JP2006096887A - 硬化性組成物 - Google Patents

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弘司 福井
Yoriko Shimomura
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Abstract

【課題】
架橋可能な加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体と、該アクリル系重合体を硬化させる硬化剤とからなる硬化性組成物であって、貯蔵安定性が優れ、アルミニウム等の金属に対する接着性に優れた硬化性組成物、及び該硬化性組成物を含有する接着剤、シーリング剤の提供。
【解決手段】
架橋可能な加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a)、リン酸基を有するメタアクリル酸エステル系重合体(b)及び硬化触媒をを含有してなる硬化性組成物。
また、架橋可能な加水分解性シリル基とリン酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(c)及び硬化触媒をを含有してなる硬化性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性組成物、該硬化性組成物を用いた接着剤、及びシーリング剤に関し、特に、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するメタアクリル酸エステル系重合体を用いた硬化性組成物であって、貯蔵安定性に優れ、かつ接着作業性に優れた硬化性組成物に関する。
従来、アルコキシシリル基のような加水分解性シリル基を有する化合物と、該化合物を硬化させる架橋剤とからなる硬化組成物が種々提案されている(例えば、下記の特許文献1、特許文献2など)。
加水分解性シリル基を有する化合物のシリル基を加水分解・脱水縮合し、架橋させる架橋剤は、空気中の湿気による架橋反応を触媒作用させるものである。このような架橋剤として、上記特許文献1,2には、有機錫や有機チタンのような有機金属触媒、あるいは酸もしくは塩基が記載されている。
上記加水分解性シリル基を有する化合物を湿気により架橋することにより得られた硬化物は、柔軟性に優れている。従って、上記硬化性組成物は、歪みを吸収しなければならない接合箇所や歪みの履歴を受ける接合箇所、あるいは耐衝撃性または耐クリープ性が要求される接合箇所に接着剤として頻繁に利用されている。また、同様の応力を受けるシーリング箇所にも、上記硬化性組成物はシーリング材として多用されている。
特開昭56−67366号公報 特開昭57−155250号公報
上述した加水分解性シリル基を有する化合物を用いた硬化性組成物は、実質的に空気中の湿気により架橋し、粘度が上昇したり、硬化しする。そのため、該硬化性組成物は、貯蔵時には湿気を遮断するように貯蔵されねばならない。ところが、空気中の湿気を目視により確認することは困難である。また、湿気を遮断する必要があるため、上記硬化性組成物は、気密容器などを用いて保管しなければならなかった。
従って、上記硬化性組成物からなる接着剤やシーリング材は、現場での施工用として利用されることが多かった。すなわち、上記硬化性組成物を用いた接着剤やシーリング材を、長時間開放されている生産ラインなどで用いることは困難であった。
さらに、上記硬化性組成物は、アルミニウム等の金属に対する接着性が十分ではなかった。
本発明の目的は、架橋可能な加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、該メタアクリル酸エステル系重合体を硬化させる硬化剤とからなる硬化性組成物であって、貯蔵安定性が優れ、アルミニウム等の金属に対する接着性に優れた硬化性組成物、及び該硬化性組成物を含有する接着剤、シーリング剤を提供することにある。
請求項1記載の発明は、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体(a)、リン酸基を有するアクリル系重合体(b)及び硬化触媒をを含有してな硬化性組成物である。
請求項2記載の発明は、架橋可能な加水分解性シリル基とリン酸基を含有するアクリル系重合体(c)及び硬化触媒をを含有してなる硬化性組成物である。
請求項3記載の発明は、架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(d)がさらに添加されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
請求項4記載の発明は、層状珪酸塩がさらに添加されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
請求項5記載の発明は、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体が、有機過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により得られた重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物である。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物からなるシーリング材である。
請求項7記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物からなる接着剤である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(架橋可能な加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体(a))
本発明で用いられる加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性シリル基を少なくとも1個有するアクリル系重合体であり、このシロキサン結合は、例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成される。
珪素原子に結合した加水分解性基とは、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが好ましい例として挙げられる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらは単独または2種以上併用してもよい。
上記加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、メトキシシリル基やエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が好ましく用いられる。
本発明において、上記加水分解性シリル基が導入されるアクリル系重合体を構成するモノマーとしては、特に限定されるわけではないが、(メタ)アクリル酸エステルが用いられ、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2ーブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシー3ーメチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3ーフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
等を挙げることができる。
上記アクリル系重合体(a)には、(メタ)アクリル酸エステル以外に、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なその他のビニルモノマーが共重合されていてもよい。
上記その他のビニルモノマーとして、例えば、スチレン、インデン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
また、架橋可能な加水分解性シリル基の導入法としては、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法による重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基の持ったビニル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)がある。本発明を構成する(メタ)アクリル酸エステル系系重合体(a1)の製造方法は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(a1)が得られる限り何等問題なく、上述の様な公知の製造技術を用いることができる。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等が挙げられる。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する共重合性モノマーとしては、例えば、N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、等の重合性不飽和基を有するアルコキシシラン等を挙げることができる。
上記加水分解性シリル基を導入するための連鎖移動剤や共重合性モノマーの配合量は、(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5重量部である。
上記アクリル系重合体(a)の分子量は、好ましくは15000〜80000で、さらに好ましくは20000〜50000である。分子量が10000未満の場合は歪追従性が低下し、80000を超えた場合は作業性が著しく低下する。
(酸性リン酸基を有するアクリル系重合体(b))
本発明で用いられる酸性リン酸基を有するアクリル系重合体(b)は、酸性リン酸基を有するアクリル系重合体である限り、特に制限されるものではない。
上記アクリル系重合体(b)を得るにあたって用いられる酸性リン酸基含有モノマーとしては、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルP−1M)、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルP−2M)、あるいは他の市販のモノマーとして、日本化薬社製、KAYAMER PM−2、KAYAMER PM−21などが挙げられる。
上記アクリル系重合体(b)を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル系重合体(a)に用いられる(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。さらにアクリル系重合体(a)に用いられるその他共重合性モノマーが用いられても良い。
上記アクリル系重合体(b)の酸性リン酸基当量(ポリスチレン換算の重合体数平均分子量/酸性リン酸基の個数)は、500〜50000の範囲が好ましい。500未満の場合には、リン酸基による極性が極めて高くなり、ビニル系重合体(a)との相溶性が著しく低下することがある。また、酸性リン酸基当量が50000を超えると、リン酸基の数が著しく少なくなるため、速やかに硬化しないことがある。より好ましくは、酸性リン酸基当量は1000〜30000の範囲である。
上記アクリル系重合体(b)の分子量は、好ましくは2000〜10000で、さらに好ましくは3000〜8000である。分子量が2000未満の場合は分子量の安定したポリマーを得るのが困難であり、8000を超えた場合は粘度低下への寄与が低下する。
本発明に係る硬化性組成物において、アクリル系重合体(a)と、アクリル系重合体(b)との割合は、アクリル系重合体(a)100重量部に対し、アクリル系重合体(b)は、1〜30重量部であるのが好ましい。1重量部未満では、もはや硬化しなくなることがあり、30重量部を超えると、著しく硬化が早くなり、混合する前に硬化してしまう場合がある。より好ましくは、5〜20重量部である。
本発明で用いられる、架橋可能な加水分解性シリル基と酸性リン酸基を含有するアクリル系重合体(c)は、アクリル系重合体(a)を重合せしめる際に、上記酸性リン酸基を有するモノマーを共重合させることによりアクリル系重合体(c)を得ることが出来る。アクリル系重合体(c)に加水分解性シリル基を導入するための連鎖移動剤や共重合性モノマーの配合量は、(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5重量部である。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(c)の酸性リン酸基当量(ポリスチレン換算の重合体数平均分子量/酸性リン酸基の個数)は、500〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは、1000〜30000の範囲である。
上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(c)の分子量は、好ましくは15000〜80000で、さらに好ましくは20000〜50000である。分子量が10000未満の場合は歪追従性が低下し、80000を超えた場合は作業性が著しく低下する。
上記アクリル系重合体(a)、(b)、(c)の製法は、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等を用いることができる。上記方法の内フリーラジカル重合法は、製造が容易で経済的にも有利であり、さらに、過酸化物を重合開始剤として用いた場合は、アゾ系化合物を用いて場合に比べて、硬化物の黄変を抑制することができるため特に好ましい。
上記重合開始剤としての過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類などが挙げられる。
上記重合開始剤としての過酸化物は、1種のみが用いられてもよく、複数種併用されてもよい。さらに、上記過酸化物は、一度に添加されてもよく、複数回に渡って逐次添加されてもよい。
(架橋可能な加水分解性のシリル基を有するポリエーテル系重合体(d))
本発明においては、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するポリエーテル系重合体(d)が添加せしめることにより、硬化物の耐水性を高めたり、シーリング材を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。
上記ポリエーテル系重合体(d)を添加せしめる場合、その添加量はは、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の総量100重量部に対し、ポリエーテル系重合体(d)0.1〜200重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
ポリエーテル系重合体(d)の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、200重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれ程高くならないからである。
ポリエーテル系重合体(d)とは、主鎖が本質的にポリエーテル系重合体であり、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有するポリエーテル系重合体(d)であって、主鎖が本質的に、一般式〔−(R−O)n−、式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。〕で表される化学的に結合された繰り返し単位を含み、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体をさす。またポリエーテル系重合体(d)は、主鎖が本質的にポリエーテルと(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体であってもよい。
上記ポリエーテル系重合体(d)は、例えば、末端にアリル基を有するポリアルキレンオキサイドをVIII族遷移金属の存在化で下式(1)により表されるヒドロシラン化合物を反応させることによって合成される。

3−a H・・・・(1)
(式中Rは1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基から選択される基、aは0、1または2の整数、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選択される原子または基を意味する。) 上記ポリエーテル系重合体(c)の主鎖であるポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、室温硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
上記架橋可能な加水分解性シリル基としては、メタアクリル酸エステル系重合体(a)に用いられるのと同様な加水分解性シリル基が挙げられる。
ポリエーテル系重合体(d)の数平均分子量が小さくなると、硬化物の伸びが十分でなくなり、目地面に対する追従性が低下し、大きくなると硬化前の粘度が高くなり、配合工程の作業性が悪くなる。従って、好ましくは、数平均分子量は、4000〜30000であり、さらに好ましくは10000〜30000であり、かつ分子量分布は1.6以下が望ましい。
上記ポリエーテル系重合体(d)としては、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
本発明に用いられる硬化触媒としては、例えば、有機金属化合物を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物として、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることが出来る。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、これらは単独または2種以上を併用して使用することが出来る。
(その他の添加物)
上記粘度調整剤としては、例えば、アクリル系重合体(a)、(b)、(c)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれ、配合される化合物から適宜選択される。例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等を挙げることができる。また、これら共重合体、官能基変成体を挙げることができし、これらを適宜組み合わせてもよい。
上記チキソトロープ剤としては、組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、アクリル系重合体(a)、(b)、(c)と親和性の高い表面を有することが望ましい。
上記引っ張り特性等を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
上記増量剤としては、本発明に係る組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
上記可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
(紫外線吸収剤及び光安定剤)
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記紫外線吸収剤を配合する場合には、上記有機重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及び/または変性ポリサルファイド樹脂からなるベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じる。
上記光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果を発揮する。上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下、光安定剤)の中でも、下記一般式(A)で示される構造を有する基を分子中に有するものが好ましい。このようヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
Figure 2006096887
上記光安定剤の添加量は、上記有機重合体100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部である。添加量が0.1重量部よりも少ないと、耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると着色の問題が生じ、シーリング材としての外観を損なうことがある。
(接着剤及びシーリング材としての応用)
本発明に係る硬化性組成物は、接着剤またはシーリング材として好適に用いられる。
本発明に係る硬化性組成物は、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体(a)と、酸性リン酸基を有するアクリル系重合体(b)を含有してなるので、室温で速やかに架橋し、得られた硬化物が柔軟性に優れている。従って、本発明に係る硬化性組成物は、応力や歪みを受ける部分に用いるのに適した接着剤やシーリング材として好適に用いられる。
また、本発明に係る硬化性組成物は、架橋可能な加水分解性シリル基と酸性リン酸基を有するビニル系重合体(c)を含有してなるので室温で速やかに架橋し、得られた硬化物が柔軟性に優れている。従って、本発明に係る硬化性組成物は、応力や歪みを受ける部分に用いるのに適した接着剤やシーリング材として好適に用いられる。
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(加水分解性シリル基含有アクリル系重合体(A1)の調製)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBM−803)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.1g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させた。
(リン酸基を含有するアクリル系重合体(B)の調製)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)60g、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート(MR−260、大八化学社製)40g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させた。
(加水分解性シリル基と酸性リン酸基を含有するアクリル系重合体(A3)の調製)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)90g、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート(MR−260、大八化学社製)10g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学社製)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学社製)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.1g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させた。
(官能基を有しないアクリル系重合体(D)の調整)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させた。
(カルボキシル基含有アクリル系重合体(E)の調整)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)95g、アクリル酸(和光純薬社製)5g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させた。
(加水分解性シリル基含有アクリル系重合体(A2)の調整)
環流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに臭化第一銅(6.26g、156mmol)、アセトニトリル(50mL)、及び、ペンタメチルジエチレントリアミン(9.1mL)を仕込み、窒素ガスで置換を行った。n−ブチルアクリレート(447g、3.9mol)及び、ジエチル25ジブロモアジペート(15.7g、43.6mol)を添加し、70℃で7時間加熱攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナで処理をした後に、揮発分を減圧除去して末端にハロゲンを有するポリブチルアクリレート350gを得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)で10700、分子量分布は1.15であった。
次に、環流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに、上記で得られたポリブチルアクリレート(350g)、4−ペンテン酸のカリウム塩(22.3g、161mmol)、及び、ジメチルアセトアミド(350mL)を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させた。混合物を酢酸エチルで希釈し、2%塩酸、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧除去することにより重合体を単離した。次に重合体と等量の珪酸アルミニウム(キョーワード700PEL、協和化学社製)を添加して100℃で4時間攪拌し、末端にアルケニル基を有するポリブチルアクリレートを得た。1分子あたりに導入されたアルケニル基は、1H−NMR分析により1.82個であった。
次に、200mLの耐圧ガラス容器に、上記重合体(150g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(18ml、145mol)、オルトぎ酸ジメチル(2,6mL、24.2mmol)、及び、白金触媒を仕込んだ。但し白金触媒の量は、重合体のアルケニル基に対して2×10−4モル等量とした。反応混合物を100℃で4時間加熱した。混合物から揮発分を減圧除去することにより、末端にシリル基を有するポリブチルアクリレートを得た。1分子あたりに導入されたシリル基は1H−NMR分析により1.46個であった。
(実施例1)
上記で得られたアクリル酸エステル系重合体(A2)の酢酸エチル溶液160g、アクリル酸エステル系重合体(D)40gとを混合後、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、粘調な液状の組成物を得た。
上記の組成物に、ホワイトンP−30(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)70g、ビスコライトU(脂肪酸処理炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)30g、KBM−603(アミノシラン、信越化学社製)3g、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後10分間減圧脱泡し白色ペースト状の硬化性組成物を得た。
(実施例2〜12、比較例1、2)
各成分の組成を表1、2、3に示すように変更する以外は、実施例と同様にして硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物について下記の方法で、加熱安定性試験、引っ張り試験、アルミに対する接着性試験を行った。結果を表1、2、3に示した。
(加熱安定性試験)
得られた硬化性組成物について、レオメーター(DAR−200粘弾性装置、REOLOGICA社製)を用いて、105℃、3時間、周波数1.0Hz、歪み一定、時間掃引で粘度測定を行い、下式により加熱増粘率を求めて熱安定性を評価した。
加熱増粘率(%)=(3時間後の粘度)/(0時間の粘度)×100
(引っ張り試験)
硬化促進剤の添加量が表1、2、3に示した組成になるように、上記硬化性組成物に硬化促進剤(ジブチル錫ジラウレート、和光純薬社製)を加え、ポリエチレン板上に、厚さが2.5mmになるように塗工し、20℃、50%RHの環境下で7日間養生してゴム状のシートを得た。
得られたゴム状シートを用いてJIS K 6301に準じて、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と50%モジュラスを求めた。
(Al接着性試験)
引っ張り試験に用いた硬化性組成物を用いて、
Al板(12mm幅×50mm長×4mm厚)2枚の間に、引っ張り試験に用いた硬化性組成物を厚さ10mmで充填し、20℃、50%RHの環境下で14日間養生して試験片を作製した。クロスヘッドスピード50mm/分で引き剥がし接着強度を測定した。
Figure 2006096887
Figure 2006096887
Figure 2006096887

Claims (7)

  1. 架橋可能な加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体(a)、リン酸基を有するアクリル系重合体(b)及び硬化触媒をを含有してなることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 架橋可能な加水分解性シリル基とリン酸基を含有するアクリル系重合体(c)及び硬化触媒をを含有してなることを特徴とする硬化性組成物。
  3. 架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(d)がさらに添加されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 層状珪酸塩がさらに添加されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体が、有機過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により得られた重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とするシーリング材。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。

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