわない。本発明でいうところの粒子表
面の沃化銀含有率とはXPS法により測定される数値ま
たはISS法で測定される数値をいいどちらでもかまわ
ない。XPS法で測定した場合には、好ましくは0〜12
モル%、更に好ましくは5〜10モル%である。
【0032】本発明のXPS法による表面沃化銀含有率
は次のように求められる。試料を1×10-8torr以下の超
高真空中で-115℃以下まで冷却し、プローブ用X線とし
てMgKαをX線源電圧15kV、X線源電流40mAで照射し、A
g3d5/2、Br3d、I3d3/2電子について測定する。測定
されたピークの積分強度を感度因子で補正し、これらの
強度比から表面のハライド組成を求める。
【0033】また、本発明でいう粒子内部の最大高沃化
銀含有相とは、転位線を形成するために行われた後述す
るような操作により生じた高沃度局在領域は含まない。
【0034】平板粒子の製法としては、当業界で知られ
た方法を適宣組み合わせることができる。例えば、特開
昭61-6643号、同61-146305号、同62-157024号、同62-18
556号、同63-92942号、同151618号、同63-163451号、同
63-220238号、同63-311244号等による公知の方法を参考
にする事ができる。例えば、同時混合法、ダブルジェッ
ト法、同時混合法のひとつの形式であるハロゲン化銀の
生成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロ
ールダブルジェット法、異なる組成の可溶性ハロゲン化
銀をそれぞれ独立に添加するトリプルジェット法も用い
る事ができる。順混合法を用いることもでき、また粒子
を銀イオン過剰の下において形成する方法(いわゆる逆
混合法)を用いることもできる。必要に応じてハロゲン
化銀溶剤を用いることができる。しばしば用いられるハ
ロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チオエーテル、
チオ尿素類を挙げることができる。チオエーテルに関し
ては米国特許第3,271,157号、同第3,790,387号、同第3,
574,628号等を参考にすることができる。また、混合法
としては特に限定はなく、アンモニアを使わない中性
法、アンモニア法、酸性法などを用いることができる
が、ハロゲン化銀粒子のかぶりを少なくするという点
で、好ましくはpH(水素イオン濃度の逆数の対数値)
5.5以下、更に好ましくは4.5以下である。
【0035】本発明のハロゲン化銀粒子は沃素イオンを
含有してもよいが、この場合粒子成長において、沃素イ
オンの添加方法に特に限定はなく、沃化カリウムのよう
なイオン溶液として添加されてもよく、また、例えば沃
化銀微粒子として添加してもよい。
【0036】本発明のハロゲン化銀乳剤は、特開平1-18
3417号、同1-183644号、同1-183645号等に開示された粒
子と同様にハロゲン化銀微粒子を用いて粒子成長を行な
うことも好ましい。特に特願平3-218608号の特許請求範
囲のように粒子成長に用いるハロゲン化銀微粒子は、2
種以上であり、そのうちの少なくとも1種が1種類のハ
ロゲン元素のみからなることが好ましい。
【0037】また、特開平2-167537号特許請求範囲と同
様に粒子成長過程の少なくとも一期間、成長中のハロゲ
ン化銀粒子よりも溶解度の小さいハロゲン化銀粒子の存
在下に成長せしめられたハロゲン化銀粒子を含有する乳
剤であることが望ましく、溶解度積の小さいハロゲン化
銀粒子としては沃化銀を用いることが特に望ましい。
【0038】平板粒子の転位は、例えばJ.F.Hamilton、
Photo.Sci.Eng.、11(1967)、57やT.Shiozawa、J.Sci.Ph
ot.Sci.Japan、35(1972)、213に記載の方法、即ち低温
での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察
することができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発生す
るほどの圧力をかけないように注意して取りだしたハロ
ゲン化銀粒子を、電子顕微鏡用のメッシュにのせ、電子
線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を
冷却した状態で透過法により観察を行う。このとき、粒
子の厚みが厚いほど電子線が透過しにくくなるので、高
圧型(0.25μmの厚さに対して200kV)の電子顕微鏡を用
いた方がより鮮明に観察することができる。このような
方法によって得られた粒子写真より、主平面に対し垂直
な方向から見た場合の各粒子についての転位の位置及び
数を求めることができる。
【0039】本発明の粒子の転位の位置は、特に特定の
箇所になければならないということではないが、好まし
くは平板粒子フリンジ部かつ粒子内部に存在しているこ
とが好ましい。
【0040】本発明でいう平板粒子のフリンジ部とは平
板粒子の外周のことを指し、詳しくは主平面側から見た
平板粒子投影面の重心から粒子の各辺に降ろした垂線に
おいて、該垂線の長さの50%より外側(辺側)、好まし
くは70%より外側、更に好ましくは80%より外側の領域
のことをいう。
【0041】本発明でいう粒子内部の転位線とは、前述
のフリンジ部以外の領域に存在する転位線のことを示
す。
【0042】本発明の平板粒子の転位の数については5
本以上の転位を含む粒子が30%以上(個数)であること
が好ましいが、50%以上であることが更に好ましく、80
%以上であることが特に好ましい。また、転位の数は、
10本以上であることが更に好ましい。粒子内部とフリン
ジ部に転位線が存在する場合は、粒子内部に5本以上の
転位線が存在することが好ましく、フリンジ部と粒子内
部に共に5本以上存在することが更に好ましい。
【0043】本発明の転位線の導入方法については特に
限定はないが、転位を導入したい位置で沃化カリウムの
ような沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェ
ットで添加する方法、もしくは沃化銀微粒子を添加する
方法、沃素イオン溶液のみを添加する方法、特開平6-11
781号に記載されているような沃化物イオン放出剤を用
いる方法等で行うことができる。沃素イオン水溶液と水
溶性銀塩溶液をダブルジェットで添加する方法、沃化銀
微粒子を添加する方法、沃化物イオン放出剤を用いる方
法が好ましく、沃化銀微粒子を用いる方法が更に好まし
い。沃素イオン水溶液としては沃化アルカリ水溶液が好
ましく、水溶性銀塩水溶液としては硝酸銀溶液が好まし
い。
【0044】転位を導入する位置は、粒子内部の最大沃
化銀含有相の形成後に行われることが好ましく、該相の
形成後、隣接相の形成前に行われることが更に好まし
い。
【0045】また、粒子全体の位置との関係では、粒子
全体の銀量の50〜95%相当の間で導入されることが好ま
しく、60〜80%未満で導入されることが更に好ましい。
【0046】本発明のハロゲン化銀乳剤には、下記一般
式〔I〕で表される化合物を含有することが好ましい。
【0047】一般式〔I〕 Het−(SR)i 式中、Hetは複素環を表し、Rは水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表す。iは
0、1又は2の整数を表す。但しHet又はRは−SO3H、
-COOH又は-OHから選ばれた基またはそれらの塩の少なく
とも1つを直接又は間接に有する。
【0048】一般式〔I〕のHetで表される複素環として
は、例えばオキサゾール環、イミダゾール環、チアゾー
ル環、トリアゾール環、セレナゾール環、テトラゾール
環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアジン
環、トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチア
ゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環、ベ
ンズセレナゾール環、ナフトチアゾール環、トリアザイ
ンドリジン環、ジアザインドリジン環、テトラアザイン
ドリジン環などを表す。
【0049】一般式〔I〕で表される化合物中、下記一
般式〔II〕及び〔III〕で表される化合物がより好まし
い。
【0050】
【化1】
【0051】式中R1、R2は水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表
し、jは0又は1の整数を表す。但しR1又はR2は−SO
3H、-COOH又は-OHから選ばれた基またはそれらの塩の少
なくとも1つを直接又は間接に有する。
【0052】
【化2】
【0053】式中R3は水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表し、
4は置換基を表す。
【0054】Z1は酸素原子、硫黄原子、又は−N(R5)−
を表し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、複素環基、−N(R6)(R7)を
表す。R6、R7は水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、複素環基を表す。但し
3、R4又はR5は−SO3H、−COOH又は−OHから選ばれ
た基またはそれらの塩の少なくとも1つを直接又は間接
に有する。
【0055】これらの塩を形成するカチオンとしては、
好ましくはアルカリ金属カチオン(例えば、Na+、K
+等)、アルカリ土類、金属カチオン(例えばCa++、Mg
++等)、アンモニウムカチオン(例えば、アンモニウム
カチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、ピリジニ
ウムカチオン等)を挙げることができる。
【0056】一般式〔I〕、〔II〕及び〔III〕におい
て、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7で表さ
れるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、i-プロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、シク
ロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ド
デシル等が挙げられる。これらのアルキル基は、更にハ
ロゲン原子(例えば塩素、臭素、弗素等)、アルコキシ
基(例えばメトキシ、エトキシ、1,1-ジメチルエトキ
シ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等)、アリールオ
キシ基(例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等)、アリ
ール基(例えばフェニル、ナフチル等)、アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、ブトキシカルボニル、2-エチルヘキシルカルボ
ニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノ
キシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、複素
環基(例えば2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、モ
ルホリル、ピペリジル、ピペラジル、セレナゾリル、ス
ルホラニル、ピペリジニル、テトラゾリル、チアゾリ
ル、オキサゾリル、イミダゾリル、チエニル、ピロリ
ル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリミ
ジル、ピラゾリル、フリル等)、アミノ基(例えばアミ
ノ、N,N-ジメチルアミノ、アニリノ等)、ヒドロキシ
基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、スルホンアミ
ド基(例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニ
ルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニ
ルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等)等によって置
換されてもよい。
【0057】R、R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR
7で表されるアルケニル基としては、例えばビニル、ア
リル等が挙げられ、アルキニル基としては、例えばプロ
パルギルが挙げられ、又アリール基としては、例えばフ
ェニル、ナフチル等が挙げられ、さらに、R、R1
2、R3、R4、R5、R6又はR7で表される複素環基と
しては、例えばピリジル基(例えば2-ピリジル、3-ピリ
ジル、4-ピリジル等)、チアゾリル基、オキサゾリル
基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロリル
基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、
セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピ
ラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0058】上記アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、複素環基は、いずれもR、R1、R2、R3、R4
5、R6又はR7で表されるアルキル基及びアルキル基
の置換基として示した基と同様な基によって置換するこ
とができる。
【0059】R4で表される置換基としては、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ウレイド
基、アシル基、カルバモイル基、アミド基、スルホニル
基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、ヒ
ドロキシ基、水素原子、メルカプト基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルケニルチオ基、ヘテロ環チオ
基等を表す。これらの基は、R、R1、R2、R3、R4
5、R6又はR7で表されるアルキル基及びアルキル基
の置換基として示した基と同様な基によって置換するこ
とができる。
【0060】以下に一般式〔I〕、〔II〕及び〔III〕
で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されない。
【0061】
【化3】
【0062】
【化4】
【0063】
【化5】
【0064】
【化6】
【0065】
【化7】
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】本発明においてハロゲン化銀乳剤は、リサ
ーチ・ディスクロージャ308119(以下RD308119と略す)
に記載されているものを用いることができる。下記に記
載箇所を示す。
【0073】 〔項目〕 〔RD308119のページ〕 ヨード組織 993 I−A項 製造方法 〃 〃 及び994 E項 晶癖(正常晶) 〃 〃 晶癖(双晶) 〃 〃 エピタキシャル 〃 〃 ハロゲン組成(一様) 993 I−B項 ハロゲン組成(一様でない) 〃 〃 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 〃 〃 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 〃 〃 潜像形成位置(表面) 995 I−G項 潜像形成位置(内部) 〃 〃 適用感材(ネガ) 995 I−H項 適用感材(ポジ) 〃 〃 乳剤を混合して用いる 〃 I−J項 脱塩 〃 II−A項 本発明のハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び
分光増感を行ったものを使用することができる。このよ
うな工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロ
ージャNo.17643、No.18716及びNo.308119(それぞれ、
以下RD17643、RD18716及びRD308119と略す)に記載され
ている。
【0074】下記に記載箇所を示す。
【0075】 〔項目〕〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A-A,B,C,D,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV−A-E,J項 23〜24 648〜9 かぶり防止剤998 IV 24〜25 649 安定剤 998 IV 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーリ
・ディスクロージャに記載されている。下記に関連のあ
る記載箇所を示す。
【0076】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII−C、XIIIC項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII バインダ 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有)1011 XXB項 本発明には種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は、上記リサーチ・ディスクロージャに記載され
ている。下記に関連ある記載箇所を示す。
【0077】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエロ−カプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VIIC〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VIIG項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VIIF項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 放出カプラー 1001 VII−F項 アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119XIVに記載されて
いる分散法などにより、添加することができる。
【0078】本発明においては、前述RD17643 28頁、RD
18716 647〜8頁及びRD308119のXIXに記載されている支
持体を使用することができる。
【0079】本発明の感光材料には、前述RD308119VII
−K項に記載されているフィルタ層や中間層等の補助層
を設けることができる。
【0080】本発明の感光材料は、前述RD308119 VII−
K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様
々な層構成をとることができる。
【0081】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルム、カ
ラー反転ペーパーに代表される種々のカラー感光材料に
適用することができる。
【0082】本発明の感光材料は前述RD17643 28〜29
頁、RD18716 647頁及びRD308119のXIXに記載された通
常の方法によって、現像処理することができる。
【0083】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0084】実施例1 種晶乳剤−1の調製 以下のようにして種晶乳剤を調製した。
【0085】特公昭58-58288号、同58-58289号に示され
る混合撹拌機を用いて、35℃に調整した下記溶液A1に
硝酸銀水溶液(1.161モル)と、臭化カリウムと沃化カ
リウムの混合水溶液(沃化カリウム2モル%)を、銀電
位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択
電極で測定)を0mVに保ちながら同時混合法により2分
を要して添加し、核形成を行った。続いて、60分の時間
を要して液温を60℃に上昇させ、炭酸ナトリウム水溶液
でpHを5.0に調整した後、硝酸銀水溶液(5.902モル)
と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液(沃化カ
リウム2モル%)を、銀電位を9mVに保ちながら同時混
合法により、42分を要して添加した。添加終了後40℃に
降温しながら、通常のフロキュレーション法を用いて直
ちに脱塩、水洗を行った。
【0086】得られた種晶乳剤は、平均球換算直径が0.
24μm、平均アスペクト比が4.8、ハロゲン化銀粒子の全
投影面積の90%以上が最大辺比率が1.0〜2.0の六角状の
平板粒子からなる乳剤であった。この乳剤を種晶乳剤−
1と称する。
【0087】 〔溶液A1〕 オセインゼラチン 24.2g 臭化カリウム 10.8g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ −ジサクシネ−トナトリウム塩(10%エタノール溶液) 6.78ml 10%硝酸 114ml H2O 9657ml 沃化銀微粒子乳剤SMC−1の調製 0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%のゼラチン水
溶液5lを激しく撹拌しながら、7.06モルの硝酸銀水溶
液と7.06モルの沃化カリウム水溶液、各々2lを10分を
要して添加した。この間pHは硝酸を用いて2.0に、温
度は40℃に制御した。粒子調製後に、炭酸ナトリウム水
溶液を用いてpHを5.0に調整した。得られた沃化銀微粒
子の平均粒径は0.05μmであった。この乳剤をSMC−
1とする。
【0088】乳剤Em−1(本発明)の調製 0.178モル相当の種晶乳剤−1とポリイソプレン−ポリ
エチレンオキシ−ジ琥珀酸エステルナトリウム塩の10%
エタノール溶液0.5mlを含む、4.5重量%の不活性ゼラチ
ン水溶液700mlを75℃に保ち、pAgを8.3、pHを5.0に
調整した後、激しく撹拌しながら同時混合法により以下
の手順で粒子形成を行った。
【0089】1)2.121モルの硝酸銀水溶液と0.174モル
のSMC−1、及び臭化カリウム水溶液を、pAgを8.
3、pHを5.0に保ちながら添加した。(ホスト粒子の形
成) 2)続いて溶液を60℃に降温し、pAgを9.6に調整し
た。その後、0.071モルのSMC−1を添加し、2分間
熟成を行った。(転位線の導入) 3)0.959モルの硝酸銀水溶液と0.030モルのSMC−
1、及び臭化カリウム水溶液を、pAgを9.6、pHを5.0
に保ちながら添加した。(ホスト粒子のシェリング) 尚、粒子形成を通して各溶液は、新核の生成や粒子間の
オストワルド熟成が進まないように最適な速度で添加し
た。上記添加終了後に40℃で通常のフロキュレーション
法を用いて水洗処理を施した後、ゼラチンを加えて再分
散し、pAgを8.1、pHを5.8に調整した。
【0090】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比4.1の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部と粒子内部双方に5本以上の転位線が
観察された。
【0091】乳剤Em−2(本発明)の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子形成時のpA
gを8.6に、転位線の導入及びホスト粒子のシェリング
時のpAgを9.4に変更した以外は、Em−1と同様にし
てEm−2を調製した。
【0092】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比6.6の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部と粒子内部5本以上の転位線が観察さ
れた。
【0093】乳剤Em−3(本発明)の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子の沃化銀含有
率が表1の組成になるように硝酸銀水溶液とSMC−1
の添加量を変更し、またホスト粒子形成時のpAgを8.4
に、転位線導入時及びホスト粒子のシェリング時のpAg
を9.8に変更した以外は、Em−1と同様にして乳剤E
m−3を調製した。
【0094】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比7.1の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部に5本以上の転位線が観察された。
【0095】乳剤Em−4(本発明)の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子の沃化銀含有
率が表1の組成になるように硝酸銀水溶液とSMC−1
の添加量を変更した以外はEm−1と同様にしてEm−
4を調製した。
【0096】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比5.3の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部と粒子内部双方に5本以上の転位線が
観察された。
【0097】乳剤Em−5(本発明)の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子形成後、シェ
ル形成を始め、シェル形成の途中で、硝酸銀水溶液とS
MC−1、臭化カリウム水溶液の添加を停止し、Em−
1と同様の転位線導入操作を行い、再びシェル形成を行
った他はEm−1と同様にしてEm−5を調製した。
【0098】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比4.4の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部及び粒子内部双方に5本以上の転位線
が観察された。
【0099】比較乳剤Em−6の調製 0.178モル相当の種晶乳剤−1とポリイソプレン−ポリ
エチレンオキシ−ジ琥珀酸エステルナトリウム塩の10%
エタノール溶液0.5mlを含む、4.5重量%の不活性ゼラチ
ン水溶液700mlを75℃に保ち、pAgを8.3、pHを5.0に
調整した後、激しく撹拌しながら同時混合法により以下
の手順で粒子形成を行った。
【0100】1)2.121モルの硝酸銀水溶液と0.174モル
のSMC−1、及び臭化カリウム水溶液を、pAgを8.3、
pHを5.0に保ちながら添加した。
【0101】2)続いて溶液を60℃に降温し、pAgを9.6
に調整した。その後、1.028モルの硝酸銀水溶液と0.032
モルのSMC−1、及び臭化カリウム水溶液を、pAgを
9.6、pHを5.0に保ちながら添加した。
【0102】尚、粒子形成を通して各溶液は、新核の生
成や粒子間のオストワルド熟成が進まないように最適な
速度で添加した。上記添加終了後に40℃で通常のフロキ
ュレーション法を用いて水洗処理を施した後、ゼラチン
を加えて再分散し、pAgを8.1、pHを5.8に調整した。
【0103】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比4.5の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ転位線を有する粒子
は存在しなかった。
【0104】比較乳剤Em−7の調製 乳剤Em−2の調製において、ホスト粒子形成時の硝酸
銀水溶液を2.093モルにSMC−1を0.202モルに変更し
た以外は、Em−1と同様にして乳剤Em−7を調製し
た。
【0105】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比6.5の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部と粒子内部5本以上の転位線が観察さ
れた。
【0106】比較乳剤Em−8の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子形成時の硝酸
銀水溶液を銀2.066モル相当量、SMC−1を0.230モル
に変更した以外はEm−1と同様にEm−8を調製し
た。
【0107】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比4.0の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部と粒子内部双方に5本以上の転位線が
観察された。
【0108】比較乳剤Em−9の調製 乳剤Em−3の調製において、ホスト粒子形成時の硝酸
銀水溶液を銀2.188モル相当量に、SMC−1を0.108モ
ルに変更した以外は、Em−3と同様にEm−9を調製
した。
【0109】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比7.0の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ80%以上(個数)の
粒子にフリンジ部に5本以上の転位線が観察された。
【0110】比較乳剤Em−10の調製 0.178モル相当の種晶乳剤−1とポリイソプレン−ポリ
エチレンオキシ−ジ琥珀酸エステルナトリウム塩の10%
エタノール溶液0.5mlを含む、4.5重量%の不活性ゼラチ
ン水溶液700mlを75℃に保ち、pAgを9.0、pHを5.0に調
整した後、激しく撹拌しながら同時混合法により以下の
手順で粒子形成を行った。
【0111】1)0.692モルの硝酸銀水溶液と0.297モル
のSMC−1、及び臭化カリウム水溶液を、pAgを9.0、
pHを5.0に保ちながら添加した。
【0112】2)続いて、2.295モルの硝酸銀水溶液と
0.071モルのSMC−1、及び臭化カリウム水溶液を、p
Agを9.0、pHを5.0に保ちながら添加した。
【0113】尚、粒子形成を通して各溶液は、新核の生
成や粒子間のオストワルド熟成が進まないように最適な
速度で添加した。上記添加終了後に40℃で通常のフロキ
ュレーション法を用いて水洗処理を施した後、ゼラチン
を加えて再分散し、pAgを8.1、pHを5.8に調整した。
【0114】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比4.3の表1に示すハロ
ゲン組成を有する平板粒子からなる乳剤であった。この
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ転位線を有する粒子
は存在しなかった。
【0115】得られた各乳剤の特性を下記表1に示す。
【0116】
【表1】
【0117】上記各乳剤Em−1〜Em−10に下記増感
色素S−1、S−2、S−3、チオ硫酸ナトリウム、塩
化金酸、チオシアン酸カリウムを添加し、常法に従い、
かぶり−感度関係が最適になるように化学増感を施し
た。
【0118】各々の乳剤に下記の安定剤ST−1及びか
ぶり防止剤AF−1を加えた。なお、ST−1の添加量
はハロゲン化銀1モルあたり1g、AF−1の添加量は
ハロゲン化銀1モルあたり15mgである。
【0119】得られた乳剤各々に酢酸エチル、ジオクチ
ルフタレートに溶解した下記のシアンカプラーC−1を
加え、さらに乳化分散した分散物、延展剤及び硬膜剤等
の一般的な写真添加剤を加えて塗布液を作成し、それぞ
れを下引きされた三酢酸セルロース支持体上に常法によ
り塗布、乾燥して試料No.101〜110を作製した。
【0120】これらの試料を常法に従い5400Kの光源を
用い東芝ガラスフィルターY−48を通してウェッジ露
光を行い、下記の処理工程に従って現像処理を行った。
【0121】また、圧力減感の大きさを評価するため
に、これらの試料を23℃、55%RHの雰囲気下に24時間
放置し、各試料の含水量を揃えた後、同雰囲気下で曲率
半径0.025mmφのサファイアを先端部に有する針に5g
の荷重を加え、1cm/秒の速さで各試料を引いた。
【0122】用いた各化合物を下記に示す。
【0123】
【化14】
【0124】(処理工程) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 780ml 漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55±5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0125】各試料の感度は、赤色濃度がカブリ+0.15
の光学濃度を与える露光量の逆数で表し、試料No.110の
値を100とした相対値で示した。
【0126】圧力減感の大きさについては、カブリ+0.
4の濃度を与える点での上記針の引っかきによる濃度低
下巾を評価した。詳しくは、濃度低下巾−ΔDをその試
料の最大濃度値Dmaxで規格化した値−ΔD/Dmaxを圧
力減感巾として評価した。
【0127】結果を表2に示す。
【0128】
【表2】
【0129】表2に示すように本発明の乳剤は、内部に
高沃度のコアを有する乳剤(試料No.110)と比較して、
同等ないしはより高い感度を有し、かつ圧力減感が大巾
に改良されている。また、試料No.101とNo.105の比較か
ら粒子内の最大沃化銀含有率相に隣接して転位線を導入
した方が感度、対圧性共に好ましいことが明らかであ
る。
【0130】実施例2 乳剤Em−11(本発明の乳剤)の調製 乳剤Em−2の調製において、ホスト粒子及びそのシェ
リングにおける銀量の比率を変更することのみによっ
て、最大沃化銀含有相(AgI7.6モル%相)の体積比率が
26%であるハロゲン化銀粒子を含有する乳剤Em−11を
調製した。
【0131】乳剤Em−12(本発明の乳剤)の調製 乳剤Em−2の調製において、ホスト粒子及びそのシェ
リングにおけるAg量の比率を変更することのみによっ
て、最大沃化銀含有相(AgI7.6モル%相)の体積比率が
55%であるハロゲン化銀粒子を含有する乳剤Em−12を
調製した。
【0132】乳剤Em−13(本発明の乳剤)の調製 乳剤Em−1の調製において、ホスト粒子形成時の硝酸
銀、SMC−1及び臭化カリウム水溶液の添加速度を1/
3にすること以外は、乳剤Em−1と全く同様にして乳
剤Em−13を調製した。
【0133】乳剤Em−13の投影面円換算直径の変動係
数は、32%であった。なお、乳剤Em−1の投影面円換
算直径の変動係数は、19%であった。
【0134】実施例1と同様にして、乳剤Em−11〜13
に増感色素S−1、S−2、S−3、チオ硫酸ナトリウ
ム、塩化金酸、チオシアン酸カリウムを添加し、常法に
従い、かぶり−感度関係が最適になるように化学増感を
施した。各々の乳剤に、安定剤ST−1、かぶり防止剤
AF−1を加えた。
【0135】得られた乳剤各々に酢酸エチル、ジオクチ
ルフタレートに溶解した下記のシアンカプラーC−1を
加え、更に乳化分散した分散物、延展剤及び硬膜剤等の
一般的な写真添加剤を加えて、塗布液を作成し、下引き
された三酢酸セルロース支持体上に常法により塗布、乾
燥して試料No.111〜113を作製した。これらの試料を実
施例1と同様に露光、現像処理を行い、感度及び耐圧力
特性を評価した。
【0136】但し、感度は、試料No.110の値を100とし
た相対値で示した。結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】比較試料No.110に対し、No.101、102及びN
o.111〜113の各試料は、いずれも、感度一耐圧特性の総
合性能では優れているが、試料No.102と111、112の比較
から、最大沃化銀含有相の体積比率が26%よりも65%の
方が、更に65%より55%の方が優れていることがわか
る。
【0139】また、試料No.101と113の比較から、投影
面直径の変動係数が小さい方が感度、耐圧性共に優れて
いる。
【0140】実施例3 試料No.114の調製 試料No.102の調製において、かぶり防止剤AF−1の代
わりに、例示化合物II−2 60mg(ハロゲン化銀1モル
当たり)を加えた以外は、全く同様にして、試料No.114
を調製した。
【0141】試料No.115の調製 試料No.102の調製において、かぶり防止剤AF−1の代
わりに、例示化合物II−7 90mg(ハロゲン化銀1モル
当たり)を加えた以外は、全く同様にして試料No.115を
調製した。
【0142】試料No.116の調製 試料No.102の調製において、かぶり防止剤AF−1の添
加量をハロゲン化銀1モル当たり60mgに変更した以外
は、全く同様にして、試料No.116を調製した。
【0143】実施例1と全く同様にして、感度、かぶり
及び耐圧特性を評価した。また、温度55℃、相対湿度65
%で3日放置した後、露光・現像処理を行いその時の感
度、かぶりも同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0144】
【表4】
【0145】例示化合物II−2及びII−7を用いた試料
114,115は、特に高温・高湿下保存後のかぶり上昇が少
なく性能に優れている。
【0146】
【発明の効果】本発明の乳剤は、高い感度を有し、かつ
圧力減感が大巾に改良される。また、粒子内の最大沃化
銀含有率相に隣接して転位線を導入した方が感度、耐圧
性共に好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 530 (72)発明者 松坂 昌司 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全粒子の30%以上(個数)が、粒子内部
    に沃化銀含有率の異なる2つ以上の相を有し、最大沃化
    銀含有相の沃化銀含有率が5モル%より多くかつ8モル
    %未満であり、該相より外側に該相より沃化銀含有率の
    少ない相を有し、かつ転位線を5本以上有する平板状ハ
    ロゲン化銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀写
    真乳剤。
  2. 【請求項2】 最大沃化銀含有相が粒子体積の30%以上
    90%以下であることを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】 転位線が粒子内部及びフリンジ部に存在
    することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲ
    ン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 平板状粒子投影面の円換算直径の変動係
    数が20%以下であることを特徴とする請求項1、2また
    は3に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  5. 【請求項5】 転位線導入位置が最大沃化銀含有相とそ
    の外側に隣接する相の界面であることを特徴とする請求
    項1、2、3または4に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  6. 【請求項6】 下記一般式〔I〕で示される化合物を含
    有する請求項1、2、3、4または5に記載のハロゲン
    化銀写真乳剤。 一般式〔I〕 Het−(SR)i 式中、Hetは複素環を表し、Rは水素原子、アルキル
    基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表す。iは
    0、1又は2の整数を表す。但しHet又はRは−SO3H、
    −COOH又は−OHから選ばれた基またはそれらの塩の少な
    くとも1つを直接又は間接に有する。
  7. 【請求項7】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を
    有し、少なくとも1層中に請求項1、2、3、4、5ま
    たは6に記載のハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化
    銀カラー写真感光材料。
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