JP2004156006A - 硬化性組成物 - Google Patents

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弘司 福井
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Abstract

【課題】周囲の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与え、さらに該硬化物の伸び特性が優れている硬化性組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸、樹脂酸、及びカルボキシル基を有するビニル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)とからなり、必要に応じて、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体及び/または層状珪酸塩を含み、周囲の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与える硬化性組成物、並びに該硬化性組成物からなるシーリング材及び接着剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雰囲気の湿気により架橋して、弾性を有しかつ耐久性に優れた硬化物を与える硬化性組成物に関し、例えば、シーリング材、接着剤、塗料、コーティング材、シーラント、プライマーなどに好適な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル重合体を主成分とする硬化性組成物が種々提案されている。(例えば、下記特許文献1〜3など)。これらの硬化性組成物は、雰囲気の湿気により架橋し、耐久性、耐候性、透明性及び接着性に優れた硬化物を与える。そのため、上記硬化性組成物は、塗料、コーティング剤、接着剤、感圧接着剤、シーラント及びシーリング材などの様々な用途に用いられている。
【0003】
上記硬化性組成物を、シーリング材などに用いる場合には、硬化物がゴム状でり、かつ十分な伸びを有することが求められる場合がある。
しかし、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体の硬化物はゴム状であるものの、硬化物の伸びには限界があり、より一層十分な伸びを発現させることは困難であった。
【0004】
他方、下記特許文献4には、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体に、脂肪酸で処理された炭酸カルシウムが配合されている硬化性組成物が開示されており、ここでは、脂肪酸で処理された炭酸カルシウムの配合により、硬化物の伸びが高められるとされている。しかしながら、この先行技術に記載の硬化性組成物においても、硬化物の伸びには限界があった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−179210号公報
【特許文献2】
特開平4−202585号公報
【特許文献3】
特開平11−43512号公報
【特許文献4】
特開昭57−179210号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体を用いた従来の硬化性組成物では、硬化物の伸びに限界があり、硬化物がより一層の伸びを発現する室温硬化性組成物が強く求められている。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、雰囲気中の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与え、さらに該硬化物の伸び特性に優れた硬化性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る硬化性組成物は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸、樹脂酸、及びカルボキシル基を有するビニル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)とからなることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有する上記有機重合体(a)として、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a1)が用いられる。
【0010】
本発明に係る硬化性組成物では、上記ビニル系重合体(a1)に加えて、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(c)がさらに配合されていてもよい。
【0011】
本発明の硬化性組成物では、好ましくは、上記ビニル系重合体(a1)100重量部またはビニル系重合体(a1)及びポリエーテル系重合体(c)の合計100重量部に対し、上記処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)が10〜250重量部の割合で配合され、さらに好ましくは10〜100重量部配合される。
【0012】
本発明に係る硬化性組成物では、好ましくは、層状珪酸塩がさらに配合される。
また、本発明においては、好ましくは、上記少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a1)は、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により合成されたものである。
【0013】
本発明のシーリング材及び接着剤は、それぞれ、本発明に係る硬化性組成物からなることを特徴とする。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0014】
(有機重合体(a))
本発明で用いられる有機重合体は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性シリル基を少なくとも1個有し、このシロキサン結合は例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成される。
【0015】
珪素原子に結合した加水分解性基とは、例えば、水素、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが好ましい例として挙げられる。
【0016】
上記加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、メトキシシリル基やエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が好ましく用いられる。
【0017】
上記シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基、すなわち架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体の主鎖は特に限定されず、ビニル系重合体(a1)、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリオレフィン系重合体などが挙げられ、好ましくは、ビニル系重合体及び/またはポリエーテル系重合体からなる。すなわち、主鎖がポリエーテル系重合体部分及びビニル系重合体部分の双方を有していてもよい。
【0018】
本発明で用いられる上記ビニル系重合体(a1)は、主鎖が本質的にビニル系重合体からなり、架橋可能な加水分解性シリル基を有する限り特に制限されるものではない。架橋可能な加水分解性シリル基は、ケイ素の1〜3個のアルコキシ基が結合した官能基、すなわちアルコキシシリル基であることが好ましい。
【0019】
上記アルコキシシリル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジメトキシシリル基;メトキシジメトキシシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらを複数個組み合わせて用いてもよし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
【0020】
上記ビニル系重合体を構成しているビニル重合体部分としては、ビニルモノマーを重合して得られる重合体であれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル等を挙げることができる。また、これらビニル重合体部分を有する共重合体であっても良い。好適には、凝集力や接着性とのバランスの良い数平均分子量8000以上のポリ(メタ)アクリレートやその共重合体が良い。ここで、(メタ)アクリルとはメタクリルとアクリルをまとめて示した表現である。
【0021】
ポリ(メタ)アクリレートやその共重合体を得るためのモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
【0022】
[化合物1]
Figure 2004156006
[化合物2]
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[化合物3]
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[化合物4]
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[化合物5]
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[化合物6]
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[化合物7]
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[化合物8]
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[化合物9]
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[化合物10]
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[化合物11]
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[化合物12]
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[化合物13]
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[化合物14]
Figure 2004156006
[化合物15]
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[化合物16]
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[化合物17]
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[化合物18]
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[化合物19]
Figure 2004156006
[化合物20]
Figure 2004156006
等を挙げることができる。
【0023】
その他のビニルモノマーとして、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
【0024】
ビニル重合体の製法は、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等を用いることができ、かつモノマーの重合性反応に応じて適宜重合法を選択すればよい。
【0025】
また、架橋可能な加水分解性シリル基の導入法としては、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法による重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基の持ったビニル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)がある。本発明を構成するビニル系重合体(a1)の製造方法は、ビニル系重合体(a1)が得られる限り何等問題なく、上述の様な公知の製造技術を用いることができる。
【0026】
もっとも、望ましくは、上記ビニル系重合体(a1)としては、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により合成されたものがアゾ化合物を用いた場合に比べて黄変を抑制し得るため好ましく用いられる。過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。なお、過酸化物は、1種のみが用いられてもよく、複数種併用されてもよい。さらに、過酸化物は、複数回にわたって逐次添加されてもよい。
【0027】
架橋可能な加水分解性シリル基を導入する為の、連鎖移動剤や共重合性モノマーとしては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、等の連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシラン;N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、等の重合性不飽和基を有するアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
上記架橋可能な加水分解性シリル基を導入するための連鎖移動剤や共重合性モノマーの配合量は、ビニル系重合性モノマー100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
【0029】
(炭酸カルシウム(b))
本発明において用いられる上記炭酸カルシウム(b)は、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸、樹脂酸及びカルボキシル基を有するビニル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の処理剤で処理された炭酸カルシウムであれば何ら限定されるものではない。炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム及び軽質炭酸カルシウムのいずれをも用いることができる。
【0030】
重合性不飽和基を有する有機カルボン酸とは、1分子中に重合性不飽和基と有機カルボン酸とを併せもつ化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸、不飽和脂肪酸、マレイン酸、桂皮酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチルフタル酸などを挙げることができる。
【0031】
上記樹脂酸とは、松ヤニに含まれる物質であり、一般的に樹脂酸が精製された物質は、ロジンと称されている。このロジンは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、ヒドロアビエチン酸、ピマル酸及びデキストロピマル酸を主成分とする。
【0032】
上記樹脂酸で処理された炭酸カルシウムとしては、例えば、白石工業社製、商品名:白艷華DD、白艷華O、白艷華AA、白艷華TDD、白石工業社製、ホモカルD、ホモカルDM、白石工業社製、Unifant−15などが挙げられる。
【0033】
上記カルボキシル基を持つビニル重合体とは、少なくともカルボキシル基を有するビニル重合体であって、カルボキシル基の重合体への置換位置は、重合体末端に位置していても良いし、ポリマーの側鎖に位置していても良い。また、重合体末端と側鎖の両方に位置していても何等問題ない。
【0034】
また、上記カルボキシル基を有するビニル重合体は、アルコキシシリル基をカルボキシル基に替える事により、上記ビニル系重合体(a1)を得るのと同様の方法により得ることが出来る。下記のようなカルボキシル基を持つビニルモノマーと上記ビニル系重合体(a1)を得るに際し用いた上記例示のモノマーとを共重合させて得ることもでき、また、チオグリコール酸の様なカルボキシル基を持つ連鎖移動剤の共存下でビニル系モノマーを重合させても良く、さらに、カルボキシル基を持つ開始剤を用いて重合を開始しても良い。また、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
カルボキシル基を持つビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシイソプロピルフタル酸、2−メタクリロイルオキシイソプロピルフタル酸等を挙げることができる。
【0036】
上記処理剤で炭酸カルシウムを処理する方法としては、処理剤で炭酸カルシウム表面を処理し得る限り特に限定されない。例えば、処理剤に炭酸カルシウムを分散させ、しかる後、処理剤を除去することにより行われる。
【0037】
上記処理剤で炭酸カルシウムを処理することにより、炭酸カルシウム表面において炭酸カルシウムのCaと上記有機カルボン酸、樹脂酸及び/または上記ビニル系重合体とが結合する。他方、重合性不飽和基または上記カルボキシル基が炭酸カルシウム表面に存在することとなり、該重合性不飽和基または上記カルボキシル基が上記有機重合体(a)あるいは、上記ビニル系重合体(a1)及び必要に応じて添加される後述のポリエーテル系重合体(c)の硬化物との結合を形成する。そのため、硬化物であるベース樹脂と炭酸カルシウム(b)との界面の結合力が高められ、ゴム状の硬化物において弾性限界が高められ、硬化物の伸びを大きくすることができる。
【0038】
上記炭酸カルシウム(b)の配合割合は、好ましくは、上記有機重合体(a)100重量部、またはビニル系重合体(a1)と、ポリエーテル系重合体(c)との合計100重量部に対し、10〜200重量部である。
【0039】
炭酸カルシウム(b)の配合割合が10重量部未満の場合には、硬化物の伸びを改善する効果が十分に得られないことがあり、200重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が著しく高くなり、塗工性が低下することがある。より好ましくは、有機重合体(a)100重量部またはビニル系重合体(a1)及びポリエーテル系重合体(c)の合計100重量部に対し、化合物(b)は50〜170重量部の割合で配合される。
【0040】
(少なくとも架橋可能な加水分解性のシリル基を有するポリエーテル系重合体(c))
ポリエーテル系重合体(c)を添加することにより、硬化物の耐水性を高めたり、シーリング材を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。
【0041】
ビニル系重合体(a1)及びポリエーテル系重合体(c)を併用する場合、その配合割合は、ビニル系重合体(a1)100重量部に対し、ポリエーテル系重合体(c)0.1〜250重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
【0042】
ポリエーテル系重合体(c)の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、250重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれ程高くならないからである。
【0043】
ポリエーテル系重合体(c)とは、主鎖が本質的にポリエーテル系重合体であり、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体(c)であって、主鎖が本質的に、一般式〔−(R−O)−、式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。〕で表される化学的に結合された繰り返し単位を含み、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体をさす。
【0044】
また、ポリエーテル系重合体(c)は、主鎖がポリエーテルと(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体であってもよい。
上記重合体(c)は、例えば、末端にアリル基を有するポリアルキレンオキサイドをVIII族遷移金属の存在化で下記化学式(1)により表されるヒドロシラン化合物を反応させることによって合成される。
【0045】
【化1】
Figure 2004156006
【0046】
(式中Rは1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基から選択される基、aは0、1または2の整数、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選択される原子または基を意味する。)
上記重合体(c)の主鎖であるポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、室温硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
【0047】
上記架橋可能な加水分解性シリル基としては、反応後有害な副生成物を生成しない物が好ましく、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基が挙げられる。
【0048】
ポリエーテル系重合体(c)の数平均分子量が小さくなると、硬化物の伸びが十分でなくなり、目地面に対する追従性が低下し、大きくなると硬化前の粘度が高くなり、配合工程の作業性が悪くなる。従って、好ましくは、数平均分子量は、4000〜100000であり、さらに好ましくは10000〜30000であり、かつ分子量分布は1.6以下が望ましい。
【0049】
上記ポリエーテル系重合体(c)としては、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
【0050】
(層状珪酸塩)
本発明で好ましくは用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。中でも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらの1種または2種以上を用い得る。
【0051】
上記層状珪酸塩としては、下記式により定義される形状異方性効果が大きいスメクタイト類や膨潤性マイカを用いることが、硬化性組成物の機械強度向上やガスバリヤ性向上の点からより好ましい。なお、層状珪酸塩の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を図1に模式的に示す。
【0052】
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶端面(B)の面積
【0053】
図2に示すように、上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に捕捉(インターカレート)することができる。
【0054】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100gであるのが好ましい。50ミリ等量/100g未満であると、イオン交換により結晶層間に捕捉(インターカレート)できるカチオン性界面活性剤の量が少なくなるので、層間が十分に非極性化されないことがある。一方、200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、層状珪酸塩の各層を構成している結晶薄片間の距離を増大し難くなることがある。
【0055】
上記層状珪酸塩は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部配合され、さらに好ましくは0.5〜50重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。0.1重量部未満では硬化物の耐候性向上や難燃化などの作用が発現され難く、10重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が高くなり作業性、生産性が低下することがある。
【0056】
なお、ベース樹脂とは、上記有機重合体(a)、あるいは上記ビニル系重合体(a1)と必要に応じて添加されるポリエーテル系重合体(c)の合計である。
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
【0057】
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折測定法により算出できるものである。3nm以上に層間が開裂し、5層以下で存在しているものを含んで分散している状態は、層状珪酸塩の積層体の一部または全てが分散していることを意味しており、層間の相互作用が弱まっていることによる。
【0058】
さらに、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であると、難燃性、機械物性、耐熱性等の機能発現に特に有利である。平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の樹脂中での分散状態が剥離安定化の方向に進行する。すなわち、層状珪酸塩が1枚づつ薄片状に乖離した状態で硬化性組成物中に安定化されて存在することとなる。
【0059】
層状珪酸塩の分散状態としては、ベースとなる樹脂中において層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散していることが好ましい。より具体的には、層状珪酸塩の10重量%以上が5層以下で存在している状態に分散されていることが好ましく、より好ましくは、層状珪酸塩の20重量%以上が5層以下の状態で存在していることが望ましい。さらに、分散している薄片状結晶の積層数が5層以下であれば、層状珪酸塩の添加による効果が良好に得られるが、3層以下であればより好ましく、単層状に分散していることがさらに望ましい。
【0060】
本発明の層状珪酸塩は、4級アンモニウム塩で処理されてなる層状珪酸塩であることが好ましい。4級アンモニウム塩で処理することにより、層状珪酸塩の上記ベース樹脂中への分散性を向上させることができるからである。また、4級アンモニウム塩は上記ポリエーテル系重合体の架橋反応に対する触媒作用があることが知られており、層状珪酸塩と共に上記ベース樹脂中に分散することにより分散性の向上と共に硬化速度を促進させることも可能となる。
【0061】
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記の中でも、良好な分散性が得られることから、炭素数6以上のアルキル鎖またはポリオキシアルキレン鎖を有する4級アルキルアンモニウムイオン塩が好ましい。
【0062】
層状珪酸塩の分散には各種攪拌機を用いることができるが、分散しにくい場合には3本ロール等の高剪断がかかる装置を用いて分散を行うと所望の分散状態を得やすい場合がある。
【0063】
(紫外線吸収剤及び光安定剤)
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
【0064】
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記紫外線吸収剤を配合する場合には、上記有機重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及び/または変性ポリサルファイド樹脂からなるベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じる。
【0065】
上記光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果を発揮する。上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下、光安定剤)の中でも、下記一般式(A)で示される構造を有する基を分子中に有するものが、層状珪酸塩と併用すると特に著しい効果がある。このようヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0066】
層状珪酸塩との併用による耐候性効果は、光安定剤のブリードアウト防止効果が主であると考えられる。すなわち層状珪酸塩が組成物中で光安定剤と相互作用し、光安定剤が系から散逸するのを防いでいる為であると考えられる。また、相互作用の中でも層状珪酸塩がブリードアウトを阻害する板のように作用することにより、光安定剤のブリードアウトが抑制されると考えられる。光安定剤の中でも下記一般式(A)で示される構造を有する基を分子中に有するものが特にその効果が著しいのは、N原子に結合したH原子が関与しているものと推察される。
【0067】
【化2】
Figure 2004156006
【0068】
上記光安定剤を配合する場合には、上記有機重合体100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと、耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると着色の問題が生じ、シーリング材としての外観を損なうことがある。
【0069】
(その他の添加物)
本発明の硬化性組成物には、本発明の目的より効果を阻害しない限り、有機重合体(a)の硬化促進剤、組成物の粘性特性を調整する粘度調整剤、チキソトロープ剤、引張特性などを改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、たれ防止剤、老化防止剤、溶剤、香料、顔料、染料、脱水剤などを添加してもよい。
【0070】
有機重合体(a)の硬化促進剤としては、例えば、有機金属化合部を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物として、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることが出来る。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、これらは単独または2種以上を併用して使用することが出来る。
【0071】
粘度調整剤としては、例えば、有機重合体(a)、特にビニル系重合体(a1)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれ、配合される化合物から適宜選択される。例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等を挙げることができる。また、これら共重合体、官能基変成体を挙げることができし、これらを適宜組み合わせてもよい。
【0072】
チキソトロープ剤としては、組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、ビニル系重合体(a1)に対して親和性の高い表面を有するものが望ましい。
【0073】
引っ張り特等を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0074】
増量剤としては、本発明に係る組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0075】
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0077】
(参考例1、ビニル系重合体(a1)の調製)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート100g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−503)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−803)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.1g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。
【0078】
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。環流した後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g,及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液をそれぞれ投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。
【0079】
数平均分子量約5万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル重合体の酢酸エチル溶液を得た。なお、酢酸エチルをロータリーエバポレーターにより除去した後の粘度は、約30万cps(25℃)であった。粘度はB型回転粘度計(東京計器)を用いて測定した。
【0080】
(参考例2、化合物(b)の調製)
ヘリカル撹拌翼を有する2Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール100g、炭酸カルシウム(白石工業社製、ホワイトンP−30)200gをスラリー状になるまで分散し、そのスラリーにアクリル酸を50gを加え25℃で3時間撹拌した。その後、濾紙をセットしたブフナーロートを用いて濾過し、3回、イソプロピルアルコールを更に流し、過剰のアクリル酸を流した。ロートに残った処理した炭酸カルシウムを100℃のオーブンで3時間、揮発分を蒸発させ乾燥させた。乾燥後、乳鉢で粉砕し炭酸カルシウム(b)を得た。
【0081】
(参考例3、カルボキシル基を有するビニル重合体の調製)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒製)95g、アクリル酸(信越化学社製KBM−503)5g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)5g及び酢酸エチル50g、エタノール50gを投入して、混合した。得られたモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
【0082】
環流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g,及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。
【0083】
一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。このようにして、数平均分子量約5000(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のカルボキシル基含有アクリル重合体の酢酸エチル溶液を得た。さらに、エバポレーターを用いて酢酸エチルを除去して、液状のカルボキシル基を有するビニル重合体を得た。
【0084】
(参考例4、化合物(b)の調製)
容量1Lのボールミル容器(セラミックボール入り)に重質炭酸カルシウム(白石工業社製、ホワイトンP−30)100gに、上記参考例3で得られたカルボキシル基を有するビニル重合体20gを加え、ボールミルを24時間回転させ、カルボキシル基を有するビニル重合体で処理された炭酸カルシウム(b)を得た。
【0085】
(実施例1)
参考例1で得られたビニル系重合体(a1)の酢酸エチル溶液200gと、可塑剤としてプロピレングリコール(旭硝子社製エクセノール3020)50gとを混合した後、ロータリーエバポレターを用いて酢酸エチルを除いて、粘調な液状の硬化性組成物を得た(約3万cps、25℃)。得られた液状の硬化性組成物に、更に、参考例2で得られた炭酸カルシウム(b)20g、重質炭酸カルシウム50g、二酸化チタン5g、ビニルトリメトキシシラン2g及び硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡して白状のペーストの室温硬化性組成物を得た。
【0086】
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が2.5mmとなる様に塗工し、その後、20℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシートを得た。
【0087】
以下の評価でゴム状のシートのゴム物性を評価した。
【0088】
(ゴム物性)
20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させたゴム状シートをJIS K 6301に準じて、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸び(%)と破断応力(N/mm)を評価した。
上記ゴム物性評価を行ったところ、破断伸びは920%と破断応力は0.33N/mmであった。
【0089】
(実施例2)
参考例1で得られた成分(a1)100gと、可塑剤としてプロピレングリコール(旭硝子社製エクセノール 3020)50gとを混合した後、ロータリーエバポレターを用いて酢酸エチルを除いて、粘調な液状の硬化性組成物を得た(粘度は約3万 cps、25℃)。得られた液状の硬化性組成物に、さらに樹脂酸処理炭酸カルシウム(白石工業社製、ホモカルDM)20g、重質炭酸カルシウム50g、二酸化チタン5g、ビニルトリメトキシシラン2g、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡し、白状のペーストの室温硬化性組成物を得た。
【0090】
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が2.5mmとなるように塗工し、その後、20℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシート皮膜を得た。シート皮膜のゴム物性を実施例1と同様にして評価した。破断伸びは770%、破断応力は0.27N/mmであった。
【0091】
(実施例3)
参考例1で得られた成分(a1)の酢酸エチル溶液150gと可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬社製、数平均分子量3000)50g、を混合した後、ロータリーエバポレターを用いて酢酸エチルを除いて、粘調な液状の硬化性組成物を得た。得られた液状の硬化性組成物に、更に、参考例4で得られた、処理された炭酸カルシウム25g、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム、ホワイトンP−30)60g、ビニルトリメトキシシラン2g及び硬化促進剤(和光純薬社製、ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡して白状のペーストの室温硬化性組成物を得た。
【0092】
得られた硬化性組成物をポリエチレン板状に、膜厚が2.5mmとなる様に塗工し、その後、20℃及び相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシート皮膜を得た。シート皮膜のゴム物性を実施例1と同様にして評価した。その結果、破断伸びは750%、破断応力は0.24N/mmであった。
【0093】
(比較例1)
参考例1で得られたビニル系重合体(a1)の酢酸エチル溶液200gと、可塑剤としてプロピレングリコール(旭硝子社製エクセノール3020)50gとを混合した後、ロータリーエバポレターを用いて酢酸エチルを除いて、粘調な液状組成物を得た。得られた液状組成物に、更に、硬化促進剤ジブチル錫ジラウリレート、1.5g、重質炭酸カルシウム70g、二酸化チタン5g及びビニルトリメトキシシラン2gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡して白状のペーストの室温硬化性組成物を得た。
【0094】
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が2.5mmとなるように塗工し、その後、20℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシートを得た。実施例1と同様にして、シートのゴム物性を評価したところ、破断伸びは580%、破断応力は0.25N/mmであった。
【0095】
(比較例2)
参考例1で得られた成分(a1)の酢酸エチル溶液150gと可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬社製、数平均分子量3000)50g、を混合した後、ロータリーエバポレターを用いて酢酸エチルを除いて、粘調な液状の硬化性組成物を得た。得られた液状の硬化性組成物に、更に、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム、ホワイトンP−30)85g、ビニルトリメトキシシラン2g、硬化促進剤(和光純薬社製、ジブチル錫ジラウリレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、その後、10分間減圧脱泡して白状のペーストの室温硬化性組成物を得た。
【0096】
得られた硬化性組成物をポリエチレン板状に、膜厚が2.5mmとなる様に塗工し、その後、20℃及び相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシート皮膜を得た。シート皮膜のゴム物性を実施例1と同様にして評価した。その結果、破断伸びが430%、破断応力は0.32N/mmであった。
【0097】
(実施例4)
硬化性組成物調製の際に、層状珪酸塩ソマシフMPE−100(ポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母、コープケミカル社製)10g、チヌビン770(ヒンダードアミン系光安定剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5g、チヌビン327(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5gを加えたこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
【0098】
〔層状珪酸塩の平均層間距離の測定〕
実施例4で得られた硬化性組成物における層状珪酸塩の平均層間距離を以下のようにして測定した。
【0099】
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)により、層状珪酸塩の積層面の回折により得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式を用いて層状珪酸塩の(001)面間隔を算出した。以下のdを平均層間距離とし、平均層間距離が3nm以上の場合を〇と判定した。
【0100】
λ=2dsinθ
なお、式中において、λ(nm)=0.154、d(nm)二層状珪酸塩の面間隔、θ(度)は回折角である。
【0101】
〔層状珪酸塩の分散状態の確認〕
透過型電子顕微鏡(TEM 日本電子社製「JEM−1200EXII」)写真により、硬化物中の層状珪酸塩の分散状態を観察して、5層以下で存在しているものを〇と判定した。
【0102】
耐候性評価
〔評価〕
上記実施例1及び4で得られた硬化性組成物の下記方法で耐候性を評価した。各配合組成物を50mm×150mm(厚み1mm)のステンレス板に0.5mm厚みで塗布し、20℃×60%RHの雰囲気下で7日間(168時間)放置して養生硬化させた後、下記条件で150時間及び400時間光照射を行い、表面状態を目視で確認し、クラックの無いものを○と判定した。
【0103】
・光照射条件
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気(株)製
照射強度:100mW/cm
限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃
照射距離:235mm(光源と試料間)
なお、アイスーパーUVテスターによる光照射評価は、材料系や試験条件によっても変動するので一概には言えないが、通常サンシャインウエザオメーターによる評価よりも、10倍程度の過酷な促進効果があるとされている。結果を下記の表1に示す。
【0104】
【表1】
Figure 2004156006
【0105】
【発明の効果】
本発明に係る硬化性組成物は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有する有機重合体(a)と、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸、樹脂酸及びカルボキシル基を有するビニル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)とからなるため、雰囲気の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与える硬化性組成物を提供することができる。この場合、上記炭酸カルシウム(b)が配合されているため、硬化物の弾性限界が高められ、硬化物が十分な伸び特性を有する。よって、本発明に係る硬化性組成物は、温度変化などにより寸法が変動する部分に用いられる接着剤やシーリング材などに好適に用いられる。
【0106】
本発明において、有機重合体(a)としてのビニル系重合体(a1)を含む硬化性組成物に上記ポリエーテル系重合体(c)がさらに配合されている場合には、硬化物の耐水性やゴム弾性を改善することができる。
【0107】
本発明に係る硬化性組成物において、上記炭酸カルシウム(b)が、ビニル系重合体(a1)100重量部に対し、あるいはビニル系重合体(a1)及びポリエーテル系重合体(c)100重量部に対し、10〜250重量部の割合で配合されている場合には、炭酸カルシウム(b)の添加による硬化物の伸び特性を確実に改善することができると共に、塗工作業性に優れた硬化性組成物を提供することができる。
【0108】
本発明に係る硬化性組成物において、さらに層状珪酸塩が配合されている場合には、硬化物の耐候性を高めることができ、特に、紫外線吸収剤及び光安定剤がさらに配合されている場合には、層状珪酸塩により耐候性を高め得るだけでなく、光安定剤及び紫外線吸収剤のブリードアウトが層状珪酸塩により抑制されるため、より一層耐候性を高めることができる。
【0109】
また、上記ビニル系重合体(a1)が、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により合成されたものである場合には、硬化物の黄変を抑制することができる。
【0110】
本発明に係るシーリング材及び接着剤では、本発明の室温硬化性組成物を用いているため、硬化後の伸びが十分に大きく、従って、寸法変化が生じる恐れのある部分に好適な弾性接着剤や弾性シーリング材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の薄片状結晶の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を説明するための模式図。
【図2】層状珪酸塩の層間の交換性陽イオンを説明するための模式図。

Claims (8)

  1. 少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸、樹脂酸、及びカルボキシル基を有するビニル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)とからなることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記有機重合体(a)がビニル系重合体(a1)である請求項1に記載の室温硬化性組成物。
  3. ビニル系重合体(a1)に加えて、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(c)がさらに配合されている請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. ビニル系重合体(a1)100重量部またはビニル系重合体(a1)及びポリエーテル系重合体(c)の合計100重量部に対し、前記処理剤で処理された炭酸カルシウム(b)が10〜250重量部の割合で配合されている請求項2または3に記載の硬化性組成物。
  5. 層状珪酸塩がさらに配合されている請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 前記ビニル系重合体(a1)が、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により得られたビニル系重合体であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とするシーリング材。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
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