JPH11351372A - 車両のエンジン再始動時の制御装置 - Google Patents

車両のエンジン再始動時の制御装置

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JPH11351372A
JPH11351372A JP10162551A JP16255198A JPH11351372A JP H11351372 A JPH11351372 A JP H11351372A JP 10162551 A JP10162551 A JP 10162551A JP 16255198 A JP16255198 A JP 16255198A JP H11351372 A JPH11351372 A JP H11351372A
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clutch
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increase control
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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/84Data processing systems or methods, management, administration

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン再始動時に特別なコストをかけずに
変速機の前進クラッチを速かに且つ小さなショックで係
合させる。 【解決手段】 エンジンの再始動時に所定のクラッチを
係合させるための油圧を供給する際に急速増圧制御を実
行することとし、その実行態様をエンジン再始動時に達
成される変速段毎に、変更する(ステップ410〜43
0)。具体的には、急速増圧制御の実行時間や目標制御
値を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、所定の停止条件が
成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定
の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジン
を再始動する車両であって、該再始動の際に変速機の所
定のクラッチを係合させる車両のエンジン再始動時の制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車両が停止し、且
つ所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動的
に停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あ
るいは騒音の低減等を図るように構成した車両が提案さ
れ、すでに実用化されている(例えば特開平8−140
76号公報)。
【0003】このような車両にあっては、運転者がアク
セルペダルを踏むなどの走行の意思を示して所定の再始
動条件が成立したときには、直ちにエンジンを再始動さ
せる必要がある。
【0004】ところが、自動変速機が油圧式の自動変速
機であった場合には、エンジンが停止すると該エンジン
と連結されているオイルポンプも停止してしまうため、
例えば自動変速機の前進クラッチ(所定のクラッチ)に
供給されているオイルも油路から抜け、油圧が低下して
しまう。そのため、エンジンが再始動されるときには、
当該前進走行時に係合されるべき前進クラッチもその係
合状態が解かれてしまった状態となってしまうことにな
る。
【0005】この場合、エンジンが再始動された時に、
この前進クラッチが速やかに係合されないと、いわばニ
ュートラルの状態のままアクセルペダルが踏み込まれる
ことになり、エンジンが吹き上がった状態で前進クラッ
チが係合してしまうため、係合ショックが発生する可能
性がある。
【0006】そのため、このような状態が発生しないよ
うに、前記特開平8−14076号公報にかかる車両に
おいては、エンジンが自動停止してから再始動されるま
での間、大型のアキュムレータの機能により前進クラッ
チを係合状態に維持する技術を提案している。
【0007】また特開平9−39613号公報では、エ
ンジンを完全に停止させてしまうのではなく、該エンジ
ンの燃料の供給のみを停止し、モータジェネレータを駆
動させて、該エンジンをほぼアイドリング回転速度に保
持し、オイルポンプが停止しないように配慮した技術を
提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平8−14076号公報にて提案された技術のよう
に、大型のアキュムレータを組み込むことにより、エン
ジンが停止中においても前進クラッチを係合状態に維持
するという技術は、例えばD(ドライブ)ポジションか
らN(ニュートラル)ポジションへのシフト時のドレン
性能の悪化、即ち、前進クラッチの解放スピードが遅く
なることや、油圧制御装置の大型化など、アキュムレー
タを設けることにより新たな弊害が発生するのが避けら
れなかった。
【0009】また、前記特開平9−39613号公報に
て提案された技術のように、モータジェネレータによっ
てエンジンをアイドリング回転速度に維持するという技
術は、燃費の向上は図れるものの、モータジェネレータ
を駆動する必要があるためバッテリの消耗が著しく、そ
のためバッテリを大型化(大容量化)する必要があると
いう問題があった。
【0010】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、ドレン性能の悪化や油圧制御装
置あるいはバッテリの大型化などの新たな不具合を一切
生じることなく、エンジン再始動時に、自動変速機の変
速比がいかなる場合にも、係合ショック等を生じること
なく速やかに所定のクラッチを係合させることのできる
車両の再始動時の制御装置を提供することをその課題と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停
止するとともに、所定の再始動条件が成立したときに該
自動停止したエンジンを再始動する車両であって、該再
始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させる車両の
エンジン再始動時の制御装置において、エンジンの再始
動時に前記所定のクラッチを係合させるための油圧を供
給する際に、該油圧の供給初期に一時的に油圧を急速に
増圧する急速増圧制御を実行する手段を備え、該急速増
圧制御の実行態様をエンジンの再始動時に達成される変
速段に応じて変更することにより、上記課題を解決した
ものである。
【0012】なお、ここでいう「所定のクラッチ」と
は、エンジンの再始動時に係合されるクラッチを指すも
のであり、有段自動変速機においては例えばいわゆる
「前進クラッチ」等がこれに相当する。なお、無段変速
機では例えば「発進クラッチ」が該「所定のクラッチ」
に相当する。又、自動クラッチ付のマニュアル変速機の
場合は、該「自動クラッチ」が「所定のクラッチ」に相
当する。
【0013】又、ここでいう「急速増圧制御」とは、所
定のクラッチにオイルを供給する際に、オイルの供給速
度(油圧上昇)を通常供給時と比べて速くなるように制
御することである。なお、オイルの供給速度を速くする
ためには、例えば、ライン圧の制御目標圧を高く設定し
たり、又、油路の絞りを緩くするなどの手法を採用すれ
ばよい。
【0014】更に、ここでいう「変速段」とは、有段変
速機では「変速段」又は「ギヤ段」を指し、無段変速機
では伝導ベルトの係り径の変更により決定される「変速
比」を指すものとする。
【0015】なお、前記急速増圧制御の実行態様は、該
急速増圧制御の実行時間を変更することにより変更して
もよく(請求項2)、又、該急速増圧制御の油圧の制御
目標値を変更することにより変更してもよい(請求項
3)。
【0016】一方、請求項4に記載の発明は、所定の停
止条件が成立したときにエンジンを自動停止するととも
に、所定の再始動条件が成立したときに該自動停止した
エンジンを再始動する車両であって、該再始動の際に変
速機の所定のクラッチを係合させる車両のエンジン再始
動時の制御装置において、エンジンの再始動時に前記所
定のクラッチを係合させるための油圧を供給する際に、
該油圧の供給初期に一時的に油圧を急速に増圧する急速
増圧制御を実行する手段と、再始動時に達成される変速
段においてエンジンブレーキを確保するために係合され
る摩擦係合装置が再始動時に前記所定のクラッチと同時
に係合されるか否かを判断する手段と、を備え、前記急
速増圧制御の実行態様を、該判断により前記エンジンブ
レーキを確保するために係合される摩擦係合装置が再始
動時に係合されるか否かに基づいて、変更することによ
り、同様に上記課題を解決したものである。
【0017】この場合も前記急速増圧制御の実行態様
を、該急速増圧制御の実行時間を変更することにより変
更してもよく(請求項5)、また、該急速増圧制御の油
圧の制御目標値を変更することにより変更してもよい
(請求項6)。
【0018】本発明においては、上述した不具合を解消
するために、大型のアキュムレータを設けたり、あるい
は、車両停止中においてもエンジンを回転させておい
て、所定のクラッチを係合状態に維持しておくのではな
く、エンジン再始動と同時に所定のクラッチを係合させ
るためのオイルの供給を開始することとし、その際、該
油圧を供給するにあたって、クラッチをできるだけ速く
係合させるため、一時的に所定時間だけオイルの急速増
圧制御を実行するようにした。
【0019】しかしながら、エンジンは始動を開始し、
エンジン回転速度はすでに上昇段階にあるため、もし、
この急速増圧制御が適正に実行されないと、該所定のク
ラッチが係合されるときに大きな係合ショックが発生す
る虞れがある。
【0020】そのため本発明では、急速増圧制御の実行
態様をエンジン再始動時の「変速段」毎に変更する。そ
れは、再始動時に達成される変速段が異なると係合され
るクラッチの数が異なるため、急速増圧制御の態様を相
応に変える必要があるためである。無段変速機の場合
は、達成される変速比が異なると油圧をシーブに供給す
べきオイルの量が異なるため、やはり最適な態様が異な
る。
【0021】同様に、同じ変速段でも、エンジンブレー
キを確保するためのクラッチが係合するか否かによって
も最適な態様が異なってくる。本発明によりどういう状
態でエンジンを再始動し、発進するとしても、最適な急
速増圧制御を実行することができるようになり、係合シ
ョックを発生することなくクラッチを速やかに係合させ
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を詳細に説明する。
【0023】本実施形態では、「変速段」を持つ有段自
動変速機を例に挙げて説明する。
【0024】本実施形態では、図2に示されるような車
両の駆動システムにおいて、所定の停止条件が成立した
ときにエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始
動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始
動させるようにしている。エンジンが停止するとオイル
ポンプも停止して自動変速機の前進クラッチ(所定のク
ラッチ)の係合状態が解かれるため、エンジン再始動の
際に該前進クラッチをできるだけ速く係合させる必要が
ある。それは、前述したようにエンジンがニュートラル
の状態で吹き上がるのを防止するためであり、また、車
両の発進体勢を早く整えるためである。むろん、発進ク
ラッチを持つ無段変速機にも同様なことがいえる。
【0025】図2において、1は車両に搭載されるエン
ジン、2は自動変速機である。このエンジン1には該エ
ンジン1を再始動させるためのモータ及び発電機として
機能するモータジェネレータ3が、該エンジン1のクラ
ンク軸1aに、電磁クラッチ26、プーリ22、ベルト
8、プーリ23及び減速機構Rを介して連結されてい
る。
【0026】減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア3
3、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ3
1、クラッチ32を介してモータジェネレータ3及びプ
ーリ23の間に組込まれている。なお、クラッチ32は
ワンウェイクラッチに置き換えることができる。
【0027】自動変速機用2のオイルポンプ19は、従
来通りエンジン1のクランク軸1aに直結されている。
なお、想像線Pで囲まれた構成のように、オイルポンプ
19′を電磁クラッチ27を介してモニタジェネレータ
3と連結して設け、独自の入口配管24、出口配管25
によりオイルを自動変速機に供給するような構成として
もよい。自動変速機2内には前進走行時に係合される公
知の前進クラッチC1が設けられている。
【0028】図の符号11、16は補機類で、例えばそ
れぞれパワーステアリング用のポンプ、エアコン用のコ
ンプレッサー等に相当しており、エンジン1のクランク
軸1a及びモータジェネレータ3とはプーリ9、14と
ベルト8によって連結されている。
【0029】図2には図示していないが、補機類として
は前記のほかに、エンジンオイルポンプ、エンジンウォ
ータポンプ等も連結されている。符号4はモータジェネ
レータ3に電気的に接続されるインバータである。この
インバータ4はスイッチングにより電力源であるバッテ
リ5からモータジェネレータ3への電気エネルギの供給
を可変にしてモータジェネレータ3の回転速度を可変に
する。また、モータジェネレータ3からバッテリ5への
電気エネルギの充電を行うように切り換える。
【0030】符号7は電磁クラッチ26、27の断続の
制御、及びインバータ4のスイッチング制御を行うため
のコントローラである。コントローラ7へは入力信号と
してエンジン回転速度センサ49からのエンジン回転速
度信号(=オイルポンプの回転速度信号)、自動停止走
行モード(エコランモード)のスイッチ40の信号、エ
アコン作動のスイッチ42の信号、シフトレバー44の
シフトポジションを検出するセンサ45からの信号、油
温を推定検出するためのセンサの機能を兼ねたエンジン
冷却水温センサ47、ブレーキがかかっているか否かを
検出するブレーキ検出センサ43からの信号等が入力さ
れる。図中の矢印線は各信号線を示している。
【0031】次に、上記自動変速機2における自動変速
システムの具体的な一例を説明する。
【0032】図3は、自動変速機2のスケルトン図であ
る。
【0033】この自動変速機2は、トルクコンバータ1
11、副変速部112及び主変速部113を備える。
【0034】前記トルクコンバータ111は、ロックア
ップクラッチ124を備える。このロックアップクラッ
チ124は、ポンプインペラ126に一体化させてある
フロントカバー127とタービンランナ128を一体に
取付けた部材(ハブ)129との間に設けられている。
【0035】エンジン1のクランク軸1aは、フロント
カバー127に連結されている。タービンランナ128
に連結された入力軸130は、副変速部112を構成す
るオーバードライブ用遊星歯車機構131のキャリヤ1
32に連結されている。
【0036】この遊星歯車機構131におけるキャリヤ
132とサンギヤ133との間には、クラッチC0 と一
方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0 はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相
対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場
合に係合するようになっている。
【0037】一方、サンギヤ133の回転を選択的に止
めるブレーキB0 が設けられている。又、この副変速部
112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速部
113の入力要素である中間軸135に接続されてい
る。
【0038】副変速部112は、クラッチC0 もしくは
一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構1
31の全体が一体となって回転するため、中間軸135
が入力軸130と同速度で回転する。又ブレーキB0 を
係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リ
ングギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回
転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2段の切
換えを設定することができる。
【0039】前記主変速部113は三組の遊星歯車機構
140、150、160を備えており、これらの歯車機
構140、150、160が以下のように連結されてい
る。
【0040】即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキ
ャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に第
2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星歯
車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0041】この主変速部113の歯車列では後進1段
と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッ
チ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0042】即ち、第2遊星歯車機構150のリングギ
ヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161
と中間軸135との間に前進クラッチC1 が設けられ、
又第1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊
星歯車機構150のサンギヤ151と中間軸135との
間にクラッチC2 が設けられている。
【0043】第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車
機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブ
レーキB1 が配置されている。又、これらのサンギヤ1
41、151とケーシング171との間には、一方向ク
ラッチF1 とブレーキB2 とが直列に配列されている。
一方向クラッチF1 はサンギヤ141、151が逆回転
(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)しよう
とする際に係合するようになっている。
【0044】第1遊星歯車機構140のキャリヤ142
とケーシング171との間にはブレーキB3 が設けられ
ている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ16
3の回転をとめる要素としてブレーキB4 と、一方向ク
ラッチF2 とがケーシング171との間に並列に配置さ
れている。なお、この一方向クラッチF2 はリングギヤ
163が逆回転しようとする際に係合するようになって
いる。
【0045】上記の自動変速機2では、結局後進1段と
前進5段の変速を行うことができる。この5つの変速段
を設定するための各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装
置)の係合作動表を図4に示す。図4において、○印は
係合状態、◎印はエンジンブレーキを確保すべきときに
のみ係合状態、△印は係合するが動力伝達に関係なし、
空欄は解放状態をそれぞれ示している。
【0046】自動変速機のシフトポジションが「D」の
状態であるときには、通常、自動的に「1st」からス
タートするように制御されている。
【0047】近年になり様々な自動変速機の制御方法が
提案・実用化されており、図8に示すようなゲート式の
自動変速機では、「D」ポジションの右側にある「M」
(マニュアル)のゲートにシフトレバー44を移動させ
ることにより、図9に示すステアリング180に設置さ
れたボタン200、202を押すことにより、手元操作
でシフトアップ及びシフトダウンのシフトチェンジの操
作が可能でとなり、ドライバのマニュアル操作で例えば
2nd、3rd発進ができる。又、特にこのゲート式だ
けに限定されるわけではないが、シフトレバー44を固
定の2nd、3rdに操作することにより、発進時にマ
ニュアル操作で2nd、3rdといった固定ポジション
での発進も可能である。
【0048】つまり、ドライバのマニュアル操作によっ
て必ずしも「D」ポジションの1stから発進するとは
限らない場合がある。
【0049】図4に示すように、エンジン始動中に
「N」ポジションから「D」ポジションの1stに移行
するときは、クラッチC1のみに対しオイルを供給すれ
ばよいが、エンジン1が停止した状態から再始動によっ
て「D」ポジションの1stから発進する場合には、ク
ラッチC1に加えクラッチC0も同時に係合させなけれ
ばならない。又、発進時にマニュアルモードで固定ポジ
ションの2nd、3rd・・・を選択すると、クラッチ
やブレーキの係合する種類と数が異なる(後に詳述)。
【0050】そのため、本実施形態では、クラッチやブ
レーキの係合する種類と数に応じて急速増圧制御を行う
際のオイルの供給量を制御するようにする。
【0051】なお、同様な趣旨により、もし、採用して
いる変速機が無段変速機の場合は、該無段変速機を最低
変速比側からスタートさせないときがあることを考慮
し、再始動と同時に達成する「変速比」に応じて油圧シ
ーブに供給すべきオイルの量が異なることに着目し、急
速増圧制御を行う際のオイルの供給態様を制御するよう
にする。
【0052】図3に戻り、各クラッチ及びブレーキ(摩
擦係合装置)の係合あるいは解放には、油圧制御装置7
5内のソレノイドバルブS1、S2、S3、S4、SL
N、SLT、SLUが、A/Tコントローラ80からの
指令に基づいて駆動制御されることによって実行され
る。
【0053】ここで、S1、S2、S3はシフト用ソレ
ノイドバルブ、S4はエンジンブレーキ作動用ソレノイ
ドバルブ、SLNはアキュムレータ背圧制御用のソレノ
イドバルブ、SLTはライン圧制御用のソレノイドバル
ブ、SLUはロックアップ用ソレノイドバルブを示す。
【0054】A/Tコントロールコンピュータ80は、
前述したコントローラ7とリンクしており、各種センサ
群90からの信号が入力されソレノイドバルブ等を制御
し、各クラッチ及びブレーキ(摩擦係合装置)の係合あ
るいは解放が行えるようにしている。
【0055】次に、上記自動変速機2において前進クラ
ッチC1を係合させる構成について図5を用いて説明す
る。
【0056】図5は自動変速機の油圧制御装置75にお
いて前進クラッチC1を係合させる構成の要部を示す油
圧回路図である。
【0057】プライマリレギュレータバルブ50は、ラ
イン圧コントロールソレノイド52によって制御され、
オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧P
Lに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ
54に導かれる。マニュアルバルブ54は、シフトレバ
ー44と機械的に接続され、ここでは、前進ポジショ
ン、例えば、Dポジション、あるいはマニュアルポジシ
ョンの1st、2nd等が選択されたときにライン圧P
Lを前進クラッチC1側に連通させる。
【0058】マニュアルバルブ54と前進クラッチC1
との間には大オリフィス56と切換弁58が介在されて
いる。切換弁58はソレノイド60によって制御され、
大オリフィス56を通過してきたオイルを選択的に前進
クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0059】切換弁58をバイパスするようにしてチェ
ックボール62と小オリフィス64が並列に組み込まれ
ており、切換弁58がソレノイド60によって遮断され
たときには大オリフィス56を通過してきたオイルは更
に小オリフィス64を介して前進クラッチC1に到達す
るようになっている。なお、チェックボール62は前進
クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円
滑に行われるように機能する。
【0060】切換弁58と前進クラッチC1との間の油
路66には、オリフィス68を介してアキュムレータ7
0が配置されている。このアキュムレータ70はピスト
ン72及びスプリング74を備え、前進クラッチC1に
オイルが供給されるときに、スプリング74によって決
定される所定の油圧にしばらく維持されるように機能
し、前進クラッチC1の係合終了付近で発生するショッ
クを低減する。
【0061】次にこの実施形態の作用を説明する。
【0062】エンジン始動時には電磁クラッチ26が接
続状態とされ、モータジェネレータ3を駆動してエンジ
ンを始動する。このときブレーキ31をオンにし、クラ
ッチ32をオフにすることでモータジェネレータ3の回
転は減速機構Rのサンギア33側からキャリア34側に
減速して伝達される。これにより、モータジェネレータ
3とインバータ4の容量を小さくしてもエンジン1をク
ランキングするのに必要な駆動力を確保できる。エンジ
ン1の始動後は、モータジェネレータ3は発電機として
機能し、例えば車両の制動時においてバッテリ5に電気
エネルギを蓄える。エンジン始動時にはモータジェネレ
ータ3の回転速度をコントローラ7が検出し、インバー
タ4に対し、モータジェネレータ3の回転がエンジン1
を始動するのに必要なトルクと回転速度となるようにス
イッチング信号を出力する。例えばエンジン始動時にエ
アコンスイッチ42の信号がオンとなっていれば、エア
コンオフ時に比べてより大きなトルクが必要であるか
ら、コントローラ7は大きなトルク及び回転速度でモー
タジェネレータ3が回転できるようにスイッチング信号
を出力する。
【0063】エコランモード信号がオンとなった状態で
車両が停止し、且つ所定のエンジン停止条件が成立する
と、コントローラ7はエンジン1に燃料の供給をカット
する信号を出力し、エンジン1を停止させる。なお、燃
料の供給カットの出力信号線は図2では省略されてい
る。エコランモード信号は、車室内に設けられたエコラ
ンスイッチ42を運転者が押すことによってコントロー
ラ7に入力される。
【0064】なお、本実施形態では、エンジン1の停止
条件を「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオ
ン」、「シフトポジションが非駆動ポジションである」
とし、且つ、「これらの条件が連続して所定時間Tstop
が経過」としている。この所定時間Tstopはタイマによ
りカウントされるようになっており、コントローラ7及
びA/Tコントローラ80に入力され処理される。
【0065】なお、この所定時間Tstopはエンジンの自
動停止を開始するまでの時間に相当し、状況に応じて変
更・設定可能である。この所定時間Tstopを零に設定
し、所定の停止条件が整い次第すぐにエンジンの自動停
止を行ってもよく、また、無限大に設定してエンジンの
自動停止を実質的に禁止するようにもできる。
【0066】エンジン1が自動停止した後には、コント
ローラ7は電磁クラッチ26に切断の制御信号を出力し
ており、プーリ22とエンジン1とは動力非伝達状態に
ある。一方、エンジン1が停止中でもエアコンやパワー
ステアリングは作動させておきたいため、パワーステア
リング用ポンプ、エアコン用コンプレッサの負荷等が考
慮されたトルクでモータジェネレータ3が回転するよう
に、コントローラ7はインバータ4に対して相応のスイ
ッチング信号を出力する。
【0067】なお、このときブレーキ31をオフにし、
クラッチ32をオンとし、電磁クラッチ26をオフとし
ておく。このような状態とすることにより、モータジェ
ネレータ3とプーリ23は直結状態となり、補機類1
1、16等を駆動するのに必要な回転速度を確保するこ
とができる。また、エンジンが運転されている際に、モ
ータジェネレータ3を発電機として使用したり、補機類
11、16等を駆動したりするには、ブレーキ31をオ
フにし、クラッチ32をオンにし、電磁クラッチ26は
オン状態としておく。このようにすることにより、モー
タジェネレータ3とプーリ23とが直結状態となり、エ
ンジンの回転速度が高くなってもモータジェネレータ3
や補機類1、16等が許容回転速度を超えるのを防止す
ることができる。なお、クラッチ32をワンウェイクラ
ッチに置き換えても実質的に上記と同様な作用が得られ
る。
【0068】次に、エンジン1が自動停止された状態か
ら再始動される際に、前進クラッチC1を適切な急速増
圧制御によって速やかに、かつ小さな係合ショックで係
合させる作用について説明する。
【0069】所定の再始動条件が成立したときに、エン
ジンは再始動をする(エンジンの自動復帰)。
【0070】所定の再始動条件は、その一例として、停
止条件である「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレ
ーキオン」、「シフトポジションが非駆動ポジションで
ある」のうちいずれかが未成立のとき、が採用し得る。
これ以外に、エンジンが自動復帰される場合として、バ
ッテリの充電量SOCが不足してきたときがある。
【0071】図5において、エンジンが再始動すると、
オイルポンプ19が回転を開始し、プライマリレギュレ
ータバルブ50側にオイルが供給される。プライマリレ
ギュレータバルブ50で調圧されたライン圧は、マニュ
アルバルブ54を介して最終的には前進クラッチC1に
供給される。
【0072】本実施形態では、所定のクラッチにオイル
を供給する際に、なるべく早くクラッチを係合させるた
め、オイルの供給初期に一時的にオイルを急速増圧する
(急速増圧制御)。
【0073】コントローラ7から急速増圧制御の指令を
受けてソレノイド60が切換弁58を開に制御している
ときは、マニュアルバルブ54を通過したライン圧PL
は、大オリフィス56を通過した後、そのまま前進クラ
ッチC1に供給される。なお、この急速増圧制御が実行
されている段階では、スプリング74のばね定数の設定
によりアキュムレータ70は機能しない。
【0074】やがて、コントローラ7より急速増圧制御
の終了指令を受けてソレノイド60が切換弁58を遮断
制御すると、大オリフィス56を通過したライン圧PL
は小オリフィス64を介して比較的ゆっくりと前進クラ
ッチC1に供給される(従来と略同等のルート)。ま
た、この段階では、前進クラッチC1に供給される油圧
はかなり高まっているため、アキュムレータ70につな
がっている油路66の油圧がスプリング74に抗してピ
ストン72を図の上方に移動させる。その結果、このピ
ストン72が移動している間、前進クラッチC1に供給
される油圧の上昇が一時中止され、前進クラッチC1は
非常に円滑に係合を完了できる。
【0075】図6に前進クラッチC1の油圧の供給特性
を示す。
【0076】図6において、細線は急速増圧制御を実行
しなかった場合、太線は実行した場合をそれぞれ示して
いる。また、Tfastと付された部分が急速増圧制御を実
行している期間(所定期間)を示している。この期間T
fastは、定性的には前進クラッチC1の図示せぬピスト
ンが、いわゆるクラッチパックを詰める期間に対応し、
また、エンジン回転速度が所定のアイドル回転速度に至
る若干前までの期間に対応する。なお、この期間Tfast
はタイマによって制御される。また、Tc、Tc′は前
進クラッチC1のクラッチパックが詰められる期間、T
ac、Tac′はアキュムレータ70が機能している期間に
相当している。
【0077】もし急速増圧制御が実行されない場合に
は、切換弁58をバイパスした従来と略同等のルートで
オイルが供給されるため、前進クラッチC1のピストン
のクラッチパックが詰められるまでの間にかなりの時間
Tc′が経過し、図の細線のような経過を辿って時刻t
2頃で係合を完了する。つまり、Tc<Tc′となり、
急速増圧制御を実施しない場合にはクラッチを詰めるま
で急速増圧制御を実施したときより時間が長くかかって
しまうことが分かる。このため、発進時のもたつきの原
因にもなってしまう。
【0078】なお、図6の表示から明らかなように、急
速増圧制御の開始タイミングTsは、エンジン回転速度
(=オイルポンプ19の回転速度)NEが所定値NE1
となったときに設定されている。このように、急速増圧
制御をエンジンの再始動指令Tcom と同時に開始させな
いようにしたのは、エンジン1が回転速度零の状態から
若干立ち上がった状態(NE1程度の値にまで立ち上が
った状態)になるまでの時間T1が、走行環境によって
大きくばらつく可能性があるためである。
【0079】もし、急速増圧制御をエンジンの再始動指
令Tcom と同時に開始させた場合、このばらつきの影響
を受けて、前進クラッチC1は、ときに該急速増圧制御
が実行されている間に係合を完了してしまい、大きな係
合ショックが発生する虞がある。そこで、ばらつきの大
きなエンジンの再始動直後を避け、エンジンが若干上昇
し始めた時点Tsを急速増圧制御の開始タイミングとす
ることにより、走行環境の違いにかかわらず、ばらつき
の小さな(安定した)オイルの供給制御を実現すること
ができる。
【0080】ここで、急速増圧制御の実行態様について
説明する。
【0081】このような自動停止システムを採用した車
両の場合、車両が停止して再発進する際に、ただ単に急
速増圧制御を一義的に実行すると、次のような問題が発
生する。
【0082】図4にて説明したように、エンジンの再始
動時には、自動変速機のシフトポジションが「D」ポジ
ションの1stからスタートするときと、そうでないと
きとでは、係合されるクラッチの数も変わってきてしま
い、必要とするオイルの流量がそれぞれ異なるという問
題である。
【0083】このオイルの流量が異なってしまうと、急
速増圧の効果が充分に得られなかったり変速ショックが
発生してしまったりする原因となる。
【0084】本実施形態では、この不具合を解消させる
ため、急速増圧制御の実行態様をエンジンの再始動時に
達成される変速段に応じて急速増圧制御の実行態様を変
更する。
【0085】具体的には、この実施形態では急速増圧制
御の実行時間Tfastと急速増圧制御の供給油圧の制御目
標値PL1を変更する。
【0086】例えば、シフトポジションを2nd固定に
て発進する場合には図4にて説明したように、C1(及
びC0)のほかB3も係合する。そのため、「D」ポジ
ションの1stから発進するときよりもオイルの流量を
更に必要としている。
【0087】そのため、シフトポジションを2nd固定
にて発進するときには、それに応じたオイルの流量を確
保するために、1st発進のときより急速増圧制御の実
行時間Tfastを長めに設定するようにする。
【0088】又、同様にシフトポジションを3rd固定
にて発進する場合には、B3の係合は不要となるものの
更にB2、C0、(及びB1)も係合しなければならな
いため急速増圧制御に必要とするオイルの流量も更に増
えることとなる。そのため、2nd固定ポジションにて
発進するときより更に急速増圧制御の実行時間Tfastを
長めに設定するようにする。
【0089】これ以外の変速段(4th、スポーツモー
ドなど)にて発進のときも同様に、係合すべきクラッチ
の数に応じて適した急速増圧制御の実行時間Tfastを設
定するようにする。
【0090】ところで、先程( )で示したように、エ
ンジンブレーキを確保するために係合される摩擦係合装
置(B1、B4、C0等)が再始動時に前記(変速段を
達成するための)所定のクラッチと同時に係合される場
合も、クラッチへの供給油量が変わってきてしまうた
め、このような場合には、更にオイルの供給量が必要と
なる。その場合も前述と同様に係合すべきクラッチの数
に応じて適したオイルの流量を確保できるよう、急速増
圧制御の実行時間Tfastを設定するようにする。
【0091】なお、上記実施形態においては、切換弁5
8を用いて前進クラッチC1への油路の連通度を調整す
ることにより急速増圧制御を実行するようにしていた
が、前進クラッチC1にオイルを急速に供給する方法
は、この方法には限定されない。
【0092】例えば、上記実施形態においては、プライ
マリレギュレータバルブ50によって調圧されるライン
圧PLをライン圧コントロールソレノイド52によって
制御するようにしていたが、このライン圧コントロール
ソレノイド52によって調圧されるライン圧PLの調圧
値(制御目標圧PL1)を通常よりも高めに設定しても
よいものである。この場合、ライン圧の調圧値と該調圧
値を高めに維持している時間の掛合せで急速増圧制御の
実行態様が決定されることになる。また、供給油圧の制
御目標値PL1を変更する場合において、例えば、2n
d発進の場合に、1st発進時の制御目標値PL1のX
割り増しとか、同様に、3rd発進の場合にはZ割増し
のようにあらかじめ制御目標値PL1の増加の割合を設
定しておいてもよい。なお、「X」、「Z」は共に定数
である。
【0093】又、上記実施形態においては、切換弁58
によってオン−オフ的に前進クラッチC1へのオイルの
供給度合を切換えるようにしていたが、該切換弁58を
例えばデューティソレノイドによってデューティ制御す
るようにすれば、該切換弁58による供給度合(急速増
圧制御の制御目標値)をよりきめ細かに設定できるよう
になる。即ち、この切換弁58によっても急速増圧制御
の実行時間Tfastとの掛合せによる制御を実現すること
ができる。
【0094】次に、急速増圧制御の実行時間Tfastを設
定する他の方法を参考までに説明する。
【0095】前述したように、急速増圧制御の実行時間
Tfastの設定は変速段に応じて変更するが、エンジン停
止時のオイルの抜け量に応じて変更・設定してもよい。
【0096】オイルの抜け量は例えば圧力センサを油路
66中に設けてこれを直接検出するようにしてもよいの
は当然であるが、より簡便的にはオイルポンプ19の回
転速度から間接的に検出する方法が採用できる。この実
施形態ではオイルポンプ19はエンジン1のクランク軸
1aと直結されているため、エンジン回転速度NEを検
出することでオイルポンプ19の回転速度を知ることが
できる。
【0097】図7に前進クラッチC1の油圧のドレン特
性とエンジン回転速度(=オイルポンプの回転速度)N
Eとの関係を示す。時刻t11でエンジンの停止指令が出
されると若干の遅れT12をもって時刻t12からエンジン
回転速度NEは徐々に低下する特性となる。
【0098】一方、前進クラッチC1の方のドレン特性
は、エンジン1の停止指令が時刻t11で出された後(た
とえオイルポンプ19の回転速度がエンジン回転速度N
Eと同様に低下したとしても)油圧はより長めの期間T
13だけそのまま維持され、時刻t14から急激に低下する
特性となる。
【0099】この特性は、油温が同一であれば、車両毎
に比較的高い再現性を有するため、エンジン停止指令が
出されてからの経過時間が分かれば、現在どの程度油路
66からオイルが抜けた状態であるかが推定できる。従
って、エンジン停止指令が出されてから再始動指令が出
されるまでの時間Tstopに基づいて図7に示したような
特性を考慮して急速増圧制御の実行時間(所定時間)T
fastを変更・設定すれば、たとえエンジン1が自動停止
した直後に再始動されるような状況が発生したとして
も、係合ショックを最小限に抑えることができるように
なる。
【0100】なお、図7の特性から明らかなように、エ
ンジン回転速度NE(=オイルポンプの回転速度)はエ
ンジン停止指令が出されると、その若干後の時刻t12か
ら比較的リニアに低下してきている。従って、オイルの
抜け量を、エンジン回転速度NEの値そのものによって
も間接的に推定することが可能である。
【0101】なお、オイルは温度により特性が変化(硬
化、軟化)する性質がある。そのため、長時間エンジン
が停止していた状態から始動した直後や、外気温が低か
った場合などでは、オイルは硬化している可能性があ
る。又逆に、夏場などの外気温が高い(高温にさらされ
ている)場合には、オイルはさらさらの状態であるので
軟化し過ぎていることがある。このようなどちらのも急
速増圧制御を実施した場合には正確に実施ができなくな
る。そのため、安定した急速増圧制御を実施するように
するために、前進クラッチC1の油路66中のオイルの
抜け量のほか、更に油温を検出し、クラッチの数による
変更に対し、このオイルの抜け量及び油温に応じて急速
増圧制御の(零を含む)実行時間Tfastを更にきめ細か
く変更・決定するようにしてもよい。
【0102】最後に、本実施形態の流れを図1の制御フ
ローを用いて説明する。
【0103】図1はエンジンの自動停止中に回る制御フ
ローである。
【0104】ステップ310でのルーチンがスタートさ
れると、ステップ320では、コントローラ7及びそれ
とリンクしているA/Tコントローラ80に、各種セン
サからの入力信号が処理される。ここでは、シフトポジ
ションがどのポジションにシフトされているかも入力さ
れる。
【0105】ステップ330では、各種信号の処理後、
再始動(自動停止復帰)条件が整ったか否かを判断す
る。再始動条件は前述した通りである。
【0106】ここで、再始動条件が整わなかった場合に
は、ステップ340でそのままエンジンの自動停止を継
続し、ステップ350でエンジン自動停止中のインジケ
ータをそのまま点灯したままにしておく。
【0107】ステップ330にて、エンジンの自動停止
復帰条件が成立した場合には、ステップ360から38
0にて、自動停止時の再始動が1st、2nd、3rd
のいずれの変速段で実行されるかが判定される。つま
り、発進時に第何速段で発進するかが判定される。1s
t発進の場合にはステップ410にて通常の急速増圧制
御を実施する。また、発進時の変速段が例えばマニュア
ルモード(図8、9参照)などで2nd、あるいは3r
dに設定されている場合には、それぞれ前述した2n
d、3rd用の急速増圧制御を実施するようにする。
【0108】なお、ソレノイドフェール(故障)やバル
ブスティックにより、1stを回避している場合にも2
nd発進をするように制御しているため、2nd用の急
速増圧が実行される。
【0109】ステップ390では、その他の変速段(4
thやスポーツモードなど)のときも同様に必要な流量
を考慮し、オイルを供給するようにする。
【0110】急速増圧制御の実施後は、エンジンは再始
動しているので、エンジンの自動停止実施中のインジケ
ートを消灯させる。
【0111】なお、本実施形態では、有段自動変速機の
例を示したが、自動クラッチを備えるマニュアル(M/
T)の変速機や無段変速機にも本発明は適用できる。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、エンジンの再始動時に
前記所定のクラッチを早期に係合させるために急速増圧
制御を実行することとし、その実行態様をエンジンの再
始動時に達成される変速段(クラッチの数)に応じて変
更するようにしたため、最適な急速増圧制御を実行する
ことができるようになり、係合ショックを発生すること
なくクラッチを速やかに係合させることができるように
なるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のエンジン再始動時の制御の
制御フローの例を示す流れ図
【図2】本発明が適用された車両のエンジン駆動装置の
システム構成図
【図3】自動変速システムの自動変速機の概略を示すブ
ロック図
【図4】前記自動変速機における各摩擦係合装置の係合
状態を示す線図
【図5】急速増圧制御を実行するための油圧制御装置の
要部を示す油圧回路図
【図6】前進クラッチのオイルの供給特性等を時間軸に
沿って示した線図
【図7】オイルの抜け量とエンジン回転速度との関係を
示した線図
【図8】シフトポジションのゲート配置図
【図9】ステアリング外観図及びシフト操作のボタンを
表した図
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 3…モータジェネレータ 4…インバータ 5…バッテリ 19…オイルポンプ 42…エコランスイッチ 44…シフトレバー 47…エンジン冷却水温センサ 49…エンジン回転速度センサ PL1…供給油圧の制御目標値 R…減速機構 Tfast…急速増圧の実行時間 Ts…急速増圧開始時刻 Tend …急速増圧終了時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // F16H 59:36 63:12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立した
    ときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であっ
    て、該再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させ
    る車両のエンジン再始動時の制御装置において、 エンジンの再始動時に前記所定のクラッチを係合させる
    ための油圧を供給する際に、該油圧の供給初期に一時的
    に油圧を急速に増圧する急速増圧制御を実行する手段を
    備え、 該急速増圧制御の実行態様をエンジンの再始動時に達成
    される変速段に応じて変更することを特徴とする車両の
    エンジン再始動時の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記急速増圧制御の実行態様を、該急速増圧制御の実行
    時間を変更することにより変更することを特徴とする車
    両のエンジン再始動時の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記急速増圧制御の実行態様を、該急速増圧制御の油圧
    の制御目標値を変更することにより変更することを特徴
    とする車両のエンジン再始動時の制御装置。
  4. 【請求項4】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止するとともに、所定の再始動条件が成立した
    ときに該自動停止したエンジンを再始動する車両であっ
    て、該再始動の際に変速機の所定のクラッチを係合させ
    る車両のエンジン再始動時の制御装置において、 エンジンの再始動時に前記所定のクラッチを係合させる
    ための油圧を供給する際に、該油圧の供給初期に一時的
    に油圧を急速に増圧する急速増圧制御を実行する手段
    と、 再始動時に達成される変速段においてエンジンブレーキ
    を確保するために係合される摩擦係合装置が再始動時に
    前記所定のクラッチと同時に係合されるか否かを判断す
    る手段と、を備え、 前記急速増圧制御の実行態様が、該判断により前記エン
    ジンブレーキを確保するために係合される摩擦係合装置
    が再始動時に係合されるか否かに基づいて、変更される
    ことを特徴とする車両のエンジン再始動時の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記急速増圧制御の実行態様を、該急速増圧制御の実行
    時間を変更することにより変更することを特徴とする車
    両のエンジン再始動時の制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記急速増圧制御の実行態様を、該急速増圧制御の油圧
    の制御目標値を変更することにより変更することを特徴
    とする車両のエンジン再始動時の制御装置。
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