JP3553379B2 - 乗員検知システム及び乗員検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は乗員検知システム及び乗員検知方法に関し、特にサイドエアバッグ装置を搭載した自動車の助手席などにおける乗員の着席状況に応じて、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態に設定し得る乗員検知システム及び乗員検知方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エアバッグ装置は、自動車の衝突時に乗員が受ける衝撃を緩和する目的で、車内のダッシュボ−ド部分ないしハンドル部分などに配置されており、自動車の安全性になくてはならないものになっており、近時、運転席のみならず、助手席にも設置されるようになっている。
【0003】
このエアバッグ装置は、例えば図14に示すように、セ−フィングセンサSS1,スクイブSQ1,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子SW1の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、セ−フィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子SW2よりなる助手席側のスクイブ回路と、電子式加速度センサ(衝突検出センサ)GSと、電子式加速度センサGSの出力信号に基づいて衝突の有無を判断し、スイッチング素子SW1,SW2のゲ−トに信号を供給する機能を有する制御回路CCとから構成されている。
【0004】
このエアバッグ装置によれば、何らかの原因により自動車が正面衝突した場合、セ−フィングセンサSS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな加速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のスクイブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動車が確実に衝突したと判断すると、スイッチング素子SW1,SW2のゲ−トに信号が供給され、スイッチング素子SW1,SW2がON状態になる。これによって、それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、スクイブSQ1,SQ2の発熱に起因して運転席側及び助手席側のエアバッグが瞬時に展開され、乗員が衝突による衝撃から保護される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車の衝突モ−ドは、互いの自動車が正面で衝突するモ−ドのみならず、一方の自動車が他方の自動車の側面に衝突したり、一方の自動車が他方の自動車の背後に衝突したりするモ−ドなどがあり、近年、自動車の側面に衝突するモ−ドによる乗員の保護のために、例えば図15に示すようなエアバッグ装置が提案されている。
【0006】
このエアバッグ装置は、図14に示すエアバッグ装置にサイドエアバッグ装置SAを追加したものであり、その基本構成は例えば図14に示すエアバッグ装置とほぼ同じである。このサイドエアバッグ装置SAは、例えばセ−フィングセンサSS3,スクイブSQ3,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子SW3の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、セ−フィングセンサSS4,スクイブSQ4,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子SW4よりなる助手席側のスクイブ回路とから構成されており、サイドエアバッグは例えば運転席及び助手席のドア側のシ−ト端部などに配置されている。
【0007】
このエアバッグ装置によれば、何らかの原因に基づき自動車の運転席側又は助手席側のドアに他の自動車が衝突した場合には、セ−フィングセンサSS3又はSS4のスイッチ接点が比較的に小さな加速度に反応して閉成され、運転席側又は助手席側のスクイブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動車が確実に衝突したと判断すると、スイッチング素子SW3又はSW4のゲ−トに信号が供給され、スイッチング素子SW3又はSW4がON状態になる。これによって、いずれかのスクイブ回路に電流が流れる結果、スクイブSQ3又はSQ4の発熱に起因して運転席側又は助手席側のサイドエアバッグが瞬時に展開され、乗員が側面衝突による衝撃から保護される。
【0008】
ところで、乗員のシ−トへの着席姿勢は様々であり、例えば図16に示すように、大人の乗員Pがシ−ト1に図示実線のように着席したり、子供の乗員SPがシ−ト1の中心線から図示点線のようにずれて着席したり、中心線上に着席したりすることがある。従って、乗員P,SPがシ−ト1の中央部分に着席している時には、仮に自動車の側面に衝突が生じても、サイドエアバッグの展開によって乗員P,SPが衝突による衝撃から保護される。しかしながら、子供の乗員SPの着席姿勢が図示点線のようにシ−ト1におけるドアDr側の端部にずれているような状態の時には、仮に自動車の側面に衝突が生じてもサイドエアバッグを展開させないことが望ましい場合がある。
【0009】
それ故に、本発明の目的は、乗員のシ−トへの着席状況を的確に検知できる上、この検知結果に基づいてサイドエアバッグ装置などの作動の適否を制御可能な乗員検知システム及び乗員検知方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、上述の目的を達成するために、シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に、該シ−トの背もたれ部及び/又は着席部の中心線に対してほぼ線対称となるように配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生させる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出手段と、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側及び右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タが記憶されており、該左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、該右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知し得るように制御する制御回路とを具備したことを特徴とする。
【0011】
又、本発明の第2の発明は、シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に、該シ−トの背もたれ部及び/又は着席部の中心線に対してほぼ線対称となるように配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生させる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出手段と、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側及び右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タが記憶されており、該左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、該右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知し得るように制御する制御回路と、衝突に基づいてドア側に配置されたエアバッグを展開させる機能を有するサイドエアバッグ装置とを具備し、前記制御回路の検知結果に基づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする。
【0012】
又、本発明の第3の発明は、前記発生手段,電流検出手段,制御回路を含み、かつこれを同一ハウジングに収納して制御ユニットを構成し、この制御ユニットをシ−トに配置したことを特徴とし、第4の発明は、前記アンテナ電極と制御ユニットとをハ−ネスによって接続したことを特徴とし、第5の発明は、前記発生手段を、高周波低電圧を発生させる発振回路にて構成したことを特徴とし、第6の発明は、前記発生手段を、制御回路からの信号を利用して正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧を発生させるように構成したことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の第7の発明は、シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に複数のアンテナ電極を、シ−トの中心線に対してほぼ線対称となるように配置し、このアンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、微弱電界に基づいて流れる電流を検出し、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して記憶されたシ−トの中心線から左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群からの電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知すると共に、この検知結果に基づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の基本原理について図1を参照して説明する。この発明にかかる乗員検知システム及び乗員検知方法は、基本的にはシ−トに配置されたアンテナ電極に発生させた微弱電界(Electric Field)の乱れを利用するものである。まず、同図(a)に示すように、アンテナ電極E1に発振回路OSCからの高周波低電圧を印加することにより、アンテナ電極E1の周辺には微弱電界が生じる結果、アンテナ電極E1の側には電流(送信電流)Iが流れる。この状態において、同図(b)に示すように、アンテナ電極E1の近傍に物体OBを存在させると、電界に乱れが生じてアンテナ電極E1の側には電流Iとは異なった電流I1 が流れることになる。
【0015】
従って、自動車のシ−トに物体OBが乗っている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E1に流れる電流に変化が生ずるものであり、この現象を利用することにより、シ−トへの乗員の着席状況を検知することができるものである。特に、アンテナ電極を増加させることによって、シ−ト上の乗員などを含む物体についての多くの情報を得ることが可能となり、シ−トへの乗員の着席状況をより的確に検知することができる。
【0016】
次に、この原理を利用した本発明にかかる乗員検知システムの実施例について図2〜図5を参照して説明する。尚、図14〜図16に示す従来例と同一部分には同一参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。図2〜図3は本発明にかかる助手席(又は運転席)のシ−トを示しており、このシ−ト1は主として着席部1aと背もたれ部1bとから構成されている。着席部1aは、例えば前後にスライド可能なベ−ス2に固定されたシ−トフレ−ム3と、シ−トフレ−ム3の上部に配置されたクッション材と、クッション材を覆う外装材とから構成されており、背もたれ部1bは、例えばシ−トフレ−ムの前面側にクッション材を配置すると共に、クッション材を外装材で被覆して構成されている。背もたれ部1bには例えば複数の帯状のアンテナ電極4が、シ−ト1の中心線1cに対して線対称となるように配置されている。具体的には、中心線1cの左側には第1(左側)のアンテナ電極群41 (4a1 ,4b1 ・・・4f1 )が、右側には第2(右側)のアンテナ電極群42 (4a2 ,4b2 ・・・4f2 )が互いにほぼ線対称となり、かつほぼ水平状態で互いに上下方向に離隔するように配置されている。尚、このアンテナ電極4は外装材の内側の他、外側に配置したり、或いは外装材自身に設けることもできる。又、シ−トフレ−ム3ないしその近傍(例えば背もたれ部1bの内部)には後述する制御ユニット10が配置されている。
【0017】
上述のアンテナ電極4は、例えば導電性の布地にて構成されているが、糸状の金属を背もたれ部1bのシ−ト布面に織り込んだり、布面に導電性ペイントを被着したり、金属板を配置したりして構成することもできる。このアンテナ電極4(4a1 ,4b1 ・・・4f1 ,4a2 ,4b2 ・・・4f2 )はほぼ同一サイズの帯状(例えば幅30mm,長さ150mm)に構成されており、例えば図3(a)に示すように、絶縁部材よりなるベ−ス部材5の一方の面に、それの中心線1cの左側には第1のアンテナ電極群41 (4a1 ,4b1 ・・・4f1 )が、右側には第2のアンテナ電極群42 (4a2 ,4b2 ・・・4f2 )がほぼ線対称となるように配置して一体化することによって構成されており、背もたれ部1bの外装材の内側に配置することが推奨される。これらのアンテナ電極4a1 ,4b1 ・・・4f1 ,4a2 ,4b2 ・・・4f2 からは、例えば同図(b),(c)に示すように、シ−ルド線よりなるハ−ネス6(6a1 ,6b1 ・・・6f1 及び6a2 ,6b2 ・・・6f2 )が独立して導出されており、後述する制御ユニット10のコネクタ(或いは端子)19a,19b・・・19lに接続されている。
【0018】
上述のシ−ト1には制御ユニット10が配置されている。制御ユニット10は、図4に示すように、例えば周波数が100KHz程度で、電圧が5〜12V程度の高周波低電圧を発生させる発生手段(発振回路)11と、発振回路11からの送信信号の電圧振幅をほぼ一定に制御する振幅制御回路12と、送信信号の送信電流を検出する電流検出手段(電流検出回路)15と、電流検出回路15の出力信号を直流に変換するAC−DC変換回路16と、AC−DC変換回路16の出力信号を増幅する増幅器17と、電流検出回路15に接続され、かつ複数のスイッチング手段18a,18b・・・18lを有する複数のアンテナ電極4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 の切換回路18と、切換回路18のスイッチング手段18a,18b・・・18lに接続され、かつ制御ユニット10のハウジングに配置されたコネクタ19a,19b・・・19lと、MPUなどを含む制御回路20と、ハウジングに配置され、図示しないバッテリ電源に接続されるコネクタ21と、コネクタ21と制御回路20などとの間に接続された電源回路22とから構成されている。尚、切換回路18におけるスイッチング手段18a〜18lの選択的な切換は制御回路20からの信号に基づいて行われる。
【0019】
上述の制御ユニット10の制御回路20には、例えば図5に示す構成のエアバッグ装置30が接続されている。このエアバッグ装置30は、例えば運転席及び助手席の前方に配置されるメインのエアバッグ部MAと、運転席及び助手席のドア側に配置されるサイドエアバッグ部SAと、制御回路CCと、電子式加速度センサGSとから構成されている。尚、サイドエアバッグ部SAのサイドエアバッグは運転席及び/又は助手席のドア側のシ−ト端部に配置される。
【0020】
この制御ユニット10において、振幅制御回路12は、例えば送信信号の電圧振幅を可変する振幅可変回路13と、送信信号の電圧振幅を検出する振幅検出回路14とから構成されている。そして、振幅可変回路13は、例えばプログラマブルゲインアンプ(PGA)よりなる振幅可変部13aから構成されており、振幅検出回路14は、例えばオペアンプなどよりなる電圧振幅の検出部14aと、検出部14aの出力信号を直流に変換するAC−DC変換回路14bと、AC−DC変換回路14bの出力信号を増幅する増幅器14cとから構成されている。尚、増幅器14cの出力信号は制御回路20に供給され、振幅可変部13aに対する振幅可変信号は制御回路20から出力される。
【0021】
又、この制御ユニット10における電流検出回路15は、例えば回路(送信信号系)に直列に接続されたインピ−ダンス素子例えば抵抗15aと、抵抗15aの端子電圧を増幅する差動増幅器などの増幅器15bとから構成されている。この電流検出回路15の出力側はAC−DC変換回路16,増幅器17を介して制御回路20に接続されている。そして、電流検出回路15における抵抗15aの出力側は切換回路18を介してコネクタ19a,19b・・・19lに接続されている。
【0022】
このように構成された乗員検知システムは、次のように動作する。まず、発振回路11から高周波低電圧が送信されると、それの電圧振幅が振幅検出回路14の検出部14aにて検出され、その検出信号はAC−DC変換回路14bにて直流に変換され、増幅器14cにて増幅されて制御回路20に入力される。制御回路20では検出された電圧振幅が所定の振幅値になっているか否かを判断し、所定の電圧振幅に修正するための振幅可変信号が振幅可変部13aに出力される。これによって、送信信号の電圧振幅は所定の振幅に修正され、以後、振幅可変回路13及び振幅検出回路14の連携動作により、一定の振幅に制御される。
【0023】
電圧振幅が一定化された送信信号は電流検出回路15,切換回路18,コネクタを介してアンテナ電極4(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )に供給され、その結果、アンテナ電極4の周辺には微弱電界が発生される。この際に、切換回路18は制御回路20からの信号によって開閉制御が行われ、最初にスイッチング手段18aのみが閉成され、次にスイッチング手段18bのみが閉成され、次にスイッチング手段18cのみが閉成され、以下同様にして順次に特定のスイッチング手段のみが閉成されると同時にその他のスイッチング手段は開放されるように切換制御される。従って、特定のスイッチング手段(18a〜18l)が閉成された場合には、電圧振幅が一定化された送信信号は電流検出回路15,特定のスイッチング手段(18a〜18l),特定のコネクタ(19a〜19l)を介して特定のアンテナ電極(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )に供給され、その結果、特定のアンテナ電極(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )の周辺には微弱電界が発生され、シ−ト1に着席している乗員の着席姿勢に応じた異なった値の電流が流れる。即ち、乗員の背中,肩,首,頭部の誘電率の違いに応じた電流が流れる。この電流は電流検出回路15によって検出され、AC−DC変換回路16にて直流に変換され、増幅器17にて増幅されて制御回路20に次々と入力される。
【0024】
この制御回路20には、予め、シ−ト1に着席している乗員が大人であるか否かに関するしきい値(しきい値デ−タ)が格納されている。具体的には、乗員の識別(大人と子供の区別)に関するしきい値に関しては次のように設定されている。例えば図6(a),(b)に示すように、シ−ト1の中央部分に大人の乗員P又は子供の乗員SPが着席している場合には、乗員の頭部,首,肩,背中における誘電率の違いによってそれぞれのアンテナ電極(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )への送信電流のレベルが異なり、肩から下の部位ではアンテナ電極への送信電流のレベルが最も高く、次に頭部であり、首は最も低いレベルとなる。従って、大人の乗員Pの場合でも子供の乗員SPの場合でも、シ−ト1の中心線1cの左側に位置するアンテナ電極4a1 〜4f1 に流れる電流の総和と右側に位置するアンテナ電極4a2 〜4f2 に流れる電流の総和とはほぼ等しくなるが、その総和のレベルは大人の乗員Pの場合と子供の乗員SPの場合とでは異なることから、例えばその中間的な値が左側及び右側のアンテナ電極群41 ,42 に関するしきい値(THL ,THR )として個別に設定される。それ故に、現実の左側のデ−タがしきい値THL より大きく、かつ現実の右側のデ−タがしきい値THR より大きい場合にはシ−ト1に着席している乗員は大人Pであると判断される。又、現実の左側及び右側のデ−タがほぼ等しければ、乗員はシ−ト1の中央部分(中心線1c)に正常に着席していると判断される。仮に、図6(b)に示すように、子供の乗員SPが図示点線のようにドアDr側に位置ずれして着席している場合には、現実の左側デ−タは現実の右側のデ−タより小さくなり、ドアDr側に位置ずれしていると判断される。
【0025】
従って、制御回路20に取り込まれた乗員の着席状況に関する現実の信号デ−タは、予め制御回路20に記憶されている乗員の識別に関するしきい値THL ,THR と比較され、乗員が大人であるか否かが判断される。この判断結果に基づいて、図5に示すエアバッグ装置30におけるメインのエアバッグ部MAは制御回路20からの送信信号によって、エアバッグが展開可能又は展開不可能なるようにセットされる。特に、子供の乗員SPと判断された場合、着席状況に関する現実の信号デ−タにおいて、左側のデ−タと右側のデ−タとが比較され、両者がほぼ等しければ、子供の乗員SPは図6(b)において実線で示すようにシ−ト1の中心線1cに沿って正規位置に着席していると判断され、例えば右側のデ−タが左側のデ−タより大きければ、同図において点線で示すようにドアDr側に位置ずれして着席していると判断される。この判断結果に基づいて、図5に示すエアバッグ装置30におけるサイドエアバッグ部SAは制御回路20からの送信信号によって、サイドエアバッグが展開可能又は展開不可能なるようにセットされる。特に、後者のように位置ずれしていると判断された場合には、自動車の側面衝突時に衝突側例えば助手席側のスイッチング素子SW4にゲ−ト信号を供給しないようにセットされ、サイドエアバッグは展開不可能となる。
【0026】
次に、この乗員検知システムの処理フロ−について図7〜図11を参照して説明する。まず、図7に示すように、イグニッションスイッチをONにし、スタ−トする。ステップS1でイニシャライズし、ステップS2に進む。ステップS2では制御回路20とエアバッグ装置30との通信系にかかる初期診断を行う。ステップS3ではエンジンがスタ−トしたか否かの判断を行い、エンジンがスタ−トしていると判断した場合にはステップS4に進む。スタ−トしていないと判断された場合には戻る。ステップS4では複数のアンテナ電極4のうち、特定のアンテナ電極の周辺に発生させた微弱電界に基づいてそれぞれ特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タの受信が行われる。ステップS5では、取り込んだそれぞれのデ−タに基づいて、シ−トへの乗員の着席の有無,乗員が大人か否か,乗員の着席姿勢(中心線1cからの位置ずれ状況)が判定される。さらに、ステップS6ではステップS5の判定結果に基づき、エアバッグ装置(SRS)30との間でSRS通信が行われる。ステップS6が終了すると、再びステップS4に戻り、ステップS4からステップS6の処理が繰り返し行われる。尚、ステップS3は省略することもできる。
【0027】
図7における初期診断は、例えば図8に示すように行われる。まず、ステップSA1では固定デ−タを制御回路20からエアバッグ装置30の制御回路CCに送信する。ステップSA2ではエアバッグ装置30からの送信デ−タを受信する。そして、ステップSA3では制御回路20からエアバッグ装置30に送信した固定デ−タとエアバッグ装置30からの受信デ−タとが一致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致すると判断されると、処理フロ−が継続される。それぞれのデ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状があると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯される。尚、この初期診断はエアバッグ装置30から制御回路20に固定デ−タを送信し、制御回路20からの送信デ−タをエアバッグ装置30の制御回路CCにて、その一致性について判断させるようにしてもよい。
【0028】
図7における信号受信は、例えば図9に示すように行われる。まず、ステップSB1では、制御回路20からの信号に基づいて、切換回路18のスイッチング手段18a〜18lを、スイッチング手段18aのみ,スイッチング手段18bのみ,スイッチング手段18cのみ・・・のように特定のスイッチング手段のみを順次に選択的に閉成し、第1(左側),第2(右側)のアンテナ電極群41 ,42 の特定のアンテナ電極(4a1 〜4f1 ,4a2 〜4f2 )が順次に選択されると共に、ステップSB2に進む。ステップSB2では選択された特定のアンテナ電極に流れる電流に対応する信号デ−タが制御回路20に取り込まれると共に、ステップSB3に進む。ステップSB3では切換回路18のスイッチング手段18a〜18lの選択的な閉成に基づくアンテナ電極群41 ,42 におけるアンテナ電極4a1 〜4f1 ,4a2 〜4f2 の切換がすべて終了したか否かが判断される。切換がすべて終了したと判断されると、ステップSB4に進み、切換がすべて終了していないと判断されると、ステップSB1に戻る。ステップSB4では左側のアンテナ電極群41 におけるアンテナ電極4a1 〜4f1 に流れる電流に対応する信号デ−タと、右側のアンテナ電極群42 におけるアンテナ電極4a2 〜4f2 に流れる電流に対応する信号デ−タとを別々に加算し、その総和(以下、左側のアンテナ電極群41 によるデ−タを左デ−タ,右側のアンテナ電極群42 によるデ−タを右デ−タと呼称する)を計算した後、乗員判定フロ−に継続される。
【0029】
図7における乗員判定は、例えば図10に示すように行われる。まず、ステップSC1では現実の左デ−タ及び右デ−タと制御回路20に予め記憶されているしきい値デ−タTHL 及びTHR とが比較され、左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR より共に大きいか否かが判断される。左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR より共に大きいと判断された場合にはステップSC2に進み、小さいと判断された場合には乗員が子供(小人)であると判定される。ステップSC2では左デ−タと右デ−タとが等しいか否かが判断される。どちらの場合も乗員は大人であると判定され、ステップSC3に進む。ステップSC3ではエアバッグ装置30のサイドエアバッグを展開させるためのONデ−タがセットされると共に、SRS通信フロ−に継続される。一方、乗員が子供であると判定されると、ステップSC4に進み、左デ−タと右デ−タとが等しいか否かが判断される。両デ−タが等しいと判断されると、図6(b)において実線で示すように中心線1cに沿った正規位置に着席していると判定され、ステップSC3に進む。両デ−タが等しくないと判断されると、ステップSC5に進む。ステップSC5では右デ−タが左デ−タより大きいか否かが判断される。右デ−タが左デ−タより大きくないと判断されると、運転席側に位置ずれしていると判定され、ステップSC3に進む。又、右デ−タが左デ−タより大きいと判断されると、乗員SPが図6(b)において点線で示すようにドアDr側に位置ずれしていると判定され、ステップSC6に進む。ステップSC6ではエアバッグ装置30のサイドエアバッグが展開しないようにするためのOFFデ−タがセットされると共に、処理フロ−が継続される。尚、大人の乗員Pについても着席時の位置ずれを検知する必要のある場合には、左デ−タが右デ−タより大きいか否かを判断することにより、左側ないし右側のいずれかに位置ずれしていることを検知できるし、この判断結果をサイドエアバッグの展開の有無に関連させることも可能である。
【0030】
図7におけるSRSデ−タ通信は、例えば図11に示すように行われる。まず、ステップSD1では乗員検知ユニット側(制御回路20)からエアバッグ装置側(制御回路CC)に、エアバッグ装置30のエアバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ−タが送信される。ステップSD2ではエアバッグ装置側からの、ONデ−タないしOFFデ−タに対するOKデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、ステップSD3に進む。ステップSD3では乗員検知ユニット側からエアバッグ装置側に送信したON/OFFデ−タ及びチェックデ−タが正常な状態で再びエアバッグ装置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かが判断される。正常(通信系に異状がない)と判断されると、処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判断されると、ステップSD4に進み、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステップSD5に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続される。
【0031】
一方、ステップSE1ではエアバッグ装置側(制御回路CC)が乗員検知ユニット側(制御回路20)から、エアバッグ装置30のエアバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そして、ステップSE2では受信デ−タのチェックが行われ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断される。いずれに判断されてもステップSE3に進み、OKデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タが乗員検知ユニット側に送信される。ステップSE2で通信系に異状がないと判断されると、ステップSE3のOKデ−タ送信ステップを経てステップSE4に進む。このステップSE4ではOKデ−タに基づいてエアバッグ装置側のデ−タが更新される。これによって、エアバッグは展開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に更新セットされる。又、ステップSE2で通信系に異状があると判断されると、ステップSE3のNGデ−タ送信ステップを経てステップSE5に進む。このステップSE5ではフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステップSE6に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続される。
【0032】
この実施例によれば、シ−ト1の背もたれ部1bには第1(左側),第2(右側)のアンテナ電極群41 (4a1 〜4f1 ),42 (4a2 〜4f2 )が、シ−ト1の中心線1cに対して線対称となるように配置されているために、乗員がシ−ト1に着席している場合、左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR より大きいか否かの判断によって、乗員が大人Pであるか子供SPであるかを簡単かつ容易に判定できる。従って、例えば左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR より共に大きい場合には、乗員は大人Pであるとの判定を的確に行うことができる。
【0033】
その上、例えば助手席において、左デ−タと右デ−タとの大きさを比較し、両デ−タがほぼ等しければ、図6(b)において実線で示すように、乗員がシ−ト1の中央部分の正規位置に着席していると判断できるし、又、両デ−タが等しくなく、右デ−タが左デ−タより大きければ、同図において点線で示すように、乗員がドアDr側に位置ずれしていると判断できる。従って、その乗員が子供SPである場合にはエアバッグ装置30のサイドエアバッグ部SAが展開不可能な状態にセットされる関係で、仮に自動車が側面衝突したとしても、サイドエアバッグは展開されないために、サイドエアバッグの展開に起因する不具合の発生を未然に防止できる。
【0034】
又、制御ユニット10はシ−ト1に配置されているために、それぞれのアンテナ電極4a1 〜4f1 ,4a2 〜4f2 との接続長さを極力短くでき、外来ノイズの影響を軽減できる上、乗員の着席姿勢に基づいてサイドエアバッグの展開・非展開を制御可能な車種とこのような機能を有しない車種とを混合生産する場合、シ−ト単位で区別できる関係で、生産性を高めることができる。
【0035】
又、制御ユニット10において、電源回路22による単電源をシステム電源として利用すると共に、発振回路11を正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧が生成されるように構成すれば、電源回路22,発振回路11は勿論のこと、ユニットの回路構成が簡略化でき、システムのコストをも大幅に低減できる。
【0036】
さらには、アンテナ電極4(4a1 〜4f1 ,4a2 〜4f2 )に送信される送信信号の電圧振幅は振幅制御回路12にてほぼ一定になるように制御されるために、電流検出回路15にて検出された電流に関連するデ−タと制御回路20に記憶されている乗員の識別に関するしきい値デ−タとの比較・判断が容易になり、信頼性,精度の高い検知が可能となる。
【0037】
図12は本発明にかかるシ−トの他の実施例を示すものであって、基本的な構成は図2〜図3に示す実施例と同じである。異なる点は、シ−ト1における背もたれ部1bに4列のアンテナ電極群よりなるアンテナ電極4Aを配置したことであり、具体的には、第1,第2のアンテナ電極群41 ,42 (4a1 〜4i1 ,4a2 〜4i2 )と第3,第4のアンテナ電極群43 ,44 (4a3 〜4i3 ,4a4 〜4i4 )とが中心線1cに対してほぼ線対称になるように配置したことである。
【0038】
この実施例によれば、アンテナ電極群及びアンテナ電極の配置数が上述の実施例に比較して大幅に増加するために、乗員が着席した際の情報量が増加し、着席姿勢などをより一層に的確に判断できる。
【0039】
図13は本発明にかかるシ−トのさらに異なった実施例を示すものであって、基本的な構成は図2〜図3に示す実施例と同じである。異なる点は、シ−ト1における着席部1aにアンテナ電極4Bを配置したことであり、具体的には、第1のアンテナ電極群41 (4a1 〜4d1 )と第2のアンテナ電極群42 (4a2 〜4d2 )とが中心線1cに対してほぼ線対称になるように配置したことである。尚、これらのアンテナ電極は、極力、着席部1aの幅方向(中心線1cに対する直角方向)に長くなるように配置されている。
【0040】
この実施例によれば、上述のそれぞれの実施例と同様に、乗員が大人であるか否か,着席部1aに位置ずれした状態で着席しているか否かを簡単かつ容易に検知できる。この実施例に図12に示すアンテナ電極構造を適用すれば、情報量を増加でき、より一層に的確な判断が期待できる。
【0041】
尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約されることなく、例えばアンテナ電極はシ−トの背もたれ部又は着席部に配置する他、背もたれ部及び着席部の両方に配置することもできるし、シ−トにシ−トサポ−ト部を有する場合にはアンテナ電極をシ−トサポ−ト部に配置することも可能である。これらのアンテナ電極の配置数は適宜に増減できるし、その形状も適宜に変更できる。
又、高周波低電圧の発生手段は発振回路の他、制御回路からのクロック信号などの送出信号によるスイッチング素子のON・OFF制御を利用して正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧を発生させるように構成することもできるし、それの出力周波数も車室内などの状況などに応じて100KHz以外に設定することもできるし、その電圧も5〜12Vの範囲外でも使用できる。又、電流検出手段は図示例以外の電流検出回路を適用することもできる。さらには、振幅制御回路はシステム電源の精度,システムに期待される機能などによっては省略することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、シ−トの着席部及び/又は背もたれ部には左側及び右側のアンテナ電極群が、シ−トの中心線に対してほぼ線対称となるように配置されているために、乗員がシ−トに着席している場合、それぞれのアンテナ電極群から得られる左デ−タ及び右デ−タと制御回路に予め記憶されているしきい値デ−タとを比較することによって、乗員が大人であるか子供であるかを簡単かつ容易に判定できる。従って、例えば左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タより共に大きい場合には、乗員は大人であるとの判定を的確に行うことができる。
【0043】
その上、例えば助手席において、左デ−タと右デ−タとの大きさを比較し、両デ−タがほぼ等しければ、乗員がシ−トの中央部分の正規位置に着席していると判断できるし、又、両デ−タが等しくなく、右デ−タが左デ−タより大きければ、乗員がドア側に位置ずれしていると判断できる。従って、その乗員が子供である場合にはエアバッグ装置のサイドエアバッグ部が展開不可能な状態にセットされる関係で、仮に自動車が側面衝突したとしても、サイドエアバッグは展開されないために、乗員に対しより適切なサイドエアバッグの制御を行うことができる。
【0044】
又、制御ユニットをシ−トに配置すれば、それぞれのアンテナ電極と制御ユニットとの接続長さを短くでき、外来ノイズの影響を軽減できるのみならず、乗員の着席姿勢に基づいてサイドエアバッグの展開・非展開を制御可能な車種とこのような機能を有しない車種とを混合生産する場合、シ−ト単位で区別できる関係で、生産性を高めることができる。
【0045】
さらには、制御ユニットにおいて、電源回路による単電源をシステム電源として利用すると共に、発振回路を正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧が生成されるように構成すれば、電源回路,発振回路は勿論のこと、ユニットの回路構成が簡略化でき、システムのコストをも大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの基本動作を説明するための図であって、同図(a)はアンテナ電極の周辺の電界分布を示す図、同図(b)はアンテナ電極の近傍に物体が存在した時の電界分布を示す図。
【図2】本発明にかかる乗員検知システムの車室内部分を示す図であって、同図(a)はシ−トへのアンテナ電極の配置状態を示す側面図、同図(b)は同図(a)の正面図。
【図3】図2に示すアンテナ電極の具体的構成図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)における第1のアンテナ電極群部分の断面図、同図(c)は同図(a)における第2のアンテナ電極群部分の断面図。
【図4】本発明にかかる乗員検知システムの回路ブロック図。
【図5】図4に示すエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図6】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するための図であって、同図(a)は大人の着席状態を示す正面図、同図(b)は子供の着席状態を示す正面図。
【図7】本発明にかかる乗員検知システムによる乗員検知のフロ−チャ−ト。
【図8】図7に示す初期診断のフロ−チャ−ト。
【図9】図7に示す信号受信のフロ−チャ−ト。
【図10】図7に示す乗員判定のフロ−チャ−ト。
【図11】図7に示すSRS通信のフロ−チャ−ト。
【図12】アンテナ電極のシ−トの背もたれ部への他の配置例を示す正面図。
【図13】アンテナ電極のシ−トの着席部への配置例を示す平面図。
【図14】従来例にかかるエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図15】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図16】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するための正面図。
【符号の説明】
1 シ−ト
1a 着席部
1b 背もたれ部
1c シ−トの中心線
4(4a1 〜4i1 ,4a2 〜4i2 ,4a3 〜4i3 ,4a4 〜4i4 )アンテナ電極
41 ,42 ,43 ,44 アンテナ電極群
10 制御ユニット
11 発生手段(発振回路)
15 電流検出手段(電流検出回路)
16 AC−DC変換回路
17 増幅器
18(18a,18b・・・18l) 切換回路
19a,19b・・・19l コネクタ(端子)
20 制御回路
22 電源回路
30 エアバッグ装置
MA メインのエアバッグ部
SA サイドエアバッグ部
SS1〜SS4 セ−フィングセンサ
SQ1〜SQ4 スクイブ
SW1〜SW4 スイッチング素子
Dr ドア
CC 制御回路
GS 電子式加速度センサ
Claims (7)
- シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に、該シ−トの背もたれ部及び/又は着席部の中心線に対してほぼ線対称となるように配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生させる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出手段と、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側及び右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タが記憶されており、該左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、該右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知し得るように制御する制御回路とを具備したことを特徴とする乗員検知システム。
- シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に、該シ−トの背もたれ部及び/又は着席部の中心線に対してほぼ線対称となるように配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生させる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出手段と、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側及び右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タが記憶されており、該左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、該右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知し得るように制御する制御回路と、衝突に基づいてドア側に配置されたエアバッグを展開させる機能を有するサイドエアバッグ装置とを具備し、前記制御回路の検知結果に基づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする乗員検知システム。
- 前記発生手段,電流検出手段,制御回路を含み、かつこれを同一ハウジングに収納して制御ユニットを構成し、この制御ユニットをシ−トに配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗員検知システム。
- 前記アンテナ電極と制御ユニットとをハ−ネスによって接続したことを特徴とする請求項3に記載の乗員検知システム。
- 前記発生手段を、高周波低電圧を発生させる発振回路にて構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗員検知システム。
- 前記発生手段を、制御回路からの信号を利用して正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧を発生させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗員検知システム。
- シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に複数のアンテナ電極を、シ−トの中心線に対してほぼ線対称となるように配置し、このアンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、微弱電界に基づいて流れる電流を検出し、予め、乗員のシ−トへの着席状況に関連して記憶されたシ−トの中心線から左側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと左側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較し、かつ、右側に位置するアンテナ電極群からの電流に対するしきい値デ−タと右側に位置するアンテナ電極群に流れる電流の総和とを比較することにより、乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側と右側に位置するアンテナ電極群からの電流の総和を比較することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検知すると共に、この検知結果に基づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする乗員検知方法。
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