JP2011021107A - 硬化性組成物、接着剤及びシーリング材 - Google Patents

硬化性組成物、接着剤及びシーリング材 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、毒性が低く且つ湿気硬化後の樹脂被膜の強度が高い硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の硬化性組成物は、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部、カルボン酸無水物0.1〜50重量部及びケチミン化合物0.1〜20重量部を含有し、且つ、シラノール縮合触媒として有機金属化合物を含有しないことを特徴とするので、優れた硬化性を有しており、硬化して形成される樹脂被膜は優れた機械的強度及び接着性を有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性組成物、接着剤及びシーリング材に関する。
架橋可能な加水分解性シリル基を有する重合体を主成分とする硬化性組成物は従来から種々提案されている。これらの硬化性組成物は、雰囲気又は被着体に含まれている湿気により架橋し、耐久性、耐候性、透明性及び接着性に優れた硬化物を与える。従って、上記硬化性組成物は、塗料、コーティング剤、接着剤、感圧接着剤、シーラント及びシーリング材などの様々な用途に用いられている。
上記硬化性組成物はシロキサン結合を形成することによって架橋するが、架橋する速度を調節するためにジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズのような有機スズ化合物、オクチル酸鉛などの有機鉛化合物のような有機金属化合物が用いられている。しかしながら、スズや鉛を含有する有機金属化合物は毒性が高いといった問題点がある。
この問題を解決するために、特許文献1〜3には、チタン系、ビスマス系、ハフニウム系などの有機金属化合物を湿気硬化反応促進触媒として用いる技術が提案されている。しかしながら、これらの湿気硬化反応促進触媒を用いた場合には、硬化性組成物の硬化性が十分でなく、更に、上記湿気硬化反応促進触媒は非常に高価であるという問題点がある。
そこで、上記問題点を解消するために、有機金属化合物の代わりにカルボン酸化合物を用いることが考えられる。しかしながら、有機金属化合物を使用した場合に比較して硬化速度が著しく遅く、しかも、硬化物が脆弱で樹脂皮膜強度が低いという問題点がある。
カルボン酸化合物以外に、アミン又はアミン誘導体を用いることが考えられるが、カルボン酸化合物と同様の問題点を有しており、更に、毒性、臭気の点でも実用的ではない。
特開平05−311063号公報 特開2001−342363号公報 特開2004−043738号公報
本発明は、毒性が低く且つ湿気硬化後の樹脂被膜の強度が高く優れた硬化性を有する硬化性組成物を提供する。
本発明の硬化性組成物は、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部、カルボン酸無水物0.1〜50重量部及びケチミン化合物0.1〜20重量部を含有し、且つ、シラノール縮合触媒として有機金属化合物を含有しないことを特徴とする。
加水分解性シリル基を含有する重合体における加水分解性シリル基とは、珪素原子に加水分解性基が結合してなる基であって、湿気との反応によってシロキサン結合を形成して架橋しうる基を示す。
加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられ、加水分解反応が穏やかで取り扱いやすく、加水分解の際に発生する副生成物が比較的安全性に優れるという点から、アルコキシ基が好ましい。
1個の珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合することができるが、1個の珪素原子に複数個の加水分解性基が結合している場合、加水分解性基は、全てが同一種類であっても或いは異種類の組合せであってもよい。
又、1個の珪素原子に結合している加水分解性基の数は、硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性の点から、2又は3が好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
重合体への加水分解性シリル基の導入方法としては、特に限定されず、例えば、(1)分子中に不飽和基を導入した重合体に、加水分解性シリル基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する方法、(2)分子中に不飽和基を導入した重合体に、メルカプト基及び加水分解性シリル基を有する化合物を反応させる方法、(3)分子中に官能基を有する高分子重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基と加水分解性シリル基とを有する化合物を反応させる方法などが挙げられ、具体的には、イソシアネート基と水酸基との反応、イソシアネート基とアミノ基との反応、イソシアネート基とメルカプト基との反応などを利用することができる。
加水分解性シリル基を含有する重合体の主鎖骨格としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体などのポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレン又はブタジエンとアクリロニトリル及び/又はスチレンとの共重合体、ポリブタジエン、イソプレン又はブタジエンとアクリロニトリルとスチレンとの共重合体、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリレート系重合体、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどのモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体、上記重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体、ポリサルファイド系重合体、ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記ナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロンなどのポリアミド系重合体、ビスフェノールAと塩化カルボニルとを縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
加水分解性シリル基を含有する重合体の主鎖骨格としては、比較的、ガラス転移温度が低く、重合体の取扱性に優れているので、エチレン−プロピレン共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレンとの共重合体の水素添加物、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンなどの飽和炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。更に、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリレート系重合体は、透湿性が高いために1液型組成物にした場合の深部硬化性に優れており、更に、接着性にも優れていることからより好ましい。
加水分解性シリル基を含有する重合体のガラス転移温度は、高いと、加水分解性シリル基を含有する重合体の粘度が高くなり、硬化性組成物の取扱性が低下するので、20℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。なお、加水分解性シリル基を含有する重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定されたものをいう。
飽和炭化水素系重合体をより詳細に説明すると、炭素−炭素不飽和結合を含有しない重合体を指し、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマーを重合して得るか、ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物を重合した後に水素添加するなどの方法で得ることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体をより詳細に説明すると、主鎖が一般式−(R−O)n−(式中、Rは炭素数が1〜14のアルキレン基を示す。)で表される繰り返し単位を含有する重合体をいう。Rとしては、炭素数が1〜4のアルキレン基が好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位からなっていてもよい。
(メタ)アクリレート系重合体をより詳細に説明すると、主鎖を構成する(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−[アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソミリスチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリロール、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−[メタアクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[メタアクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸などが挙げられ、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレートが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
(メタ)アクリレート系重合体において、他のモノマーを共重合することも可能である。このようなモノマーとしては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどのビニルエステル基を持つ化合物、無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテルなどのビニロキシ基を持つ化合物などを挙げることができる。これらのモノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
(メタ)アクリレート系重合体の重合方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法などの各種重合法が挙げられる。
重合体の主鎖骨格中に、例えば、イソシアネート基と活性水素基との反応によって生成する結合などが含有されていてもよい。このような結合としては、例えば、イソシアネート基と水酸基との反応で生成するウレタン結合、イソシアネート基とアミノ基との反応で生成する尿素結合、イソシアネート基とメルカプト基との反応で生成するチオウレタン結合などが挙げられる。
重合体の主鎖骨格中に、上述のウレタン結合、尿素結合又はチオウレタン結合中に含まれる活性水素とイソシアネート基との反応で生成する結合が含まれていてもよい。これらの結合は、重合体中の官能基と、この官能基に対して反応性を示す官能基及び加水分解性シリル基を有する化合物を反応させて加水分解性シリル基を導入する際に生成する場合がある。
加水分解性シリル基を含有する重合体の主鎖骨格は、直鎖状であってもよいし或いは分岐を有していてもよい。加水分解性シリル基を含有する重合体の数平均分子量は、500〜100000が好ましく、3000〜30000がより好ましい。加水分解性シリル基を含有する重合体の数平均分子量が500より小さいと、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の伸び性が低下することがある。加水分解性シリル基を含有する重合体の数平均分子量が100000より大きくなると、硬化性組成物の粘度が高くなるために取扱性が低下する。なお、加水分解性シリル基を含有する重合体の数平均分子量は、Gel Permeation Chromatography システム(GPC)を用いて測定されたポリスチレン換算数平均分子量をいう。
カルボン酸無水物とは、分子中にカルボン酸無水物構造(−CO−O−CO−)を有している化合物をいう。カルボン酸無水物構造を得るための方法としては、公知の方法を用いることができ、2分子のカルボン酸を脱水縮合させる方法が挙げられる。
カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテートなどが挙げられる。カルボン酸無水物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中におけるカルボン酸無水物の含有量は、少ないと、硬化性組成物の湿気硬化反応速度が低下し、多いと、カルボン酸無水物が液体の場合にはブリードアウトの問題が発生するので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜50重量部に限定され、5〜30重量部が好ましい。
ケチミン化合物とは、ケトンのカルボニル基の酸素がイミノ基で置換された化合物をいう。ケチミン化合物としては、例えば、1,2−エチレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2−ヘキシレンビス(イソペンチリデンイミン)、p,p'−ビフェニレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2−エチレンビス(イソプロピリデンイミン)、1,3−プロピレンビス(イソプロピリデンイミン)、p−フェニレンビス(イソペンチリデンイミン)、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,10−ジフェニル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、3,11−ジエチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、9−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル)5,13−ジメチル−6,9,12−トリアザ−5,12−ヘプタデカジエン、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンなどが挙げられ、分子内に加水分解性シリル基を含有しているケチミン化合物が好ましい。ケチミン化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、ケチミン化合物は、旭化成ワッカー社から商品名「NF−1104」にて市販されている。
硬化性組成物中におけるケチミン化合物の含有量は、少ないと、硬化性組成物の深部硬化性が低下し、結果として接着強度が低下し、多いと、硬化性組成物が湿気との化学反応する過程において発生する揮発成分量が多くなるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜20重量部に限定され、1〜10重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、シラノール縮合触媒として有機金属化合物を含有しておらず、例えば、有機金属化合物として錫系化合物が含有している場合のように毒性が高いという問題は生じない。
上記有機金属化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、テトラブチル−ビストリエトキシシリケートジスタノキサンなどの有機錫化合物、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナートなどの有機チタン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物、ゲルマニウム、鉛、硼素、ガリウム、インジウム、ジルコニウムなどの金属化合物と有機化合物との反応物である有機金属化合物を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物には、その物性を損なわない範囲内において、反応性樹脂、粘度調整剤、可塑剤、シランカップリング剤、チキソトロープ剤、充填剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、溶剤、着色剤、難燃剤、たれ防止剤、香料、顔料、染料、脱水剤などの添加剤が含有されていてもよい。
反応性樹脂とはエポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、エポキシ硬化剤によって硬化する通常使用されているエポキシ樹脂が使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
硬化性組成物中におけるエポキシ樹脂の含有量は、少ないと、エポキシ樹脂を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の被膜が硬くなり、接着性などの低温特性が低下するので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.5〜300重量部が好ましい。
粘度調整剤として、特に限定されないが、加水分解性シリル基を含有する重合体との相溶性に優れた化合物が好ましい。粘度調整剤としては、例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、水添ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(水添SEBS)などが挙げられる。粘度調整剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中における粘度調整剤の含有量は、少ないと、粘度調整剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物の粘度が高くなって硬化性組成物の取扱性が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.3〜20重量部がより好ましい。
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル類、トリメリット酸エステル類、塩素化パラフィン類、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油、プロセスオイル類、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤類、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステル類、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、又は上記ポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体などのポリエーテル類などが挙げられる。
可塑剤の数平均分子量は、低いと、可塑剤がブリードアウトすることがあり、高いと、硬化性組成物の粘度が高くなり、硬化性組成物の取扱性が低下することがあるので、500〜15000が好ましい。
硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、少ないと、可塑剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の機械的強度が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して5〜150重量部が好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−(2−(2−アミノエチル)アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、アミノシランとグリシジルシランとの反応物、アミノシランとイソシアネートシランとの反応物などが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、少ないと、シランカップリング剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物の湿気硬化速度が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
チキソトロープ剤としては、特に限定されず、硬化性組成物にチキソトロピー性を発現せることができるものであればよい。チキソトロープ剤としては、例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムなどの金属石鹸類などを挙げることができる。チキソトロープ剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中におけるチキソトロープ剤の含有量は、少ないと、硬化性組成物にチキソトロピー性を付与することができないことがあり、多いと、硬化性組成物の粘度が高くなり、硬化性組成物の取扱性が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜200重量部が好ましく、1〜150重量部がより好ましい。
増量剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂などからなる有機ミクロバルーン、ポリ塩化ビニル系樹脂粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末などの樹脂粉末などが挙げられる。増量剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中における増量剤の含有量は、少ないと、増量剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の伸び性が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して1〜700重量部が好ましく、5〜500重量部がより好ましい。
粘着付与剤としては、特に限定されず、例えば、スチレン系ブロック共重合体又はその水素添加物、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂などの石油樹脂、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂石油樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中における粘着付与樹脂の含有量は、少ないと、粘着付与樹脂を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱性が低下することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系などが挙げられる。硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、少ないと、酸化防止剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、ブリードアウトの問題が発生することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10重量部がより好ましい。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。硬化性組成物中における光安定剤の含有量は、少ないと、光安定剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、光安定剤がブリードアウトすることがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。硬化性組成物中における紫外線吸収剤の含有量は、少ないと、紫外線吸収剤を添加した効果が発現しないことがあり、多いと、硬化性組成物が着色することがあるので、加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、その物性を損なわない範囲内において、溶剤が含有されていてもよい。溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、パラフィン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール類又はこれらのハロゲン置換化合物などが挙げられる。溶剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
次に、硬化性組成物の製造方法について説明する。硬化性組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、加水分解性シリル基を含有する重合体に必要に応じて添加剤を添加した上で減圧下にて加熱して脱水処理を行った後、加水分解性シリル基を含有する重合体を室温付近まで冷却した上で窒素を用いて減圧開放し、しかる後、加水分解性シリル基を含有する重合体中にカルボン酸無水物及びケチミン化合物を添加して窒素雰囲気下にて混合することによって硬化性組成物を製造する方法が挙げられる。
このようにして得られた硬化性組成物は優れた硬化性を有しており、空気中の湿気や、被着体に含まれている湿気によって架橋して硬化し、機械的強度及び接着性に優れた樹脂被膜を形成する。従って、本発明の硬化性組成物は、接着剤、シーリング材、塗料、コーティング剤、感圧接着剤、シーラントなどの様々な用途に用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、上述の如き構成を有しているので、優れた硬化性を有しており、硬化して形成される樹脂被膜は優れた機械的強度及び接着性を有している。
そして、本発明の硬化性組成物は、加水分解性シリル基を含有する重合体、カルボン酸無水物及びケチミン化合物の配合比率を調整することによって、従来のようにシラノール縮合触媒として有機金属化合物を用いた場合と同等のタックフリータイムなどの硬化性や接着性を発現させることができ、様々な用途に展開することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5リットルのセパラブルフラスコ内に、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100重量部、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製 商品名「KBM−502」)1.8重量部、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.8重量部及び酢酸エチル100重量部を供給して均一に混合して混合溶液を得た。
この混合溶液内に窒素ガスを20分間に亘ってバブリングすることによって混合溶液内の溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換し攪拌しながら還流に達するまで混合溶液を加熱した。
混合溶液を還流状態とした後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024重量部を酢酸エチル1重量部で希釈した上で混合溶液中に供給して重合を開始した。
重合を開始してから1時間経過後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036重量部を酢酸エチル1重量部で希釈した溶液を、重合を開始してから2時間経過後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048重量部を酢酸エチル1gで希釈した溶液を、重合を開始してから3時間経過後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.12重量部を酢酸エチル1重量部で希釈した溶液を、重合を開始してから4時間経過後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.36重量部を酢酸エチル1重量部で希釈した溶液をそれぞれ混合溶液中に投入した。
重合を開始してから7時間経過後に混合溶液を室温まで冷却して重合を終了させた。次に、エバポレーターを用いて混合溶液から酢酸エチルを減圧除去して、数平均分子量が約2万であり且つ加水分解性シリル基としてアルコキシシリル基を有するアクリレート系重合体を得た。なお、得られたアクリレート系重合体の平均シリル官能基数は1.9個であった。アクリレート系重合体の数平均分子量は、Gel Permeation Chromatography システム(GPC)を用いて測定されたポリスチレン換算数平均分子量をいう。
加熱装置、冷却装置、減圧ライン及び窒素ライン付きミキサーに、上述の通りに製造した加水分解性シリル基としてアルコキシシリル基を有するアクリレート系重合体80重量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 商品名「ホワイトンP30」)120重量部及び炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製 商品名「カルファイン200M」)40重量部を供給して減圧下にて均一になるまで混練した。
更に、上述の通りに製造した加水分解性シリル基としてアルコキシシリル基を有するアクリレート系重合体20重量部を上記ミキサーに供給して減圧下で均一になるまで混練し、しかる後、ミキサー内を110℃まで昇温して、110℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
次に、ミキサー内を減圧下で混合しながら30℃まで冷却し、ミキサー内を窒素で減圧開放した後に、ミキサー内に脱水剤(チッソ社製 商品名「S−210」)2重量部、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)20重量部、及び、分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)5重量部を供給して窒素雰囲気下にて60分間に亘って均一になるまで混合し、減圧脱泡して容器に充填、密封して硬化性組成物を得た。
(実施例2)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)を20重量部の代わりに10重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例3)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)を20重量部の代わりに3重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例4)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)を20重量部の代わりに40重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例5)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)を5重量部の代わりに15重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例6)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)を5重量部の代わりに0.5重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例7)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)5重量部の代わりに、分子内に加水分解性シリル基を含有するケチミン化合物(旭化成ワッカー社製 商品名「NF−1104」)5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例8)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)5重量部の代わりに、分子内に加水分解性シリル基を含有するケチミン化合物(旭化成ワッカー社製 商品名「NF−1104」)15重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例9)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)5重量部の代わりに、分子内に加水分解性シリル基を含有するケチミン化合物(旭化成ワッカー社製 商品名「NF−1104」)0.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例10)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)5重量部の代わりに、分子内に加水分解性シリル基を含有するケチミン化合物として、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンとその部分加水分解物との混合物(信越化学工業社製 商品名「KBM−9103」)5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例1)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例2)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例3)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸70重量%とヘキサヒドロ無水フタル酸30重量%とを含むカルボン酸無水物(新日本理化社製 商品名「リカシッドMH700」)を20重量部の代わりに70重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例4)
分子内に加水分解性シリル基を含有しないケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピキュアH30」)を5重量部の代わりに40重量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物について、タックフリータイム及び接着性を下記の要領で測定し、その結果を表1、2に示した。
(タックフリータイム)
JIS A1439(建築用シーリング材の試験方法)に準拠して硬化性組成物のタックフリータイムを測定した。なお、タックフリータイムが300分以上となったものは、300以上と記載した。
(接着性)
JIS A5550(床根太用接着剤)のすき間充てん性試験に準拠して、硬化性組成物の圧縮剪断接着強さを測定した。
Figure 2011021107
Figure 2011021107

Claims (4)

  1. 加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部、カルボン酸無水物0.1〜50重量部及びケチミン化合物0.1〜20重量部を含有し、且つ、シラノール縮合触媒として有機金属化合物を含有しないことを特徴とする硬化性組成物。
  2. ケチミン化合物は、加水分解性シリル基を分子内に含有していることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング材。
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