JPH11344624A - 光ファイバ及び光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバ及び光ファイバケーブル

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JPH11344624A
JPH11344624A JP10154444A JP15444498A JPH11344624A JP H11344624 A JPH11344624 A JP H11344624A JP 10154444 A JP10154444 A JP 10154444A JP 15444498 A JP15444498 A JP 15444498A JP H11344624 A JPH11344624 A JP H11344624A
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JP
Japan
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optical fiber
core
core material
polymer
monomer units
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Application number
JP10154444A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Uozu
吉弘 魚津
Atsushi Okumura
淳 奥村
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び伝送特性に優れ、かつコア材の熱
劣化が小さいプラスチック光ファイバ及び光ファイバケ
ーブルを提供する。 【解決手段】 4−tert−ブチルシクロヘキシルメタク
リレート単位を含有する重合体をコア材とする光ファイ
バ、及びこの光ファイバの外周部に被覆層を備えた光フ
ァイバケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性を有する光フ
ァイバ及び光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは安価、軽量、
柔軟性、大口径という特長を生かして照明用途、FA、
通信分野などで実用化されており、コア材がポリメチル
メタクリレート(以下「PMMA」という)系のものが
主流となっている。PMMAをコア材としたプラスチッ
ク光ファイバは、PMMAのガラス転移温度(Tg)が
100℃程度であることから、より耐熱性の高い重合体
を外側に被覆しても実際に使用できる温度は115℃程
度が上限である。このためさらに耐熱性が要求される用
途ではPMMAより耐熱性の高い材料をコア材として使
用することが不可欠であり、ポリカーボネート(特開平
6−200004号公報、特開平6−200005号公
報)、α−フルオロアクリレート系重合体(特開平4−
191707号公報)、耐熱性の高い脂環式基を主鎖に
有する非晶性ポリオレフィン(第8回POFコンソーシ
アム講演要旨集)など種々の素材をコア材とする光ファ
イバが提案されている。
【0003】しかしコア材としてポリカーボネートを用
いた光ファイバはコア材の精製、異物除去等が困難であ
り、PMMAの光ファイバと比べて伝送特性が大きく劣
る。また、プラスチック光ファイバのクラッド材として
広く用いられるフッ化アルキル(メタ)アクリレート系
重合体、フッ化エチレン系重合体はポリカーボネートと
の相溶性が悪いため、ポリカーボネートをコア材に用い
た光ファイバはコアとクラッドの密着性が低く、その界
面の剥離等光ファイバの構造変化を起こしやすい。
【0004】また、αーフルオロメタクリレート系重合
体は耐熱分解性が悪く分解物による着色等の問題が生じ
るため、これをコア材として用いた光ファイバは長期の
熱安定性が低い。
【0005】アートン(日本合成ゴム)、ゼオネックス
(日本ゼオン)、アペル(三井石油化学)として上市さ
れている脂環式基を主鎖に有する重合体は精製が困難で
あり、これらをコア材に用いた光ファイバは、ポリカ−
ボネートをコア材とする光ファイバと同様に、伝送性能
やコアとクラッドの密着性が低い等の問題点を有してい
る。
【0006】このような問題を解決するものとして、ボ
ルニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、
トリシクロデカニルメタクリレート等の脂環式基を側鎖
に有するメタクリレートとメチルメタクリレート(以下
「MMA」という)との共重合体をコア材とする伝送特
性が比較的良好な光ファイバが提案されている。(特開
平63−74010号公報、特開昭63−163306
号公報など)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし通常の脂環式基
を側鎖に有する(メタ)アクリレートの単量体単位を有
する重合体をコア材とする光ファイバは、高温保持時に
コア材の重合体の脂環式基が脱離するという問題、即ち
コア材の耐熱分解性が悪く、溶融賦形して光ファイバと
する際の熱劣化が著しいという問題があった。
【0008】本発明の目的は耐熱性及び伝送特性に優
れ、かつコア材の熱劣化が小さいプラスチック光ファイ
バ及び光ファイバケーブルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、4−te
rt−ブチルシクロヘキシルメタクリレート単位を含有す
る重合体をコア材とする光ファイバにある。
【0010】又本発明の要旨は、2種類以上の単量体単
位M1、M2、…及びMn(nは2以上の整数)からそ
れぞれ構成され、屈折率が順次低下する単独重合体HP
1、HP2、…及びHPn、並びにこれら単量体単位の
二種類以上から構成される共重合体CPの一種類以上か
らなる群より選ばれる重合体を同心円状に積層した多層
構造のコアであって、中心部の屈折率が最も高く、外周
部に向かって屈折率が順次低下してなるコアを有する光
ファイバであって、単量体単位M1、M2、…及びMn
のいずれか一つが4−tert−ブチルシクロヘキシルメタ
クリレート単位である光ファイバにある。
【0011】更に本発明の要旨は、前記光ファイバの外
周部に被覆層を備えた光ファイバケーブルにある。
【0012】
【発明の実施の形態】まずクラッドと単一のコアからな
り屈折率がコアとクラッドとの界面で急激に変化するス
テップインデックス型マルチモード光ファイバ(以下
「SI型光ファイバ」という)を念頭に置いて本発明の
光ファイバを説明する。(第一の実施態様) 本発明においては4−tert−ブチルシクロヘキシルメタ
クリレート(以下「TBCHMA」という)単位を有す
る重合体をコア材として用いる。一般に脂環式基の結合
した(メタ)アクリルエステル系重合体は高温保持時に
脂環式基が脱離する。即ちこの重合体は耐熱分解性が悪
い。しかし6員環構造のシクロヘキシル基を有する(メ
タ)アクリレート系重合体は比較的脂環式基の脱離を起
こしにくく耐熱分解性が良好であり、特にTBCHMA
単位を有する重合体はガラス転移温度が高く、耐熱分解
性がより良好であり、また精製が容易であるという特徴
を有する。即ちこの重合体をコア材として用いた光ファ
イバは優れた耐熱性及び伝送特性を備え、かつ溶融賦形
時のコア材の熱劣化が小さい。
【0013】ところでTBCHMAには構造異性体が存
在する。構造異性体毎にTgが異なっており、cis体
のみからなる単独重合体のTgは約150℃、tran
s体のみからなる単独重合体のTgは178℃である。
単純な操作で入手可能な単量体はこの2つの異性体の混
合物であり、この混合物を重合させて得られる重合体の
Tgは2種の単独重合体のTgの中間的な値となる。例
えば、混合比がcis体/trans体=25/75
(重量%,以下「CIS25」という)のTBCHMA
を重合させて得られる重合体のTgは167℃である。
重合体のTgは115℃以上であることが好ましく、1
25℃以上であることが更に好ましい。
【0014】重合体中のTBCHMA単位のcis体と
trans体の含有比は特に限定されないが、Tgがよ
り高い重合体とするためにはtrans体を多く含有さ
せるほど好ましく、trans体のみを含有させるのが
更に好ましい。
【0015】なお、TBCHMAの単独重合体の屈折率
は約1.484である。
【0016】本発明の光ファイバのコア材を構成する重
合体としては、TBCHMAの単独重合体だけでなく、
耐熱温度、曲げ、機械強度など要求される特性に応じて
他の単量体との共重合体を用いることもできる。共重合
体を用いる場合に、コア材のTgが115℃以上と高く
耐熱性が十分な光ファイバを得るためには、TBCHM
A単位が重合体中に25重量%以上含まれていることが
好ましい。また、自動車のエンジンルームのような高温
下において使用する場合に、コア材のTgを125℃以
上とするためには、TBCHMA単位は重合体中に40
重量%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0017】TBCHMA単位とMMA単位とからなる
共重合体をコア材として用いると、伝送特性及び機械強
度の良好なプラスチック光ファイバを得ることができ、
好ましい。例えばMMA/TBCHMA(CIS25)
=50/50(重量%)の共重合体のTgは133℃で
あり、これをコア材とした光ファイバは伝送特性及び機
械強度に優れるだけでなくPMMAをコア材とする光フ
ァイバと比較して耐熱性が飛躍的に向上する。又TBC
HMAはMMAとの共重合性も良好である。さらに本発
明においては耐熱性及び透明性が失われない範囲で、T
BCHMAとMMA以外にも共重合可能な単量体単位を
共重合することが可能である。伝送特性、機械的強度、
及び耐熱性を高いレベルで兼ね備える光ファイバを得る
ためには、MMA/TBCHMA/他の共重合可能な単
量体=10〜75/25〜85/0〜25(重量%)の
共重合体とすることが好ましい。
【0018】コア材を構成する重合体の分子量は特に限
定されないが、70,000〜125,000程度であ
ることが好ましい。
【0019】本発明の光ファイバのクラッド材として
は、公知のフッ素系重合体などを用いることができる
が、光ファイバの耐熱性を良好なものとするためにはT
g、又は示差走査熱量測定(DSC)により測定される
溶融温度Tmがファイバの使用環境付近の温度以上すな
わち115℃以上のものを用いることが好ましい。この
ようなクラッド材としては例えばフッ化ビニリデン単位
とテトラフルオロエチレン単位とからなる共重合体、T
BCHMA単位とフッ素化アルキルメタクリレート単位
とからなる共重合体、α−フルオロアクリレート系重合
体、及びフッ素化アルキルアクリレート単位と多官能ア
クリレート単位等からなる架橋フッ素化重合体等があげ
られる。
【0020】次に、コアの屈折率が段階的に変化する構
造を有する光ファイバについて説明する(第二の実施態
様)。
【0021】この光ファイバは例えば、2種類以上の単
量体単位M1、M2、…及びMn(nは2以上の整数)
からそれぞれ構成され、屈折率が順次低下する単独重合
体HP1、HP2、…及びHPn、並びにこれら単量体
単位の二種類以上から構成される共重合体CPの一種類
以上からなる群より選ばれる重合体を同心円状に積層し
た多層構造のコアであって、中心部の屈折率が最も高
く、外周部に向かって屈折率が順次低下してなるコアを
有する光ファイバである。
【0022】まずコアを構成する重合体の共重合組成に
ついて説明する。理解を容易にするために単量体単位の
数nが3の場合について一般的な説明を行う。単量体単
位の数nが3の場合、3種類の単独重合体HP1、HP
2及びHP3はそれぞれ各単量体単位M1、M2及びM
3から構成される。また、共重合体CPはそれぞれ2種
類の単量体単位M1とM2もしくはM2とM3、または
3種類の単量体単位M1、M2及びM3から構成され
る。これらのひとつのCP(またはひとつのHP)と他
のCPは互いに相溶性の良いものを選択するのが好まし
い。
【0023】このような重合体が中心部の屈折率が最も
高く、外周部に向かって屈折率が順次低下するように積
層されて光ファイバのコアが構成される。高屈折率の重
合体は、単量体単位M1からなる単独重合体HP1、単
量体単位M1と単量体単位M2とからなる種々のモル組
成比の共重合体CP、又は、単独重合体HP1と単独重
合体HP2とからなる種々の混合組成比のブレンド重合
体BPとして調製される。なお、単量体単位M1の含有
量を多くすることにより3種類の単量体単位M1、M2
及びM3から構成される共重合体CPを高屈折率重合体
として用いることも可能である。又、ブレンド重合体B
P中に共重合体CPを含有させることも可能である。
【0024】又、低屈折率の重合体は同様にして、単量
体単位M3の単独重合体HP3、単量体単位M3と単量
体単位M2との種々のモル組成比の共重合体CP、又
は、単独重合体HP3と単独重合体HP2との種々の混
合組成比のブレンド重合体BPとして調製される。な
お、単量体単位M3の含有量を多くすることにより3種
類の単量体単位M1、M2及びM3から構成される共重
合体CPを低屈折率重合体として用いることも可能であ
る。又、ブレンド重合体BP中に共重合体CPを含有さ
せることも可能である。
【0025】以上n=3の場合について説明してきた
が、nが他の数の場合も以上の説明を応用できる。
【0026】本発明においては単量体単位M1、M2、
…及びMnのいずれか一つがTBCHMA単位である。
即ち、コアを構成する多数の層のうち少なくとも一つの
層がTBCHMA単位を含有する重合体からなる。TB
CHMA単位を含有する重合体からなる層の断面積が光
ファイバ全体の断面積に占める割合を大きくするほど、
また各層を構成する重合体中に占めるTBCHMA単位
の含有量を多くするほど、光ファイバの耐熱性は向上す
る。各層を構成する重合体中のTBCHMA単位の含有
量は耐熱温度、曲げ、機械強度など要求される特性に応
じて適宜設定される。
【0027】単量体単位M1、M2、…及びMnのうち
TBCHMA単位以外の単量体単位は公知のものから適
宜選択されるが、伝送特性及び機械強度の良好なプラス
チック光ファイバを得るためには、MMA単位などが好
ましい。単量体単位M1及びM2を用い、M1及びM2
としてMMA単位及びTBCHMA単位を用いることが
更に好ましい。
【0028】この第二の実施態様の光ファイバの構造に
ついてさらに説明する。この光ファイバのコアは、伝送
性能を良好なものとするにはできる限り上記のようなス
テップインデックス型のものとすることが望ましいが、
階段状の屈折率分布を有する中間層として、混合層を配
置することも可能である。ここで言う「混合層」はその
両側の非混合層を構成する2つの重合体の混合物で構成
される層である。この混合層において屈折率はなだらか
に変化している。
【0029】伝送する情報量を決定する伝送帯域をさら
に向上するためにこのような混合層を配置することが有
効である。混合層の割合が多すぎると光伝送損失が大き
くなる。そこで光伝送帯域の大きさと光伝送損失の大き
さのバランスを考慮して、屈折率分布の形状が選定され
る。混合層の厚みは、一般的に、半径方向における混合
層の位置によって異なり、目標とする帯域性能や、層数
にも依存するが、それぞれ0.3〜100μm程度が好
ましく、1〜10μm程度であることがより好ましい。
【0030】混合層と非混合層との界面における急な屈
折率変化を抑え、界面での光散乱損失を小さくするた
め、隣接する非混合層間の屈折率差は小さいほど好まし
く、0.016以下、より好ましくは0.008以下で
ある。
【0031】混合層を配置する場合、混合される重合体
同士の相溶性を高め、光散乱損失が小さいブレンド重合
体を得るため、隣接する非混合層を構成するCP(また
はHP)とCPとの間の共重合組成比差をできるだけ小
さくすることが好ましい。この共重合組成比の差は20
モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であ
ることがより好ましく、10モル%以下であることが更
に好ましい。
【0032】本実施態様の光ファイバは、コアのみから
構成することができる。開口角を大きくし、光ファイバ
を曲げた場合の光の漏れを小さくして伝送特性を良くす
るためには、コアの外周部にクラッド層を設けることが
好ましい。クラッド層は2層以上の多層構造とすること
ができる。クラッド材としては前記第一の実施態様のク
ラッド材として例示した重合体などが使用可能である。
【0033】これらの点を除き、第一の実施態様の説明
を応用して光ファイバを構成することが可能である。
【0034】以上説明した構造の光ファイバ以外に、本
発明の光ファイバは第一の実施態様において説明したコ
ア材を用いて、コアの屈折率がなだらかに変化するグレ
ーデッドインデックス型マルチモード光ファイバ(以下
「GI型光ファイバ」という)とすることも可能であ
る。GI型光ファイバとしては例えば重合体と低屈折率
及び又は高屈折率のドーパントからなるコアを有する光
ファイバであってドーパントの分布により屈折率分布が
付与されているもの、重合体のみからなるコアを有する
光ファイバであって中心から外周に向かって重合体の共
重合組成比が変化しているものなどがある。GI型光フ
ァイバはコアのみから構成することも、コアの外周部に
クラッドを設けることも可能である。また、本発明の光
ファイバは複数の島部が互いに隔てられた状態で共通の
海部により一体化されてなる海島型の光ファイバとする
こともできる。海島型の光ファイバにおいては島部全体
をコアとすることも島部をコアとクラッドから構成する
ことも可能である。コア材としては第一の実施態様にお
いて説明したものが用いられ、海部を構成する材料は前
記のクラッド材として例示した重合体などが使用可能で
ある。なお、本発明は以上例示したものに限定されな
い。
【0035】本発明において、コア/クラッド構造又は
海島型の光ファイバの外周部に保護層を形成することが
できる。この材料としては、前記のコア材やクラッド材
として例示したものを用いてもよく、その他の無機材料
または有機材料を用いてもよい。
【0036】コア材の製造方法、すなわち重合方法は、
公知の(メタ)アクリル系単量体の重合方法が使用され
る。伝送特性に優れた光ファイバを得るためには、熱開
裂型の重合開始剤を用いた塊状重合法により重合体を製
造することが好ましい。
【0037】屈折率が段階的に変化する構造を有する光
ファイバのコアを製造する場合は例えば各層に用いる重
合体を複合紡糸ノズルを用いて積層して押出賦形するな
ど公知の方法が使用される。GI型光ファイバのコアや
海島型光ファイバを製造する場合も公知の方法が使用さ
れる。
【0038】コアの外周部にクラッド層を形成する方法
は特に限定されず、公知の方法が使用される。例えばク
ラッド層の材料を酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等の溶媒に溶解して得られる溶液
を、コーティング法、浸漬法によってコア層の表面に被
覆することによりクラッド層を形成することができる。
又、SI型光ファイバを製造する場合、複合紡糸ノズル
を用いた複合紡糸法によりコア層及びクラッド層を押出
賦形することにより、クラッド層を形成することもでき
る。屈折率が段階的に変化する構造を有する光ファイバ
またはGI型光ファイバのコアにクラッドを形成する場
合も同様の方法が使用可能である。
【0039】また、コアの外周部にクラッド層を形成す
る場合と同様にしてコア/クラッド構造の光ファイバの
クラッド層の外周部に保護層を形成することができる。
即ち、コーティング法や浸漬法を用いたり、複合紡糸ノ
ズルを用いてコア層、クラッド層及び保護層を押出賦形
することにより、保護層を形成することができる。海島
型の光ファイバについても公知の複合紡糸ノズルなどを
用いて光ファイバの外周に保護層を形成することが可能
である。
【0040】また、本発明のコア/クラッド構造もしく
は海島型の光ファイバ、又はコア/クラッド/保護層構
造の光ファイバもしくは保護層付きの海島型の光ファイ
バに更なる耐候性・耐熱性を付与するため、被覆層を光
ファイバの外周部に形成し光ファイバケーブルとするこ
とも可能である。被覆層を構成する被覆材は、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、各種UV
・紫外線硬化樹脂など、公知の材料から適宜選択するこ
とが可能である。また耐熱性向上の観点からはナイロ
ン、ポリアミド、ケブラー、シリコン樹脂などの耐熱性
に優れた材料を用いることが望ましい。
【0041】ケーブルの加工方法は特に限定されず、被
覆材の物性によって適宜選択することができる。走行す
る光ファイバの側面から溶融された被覆材を流し込んで
被覆するT型ダイを用いて光ファイバに被覆する方法が
加工性に優れているので好ましい。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例において「CIS15」は、TBCH
MAのcis体とtrans体の混合比がcis体/t
rans体=15/85(重量%)であることを意味す
る。また、「CIS25」は、混合比がcis体/tr
ans体=25/75(重量%)であることを意味す
る。
【0043】実施例1 MMA/TBCHMA(CIS25)=70/30(重
量%)の共重合体(Tg120℃)をコア材として用
い、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン=80
/20(重量%)の共重合体をクラッド材として用い2
層の複合紡糸ノズルから同時に押しだして糸状体を形成
した。なお、この時の複合紡糸ノズルの温度は235℃
であり、コア材とクラッド材との吐出比は96:4(断
面の面積比)であった。145℃に加熱した延伸部にこ
の糸状体を通過させ2倍に延伸してSI型プラスチック
光ファイバを製造した。この光ファイバの直径は1mm
でクラッド層の厚みは10μm、コア層の直径は980
μmであった。
【0044】励振NA0.1、測定波長650nmにお
ける光ファイバの伝送損失を15m−5mカットバック
法にて測定したところ200dB/kmであった。ま
た、この光ファイバを115℃の雰囲気中に1000時
間放置した後の損失増加は22dB/kmであった。
【0045】実施例2 MMA/TBCHMA(CIS15)=20/80(重
量%)の共重合体(Tg=159℃)をコア材として用
い、α−フルオロ−2,2,2−トリフルオロエチルア
クリレート/α−フルオロメチルアクリレート=80/
20(重量%)の共重合体をクラッド材として用い、ポ
リカーボネート(三菱ガス化学社製ユーピロンH300
0)を保護層として用いて3層の複合紡糸ノズルから押
しだし、コア材、クラッド材及び保護層材の吐出比を9
5:2:3(断面の面積比)とした点及び延伸温度を1
80℃とした点を除き実施例1と同様にして光ファイバ
を製造した。得られた光ファイバは直径が1mmでコア
径が970μmでクラッド層の厚みが8μm保護層の厚
みが7μmであった。
【0046】損失増加を150℃の雰囲気中で測定した
点を除き、実施例1と同様にして評価したところ光ファ
イバの伝送損失及び損失増加はそれぞれ207dB/k
m及び15dB/kmであった。
【0047】実施例3 実施例2の光ファイバの外周部に、被覆用ダイを用いて
溶融温度140℃のポリエチレンを被覆し、直径2.2
mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。このケ
ーブルを実施例2と同様にして評価したところ伝送損失
及び損失増加はそれぞれ209dB/km及び13dB
/kmであった。
【0048】実施例4 MMA/TBCHMA(trans体100重量%)=
67/33(重量%)の共重合体(Tg125℃)をコ
ア材として用い、α−フルオロ−2,2,2−トリフル
オロエチルアクリレート/α−フルオロメチルアクリレ
ート=70/30(重量%)の共重合体をクラッド材と
して用い、ポリカーボネート(三菱ガス化学社製ユーピ
ロンH3000)を保護層として用いて3層の複合紡糸
ノズルから押しだし、コア材、クラッド材及び保護層材
の吐出比を95:2:3(断面の面積比)とした点及び
延伸温度を160℃とした点を除き実施例1と同様にし
て光ファイバを製造した。
【0049】損失増加を120℃の雰囲気中で測定した
点を除き、実施例1と同様にして評価したところ光ファ
イバの伝送損失及び損失増加はそれぞれ200dB/k
m及び22dB/kmであった。
【0050】比較例1 PMMAをコア材として用い、フッ化ビニリデン/テト
ラフルオロエチレン=80/20(重量%)の共重合体
をクラッド材として用い、延伸温度を130℃とした点
を除き実施例1と同様に光ファイバを製造した。得られ
た光ファイバの直径は1mmでクラッド層の厚みは10
μm、コア径は980μmであった。実施例1と同様に
して評価したところ光ファイバの伝送損失及び損失増加
はそれぞれ172dB/km及び109dB/kmであ
り、この光ファイバの耐熱性は低かった。
【0051】比較例2 アペル(三井石油化学(株)製)をコア材として用い、
α−フルオロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチ
ル/α−フルオロアクリル酸メチル=80/20(重量
%)の共重合体をクラッド材として用い、複合ノズルの
温度は240℃とし、延伸温度を145℃とした点を除
き実施例1と同様に光ファイバを製造した。光ファイバ
の直径は1mmでクラッド層の厚みは10μm、コア径
は980μmであった。実施例1と同様にして評価した
ところ光ファイバの伝送損失及び損失増加はそれぞれ8
12dB/km及び58dB/kmであり、この光ファ
イバは伝送特性が悪かった。
【0052】
【発明の効果】本発明の光ファイバ及び光ファイバケー
ブルは、耐熱性及び伝送特性に優れ、かつコア材の熱劣
化が小さい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−tert−ブチルシクロヘキシルメタク
    リレート単位を含有する重合体をコア材とする光ファイ
    バ。
  2. 【請求項2】 コア材を構成する重合体中の4−tert−
    ブチルシクロヘキシルメタクリレート単位の含有量が2
    5重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバ。
  3. 【請求項3】 コア材を構成する重合体が4−tert−ブ
    チルシクロヘキシルメタクリレート単位25〜85重量
    %、メチルメタクリレート単位10〜75重量%、及び
    他の共重合可能な単量体単位0〜25重量%からなる共
    重合体であることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバ。
  4. 【請求項4】 2種類以上の単量体単位M1、M2、…
    及びMn(nは2以上の整数)からそれぞれ構成され、
    屈折率が順次低下する単独重合体HP1、HP2、…及
    びHPn、並びにこれら単量体単位の二種類以上から構
    成される共重合体CPの一種類以上からなる群より選ば
    れる重合体を同心円状に積層した多層構造のコアであっ
    て、中心部の屈折率が最も高く、外周部に向かって屈折
    率が順次低下してなるコアを有する光ファイバであっ
    て、単量体単位M1、M2、…及びMnのいずれか一つ
    が4−tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート単位
    である光ファイバ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記
    載の光ファイバの外周部に被覆層を備えた光ファイバケ
    ーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020033532A (ja) * 2017-12-28 2020-03-05 Kjケミカルズ株式会社 t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを用いた重合性樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020033532A (ja) * 2017-12-28 2020-03-05 Kjケミカルズ株式会社 t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを用いた重合性樹脂組成物
JP2023053945A (ja) * 2017-12-28 2023-04-13 Kjケミカルズ株式会社 t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する爪装飾樹脂組成物

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