JP6429181B2 - 縮合物の製造方法 - Google Patents
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Description
天然物由来のヒドロキシアセトンとして、油脂から得られるグリセリンを酸化することによって得られたヒドロキシアセトンを用いることができる。
ホルムアルデヒドは、例えば37質量%水溶液を用いることができる。
天然物由来のホルムアルデヒドとして、メタノールの空気酸化によって得られたホルムアルデヒドを用いることができる。またメタノールは、木材由来である木酢液を蒸留することで得られる。
アンモニアは、例えば28質量%水溶液を用いることができる。
天然物由来のアンモニアとして、窒素と水素から製造するハーバー・ボッシュ法によって得られたアンモニアを用いることができる。
亜硫酸塩は、亜硫酸アルカリ金属塩が挙げられる。例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
天然物由来の亜硫酸塩として、天然物である硫黄鉱物を酸化させて得られた亜硫酸塩を用いることができる。
また、反応を開始する温度(以下、反応開始温度という)は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上である。この反応開始温度は、反応に関与する少なくとも一部の成分を投入した水系溶媒の温度であってよい。
<測定条件>
装置 TOSOH EcoSEC HLC-8320GPC 東ソー(株)
カラム ガードカラムTSK guard colum
TSKgel G4000PWXL
TSKgel G2500PWXL
移動相 0.2mol/L リン酸バッファ/アセトニトリル=10/1
条件 カラム温度40℃ 流速1ml/分 サンプリングピッチ100msec 収集時間2 - 42分 検出器RI
検量線 ポリエチレングリコール 分子量12600, 6450, 1470(ジーエルサイエンス株式会社製)
(各溶出時間における分子量は検量線を用い、算出した。)
ソフトウエア EcoSEC Work Station Version1.12
分子量8218におけるピーク強度(P1)は、比較的高分子量の縮合物のピークであり、例えばセメント分散剤として有用な分子量の縮合物である。一方、分子量2685おけるピーク強度(P2)は比較的低分子量の縮合物及び副反応により生じる化合物のピークである。したがって、これらのピーク強度(P1)、(P2)の比(P1)/(P2)が、本発明において得られる縮合物の指標となる。
なお、このピーク強度(P1)、(P2)は、相対強度であるため、GPC条件によりピーク強度(P1)、(P2)の値が変動しても、同じサンプル(分子量)であるならば、その比(P1)/(P2)の値は影響を受けない。つまり、あるサンプルについて、あるGPC条件で得られたピーク強度(P1)とピーク強度(P2)の値は、別のGPC条件で得られた(P1)、(P2)とは相違する場合があるが、比(P1)/(P2)は同じ値となる。
また、本発明では、前記重量平均分子量と前記ピーク強度の比(P1)/(P2)との両方を満たす縮合物が得られた時点を反応の終点とすることができる。
ヒドロキシアセトン1モルに対し、ホルムアルデヒド1.5モル以上、10.0モル以下、アンモニア0.7モル以上、5.0モル以下、亜硫酸塩0.25モル以上、0.75モル以下を、水系溶媒中にて酸性条件で反応させて、重量平均分子量が2500以上であり、そして、縮合反応時間を短縮する観点から好ましくは重量平均分子量が10000未満であり、GPCにおける分子量8218に相当するピーク強度(P1)と分子量2685に相当するピーク強度(P2)の比(P1)/(P2)が0.1以上を満たす反応生成物を得る工程(I)、及び、
工程(I)で得られた反応生成物から低分子量成分を除去して、前記反応生成物の重量平均分子量を10000以上とする工程(II)、
を有する、縮合物の製造方法が挙げられる。この製造方法には、前記の好ましい態様を適宜適用することができる。この製造方法は、セメント分散剤の製造方法として好ましい。
(1) ヒドロキシアセトン1モルに対し、ホルムアルデヒド1.5モル以上、10.0モル以下、アンモニア0.7モル以上、5.0モル以下、亜硫酸塩0.25モル以上、0.75モル以下を、水系溶媒中にて、pH0以上、3以下の酸性条件で、80℃以上、100℃以下の温度で、3時間以上反応させる、縮合物の製造方法。
(2) ヒドロキシアセトン1モルに対し、ホルムアルデヒド1.5モル以上、10.0モル以下、アンモニア0.7モル以上、5.0モル以下、亜硫酸塩0.25モル以上、0.75モル以下を、水系溶媒中にて反応させる、縮合物の製造方法であって、
反応容器に、亜硫酸塩と水を含有する水系溶媒とを仕込み、ヒドロキシアセトンを滴下し、水系溶媒のpHを0以上、3以下、温度を0℃以上、40℃以下に調整し、ホルムアルデヒド及びアンモニアを投入し、水系溶媒のpHを0以上、3以下、温度を80℃以上、100℃以下に調整し、3時間以上反応させる、
縮合物の製造方法。
これら(1)、(2)の方法は、前記した工程(I)として実施できる。
実施例9
攪拌機付きガラス製反応容器に、亜硫酸水素ナトリウム18.21gをイオン交換水43.36gに溶解させ仕込み、ヒドロキシアセトン26.79gを滴下した。窒素ガスを3.3ml/(min・kg)で流し、硫酸でpHを2.0に調整した。pHは、pH試験紙で目視にて確認した。オイルバスを使用し35℃まで昇温させた後に、37質量%ホルムアルデヒド水溶液142.03gと28質量%アンモニア水溶液21.29gを、別々の滴下手段により、30分かけて滴下した。反応系の温度を35℃以下に保持しながら全量を滴下した後、再度硫酸でpH2.0(表1のpHの「昇温前」に相当)に調整後、85℃まで昇温し、11時間熟成させた。熟成終了後、室温(25℃)まで冷却し、pH1.0の実施例9の縮合物水溶液(固形分30質量%)を得た。各原料の仕込みモル比等を表1に示した。なお、表1中、pHの「反応後」は、熟成終了後、室温(25℃)まで冷却した縮合物水溶液のpHである。また、表2に、実施例9の経時的なピーク強度比(P1)/(P2)を示した。
ホルムアルデヒド水溶液及びアンモニア水溶液をヘキサメチレンテトラミン代え、各原料の使用量、pH等を表1の通りとし、熟成を3時間行った以外は、実施例9と同様にして縮合物水溶液を得た。
各原料の使用量、pH等を表1の通りとした以外は、実施例9と同様にして縮合物水溶液を得た。ただし、実施例2〜8及び比較例11〜15は85℃の熟成を3時間、実施例10及び11は85℃の熟成を8時間行った。
ヒドロキシアセトンの代わりにジヒドロキシアセトン又はアセトンを用い、各原料の使用量、pH等を表1の通りとした以外は、実施例3と同様にして縮合物水溶液を得た。
ヒドロキシアセトンの代わりにアセトンを用いた以外は、実施例9と同様にして縮合物水溶液を得た。
*2 比較例14、15は、1H−NMRで確認したところ2,3−ブタンジオンを主成分とする生成物が得られていると推察された。水溶液の固形分及び粘度は測定しなかった。
*3 比較例16、18、19は、水溶液の固形分及び粘度は測定せず、ピーク強度比及び面積比は算出しなかった。
*4 前記条件のGPCのチャートでは、保持時間16分が分子量8218におけるピーク強度(P1)であり、保持時間17.4分が分子量2685おけるピーク強度(P2)である。
*5 S15.7−16.3/S17.0−17.6ピーク面積比は、前記条件のGPCのチャートの保持時間15.7分(分子量10443)から16.3分(分子量6466)の間の面積と保持時間17.0分(分子量3696)から17.6分(分子量2288)の間の面積の比である。
〔モルタル試験1〕
表3に示す配合条件で、モルタルミキサー(株式会社ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM-03-γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りをモルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて10秒行い、縮合物水溶液及び消泡剤を含む練り水(W)を加えた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて120秒間本混練りしてモルタルを調製した。縮合物の添加量(対セメント質量%、固形分換算)は表4の通りとした。また、市販のナフタレン系分散剤(マイテイ150、花王株式会社製)を用いて同様にモルタルを調製した。
・水(W):上水道水(水温22℃)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント/住友大阪セメント=1/1、質量比) 密度3.16g/cm3
・細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm3
・消泡剤:フォームレックス797、日華化学株式会社製、表3の配合に1g添加
実施例、比較例の一部について、得られた縮合物を、コットンセルロース透析膜Cellu-Sep T1 Tubular Membrane(Nominal MWCO 3,500、メンブレン フィルトレーション プロダクツ社製)で透析処理し、低分子量成分を除去した縮合物を得た。低分子量成分を除去した縮合物を用いた以外は、モルタル試験1と同様の操作を行い、調製したモルタルのフローを測定した。結果を表5に示した。なお、比較として、市販のリグニン系分散剤(ポゾリスNo.70、BASF社製)について同様に透析したものも試験した。
用いたコットンセルロース透析膜は、膜の分画分子量(Molecular Weight Cut Off:MWCO)が3500であり、透析処理によって縮合物水溶液中の分子量3500以下の成分が除去されたと考えられる。具体的には、例えば、実施例9の透析前の縮合物の重量平均分子量は4984であり、透析後の縮合物の重量平均分子量は20190であった。図2に、実施例9で得られた縮合物の透析前後のGPCのチャートを示した。
Claims (7)
- ヒドロキシアセトン1モルに対し、ホルムアルデヒド1.5モル以上、10.0モル以下、アンモニア0.7モル以上、5.0モル以下、亜硫酸塩0.25モル以上、0.75モル以下を、水系溶媒中にて酸性条件で反応させる、縮合物の製造方法。
- 酸性条件が、pH0以上、3以下である、請求項1に記載の縮合物の製造方法。
- 反応を80℃以上、100℃以下の温度で行う期間を有する、請求項1又は2に記載の縮合物の製造方法。
- ホルムアルデヒド及びアンモニアの供給原としてポリアミンを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の縮合物の製造方法。
- 得られた縮合物が、重量平均分子量が2500以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおける分子量8218に相当するピーク強度(P1)と分子量2685に相当するピーク強度(P2)の比(P1)/(P2)が0.1以上を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載の縮合物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られた縮合物を含有する分散剤組成物。
- ヒドロキシアセトン1モルに対し、ホルムアルデヒド1.5モル以上、10.0モル以下、アンモニア0.7モル以上、5.0モル以下、亜硫酸塩0.25モル以上、0.75モル以下を、水系溶媒中にて酸性条件で反応させて得られた縮合物を含有する分散剤組成物。
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