JPH11351521A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JPH11351521A
JPH11351521A JP11085397A JP8539799A JPH11351521A JP H11351521 A JPH11351521 A JP H11351521A JP 11085397 A JP11085397 A JP 11085397A JP 8539799 A JP8539799 A JP 8539799A JP H11351521 A JPH11351521 A JP H11351521A
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JP
Japan
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burner
ceramic burner
metal oxide
type metal
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JP11085397A
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Tsutomu Sofue
務 祖父江
Tatsunari Ohashi
龍成 大橋
Hiroya Yano
宏冶 矢野
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Rinnai Corp
Original Assignee
Rinnai Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックバーナに、耐熱性に優れ、安価で製
造容易な導電体層を備える燃焼装置を提供する。 【解決手段】炎口3aが形成された多孔質のセラミック
バーナ3と、セラミックバーナ3表面に備えられた導電
体層7と、導電体層7と対向して設けられた導電体8
と、導電体層7と導電体8との間に電圧を印加したとき
に火炎電流を検知して着火を検出する着火検出手段9と
を備える。導電体層7は電気伝導性のペロブスカイト型
金属酸化物からなる。導電体層7はセラミックバーナ3
表面を均一に被覆すると共に、表面気孔部に侵入する。
導電体層7は粒子径が0.04〜5μmのペロブスカイ
ト型金属酸化物からなり、10〜300μmの厚さであ
る。導電体層7は1〜20重量%の無機系バインダーを
含む。前記ペロブスカイト型金属酸化物はLa1-X Sr
X MnO3 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックバーナ
を備える燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バーナに燃料ガスと燃焼用空気と
を所定の割合で予め混合した混合気を供給して全一次燃
焼させる燃焼装置が知られている。このような燃焼装置
では、前記バーナとして、耐熱衝撃性を付与するために
多孔質としたセラミックプレートに、表裏方向に貫通す
る小径の炎口を多数設けたセラミックバーナが用いられ
ている。
【0003】燃焼装置では、一般に、バーナとフレーム
ロッドとの間に電圧を印加して、該バーナに形成される
火炎に流れる火炎電流を検知することにより、着火検出
が行われている。前記着火検出は、点火時には所定値以
上の前記火炎電流が検知されることにより良好に着火さ
れたことの確認を行い、前記バーナの燃焼中に前記火炎
電流が所定値以下になったときに失火と判断するもので
ある。しかし、前記セラミックバーナは、通常はそれ自
体不導体であって、電流が流れないので前記方法により
着火検出を行うことが難しい。
【0004】そこで、前記セラミックバーナ自体を導電
性セラミックにより構成することが提案されている。前
記導電性セラミックとしては、例えば、ペタライト(L
iAlSi4 10)等のリチア系セラミックが用いられ
る。
【0005】ところが、本発明者らの検討によると、前
記ペタライトからなるセラミックバーナとフレームロッ
ドとの間に電圧を印加して火炎電流を検知しようとする
と、該火炎電流はバーナの表面温度の影響により大きく
変動することが判明した。即ち、前記ペタライトからな
るセラミックバーナとフレームロッドとの間の火炎電流
は、バーナの表面温度が低い条件下では不導体と同程度
に低く、検知可能な大きさに達するまで時間がかかると
いう問題がある。また、前記ペタライトからなるセラミ
ックバーナは、燃焼中に燃焼条件を変更したり、燃焼停
止後に再点火した場合に、前記火炎電流のオーバーシュ
ートが大きくなり、しかも安定するまでに長時間を要す
るという問題がある。前記オーバーシュートが大きい
と、着火または失火を検知するためには前記火炎電流が
大き過ぎ、安定するまで着火または失火の検知を行うこ
とができなくなる。
【0006】一方、実開平1−67466号公報、実公
平5−18606号公報等には、前記セラミックバーナ
の火炎が形成される表面に導電体層を設けることが提案
されている。前記各公報記載の燃焼装置によれば、前記
セラミックバーナの火炎が形成される側に前記導電体層
と対向してフレームロッドを設け、前記導電体層と該フ
レームロッドとの間に電圧を印加する。または、前記フ
レームロッドの代わりに熱交換器を用い前記導電体層と
該熱交換器との間に電圧を印加する。前記各公報の記載
によれば、前記のようにすることにより、前記火炎を介
して流れる火炎電流を検知して着火を検出することがで
きるとされている。
【0007】前記燃焼装置において、前記導電体層とし
て、例えば前記セラミックバーナ表面にニッケルの蒸着
膜を設けることが知られている。しかし、ニッケルは耐
熱性が低く、長期の使用に耐えることができない。
【0008】前記ニッケルに代えて、耐熱性に優れる白
金またはパラジウムを用いれば、長期に亘って安定して
使用することができるが、いずれも貴金属であって高価
であるので製造コストの増大を避けることができない。
【0009】また、前記ニッケルに代えて、炭化ケイ素
(SiC)の被膜を形成することが考えられる。SiC
は、空気中では高度の耐熱性を備えると共に、真性半導
体であって、導電体として利用することができるので、
セラミックバーナ表面に導電体を設ける用途に適してい
る。前記SiCの被膜は、例えば、二酸化ケイ素と炭素
とを反応させたり、ケイ素と炭素とを反応させたのち、
焼結させることにより製造される。
【0010】しかしながら、前記セラミックバーナを形
成するセラミックプレート上で前記SiC被膜を形成し
ようとすると、SiC被膜を形成するために高温の熱処
理を必要とするために、前記多孔質のセラミックプレー
トが緻密化し、耐熱衝撃性が低減するという不都合があ
る。また、前記SiC被膜の焼成を前記多孔質のセラミ
ックプレートが緻密化しない温度で行ったのでは、前記
SiC被膜の形成が困難になるという不都合がある。
【0011】また、前記SiCの焼結にはホウ素や炭素
等の助剤を不可欠とするが、不純物を添加して形成され
たSiC被膜は高温での強度が低下する傾向があり、焼
結条件の設定が難しいという不都合がある。さらに、S
iCは前記焼結中に酸化されると劣化するので、これを
防止するために装置内を真空にする等、装置が大がかり
になり、製造コストの増大が避けられないとの不都合も
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、セラミックバーナに、耐熱性に優れ、安
価で製造容易な導電体層を備える燃焼装置を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の燃焼装置は、多孔質のセラミックプレー
トに炎口が形成されたセラミックバーナと、該セラミッ
クバーナの火炎が形成される表面に備えられた導電体層
と、該導電体層に対向して設けられた導電体と、該導電
体層と該導電体との間に電圧を印加したときに該火炎を
介して流れる火炎電流を検知して着火を検出する着火検
出手段とを備える燃焼装置において、前記導電体層は、
電気伝導性のペロブスカイト型金属酸化物からなること
を特徴とする。
【0014】前記セラミックバーナを形成するセラミッ
クプレートは、耐火性を備える低膨張性のセラミック材
料の粒子を焼結して多孔質体を形成せしめて耐熱衝撃性
を付与することにより安価に製造することができる。前
記耐火性を備える低膨張性のセラミック材料としては、
コーディエライト、スポジュメン、チタン酸アルミニウ
ム、ムライト、ジルコニア、ジルコン、マグネシア(ス
ピネル、フォルステライトを含む)、アルミナ(コラン
ダムを含む)、カルシア、酸化クロム、ドロマイト、シ
リマナイト、珪石、ジルコンムライト、アルミナとジル
コニアとの混合物、アルミナとジルコンとの混合物及び
これらの2種以上の混合物等を挙げることができる。
【0015】前記セラミックバーナは、緻密質のセラミ
ックプレートにより形成することもできる。前記緻密質
のセラミックプレートは、ペタライト、スポジュメン、
ユークリプタイト、チタン酸アルミニウム、リン酸ジル
コニウムカリウム等の低膨張性のセラミック材料の粒子
を焼結することにより製造することができるが、焼成温
度が比較的高く、そのためのエネルギーを必要とする。
また、前記緻密質のセラミックプレートは、真空蒸着
法、CVD法等によっても前記導電体層を形成すること
ができるが、該セラミックプレートと導電体層との結合
性を向上するために、該セラミックプレートの表面を粗
面化する処理が必要になる。
【0016】従って、前記緻密質のセラミックプレート
では、セラミックプレート自体の製造及び導電体層の形
成のためのコストが増大する。そこで、本発明ではコス
ト低減のために前記多孔質のセラミックプレートを用い
る。
【0017】前記ペロブスカイト型金属酸化物は、一般
式ABO3 (式中、A,Bは金属であり、Oは酸素であ
る)で表わされ、金属的導電体または半導体として電気
伝導性を示すものがある。そこで、本発明では金属的導
電体または半導体としての性質を示すペロブスカイト型
金属酸化物を用いて、前記導電体層を形成する。前記ペ
ロブスカイト型金属酸化物は前記一般式において、金属
AまたはA及びBの一部が他の金属で置換されたもので
あってもよい。
【0018】前記導電体層は、前記電気伝導性のペロブ
スカイト型金属酸化物の粉末を水等の溶剤に混合して得
られる水性スラリーを前記セラミックプレートに塗布し
た後、乾燥し、さらに焼成することにより焼結して形成
される。前記ペロブスカイト型金属酸化物は、それ自体
安価である上、酸化物であるので前記焼成に当たって酸
化を避けるための特殊な装置を必要とせず、燃焼装置の
製造コストを低減することができる。また、前記ペロブ
スカイト型金属酸化物は、それ自体酸化物であるため
に、優れた耐熱性を備えている。
【0019】本発明において、前記導電体層は、前記多
孔質のセラミックプレートの表面を均一に被覆すると共
に、前記ペロブスカイト型金属酸化物が該多孔質のセラ
ミックプレートの表面気孔部に侵入して形成されている
ことが好ましい。
【0020】前記導電体層は前記セラミックプレートの
表面を均一に被覆することにより、均一な電気伝導性を
得ることができる。また、前記ペロブスカイト型金属酸
化物は前記のように焼結することにより、前記セラミッ
クプレートとの接触表面で固溶体を形成するので、前記
導電体層と前記セラミックバーナとが強固に結合され
る。そこで、前記導電体層は、前記表面気孔部に侵入し
た前記ペロブスカイト型金属酸化物が前記固溶体を形成
することにより投錨効果が得られ、前記導電体層と前記
セラミックバーナとがさらに強固に結合される。
【0021】前記導電体層は、前記セラミックプレート
の表面を均一に被覆するために、粒子径が0.04〜5
μmのペロブスカイト型金属酸化物からなることが好ま
しい。ここで、前記ペロブスカイト型金属酸化物の粒子
径は、前記のように焼結された後の粒子径である。
【0022】前記ペロブスカイト型金属酸化物の焼結さ
れた後の粒子径が0.04μm未満であるときには、前
記導電体層が前記セラミックプレートの表面を均一に被
覆することが難しくなる。また、前記ペロブスカイト型
金属酸化物の焼結された後の粒子径が5μmを超える
と、前記固溶体が形成されにくくなり、前記導電体層が
前記セラミックバーナから剥離しやすくなる。
【0023】前記導電体層は、前記セラミックプレート
の表面を均一に被覆するために、10〜300μmの範
囲の厚さを備えることが好ましい。前記導電体層の厚さ
が10μm未満のときには前記セラミックプレートが露
出して均一な電気伝導性が得られないことがあり、30
0μmを超えると焼成時の熱膨張により亀裂が生じ、形
成された導電体層が剥離しやすくなる。
【0024】前記導電体層は、剥離防止のために、該導
電体層の全量に対して1〜20重量%の範囲の無機系バ
インダーを含み、該バインダーを介して前記セラミック
スプレートに結合されていることが好ましい。前記導電
体層は、前記無機系バインダーを含むことにより、前記
ペロブスカイト型金属酸化物同士または前記ペロブスカ
イト型金属酸化物と前記セラミックスプレートとが該バ
インダーを介して強固に結合される。また、前記導電体
層は、前記無機系バインダーを含むことにより、ペロブ
スカイト型金属酸化物を焼結せしめることができる焼成
温度が低くなる。さらに、焼結されたペロブスカイト型
金属酸化物が導電体層として作用する焼成温度の幅が広
がる。従って、焼成温度の設定を容易にすることができ
る。
【0025】前記無機系バインダーとしては、例えば、
硼珪酸ガラス、ソーダライムガラス等を用いることがで
きる。前記無機系バインダーの含有量は、前記導電体層
の全量に対して1重量%未満ではバインダーとしての作
用が得られず、20重量%を超えると該導電体層の抵抗
が大きくなる。
【0026】本発明において、前記ペロブスカイト型金
属酸化物は、電気伝導性を備えると共に、製造容易であ
ることからLa1-X SrX MnO3 であることが好まし
い。
【0027】また、La1-X SrX MnO3 は放射率が
高いため、前記セラミックバーナの表面に導電体層を形
成することにより火炎温度を下げ、前記セラミックバー
ナにおける燃焼の際の窒素酸化物を低減することができ
る。また、La1-X SrX MnO3 は、都市ガス中に含
まれるメタンを低温で完全酸化するという触媒作用があ
り、該触媒作用によっても前記セラミックバーナにおけ
る燃焼の際の窒素酸化物を低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本発明の燃焼装置の一構成例を示すシステム構成
図、図2は本発明の燃焼装置の一実施例において導電体
層とフレームロッドとの間で所定範囲のインプットに対
して検出される火炎電流を示すグラフ、図3は本発明の
燃焼装置の一実施例に用いる電気伝導性のペロブスカイ
ト型金属酸化物の温度に対する電気伝導性の変化を示す
グラフである。また、図4は本発明の燃焼装置のセラミ
ックバーナと他のセラミックバーナとにおけるインプッ
トに対する火炎電流の変化を示すグラフ、図5及び図6
は本発明の燃焼装置のセラミックバーナと他のセラミッ
クバーナとにおける各種燃焼条件下での点火直後からの
火炎電流の経時変化を示すグラフ、図7(a)は本発明
の燃焼装置のセラミックバーナと他のセラミックバーナ
とにおいて燃焼中に燃焼条件を変更した場合の火炎電流
の経時変化を示すグラフ、図7(b)は燃焼後、消火し
て再点火した場合の火炎電流の経時変化を示すグラフで
ある。さらに、図8は本発明の燃焼装置において、導電
体層の無機系バインダー含有量と、焼成温度と、該導電
体層の電気抵抗との関係を示すグラフである。
【0029】図1示のように、本実施形態の燃焼装置1
は、ケーシング2内にセラミックバーナ3と、給水管4
から供給される水をセラミックバーナ3により加熱して
湯を得る熱交換器5とを備える。また、燃焼装置1は、
熱交換器5で得られた湯を図示しない台所、洗面所、浴
室等に供給する給湯管6を備えている。
【0030】セラミックバーナ3は、耐火性を備える低
膨張性のセラミック材料であるコーディエライトの粒子
を焼結して多孔質体を形成せしめることにより耐熱衝撃
性を付与したセラミックプレートに小径の炎口3aを多
数設けたものである。そして、セラミックバーナ3は、
熱交換器5に対向する表面に、電気伝導性のペロブスカ
イト型金属酸化物の被覆層からなる導電体層7を備えて
いる。
【0031】さらに、燃焼装置1はセラミックバーナ3
と熱交換器5との間にフレームロッド8を備えると共
に、セラミックバーナ3の着火を検出する着火検出手段
9を備えている。着火検出手段9は、導電体層7とフレ
ームロッド8との間に電圧を印加して、セラミックバー
ナ3に点火されたときに火炎Fを通じて流れる火炎電流
を検知することにより着火を検出する。
【0032】前記コーディエライトの粒子を焼結して得
られるセラミックプレートは、3〜200μmの範囲の
表面気孔部を備える多孔質体とすることにより、良好な
耐熱衝撃性が付与される。
【0033】前記電気伝導性のペロブスカイト型金属酸
化物のうち、金属的導電体としての性質を示すものとし
て、例えば、SrTiO3 、BaTiO3 、LaTiO
3 、CaVO3 、SrVO3 、CaCrO3 、SrCr
3 、CaFeO3 、SrFeO3 ,SrCoO3 、L
aNiO3 等を挙げることができる。また、前記電気伝
導性のペロブスカイト型金属酸化物のうち、半導体とし
ての性質を示すものとして、例えば、CaTiO3 、B
aVO3 、LaCrO3 、CaMnO3 、LaMn
3 、BaFeO3 、LaFeO3 、BaCoO3 、S
rNiO3 、BaNiO3 、LnCrO3 (Ln=P
r,Nd,Sm,Eu)等を挙げることができる。ま
た、金属的導電体乃至半導体としての性質を示すペロブ
スカイト型金属酸化物として、例えば、LaCoO3
を挙げることができる。
【0034】また、前記電気伝導性のペロブスカイト型
金属酸化物は前記一般式において、金属AまたはBの一
部が他の金属で置換されることにより金属的導電体乃至
半導体としての性質を示すものであってもよく、このよ
うなペロブスカイト型金属酸化物として、例えば、La
1-X SrX MnO3 、La1-X CaX MnO3 、La
1-X SrX CoO3 、La1-X SrX CrO3 、La
1-X CaX CrO3 、La 1-X SrX FeO3 、Y1-X
MgX CrO3 、Y1-X CaX CrO3 、Y1-X SrX
CrO3 、Y1-X BaX CrO3 、Gd1-X CaX Cr
3 、LaCr1-yMny 3 、LaCr1-y Mgy
3 等を挙げることができる。また、前記ペロブスカイト
型金属酸化物は前記一般式において、金属A及びBの一
部が他の金属で置換されることにより金属的導電体乃至
半導体としての性質を示すものであってもよく、このよ
うなペロブスカイト型金属酸化物として、例えば、Gd
1-X SrX Co1-y Mny 3 、La1-X CaX Cr
1-y Coy 3 等を挙げることができる。ただし、前記
一般式において、x及びyはいずれも0以上1未満の数
である。
【0035】前記ペロブスカイト型金属酸化物は、該酸
化物を構成する各金属の酸化物または炭酸化物を、該金
属が化学量論的に該酸化物を構成する量になるようにし
て、混合し、所定温度で焼成することにより得られる。
得られたペロブスカイト型金属酸化物は粉砕して粒子径
0.005〜0.3μmの粉末とし、該粉末に所定量の
水を混合してスラリーとする。そして、該スラリーをセ
ラミックバーナ3の表面に噴霧して塗布したのち、所定
温度で乾燥し、さらに所定温度で焼成して焼結せしめる
ことにより、ペロブスカイト型金属酸化物の粒子径が
0.04〜5μmの範囲となり、10〜300μmの範
囲の厚さで、セラミックバーナ3を均一に被覆する導電
体層7が形成される。
【0036】導電体層7は前記焼結の際に前記ペロブス
カイト型金属酸化物がセラミックバーナ3と固溶体を形
成するので、セラミックバーナ3に強固に結合される。
このとき、セラミックバーナ3は、前記のように3〜2
00μmの範囲の表面気孔部を備える多孔質体のセラミ
ックプレートにより形成されている。そこで、前記スラ
リーは、粒子径0.005〜0.3μmのペロブスカイ
ト型金属酸化物粉末を含むことにより、セラミックプレ
ート3の表面を均一に被覆すると共に、該ペロブスカイ
ト型金属酸化物粉末が前記表面気孔部に侵入することが
できる。前記導電体層7は、前記ペロブスカイト型金属
酸化物が前記表面気孔部に侵入して焼結されることによ
り投錨効果が得られ、セラミックバーナ3にさらに強固
に結合される。
【0037】前記ペロブスカイト型金属酸化物粉末の粒
子径が0.005μm未満であるときには、前記表面気
孔部の深い位置にまで浸透してしまい、均一な厚さの導
電体層7を形成することが難しい。一方、前記ペロブス
カイト型金属酸化物粉末の平均粒子径が0.3μmを超
えると、焼結したときに0.04〜5μmの範囲の粒子
径が得られにくくなり、投錨効果が低減する。
【0038】また、導電体層7は、前記ペロブスカイト
型金属酸化物の粒子径を調整する替りに、前記多孔質の
セラミックプレートの表面を粗面化して面粗度を調整す
ることによっても、セラミックバーナ3に対して強固に
結合せしめることができる。
【0039】次に、本実施形態の実施例を示す。
【0040】
【実施例1】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.7 Sr 0.3 MnO3 を用い
るものである。
【0041】本実施例では、まず、La2 3 粉末、S
rCO3 粉末、Mn2 3 粉末を0.7:0.3:1の
モル比で混合したものにさらにエタノール200gを添
加して、ボールミルを用いて湿式混合し、乾燥後、一軸
油圧プレスを用いて加圧成形した。次に得られた成形物
を、電気炉中、1100℃で12時間仮焼した後、自動
乳鉢で乾式粉砕して粉末とした。次に、得られた粉末
を、電気炉中、1300℃で12時間焼成した後、自動
乳鉢で乾式粉砕して粉末とした。
【0042】前記焼成後の粉末は、X線回折により分析
したところ、LaMnO3 系結晶構造を有することが確
認された。
【0043】次に、前記粉末に、同重量の水と、該粉末
の0.5重量%の分散剤(中京油脂製、商品名:セルナ
D−305)とを添加して、ボールミルを用いて湿式混
合し、乾燥して、平均粒子径0.2μmのLa0.7 Sr
0.3 MnO3 粉末を得た。前記粉末は、エネルギー分散
型X線分析装置により、La:Sr:Mn=0.7:
0.3:1(モル比)であることが確認された。
【0044】次に、前記La0.7 Sr0.3 MnO3 に、
該粉末の20〜50重量%の水と、該粉末の0.5重量
%の分散剤(中京油脂製、商品名:セルナD−305)
とを添加して、ボールミルを用いて湿式混合してスラリ
ーとした。次に、得られたスラリーを市販の霧吹器を用
いて、セラミックバーナ3の表面に噴霧し、塗膜を形成
し、乾燥器中、110℃で2時間乾燥した。前記乾燥
後、さらに電気炉中、1080℃で1〜3時間加熱焼成
して焼結せしめ、粒子径2μmのLa0.7 Sr0. 3 Mn
3 からなる110μmの厚さの導電体層7を備えるセ
ラミックバーナ3を製造した。
【0045】導電体層7は、前記La0.7 Sr0.3 Mn
3 がセラミックバーナ3の表面を均一に被覆して形成
されている。しかも、セラミックバーナ3の表面気孔部
に侵入した前記La0.7 Sr0.3 MnO3 が焼結される
ことにより、導電体層7とセラミックバーナ3とが強固
に結合されている。
【0046】次に、前記セラミックバーナ3を図1示の
燃焼装置1に装着し、前記混合気を供給してこれに点火
したときに、前記導電体層7とフレームロッド8との間
に120Vの電圧を印加し、所定範囲のインプットに対
して着火検出手段9で検出される火炎電流を測定した。
結果を図2に示す。
【0047】図2から明らかなように、本実施例の導電
体層7によれば、8〜24kwのインプットに対して、
着火検出手段9で40〜160μAの火炎電流が検出さ
れた。通常、着火検出手段9で着火を検出するには1μ
Aの火炎電流が必要であり、失火を検知するには0.1
μAの火炎電流が必要であるが、本実施例の導電体層7
により得られる前記火炎電流は1μAをはるかに上回り
着火を検出するに十分な範囲である。
【0048】また、本実施例の導電体層7に用いるLa
0.7 Sr0.3 MnO3 の温度に対する電気伝導性の変化
を図3に示す。図3から、本実施例のLa0.7 Sr0.3
MnO3 は高温においても電気伝導性の変化が少なく、
安定した性能が得られることが明らかである。
【0049】次に、前記セラミックバーナ3を図1示の
燃焼装置1に装着し、空気過剰率を1.4とした混合気
を供給してこれに点火したときに、前記導電体層7とフ
レームロッド8との間に120Vの電圧を印加し、所定
のインプットに対して着火検出手段9で検出される火炎
電流を測定した。結果を図4に示す。
【0050】ここで、前記「空気過剰率」とは、前記混
合気において、所定量の燃料ガスを完全燃焼させるため
に要する化学量論的量の空気を1として、この何倍の量
の燃焼用空気を混合するかを示す値である。前記空気過
剰率は、単位を持たない無次元数として示される。
【0051】また、前記導電体層7を形成しなかった以
外は本実施例と全く同一にして得られたセラミックバー
ナ3(従来例)を図1示の燃焼装置1に装着し、前記と
同一条件で火炎電流を測定した。さらに、電気伝導性セ
ラミックであるペタライトからなり、前記導電体層7を
備えないセラミックバーナ(比較例)を図1示の燃焼装
置1に装着し、前記と同一条件で火炎電流を測定した。
結果を図4に併せて示す。
【0052】図4から明らかなように、導電体層7を備
える本実施例のセラミックバーナ3によれば、前記空気
過剰率が1.4で混合気がエアリッチとなる条件下で
も、インプットの大小にかかわらず着火検出に十分な大
きさの火炎電流を検知することができる。
【0053】これに対して、従来例のセラミックバーナ
3は不導体であるので、図4から明らかなように、イン
プットの大小にかかわらず、殆ど火炎電流が検知されな
い。また、比較例のセラミックバーナは前記エアリッチ
で、セラミックバーナの温度が比較的低くなる条件下で
は、インプットが大になるにつれて、検知される火炎電
流が前記従来例のセラミックバーナ3と同程度まで低減
する。
【0054】次に、前記セラミックバーナ3を図1示の
燃焼装置1に装着し、空気過剰率及び燃焼装置1の燃焼
能力を変動させて点火したときに、前記導電体層7とフ
レームロッド8との間に120Vの電圧を印加し、着火
検出手段9で検出される火炎電流の経時変化を測定し
た。結果を図5及び図6に示す。
【0055】また、前記従来例のセラミックバーナ3及
び比較例のセラミックバーナを図1示の燃焼装置1に装
着し、前記と同一条件下で着火検出手段9で検出される
火炎電流の経時変化を測定した。結果を図5及び図6に
併せて示す。
【0056】ここで、図5(a)は空気過剰率を1.4
とすると共に燃焼装置1の燃焼能力を最大にした場合で
ある。この場合、セラミックバーナの温度が比較的低く
なる。図5(b)は空気過剰率を1.4とすると共に燃
焼装置1の燃焼能力を最小にした場合である。この場
合、セラミックバーナの温度は図5(a)の場合よりも
高くなる。
【0057】また、図6(a)は空気過剰率を1.1と
してガスリッチにすると共に燃焼装置1の燃焼能力を最
大にした場合である。この場合、セラミックバーナの温
度は図5(b)の場合よりさらに高くなる。図6(b)
は空気過剰率を1.1とすると共に燃焼装置1の燃焼能
力を最小にした場合である。この場合、セラミックバー
ナの温度が最も高くなる。
【0058】図5及び図6から明らかなように、導電体
層7を備える本実施例のセラミックバーナ3によれば、
燃焼条件にかかわらず、極く短時間の内に着火検出に十
分な大きさの火炎電流を検知することができる。
【0059】これに対して、従来例のセラミックバーナ
3は不導体であるので、図5及び図6から明らかなよう
に、燃焼条件にかかわらず、殆ど火炎電流が検知されな
い。また、比較例のセラミックバーナは、図5(a)か
ら明らかなように、セラミックバーナの温度が比較的低
い条件下では、前記従来例のセラミックバーナ3と同程
度の火炎電流が検知されるに過ぎない。比較例のセラミ
ックバーナは、図5(b)または図6(a)、図6
(b)のようにセラミックバーナの温度が高くなる条件
下では、失火及び着火検知に十分な大きさの火炎電流を
検知することができる。しかし、火炎電流が十分に大き
くなるまでに、0.5〜2.0分を要する。
【0060】次に、前記セラミックバーナ3を図1示の
燃焼装置1に装着し、前記導電体層7とフレームロッド
8との間に120Vの電圧を印加して、燃焼中に燃焼条
件を変更した場合、または燃焼後、消火して再点火した
場合に、着火検出手段9で検出される火炎電流の経時変
化を測定した。結果を図7に示す。
【0061】また、前記従来例のセラミックバーナ3及
び比較例のセラミックバーナを図1示の燃焼装置1に装
着し、前記と同一条件下で着火検出手段9で検出される
火炎電流の経時変化を測定した。結果を図7に併せて示
す。
【0062】ここで、図7(a)は空気過剰率を1.1
とすると共に燃焼装置1の燃焼能力を最小にして15分
間燃焼させたのち、空気過剰率は変更せずに、燃焼装置
1の燃焼能力を中程度に変更した場合である。また、図
7(b)は図7(a)の前半と同一条件で15分間燃焼
させて消火し、完全に冷却したのち、空気過剰率を1.
1とすると共に燃焼装置1の燃焼能力を中程度として、
再点火した場合である。
【0063】図7から明らかなように、導電体層7を備
える本実施例のセラミックバーナ3によれば、燃焼条件
にかかわらず、オーバーシュートは僅かであり、極く短
時間の内に平常の火炎電流に復旧することができる。
【0064】これに対して、比較例のセラミックバーナ
は、燃焼条件を変更した直後に、図7(a)から明らか
なように、大きなオーバーシュートを示す。尚、燃焼条
件の変更直後から4秒の間はスケールオーバーしてい
る。前記オーバーシュートは、平常の大きさの火炎電流
に復旧して安定するまで20〜25分を要した。また、
比較例のセラミックバーナは、燃焼後、消火して再点火
した直後にも、図7(b)から明らかなように大きなオ
ーバーシュートを示し、平常の大きさの火炎電流に復旧
して安定するまで20〜25分を要した。比較例のセラ
ミックバーナでは、前記オーバーシュートが平常の大き
さの火炎電流に復旧するまでの間、着火検出ができなか
った。
【0065】また、従来例のセラミックバーナ3は不導
体であるので、図7から明らかなように、燃焼条件にか
かわらず、殆ど火炎電流が検知されない。
【0066】
【実施例2】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.7 Sr 0.3 MnO3 を用い
ると共に、導電体層7が無機系バインダーとして硼珪酸
ガラスを含むものである。
【0067】本実施例では、まず、実施例1と同一にし
てLa0.7 Sr0.3 MnO3 粉末を得た。また、前記硼
珪酸ガラスをボールミルを用いて湿式粉砕して粉末にし
た。
【0068】次に、前記La0.7 Sr0.3 MnO3 に、
該粉末の20〜50重量%の水と、該粉末の0.5重量
%の分散剤(中京油脂製、商品名:セルナD−305)
と、硼珪酸ガラス粉末を添加して、ボールミルを用いて
湿式混合してスラリーとした。前記硼珪酸ガラス粉末の
添加量は、前記スラリーにより形成される導電体層7の
全量に対し、4重量%に当たる量とした。
【0069】次に、得られたスラリーを市販の霧吹器を
用いて、セラミックバーナ3の表面に噴霧して塗膜を形
成し、乾燥器中、110℃で2時間乾燥した。前記乾燥
後、さらに電気炉中、950℃で1時間加熱焼成して焼
結せしめ、120μmの厚さの導電体層7を形成した。
【0070】導電体層7は、セラミックバーナ3の表面
を均一に被覆して形成されており、しかもセラミックバ
ーナ3の表面気孔部に侵入した前記La0.7 Sr0.3
nO 3 が焼結されることにより、セラミックバーナ3に
強固に結合されていた。また、導電体層7は、全量に対
して4重量%の硼珪酸ガラスを含んでいた。この結果、
La0.7 Sr0.3 MnO3 粒子同士、またはLa0.7
0.3 MnO3 粒子とセラミックバーナ3とが、前記硼
珪酸ガラスをバインダーとして結合し、さらに強固な結
合力を得ることができた。
【0071】次に、硼珪酸ガラス粉末の添加量を変量し
た以外は、前記と同一の手順により、La0.7 Sr0.3
MnO3 粉末を含むスラリーを調製した。前記硼珪酸ガ
ラス粉末の添加量は、前記スラリーにより形成される導
電体層7の全量に対し、0重量%、2重量%、4重量
%、10重量%、20重量%に当たる量とし、5種類の
スラリーを得た。
【0072】次に、得られた各スラリーを市販の霧吹器
を用いて、セラミックバーナ3の表面に噴霧して塗膜を
形成し、乾燥器中、110℃で2時間乾燥した。前記乾
燥後、さらに電気炉中、880〜1100℃で1〜3時
間加熱焼成して焼結せしめた。この結果、120μmの
厚さで硼珪酸ガラスを含まないか、或いは全量に対し
て、それぞれ2重量%、4重量%、10重量%、20重
量%の硼珪酸ガラスを含む導電体層7を備えるセラミッ
クバーナ3が得られた。
【0073】このとき、La0.7 Sr0.3 MnO3 粉末
とセラミックバーナ3とが焼結により結合し、且つ焼結
したLa0.7 Sr0.3 MnO3 が導電体層7として作用
する焼成温度の範囲を調べるために、形成された導電体
層7に剥離が生じないように焼結するための最低焼成温
度T1 と、導電体層7の抵抗値が無限大になる温度T 2
とを測定した。T1 ,T2 及び前記焼成温度の範囲d
(d=T2 −T1 )を表1に示す。
【0074】また、全量に対する硼珪酸ガラスの含有量
をそれぞれ0重量%、2重量%、4重量%、10重量
%、20重量%とした5種類の導電体層7について、焼
成温度による抵抗値の変化を図8に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1及び図8から明らかなように、前記硼
珪酸ガラスを添加することにより、La0.7 Sr0.3
nO3 粉末を焼結せしめることができる最低焼成温度が
低くなる。また、焼結されたLa0.7 Sr0.3 MnO3
が導電体層7として作用する焼成温度の幅が広がる。従
って、焼成温度の設定を容易にすることができる。
【0077】前記導電体層7は、全量に対する前記硼珪
酸ガラスの含有量が1〜20重量%の範囲であれば、焼
成温度を適切に設定することにより、抵抗値を制御する
ことができる。しかし、全量に対する前記硼珪酸ガラス
の含有量が20重量%を超えると、焼成温度にかかわら
ず、前記導電体層7の抵抗値が過大になる。
【0078】尚、本実施例では前記無機系バインダーと
して、前記硼珪酸ガラスを用いているが、これに替えて
ソーダライムガラス等を用いてもよく、同等の効果を得
ることができる。
【0079】
【実施例3】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.7 Sr 0.3 FeO3 を用い
るものである。
【0080】本実施例は、実施例1のMn2 3 粉末に
替えてFe2 3 粉末を用いる以外は、実施例1と全く
同一の方法により、導電体層7を備えるセラミックバー
ナ3を製造した。
【0081】本実施例の導電体層7に用いるLa0.7
0.3 FeO3 によれば、該導電体層7を設けたセラミ
ックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着したときに、
実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO3 と同様に、
導電体層7とフレームロッド8との間で着火を検出する
に十分な火炎電流が得られた。
【0082】
【実施例4】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.5 Sr 0.5 CoO3 を用い
るものである。
【0083】本実施例は、La2 3 粉末、SrCO3
粉末、Co3 4 粉末を0.5:0.5:1のモル比で
混合し、仮焼後の粉末の焼成温度を1200℃とした以
外は、実施例1と全く同一の方法により、導電体層7を
備えるセラミックバーナ3を製造した。
【0084】本実施例の導電体層7に用いるLa0.5
0.5 CoO3 によれば、該導電体層7を設けたセラミ
ックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着したときに、
実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO3 と同様に、
導電体層7とフレームロッド8との間で着火を検出する
に十分な火炎電流が得られた。
【0085】
【実施例5】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.5 Ca 0.5 CrO3 を用い
るものである。
【0086】本実施例は、La2 3 粉末、CaCO3
粉末、Cr2 3 粉末を0.5:0.5:1のモル比で
混合し、仮焼後の粉末の焼成温度を1500℃とした以
外は、実施例1と全く同一の方法により、導電体層7を
備えるセラミックバーナ3を製造した。
【0087】本実施例の導電体層7に用いるLa0.5
0.5 CrO3 によれば、該導電体層7を設けたセラミ
ックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着したときに、
実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO3 と同様に、
導電体層7とフレームロッド8との間で着火を検出する
に十分な火炎電流が得られた。
【0088】
【実施例6】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.6 Sr 0.4 CrO3 を用い
るものである。
【0089】本実施例は、La2 3 粉末、SrCO3
粉末、Cr2 3 粉末を0.6:0.4:1のモル比で
混合し、仮焼後の粉末の焼成温度を1500℃とした以
外は、実施例1と全く同一の方法により、導電体層7を
備えるセラミックバーナ3を製造した。
【0090】本実施例の導電体層7に用いるLa0.6
0.4 CrO3 によれば、該導電体層7を設けたセラミ
ックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着したときに、
実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO3 と同様に、
導電体層7とフレームロッド8との間で着火を検出する
に十分な火炎電流が得られた。
【0091】
【実施例7】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、La0.2 Ca 0.8 MnO3 を用い
るものである。
【0092】本実施例は、La2 3 粉末、CaCO3
粉末、Mn2 3 粉末を0.8:0.2:1のモル比で
混合した以外は、実施例1と全く同一の方法により、導
電体層7を備えるセラミックバーナ3を製造した。
【0093】本実施例の導電体層7に用いるLa0.2
0.8 MnO3 によれば、該導電体層7を設けたセラミ
ックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着したときに、
実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO3 と同様に、
導電体層7とフレームロッド8との間で着火を検出する
に十分な火炎電流が得られた。
【0094】
【実施例8】本実施例は、電気伝導性のペロブスカイト
型金属酸化物として、Gd0.8 Sr 0.2 Co0.9 Mn
0.1 3 を用いるものである。
【0095】本実施例は、Gd2 3 粉末、SrCO3
粉末、Co3 4 粉末、Mn2 3粉末を0.6:0.
4:1のモル比で混合し、仮焼後の粉末の焼成温度を1
200℃とした以外は、実施例1と全く同一の方法によ
り、導電体層7を備えるセラミックバーナ3を製造し
た。
【0096】本実施例の導電体層7に用いるGd0.8
0.2 Co0.9 Mn0.1 3 によれば、該導電体層7を
設けたセラミックバーナ3を図1示の燃焼装置1に装着
したときに、実施例1に用いたLa0.7 Sr0.3 MnO
3 と同様に、導電体層7とフレームロッド8との間で着
火を検出するに十分な火炎電流が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置の一構成例を示すシステム構
成図。
【図2】本発明の燃焼装置の一実施例において導電体層
とフレームロッドとの間で所定範囲のインプットに対し
て検出される火炎電流を示すグラフ。
【図3】本発明の燃焼装置の一実施例において用いる電
気伝導性のペロブスカイト型金属酸化物の温度に対する
電気伝導性の変化を示すグラフ。
【図4】本発明の燃焼装置のセラミックバーナと他のセ
ラミックバーナとにおけるインプットに対する火炎電流
の変化を示すグラフ。
【図5】本発明の燃焼装置のセラミックバーナと他のセ
ラミックバーナとにおける各種燃焼条件下の火炎電流の
経時変化を示すグラフ。
【図6】本発明の燃焼装置のセラミックバーナと他のセ
ラミックバーナとにおける各種燃焼条件下の火炎電流の
経時変化を示すグラフ。
【図7】図7(a)は本発明の燃焼装置のセラミックバ
ーナと他のセラミックバーナとにおいて燃焼中に燃焼条
件を変更した場合の火炎電流の経時変化を示すグラフ、
図7(b)は燃焼後、消火して再点火した場合の火炎電
流の経時変化を示すグラフ。
【図8】本発明の燃焼装置において、導電体層の無機系
バインダー含有量と、焼成温度と、該導電体層の電気抵
抗との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…燃焼装置、 3…セラミックバーナ、 3a…炎
口、 7…導電体層、8…導電体、 9…着火検出手
段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質のセラミックプレートに炎口が形成
    されたセラミックバーナと、該セラミックバーナの火炎
    が形成される表面に備えられた導電体層と、該導電体層
    に対向して設けられた導電体と、該導電体層と該導電体
    との間に電圧を印加したときに該火炎を介して流れる火
    炎電流を検知して着火を検出する着火検出手段とを備え
    る燃焼装置において、 前記導電体層は、電気伝導性のペロブスカイト型金属酸
    化物からなることを特徴とする燃焼装置。
  2. 【請求項2】前記導電体層は、前記多孔質のセラミック
    プレートの表面を均一に被覆すると共に、前記ペロブス
    カイト型金属酸化物が該多孔質のセラミックプレートの
    表面気孔部に侵入して形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】前記導電体層は、粒子径が0.04〜5μ
    mのペロブスカイト型金属酸化物からなることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】前記導電体層は、10〜300μmの範囲
    の厚さを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかの項記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】前記導電体層は該導電体層の全量に対して
    1〜20重量%の範囲の無機バインダーを含み、該バイ
    ンダーを介して前記多孔質のセラミックプレートに結合
    されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれかの項記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】前記ペロブスカイト型金属酸化物は、La
    1-X SrX MnO3 (xは0以上1未満)であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかの項記載の
    燃焼装置。
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