JP3389338B2 - 加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法及び硬化性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオルガノポリシロキサン
に関し、特に、室温硬化性樹脂用として適したオルガノ
ポリシロキサン及びその製造方法並びにそれを用いた硬
化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサンの工業的な製造
方法としては、オルガノハロシランを加水分解する方法
及びオルガノアルコキシシランを加水分解する方法が既
に知られている。前者のオルガノハロシランを原料とす
る方法は工程が単純であるという利点がある一方、ハロ
シランの加水分解縮合速度が速く、その制御が難しいた
め、同一のオルガノポリシロキサンを再現性良く得るこ
とができないという欠点があり、特に三官能性や四官能
性シランを多く使用して硬化性樹脂用のオルガノポリシ
ロキサンを得ることを目的とする場合には、ゲル化やミ
クロゲル発生の可能性が高いために、適当な方法といえ
るものではなかった。
【0003】これに対し、加水分解性基としてアルコキ
シ基を持つオルガノアルコキシシランを用いる方法の場
合には、ハロシランの場合よりも加水分解速度が遅いた
めに上記の欠点が改善されており、三官能性や四官能性
シランを多用する硬化性樹脂用のオルガノポリシロキサ
ンの製造が、初めてこの製造方法により工業的に可能と
なるに至った。
【0004】しかしながら、硬化性樹脂用途で要求され
る多様な要求性能を満たすためには、ゲル化やミクロゲ
ルの発生防止及び得られるオルガノポリシロキサンの性
能の高再現性に加えて、製品性能の設計可能範囲の広い
ことが重要であるが、同一のアルコキシ基を有する原料
を使用する従来法においては、この点について、まだ特
別な改良がなされていない。
【0005】ところで、硬化性樹脂用のオルガノポリシ
ロキサンの製品設計における基本的に重要な要素とし
て、官能基の種類と量及び平均分子量がある。これらの
要素は、硬化性樹脂を使用する時の作業性(硬化速度や
乾燥時間)及び硬化物の性能(硬度、屈曲性、強度、耐
薬品性等)を決定する重要な要素であり、従って、官能
基の種類と量及び平均分子量等の範囲を広く設計するこ
とができると共に、同一のオルガノポリシロキサンを再
現性良く製造することのできる方法が、製品設計上望ま
しいことは明らかである。
【0006】しかしながら、加水分解性官能基の量の制
御は、オルガノハロシランを原料とする場合、ハロゲン
原子が硬化させるための官能基として不適当である為、
その量を制御すること自体に意味がない。また、アルコ
キシシランを原料とする場合には、添加する加水分解水
量によって残存する官能基量を調整することは可能であ
るが、制御することのできる官能基量の範囲が狭く、得
られるオルガノポリシロキサンの平均分子量にも制約が
あるという欠点がある。
【0007】また、平均分子量の制御は、加水分解縮合
の反応時間を制御することによってのみ可能であり、加
水分解縮合触媒の量、シロキサン濃度、反応温度等の条
件は、加水分解縮合反応の速度を調整しているにすぎな
い。しかも、加水分解縮合反応の速度は様々な反応条件
により影響されるため、反応時間による平均分子量の制
御の精度は低く、また、ミクロゲルの発生やゲル化を避
けるために、制御できる範囲も制約される。特に、加水
分解縮合反応速度の速いオルガノハロシランを加水分解
する方法の場合は、許容される平均分子量の任意性の範
囲が狭い。
【0008】このような平均分子量の制御の困難性、ミ
クロゲルの発生及びゲル化の問題は、二官能オルガノシ
ランを用いてオルガノポリシロキサンを製造する場合に
は見られない。そこで添加水量を少量にして加水分解量
を減らし、残存する官能基量を増やすことによって二官
能オルガノシランにみたてる、加水分解縮合方法が開発
され、ミクロゲルの発生やゲル化防止に役立っている
が、実際に得られるものは低分子化合物を大量に含み、
分子量分布の広い低粘度液体であって、硬化性樹脂の用
途に適するものではなかった。
【0009】この様に、硬化性樹脂用のオルガノポリシ
ロキサンの製品設計における、基本的に重要な要素であ
る官能基の量と平均分子量の制御という点で、上記した
従来の二つの製造方法は満足できるものではなかった。
また、一般に、硬化性樹脂用のオルガノポリシロキサン
に求められる性能は多岐にわたり、それらの要求性能を
満たすため、従来においては、複数種のオルガノアルコ
キシシランを混合して共加水分解縮合するのが一般的で
あるが、用いるオルガノアルコキシシランの種類により
加水分解縮合速度が異なるために、得られるオルガノポ
リシロキサンは、原料の各成分を、原料中の組成通りに
含有することができず、設計した通りのオルガノポリシ
ロキサンを得ることができない。という欠点がある。
【0010】例えば、加水分解縮合速度の速いテトラメ
トキシシランやメチルトリメトキシシランが原料として
含まれる場合には、これらの加水分解縮合物が高分子量
成分に集中し、保存安定性やポットライフを悪化させる
ことになる。また、加水分解縮合速度の比較的遅いジメ
チルジアルコキシシランが原料として含まれる場合に
は、これらの加水分解縮合物がオイル成分を形成するの
で、高分子量成分に柔軟性を付与する効果が十分に得ら
れないばかりか、造膜性を悪化させる等の問題があっ
た。
【0011】この問題を解決する方法として、加水分解
性基であるアルコキシ基を選択することにより加水分解
速度を調整するという方法がある。これは、例えば、加
水分解縮合速度の速いテトラメトキシシランやメチルト
リメトキシシランではなく、加水分解縮合速度の遅いテ
トラブトキシシランやメチルトリプロポキシシランを原
料にするというものである。
【0012】しかしながら、このように、分子中に占め
る重量の大きいアルコキシ基を持つ原料を用いると、得
られるオルガノポリシロキサン中に含有されるシリコン
原子の量が低下する。このことは、特に、四官能性や三
官能性シランの場合にその不利益が大きい。更に、メト
キシ基以外のアルコキシ基を持つ原料は高価であるの
で、製造コストも上昇し、工業的製造方法としては適さ
ない。
【0013】同様に、加水分解縮合速度の比較的遅いジ
メチルジアルコキシシランの場合のアルコキシ基として
も、メトキシ基を使用することが一般的であって、より
加水分解縮合速度の速いシラン化合物は、アセトキシ
基、オキシム基、アミノ基、イソプロペノキシ基などを
持つ高価な原料を選択する必要があるので、工業的製法
としては適さない。
【0014】このように、共加水分解縮合反応における
問題を解決することのできる方法として、ポリ(アルコ
キシシロキサン)を製造するに当たり、該ポリ(アルコ
キシシロキサン)に残存させたいアルコキシ基及び該ア
ルコキシ基に比べて加水分解速度が早い他の官能基を有
するシランモノマーを用い、これら官能基の加水分解速
度の差を利用して前記他の官能基の加水分解、縮合を行
わせてポリ(アルコキシシロキサン)を製造する事を特
徴とするポリ(アルコキシシロキサン)の製造方法が提
案された(特開平05−214103号公報)。しかし
ながら、この発明で使用されるアセトキシ基やフェノキ
シ基は高価であり工業的製法としては適当でなく、ま
た、ハロゲンである場合には、加水分解の制御が困難で
あるために分子量の制御が難しい上、ミクロゲルが発生
したりゲル化し易い等の欠点があった。 一方、硬化性樹
脂組成物に利用されるオルガノポリシロキサンは、アル
コキシ基等の加水分解性基やシラノール基を硬化用の官
能基とするのが一般的である。そして、加水分解性基を
官能基とするものは、水分がなければ架橋しないために
保存安定性がよい上、大気中にさらされた場合に湿気を
吸収して硬化するので高温加熱等の処理が不要であり、
この点でシラノール基を官能基とするものよりも優れて
おり、室温硬化性樹脂として多くの用途で利用されてい
る。
【0015】室温硬化性樹脂用のオルガノポリシロキサ
ンにおいても、上記した様に、官能基の量と平均分子量
は製品性能を決定する重要な要素であるが、さらに官能
基の種類も重要である。即ち、官能基の種類により加水
分解縮合速度が異なるため、官能基の種類によってオル
ガノポリシロキサンの硬化性が大きく変化する。
【0016】硬化性が高すぎると、保管中の品質劣化を
防止するための管理が煩雑となるだけでなく、副資材と
の混合中や、塗装、コーティング作業中に増粘したりゲ
ル化が起こり、作業上の重大な問題となる。また、硬化
性が低すぎると被覆膜の乾燥性が低下したり、硬化に長
い時間を必要とするため工業的に不利となる。
【0017】官能基の種類が重要とされる理由として、
更に、硬化後も官能基が硬化物に残存するので、硬化物
の性能が前記官能基の種類によって影響されるというこ
とが挙げられる。この影響は残存する官能基の種類によ
り異なるが、アルキル基を含む官能基が残存すれば撥水
性や耐汚染性が付与され、窒素原子を含む官能基が残存
する場合には、基材との密着性や接着性が向上したり、
帯電防止性が付与される場合もある。
【0018】しかしながら、必要以上に官能基が硬化物
中に残存すると、硬化物の耐水性や耐候性に悪影響を与
えることになる。このことから、室温硬化性樹脂用のオ
ルガノポリシロキサンの製造においては、官能基の種類
をも任意に選択できる製造方法を採用することが望まし
い。この点で有利な製造方法は、シラノール基を持つオ
ルガノポリシロキサンを調製した後、目的の官能基を導
入できるように、アルコール、カルボン酸、オキシム及
びアルコキシ、カルボキシル、オキシム基などの加水分
解性基を二個以上持つオルガノシランを選択し、触媒の
存在下又は非存在下でシラノール基と反応させて加水分
解性基を導入するものである。
【0019】しかしながら、この方法ではシラノール同
士の縮合も進むため、反応中にゲル化やミクロゲルが発
生したり増粘するなどの可能性が高い。そこで、これら
の不都合を防止するために、アルコール、カルボン酸、
オキシム及びアルコキシ、カルボキシル、オキシム基な
どの加水分解性基を二個以上持つオルガノシランを大過
剰に添加する方法も可能ではあるが、後に、過剰に添加
したオルガノシランの除去が必要となってコスト的に不
利となる。
【0020】一方、過剰に添加したオルガノシランを除
去することができない場合には、硬化物の性能に悪影響
を及ぼすことにもなる。また、反応条件を穏やかにし
て、ゲル化やミクロゲルの発生及び増粘を防止した場合
には、未反応のシラノールが残存することになるので保
存安定性が悪くなる。
【0021】室温硬化性樹脂用のオルガノポリシロキサ
ンを製造する他の方法としては、オルガノアルコキシシ
ランを原料として使用する方法において、アルコキシ基
が官能基として十分残存する条件で加水分解縮合するも
のがあるが、この場合には、選択できる官能基の種類が
限定されるという欠点がある。上述した二つの室温硬化
性樹脂用オルガノポリシロキサンの製造方法は、先に指
摘した、官能基の量と平均分子量の制御に対する欠点も
有しており、これらの問題を解決するのに適当なオルガ
ノポリシロキサンの製造方法は、未だ提案されていない
のが現状である。
【0022】そこで、本発明者等は、上記の欠点を解決
すべく鋭意検討した結果、加水分解速度が互いに異な
、メトキシ基とそれ以外のアルコキシ基を1種以上
有するオルガノアルコキシシラン及び/又はオルガノア
ルコキシポリシロキサンを原料として用いて、シラノー
ル基を1.0〜8.0重量%含有するオルガノポリシロ
キサンを得、得られたオルガノポリシロキサンと加水分
解性基を2個以上持つオルガノシランを混合し、エステ
ル交換反応及び縮合反応させることにより作業性及び物
性に優れた硬化性樹脂組成物となることを見出し、本発
明に到達した。
【0023】従って本発明の目的は、作業性に優れると
共に、優れた物性の硬化性樹脂を与えることのできる、
硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0024】本発明の上記の目的は、シラノール基を
1.0〜8.0重量%含有するオルガノポリシロキサン
に加水分解性基を2個以上持つオルガノシランを混合
し、触媒の存在下又は非存在下で、前記オルガノポリシ
ロキサンが有する加水分解性基又はシラノール基とエス
テル交換及び縮合反応させることにより得られた、加水
分解性官能基が導入されたオルガノポリシロキサンを主
成分として含有する硬化性樹脂組成物であって、前記シ
ラノール基を1.0〜8.0重量%含有するオルガノポ
リシロキサンが、オルガノアルコキシシラン及び/又は
オルガノアルコキシシロキサンを原料とし、この50%
以上が平均組成式R 1 a Si(OCH 3 b c
(4-a-b-c)/2 で表されるオルガノアルコキシシラン及び
/又はオルガノアルコキシポリシロキサンであり、これ
を加水分解縮合反応させて調製したものであることを特
徴とする硬化性樹脂組成物によって達成された。
【0025】但し、上記平均組成式中、R1 は置換基を
有していてもよいアルキル基、アルケニル基又は、アリ
ール基であって、各R1 は同一であっても異なっていて
も良い。Yは炭素原子数2〜10のアルコキシ基であ
る。また、aは0〜2の実数、b及びcは0.1〜3で
あると共にa+b+c≦4を満たす実数である。
【0026】R1 としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ビニル、アクリロキシアルキル、メタアク
リロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フロロアルキ
ル、クロルアルキル、グリシドアルキル、アミノアルキ
ル、メルカプトアルキルの各基等が挙げられる。
【0027】Yは、メトキシ基よりも加水分解性の低い
炭素数2〜10のアルコキシ基であり、2級、3級のア
ルコールから誘導されるアルコキシ基であっても良い
Yの具体例としては、例えば、イソプロポキシ、ブトキ
シ、tert- ブトキシ、ペンタノキシ、ヘキサノキシの各
基等が挙げられる。原料として使用される前記平均組成
式で示されるオルガノアルコキシシラン及びオルガノア
ルコキシシロキサンの例としては、以下の化学式で示さ
れるものが挙げられる。
【0028】Si(OC3 7 )(OCH3 3 、Si
(OC3 7 2 (OCH3 2 、Si(OC4 9
(OCH3 3 、Si(OC4 9 2 (OC
3 2 、Si(OC3 7 )(OC2 5 3 、Si
(OC3 7 2 (OC2 5 2 、Si(OC
4 9 )(OC2 5 3 、Si(OC4 9 2 (O
2 5 2
【0029】(CH3 O)2 (C3 7 O)SiOSi
(OCH3 2 (OC3 7 )、(CH3 O)(C3
7 O)2 SiOSi(OCH3 )(OC3 7 2
(CH3 O)2 (C3 7 O)SiOSi(OCH3
(OC3 7 )OSi(OC4 9 )(OCH3 2
【0030】(CH3 )Si(OC3 7 )(OC
3 2 、(CH3 )Si(OC3 7 2 (OC
3 )、(CH3 )Si(OC4 9 )(OC
3 2 、(CH3 )Si(OC4 9 2 (OC
3 )、(CH3 )Si(OC3 7 )(OCH3 )O
(CH3 )Si(OC3 7 )(OCH3 )、(C
3 )Si(OCH3 )(OC3 7 )O(CH3 )S
i(OC3 7 )O(CH3 )Si(OCH3 2 (O
3 7 )、(CH3 )Si(OCH3 )(OC
4 9 )O(CH3 )Si(OCH3 )O(CH3 )S
i(OCH3 2 (OC4 9 )、(CH3 2 Si
(OCH3 )(OC3 7 )、(CH3 2 Si(OC
3 )(OC4 9 )、
【0031】(C6 5 )Si(OC3 7 )(OCH
3 2 、(C6 5 )Si(OC4 9 )(OCH3
2 、(C6 5 )Si(OC3 7 )(OCH3 )O
(C6 5 )Si(OC3 7)(OCH3 )、(C6
5 )Si(OC3 7 )(OCH3 )O(C6 5
Si(OCH3 )O(C6 5 )Si(OC3 7
(OCH3 )。
【0032】このような、一分子中に二種以上の加水分
解性基を持つオルガノアルコキシシラン及びオルガノア
ルコキシシロキサンは、一般に市販されているものを使
用しても良いが、これらは通常高価である上に、選択で
きる加水分解性基の種類や含有比率も限定される。従っ
て、市販品ほどの純度を必要としない場合には、容易に
入手することのできる、一種の加水分解性基を持つ、オ
ルガノアルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシ
シロキサンから、エステル交換反応を利用して調製する
方法が適当である。このエステル交換反応は、加水分解
縮合反応によってオルガノポリシロキサンを製造するこ
とのできる装置であれば、その前行程として容易に実施
できる方法であるから工業的にも有利である。
【0033】例えば、メチルトリメトキシシランやテト
ラメトキシシランの様な汎用の原料1モルに対して2モ
ルのブタノールを混合し、触媒として塩酸、硫酸、リン
酸、パラトルエンスルホン酸、トリフロロ酢酸などの
酸、NaOH、KOH、アミン、アンモニウムヒドロキ
シドなどの塩基、アルキルチタネート、有機錫などの有
機金属化合物の存在下に、0〜100℃の温度で反応さ
せることにより、メチルジメトキシブトキシシラン、メ
チルメトキシジブトキシシラン、トリメトキシブトキシ
シラン、及びジメトキシジブトキシシラン等を容易に調
製することができる。
【0034】また、数時間の反応後に、副生したメタノ
ールを除去すれば、より少量のブタノールの使用量で同
様の成果が得られる。このエステル交換反応は平衡反応
であり、反応生成物の構造や純度は原料の配合比率によ
って決まるので再現性が高い上、複数種の加水分解性基
を任意の比率で導入することも可能である。また、エス
テル交換反応に用いる原料は、カルボン酸やオキシムな
どのアルコキシ基と交換反応するものであればアルコー
ル以外のものであっても使用することができる。
【0035】このようにして調製された一分子中に二種
以上のアルコキシ基を持つオルガノアルコキシシラン及
び/又はオルガノアルコキシシロキサンを加水分解縮合
させて本発明のオルガノポリシロキサンを得る方法は、
従来からオルガノアルコキシシラン及びシロキサンの加
水分解縮合に使用されてきた公知の方法と同様であり、
オルガノアルコキシシランと加水分解縮合触媒、及び必
要に応じてトルエン、キシレン、メタノール等の溶剤を
反応容器中に仕込み、0〜100℃の温度で攪拌しなが
ら水を混合し、反応させれば良い。
【0036】数時間熟成した後、水洗浄や中和等の方法
で加水分解縮合触媒を除去して反応を停止させ、蒸留等
の方法によって溶剤を除去することにより、必要な濃度
のオルガノポリシロキサンを得ることができる。本発明
のオルガノポリシロキサンを製造するに際しては、本発
明の効果が十分に発揮されるように、使用されるオルガ
ノアルコキシシラン及びシロキサン原料の内、少なくと
も50%以上を、一分子中に二種以上の加水分解性基を
持つオルガノアルコキシシラン及び/又はオルガノアル
コキシシロキサンとすることが必要である。
【0037】例えば分子量3000のメチルポリシロキ
サンを製造する場合、使用されるオルガノアルコキシシ
ラン及びシロキサン原料の内、一分子中に二種類以上の
加水分解性基を持つオルガノアルコキシシラン及びオル
ガノアルコキシシロキサンが50%未満である場合には
分散度を3以下に抑えることが難しく、シラノール基の
量も4重量%(対樹脂)前後変更させることができるに
すぎない。一方、一分子中に二種類以上の加水分解性基
を持つオルガノアルコキシシラン及びオルガノアルコキ
シシロキサンが50%以上であれば分散度を2.5以下
とすることができ、シラノール基量については、最大1
0重量%(対樹脂)まで変更させることが可能になる。
【0038】上記の反応で使用することのできる加水分
解縮合用の触媒としては、例えば、硫酸、塩酸等の無機
酸やパラトルエンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、
リン酸等の有機酸、炭酸ナトリウム、KOH、NaOH
等の無機塩基、アンモニア、アミン、アンモニウムヒド
ロキシド等の有機塩基、アルキルチタネート、カルボン
酸鉄、有機錫錯体等の有機金属化合物等を挙げることが
できる。得られるオルガノポリシロキサンの平均分子量
と官能基の種類や量は、原料のオルガノアルコキシシラ
ン及びオルガノアルコキシシロキサンが一分子中に持つ
二種類以上のアルコキシ基のそれぞれの比率により制御
される。
【0039】加水分解の速いアルコキシ基は加水分解縮
合して主にポリシロキサン骨格を形成し、加水分解の遅
いアルコキシ基の多くは残存して官能基となる。従っ
て、加水分解速度の速いアルコキシ基に対する加水分解
速度の遅いアルコキシ基の比率を小さくすれば、平均分
子量が大きく官能基としてのアルコキシ基量が少ないオ
ルガノポリシロキサンを得ることができる。
【0040】これに対し、加水分解速度の速いアルコキ
シ基に対する加水分解速度の遅いアルコキシ基の比率を
大きくすれば、平均分子量が小さく官能基としてのアル
コキシ基量が多いオルガノポリシロキサンを得ることが
できる。例えば、ミクロゲルを発生すること無く、再現
性良くメチルポリシロキサンを製造する場合、従来の方
法では、数平均分子量の最大は3,000前後であり、
アルコキシ基の下限は2重量%(対樹脂)前後である
が、本法では、数平均分子量を6,000付近まで上げ
ることができる上、アルコキシ基量も1重量%(対樹
脂)以下にまで下げられる。
【0041】官能基の種類は、原料のオルガノアルコキ
シシラン及びオルガノアルコキシシロキサンが持つ加水
分解速度の遅いアルコキシ基の種類を変更することによ
って任意に設定することができる。このように、本発明
の方法では、反応条件の影響を受けにくい、加水分解性
基の含有比率が制御方法の中心であるため、合成の再現
性が高くなる。得られるオルガノポリシロキサンの官能
基をシラノール基とする場合には、上記の方法で官能基
として残存しているアルコキシ基をさらに加水分解すれ
ばよく、この時の反応条件を縮合反応が起こりにくい穏
やかな条件とする。
【0042】従来の方法でメチルポリシロキサンを製造
する場合、シラノール基の量は最大で4重量%(対樹
脂)前後であるが、本発明の方法では最大10重量%
(対樹脂)前後まで可能である。この様な利点があるの
は、本発明の方法で得られるオルガノポリシロキサンが
安定性に優れるという特徴を持つためである。このこと
は本発明の方法で得られるオルガノポリシロキサンの分
子量分布が狭いこと、即ち分散度が低いことと付合して
いる。
【0043】即ち、本発明において加水分解速度の速い
基を加水分解縮合し、加水分解速度の遅い基があまり反
応しない条件で加水分解縮合させるので、局所的な加水
分解縮合が抑えられる上、加水分解縮合して形成された
重合成分に残存する加水分解性基の加水分解速度が遅い
ため、それが更に反応して高分子量化することも抑えら
れる。従って、分散度の低いポリシロキサンを得ること
ができる。また、異種の加水分解性基の加水分解速度の
差は大きいので、反応条件による制御は容易であり、数
平均分子量が3,000の場合で分散度を2.5以下に
抑えることができ、その再現性も高い。
【0044】分散度を自由にコントロールする上から
は、一分子のシラン中に加水分解速度の異なる複数種の
アルコキシ基を持つシランと、一般に容易に入手するこ
とのできる、一種のみのアルコキシ基を持つシランを任
意に混合して用いることもできるが、室温硬化性樹脂と
して優れたものとする観点からは、一種のみのアルコキ
シ基を持つシランの混合割合を50%以下とする必要が
ある。
【0045】本発明においては、加水分解速度の速いア
ルコキシ基を持つシランと加水分解速度の遅いアルコキ
シ基を持つシランを混合した後、加水分解縮合前にエス
テル交換反応を利用してアルコキシ基を再配分させ、一
分子中のシラン中に加水分解速度の異なる複数種のアル
コキシ基を持たせることもできる。本発明において得ら
れるポリシロキサンに残存させるアルコキシ基量は、そ
の分子構造と密接な関係があり、一定のシランの配合比
において、分子構造を規定する指標の一つである平均分
子量が決まると、残存可能な官能基の量の上限が決ま
り、理論上は、この上限以下の任意の数値の官能基量と
することが可能であるが、従来法における上限値は、こ
の上限値より少ない値である上、殆どその値を変更する
ことができない。
【0046】これは、三官能や四官能シランを加水分解
縮合して得られるポリシロキサンが、直鎖や分岐、環、
籠状などの任意の形の分子構造を取り得るためであり、
これを、一つの分子に含まれる環構造数として考えてみ
ると、直鎖や分岐では0、環では1、籠状では複数の環
の組合せとして考えられるので2以上となり、環構造数
が増えると残存する官能基量は減ることになる。
【0047】従来法では、得られたポリシロキサンが持
つ平均の環構造数は、反応条件を変えてもあまり変化せ
ず、官能基量の変更範囲が狭いと思われる。一方、本発
明の方法では残存する官能基をより広い範囲で変更する
ことが可能となる。例えば、分子量3,000のメチル
ポリシロキサンを製造する場合、従来法ではシラノール
基量を4重量%(対樹脂)前後しか変更することができ
ない。一方、本発明の方法ではシラノール基量は、最大
10重量%(対樹脂)前後まで変更することが可能にな
る。
【0048】これは、本発明の場合には、一分子のシラ
ン中に加水分解速度の異なる複数種のアルコキシ基を持
たせ、加水分解速度の速いアルコキシ基の含有比率で環
構造数を変化させることにより、残存するアルコキシ基
量を変えられるからである。例えば、シラン一分子に加
水分解速度の速いアルコキシ基を二個持たせれば環構造
数を一以下に抑えることができ、一種類のアルコキシ基
のみを持つシランを加水分解縮合する従来法の場合に比
較し、同じ平均分子量で多くのアルコキシ基を残存させ
ることができる。
【0049】本発明の方法で得られるオルガノポリシロ
キサンは、平均分子量を適度のものとすることができる
上、硬化性官能基の種類や量の選択自由度も広いので、
常温硬化性樹脂としての利用価値が高い。また、得られ
たオルガノポリシロキサンをそのまま用いてもよいし、
官能基をエステル交換反応により他の種類の加水分解性
基に変更してもよい。
【0050】また、シラノール基を持つオルガノポリシ
ロキサンを調製した後、目的とする官能基を導入できる
ように、アルコキシ基、カルボキシル基、オキシム基な
どの加水分解性基を二個以上持つオルガノシランを選択
し、触媒の存在下、又は無触媒でシラノール基と反応さ
せて加水分解性基を導入することも可能である。これに
より、硬化性官能基の種類や量の選択範囲をさらに広げ
ることができる。
【0051】本発明の方法によれば、従来における、加
水分解性官能基導入の際の増粘及びゲル化を抑制するこ
とができるのみならず、官能基導入のためのアルコー
ル、カルボン酸、オキシム等、及び、アルコキシ基、カ
ルボキル基、オキシム基などの加水分解性基を二個以上
持つオルガノシラン原料を、大過剰に使用する必要もな
い。
【0052】また、本発明の方法によって得られたオル
ガノポリシロキサンは、硬化性樹脂組成物中の主原料と
して好適である。硬化性樹脂組成物として使用する場合
には、使用目的に応じて、溶剤、接着性改良剤、紫外線
吸収剤、保存安定性改良剤、可塑剤、充填剤、老化防止
剤、顔料等の各種添加剤を添加できる。
【0053】このようにして得られる本発明の硬化性樹
脂組成物は、スプレー、はけぬり等の公知の方法により
各種の基材に塗布され、次いで、0〜150℃の温度で
10〜60分間乾燥若しくは焼付けられることによっ
て、耐久性、耐候性、耐水性の良好な塗膜が得られる。
特に本組成物は、室温下で空気中の湿気により硬化する
為、硬化条件に制約を受けず、広範囲な用途に用いるこ
とができる。また、基材としては、各種の金属素材や加
工品、木材、石材、スレート類、モルタル類、ガラス
類、セラミックス類、プラスチック製品、瓦、有機樹脂
塗膜製品等が挙げられる。
【0054】
【発明の効果】本発明で製造されるオルガノポリシロキ
サンは、分子量の分散度が小さく増粘やゲル化を引き起
こし易い高分子量成分の含有率が少ないので、それを主
成分とする硬化性樹脂組成物の保存安定性や作業性が改
善されるのみならず、より加水分解性の高い硬化性官能
基を保有することも容易である。また、本発明の方法
は、使用する原料が安価であるのみならず、加水分解縮
合速度の調整が任意且つ容易であるので、工業的なオル
ガノポリシロキサンの製造方法として極めて有用であ
る。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 1)原料オルガノアルコキシシランの調製 調製例1〜10.還流装置と蒸留装置を取り付けた1リ
ットルのフラスコに、表1の配合量で原料を仕込み、7
0℃で攪拌しながら3時間反応させた後、副生したメタ
ノールや未反応のアルコールを常圧下で蒸留除去し、目
的のオルガノアルコキシシランを得た。得られたオルガ
ノアルコキシシランの収率は表1に示した通りである。
【0056】
【表1】 但し、表中のMeはメチル基、Buはブチル基、Prは
プロピル基、Hexはヘキシル基、Phはフェニル基を
表す。
【0057】調製例11.原料としてメチルトリメトキ
シシラン272g(2モル)、メチルトリイソブトキシ
シラン262g(1モル)及び反応触媒として硫酸2g
を仕込んだ他は、調製例1と同様にしてオルガノアルコ
キシシランを調製した。
【0058】2)オルガノポリシロキサンの製造 実施例1〜11及び比較例1.表2で示した配合量のオ
ルガノアルコキシシラン又はその混合物、及びトルエン
200gを1リットルのフラスコに取り、30℃で攪拌
しながら1Nの塩酸水100gを1時間かけて滴下混合
したところ、加水分解縮合の反応熱によって50℃まで
温度が上昇した。
【0059】更に4時間熟成した後、水で洗浄して反応
を停止させ、オルガノポリシロキサンのトルエン溶液を
得た。この溶液を蒸留し、アルコール、過剰の水及びト
ルエンを除去して50%溶液に調整した。得られたオル
ガノポリシロキサンの平均分子量、分子量分布の分散
度、官能基の種類と量及び安定性の評価結果を表2に示
す。
【0060】平均分子量及び分子量分布の分散度は、G
PCの測定結果に基づき、ポリスチレン換算して算出し
た。また、官能基の種類と量はSi−NMR測定値から
算出し、安定性は、50℃における促進試験による、ゲ
ル化するまでの時間で評価した。得られたオルガノポリ
シロキサンの平均分子量、分子量分布の分散度、官能基
の種類と量及び安定性の評価結果は表2に示した通りで
ある。
【0061】
【表2】
【0062】実施例12〜16.実施例1〜5で得られ
た蒸留前のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液にア
セトンを混合して20%溶液400gを調製し、1リッ
トルのフラスコに仕込んだ。20℃で攪拌しながら0.
01Nの塩酸水20gを30分かけて滴下混合し、さら
に4時間熟成した後、水で洗浄して反応を停止させ、オ
ルガノポリシロキサンのトルエン/アセトン溶液を得
た。この溶液を蒸留し、水と過剰のトルエン及びアセト
ンを除去して50%溶液に調整した。得られたオルガノ
ポリシロキサンの平均分子量、分子量分布の分散度、官
能基の種類と量及び安定性の評価結果は表3に示した通
りである。
【0063】
【表3】
【0064】比較例2〜4.メチルトリメトキシシラン
272g(2モル)及びトルエン200gを1リットル
のフラスコに取り、30℃で攪拌しながら1Nの塩酸水
100gを1時間かけて滴下混合し、更に、比較例2で
は1時間、比較例3では2時間、比較例4では4時間熟
成した後、水で洗浄して反応を停止させ、オルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液を得た。この溶液を蒸留し、
水及び過剰のトルエンを除去して50%溶液に調整し
た。得られたオルガノポリシロキサンの平均分子量、分
子量分布の分散度、官能基の種類と量及び安定性の評価
結果は表3に示した通りである。
【0065】比較例5〜7.メチルイソブトキシシラン
524g(2モル)を1リットルのフラスコに取り、3
0℃で攪拌しながら1Nの塩酸水100gを1時間かけ
て滴下混合し、更に、比較例5では2時間、比較例6で
は4時間、比較例7では8時間それぞれ熟成した後、水
で洗浄して反応を停止させ、オルガノポリシロキサンの
イソブチルアルコール溶液を得た。この溶液を蒸留し、
過剰の水及びイソブチルアルコールを除去して50%溶
液に調整した。得られたオルガノポリシロキサンの平均
分子量、分子量分布の分散度、官能基の種類と量及び安
定性の評価結果は表3に示した通りである。
【0066】比較例8.原料としてメチルトリメトキシ
シラン190g(1.4モル)及びメチルトリイソブト
キシシラン183g(0.7モル)を使用し、1Nの塩
酸水を100g使用した他は実施例1と同様にして得ら
れた得られたオルガノポリシロキサンの平均分子量、分
子量分布の分散度、官能基の種類と量及び安定性の評価
結果は表3に示した通りである。
【0067】3)室温硬化性樹脂用オルガノポリシロキ
サンの製造 実施例17〜26.実施例1及び6並びに12〜15で
得られたオルガノポリシロキサンと加水分解性基含有シ
ランを、表4に示す配合量で乾燥窒素通気下の1リット
ルのフラスコに取り、20℃で2時間攪拌混合した。得
られたオルガノポリシロキサンの平均分子量、分子量分
布の分散度及び安定性の評価結果は表4に示した通りで
ある。
【0068】
【表4】
【0069】比較例9〜14.比較例2〜4で得られた
オルガノポリシロキサンと加水分解性基含有シランを、
表5に示す配合量で乾燥窒素通気下で1リットルのフラ
スコに取り、20℃で2時間攪拌混合した。得られたオ
ルガノポリシロキサンの平均分子量、分子量分布の分散
度及び安定性の評価結果は表5に示した通りである。
【0070】
【表5】
【0071】4)室温硬化性樹脂用オルガノポリシロキ
サンのクリア皮膜特性評価 実施例27〜36.実施例17〜26で得られた室温硬
化性樹脂用オルガノポリシロキサンを、バーコータN
o.36を用いてミガキ鋼板上に塗布し、25℃で3日
間硬化させて膜厚20μmのクリア皮膜とした。皮膜特
性を下記の方法で評価した結果は表6に示した通りであ
る。
【0072】
【表6】
【0073】外観:目視で確認した。透明で光沢があり
平坦で均一な皮膜を○、曇りや濁りのみられるものを
△、微細な凹凸やピンホール等の造膜異常の見られるも
のを×とした。 硬度:鉛筆硬度試験によった。 乾燥性:塗布後からタックフリーとなるまでの時間で評
価した。 密着性:碁盤目試験(10×10)で評価した。剥がれ
の無いものを○、剥がれが半分未満のものを△、半分以
上剥がれたものを×とした。
【0074】比較例15〜17.比較例11、12及び
14で得られた各室温硬化性樹脂オルガノポリシロキサ
ンを用い、実施例27と同様に評価した結果は表6に示
した通りである。以上の結果は本発明の有効性を実証す
るものである。
フロントページの続き (72)発明者 吉川 裕司 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所 内 (72)発明者 山谷 正明 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所 内 (56)参考文献 特開 平5−214103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62 C08L 83/00 - 83/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラノール基を1.0〜8.0重量%含
    有するオルガノポリシロキサンに加水分解性基を2個以
    上持つオルガノシランを混合し、触媒の存在下又は非存
    在下で、前記オルガノポリシロキサンが有する加水分解
    性基又はシラノール基とエステル交換及び縮合反応させ
    ることにより得られた、加水分解性官能基が導入された
    オルガノポリシロキサンを主成分として含有する硬化性
    樹脂組成物であって、前記シラノール基を1.0〜8.
    0重量%含有するオルガノポリシロキサンが、オルガノ
    アルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシロキ
    サンを原料とし、この50%以上が平均組成式R 1 a Si
    (OCH 3 b c (4-a-b-c)/2 で表されるオルガノアル
    コキシシラン及び/又はオルガノアルコキシポリシロキ
    サンであり、これを加水分解縮合反応させて調製したも
    のであることを特徴とする硬化性樹脂組成物。但し、上
    記平均組成式中、R1は置換基を有していてもよいアル
    キル基、アルケニル基又は、アリール基であって、各R
    1は同一であっても異なっていても良い。Yは炭素原子
    数2〜10のアルコキシ基である。また、aは0〜2の
    実数、b及びcは0.1〜3であると共にa+b+c≦
    4を満たす実数である。
  2. 【請求項2】 前記原料として、一種類のアルコキシ基
    のみを有するオルガノアルコキシシラン及び/又はオル
    ガノアルコキシシロキサンと、アルコール若しくは、前
    記アルコキシ基とは異なる一種類のアルコキシ基を有す
    るオルガノアルコキシシラン及び/又はオルガノアルコ
    キシシロキサンとのエステル交換反応によって調製され
    た原料を使用する、請求項1に記載された硬化性樹脂組
    成物。
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