JPH11291803A - 乗員検知システム及び乗員検知方法 - Google Patents

乗員検知システム及び乗員検知方法

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JPH11291803A
JPH11291803A JP10097783A JP9778398A JPH11291803A JP H11291803 A JPH11291803 A JP H11291803A JP 10097783 A JP10097783 A JP 10097783A JP 9778398 A JP9778398 A JP 9778398A JP H11291803 A JPH11291803 A JP H11291803A
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JP
Japan
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occupant
electric field
circuit
phase difference
antenna electrode
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JP10097783A
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English (en)
Inventor
Yoshitake Oka
義剛 岡
Shinko Ofuji
眞弘 大藤
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NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/01Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents
    • B60R21/015Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents including means for detecting the presence or position of passengers, passenger seats or child seats, and the related safety parameters therefor, e.g. speed or timing of airbag inflation in relation to occupant position or seat belt use
    • B60R21/01512Passenger detection systems
    • B60R21/0153Passenger detection systems using field detection presence sensors
    • B60R21/01532Passenger detection systems using field detection presence sensors using electric or capacitive field sensors

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員の着席状況を的確に検知できる上、この検
知結果に基づいてエアバッグ装置などを適切に制御可能
な乗員検知システムを提供すること。 【解決手段】シ−トに配置した複数のアンテナ電極の周
辺に電界を発生させる電界発生手段11と、アンテナ電
極に電界発生手段を選択的に切換・接続する切換回路1
8と、切換回路によって選択されたアンテナ電極に流れ
る電流に関連する情報を検出する情報検出回路15と、
電界発生手段からの送信信号とアンテナ電極への出力信
号との位相差を検出する位相差検出回路20と、情報検
出回路及び位相差検出回路から出力される信号を取り込
み、これらの信号デ−タに基づいてシ−トへの乗員の着
席状況などを判断する制御回路22と、エアバッグ装置
30とを具備し、制御回路の判断結果に基づくデ−タを
エアバッグ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグ
を展開可能又は展開不可能な状態のいずれか一方にセッ
トするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗員検知システム
及び乗員検知方法に関し、特にエアバッグ装置を搭載し
た自動車の助手席における乗員の着席状況などに応じ
て、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は
展開不可能な状態に設定し得る乗員検知システム及び乗
員検知方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ装置は自動車の衝突
時に乗員が受ける衝撃を緩和するための装置であって、
自動車の安全性になくてならないものになっており、近
時、運転席のみならず、助手席にも設置されるようにな
っている。
【0003】このエアバッグ装置は、例えば図16に示
すように、セ−フィングセンサSS1,スクイブSQ
1,電界効果形トランジスタなどの半導体スイッチング
素子SW1の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路
と、セ−フィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界
効果形トランジスタなどの半導体スイッチング素子SW
2よりなる助手席側のスクイブ回路と、電子式加速度セ
ンサ(衝突検出センサ)GSと、電子式加速度センサG
Sの出力信号に基づいて衝突の有無を判断し、半導体ス
イッチング素子SW1,SW2のゲ−トに信号を供給す
る機能を有する制御回路CCとから構成されている。
【0004】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因に基づき自動車が衝突した場合、セ−フィングセンサ
SS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな加
速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のスク
イブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速
度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動
車が確実に衝突したと判断すると、半導体スイッチング
素子SW1,SW2のゲ−トに信号が供給され、同スイ
ッチング素子SW1,SW2がON状態になる。これに
よって、それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、
スクイブSQ1,SQ2の発熱に起因して運転席側及び
助手席側のエアバッグが展開され、乗員が衝突による衝
撃から保護される。
【0005】ところで、このエアバッグ装置ではシ−ト
への乗員の着席の有無に関係なく、自動車の衝突によっ
てエアバッグが展開するように構成されているために、
例えば助手席に大人の乗員が着席している場合には衝突
時に上述のような乗員の保護効果が期待できるものであ
るが、乗員が子供の場合には大人に比べて座高が低いこ
とに伴って頭部位置も低いことから、エアバッグの展開
による子供への影響が懸念される。従って、乗員が子供
の場合には仮に自動車が衝突してもエアバッグは展開さ
せないことが望ましい場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来において
は、このような問題に対応するために、例えば図17に
示すようなエアバッグ装置が提案されている。このエア
バッグ装置は、助手席に乗員が着席しているか否かを検
出するセンサSDを設置し、このセンサSDの検出信号
に基づいて制御回路CCが助手席への乗員の着席状況を
判断し、自動車が衝突した場合に、エアバッグを展開可
能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセット
するように構成されている。特に、センサSDとして
は、重量センサを用い、この重量センサにて測定した乗
員の重量に基づいて大人か子供かの判定を行うものと、
シ−トに着席している乗員をカメラで撮影して画像処理
により大人か子供かの判定を行うものとが提案されてい
る。
【0007】前者の方法によれば、乗員が大人か子供か
の大まかな判定は可能であり、この結果に基づいてエア
バッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれ
か一方にセットし、自動車の衝突時における不測の事態
を回避することができるものの、体重は個人差が大き
く、仮に子供でも大人より重い場合もあり得ることか
ら、正確性に欠けるという問題がある。
【0008】又、後者の方法によれば、乗員の着席の有
無,乗員が大人か子供かなどの着席状況の判断をかなり
正確に行うことができるものの、カメラで撮影した撮像
デ−タを画像処理し各種パタ−ンとの比較判断を行わな
ければならないために、処理装置が複雑かつ高価になる
という問題がある。
【0009】それ故に、本発明の目的は、シ−トへの乗
員の着席状況などを的確に検知できる上、この検知結果
に基づいてエアバッグ装置を適切に制御可能な乗員検知
システム及び乗員検知方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、シ−トに離隔して配置した複
数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を
発生させるための電界発生手段と、複数のアンテナ電極
のうち、特定のアンテナ電極に電界発生手段を選択的に
切換・接続する切換回路と、切換回路によって選択され
た特定のアンテナ電極の周辺に電界を発生させ、この電
界に基づいて特定のアンテナ電極に流れる電流に関連す
る情報を検出する情報検出回路と、電界発生手段からの
送信信号とアンテナ電極への出力信号との位相差を検出
する位相差検出回路と、情報検出回路及び位相差検出回
路から出力される信号を取り込み、これらの信号デ−タ
に基づいてシ−トへの乗員の着席状況などを判断する制
御回路とを具備したことを特徴とする。
【0011】又、本発明の第2の発明は、シ−トに離隔
して配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周
辺に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、複数
のアンテナ電極のうち、特定のアンテナ電極に電界発生
手段を選択的に切換・接続する切換回路と、切換回路に
よって選択された特定のアンテナ電極の周辺に電界を発
生させ、この電界に基づいて特定のアンテナ電極に流れ
る電流に関連する情報を検出する情報検出回路と、電界
発生手段からの送信信号とアンテナ電極への出力信号と
の位相差を検出する位相差検出回路と、情報検出回路及
び位相差検出回路から出力される信号を取り込み、これ
らの信号デ−タに基づいてシ−トへの乗員の着席状況な
どを判断する制御回路と、衝突に基づいてエアバッグを
展開させる機能を有するエアバッグ装置とを具備し、前
記制御回路の判断結果に基づくデ−タをエアバッグ装置
に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状
態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットするこ
とを特徴とする。
【0012】又、本発明の第3の発明は、前記複数のア
ンテナ電極をシ−トの着席部及び/又は背もたれ部に配
置したことを特徴とし、第4の発明は、前記位相差検出
回路は、情報検出回路の電界発生手段側の電圧とアンテ
ナ電極側の電圧との位相差を検出するように構成したこ
とを特徴とし、第5の発明は、前記位相差検出回路は、
送信信号の立ち上がりエッジに対する出力信号の立ち上
がりないし立ち下がりエッジを検出することにより、両
信号間の位相差を検出するように構成したことを特徴と
し、第6の発明は、前記制御回路は、予め記憶されてい
る乗員の着席状況などに関するデ−タと、情報検出回路
及び位相差検出回路から出力される各種情報に基づくデ
−タとを比較することにより、乗員の着席状況などを判
断するように制御されることを特徴とする。
【0013】又、本発明の第7の発明は、シ−トに離隔
して配置した複数のアンテナ電極のうち、選択された特
定のアンテナ電極に電界発生手段からの送信信号を付与
することにより、そのアンテナ電極の周辺に電界を発生
させ、この電界に基づいて特定のアンテナ電極に流れる
電流に関連する情報を検出すると共に、電界発生手段か
らの送信信号とアンテナ電極への出力信号との位相差を
検出し、この情報及び位相差に関する信号デ−タに基づ
いて乗員のシ−トへの着席状況などを判断することを特
徴とする。
【0014】さらに、本発明の第8の発明は、シ−トに
離隔して配置した複数のアンテナ電極のうち、選択され
た特定のアンテナ電極に電界発生手段からの送信信号を
付与することにより、そのアンテナ電極の周辺に電界を
発生させ、この電界に基づいて特定のアンテナ電極に流
れる電流に関連する情報を検出すると共に、電界発生手
段からの送信信号とアンテナ電極への出力信号との位相
差を検出し、この情報に関する信号デ−タに基づいて乗
員のシ−トへの着席状況などを判断し、この判断結果に
基づくデ−タをエアバッグ装置に送信し、エアバッグ装
置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態
のいずれか一方にセットすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の基本原理について
図1を参照して説明する。この発明にかかる乗員検知シ
ステム及び乗員検知方法は、基本的にはシ−トに配置さ
れたアンテナ電極に発生させた微弱電界(Electric F
ield)の乱れを利用するものである。まず、同図(a)
に示すように、アンテナ電極E1に発振回路OSCから
の高周波低電圧を印加することにより、アンテナ電極E
1の周辺には微弱電界が生ずる結果、アンテナ電極E1
の側には電流(送信電流)Iが流れる。この状態におい
て、同図(b)に示すように、アンテナ電極E1の近傍
に物体OBを存在させると、電界に乱れが生じてアンテ
ナ電極E1の側には電流Iとは異なった電流I1が流れ
ることになる。
【0016】従って、自動車のシ−トに物体OBが乗っ
ている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E
1の側に流れる電流に変化が生ずるものであり、この現
象を利用することにより、シ−トへの乗員の着席状況な
どを検知することができるものである。特に、アンテナ
電極を増加させることによって、シ−ト上の乗員などを
含む物体についての多くの情報を得ることが可能とな
り、シ−トへの乗員の着席状況などをより的確に検知す
ることができる。尚、シ−トに物体OBが乗っている場
合にはアンテナ電極E1の側に流れる電流が増加し、シ
−トに物体OBが乗っていない場合にはアンテナ電極E
1の側に流れる電流が減少する。
【0017】次に、この原理を利用した本発明にかかる
乗員検知システムの実施例について図2〜図7を参照し
て説明する。尚、図16〜図17に示す従来例と同一部
分には同一参照符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。図2〜図4は本発明にかかる助手席(運転席)のシ
−ト及びアンテナ電極の配置構成を示しており、シ−ト
1は主として着席部1aと背もたれ部1bとから構成さ
れている。着席部1aは、例えば前後にスライド可能な
ベ−ス2に固定されたシ−トフレ−ム3と、シ−トフレ
−ム3の上部に配置されたクッション材と、クッション
材を覆う外装材とから構成されており、背もたれ部1b
は、例えばシ−トフレ−ムの前面側にクッション材を配
置すると共に、クッション材を外装材で被覆して構成さ
れている。特に、着席部1aにはほぼ同一形状(例えば
角形)に形成された複数のアンテナ電極4(4a〜4
d)が互いに離隔して対称的に配置されている。尚、こ
のアンテナ電極4は外装材の内側の他、外側に配置した
り、或いは外装材自身に設けることもできる。又、シ−
トフレ−ム3ないしその近傍には後述する制御ユニット
10が配置されている。
【0018】このアンテナ電極4は、例えば導電性の布
地にて構成されているが、糸状の金属を着席部1aのシ
−ト布面に織り込んだり、布面に導電性ペイントを被着
したり、金属板を配置したりして構成することもでき
る。特に、このアンテナ電極4は、例えば図3に示すよ
うに、不織布などのような絶縁部材よりなるベ−ス部材
5の一方の面にほぼ同一サイズの角形のアンテナ電極4
a〜4dを互いに離隔して対称的に配置・一体化するこ
とによって構成することが望ましく、着席部1aの外装
材の内側に配置される。そして、それぞれのアンテナ電
極4a〜4dからはシ−ルド線などのリ−ド線6(6a
〜6d)が独立して導出されており、後述する制御ユニ
ット10のコネクタ(或いは端子)19a〜19dに接
続されている。
【0019】上述のアンテナ電極4(4a〜4d)とリ
−ド線6(6a〜6d)との接続は、例えば図4に示す
ように行われている。尚、アンテナ電極4a〜4dとリ
−ド線6a〜6dとの接続構造はすべて同じであるため
に、アンテナ電極4aとリ−ド線6aとの接続構造を代
表例として説明する。即ち、同図(a),(b)に示す
ように、アンテナ電極4aのコ−ナ部分には接続端子7
が、アンテナ電極4a及びベ−ス部材5を貫通するよう
にかしめ固定して設けられている。この接続端子7には
それのかしめ固定に先立ってラグ端子8が装着されてお
り、かしめと同時にラグ端子8は接続端子7を介してア
ンテナ電極4aに電気的に接続される。このラグ端子8
にはリ−ド線6aが圧着端子9などを用いて電気的機械
的に接続されている。尚、アンテナ電極4aとリ−ド線
6aとの接続は、例えば同図(c)に示すように、アン
テナ電極4aの一部に延在部4aaを形成し、この延在
部4aaに接続端子7を設けることによって行うことも
できる。
【0020】上述のシ−ト1のシ−トフレ−ム3ないし
その近傍には制御ユニット10が配置されており、この
制御ユニット10は、例えば図5に示すように、アンテ
ナ電極4a〜4dの周辺に微弱電界を発生させるための
電界発生手段(例えば発振回路)11と、発振回路11
からアンテナ電極4への送信信号の電圧振幅をほぼ一定
に制御する振幅制御回路12と、送信信号の送信電流に
関連する情報を検出する情報検出回路(例えば電流検出
回路)15と、電流検出回路15の出力信号を直流に変
換するAC−DC変換回路16と、AC−DC変換回路
16の出力信号を増幅する増幅器17と、電流検出回路
15に接続され、かつ複数のスイッチング手段18a〜
18dを有するアンテナ電極4a〜4dの切換回路18
と、切換回路18のスイッチング手段18a〜18dに
接続され、かつ制御ユニットのハウジングに配置された
コネクタ19a〜19dと、電流検出回路15の振幅制
御回路側(発振回路側)及び切換回路側(アンテナ電極
側)に接続され、発振回路からの送信信号とアンテナ電
極への出力信号との位相差を検出する位相差検出回路2
0と、位相差検出回路20の出力信号を増幅する増幅器
21と、CPUなどを含む制御回路22と、ハウジング
に配置され、図示しないバッテリ電源に接続されるコネ
クタ23と、コネクタ23と制御回路22などとの間に
接続された電源回路24とから構成されている。この制
御ユニット10の制御回路22には、例えば図7に示す
構成のエアバッグ装置30が接続されている。尚、上述
の発振回路11は、例えば周波数が120KHz程度で
電圧が5〜12V程度の高周波低電圧を発生するように
構成されている。又、切換回路18におけるスイッチン
グ手段18a〜18dの選択的な切換は制御回路22か
らの信号に基づいて行われる。
【0021】この制御ユニット10において、振幅制御
回路12は、例えば送信信号の電圧振幅を可変する振幅
可変回路13と、送信信号の電圧振幅を検出する振幅検
出回路14とから構成されている。そして、振幅可変回
路13は、例えばプログラマブルゲインアンプ(PG
A)よりなる振幅可変部13aから構成されており、振
幅検出回路14は、例えばオペアンプなどよりなる電圧
振幅の検出部14aと、検出部14aの出力信号を直流
に変換するAC−DC変換回路14bと、AC−DC変
換回路14bの出力信号を増幅する増幅器14cとから
構成されている。尚、増幅器14cの出力信号は制御回
路22に供給され、振幅可変部13aに対する振幅可変
信号は制御回路22から出力される。
【0022】又、この制御ユニット10において、電流
検出回路15は、例えば回路(送信信号系)に直列に接
続されたインピ−ダンス素子例えば抵抗15aと、抵抗
15aの端子電圧を増幅する差動増幅器などの増幅器1
5bとから構成されている。この電流検出回路15の出
力側はAC−DC変換回路16,増幅器17を介して制
御回路22に接続されている。そして、電流検出回路1
5における抵抗15aの出力側は切換回路18を介して
コネクタ19a〜19gに接続されている。
【0023】さらに、位相差検出回路20は、例えば図
6(a)に示すように、発振回路11からの送信信号及
びアンテナ電極4(4a〜4d)への出力信号を別々に
正弦波から方形波に波形整形する波形整形回路20a,
20aと、第1のフリップフロップ回路20b1と、第
2のフリップフロップ回路20b2と、積分回路20c
とから構成されており、しかも、波形整形回路20a
は、例えば同図(b)に示すように構成されている。
尚、発振回路11の出力たる高周波低電圧が、電源回路
24にて作られた例えば+5Vの単電源からスイッチン
グ操作などによって生成される場合(生成電圧の波形が
方形波の場合)には、波形整形回路20aは省略でき
る。
【0024】このように構成された乗員検知システム
は、次のように動作する。まず、発振回路11から高周
波低電圧が送信されると、それの電圧振幅が振幅検出回
路14の検出部14aにて検出され、その検出信号はA
C−DC変換回路14bにて直流に変換され、増幅器1
4cにて増幅されて制御回路22に入力される。制御回
路22では検出された電圧振幅が所定の振幅値になって
いるか否かを判断し、所定の電圧振幅に修正するための
振幅可変信号が振幅可変部13aに出力される。これに
よって、送信信号の電圧振幅は所定の振幅に修正され、
以後、振幅可変回路13及び振幅検出回路14の連携動
作により、一定の振幅に制御される。
【0025】電圧振幅が一定化された送信信号は電流検
出回路15,切換回路18(18a〜18d),コネク
タ19a〜19dを介してアンテナ電極4(4a〜4
d)に供給され、その結果、アンテナ電極4(4a〜4
d)の周辺には微弱電界が発生される。この際に、切換
回路18は制御回路22からの信号によって開閉制御が
行われ、最初にスイッチング手段18aのみが閉成さ
れ、次にスイッチング手段18bのみが閉成され、以下
同様にして順次に特定のスイッチング手段のみが閉成さ
れると同時にその他のスイッチング手段は開放されるよ
うに切換制御される。従って、特定のスイッチング手段
(18a〜18d)が閉成された場合には、電圧振幅が
一定化された送信信号は電流検出回路15,特定のスイ
ッチング手段(18a〜18d),特定のコネクタ(1
9a〜19d)を介して特定のアンテナ電極(4a〜4
d)に供給され、その結果、特定のアンテナ電極(4a
〜4d)の周辺には微弱電界が発生され、シ−ト1に着
席している乗員の着席姿勢などに応じた異なった値の電
流が流れる。この電流は電流検出回路15によって検出
され、AC−DC変換回路16にて直流に変換され、増
幅器17にて増幅されて制御回路22に次々と入力され
る。尚、スイッチング手段(18a〜18d)の閉成順
序は、スイッチング手段18d,18c・・・18aの
ように逆の方向から行うこともできる。
【0026】一方、電流検出回路15の両端の信号(電
圧)、即ち振幅制御回路側における発振回路11からの
送信信号及び切換回路側(アンテナ電極側)におけるア
ンテナ電極4(4a〜4d)への出力信号が位相差検出
回路20に入力されると、正弦波信号は、図8(a)に
示すように、波形整形回路20aによって方形波に整形
され、第1,第2のフリップフロップ回路20b1,2
0b2に出力される。送信側の方形波出力の立ち上がり
エッジ(図示矢印)が第1のフリップフロップ回路20
b1の端子CKにて検出され、端子Qバ−はハイ(Hi
gh)出力となる。一方、受信側も、同図(b)に示す
ように、方形波出力の立ち上がりエッジ(図示矢印)が
第2のフリップフロップ回路20b2の端子Bにて検出
され、端子Qバ−からは一瞬だけロウ(Low)出力が
ワンショット出力される。この出力信号が第1のフリッ
プフロップ回路20b1の端子RESに入力されること
により、第1のフリップフロップ回路20b1の端子Q
バ−の出力は、同図(c)に示すように、ロウに反転さ
れる。この出力が位相量(位相差)となり、積分回路2
0cを通すことにより電圧に変換され、増幅器21を介
して制御回路22に入力される。尚、この位相量の検出
動作は、電流検出回路15による各アンテナ電極への送
信電流の検出動作に対応して順次に行われる。
【0027】この制御回路22には、予め、例えばシ−
ト1に着席している乗員の着席状況(着席の有無,大人
か子供かの識別)などに関するしきい値(しきい値デ−
タ),電流検出回路15への送信信号とアンテナ電極へ
の出力信号との位相差に関するしきい値(しきい値デ−
タ)などが格納されている。具体的には、乗員の着席の
有無に関するしきい値に関しては次のように設定され
る。例えば図9(a)及び(b)に示すように、シ−ト
1にそれぞれ大人の乗員P及び子供の乗員SPが着席し
ている場合には、それぞれのアンテナ電極に対向する面
積の違いによってそれぞれのアンテナ電極に流れる電流
のレベルが異なり、大人の乗員Pの場合には子供の乗員
SPの場合に比べて電流のレベルが高くなる。従って、
子供SPの場合の電流レベルより若干低いレベルが乗員
の着席の有無に関するしきい値として設定される。尚、
検出デ−タがこのしきい値より大きければ乗員が着席し
ていると判定され、小さければ着席していないと判定さ
れる。特に、このしきい値はそれぞれのアンテナ電極に
流れる電流の総和に対して設定することが望ましいが、
アンテナ電極毎に設定することも可能である。
【0028】又、乗員の識別に関するしきい値に関して
は次のように設定される。例えば図9(a)及び(b)
に示すように、シ−ト1にそれぞれ大人の乗員P及び子
供の乗員SPが着席している場合には、それぞれのアン
テナ電極に対向する面積の違いによってそれぞれのアン
テナ電極に流れる電流のレベルが異なり、大人の乗員P
の場合には子供の乗員SPの場合に比べて電流のレベル
が高くなる。従って、大人Pと子供SPとの中間的な電
流レベルを識別に関するしきい値として設定される。
尚、検出デ−タがこのしきい値より大きければ大人Pと
判定され、小さければ子供SPと判定される。特に、こ
のしきい値はそれぞれのアンテナ電極に流れる電流の総
和に対して設定することが望ましいが、アンテナ電極毎
に設定することも可能である。
【0029】一方、位相差に関しては、位相差検出回路
20によってシ−ト1に乗員が着席している時に検出さ
れる平均的な位相差と、人以外の存在によって検出され
る平均的な位相差との間の任意値が人が着席していると
判断するしきい値として設定される。尚、シ−トの状態
(例えば水濡れなど)によっては、しきい値に上限と下
限とを設定することもでき、その範囲内に位相差デ−タ
が存在する場合には人が着席していると判断される。従
って、制御回路22では、このような予め記憶された乗
員の着席などに関するしきい値デ−タ及び位相差に関す
るしきい値デ−タと、入力された電流に関連する着席デ
−タ及び位相差デ−タとが比較されることにより、シ−
ト1に着席している乗員が大人であるか子供であるか或
いはシ−トが水濡れ状態にあるか否かなどが精度よく判
断される。後述の処理フロ−では1つのしきい値を用い
た例で説明している。尚、位相差検出回路20による検
出位相差は、シ−トに乗員が着席している場合には増加
し、荷物の載置,未着席の場合には減少し、両者の間に
は明らかなレベル差が存在するものである。
【0030】従って、制御回路22に取り込まれた乗員
の着席状況などに関する信号デ−タは、予め制御回路2
2に記憶されている乗員の着席状況などに関するしきい
値デ−タと比較され、例えば図9(a)に示すように、
すべてのアンテナ電極4a〜4dの電流レベルが高い場
合には、シ−ト1に乗員が着席しており、その乗員は大
人Pであると判断される。これによって、図7に示すエ
アバッグ装置30は制御回路22からの送信信号によっ
て、エアバッグが展開可能なるようにセットされる。逆
に、図9(b)に示すように、すべてのアンテナ電極4
a〜4dの電流レベルが低く、かつ着席の有無のしきい
値より低い場合には、シ−ト1に乗員が着席しており、
その乗員は子供SPであると判断される。これによっ
て、図7に示すエアバッグ装置30は制御回路22から
の送信信号によって、エアバッグが展開不可能なるよう
にセットされる。即ち、制御回路22からの送信信号は
エアバッグ装置30の制御回路CCに入力され、後者の
場合には自動車の衝突時に助手席側の半導体スイッチン
グ素子SW2にゲ−ト信号を供給しないようにセットさ
れる。尚、運転席側の半導体スイッチング素子SW1に
はゲ−ト信号が供給される。前者の場合には半導体スイ
ッチング素子SW1,SW2にゲ−ト信号が供給される
ようにセットされる。
【0031】次に、この乗員検知システムの処理フロ−
について図10〜図14を参照して説明する。まず、図
10に示すように、イグニッションスイッチをONに
し、スタ−トする。ステップS1でイニシャライズし、
ステップS2に進む。ステップS2では制御回路22と
エアバッグ装置30との通信系にかかる初期診断を行
う。ステップS3ではエンジンがスタ−トしたか否かの
判断を行い、エンジンがスタ−トしていると判断した場
合にはステップS4に進む。スタ−トしていないと判断
された場合には戻る。ステップS4では複数のアンテナ
電極4a〜4dのうち、特定のアンテナ電極の周辺に発
生させた微弱電界に基づいてそれぞれ特定のアンテナ電
極に流れる電流に関連する信号デ−タ及びシ−ト1への
乗員の着席に関連する位相差デ−タの受信が行われる。
ステップS5では、取り込んだそれぞれのデ−タに基づ
いて、シ−トへの乗員の着席の有無,乗員が大人か子供
かなどが判定される。さらに、ステップS6ではステッ
プS5の判定結果に基づき、エアバッグ装置(SRS)
30との間でSRS通信が行われる。ステップS6が終
了すると、再びステップS4に戻り、ステップS4から
ステップS6の処理が繰り返し行われる。尚、ステップ
S3は省略することもできる。
【0032】図10における初期診断は、例えば図11
に示すように行われる。まず、ステップSA1では固定
デ−タを制御回路22からエアバッグ装置30の制御回
路CCに送信する。ステップSA2ではエアバッグ装置
30からの送信デ−タを受信する。そして、ステップS
A3では制御回路22からエアバッグ装置30に送信し
た固定デ−タとエアバッグ装置30からの受信デ−タと
が一致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致
すると判断されると、処理フロ−が継続される。それぞ
れのデ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状
があると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例え
ば警告灯などが点灯される。尚、この初期診断はエアバ
ッグ装置30から制御回路22に固定デ−タを送信し、
制御回路22からの送信デ−タをエアバッグ装置30の
制御回路CCにて、その一致性について判断させるよう
にしてもよい。
【0033】図10における信号受信は、例えば図12
に示すように行われる。まず、ステップSB1では制御
回路22からの信号に基づいて切換回路18のスイッチ
ング手段18a〜18dを、スイッチング手段18aの
み,スイッチング手段18bのみ・・・のように特定の
スイッチング手段のみを順次に選択的に閉成し、特定の
アンテナ電極(4a〜4d)が順次に選択される。そし
て、ステップSB2ではそれぞれのアンテナ電極への送
信信号デ−タ(出力信号デ−タ)及び位相差デ−タが制
御回路22に取り込まれる。さらに、ステップSB3で
は切換回路18のスイッチング手段18a〜18dの選
択的な閉成に基づくアンテナ電極4a〜4dの切換がす
べて終了したか否かが判断される。切換がすべて終了し
たと判断されると、乗員判定フロ−に継続される。切換
がすべて終了していないと判断されると、ステップSB
1に戻る。
【0034】図10における乗員判定は、例えば図13
に示すように行われる。まず、ステップSC1ではすべ
てのアンテナ電極4a〜4dに流れる電流(送信信号)
に関する信号デ−タと乗員の着席の有無に関するしきい
値デ−タとを比較し、現実の信号デ−タがしきい値より
大きいか否かが判断される。現実の信号デ−タがしきい
値より大きく、乗員が着席していると判断されるとステ
ップSC2に進み、現実の信号デ−タがしきい値より小
さく(大きくなく)、乗員が着席していないと判断され
るとステップSC3に進む。ステップSC2では位相差
検出回路20で検出された位相差に関連する信号デ−タ
と位相差に関するしきい値デ−タとを比較し、現実の位
相差デ−タがしきい値より大きいか否かが判断される。
現実の位相差デ−タがしきい値より大きいと、大人の乗
員が着席していると判断されてステップSC4に進み、
現実の位相差デ−タがしきい値より小さいと、子供の乗
員が着席していると判断されてステップSC3に進む。
ステップSC3ではシ−トに乗員が着席していないか或
いは子供が着席しているとの判定により、エアバッグ装
置30のエアバッグが展開しないようにするためのOF
Fデ−タがセットされると共に、処理フロ−が継続され
る。そして、ステップSC4ではシ−トに着席している
乗員が大人であるとの判定により、エアバッグ装置30
のエアバッグを展開させるためのONデ−タがセットさ
れると共に、SRSデ−タ通信フロ−に継続される。
【0035】図10におけるSRSデ−タ通信は、例え
ば図14に示すように行われる。まず、ステップSD1
では乗員検知ユニット側(制御回路22)からエアバッ
グ装置側(制御回路CC)に、エアバッグ装置30のエ
アバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にす
るためのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ
−タが送信される。ステップSD2ではエアバッグ装置
側からの、ONデ−タないしOFFデ−タに対するOK
デ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、
ステップSD3に進む。ステップSD3では乗員検知ユ
ニット側からエアバッグ装置側に送信したON/OFF
デ−タ及びチェックデ−タが正常な状態で再びエアバッ
グ装置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かが
判断される。正常(通信系に異状がない)と判断される
と、処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判
断されると、ステップSD4に進み、フェ−ルセ−フタ
イマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信
系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従っ
て、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断される
と、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが
点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになって
いないと判断されると、ステップSD5に進み、フェ−
ルセ−フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続
される。
【0036】一方、ステップSE1ではエアバッグ装置
側(制御回路CC)が乗員検知ユニット側(制御回路2
2)から、エアバッグ装置30のエアバッグを展開可能
な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タ
ないしOFFデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そ
して、ステップSE2では受信デ−タのチェックが行わ
れ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断さ
れる。いずれに判断されてもステップSE3に進み、O
Kデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タが乗員検
知ユニット側に送信される。ステップSE2で通信系に
異状がないと判断されると、ステップSE3のOKデ−
タ送信ステップを経てステップSE4に進む。このステ
ップSE4ではOKデ−タに基づいてエアバッグ装置側
のデ−タが更新される。これによって、エアバッグは展
開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に
更新セットされる。又、ステップSE2で通信系に異状
があると判断されると、ステップSE3のNGデ−タ送
信ステップを経てステップSE5に進む。このステップ
SE5ではフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否か
が判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3
回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマが
ゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行
われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ
−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステ
ップSE6に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが
行われ、処理フロ−が継続される。
【0037】この実施例によれば、電流検出回路15の
発振回路側及びアンテナ電極側における発振回路からの
送信信号とアンテナ電極4への出力信号との位相差はシ
−ト1に存在する物体によって異なる。特に、その物体
が人の場合にはそれ以外の物体に比較して識別可能な程
度のレベル差の位相差を有する。従って、位相差検出回
路20にて位相差を検出することによって、検出電流に
基づく乗員の識別に関連する信号デ−タとの判断と相俟
って簡易的に乗員のシ−ト1への着席の有無,乗員の識
別などの着席状況を的確に検知することができる。
【0038】又、シ−ト1の着席部1aには複数のアン
テナ電極4(4a〜4d)が互いに離隔して配置されて
おり、それぞれのアンテナ電極には切換回路18のスイ
ッチング手段18a〜18dによる切換によって順番に
発振回路11に接続され、高周波低電圧の印加により微
弱電界が発生されるために、シ−ト1に着席している乗
員に対向するアンテナ電極4(4a〜4d)にはその対
向面積などに応じた電流が流れる。従って、これらの電
流を検出することによって、シ−トへの乗員の着席の有
無,シ−トに着席している乗員が大人であるか子供であ
るかなどを容易に検知することができる。
【0039】又、複数のアンテナ電極4a〜4dは着席
部1aに対称的に配置されているために、乗員のシ−ト
1に対する着席姿勢がシ−トの横方向にずれた場合、そ
れぞれのアンテナ電極に流れる電流のパタ−ンなどか
ら、位置ずれを検知することができる。
【0040】又、アンテナ電極4(4a〜4d)に送信
される送信信号の電圧振幅を振幅制御回路12にてほぼ
一定になるように制御すれば、電流検出回路15にて検
出された電流に関連するデ−タの変動がなく、安定した
デ−タが得られる。従って、このデ−タに対して電圧振
幅の変動分の補正を行わなくても、得られたデ−タと制
御回路22に記憶されている乗員の着席状況などに関す
るしきい値デ−タとの比較・判断が容易になり、信頼
性,精度の高い検知が可能となる。
【0041】特に、エアバッグ装置30のエアバッグ
は、乗員が大人か子供かなどの判断に基づいて、展開可
能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に設定
される。例えば検出電流のレベルが低いことから乗員が
子供SPであると判断されると、エアバッグ装置30の
エアバッグは展開不可能な状態に設定される。従って、
仮に自動車が衝突しても、エアバッグは展開されないた
めに、子供がエアバッグによって二次的な損傷を受ける
ことを回避できる。
【0042】さらには、制御ユット10において、電源
回路24による単電源をシステム電源として利用すると
共に、発振回路11を正電源のみでほぼ方形波の高周波
低電圧が生成されるように構成すれば、電源回路24,
発振回路11は勿論のこと、ユニットの回路構成が簡略
化でき、システムのコストをも大幅に低減できる。
【0043】図15は本発明にかかる乗員検知システム
の他の実施例を示すものであって、基本的には上記実施
例と同じである。異なる点は、シ−ト1の背もたれ部1
bに複数のアンテナ電極4(4a〜4d)を離隔して対
称的に配置し、着席部1aにはアンテナ電極4を配置し
ないことである。
【0044】この実施例によれば、同図(a)に示すよ
うに、すべてのアンテナ電極4a〜4dとの対向面積が
広く、検出電流も大きい場合にはシ−トに着席している
乗員は大人Pであると判定されるし、又、同図(b)に
示すように、それぞれのアンテナ電極4a〜4dとの対
向面積が小さく、検出電流のレベルも低い場合には乗員
は子供SPであると容易に判定される。
【0045】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えばシ−トへのアンテナ電極の配置
数は適宜に増減できるし、その形態も角形の他、矩形
状,帯状などにも形成できる。又、電界発生手段は発振
回路の他、正電源を制御回路のクロック信号を利用した
スイッチング操作によってほぼ方形波の高周波低電圧を
発生させるように構成することもできるし、制御回路の
クロック信号を適宜に分周して発生させるように構成す
ることもできるし、それの出力周波数も車室内などの状
況などに応じて120KHz以外に設定することもでき
るし、その電圧も5〜12Vの範囲外でも使用できる。
又、電圧振幅制御回路はシステム電源の精度,システム
に期待される機能などによっては省略することもでき
る。又、情報検出回路は直接的にアンテナ電極に流れる
電流を検出する電流検出回路は勿論のこと、流れる電流
に関連性を有する電圧,波形などの情報に基づいて間接
的に検出する回路も含まれる。さらには、乗員判定は予
め制御回路に格納されているしきい値と現実のアンテナ
電極に流れる電流に関連する信号デ−タとの比較の他
に、乗員のシ−トへの各種着席パタ−ン,着席姿勢など
に関するデ−タを予め格納しておき、これとの比較によ
って、乗員の着席の有無,乗員が大人であるか否かなど
の判定を行うこともできる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電界発
生手段からの送信信号とアンテナ電極への出力信号との
位相差はシ−トに存在する物体によって異なる。特に、
その物体が人の場合にはそれ以外の物体に比較して識別
可能な程度のレベル差の位相差を有する。従って、位相
差検出回路にて位相差を検出することによって、検出電
流に基づく乗員の識別に関連する信号デ−タとの判断と
相俟って簡易的に乗員のシ−トへの着席の有無,乗員の
識別などの着席状況を的確に検知することができる。
【0047】又、シ−トには複数のアンテナ電極が互い
に離隔して配置されており、それぞれのアンテナ電極に
は切換回路の切換操作によって順番に電界発生手段に接
続されて電界が発生される。この電界に基づいてそれぞ
れのアンテナ電極には乗員のシ−トへの着席状況などに
応じた電流が流れる。従って、これらの電流に関連する
情報を検出することによって、シ−トへの乗員の着席の
有無,シ−トに着席している乗員が大人であるか子供で
あるかなどを容易に検知することができる。
【0048】特に、エアバッグ装置のエアバッグは、乗
員が大人か否かの判断に基づいて、展開可能な状態ない
し展開不可能な状態のいずれか一方に設定される。例え
ば頭部の位置が低いことから乗員が大人ではないと判断
されると、エアバッグ装置のエアバッグは展開不可能な
状態に設定される。従って、仮に自動車が衝突しても、
エアバッグは展開されないために、子供に対しより適切
なエアバッグの制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの基本動作を
説明するための図であって、同図(a)はアンテナ電極
の周辺の電界分布を示す図、同図(b)はアンテナ電極
の近傍に物体が存在した時の電界分布を示す図。
【図2】本発明にかかる乗員検知システムの車室内部分
を示す図であって、同図(a)はシ−トへのアンテナ電
極の配置状態を示す側面図、同図(b)は同図(a)の
平面図。
【図3】図2に示すアンテナ電極の具体的構成図であっ
て、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX
−X断面図、同図(c)は同図(a)のY−Y断面図。
【図4】図2に示すアンテナ電極への接続端子の結合状
態を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)
は同図(a)のZ−Z断面図、同図(c)は他の実施例
を示す平面図。
【図5】本発明にかかる乗員検知システムの回路ブロッ
ク図。
【図6】同図(a)は図5に示す位相差検出回路の具体
例な回路ブロック図、同図(b)は波形整形回路の回路
ブロック図。
【図7】図5に示すエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図8】図6に示す位相差検出回路の動作を説明するた
めの図であって、同図(a)は送信信号及び第1のフリ
ップフロップ回路の出力信号の波形図、同図(b)は出
力信号及び第2のフリップフロップ回路の出力信号の波
形図、同図(c)は第1,第2のフリップフロップ回路
の出力信号から位相量の検出状態を示す図。
【図9】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するため
の図であって、同図(a)は大人の着席状態を示す図、
同図(b)は子供の着席状態を示す図。
【図10】本発明にかかる乗員検知システムによる乗員
検知のフロ−チャ−ト。
【図11】図10に示す初期診断のフロ−チャ−ト。
【図12】図10に示す信号受信のフロ−チャ−ト。
【図13】図10に示す乗員判定のフロ−チャ−ト。
【図14】図10に示すSRS通信のフロ−チャ−ト。
【図15】本発明にかかるシ−トへのアンテナ電極の配
置状態を示す他の実施例であって、同図(a)はそのシ
−トに大人が着席している状態の正面図、同図(b)は
子供が着席している状態の正面図。
【図16】従来例にかかるエアバッグ装置の回路ブロッ
ク図。
【図17】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の
回路ブロック図。
【符号の説明】
1 シ−ト 1a 着席部 1b 背もたれ部 4(4a〜4d) アンテナ電極 5 ベ−ス部材 6(6a〜6d) リ−ド線 7 接続端子 8 端子 9 接続部 10 制御ユニット 11 電界発生手段(発振回路) 12 振幅制御回路 13 振幅可変回路 14 振幅検出回路 15 情報検出回路(電流検出回路) 16 AC−DC変換回路 17,21 増幅器 18(18a〜18d) 切換回路 19a〜19d コネクタ(端子) 20 位相差検出回路 22 制御回路 24 電源回路 30 エアバッグ装置 SS1,SS2 セ−フィングセンサ SQ1,SQ2 スクイブ SW1,SW2 半導体スイッチング素子 CC 制御回路 GS 電子式加速度センサ
フロントページの続き (72)発明者 大藤 眞弘 神奈川県横浜市神奈川区新浦島町1丁目1 番地25 日本電気ロボットエンジニアリン グ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シ−トに離隔して配置した複数のアンテ
    ナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させる
    ための電界発生手段と、複数のアンテナ電極のうち、特
    定のアンテナ電極に電界発生手段を選択的に切換・接続
    する切換回路と、切換回路によって選択された特定のア
    ンテナ電極の周辺に電界を発生させ、この電界に基づい
    て特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する情報を検
    出する情報検出回路と、電界発生手段からの送信信号と
    アンテナ電極への出力信号との位相差を検出する位相差
    検出回路と、情報検出回路及び位相差検出回路から出力
    される信号を取り込み、これらの信号デ−タに基づいて
    シ−トへの乗員の着席状況などを判断する制御回路とを
    具備したことを特徴とする乗員検知システム。
  2. 【請求項2】 シ−トに離隔して配置した複数のアンテ
    ナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させる
    ための電界発生手段と、複数のアンテナ電極のうち、特
    定のアンテナ電極に電界発生手段を選択的に切換・接続
    する切換回路と、切換回路によって選択された特定のア
    ンテナ電極の周辺に電界を発生させ、この電界に基づい
    て特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する情報を検
    出する情報検出回路と、電界発生手段からの送信信号と
    アンテナ電極への出力信号との位相差を検出する位相差
    検出回路と、情報検出回路及び位相差検出回路から出力
    される信号を取り込み、これらの信号デ−タに基づいて
    シ−トへの乗員の着席状況などを判断する制御回路と、
    衝突に基づいてエアバッグを展開させる機能を有するエ
    アバッグ装置とを具備し、前記制御回路の判断結果に基
    づくデ−タをエアバッグ装置に送信し、エアバッグ装置
    のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態の
    いずれか一方にセットすることを特徴とする乗員検知シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記複数のアンテナ電極をシ−トの着席
    部及び/又は背もたれ部に配置したことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の乗員検知システム。
  4. 【請求項4】 前記位相差検出回路は、情報検出回路の
    電界発生手段側の電圧とアンテナ電極側の電圧との位相
    差を検出するように構成したことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の乗員検知システム。
  5. 【請求項5】 前記位相差検出回路は、送信信号の立ち
    上がりエッジに対する出力信号の立ち上がりないし立ち
    下がりエッジを検出することにより、両信号間の位相差
    を検出するように構成したことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の乗員検知システム。
  6. 【請求項6】 前記制御回路は、予め記憶されている乗
    員の着席状況などに関するデ−タと、情報検出回路及び
    位相差検出回路から出力される各種情報に基づくデ−タ
    とを比較することにより、乗員の着席状況などを判断す
    るように制御されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の乗員検知システム。
  7. 【請求項7】 シ−トに離隔して配置した複数のアンテ
    ナ電極のうち、選択された特定のアンテナ電極に電界発
    生手段からの送信信号を付与することにより、そのアン
    テナ電極の周辺に電界を発生させ、この電界に基づいて
    特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する情報を検出
    すると共に、電界発生手段からの送信信号とアンテナ電
    極への出力信号との位相差を検出し、この情報及び位相
    差に関する信号デ−タに基づいて乗員のシ−トへの着席
    状況などを判断することを特徴とする乗員検知方法。
  8. 【請求項8】 シ−トに離隔して配置した複数のアンテ
    ナ電極のうち、選択された特定のアンテナ電極に電界発
    生手段からの送信信号を付与することにより、そのアン
    テナ電極の周辺に電界を発生させ、この電界に基づいて
    特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する情報を検出
    すると共に、電界発生手段からの送信信号とアンテナ電
    極への出力信号との位相差を検出し、この情報に関する
    信号デ−タに基づいて乗員のシ−トへの着席状況などを
    判断し、この判断結果に基づくデ−タをエアバッグ装置
    に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状
    態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットするこ
    とを特徴とする乗員検知方法。
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