JP5309435B2 - 保存安定性に優れた耐熱フェノール樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、フェノール樹脂組成物に関し、更に詳しくは、経時的に耐熱分解性が低下しない、保存安定性に優れた耐熱フェノール樹脂組成物に関する。
フェノール樹脂は、優れた耐熱性を有しており、ガラス繊維などを含む樹脂として、耐熱性の要求される分野のプラスチック材料として広く使用されている。しかし、技術の発展とともに耐熱性の要求も高度化して、従来のフェノール樹脂の耐熱性では不十分な分野が発生してきた。具体的には、空気中、350℃で24時間後の樹脂残存率が50重量%以上となるような高度な耐熱性が要求される。熱重量分析の評価では、ある温度の樹脂残存率が一過性の値を示し実使用時の環境に合致しない可能性があり、定温での樹脂残存率評価(定温耐久試験)が行われる。この定温耐久試験では、一般的には20〜40分の試験としているようであり、前記24時間後の樹脂残存率での評価は極めて過酷な条件といえる。
フェノール樹脂の耐熱性向上のために、種々の化合物を反応または後添加したフェノール樹脂が提案されている。例えば、アルカリ金属水酸化物(特許文献1参照。)およびアルカリ土類金属水酸化物(特許文献2参照。)などを、それぞれフェノール樹脂と反応させ、またはフェノール樹脂に後添加したフェノール樹脂組成物、或いは、ホウ酸をノボラック型フェノール樹脂と加熱溶融したフェノール樹脂組成物(特許文献3参照。)が提案されている。また、耐熱性ではないが、難燃剤としてホウ酸及びメタホウ酸ナトリウムを酸性硬化剤とともにレゾール型フェノール樹脂に配合したフェノール樹脂組成物も提案されている(特許文献4参照。)。
前記フェノール樹脂にアルカリ金属水酸化物を多量に後添加した場合、一時的には高度な耐熱分解性が得られるが、本願発明者らによる検討の結果、その耐熱分解性は経時的に低下することが明らかとなった。
また、ホウ酸を用いたフェノール樹脂組成物では、耐熱性や難燃性向上効果は得られるものの、より高度の耐熱分解性を得るには多量のホウ酸をメタノールなどの溶媒に溶解し、フェノール樹脂に添加する必要がある。この場合、硬化前(メタノールなどを使ってホウ酸がフェノール樹脂に溶解している状態)、または硬化後(成形品)の保管中に白色粉のホウ酸が析出する。硬化前にこのようなホウ酸の析出が発生すると、添加剤の析出や揮散により、再溶解の必要性、製造装置への悪影響など、製造上の取扱い性の悪化、生産コストの増加、作業環境の悪化などの一因となるだけでなく、硬化後の成形品の耐熱分解性の低下を招き本願の効果を得られないという問題が生じる。また、硬化後に経時的にホウ酸が析出すると、耐熱分解性が経時的に低下するうえに、成形品は析出物により外観不良となるという問題が生じる。
さらに、アルカリ土類金属水酸化物を後添加したフェノール樹脂では、空気下350℃における耐熱分解性の向上効果は上記化合物の場合より低いことが明らかとなった。
上記のように、従来、後添加によって耐熱分解性を向上させたフェノール樹脂では、硬化前(成形前)または硬化後(成形品)において耐熱分解性が経時的に減少してゆくという問題があった。
特開2005−239949号公報 特開平6−298888号公報 特開平5−59257号公報 特許第3754166号公報
本発明は、上記のようなフェノール樹脂に要求される耐熱性及び耐熱フェノール樹脂の現状に鑑み、高温下(空気中350℃×24時間)での樹脂の残存率が50重量%以上である高度な耐熱分解性を有するとともに、硬化前において添加剤の析出や揮散により、製造上の取り扱い性や作業環境が悪化したり、硬化後の成形品の耐熱分解性の低下を招くような経時変化がなく、また、硬化後(成形品)の保管時においても耐熱分解性の低下などの経時的な変化を伴わない保存安定性に優れた耐熱分解性フェノール樹脂組成物を提供せんとするものである。
本発明に係る耐熱フェノール樹脂組成物は、合成触媒を除去して得られたフェノール樹脂にホウ酸塩及び金属水酸化物を後添加して得られる耐熱フェノール樹脂組成物においてメタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチウムから選択される少なくとも1種の前記ホウ酸塩を前記フェノール樹脂に対して10重量%〜80重量%、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種の前記金属水酸化物を前記フェノール樹脂に対して1〜20重量%含有してなる。
本発明によれば、汎用のフェノール樹脂にホウ酸塩を含有させることで、保存安定性及び耐熱分解性に優れたフェノール樹脂組成物を得ることができる。更に、前記ホウ酸塩に加えて、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を組み合わせてフェノール樹脂に添加することにより、保存安定性を維持しながら、ホウ酸塩単独添加の場合に比べてより耐熱分解性を向上させることができる。本発明のフェノール樹脂組成物は、空気中350℃×24時間加熱後の樹脂残存率が50重量%以上の優れた耐熱分解性を有し、保管中に耐熱分解性が低下しない耐熱性フェノール樹脂組成物である。
本発明では、特殊反応条件を必要としない耐熱分解性フェノール樹脂組成物とするため、硬化前の段階にあるフェノール樹脂へ各種化合物を後添加している。フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸またはアルカリ触媒下で反応させたものであるが、後添加化合物と合成触媒とでは、その役割が異なる。ここでいう後添加とは、硬化前の状態にあるフェノール樹脂(常温溶媒なしで液体または固体)に対して各種化合物を添加し、溶融混合あるいは溶解混合することをいう。硬化前にあるフェノール樹脂には、常温/無溶媒で固体または液体の性状を示すものがある。本発明における後添加方法は、フェノール類とアルデヒド類を反応させた後、硬化前のフェノール樹脂に、ホウ酸塩、金属水酸化物などの化合物を加え、ドライブレンド(ミキサーで粉末同士を混合する)、溶融混合(フェノール樹脂の軟化点より高温にて練り込む)、または溶解混合(溶媒を使用しフェノール樹脂と前記化合物を混合する)させる。溶解混合では、適宜温調(15〜50℃)したり、適宜溶媒を加えて溶解する。溶媒は特に限定されないが、例えば、水、アルコール類(メタノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)が好適である。
フェノール樹脂を構成しているフェノール類は、特に限定されず、アルキルフェノール(クレゾール、キシレノールなど)、多価フェノール類(レゾルシンなど)、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。また、アルデヒド類は、特に限定されず、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
またフェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類をアルカリ触媒下で反応させたレゾール型、酸触媒下で反応させたノボラック型のいずれでもよい。
上記フェノール樹脂に添加するホウ酸塩は、特に限定されないが、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が、より好ましくはホウ酸ナトリウム,ホウ酸リチウム,ホウ酸カリウム,ホウ酸マグネシウムが、更に好ましくはメタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチウムが挙げられる。これらのホウ酸塩と上記フェノール樹脂を混合した場合、フェノール樹脂の粘度変化が小さく、均質なフェノール樹脂組成物を得ることができるため、高度な耐熱分解性向上効果を得ることができる。ホウ酸塩の添加量は、フェノール樹脂に対して10重量%〜80重量%が好ましい。添加量が10重量%未満では耐熱分解性向上の効果が小さく、80重量%を超えると成形性が困難となる傾向が見られる。添加量が40重量%以下であれば成形性が向上し、より好適である。
さらに、金属水酸化物も特に限定されないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウムが好ましい。これらの金属水酸化物を使用することにより、フェノール樹脂組成物に高い耐熱分解性を付与することができる。前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好適である。前記アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムが好適である。金属水酸化物の添加量は、フェノール樹脂に対して1重量%〜20重量%が好ましく、1重量%〜10重量%がより好ましい。1重量%未満では十分な耐熱分解性を付与できず、添加量が増加するに従い成形性が徐々に低下し、20重量%を超えるとフェノール樹脂の硬化反応が進行し、ゲル化が起こる結果、成形材料として使用が困難となる。
以下、具体な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、フェノール樹脂の種類(段落[0016]に記載の原料種,触媒(アルカリまたは酸),原料モル比(ホルムアルデヒド類/フェノール類=0.8〜2.5))、ホウ酸塩及び金属水酸化物の種類、及びそれらの添加量などを、種々変化させて実施可能である。
なお、実施例及び比較例の記載に先立ち、実施したフェノール樹脂組成物の評価方法を以下に記載しておく。
(試料の調整)
試料としては、得られたフェノール樹脂組成物溶液、該溶液をガラス繊維などの基材を含ませずに180℃×30分硬化し粉体化したもの(以下、「硬化物粉体」という。)及び前記溶液をガラスクロスに含浸させ、厚みが10mmとなるように180℃×5MPa×30分で積層成形したもの(以下、「積層成形品」という。)を使用し、以下に示す方法によって保存安定性、耐熱分解性について評価した。
(保存安定性)
硬化前のフェノール樹脂組成物溶液と、硬化後の硬化物粉体及び積層成形品を、それぞれ1ヶ月間、25℃、60%RHの条件下で放置し、添加化合物の析出の有無を目視により確認した。
(耐熱分解性)
(1)加熱後の樹脂残存率
硬化物粉体を、350℃に設定した熱風循環型乾燥炉中に24時間置いて加熱後の樹脂残存率で評価した。さらに硬化直後の試料と硬化してから25℃、60%RHの条件下で2ヶ月間保存した試料での上記樹脂残存率を比較することで、耐熱性の保存安定性を評価した。ここで、上記樹脂残存率は次のとおりである。
(加熱後の樹脂残存率)=(350℃24h加熱後の重量)/(350℃加熱前の初期重量)×100
(2)加熱時の白化特性
上記積層成形品を300℃、350℃、400℃に設定した熱風循環型乾燥炉に5時間曝露した時の白化の有無を目視により確認した。
ここで、ガラス繊維などを含有するフェノール樹脂成形品を空気中300℃以上で長時間加熱すると、表層より酸化分解が進行し、ガラス繊維などが露出して白く見えるようになる。特に金属塩などを多く含むフェノール樹脂の成形品では、ガラス繊維などの他に金属酸化物が残るため白さがさらに目立つようになる。本発明では、このような現象を白化と定義する。
なお、フェノール樹脂単体についての上記熱分解性評価では良好な樹脂残存率を示す樹脂であっても、一般的な実使用時の形態であるガラス繊維を基材とした成形品の加熱試験では、上述した白化現象が生じて良好な耐熱分解性を示さないものがある。そこで、フェノール樹脂単体での耐熱分解性評価の他に、代表例としてガラス繊維を基材とした成形品における耐熱分解性評価として加熱時の白化特性を評価した。
(実施例1)
レゾール型フェノール樹脂は、原料にフェノール(P)とホルムアルデヒド(F)を使用し、そのモル比F/P=1.5とし,合成触媒にNaOHを使用し、98℃還流下で30分間反応させ,水(37%ホルムアルデヒド水溶液由来と縮合反応由来の水)および合成触媒は反応終了後除去した。ゲル濾過クロマトグラフィーによって重量平均分子量(ポリエチレンオキサイド換算、溶媒:ジメチルホルムアミド)が950を示すフェノール樹脂を作製した。
上記フェノール樹脂に対して四ホウ酸ナトリウム30重量%を溶解してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸リチウム30重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム40重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例4)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム30重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例5)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例6)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム30重量%及び水酸化ナトリウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例7)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム30重量%及び水酸化カルシウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例8)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム10重量%及び水酸化カルシウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例9)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム30重量%及び水酸化カルシウム1重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例10)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対して四ホウ酸ナトリウム30重量%及び水酸化ナトリウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例11)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸リチウム30重量%及び水酸化アルミニウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(実施例12)
ノボラック型フェノール樹脂の作製方法は以下のとおりである。
フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)を、そのモル比がF/P=0.8となるように加え、この溶液に合成触媒である乳酸を添加し、98℃還流下で30分反応させた。水を除去した後、180℃まで加熱し反応を完了した。そして、冷却後に粉砕しヘキサミン10重量%をドライブレンドによって混合してノボラック型フェノール樹脂を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによる重量平均分子量(ポリエチレンオキサイド換算、溶媒:ジメチルホルムアミド)が1280を示すフェノール樹脂を得た。
上記ノボラック型フェノール樹脂をメタノールに溶解し、メタホウ酸ナトリウムを上記フェノール樹脂に対し30重量%となるように溶解してフェノール樹脂組成物を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にしてフェノール樹脂を作製したが、後添加はしなかった。
(比較例2)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対して水酸化ナトリウム10重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(比較例3)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対して水酸化カリウム20重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(比較例4)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対して水酸化カルシウム15重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(比較例5)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してホウ酸15重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。尚、ホウ酸は、フェノールに溶解させるため、溶媒としてメタノールを使用した。これは、水で溶解させるためには、80℃以上の温度を維持する必要があり、フェノール樹脂の硬化が促進してしまうためである。また、フェノール樹脂に対してホウ酸を15重量%より多く溶解させることは困難であった。
(比較例6)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してホウ酸0.3重量%及びメタホウ酸ナトリウム3.2重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
(比較例7)
実施例1と同様にして作製したフェノール樹脂に対してメタホウ酸ナトリウム7重量%を後添加してフェノール樹脂組成物を得た。
なお、上記実施例及び比較例において、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチウム、メタホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムは、フェノール樹脂に溶解させるため、溶媒として水を使用してフェノール樹脂に後添加した。
上記実施例1〜12及び比較例1〜7で得られたフェノール樹脂組成物について、保存安定性、加熱後の樹脂残存率、及び加熱時の白化特性について評価し、表1に結果を示した。なお、比較例5については、耐熱分解性評価に使用した試料は、保存中に析出した白色粉(ホウ酸)を除去したものとした。
Figure 0005309435
以上より、本発明は、フェノール樹脂に水溶液中でアルカリ性を示すホウ酸塩を後添加することにより高い耐熱分解性(空気中350℃×24h加熱後の樹脂残存率50wt%以上)を有すると同時に、保存中の樹脂残存率の変化が殆どなく、かつ、保存中の性状変化のないフェノール樹脂組成物である。また、更にホウ酸塩に加え、上述した各種金属水酸化物を併用したフェノール樹脂組成物を使用した成形品は、極めて過酷な加熱環境においても白化することもない。
従って、本発明は、工業的に要求される高度な耐熱性樹脂として好適なフェノール樹脂組成物であり、また、特殊な反応条件や特殊原料などを必要とせず、汎用フェノール樹脂に一般的な各種添加剤を溶解して製造可能なため、安価に保存安定性に優れた耐熱フェノール樹脂組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. フェノール樹脂の合成反応後にホウ酸塩及び金属水酸化物を後添加して得られる耐熱フェノール樹脂組成物において、メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチウムから選択される少なくとも1種の前記ホウ酸塩を前記フェノール樹脂に対して10重量%〜80重量%、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種の前記金属水酸化物を前記フェノール樹脂に対して1〜20重量%含有してなる耐熱フェノール樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択され、前記アルカリ土類金属水酸化物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムから選択される請求項記載の耐熱フェノール樹脂組成物。
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