JPH11349644A - ポリオルガノシロキサン共重合体組成物 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン共重合体組成物

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JPH11349644A
JPH11349644A JP16185698A JP16185698A JPH11349644A JP H11349644 A JPH11349644 A JP H11349644A JP 16185698 A JP16185698 A JP 16185698A JP 16185698 A JP16185698 A JP 16185698A JP H11349644 A JPH11349644 A JP H11349644A
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JP
Japan
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polyorganosiloxane
copolymer composition
radically polymerizable
meth
group
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Pending
Application number
JP16185698A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Yoshida
一浩 吉田
Kyoichi Ayama
亨一 阿山
Nobumasa Otake
伸昌 大竹
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非粘着性、硬度、耐擦傷性の向上したポリオ
ルガノシラン配合有機樹脂の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)のオルガノトリクロロ
シランと少なくとも一種のラジカル重合性不飽和基を含
有するクロロシランをアルコール水溶液中で加水分解縮
合して得られたポリオルガノシランとラジカル重合性化
合物とを共重合してなる組成物。 R−Si(Cl) (1) (ここでRは炭素数1〜30の飽和炭化水素等) 【効果】 組成により溶媒可溶及びエマルジョン化可能
で、塗料、フィルムの他、成形品の製造も可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオルガノシロキサン
共重合体組成物に関する。更に詳しくは、機械的物性、
耐熱性に優れるフィルム材料や、耐擦傷性、低汚染性、
非粘着性、耐候性に優れたコーティング材料として有用
な該組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシルセスキオキサンを主たる構成単
位とするポリオルガノシロキサンは機械的特性、耐熱
性、電気絶縁性が高く、電子部品や半導体の保護膜、層
間絶縁材料、感光性材料、塗料材料として広く利用され
ている。この様なポリオルガノシロキサンとしては、オ
ルガノクロロシランまたはオルガノアルコキシシランの
1種または2種以上を加水分解縮合する方法が一般的で
あるが、オルガノアルコキシシランからのポリオルガノ
シロキサンは、分子量が高く、シラノール濃度が高い等
の理由で、一般的な有機樹脂との相溶性が悪く、その混
合は一般的に困難であり、両者は相互に均一に分散しな
い結果、期待通りの性能が得られないことが多い。また
ポリオルガノシロキサンはオルガノクロロシランを原料
とした方が経済的に製造できる。また、オルガノクロロ
シランからポリオルガノシロキサンを製造する例として
は数多くの報告(特開平4−108858号、同4−1
10350号、同9−87521号、同7−22412
7号、同6−256661号、同6−116390号)
がなされているが、そのほとんどが高分子量体の合成方
法であり、かつ合成技術は特殊あるいは高度であって、
その工業化には困難を伴う。一方でポリオルガノシロキ
サンを有機樹脂に配合したものは、有機樹脂の機械的物
性の向上、あるいは非粘着性や硬度、耐擦傷性が向上す
ることが知られている(注.特開平4−108858
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリシルセスキオキサ
ンを主たる構成単位とするポリオルガノシロキサンは、
樹脂改質剤として、また塗料用原料として用いる場合に
は扱い易さ、混合の容易さの点から粘度が低く、またシ
ラノール濃度が低く分散し易さなどから低分子量タイプ
のものが求められている。ポリオルガノシロキサンに特
定の官能基を持たせて、該有機樹脂の原料モノマーある
いはプレポリマーとポリオルガノシロキサンを共重合さ
せて、所望のポリオルガノシロキサン配合有機樹脂を合
成することが提案されているが、この場合にも原料モノ
マーとの相溶性の観点から、分子量が低くシラノール濃
度が低いポリオルガノシロキサンが求められる。本発明
はクロロシラン、特にオルガノクロロシランの1種また
は複数の加水分解物であって、オルガノクロロシラン
を、水を添加したアルコール溶媒中に滴下して加水分解
縮合することを特徴とした方法で製造されたポリオルガ
ノシロキサンとラジカル重合性化合物との共重合体が、
機械的物性が向上した、あるいは非粘着性や硬度、耐擦
傷性が向上した有機樹脂組成物であり、有機樹脂の特性
を向上させるのに効果があることを見出し本発明に到達
したものである。以上の記述から明らかなように本発明
の目的は所要の物性を有するポリオルガノシランと有機
樹脂の共重合体組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)な
いし(6)の構成を有する。
【0005】(1)下記一般式(1)または、(1)と
(2)の混合物、または(1)と(3)の混合物、また
は(1)と(2)と(3)の混合物であって、少なくと
も1種のラジカル重合性不飽和基を含有するオルガノク
ロロシランを、水を添加したアルコール溶媒であって、
該アルコール溶媒が直鎖状または分岐状の炭素数1〜4
のアルコールであり、オルガノクロロシランのSi−C
l基に対して0.5倍モルから30倍モルの水が予め添
加された該溶媒中に添加して加水分解縮合して得られる
ポリオルガノシロキサンとラジカル重合性化合物とを共
重合してなる共重合体組成物。 R−Si(Cl) (1) R−Si(Cl) (2) R−SiCl (3) [ここでR、R、Rは独立に炭素数1〜30の直
鎖状の飽和またはラジカル重合性不飽和炭化水素、炭素
数8〜14のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数1
〜30の分岐状または環状の飽和または不飽和炭化水
素、置換または非置換の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、の1種または複数から選択される。]
【0006】(2)オルガノクロロシランが飽和有機基
含有シランならびに、ラジカル重合性基を有するクロロ
シランである前記(1)に記載のオルガノシロキサン共
重合体組成物。
【0007】(3)ラジカル重合性不飽和基が炭素数8
〜14のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数3〜3
0の分岐状の不飽和炭化水素である前記(1)に記載の
オルガノシロキサン共重合体組成物。
【0008】(4)ラジカル重合性化合物が(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキ
シル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、エ
チレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチルビニルエ
ーテル、メチルビニルスルフィド、N−ビニルカルバゾ
ール、メチルビニルケトン、アクリルアミド、無水マレ
イン酸、酢酸ビニル、イソブテン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシランから選ばれた一以上の化合物である前記
(1)に記載のオルガノシロキサン共重合体組成物。
【0009】(5)前記(1)の共重合体組成物を含有
してなる塗膜。
【0010】(6)前記(1)の共重合体組成物を有効
成分とする溶剤溶液にアンモニア及び/またはアミン化
合物及び/またはケチミン化合物を添加し、塗布して得
られる塗膜の硬化法。
【0011】本発明の構成と効果につき以下に詳細に説
明する。本発明で使用するオルガノクロロシランは下記
一般式で表されるオルガノクロロシランであることを特
徴とし、 R−Si(Cl) (1) R−Si(Cl) (2) R−SiCl (3) [ここでR、R、Rは独立に炭素数1〜30の直
鎖状の飽和またはラジカル重合性不飽和炭化水素、炭素
数8〜14のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数1
〜30の分岐状または環状の飽和または不飽和炭化水
素、置換または非置換の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、の1種または複数から選択される。]
【0012】この様なオルガノクロロシランの具体例を
挙げると、先づオルガノトリクロロシランとして、メチ
ルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プ
ロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラ
ン、i−ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロ
ロシラン、ペンチルトリクロロシラン、ヘキシルトリク
ロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラン、n−オク
チルトリクロロシラン、i−オクチルトリクロロシラ
ン、ノニルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロ
シラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、3−クロロ
プロピルトリクロロシラン、(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、スチ
リルトリクロロシランの1種または2種以上との混合物
であり、上記のオルガノトリクロロシランに必要に応じ
て、オルガノジクロロシランあるいはオルガノモノクロ
ロシランを混合して使用してもよく、オルガノジクロロ
シランとしては、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジ
クロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチル
ビニルジクロロシラン、(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジクロロシラン等を例示でき、オルガノモノクロ
ロシランとしてはトリメチルクロロシラン、トリエチル
クロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリブチル
クロロシラン、トリビニルクロロシラン、(メタ)アク
リロキシプロピルジメチルクロロシラン、ビニルジメチ
ルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等が例示で
き、かつ、上記オルガノクロロシランから選択される1
種または複数のオルガノクロロシランのうち、少なくと
も1種はラジカル重合性不飽和基を結合していることを
特徴とする。
【0013】本発明に係るアルコールに予め添加される
水のモル比は、クロロシランのSi−Cl基に対してや
や少なくなっても、後工程である水洗において完全に加
水分解されるので特に限定されないが、少なくなりすぎ
て反応工程で充分に加水分解されないまま、水洗を行う
と、分子量分布にばらつきが発生し、品質の安定化が図
れない等の問題が生じるため、予め添加される水のSi
−Clに対する下限のモル比は1.2倍程度が好まし
い。該アルコ−ルの具体例としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
及びイソブタノールが挙げられる。
【0014】尚ここで、Si−Clを加水分解するため
に必要な理論量の水のモル比とは、 nRSi−(Cl)+(3/2)nHO→nRSi
(3/2)+3HCl で表され、Si−Clが全て加水分解縮合される場合に
必要な理論量の水/Si−Clのモル比は1.5/1で
ある。特に好ましい水の量の下限はSi−Clに対して
1.5倍モルである。また上限は特に制限は無いが、水
の量が多すぎると製造効率が低下すること、また特に分
子量の大きいアルコ−ルを溶媒とする時には水が完全に
溶解せず、層分離した溶媒となるため品質の安定化が図
れない等の問題が生じる。このため、添加する水量の上
限はSi−Clに対して30倍モル程度が好ましい。よ
り好ましくはSi−Clに対して20倍モルである。さ
らに言及すれば、トリクロロシランRSi(Cl)
Rの分子量が小さいほど、水の添加量を多くすると生成
物であるポリオルガノシロキサンの分子量が高くなり、
特にRがメチル基である場合には、ゲル化することも見
出された。従って、Rがメチルである場合の好適な水の
量はSi−Clに対して1.2〜3.0倍モルであっ
て、特に好適な水の量は1.5〜2.0倍モルである。
この様にして製造されるポリオルガノシロキサンは、分
子量が低く、分子量分布は比較的狭く、シラノール濃度
が低いため、粘度が低く、有機樹脂モノマーあるいはプ
レポリマーとの相溶性が高いことから、容易に均一に配
合することが可能で、得られる共重合組成物は機械的物
性の向上、非粘着性や硬度、耐擦傷性が向上するもので
ある。
【0015】次に、有機樹脂に対する上述のポリオルガ
ノシロキサンの配合方法は、該有機樹脂の原料となるモ
ノマーやプレポリマーとポリオルガノシロキサンとの共
重合によるものであり、以下に例示されるモノマーの1
種または複数と共重合することによって、樹脂組成物を
製造することができる。上述のモノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロ
ロメチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエ
ン、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルスルフィ
ド、N−ビニルカルバゾール、メチルビニルケトン、ア
クリルアミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル、イソブテ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、その他ラジカル重
合性不飽和結合を有する化合物を併用することもでき
る。
【0016】上述のポリオルガノシロキサンとモノマー
との共重合にはベンゾイルパーオキサイド(BPO)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
過硫酸カリのような、通常の重合触媒を使用することが
可能であり、重合方法としてはエマルジョン重合、溶液
重合等一般的な重合方法であれば適用可能である。この
様な場合のポリオルガノシロキサンとしては、該ポリオ
ルガノシロキサンにもラジカル重合性不飽和結合を有す
る官能基を含んでなることが必要であり、その際ポリオ
ルガノシロキサンは R−Si(Cl) (1) R−Si(Cl) (2) R−SiCl (3) [ここでR、R、Rは独立に炭素数1〜30の直
鎖状の飽和またはラジカル重合性不飽和炭化水素、炭素
数8〜14のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数1
〜30の分岐状または環状の飽和または不飽和炭化水
素、置換または非置換の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、の1種または複数から選択される。]で表され
るクロロシランから製造されたものであり、例えば(メ
タ)アクリルオキシプロピル基等のラジカル重合性基を
有するクロロシランの少なくとも1種を含むポリオルガ
ノシロキサンである。
【0017】この場合、ラジカル重合性基を有するクロ
ロシランのみから製造されたポリオルガノシロキサンで
も良いが、例えばアクリルモノマーと共重合する場合
に、ゲル化等を発生する恐れがある場合には、好ましく
はラジカル重合性基を有するクロロシランと飽和有機基
含有クロロシランをモル比で1:2〜1:150の割合
で混合使用したポリオルガノシロキサンがよい。より好
ましくは上記比率が1:3から1:100である。これ
らの比率はラジカル重合性基を有するクロロシランと飽
和有機基含有クロロシランを共加水分解してポリオルガ
ノシロキサンを得ようとした場合に、ラジカル重合性基
を有するクロロシランと飽和有機基含有クロロシランの
加水分解速度や、縮合速度に大きな差があると、均等に
共加水分解・縮合が行われず、分子中にラジカル重合性
基を高濃度に持つポリオルガノシロキサン分子が生成し
易く、結果としてアクリルモノマーとの共重合でゲル化
を引き起こすことがある。その様な例としてはラジカル
重合性基を有するクロロシランとメチルトリクロロシラ
ン、をポリオルガノシロキサンの原料として使用した場
合に顕著となる。すなわちラジカル重合性基を有するク
ロロシランと飽和有機基含有クロロシランの使用割合
は、飽和有機基含有クロロシランがメチルトリクロロシ
ランである場合には特に好ましくはそれらの使用割合は
1:30〜1:100であり、飽和有機基含有クロロシ
ランがメチルトリクロロシラン以外のものである場合に
はより好ましくは1:3〜1:50程度である。飽和有
機基含有クロロシランの濃度が低すぎると、アクリルモ
ノマーとの共重合に際して共重合に関与するポリオルガ
ノシロキサンの濃度が低くなりすぎ、結果としてブレン
ドと同様の組成物となる。
【0018】この様にして得られた有機樹脂組成物は塗
膜やフィルムにした場合にはポリオルガノシロキサンが
有するシラノール基やアルコキシ基を縮合させることで
より強靭化を図ることも可能であり、その様な場合のモ
デル式を以下に示すことができる。これは単なる1例で
あり、本発明はこのモデル式に拘束されるものではな
い。尚モデル式中nPr−SiClはn−プロピルト
リクロロシランを表し、横二連の方形はアクリルモノマ
ーと共重合後のポリオルガノシロキサン残基を表す。
【0019】モデル式
【化1】
【0020】以上の様に得られた有機樹脂組成物は工業
的に一般的な有機溶媒に溶解したり、水を含む溶媒によ
ってエマルジョン化することが可能であり、各種基材に
コーティングして塗膜やフィルムを得ることができる
し、熱可塑性樹脂をベースとする有機樹脂組成物では、
射出成形や押し出し成形、カレンダー成形等により成形
物を得ることも出来る。
【0021】塗膜やコーティングに関して本発明を詳述
すると、本発明によって得られる共重合体は一般的な有
機溶剤、すなわち従来塗料で用いられているキシレン、
トルエン、ヘプタン、イソプロピルアルコール、n−ブ
タノール、メチルエチルケトン、メチルセロソルブアセ
テート、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、その他に溶解してコーティング剤とし、必要に
応じてこれに顔料を添加することもできる。この様にし
て得られたコーティング剤を塗布して乾燥し、塗膜を得
ることができるものである。この様にして得られた塗膜
は低汚染性、非粘着性、耐候性、高耐熱性等の特性を有
し、建築物外壁塗料、建築物の壁や柱などの内装材用塗
料、キッチンやトイレタリー用塗料、自動車用塗料とし
て好ましい。
【0022】さらにまた、上述のコーティング剤にアン
モニアやアミン化合物あるいはケチミン化合物、あるい
はそれらを2種類以上混合した組成物を硬化触媒として
添加して塗布したり、あるいはアンモニアやアミン化合
物あるいはケチミン化合物、あるいはそれらを2種以上
混合した組成物のガス雰囲気下に上述のコーティング剤
から得られたコーティングまたは塗膜を置いたりして硬
化させることによって、より強固で各特性が向上したコ
ーティングや塗膜を得ることが可能である。この様なア
ンモニアやアミン化合物あるいはケチミン化合物として
はアンモニアガス、アンモニア水等のアンモニア類、ト
リエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、モ
ノメチルアミン、モノエチルアミン、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、等のアミン化合物、N−(1,3−ジ
メチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1
−プロパンアミン等のケチミン化合物が例示できる。硬
化条件は室温で良く、場合によっては加熱下に実施して
も良い。更に、耐熱性向上等を目的として、ケイ酸エス
テル類およびその加水分解物やシリカゾル、アルミナゾ
ルの如き金属酸化物を添加することもできる。この様に
して得られた塗膜は上述した塗料用途により好適に使用
できる。
【0023】
【実施例】合成例1 メタクリロキシプロピルトリクロロシランとn−プロピ
ルトリクロロシランを1:20のモル比で使用したポリ
オルガノシロキサンの合成 撹拌装置、温度計、滴下ロートを取り付けた500ml
フラスコに窒素雰囲気下、純水9.0g(0.50mo
l)、メタノール150gを仕込み−5℃に冷却した。
この溶液に撹拌しながら、予め十分混合したn−プロピ
ルトリクロロシラン56.2g(0.32mol)、メ
タクリロキシプロピルトリクロロシラン4.3g(0.
016mol)を滴下ロートより、溶液温度が−5〜5
℃で保たれるようにして20分間で滴下し反応を行っ
た。次いで0℃で3時間熟成後トルエン150g、純水
90gを投入して反応を完結させた。得られた反応液を
分液ロートに移し有機層を純粋150gで5回洗浄、濾
過後エバポレーターで溶媒や水を70℃で減圧留去しポ
リオルガノシロキサン32gを得た。得られたポリオル
ガノシロキサンのGPCチャートを図1に示した。
【0024】合成例2 メタクリロキシプロピルトリクロロシランとn−プロピ
ルトリクロロシランを1:15のモル比で使用したポリ
オルガノシロキサンの合成合成例1と同様の実験装置、
純水8.6g(0.48mol)、2−プロピルアルコ
ール150g、n−プロピルトリクロロシラン53.3
g(0.30mol)、メタクリロキシプロピルトリク
ロロシラン5.2g(0.02mol)を用いて合成例
1と同様にして反応を行いポリオルガノシロキサン39
g得た。得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャ
ートを図2に示した。
【0025】合成例3 メタクリロキシプロピルトリクロロシランとメチルトリ
クロロシランを1:30のモル比で使用したポリオルガ
ノシロキサン。合成例1と同様の装置、純水10.0g
(0.56mol)、2−プロピルアルコール150
g、メチルトリクロロシラン56.0g(0.37mo
l)、メタクリロキシプロピルトリクロロシラン3.4
g(0.013mol)を用いて合成例1と同様に反応
を行いポリオルガノシロキサン25.8g得た。得られ
たポリオルガノシロキサンのGPCチャートを図3に示
した。
【0026】実施例1 合成例1で得られたポリオルガノシロキサン8.0g、
メチルメタクリレート6.0g、ブチルアクリレート
2.0g、トルエン16.0g、重合開始剤としてAI
BN0.16gを50mlフラスコに仕込、65℃で8
時間重合し、共重合体を得た。得られた共重合体のGP
Cチャートを図4に示した。これによりポリオルガノシ
ロキサンを使用した共重合体は、ラジカル重合性不飽和
基を有する化合物と共重合した場合に、ゲル化せずに加
工性を有する共重合体を与えることが証明された。
【0027】実施例2 実施例1で得られた重合液5.0gに0.05gの3−
アミノプロピルトリメトキシシランを加えて、ステンレ
ス板に手早く塗布し、大気中、常温で24時間静置し
て、無色透明な塗膜を得た。得られた塗膜は、トルエン
やキシレンに不溶であり、硬化が進んだ強固な膜であっ
た。
【0028】実施例3 実施例1で得られたポリオルガノシロキサン9.0g、
メチルメタクリレート2.26g、ブチルアクリレート
0.76g、トルエン24.0g、重合開始剤としてA
IBN0.12gを50mlフラスコに仕込、65℃で
8時間重合させた。得られた共重合体のGPCチャート
を図5に示した。これによりポリオルガノシロキサンを
使用した共重合体は、ラジカル重合性不飽和基を有する
化合物と共重合した場合に、ゲル化せずに加工性を有す
る共重合体を与えることが証明された。
【0029】実施例4 実施例3で得られた重合液5.0gに0.05gのN−
(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシ
シリル)−1−プロパンアミンを加えて、30min攪
拌し、ステンレス板に塗布し、80℃で30min加熱
して、無色透明な塗膜を得た。得られた塗膜は、トルエ
ンやキシレンに不溶であり、硬化が進んだ強固な膜であ
った。
【0030】実施例5 合成例1で得られたポリオルガノシロキサン3.0gと
ブチルアクリレート6.0g、トルエン20.0g、A
IBN0.14gを50mlフラスコ中で65℃、8時
間重合し、共重合体を得た。共重合体のGPCチャート
を図6に示す。
【0031】比較例1 合成例3で得られたポリオルガノシロキサン8.0g、
メチルメタクリレート6.0g、ブチルアクリレート
2.0g、トルエン16.0g、重合開始剤としてAI
BNを0.16gを50mlフラスコに仕込、65℃で
8時間重合させたところ、ゲル化した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成例1で得られたポリオルガノシロ
キサンのGPCチャートである。
【図2】本発明の合成例2で得られたポリオルガノシロ
キサンのGPCチャートである。
【図3】本発明の合成例3で得られたポリオルガノシロ
キサンのGPCチャートである。
【図4】本発明の実施例1で得られた重合体のGPCチ
ャートである。
【図5】本発明の実施例3で得られた重合体のGPCチ
ャートである。
【図6】本発明の実施例5で得られた重合体のGPCチ
ャートである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)または、(1)と
    (2)の混合物、または(1)と(3)の混合物、また
    は(1)と(2)と(3)の混合物であって、少なくと
    も1種のラジカル重合性不飽和基を含有するオルガノク
    ロロシランを、水を添加したアルコール溶媒であって、
    該アルコール溶媒が直鎖状または分岐状の炭素数1〜4
    のアルコールであり、オルガノクロロシランのSi−C
    l基に対して0.5倍モルから30倍モルの水が予め添
    加された該溶媒中に添加して加水分解縮合して得られる
    ポリオルガノシロキサンとラジカル重合性化合物とを共
    重合してなる共重合体組成物。 R−Si(Cl) (1) R−Si(Cl) (2) R−SiCl (3) [ここでR、R、Rは独立に炭素数1〜30の直
    鎖状の飽和またはラジカル重合性不飽和炭化水素、炭素
    数8〜14のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数1
    〜30の分岐状または環状の飽和または不飽和炭化水
    素、置換または非置換の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
    化水素、の1種または複数から選択される。]
  2. 【請求項2】 オルガノクロロシランが飽和有機基含有
    シランならびに、ラジカル重合性基を有するクロロシラ
    ンである請求項1に記載のオルガノシロキサン共重合体
    組成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和基が炭素数8〜1
    4のラジカル重合性芳香族炭化水素、炭素数3〜30の
    分岐状の不飽和炭化水素である請求項1に記載のオルガ
    ノシロキサン共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合性化合物が(メタ)アクリ
    ル酸、(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシル
    (メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
    ト、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレ
    ン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、エチ
    レン、プロピレン、ブタジエン、イソブチルビニルエー
    テル、メチルビニルスルフィド、N−ビニルカルバゾー
    ル、メチルビニルケトン、アクリルアミド、無水マレイ
    ン酸、酢酸ビニル、イソブテン、塩化ビニル、塩化ビニ
    リデン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキ
    シシランから選ばれた一以上の化合物である請求項1に
    記載のオルガノシロキサン共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1の共重合体組成物を含有してな
    る塗膜。
  6. 【請求項6】 請求項1の共重合体組成物を有効成分と
    する溶剤溶液にアンモニア及び/またはアミン化合物及
    び/またはケチミン化合物を添加し、塗布して得られる
    塗膜の硬化法。
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