JPH11289985A - チョコレート生地の粘度低下剤 - Google Patents

チョコレート生地の粘度低下剤

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JPH11289985A
JPH11289985A JP10098704A JP9870498A JPH11289985A JP H11289985 A JPH11289985 A JP H11289985A JP 10098704 A JP10098704 A JP 10098704A JP 9870498 A JP9870498 A JP 9870498A JP H11289985 A JPH11289985 A JP H11289985A
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fatty acid
chocolate
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reducing agent
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Naoya Otomo
直也 大友
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Mitsubishi Chemical Foods Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チョコレート製造時の生地の流動性調整にお
いて、油脂分を増加させることなく、降伏値を上昇させ
ないで、生地の塑性粘度を低下させて作業性を改善する
粘度低下剤の提供。 【解決手段】 室温で流動性を有するソルビタン脂肪酸
エステルであって、エステルを構成する脂肪酸が主とし
て炭素数16以上の不飽和脂肪酸であり、その水酸基価
が50〜80であるソルビタン脂肪酸エステルよりなる
チョコレート生地の粘度低下剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョコレート生地
用の粘度低下剤に関する。詳しくは、降伏値を上昇させ
ないで生地の塑性粘度を低下させ、チョコレート製造時
の作業性を改善するチョコレート生地の粘度低下剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にチョコレートは、カカオマス、糖
類、ココアバター、粉乳等の主原料と、レシチン等の添
加剤により流動性を調整したチョコレート生地を、テン
パリングし、またはしないで、冷却固化させて製造され
ている。チョコレートの製造上、作業性、成型性等を良
くして良好な製品を得るために、生地の粘度を低下させ
て流動性を良好な状態とすることが重要である。
【0003】このため、従来からココアバター等の油脂
分を増加したり、レシチンの添加量を増加して、生地の
粘度を低下させることが行われている。しかしながら、
油脂分の増加はチョコレートの耐熱性を悪化させ、また
経済的に不利となる。レシチンは添加量が0.5%程度
以上となると流動性が逆に悪くなり、ボテ現象を生じて
成型上のトラブルの原因となりやすい。
【0004】一方、チョコレート生地の流動性につい
て、回転粘度計等によりチョコレート生地の塑性粘度(P
lastic Viscosity)と降伏値(Yield Value)を求めた結果
では、流動性が悪くなったチョコレート生地は降伏値が
高くなっており、塑性粘度は低下しても降伏値が大幅に
上昇すると、チョコレート生地自体ボテた状態となり満
足な結果を得ることが難しい(特開昭63−22624
5号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、チョ
コレート製造時の生地の流動性調整において、油脂分を
増加させることなく、降伏値を上昇させないで、生地の
塑性粘度を低下させて作業性を改善する粘度低下剤を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、室温で
流動性を有するソルビタン脂肪酸エステルであって、エ
ステルを構成する脂肪酸が主として炭素数16以上の不
飽和脂肪酸であり、水酸基価が50〜80であるソルビ
タン脂肪酸エステルよりなる粘度低下剤に存し、上記目
的は、チョコレート生地の流動性調整において、かかる
粘度低下剤を用いることにより達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるチョコレート生地
とは、ココアバター、糖類に、所望によりカカオマス、
粉乳、ナッツペースト等を加えた原料により調整したも
のを指すが、ココアバターに替えて代用脂や植物性硬化
油を用いたイミテーションチョコレート生地も含まれ
る。
【0008】ソルビタン脂肪酸エステルは、一般に、ソ
ルビトールと脂肪酸をアルカリ触媒の存在下で加熱する
方法で製造され、ソルビトールは脱水されてソルビタ
ン、ソルバイトに変化するので、製品はソルビット、ソ
ルビタン、ソルバイトなどの脂肪酸エステルの混合物で
ある。また、ソルビタンと脂肪酸とのエステル化反応で
も作られる。本発明の目的を達成するには、室温で流動
性のある、添加作業性に優れた、ソルビタン脂肪酸エス
テルである必要がある。
【0009】炭素数16以上の不飽和脂肪酸としては、
エルカ酸、オレイン酸、バルミトオレイン酸、リノール
酸、リノレイン酸、アラキドン酸等が挙げられ、特にエ
ルカ酸、オレイン酸が好ましい。構成脂肪酸中の不飽和
脂肪酸の含量は50%以上、好ましくは60%以上であ
る。
【0010】ソルビタン脂肪酸エステルの水酸基価は5
0〜80の範囲であり、水酸基価が80を越えると室温
における流動性が悪化して添加作業性が困難となる。ま
た、50を下回ると所望の粘度低下効果が得られない。
水酸基価は、定法により求められる1g中に含まれる遊
離の水酸基をアセチル化するために必要な酢酸を中和す
るに要する水酸化カリウムのmg数をいい、脂肪酸の未
置換度を示す価である。脂肪酸の割合を示す鹸化価に
は、特に制限はないが、130〜200(mgKOH/g)の
ものが用いられる。
【0011】本発明の粘度低下剤は、通常、テンパリン
グ前のどの段階において添加してもよく、ケーキコーテ
ィングチョコレートのように、チョコレート生地をテン
パリングせずにコーティングするような場合は、コーテ
ィング前のどの段階において添加してよい。本発明の粘
度低下剤の使用量は、チョコレート原料配合物に対して
0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%が適当
である。
【0012】本発明の粘度低下剤は、ココアバター及び
またはココアバター代用脂を使用したチョコレート類即
ち板チョコ等の板物、アイスコーティングやケーキコー
ティング等のカバリングチョコレート、エンローバーチ
ョコレート等のチョコレート生地の粘度低下に使用でき
る。効果はチョコレート生地中の油脂分が少ないほど顕
著になる。
【0013】本発明の粘度低下剤を配合してなるチョコ
レート生地には、その使用目的に応じて適宜他の乳化
剤、例えばショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル等を併用してもよい。チョコレート生地
は、レシチンを含むものであっても、また含まないもの
であってもよい。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0015】実施例1〜3、及び比較例1〜3 下記の原料組成よりなるチョコレート生地に、ソルビタ
ンエルカ酸エステルまたはレシチンを第1表に示す量添
加し、40℃における塑性粘度と降伏値を測定した結果
を第1表に示す。尚、塑性粘度及び降伏値は、回転粘度
計エプレヒト レオマート―15装置を用いて40℃で
測定した値を、Cassonの式に入れてCasson
Prastic Viscosity(単位Pois
e)及びCasson Yield Value(単位
Dynes/cm2)を計算した。
【0016】チョコレート生地の原料組成(重量部) カカオマス 15 糖 類 50 粉 乳 15 ココアバター 20 レシチン 0.5
【0017】
【表1】 第1表 ─────────────────────────────────── 添加物 添加量(%) 塑性粘度 降伏値 (ポイズ) (タ゛イン/cm2) ─────────────────────────────────── 実施例1 ソルヒ゛タンエルカ酸エステル 0.2 25.2 165 (水酸基価=65) 2 〃 0.4 22.8 161 3 〃 1.0 21.0 159 4 ソルヒ゛タンオレイン酸エステル 0.4 23.0 160 (水酸基価=64) 比較例1 無添加(レシチン 0.5%) 0 33.8 164 2 レシチン +0.2%(レシチン 0.7%) 0.2 26.2 190 3 レシチン +0.4%(レシチン 0.9%) 0.4 24.7 235
【0018】第1表より明らかな如く、レシチンの添加
量が対チョコレート生地0.5%を超えると、塑性粘度
は低下するが降伏値が上昇するためチョコレート生地が
ボテるのに対し、本発明の粘度低下剤は降伏値を上げず
に塑性粘度を低下させた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、降伏値を上昇させない
で、生地の塑性粘度を低下させて作業性を改善する、優
れたチョコレート生地の粘度低下剤が提供される。従っ
て本発明はチョコレートの製造に寄与するところが大で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で流動性を有するソルビタン脂肪酸
    エステルであって、エステルを構成する脂肪酸が主とし
    て炭素数16以上の不飽和脂肪酸であり、その水酸基価
    が50〜80であるソルビタン脂肪酸エステルよりなる
    チョコレート生地の粘度低下剤。
  2. 【請求項2】 構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含量が6
    0%以上である請求項1に記載の粘度低下剤。
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸がエルカ酸である請求項1
    または2に記載の粘度低下剤。
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