JP4808430B2 - 室温硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室温で大気中の湿気と反応し、ゴム状に硬化する室温硬化性組成物の製造方法に関し、より詳細には、ポリエステル被覆鋼板等の接着が困難な被着体に対して接着することができ、かつ耐候性に優れている室温硬化性組成物の製造方法に関する。
従来より、大気中の湿気と反応しゴム状に硬化する重合体からなる硬化性組成物が知られている。
下記特許文献1には、重合体1分子当たり少なくとも1つの加水分解性珪素基を有し、分子量が300〜15000の範囲にある有機重合体100重量部に対し、分子量が300〜15000の範囲にあるポリエステル、ポリプロピレングリコール等の高分子可塑剤1〜150重量部を配合した硬化性組成物が示されている。
特開昭55−31874号公報
特許文献1に記載の硬化性組成物は、大気中の湿気と反応してゴム状に硬化する。
しかしながら、特許文献1に記載の硬化性組成物では、接着が困難な被着体である、ポリステル被覆鋼板等への密着性が不十分であった。
本発明は、このような従来の問題点を解消し、室温で大気中の湿気と反応し、ゴム状に硬化する室温硬化性組成物であって、接着が困難な被着体に対して接着することができ、かつ耐候性に優れている室温硬化性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る室温硬化性組成物の製造方法では、主鎖がポリアルキレンオキサイドであり、数平均分子量が4000〜30000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり少なくとも平均1個有する重合体(A)と、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとを共重合成分として含有してなり、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均0.5〜2個有する重合体(B)と、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であり、重量平均分子量が10000より大きく、100000以下であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均1〜3個有する重合体(C)とを別々に用意して混合することにより、室温硬化性組成物を得る
本発明のさらに別の特定の局面では、前記重合体(A)と、前記重合体(B)と、前記重合体(C)と、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を有しない重合体(D)とを別々に用意して混合することにより、室温硬化性組成物を得る。
本発明に係る室温硬化性組成物は、主鎖が本質的にポリアルキレンオキサイドであり、数平均分子量が4000〜30000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり少なくとも平均1個有する重合体(A)と、主鎖が本質的に(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均0.5〜2個有する重合体(B)とを含有しているため、被着体に対する接着性に優れており、かつ耐候性に優れている。本発明に係る室温硬化性組成物は、室温で大気中の湿気と反応しゴム状に硬化することができ、さらに接着性が高められているため、接着が困難な被着体、例えばポリエステル被覆鋼板等に対しても接着可能である。
重合体(B)の重量平均分子量が500〜5000である場合には、接着性がより一層向上する。さらに、室温硬化性組成物の粘性が適度なものとなるため、作業性が良好になる。
重合体(B)が、メチルメタアクリレートを共重合体成分として含有してなるので、接着困難な被着体である例えば、カイナー系フッ素鋼板やポリエステル被覆鋼板に対しても強固に接着可能である。
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であり、重量平均分子量が10000より大きく、100000以下であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均1〜3個有する重合体(C)をさらに含む場合には、耐候性がより一層向上する。
重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を有しない重合体(D)をさらに含む場合には、耐候性がより一層向上するとともに、耐久性も向上する。
本発明で用いられる重合体(A)は、主鎖がポリアルキレンオキサイドであり、数平均分子量が4000〜30000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり少なくとも平均1個有する重合体である。
上記重合体(A)の主鎖は本質的にポリアルキレンオキサイドであり、ポリアルキレンオキサイドとしては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、硬化後の室温硬化性組成物の伸びがよく、粘性的に取り扱いしやすいという点で、ポリプロピレンオキサイドが好適である。
上記重合体(A)の架橋可能な加水分解性シリル基とは、加水分解性基が珪素原子に結合した基であり、珪素原子に結合した加水分解性基としては、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが挙げられる。加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好適である。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができ、また上記加水分解性基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基を挙げることができる。これらの内、メトキシ基、エトキシ基等が好適である。
アルコキシ基が珪素原子に結合した上記アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。重合体(A)は、これらのアルコキシシリル基を単独または2種以上有していてもよい。
上記重合体(A)は、架橋可能な加水分解性シリル基を1分子あたり少なくとも平均1個有する。加水分解性シリル基の数が1個より少ない場合は、硬化不良をおこすことがある。また、上記重合体(A)の分子量は、4000〜30000であり、好ましくは、10000〜30000である。分子量が、4000未満の場合、硬化後の室温硬化性組成物の伸びが充分でなくなり、弾性機能が低下し、30000を超えると重合体(A)の粘度が高すぎて、室温硬化性組成物とする配合工程での作業性が低下する。また、重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)としては、1.6以下のものが作業性と伸びとのバランスに優れているため好ましい。
上記重合体(A)の市販品としては、例えばカネカ社製、商品名MSポリマーとしてMSポリマーS−203、S−303等、サイリルポリマーとして、SAT−200、SAT−350、SAT−400、旭硝子社製エクセスターESS−3620、ESS−2420、ESS2410、ESS3430等が挙げられる。
本発明で用いられる重合体(B)は、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均0.5〜2個有する重合体である。上記重合体(B)は、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとを共重合成分として含有してなる。
上記重合体(B)の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成するモノマーとしては、特に限定されず、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸等の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが挙げられる。
さらに、上記重合体(B)の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成するモノマーとしては、以下に示す化合物1〜20の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを挙げることができる。
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)m
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)m
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
上記重合体(B)は共重合体成分として、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの内、メチルメタアクリレートを含むこと好ましく、メチルメタアクリレートとブチルアクリレートとを含むことがより好ましい。重合体(B)が共重合体成分として、メチルメタアクリレートを含むと、例えば、ポリステル被覆鋼板のようなプラスチック材料に対しても密着性が良好になる。
また、本発明に用いられる重合体(B)を構成するモノマーとしては、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーだけでなく、下記のその他のビニルモノマーを併用してもよい。重合体(B)としては、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと下記のその他のビニルモノマーとが共重合されたものでもよい。
その他のビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
上記重合体(B)の製法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等の各種重合法を用いることができる。モノマーの重合性に応じて適宜の上記重合法を選択すればよい。
上記重合体(B)の架橋可能な加水分解性シリル基としては、重合体(A)と同様の上記加水分解性シリル基が挙げられる。
また、架橋可能な加水分解性シリル基の導入法としては、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法等の重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基を持った(メタ)アクリル酸エステル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)がある。本発明に用いられる重合体(B)を得る際に、架橋可能な加水分解性シリル基を導入する方法としては、主鎖が本質的に(メタ)アクリル酸エステル共重合体である重合体(B)が得られる限り特に限定されず、上述の様な公知の製造技術を用いることができる。
上記重合体(B)における加水分解性シリル基の数は、1分子あたり平均0.5〜2個である。加水分解性シリル基の数が0.5個より少ないと接着力を高める効果が弱くなり、2個より多いと硬化後の室温硬化性組成物が脆くなる。又、重合体(B)の重量平均分子量は、500〜10000であり、好ましくは500〜5000である。分子量が500未満の場合硬化後の室温硬化性組成物が脆くなり、10000を超えると接着力を高める効果が弱くなる。また、分子量が500〜5000の範囲にあるときは、接着性を高めることができるとともに、室温硬化性組成物が適度な粘性を有するため、作業性が良好となるため好ましい。
重合体(B)の配合量は、上記重合体(A)100重量部に対し、1〜70重量部の範囲が好ましい。配合量が、1重量部未満であると接着力を高める効果が低くなることがあり、70重量部を超えると硬化後の皮膜が脆くなることがある。
本発明の室温硬化性樹脂組成物には、上記重合体(A),(B)に加えて、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であり、重量平均分子量が10000より大きく、100000以下であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均1〜3個有する重合体(C)をさらに含有させる。本発明の室温硬化性樹脂組成物重合体(C)を含むので、耐候性をより一層高めることができる。
重合体(C)としては、上述した重合体(B)の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成するモノマーを重合または共重合させて得ることができる。重合体(C)の架橋可能な加水分解性シリル基としては、重合体(A)と同様の上記加水分解性シリル基が挙げられる。
重合体(C)の製法および架橋可能な加水分解性シリル基の導入法としては、上記重合体(B)と同様の製法、および上記重合体(B)を得る際の加水分解性シリル基の導入法と同様の方法を用いることができる。
上記重合体(C)における加水分解性シリル基の数は、1分子あたり平均1〜3個である。加水分解性シリル基の数が1個より少ないと耐候性向上効果を十分に得られないことがあり、3個より多いと硬化後の室温硬化性組成物が脆くなる。また、重合体(C)の重量平均分子量は、10000より大きく、100000以下である。分子量が10000以下であると硬化後の室温硬化性組成物が脆くなることがあり、100000を超えると粘性が高くなり作業性に劣ることがある。
重合体(C)の配合量は、上記重合体(A)100重量部に対し、5〜200重量部の範囲が好ましい。配合量が、5重量部未満であると耐候性向上効果を十分に得られないことがあり、200重量部を超えると粘性が高くなり作業性に劣ることがある。
本発明の室温硬化性樹脂組成物には、上記重合体(A),(B)に加えて、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を有しない重合体(D)をさらに含有させることが好ましい。本発明の室温硬化性樹脂組成物が重合体(D)を含む場合には、耐性をより一層高めるとともに、耐久性を高めることができる。
重合体(D)としては、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を有しない重合体であれば特に限定されず、例えば、ブチルアクリレートやエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のモノ重合体や共重合体が挙げられる。重合体(D)の具体的な商品としては、東亜合成社製のアルフォンUP−1000やP−1110等が挙げられる。
重合体(D)の製法としては、上記重合体(B)と同様の製法を用いることができる。
上記重合体(D)の重量平均分子量は、500〜10000である。分子量が500未満であるとブリードし易くなり塗料汚染の問題が生じることがあり、10000を超えると粘性が高くなり作業性に劣ることがある。
重合体(D)の配合量は、上記重合体(A)100重量部に対し、5〜100重量部の範囲が好ましい。配合量が、5重量部未満であると耐候性向上効果を十分に得られないことがあり、100重量部を超えると硬化後の室温硬化性組成物が柔らかくなり、被膜タックが多くなることがある。
本発明の室温硬化性組成物には、更にモジュラスを調整するために、数平均分子量500〜30000のポリエーテルや上記重合体(B)とは異なる数平均分子量500〜30000の(メタ)アクリル酸エステル共重合体が必要に応じて添加されていても良い。特に、上記重合体(B)とは異なる上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体を添加すると、耐候性をより一層向上させることができる。
本発明の室温硬化性組成物には、さらに、以下の添加剤が添加されていても良い。各種添加剤が添加された室温硬化性組成物は、シーリング剤等としても用いられる。
上記添加剤の例としては、1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記添加剤の他の例としては、シラノール縮合触媒が挙げられる。具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレートビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル酸オキサイド等の錫化合物、アルコキシシリル基を有する錫化合物(例えば、日東化成製U−303、U−700)、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン類や、他の酸性触媒及び塩基性触媒が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記添加剤のさらに他の例としては、脱水剤が挙げられる。具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシラン化合物類、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等の加水分解性エステル化合物類が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記添加剤のさらに他の例としては、各種の充填材が挙げられる。具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、ガラスバルーン等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記添加物のさらに他の例として、タレ防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、水添ひまし油、脂肪酸ビスアマイド、ヒュームドシリカ等のタレ防止剤を添加してもよい。
更に本発明の組成物には、必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤、香料等を添加することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(使用材料)
・重合体(A):MS S−303(主鎖がポリプロピレンオキサイド、Mn:8000、カネカ社製ポリマー)
・重合体(B):重合体X(主鎖がブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体であるBA/MMA共重合体、Mw:3200、トリメトキシシリル基が1分子当たり平均0.9個、東亜合成社製)
・重合体(C):重合体Y(ブチルアクリレート重合体であるBA重合体、Mw:20000、トリメトキシシリル基が1分子当たり平均1.5個
・重合体(D):アルフォンUP−1110(アクリル樹脂、Mw:2500、東亜合成社製)
・コロイダル炭酸カルシウム(平均粒径0.07μm、白石工業社製)
・サノールLS770:ヒンダードアミン(三共製薬社製)
・チヌビン327:ベンゾトリアゾール(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・CR97:酸化チタン(石原産業社製)
・ジオール3000:ポリプロピレングリコール(Mn:3000、三井化学社製)
・ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
・3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
・ネオスタンU−700(日東化成社製)
(室温硬化性組成物の調製)
外部から湿気が入らないように密封された混合攪拌機に、表1に示した各配合組成に従って各材料を投入し、減圧下で均一に混合して室温硬化性組成物を得た。
尚、炭酸カルシウム及び酸化チタンについては予め110℃で減圧処理されたものを使用した。
(接着性評価)
上記調製で得られた室温硬化性組成物を、被着体であるポリエステル被覆アルミ板(ペシネ社製)に塗布し、試験片を作成した。しかる後、JIS A 1415に準拠してH型試験を行い、試験片の最大応力、最大応力時伸び、破壊形態について評価した。結果を表1に示した。
(耐性評価)
上記調製で得られた室温硬化性組成物を、被着体であるアルマイト処理アルミに塗布し、I型試験片を作成した。しかる後、JIS A 1439に準拠して、I型試験片における伸びの変化を評価した。照射条件としては、100mW/mのスーパーUV照射を連続して行った。照射が終了した後、23℃、55%の恒温室に、I型試験片を24時間以上静置し評価した。結果を表1に示した。
Figure 0004808430

Claims (2)

  1. 主鎖がポリアルキレンオキサイドであり、数平均分子量が4000〜30000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり少なくとも平均1個有する重合体(A)と、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとを共重合成分として含有してなり、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均0.5〜2個有する重合体(B)と、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であり、重量平均分子量が10000より大きく、100000以下であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を1分子当たり平均1〜3個有する重合体(C)とを別々に用意して混合することにより、室温硬化性組成物を得る、室温硬化性組成物の製造方法。
  2. 記重合体(A)と、前記重合体(B)と、前記重合体(C)と、重量平均分子量が500〜10000であり、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を有しない重合体(D)とを別々に用意して混合することにより、室温硬化性組成物を得る、請求項に記載の室温硬化性組成物の製造方法。
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