JPH11278342A - 自動二輪車用エアバッグ装置 - Google Patents

自動二輪車用エアバッグ装置

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JPH11278342A
JPH11278342A JP10083656A JP8365698A JPH11278342A JP H11278342 A JPH11278342 A JP H11278342A JP 10083656 A JP10083656 A JP 10083656A JP 8365698 A JP8365698 A JP 8365698A JP H11278342 A JPH11278342 A JP H11278342A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エアバッグ装置30を、前輪6を支持す
るフロントフォーク4の先端近傍にセンサ32を配置し
たものとした。 【効果】 自動二輪車が他の車両等に衝突した場合、そ
の時の衝撃が前輪を介してフロントフォークの先端近傍
のセンサに短い距離で伝わるため、衝突時の加速度を直
ちにセンサで検知することができ、エアバッグの作動を
より迅速に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車用エアバ
ッグ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用エアバッグ装置としては、
特開平9−328087号公報「自動二輪車用エアバッ
グ装置」が知られている。上記技術は、エアバッグの圧
縮変形の他に、エアバッグを移動させることにより乗員
の衝撃を効果的に緩和する自動二輪車用エアバッグ装置
に関するものであり、図7に示される通り、車体フレー
ム1と、この車体フレーム1の前方に操舵自在に取付け
たフロントフォーク2と、このフロントフォーク2の先
端に回転自在に取付けた前車輪Wfと、車体フレーム1
から燃料タンク4の上方に渡した移動フレーム10と、
この移動フレーム10の上部に取付けたエアバッグモジ
ュールMと、このエアバッグモジュールMを構成するエ
アバッグ16と、車体フレーム1の前部に設けた衝撃検
知センサーSとを備えるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、自動二
輪車が他の車両等に衝突した場合、衝撃は、前車輪Wf
及びフロントフォーク2を介して車体フレーム1に伝わ
り、衝撃検知センサーSで検知し、この検知信号がエア
バッグモジュールMに伝わり、エアバッグ16が展開す
る。
【0004】従って、エアバッグ装置の性能として、上
記衝撃を検知するまでの伝達経路をできるだけ短くし、
より迅速にエアバッグ16を展開して、乗員の衝撃を緩
和することが要求される。本発明の目的は、衝突時の衝
撃をより迅速に検知することができる自動二輪車用エア
バッグ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1は、センサで車体に作用する加速度
を検知し、この加速度が所定値を越えたときにエアバッ
グを作動させる自動二輪車用エアバッグ装置において、
エアバッグ装置を、前輪を支持するフロントフォークの
先端近傍にセンサを配置したものとした。
【0006】自動二輪車が他の車両等に衝突した場合、
衝撃は、前輪を介して直ちにセンサに伝わる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るエアバッグ装置を搭載
した自動二輪車の側面図であり、自動二輪車1は、車体
フレーム2と、この車体フレーム2の前部に設けたヘッ
ドパイプ3と、このヘッドパイプ3に操舵自在に取付け
たフロントフォーク4と、このフロントフォーク4の先
端に回転自在に支持した前輪6と、フロントフォーク4
の上部に取付けたハンドル7及びクラッチレバー8と、
車体フレーム2の上部に取付けた燃料タンク11とから
なる。
【0008】また、自動二輪車1は、燃料タンク11の
両側の車体フレーム2から車体前方に延ばしたスライド
機構12,12(奥側は省略)と、これらのスライド機
構12,12から燃料タンク11の上方に渡した移動フ
レーム13と、この移動フレーム13の上部に配置した
エアバッグとしてのエアバッグモジュール14と、この
エアバッグモジュール14が車体前方へ移動するときに
この移動を遅らせるために車体フレーム1と移動フレー
ム13との間に介設した衝撃吸収機構15,15(奥側
は省略)と、エアバッグモジュール14に信号を送って
作動させるための衝突判断ユニット16とからなる。
【0009】ここで、17はフロントフェンダ、18は
スクリーン付きアッパフェアリング、21はフロントフ
ェアリング、22はシート、23はリヤフェアリング、
24はサイドスタンド、25はメインスタンド、26は
スイングアーム、27は後輪、28はリヤフェンダであ
る。上記したスライド機構12,12、移動フレーム1
3、エアバッグモジュール14、衝撃吸収機構15,1
5、衝突判断ユニット16及び後述する加速度センサで
エアバッグ装置30を構成する。
【0010】スライド機構12,12は、車体フレーム
2に固定した左右一対の案内用レールと、この案内用レ
ール上をスライドできる一対のスライドレールとからな
るものである。移動フレーム13は、スライド機構1
2,12のスライドレールに取付けたものである。エア
バッグモジュール14は、折り畳んで収納したエアバッ
グと、このエアバッグを展開するためのガスを発生させ
るインフレータとからなるものである。
【0011】衝撃吸収機構15,15は、塑性変形可能
な材料で成形したシリンダ部材に、このシリンダ部材の
内径よりわずかに外径の大きな大径部を持つロッド部材
を内蔵したものであり、シリンダ部材を車体フレーム2
に取付け、ロッド部材を移動フレーム13に取付けたも
のである。この衝撃吸収機構15,15により、移動フ
レーム13が車体前方に移動する時にロッド部材がシリ
ンダ部材の内径を強制的に広げながら動くことで移動フ
レーム13の移動を遅らせ、移動フレーム13に加わっ
た衝撃を吸収する。
【0012】図2は本発明に係るエアバッグ装置を搭載
した自動二輪車のフロントフォーク先端部拡大図であ
り、フロントフォーク4は、先端の側方に突起4aを備
え、また、先端に、車軸31と、この車軸31内に配置
したセンサとしての加速度センサ32と、この加速度セ
ンサ32を車軸31に取付けるためのセンサ取付けボル
ト33とを配置したものである。なお、34はフロント
フォーク4先端の割り部分を締めるボルト、35,35
(奥側は省略)はディスクブレーキのディスク、36は
ホイール、37はタイヤである。
【0013】車軸31は、フロントフォーク4の突起4
aに臨ませることでフロントフォーク4に対する取付け
角度を一定に保つ外周切欠き部31aを備える。加速度
センサ32は、フロントフォーク4の長手方向及び車軸
31の軸方向の両方に対して垂直な矢印の方向の加速
度を検知することで、自動二輪車1(図1参照)が他の
車両等へ衝突した時の衝撃の程度を検知するためのもの
である。加速度センサ32としては、ひずみゲージ式、
ピエゾ式等の電子式センサ、マスの動きで電気接点を閉
じる形式のセンサが好適である。
【0014】このように、加速度センサ32の加速度検
知方向をフロントフォーク4の長手方向及び車軸方向に
対して垂直な方向にすることで、例えば、路面の凹凸に
よってフロントフォーク4が長手方向にストロークして
も、このストローク方向と加速度センサ32の検知する
方向が直角なので、加速度センサ32がストローク方向
の加速度を検知することはない。
【0015】図3は図2の3−3線断面図であり、フロ
ントフォーク4は、左フォーク4Lと、右フォーク4R
とからなる。車軸31は、車軸取付けボルト38でフロ
ントフォーク4に取付けたものである。
【0016】加速度センサ32は、センサ本体32a
と、加速度を検知するためにセンサ本体32a内に設け
た検知部32bとからなり、車軸31の中空部31cに
挿入し、センサ取付けボルト33で抜け止したものであ
る。センサ本体32aは、外周にキー溝32cを備え、
このキー溝32cと車軸31の内周に形成したキー溝3
1bとにキー39を差込むことで、車軸31との位置決
めを行うものである。
【0017】従って、フロントフォーク4に対して車軸
31を位置決めし、この車軸31に対して加速度センサ
32を位置決めすることで、加速度センサ32の検知方
向をフロントフォーク4の長手方向及び車軸31の軸方
向の両方に対して垂直な方向にすることができる。検知
部32bは、左・右フォーク4L,4R間の中央部なる
ように配置したものである。ここで、41,41は軸
受、42,43はオイルシールである。
【0018】図4は本発明に係るエアバッグ装置の検知
部の位置を示す模式図であり、ヘッドパイプ3内のフロ
ントフォーク操舵軸Cの軸方向から見たものである。こ
こで、紙面上側が車体前側、紙面下側が車体後側を示
す。加速度センサ32(図3参照)の検知部32bは、
左・右フォーク4L,4R間の中央部に配置したもので
あり、ヘッドパイプ3内にあるフロントフォーク4の操
舵軸Cに対して非常に近い位置にある。また、検知部3
2bは、矢印のような前輪6(図1参照)の前後方向
の加速度のみを検知するものである。本発明の実施例で
は、前輪6を操舵した場合には、その操舵した前輪6の
向いてる方向の加速度を検知する。
【0019】以上に述べたエアバッグ装置30の作用を
次に説明する。図5は本発明に係るエアバッグ装置の作
用を説明する作用図(前半)であり、自動二輪車1が他
の車両Vに衝突して、フロントフォーク4に衝撃が加わ
った状態を示す。図6は本発明に係るエアバッグ装置の
作用を説明する作用図(後半)であり、衝突時に加速度
センサ32(図5参照)が検知する加速度の状態を実施
例と比較例とで示す。図5において、例えば、自動二輪
車1が走行中に他の車両Vに衝突した場合、まず、前輪
6を介してフロントフォーク4に衝撃が伝わる。
【0020】これにより、前輪6の車軸31(図3参
照)に設けた加速度センサ32の検知部32b(図3参
照)がこの時の加速度を感知し、衝撃判断ユニット16
に加速度信号を送る。衝撃判断ユニット16は、加速度
信号に基づいて、加速度が所定値を越えた時にエアバッ
グモジュール14に作動信号を送る。
【0021】エアバッグモジュール14は、作動信号に
基づいてエアバッグ(省略)を展開し、運転者Dを受け
止める。更に、エアバッグモジュール14を取付けた移
動フレーム13がスライド機構12,12(奥側は省
略)によって前方へ移動するときに、衝撃吸収機構15
によって衝撃を吸収する。
【0022】以上に示したように、エアバッグ装置30
(図1参照)を、図5に示した前輪6を支持するフロン
トフォーク4の先端近傍に加速度センサ32を配置した
ものとしたことにより、自動二輪車1が他の車両V等に
衝突した場合、その時の衝撃が前輪6を介してフロント
フォーク4の車軸31(図3参照)内の加速度センサ3
2に短い距離で伝わるので、衝突時の加速度を直ちに加
速度センサ32で検知することができ、エアバッグモジ
ュール14の作動をより迅速に行うことができる。
【0023】図6において、自動二輪車1(図5参照)
が他の車両V(図5参照)に衝突した直後にハンドル7
(図5参照)が切れてフロントフォーク4の向きが変わ
る場合がある。(ハンドル7の切れ角をθとする。)こ
の場合、本発明の実施例において、衝突のみによって加
速度センサ(図5参照)の検知部32bが検知する加速
度をα、衝突時にハンドル7(図5参照)が切れること
によって検知する加速度をα1とすると、検知部Sの操
舵軸Cからの距離R1が小さいため、加速度α1は小さ
い。また、加速度α1は、検知部32bの検知方向(左
・右フォーク4L,4R間を結ぶ直線に直角な方向)の
成分がないため、加速度αに影響しない。
【0024】一方、例えば、加速度センサの検知部S
(この検知部は検知部32bと同一のものであるが、便
宜上、実施例のものと区別した。)を左フォーク4Lの
内側に配置した比較例において、衝突のみによって加速
度センサ(図5参照)の検知部Sが検知する加速度を
α、衝突時にハンドル7(図5参照)が切れることによ
って検知する加速度をα2とすると、検知部Sの操舵軸
Cからの距離R2が大きいため、加速度α2は大きくな
る。
【0025】更に、加速度αと加速度α2との向きがほ
ぼ反対になるため、これらの合力である検知部Sが実際
に検知する加速度は小さくなる。従って、本発明の実施
例のように、検知部32bを操舵軸Cに近づけること
で、検知部32bで加速度をより精度よく検知すること
ができる。
【0026】尚、本発明の実施の形態では、図3におい
て、加速度センサ32の検知部32bの位置を左・右フ
ォーク4L,4R間の中央部としたが、これに限るもの
ではなく、車軸31内の任意の位置、車軸31の両端
部、フロントフォーク4先端部で外面又は内部でも差し
支えない。
【0027】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の自動二輪車用エアバッグ装置は、前輪
を支持するフロントフォークの先端近傍にセンサを配置
したものなので、自動二輪車が他の車両等に衝突した場
合、その時の衝撃が前輪を介してフロントフォークの先
端近傍のセンサに短い距離で伝わるため、衝突時の加速
度を直ちにセンサで検知することができ、エアバッグの
作動をより迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグ装置を搭載した自動二
輪車の側面図
【図2】本発明に係るエアバッグ装置を搭載した自動二
輪車のフロントフォーク先端部拡大図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係るエアバッグ装置の検知部の位置を
示す模式図
【図5】本発明に係るエアバッグ装置の作用を説明する
作用図(前半)
【図6】本発明に係るエアバッグ装置の作用を説明する
作用図(後半)
【符号の説明】
1…自動二輪車、4…フロントフォーク、6…前輪、1
4…エアバッグ(エアバッグモジュール)、32…セン
サ(加速度センサ)、32b…検知部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサで車体に作用する加速度を検知
    し、この加速度が所定値を越えたときにエアバッグを作
    動させる自動二輪車用エアバッグ装置において、このエ
    アバッグ装置は、前輪を支持するフロントフォークの先
    端近傍に前記センサを配置したものであることを特徴と
    する自動二輪車用エアバッグ装置。
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