JP2001091780A - 高帯域プラスチック光ファイバ - Google Patents

高帯域プラスチック光ファイバ

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JP2001091780A
JP2001091780A JP26961499A JP26961499A JP2001091780A JP 2001091780 A JP2001091780 A JP 2001091780A JP 26961499 A JP26961499 A JP 26961499A JP 26961499 A JP26961499 A JP 26961499A JP 2001091780 A JP2001091780 A JP 2001091780A
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Japan
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clad
cladding
optical fiber
core
plastic optical
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JP26961499A
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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Hisaaki Kobayashi
久晃 小林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送帯域が高くても、曲げ損失が良好でか
つ耐熱特性、機械特性に優れた中高速LAN等の高速通
信に好適な高帯域プラスチック光ファイバを提供する。 【解決手段】 有機重合体からなるコアとクラッドと
を有する高帯域プラスチック光ファイバであって、クラ
ッドが3層からなり、かつ、コア、該コアを直接被覆す
る第1クラッド、該第1クラッドの外周を順次被覆する
第2クラッド及び第3クラッドのそれぞれの屈折率(順
次、(ncore)、(n1-clad)、(n2-clad)、及び、(n3-c
lad))が、次式(I)〜(III)を同時に満足する。 0.20≦[(ncore)2−(n1-clad)21/2≦0.30 ・・・(I) [(ncore)2−(n3-clad)21/2≧0.45 ・・・(II) (n1-clad)>(n2-clad)>(n3-clad) ・・・(III)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送帯域が高く、
曲げ損失が小さく、かつ、耐熱性においても良好な、高
速通信用として有用な高帯域プラスチック光ファイバに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバ(以下POFと
略記する)は加工性、取り扱い性、製造コストなどの面
でガラス系光ファイバに比べて優れているので、装飾及
び短距離の光信号伝送などに使用されている。
【0003】近年、POFを中高速LANでの信号伝送
線として応用することも種々検討されているが、市販の
コア/クラッド構造からなるステップインデックス型P
OF(SI−POF)の伝送帯域は、通常5MHz・k
m程度と小さく、帯域が不足している。そこで、その帯
域を高めるため、特開平7−239420号公報ではコ
アにポリメチルメタクリレート(以下PMMAと略記す
る)を主成分とする重合体を用いクラッドに長鎖フルオ
ロアルキルメタクリレート/短鎖フルオロアルキルメタ
クリレート/MMA共重合体を用いたPOFが提案され
ている。
【0004】これはクラッドの屈折率を高くして低開口
数化を図ることにより帯域を向上させるものであるが、
ファイバを曲げた状態での放射モードが低開口数化によ
って増加し、その結果、POFの曲げ損失が著しく悪化
する欠点が生じる。曲げ損失の性能は、例えば帯域:1
0MHz・km以上の性能を要求されるATM−LAN
では、曲げ損失:0.5dB以下(測定方法:直径2
5.4mmφのマンドレルへの10〜15回(90°巻き
付け)であり、またさらに高速化が要求されるIEEE
1394に基づいたホ−ムバスシステムなどでも同様の
基準が存在しており、非常に重要なファクタ−である。
よって、オフィスや特に家庭内でのネットワークへの適
用可能な光ファイバ(帯域;少なくとも12MHz・k
m以上(リンクとしての実効通信レート200Mbps
/50m以上))の曲げ損失は、マージンを見込んで実
質的に0.1〜0.2dB程度(前記同測定条件)とよ
り厳しい性能が要求される。
【0005】また、POFのクラッドを多層化すること
は、次に挙げる文献のように光ファイバの特性改善のた
めに種々試みられている。例えば、特開昭62−204
209号公報には第1クラッドにメチルメタクリレート
/ペンタフルオロプロピルメタクリレート/テトラフル
オロプロピルメタクリレート共重合体を用い第2クラッ
ドにフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合
体を用いたものが記載されている。
【0006】特開平4−51206号公報には、第1ク
ラッドにトリフルオロメチルメタクリレート/テトラヒ
ドロパーフルオロデシルメタクリレート/メチルメタク
リレート共重合体を用い、第2クラッドにフッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン共重合体を用いたものが
記載されている。また、特開平5−249325号公報
には、第1クラッドにトリフルオロメチルメタクリレー
ト/テトラヒドロパーフルオロデシルメタクリレート/
メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を用い、
第2クラッドにフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチ
レン共重合体を用いたものが記載されている。
【0007】しかしながら、これら従来の多層クラッド
POFでは、第1クラッドに使用するクラッド材の屈折
率がいずれもかなり低いので、その帯域は従来のPOF
とかわらず、中高速LAN等の信号伝送線としては使用
困難なものであった。また、特開平10−221543
号公報にはコア、第1クラッド、第2クラッドからなる
低開口数プラスチック光ファイバが記載されているが、
開口数を0.30未満とすると曲げ損失値が増大する問
題があった。
【0008】さらに、国際特許WO96/36894号
には、コア/クラッド/保護層からなる低開口数プラス
チック光ファイバが記載されているが、クラッド材料に
単位モノマ中のF原子数が17となる長鎖フルオロアル
キルメタクリレ−ト単位を相当量ふくんでいるため、熱
分解し易く、ファイバ自体の耐熱性に乏しいという問題
がある。また保護層の屈折率に具体的な記載がなく屈曲
時(ケ−ブルの中間部を半径20mm曲率で180゜、
一回巻き付け)の伝送損失増加が大きいという問題があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
述の従来技術の欠点を解消し、伝送帯域が高くても、曲
げ損失が良好でかつ耐熱特性、機械特性に優れた中高速
LAN等の高速通信に好適な高帯域プラスチック光ファ
イバを提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の高帯域プラスチック光ファイバは、有機重
合体からなるコアと、該コアの屈折率より小さい屈折率
を有する無色透明の有機重合体からなるクラッドとを有
するプラスチック光ファイバにおいて、クラッドが3層
からなり、かつ、コア、該コアを直接被覆する第1クラ
ッド、該第1クラッドの外周を順次被覆する第2クラッ
ド及び第3クラッドのそれぞれの屈折率(順次、(ncor
e)、(n1-clad)、(n2-clad)、及び、(n3-clad))が、
次式(I)〜(III)を同時に満足することを特徴とす
る。 0.20≦[(ncore)2−(n1-clad)21/2≦0.30 ・・・(I) [(ncore)2−(n3-clad)21/2≧0.45 ・・・(II) (n1-clad)>(n2-clad)>(n3-clad) ・・・(III) また、第1クラッドの厚み(t1 )、第2クラッドの厚
み(t2 )、第3クラッドの厚み(t3 )が、次式(I
V)〜(VII)を同時に満足するが好ましい。 2μm≦t1 ≦15μm ・・・(IV) 2μm≦t2 ≦15μm ・・・(V) 2μm≦t3 ≦15μm ・・・(VI) 6μm≦t1 +t2 +t3 ≦20μm ・・・(VII)
【0011】第1クラッドが、下記一般式
【化2】 (式中、mは1〜2、nは1〜5の整数、Xは水素原子
または弗素原子を表わす)で表される1種以上のフルオ
ロアルキルメタクリレートと、メチルメタクリレートと
をモノマ成分として含むメタクリレート系共重合体から
なり、第3クラッドが、フッ化ビニリデン単位を含むフ
ッ化ビニリデン系(共)重合体からなり、かつ、第2ク
ラッドが、前記メタクリレート系共重合体及び前記フッ
化ビニリデン系(共)重合体から選択されることが好ま
しく、さらに、第1クラッドを構成するメタクリレート
系共重合体のガラス転移点温度(Tg)が85℃以上で
あることが好ましい。さらにまた、第3クラッドが、フ
ッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合
体、又は、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロプロピレンとの共重合体からなること
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光ファイバにおけるコア
は、実質的に有機重合体から成る。その有機重合体は、
好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポ
リスチレン、ポリカーボネートであり、更に好ましくは
PMMAである。これらの樹脂は単独重合体で用いても
よいし、他の共重合可能なモノマを共重合させた共重合
体として用いてもよい。共重合可能なモノマとしては、
例えばPMMAの場合、メタクリル酸、アクリル酸、ア
クリル酸メチルやアクリル酸エチルなどのアクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン、無水マ
レイン酸、N−イソプロピルマレイミドなどのマレイミ
ド類などが挙げられ、これらの中から1種類以上適宜選
択して共重合させればよい。
【0013】本発明の光ファイバにおけるクラッドは、
光ファイバを曲げた状態でもコア内を伝搬する光をでき
るだけ漏れることのないようにするため、少なくともコ
アの屈折率より小さい屈折率を有する無色透明の3つの
層(第1クラッド、第2クラッド、第3クラッド)から
構成されていることが必要である。第1クラッドとはコ
アを直接被覆するクラッドであり、第2クラッドとはそ
の第1クラッドを直接被覆するクラッドであり、第3ク
ラッドとはその第2クラッドを直接被覆するクラッドで
ある。すなわち、光ファイバを曲げた状態で第1クラッ
ドから放射した光は第2クラッド、さらには第3クラッ
ドを設けたことによって、放射した光を有効に再度コア
内へ差し戻す処方を施すことができ、より光ファイバの
取扱性を向上させることができるからである。
【0014】本発明においては光ファイバの開口数を特
定範囲内とすることが必要であり、その開口数NA(Nu
merical Aperture)は一般に次式で定義される。 NA=[(ncore)2 −(nclad)21/2 ここで、(ncore):コア屈折率、 (nclad):クラッド
屈折率、である。 本発明の光ファイバにはクラッドが3層存在するので、
コアと各クラッドとの屈折率の関係が重要である。
【0015】まず第1に、本発明の光ファイバは、コア
の屈折率(ncore)と第1クラッドの屈折率(n1-cla
d)の関係が次式を満足する必要がある。 0.20≦[(ncore)2 −(n1-clad)21/2 ≦0.3
0 この値が0.20未満では受光角度が小さく結合損失が
増大し、かつ曲げ損失が大き過ぎ、クラッドを3層化し
てもそれら欠点を補うことは困難である。また、0.3
0を越えると帯域が低くなり、伝送速度が遅くなるの
で、ネットワークの光信号伝送用としては不適当であ
る。好ましくは0.22以上及び/又は0.28以下で
ある。
【0016】さらに、第1クラッド、第2クラッド、第
3クラッドの屈折率(それぞれ、(n1-clad)、(n2-cla
d)、及び、(n3-clad))は、(n1-clad)>(n2-clad)>
(n3-clad)を満足する必要がある。通常、光ファイバを
曲げた状態では、コア内の光の一部が放射モ−ドとなっ
て、クラッド外部に漏れることにより曲げ損失が発生す
るが、(n1-clad)>(n2-clad)>(n3-clad)を満足させ
ることによって、第1クラッドから放射した光も第2ク
ラッドでコア内に差し戻され、曲げ条件が厳しい場合、
第2クラッドから漏れた光も第3クラッドを設けたこと
によって、より有効にコア内へ光を差し戻すことができ
るからである。
【0017】さらに、コアの屈折率(ncore)と第3ク
ラッドの屈折率(n3-clad)の関係は次式を満足する必
要がある。 [(ncore)2 −(n3-clad)21/2 ≧0.45 この値が0.45未満では、クラッドを3層化したこと
による所望の効果(低開口数化によって生じる曲げ損失
の悪化を抑制する効果)が発揮できない。
【0018】本発明においては各クラッドの厚みを制御
することが好ましい。各クラッドの厚みはそれぞれ2〜
15μmが好ましく、さらに好ましくは2〜10μmで
ある。2μm未満では、コア/クラッド界面で光が漏れ
て伝送損失が悪化する。さらにはクラッド/クラッド界
面においても、コア内へ光を差し戻す効果を十分に発揮
できない。また、15μmを越えると、例えばファイバ
外径を500μmとした場合、コア径が小さくなり、入
射部での受光量が低下する。また、クラッド材は一般的
に高価であるためコスト高となる。そして、第1クラッ
ド、第2クラッド及び第3クラッドを合わせた総厚みは
6〜20μmが好ましく、さらに好ましくは6〜15μ
mである。
【0019】第1クラッドを構成する樹脂は、優れた耐
熱性、透明性を保持したまま屈折率を高くして、コアの
屈折率との差を小さくすることが必要である。
【0020】従って、第1クラッドを構成する好ましい
樹脂としては下記一般式
【化3】 (式中、mは1〜2、nは1〜5の整数、Xは水素原子
または弗素原子を表わす)で表される1種以上のフルオ
ロアルキルメタクリレート(FMA)と、メチルメタク
リレートとをモノマ成分として含むメタクリレート系共
重合体が挙げられる。FMAの例としてはトリフルオロ
エチルメタクリレート(3FMA)、テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート(4FMA)、ペンタフルオロプ
ロピルメタクリレート(5FMA)、オクタフルオロペ
ンチルメタクリレート(8FMA)、ジトリフルオロメ
チルメチルメタクリレート(6FMA)等が挙げられ
る。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以
上組み合わせて用いてもよい。特に、FMAモノマ中に
含まれるフッ素原子数は11以下であることが好まし
い。12以上と多過ぎる場合はMMAと共重合させても
熱分解し易くなるので、POFの耐熱性が悪化するし、
モノマのコスト面からも不具合である。さらに好ましく
は3〜10である。また共重合成分全体に対するFMA
の含有量が10モル%未満と少な過ぎるとMMAの含有
量が多くなり過ぎて機械特性が悪化するので、10〜4
0モル%の1種以上のFMAと90〜60モル%のMM
Aをモノマ成分として含むメタクリレート系共重合体
が、優れた機械特性、耐熱性及び透明性の点からより好
ましい。
【0021】又、上記FMA、MMA以外の共重合可能
な他のモノマ成分は30モル%以下の少量ならば含んで
もよい。その“他のモノマ成分”としては、具体的には
メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸メチルやアクリ
ル酸エチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸
エステル類、スチレン、無水マレイン酸、N−イソプロ
ピルマレイミドなどのマレイミド類などが挙げられる。
これらのうち、クラッド材の機械特性改良のためには、
アクリル酸エチルを共重合することが好ましく、0.1
〜10モル%で含むことがさらに好ましい。第1クラッ
ドを構成する共重合体のガラス転移点温度(Tg)は、
85℃未満であるとPOFの耐熱性が悪化して実用上の
問題が生じ易いので85℃以上が好ましい。
【0022】一方、第3クラッドを構成する樹脂として
は、フッ化ビニリデン単位を含むフッ化ビニリデン系
(共)重合体を使用するのが好ましい。第2クラッドを
構成する樹脂は、前記メタクリレート系共重合体及び前
記フッ化ビニリデン系(共)重合体の中から選択するこ
とが好ましい。
【0023】第2クラッド及び第3クラッドは、第1ク
ラッドの屈折率をコアの屈折率に近づけたために生じる
POFの曲げ損失の増加を抑制することを主目的とする
ものであって、一般的には第1クラッドよりも屈折率の
低い樹脂を用いればよい。しかしながら、4層同心円状
構造からなる本ファイバの良好な透光性を具現化するた
めには、それぞれの層間のポリマ密着性、相溶性が非常
に重要であり、特に機械特性や他のポリマとの密着性、
相溶性の点で優れているフッ化ビニリデン単位を含む
(共)重合体が、前記した第1クラッドと組み合わせる
第2、第3クラッドとして最適であり、機械特性におい
ても優れたPOFとすることができる。
【0024】フッ化ビニリデン単位を含むフッ化ビニリ
デン系(共)重合体の例としては、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVdF)、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエ
チレン(TFE)及び/又はヘキサフルオロプロピレン
(HFP)との2元又は3元共重合体が好ましいく、P
MMAとPVdFとのポリマ混合物として用いてもよ
い。特に透明性や機械特性の点で優れたVdF/TFE
2元共重合体やVdF/TFE/HFP3元共重合体の
使用がより好ましい。又、第2クラッドにVdF/TF
E2元共重合体を用いた場合には、透明性の点からTF
Eの含有量は特に15〜19モル%であることが好まし
い。
【0025】本発明のプラスチック光ファイバは一般的
な製造法と同様にして製造すればよい。例えば、コア材
と第1、第2、第3クラッド材とを加熱溶融状態下で、
4層同心円状複合用の複合口金から吐出してコア/第1
クラッド/第2クラッド/第3クラッドの4層芯鞘構造
を形成させる複合紡糸法が好ましく用いられる。また紡
糸後のファイバ外径変動、黄変などを防止するためコア
中の残存モノマ濃度は0.6%未満が好ましく、0.3
%未満がより好ましい。
【0026】続いて、機械特性を向上させる目的で1.
2〜3倍程度の延伸処理が一般的に行なわれ、プラスチ
ック光ファイバとなる。このプラスチック光ファイバの
外径は通常0.1〜3mm程度であり、目的に応じて適
宜選択すればよいが、取扱性などの面から0.5〜1.
5mmのものが好ましい。
【0027】更にこのプラスチック光ファイバの外側に
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、架橋
ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、
ポリアミド等の公知の樹脂をクロスヘッドダイを使用し
た溶融押出し成形法等の通常の方法により少なくとも1
種以上被覆してもよく、アラミド繊維“ケブラー”等の
高張力繊維を介在させてもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。 開口数NA: JIS−C6862反射法によって測定
した。 伝送損失: ハロゲン平行光(波長650nm、入射NA
=0.20)を使用して30/2mカットバック法によ
り測定した。 伝送帯域: 測定装置として浜松ホトニクス社製光サン
プリングオシロスコープを用い、光源として浜松ホトニ
クス社製レーザダイオード(波長650nm)を用い、
50m長のファイバで−3dB帯域をインパルス応答法
にて測定した。
【0029】曲げ損失: 3m長のファイバの一端に波
長650nmのハロゲン光(入射NA=0.25)を入
射して直径25.4mmφのマンドレルへの15回(90
°)巻き付け前後の出射光量を測定し、その光量差を算
出した。 連続屈曲破断回数: ファイバの一端に500gの荷重
をかけ、直径30mmφのマンドレルで支持し、その支
持点を中心にファイバの他端を角度90°で連続的に回
転させて、ファイバが切断するまでの回数を測定した。
【0030】耐熱性: 高温オーブン(タバイエスペッ
ク社製PHH−200)内に試長28mのファイバ(両
末端各1mはオーブン外)を85℃、1000時間投入
し、試験前後の光量を測定してその変化量を指標とした
(マイナスは光量ダウンを示す)。 ガラス転移点: 測定装置としてPerkin−Elm
er社製DSC−2C型を使用し、昇温速度10℃/mi
n 、2nd.RUN 法にてガラス転移中心温度を測定した。
【0031】[実施例1]第1クラッド材として表1の
8FMA/MMA共重合体(屈折率(n1-clad)=1.4
72)、第2クラッド材として表2のVdF/TFE共
重合体(屈折率(n2-clad)=1.406)、第3クラッ
ド材として表2のVdF/TFE/HFP共重合体(屈
折率(n3-clad)=1.365)をそれぞれ複合紡糸機に
供給した。さらに、連続塊状重合によって製造したPM
MA(屈折率(ncore)=1.492)をコア材として複
合紡糸機に供給して、コア、第1クラッド、第2クラッ
ド、及び第3クラッドを4層芯鞘複合溶融紡糸し、ファ
イバ径1000μm(コア径980μm、第1/第2/
第3クラッド厚:4.0/3.0/3.0μm)のベア
ファイバを得た。さらに、ポリエチレンを被覆して2.
2mmのコードとした。こうして得られた光ファイバを
前記の評価方法により評価し、その結果を表3に示し
た。表3からわかるように、13.5MHz・kmと高
帯域であり、曲げ損失が小さく、且つ繰り返し屈曲性も
良好であり、高速通信用として好適なものであった。
【0032】[実施例2〜4及び比較例1〜3]第1ク
ラッド材、第2クラッド材及び第3クラッド材の共重合
体を表1、表2のとおりに変更した以外は実施例1と同
様にして光ファイバを得た。また、第3クラッドを設け
ない光ファイバも同様にして得た(比較例1)。これら
の光ファイバを使用して実施例1と同じ評価を行い、そ
の結果を表3に示した。
【0033】本発明の実施例2〜4は伝送帯域が高く、
曲げ損失、耐熱性、繰り返し屈曲特性(機械特性)のい
ずれも優れていた。これに対し、比較例1のようにコア
−第1クラッドのファイバ開口数が本発明範囲内でも第
3クラッドのないものは曲げ損失が悪かった。また、コ
ア−第1クラッドのファイバ開口数が低すぎる場合は比
較例2のように伝送帯域は高いが曲げ損失特性が悪く、
逆に、開口数が高すぎる場合は比較例3のように曲げ損
失特性は良好であるが伝送帯域が悪かった。さらに、比
較例3のように長鎖FMAを用いたものは、透光性、耐
熱性が劣っていた。
【0034】なお、表1、表2に示した第1クラッド材
及び第2クラッド材の共重合体のモノマ組成を示すモノ
マ成分の略記号は、次のとおりである。 PMMA:ポリメチルメタクリレート、 MMA:メチルメタクリレート、 VdF:フッ化ビニリデン、 TFE:テトラフルオロエチレン、 HFP:ヘキサフルオロプロピレン、 4FMA:2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメ
タクリレート、 5FMA:2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピ
ルメタクリレート、 8FMA:2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフ
ルオロペンチルメタクリレート、 17FMA:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−
ペンタデカフロムデシルメタクリレート
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明の光ファイバは伝送帯域が高いこ
とに加え、曲げ損失、繰り返し屈曲特性及び耐熱性も良
好であるので、光信号伝送用として好適である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機重合体からなるコアと、該コアの
    屈折率より小さい屈折率を有する無色透明の有機重合体
    からなるクラッドとを有するプラスチック光ファイバに
    おいて、クラッドが3層からなり、かつ、コア、該コア
    を直接被覆する第1クラッド、該第1クラッドの外周を
    順次被覆する第2クラッド及び第3クラッドのそれぞれ
    の屈折率(順次、(ncore)、(n1-clad)、(n2-clad)、
    及び、(n3-clad))が、次式(I)〜(III)を同時に
    満足することを特徴とする高帯域プラスチック光ファイ
    バ。 0.20≦[(ncore)2−(n1-clad)21/2≦0.30 ・・・(I) [(ncore)2−(n3-clad)21/2≧0.45 ・・・(II) (n1-clad)>(n2-clad)>(n3-clad) ・・・(III)
  2. 【請求項2】 第1クラッドの厚み(t1 )、第2ク
    ラッドの厚み(t2 )、第3クラッドの厚み(t3 )
    が、次式(IV)〜(VII)を同時に満足することを特徴
    とする請求項1記載の高帯域プラスチック光ファイバ。 2μm≦t1 ≦15μm ・・・(IV) 2μm≦t2 ≦15μm ・・・(V) 2μm≦t3 ≦15μm ・・・(VI) 6μm≦t1 +t2 +t3 ≦20μm ・・・(VII)
  3. 【請求項3】 第1クラッドが、下記一般式 【化1】 (式中、mは1〜2、nは1〜5の整数、Xは水素原子
    または弗素原子を表わす)で表される1種以上のフルオ
    ロアルキルメタクリレートと、メチルメタクリレートと
    をモノマ成分として含むメタクリレート系共重合体から
    なり、第3クラッドが、フッ化ビニリデン単位を含むフ
    ッ化ビニリデン系(共)重合体からなり、かつ、第2ク
    ラッドが、前記メタクリレート系共重合体及び前記フッ
    化ビニリデン系(共)重合体から選択されることを特徴
    とする請求項1又は2記載の高帯域プラスチック光ファ
    イバ。
  4. 【請求項4】 第1クラッドを構成するメタクリレー
    ト系共重合体のガラス転移点温度(Tg)が85℃以上
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の高帯
    域プラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 第3クラッドが、フッ化ビニリデンと
    テトラフルオロエチレンとの共重合体、又は、フッ化ビ
    ニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプ
    ロピレンとの共重合体からなることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の高帯域プラスチック光ファイ
    バ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004126429A (ja) * 2002-10-07 2004-04-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd プラスチック光ファイバ及びプラスチック光ファイバケーブル
JPWO2016063829A1 (ja) * 2014-10-20 2017-07-27 三菱ケミカル株式会社 光ファイバ、光ファイバの製造方法、光ファイバケーブル及びセンサ

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