JPH11269241A - フェノール樹脂組成物 - Google Patents
フェノール樹脂組成物Info
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- JPH11269241A JPH11269241A JP7210998A JP7210998A JPH11269241A JP H11269241 A JPH11269241 A JP H11269241A JP 7210998 A JP7210998 A JP 7210998A JP 7210998 A JP7210998 A JP 7210998A JP H11269241 A JPH11269241 A JP H11269241A
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Abstract
性フェノール樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 フェノール(P)に対するホルムアルデ
ヒド(F)のモル比(F/P)を1.0/1.0〜3.
0/1.0とし、触媒としてフェノール100重量部に
対して水酸化リチウム0.5〜4.0重量部と水酸化バ
リウム2.0〜12.0重量部を加え反応させてなるフ
ェノール樹脂組成物。
Description
成物に関するものであり、塗料用、研磨布紙用、砥石
用、積層板用、耐火物、繊維強化プラスチック等のバイ
ンダーとして、硬化速度が速く、硬化時の発泡が少な
く、耐水劣化が小さく、金属腐食性が少ない水溶性フェ
ノール樹脂組成物に関するものである。又、経時変化に
よる分離、白濁化を避け、水希釈のできる安定的な状態
となる為に、純水を25℃の温度で、樹脂固形分の50
重量%以上含んでも、白濁や沈殿を起こさない水溶性フ
ェノール樹脂組成物に関するものである。
用、耐火物、繊維強化プラスチック等のバインダーは、
硬化速度が速く、硬化時の発泡が少なく、耐水劣化が小
さく、金属腐食性が少ないことが要求される。これらの
要求に対して、水溶性でないフェノール樹脂では特性面
の問題解決が容易であり、希釈溶媒を、メタノール、ア
セトン、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶
剤とする事が一般的であるが、近年の環境問題から使用
溶媒、希釈溶媒を有機溶剤に代えて水とする試みがなさ
れている。
主に水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属、水酸化カル
シウムなどのアルカリ土類金属、トリエチルアミンなど
のアミン類などアルカリ性触媒下で反応させることが知
られている。フェノール樹脂の水溶性化には、メチロー
ル基、水酸基などの親水性のある官能基が必要であり、
又、フェノラートと呼ばれる金属塩によって水溶性が保
たれることが知られている。水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属触媒を用
いて製造した場合、分子量を大きくしてもフェノラート
を形成することによって水溶性を保ちやすく、水溶性フ
ェノール樹脂組成物として硬化速度を速くすることが可
能であるが、触媒量の増加とともに硬化時の発泡が多く
なり、耐水劣化や金属腐食性が大きくなる欠点があっ
た。
アルカリ土類金属触媒や、トリエチルアミン、トリエタ
ノールアミン、アンモニアなどのアミン類の触媒では耐
水劣化、金属腐食性において優位であるが、主にメチロ
ール基、水酸基などの親水性のある官能基が水溶性を保
っており、分子量増加増加によって水溶性を保つことが
できなくなる。従って分子量を大きくし、硬化が速くな
るすると水溶性を失う欠点があった。反応時のフェノー
ルとホルムアルデヒドの配合比は、ホルムアルデヒドの
配合比を上げる事により、硬化速度は一般に速くなる
が、それに伴い硬化時の発泡が多くなる欠点があった。
この発泡性を改良する方法として、水より沸点の高い高
沸点溶剤を添加する方法があるが、硬化後も高沸点溶剤
が残り可塑剤的に作用してしまう欠点があった。
ノール樹脂において硬化速度が速く、硬化時の発泡が少
なく、耐水劣化が小さく、金属腐食性が少ない樹脂を得
るべく鋭意研究した結果、水酸化リチウムと水酸化バリ
ウムを触媒として併用使用することで、本発明を完成す
るに至ったものである。
(P)に対するホルムアルデヒド(F)のモル比(F/
P)を1.0/1.0〜3.0/1.0とし、触媒とし
てフェノール100重量部に対して水酸化リチウム0.
5〜4.0重量部と水酸化バリウム2.0〜12.0重
量部を加え反応させてなるフェノール樹脂組成物、に関
するものである。本発明においてフェノールと反応させ
るホルムアルデヒドの量は、フェノール1.0モルに対
して1.0〜3.0モルであり、好ましくは、1.5〜
2.0である。1.0モル未満で反応させた樹脂は硬化
が遅く、3.0を越えて反応させた樹脂は発泡性が大き
く実用性が小さくなる。
常8水和物(Ba(OH)2・8H2O)であり、水酸化リ
チウムは通常1水和物(LiOH・H2O)である。こ
れらのアルカリ化合物の組合せにより、良好な水溶性の
フェノール樹脂を得ることが可能となる。水酸化バリウ
ムは、フェノール100重量部に対して2.0未満で
は、硬化が遅く、12.0重量部を越えると耐水劣化、
金属腐食性などが低下するようになる。水酸化リチウム
の触媒量は、フェノール100重量部に対して0.5未
満では、硬化が遅く水溶性が低下してしまい、4.0重
量部を越えると、硬化時の発泡が大きく耐水劣化や金属
腐食性などが生じるようになる。他のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アミン類の組み合わせでは、水溶性、
硬化時の発泡性、耐水劣化、金属腐食性などの特性の
内、1部が優れている事があるが全ての特性を兼ね備え
ることができないので、上記触媒は必須である。触媒
は、一般的には反応初期に加えて反応させるが、その一
部を反応途中、反応終了後に分割添加してもかまわな
い。
で樹脂固形分が50重量%の状態の時、25℃の温度で
白濁や沈殿を生じないフェノール樹脂組成物である。水
溶媒で樹脂固形分が50重量%の状態の時、25℃の温
度でで白濁や沈殿を起こす樹脂であると、経時変化によ
って白濁、沈殿が起こったり、水による希釈が事実上で
きず、水溶性フェノール樹脂として実用性が小さくな
る。ここでいう樹脂固形分とは、樹脂中の溶媒成分を除
いた樹脂としての有効成分のことである。一般には水等
の溶媒によって適当な濃度に希釈された状態で使用され
ており、その場合JIS K 6833の不揮発分を固
形分と見なす。
は、添加剤として、メタノール、エタノール、n−ブタ
ノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチ
ルカルビトール、メトキシプロパノール、アセトン、セ
ロソルブアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノ
ール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を含んでいて
もよい。また、ノニオン型、アニオン型、カチオン型な
ど各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、シランカップリング剤やエポキシ樹脂な
どの改質剤を含んでもよい。その他硬化剤、あるいは硬
化助剤を含んでも良い。樹脂の硬化は、一般的には熱硬
化であるが、硬化剤による常温硬化、紫外線などによる
硬化でも良い。
る。ここで記載されている「部」及び「%」は全て「重
量部」及び「重量%」を示す。
アルデヒド172.5部(F/Pモル比2.0)及び水
酸化バリウム10部、水酸化リチウム1部を仕込み、8
0℃で3時間反応させ、真空脱水を行い、粘度10ポイ
ズ、不揮発分75%、水倍率3倍の水溶性レゾール型フ
ェノール樹脂を得た。
アルデヒド172.5部(F/Pモル比2.0)及び水
酸化バリウム7部、水酸化リチウム1部を仕込み、80
℃で2時間反応させ、真空脱水を行い、粘度10ポイ
ズ、不揮発分75%、水倍率3倍の水溶性レゾール型フ
ェノール樹脂を得た。
アルデヒド172.5部(F/Pモル比2.0)及び水
酸化バリウム10部を仕込み、80℃で1.5時間反応
させ、真空脱水を行い、粘度10ポイズ、不揮発分74
%、水倍率3倍の水溶性レゾール型フェノール樹脂を得
た。
アルデヒド172.5部(F/Pモル比2.0)及び水
酸化ナトリウム3部を仕込み、80℃で3時間反応さ
せ、真空脱水を行い、粘度10ポイズ、不揮発分75
%、水倍率3倍の水溶性レゾール型フェノール樹脂を得
た。
アルデヒド172.5部(F/Pモル比2.0)及び水
酸化リチウム2部を仕込み、80℃で3時間反応させ、
真空脱水を行い、粘度10ポイズ、不揮発分75%、水
倍率3倍の水溶性レゾール型フェノール樹脂を得た。
て、ゲル化時間、水倍率、発泡性の評価を行った。その
結果を表1に示す。
すとおり、水倍率、硬化性、発泡性とも優れていること
が認められる。
せ、ゲル化するまでの秒数を測定する。 2.水倍率:25℃の樹脂に25℃の純水を白濁するま
で添加攪拌混合する。樹脂に対して何倍の純水が添加で
きたかを測定する。 3.発泡テスト:エポキシ積層板にアプリケーター0.
8mm厚で樹脂を塗布し、上記設定温度の乾燥機中に1
時間放置した。冷却後に塗布面を観察し、発泡が起こっ
た面積を観察し、この面積が塗布面積の5%以下を○、
5%以上を×と判定した。
速度が速く、硬化時の発泡が少ない水溶性フェノール樹
脂組成物を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェノール(P)に対するホルムアルデ
ヒド(F)のモル比(F/P)を1.0/1.0〜3.
0/1.0とし、触媒としてフェノール100重量部に
対して水酸化リチウム0.5〜4.0重量部と水酸化バ
リウム2.0〜12.0重量部を加え反応させてなるフ
ェノール樹脂組成物。 - 【請求項2】 水溶媒で樹脂固形分が50重量%の状態
の時、25℃の温度で白濁や沈殿を生じない請求項1記
載のフェノール樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07210998A JP3960496B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | フェノール樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07210998A JP3960496B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | フェノール樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269241A true JPH11269241A (ja) | 1999-10-05 |
JP3960496B2 JP3960496B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=13479900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07210998A Expired - Lifetime JP3960496B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | フェノール樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3960496B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204624A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性フェノール樹脂組成物及びバインダー |
-
1998
- 1998-03-20 JP JP07210998A patent/JP3960496B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204624A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性フェノール樹脂組成物及びバインダー |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3960496B2 (ja) | 2007-08-15 |
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