JP3207721B2 - 水希釈若しくは水分散可能な硬化性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

水希釈若しくは水分散可能な硬化性シリコーン樹脂組成物

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JP3207721B2
JP3207721B2 JP19252095A JP19252095A JP3207721B2 JP 3207721 B2 JP3207721 B2 JP 3207721B2 JP 19252095 A JP19252095 A JP 19252095A JP 19252095 A JP19252095 A JP 19252095A JP 3207721 B2 JP3207721 B2 JP 3207721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性シリコーン樹脂組
成物に関し、特に、作業性及び環境性を向上させた、水
希釈若しくは水分散可能な硬化性シリコーン樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、シリコーン樹脂は塗料用ビヒク
ル、コーティング剤の原料、積層板や充填材成型物のバ
インダーとして利用されている。シリコーン樹脂は、通
常の状態では、固体か高粘度の液体であり、このままの
状態で使用することは困難であるために、一般に、溶剤
を用いて希釈し、低粘度の溶液として使用される。
【0003】このようなシリコーン樹脂溶液は、結合材
として使用する場合の他の原材料とシリコーン樹脂との
分散性を良くすることによりその性能を十分に引き出す
ことができる他、スプレーやスピンコート塗装方法等に
用いる塗料用とした場合には、その溶液濃度を調整する
ことによって塗布後の塗膜の外観や膜厚を制御すること
ができる。従って、溶剤を用いて希釈する作業はシリコ
ーン樹脂を使用する上で極めて重要なものである。この
場合に使用される溶剤としては、シリコーン樹脂が疎水
性であるために有機溶剤が用いられる。
【0004】しかしながら、有機溶剤、特に非極性有機
溶剤は、自然環境や作業環境を悪化させるために、法的
に、使用が制限される方向にあるのみならず、火災等の
危険性が高いために設備規制や取扱上の制限もあるの
で、製造コストが上昇するという欠点があった。そこ
で、有機溶剤の使用を減らして上記の欠点を解決するた
めに、シリコーン樹脂をエマルジョン化する方法や水溶
性化する方法等が検討されてきた。
【0005】上記のエマルジョン化する方法において
は、シリコーン樹脂を改質せずにそのまま使用すること
ができるという利点がある。しかしながら、安定なエマ
ルジョンを製造するためには低粘度の樹脂溶液が必要と
なるので、有機溶剤の使用量が比較的多くなる上、エマ
ルジョンを安定化するために希釈する水の量には限界が
あり、また、乳化剤を使用すると、耐熱性、耐水性、耐
候性等のシリコーン樹脂性能に悪影響を与えるという欠
点があった。
【0006】一方、シリコーン樹脂を水溶性化する方法
の場合には、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の親
水性基(水溶性基)を導入して樹脂を改質する必要があ
るために、これらの基を有する高価な原材料を使用しな
ければならず、また、製造工程が煩雑となるので、製品
の製造コストが上昇するという欠点があった。更に、こ
のような水溶性基を多く導入すると、シリコーン樹脂の
耐熱性、耐水性、耐候性等の樹脂性能が低下するという
欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
上記の欠点を解決するために鋭意検討した結果、分子中
のシラノール基の量及び分子量を特定の範囲としたオル
ガノポリシロキサンを用いた場合には、有害な非極性有
機溶剤の使用量を低減することができるのみならず、高
価な原材料を使用する必要がない上製造工程も簡便とな
ると共に、耐熱性、耐水性、耐候性等のシリコーン樹脂
性能も低下せず、良好な、水希釈若しくは水分散可能な
硬化性シリコーン樹脂組成物とすることができるという
ことを見出し本発明に到達した。
【0008】従って、本発明の目的は、環境汚染等が少
ない上シリコーン樹脂性能にも優れる、水希釈若しくは
水分散可能で安価な硬化性シリコーン樹脂組成物を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
数平均分子量が200〜10,000であると共に、一
分子中にシラノール基を3重量%以上含有する下記平均
組成式(1)で表されるシリコーン樹脂30〜90重量
%、及び水溶性極性有機溶剤10〜70重量%からなる
組成物であって、該組成物のpHが3〜6であると共に
シリカを含有しないことを特徴とする水希釈若しくは水
分散可能な硬化性シリコーン樹脂組成物によって達成さ
れた。 (CH 3 m n Si (OR' ) o (OH) p (4-m-n-o-p)/2 (1) (但し、上記平均組成式(1)中のRは、ハロゲン、エ
ポキシ基、アミノ基、アクリロキシ基、メタアクリロキ
シ基、カルボキシル基、メルカプト基及び水酸基の群の
中から選択される少なくとも1種の置換基を持っていて
もよい、炭素原子数が20以下のアルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基であり、R' は炭素原子数が3以下
のアルコキシ基及び/又は水酸基を置換基として持って
いてもよい、炭素原子数が5以下のアルキル基である。
m及びnは、m+nが0.5 〜1.5 及びnが0〜1.0を
満足する数、oは0〜2.0、pは0.1〜1.5の正
数である。)
【0010】本発明においては、硬化性シリコーン樹脂
として、下記平均組成式(1)で表され、数平均分子量
が200〜10,000であると共に、一分子中にシラ
ノール基を3重量%以上含有するオルガノポリシロキサ
ンを使用する。上記数平均分子量が200未満である
と、樹脂組成物とした場合の保存安定性が悪くなる。数
平均分子量が10,000を越えると樹脂の水溶性が低
下する。また、前記一分子中のシラノール基が3重量%
未満であると樹脂の水溶性が低下する。尚、数平均分子
量はゲルパーミエーション・クラマトグラフイー(GP
C)によって測定することができる。
【0011】 (CH 3 m n Si (OR' ) o (OH) p (4-m―n-o-p)/2 (1) 上記平均組成式(1)中のRは、ハロゲン原子、エポキ
シ基、アミノ基、アクリロキシ基、メタアクリロキシ
基、カルボキシル基、メルカプト基及び水酸基からなる
群の中から選択される少なくとも1種の置換基を持って
いてもよい、炭素原子数が20以下のアルキル基、アル
ケニル基又はアリール基である。
【0012】このような基の具体例としては、エチル
基、プロピル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル
基、ビニル基、アクリル基、γ- グリシドキシプロピル
基、メタクリロキシプロピル基、アクリロキシプロピル
基、γ- メルカプトプロピル基等が挙げられる。このよ
うな基は、異種官能基の導入や付加性能を付与する目的
で、例えばH2 N(C2 4 )HN(C3 6 )やH2
N(C3 6 )等の水溶性基を有していても良いが、こ
れらの基を有するものは全R中の5モル%以下とするこ
とが好ましい。
【0013】前記平均組成式(1)中のm及びnは、m
+nが0.5〜1.5及びnが0〜1.0を満足する数
である。前記m+nが1.5を越えると、樹脂中の有機
基の含有率が高くなりすぎて樹脂の水溶性が低下し、
0.5未満では、架橋性官能基が多くなりすぎるので樹
脂組成物とした場合の保存安定性が悪くなる。また、前
記nは1.0以下であるが、特に0.5以下であること
が好ましい。1.0を越えると樹脂の疎水性が強くなり
すぎ、水希釈性が不十分となる。従って、前記R基にア
ミノ基、カルボキシル基、アルコール性水酸基等の水溶
性基の導入が必要となるので製造コストが上昇する。
【0014】前記平均組成式(1)中のR' は炭素原子
数が3以下のアルコキシ基及び/又は水酸基を置換基と
して持っていてもよい、炭素原子数が5以下のアルキル
基である。このような基の具体例としては、メチル基、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンなどから誘導されるアルコキシ基等が挙げられるが、
特にメチル基であることが好ましい。
【0015】前記平均組成式(1)中のoは0〜2.0
の数である。また、OR’は組成物の保存性を低下させ
ないための硬化性官能基としてシラノール基の補助的な
役割を果たすものであるが、水溶性を低下させる作用が
ある。従って、oは1.0以下であることが好ましく、
特に0.2以下であることが好ましい。また、pは、シ
ラノール基の量を表し、0.1〜1.5の数である。樹
脂の水溶性を向上させて、十分な水希釈性を得る観点か
ら、p は0.1以上であることが必要であるが、1.5
を越えるとシリコーン樹脂が不安定となり樹脂組成物と
した場合の保存性が低下する。
【0016】このようなオルガノポリシロキサンは、オ
ルガノクロロシランやオルガノアルコキシシランを加水
分解縮合することによって容易に製造することができ
る。具体的な製造方法としては、例えば、メチルトリエ
トキシシラン等のアルコキシシランを塩酸、硫酸等の
酸、炭酸ナトリウム、アンモニア等の塩基、テトラブト
キシチタン等の有機金属化合物等の触媒の存在下で水と
反応させて加水分解縮合させ、必要に応じて水洗浄や中
和により触媒を除去する方法がある。
【0017】この場合、副生するメタノール等のアルコ
ールは蒸留により除去してもよいが、有機溶剤としてそ
のまま利用しても良い。また、オルガノポリシロキサン
は、トルエンやキシレン等の疎水性有機溶剤に溶解させ
た溶液状態で使用しても良いが、疎水性有機溶剤の使用
量は、組成物の水希釈性を大きく低下させない程度の量
とする必要がある。
【0018】本発明で使用する水溶性極性有機溶剤は、
特に限定されるものではなく、極性基を有する公知の有
機溶剤の中から適宜選択して使用することができるが、
特に、シリコーン樹脂中のシラノール基に対して縮合触
媒作用を有しないものであることが好ましい。水溶性極
性有機溶剤は、シリコーン樹脂と水を溶解させて均一な
組成物とし、シリコーン樹脂組成物が硬化する際には気
化して硬化物中に残存せず、樹脂性能の劣化を引き起こ
さない作用を有するものである。
【0019】このような水溶性極性有機溶剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、酢
酸、酢酸メチル等のカルボン酸やそのエステル類、DM
F、DMSO等があげられるが、製造コストや人体に対
する有害性を考慮するとアルコール類を使用することが
好ましく、特にイソプロパノールを使用することが好ま
しい。
【0020】本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、
前記オルガノポリシロキサン30〜90重量%、及び前
記水溶性極性有機溶剤10〜70重量%を混合すること
によって製造することができる。オルガノポリシロキサ
ンが30重量%未満では、使用する有機溶剤を少なくす
る意義がなくなり、90重量%を越えると組成物の水希
釈性が低下する。
【0021】本発明においては、特に、組成物の保存安
定性を良好とする観点から、前記平均組成式(1)で表
されるオルガノポリシロキサン30〜90重量%、水溶
性極性溶剤9〜69重量%、及び水1〜61重量%から
なる硬化性シリコーン樹脂組成物とすることが好まし
い。水の使用量が1重量%未満では組成物の保存安定性
が不十分となり、61重量%を越えると、シリコーン樹
脂の分散安定性が低下する。
【0022】使用する水は特に限定されるものではな
く、水道水も使用することができるが、組成物の保存安
定性を良好とする観点から、pHが2以上又は8以下の
水であることが好ましく、また、金属イオン含有率の低
い水を使用することが好ましく、特に、イオン交換水や
蒸留水を使用することが好ましい。
【0023】水は、シラノール基の縮合を防止し、硬化
性シリコーン樹脂組成物の保存安定性を向上させる作用
を有するものであるので、特に、平均分子量が小さくシ
ラノール基を多く含有する樹脂を使用する場合には効果
的である。また、後記するpH調整剤として用いられる
弱酸性化合物や緩衝剤の多くは水溶性であるので、これ
らの化合物をシリコーン組成物中で安定に分散させる作
用も有する。
【0024】本発明の組成物は、水で希釈されたときの
安定性を向上させる観点から、pHが3〜6に調整され
ている。これによって特に、シリコーン樹脂がシラノー
ル基やアルコキシ基等の官能基を多く含有する場合に
は、水で希釈されたときの安定性が向上する。上記組成
物におけるpHの調整方法は特に限定されものではな
く、弱酸性化合物や緩衝剤等のpH調整剤を添加する等
の、公知の方法を使用することができる。
【0025】上記のpH調整剤としては、酢酸、クエン
酸、乳酸、マレイン酸等のカルボン酸、炭酸、リン酸等
の弱酸やそのアンモニウム塩等の塩、緩衝剤としてはカ
ルボン酸及びその塩、炭酸水素塩及び酸、リン酸及びそ
の塩等の、公知のものを挙げることができる。このよう
なpH調整剤の使用量は、希釈水の種類や混合比率等に
よって異なり、組成物の塗布膜の外観不良やシリコーン
樹脂性能に悪影響を与えない範囲で、適宜決定すること
ができるが、通常、シリコーン樹脂100重量部に対し
て0.001〜0.1重量部である。
【0026】pH調整剤の添加は、組成物内に均一に溶
解させることによって行えば良いが、作業性の観点か
ら、該調整剤を溶解した水溶液を添加混合することによ
って行うことが好ましい。尚、シリコーン樹脂調製時の
中和剤や安定化剤として使用されたものの残留物や、洗
浄時の洗浄水に含まれる弱酸や緩衝溶液等によってすで
に相当量の弱酸や緩衝剤が組成物中に含まれpHが3〜
6となっている場合には、更にpH調整剤を添加する必
要はない。
【0027】本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に
は、保存安定性や分散性に悪影響しない範囲で、保存安
定剤、レベリング剤、顔料、染料その他一般に使用され
る添加剤を使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の水希釈若しくは水分散可能な硬
化性シリコーン樹脂組成物は、有害な非極性有機溶剤の
使用量を低減することができるので環境汚染が少ないの
みならず、安価な原料で簡便に製造することができる
上、作業性及びシリコーン樹脂性能にも優れる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、「%」は、特に記載のない限り「重量%」を意味す
る。
【0030】(1)シリコーン樹脂の調整 調整例1 1Lのフラスコに、表1(調整例1)に示した配合のオ
ルガノアルコキシシランを仕込み、40℃で撹拌しなが
ら、0.5%の塩酸水溶液43gを1時間かけて滴下混
合して反応させた。次に、40℃で2時間撹拌しながら
熟成させた後、酢酸ナトリウム0.58gを加えて25
℃で1時間撹拌し、中和して反応を停止させた。
【0031】次いで、50℃、50mmHgの条件下で
減圧蒸留し、樹脂濃度が35%となるまで濃縮した後、
不溶性の中和塩を濾過して反応系から除去し、樹脂濃度
が35%のシリコーン樹脂(イソプロパノール溶液)を
得た。得られた樹脂の官能基量と数平均分子量は、表1
に示した通りである。尚、平均分子量はGPCによって
測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。ま
た、官能基量は29Si−NMRによって測定したもので
ある。
【0032】調整例. 1Lのフラスコに、表1(調整例)に示した配合の各
オルガノアルコキシシランを仕込み、40℃で撹拌しな
がら、1.0%の塩酸水溶液35gを1時間かけて滴下
配合して反応させた。次に、40℃で2時間撹拌しなが
ら熟成した後、酢酸ナトリウム0.8gを加えて25℃
で1時間撹拌し、中和して反応を停止させた。
【0033】次いで、50℃、50mmHgの条件下で
減圧蒸留して樹脂濃度が70%となるまで濃縮した後、
不溶性の中和塩を濾過して反応系から除去し、再度同じ
条件で減圧濃縮し、イソプロパノールを全量除去してシ
リコーン樹脂を得た。得られた樹脂の官能基量と数平均
分子量は、表1に示した通りである。尚、得られた樹脂
の平均分子量及び官能基量は、調整例1の場合と全く同
様にして測定し、換算した。
【0034】調整例3及び4. 1Lのフラスコに、表1(調整例3及び4)で示した配
合の各オルガノアルコキシシランを仕込み、40℃で撹
拌しながら、2.0%の塩酸水溶液30gを1時間かけ
て滴下混合して反応させた。次に、40℃で2時間撹拌
しながら熟成させた後トルエン100gを添加して希釈
した。次いで、10%の硫酸ナトリウム・10水塩(芒
硝)水溶液100gを加えて10分撹拌した後、静置し
て水相を分離除去する水洗浄を3回繰り返して反応を停
止させた。次いで、この溶液を50℃、50mmHgの
条件下で減圧蒸留し、トルエンを全量除去してシリコー
ン樹脂を得た。尚、得られた樹脂の平均分子量及び官能
基量は、調整例1の場合と全く同様にして測定し、換算
した。
【0035】調整例. 1Lのフラスコに表1(調整例)に示した配合のオル
ガノアルコキシシランを仕込み、40℃で撹拌しなが
ら、2.0%の塩酸水溶液35gを1時間かけて滴下混
合して反応させた。これ以後の操作は調整例及び
全く同様にしてシリコーン樹脂を調整し、調整例及び
と全く同様にして数平均分子量及び官能基量を測定し
た。結果は表1に示した通りである。
【0036】調整例. 1Lのフラスコに、表1(調整例)に示した配合の各
オルガノアルコキシシラン及びイソプロパノール70g
を仕込み、10℃で撹拌しながら、0.2%の塩酸水溶
液54gを1時間かけて滴下配合して反応させた。次
に、10℃で2時間撹拌しながら熟成させた後、酢酸ナ
トリウム0.25gを加えて25℃で1時間撹拌し、中
和して反応を停止させた。次いで、不溶性の中和塩を濾
過して反応系から除去し、樹脂濃度が30%のシリコー
ン樹脂(メタノール・イソプロパノール・水溶液)を得
た。得られた樹脂の官能基量と数平均分子量は表1に示
した通りである。尚、平均分子量及び官能基量は、調整
例1の場合と全く同様にして測定し、換算した。
【0037】調整例. 1Lのフラスコに、表1(調整例)に示した配合のオ
ルガノアルコキシシラン及びイソプロパノール80gを
仕込み、10℃で撹拌しながら、0.1%の塩酸水溶液
44gを1時間かけて滴下配合して反応させた。次に、
10℃で2時間撹拌しながら熟成させた後、酢酸ナトリ
ウム0.1gを加えて25℃で1時間撹拌し、中和して
反応を停止させた。次いで、不溶性の中和塩を濾過して
反応系から除去し、樹脂濃度が30%のシリコーン樹脂
(メタノール・イソプロパノール・水溶液)を得た。得
られた樹脂の平均分子量及び官能基量は表1に示した通
りである。尚、平均分子量及び官能基量は、調整例1の
場合と全く同様にして測定し、換算した。
【0038】調整例. 1Lのフラスコに、表1(調整例)に示した配合の各
オルガノアルコキシシラン及びイソプロパノール43g
を仕込み、40℃で撹拌しながら、2.0%のアンモニ
ア水溶液19gを1時間かけて滴下配合して反応させ
た。次に、40℃で2時間撹拌しながら熟成させた後、
トルエン100gを添加して希釈し、10%の硫酸ナト
リウム・10水塩(芒硝)水溶液100gを加えて10
分間撹拌した後静置し、水相を分離除去する水洗浄を3
回繰り返して反応を停止させた。次いで、この溶液を5
0℃、50mmHgの条件下で減圧蒸留してトルエンを
全量除去し、シリコーン樹脂を得た。得られた樹脂の平
均分子量及び官能基量は、表1に示した通りである。
尚、平均分子量及び官能基量は、調整例1の場合と全く
同様にして測定し、換算した。
【0039】調整例. 1Lのフラスコに、表1(調整例)に示した配合の各
オルガノアルコキシシラン及びイソプロパノール43g
を仕込み、混合した後、40℃で撹拌しながら2.0%
のアンモニア水溶液19gを1時間かけて滴下配合して
反応させた。次に、40℃で12時間撹拌しながら熟成
させた後、トルエン100gを添加して希釈し、10%
の硫酸ナトリウム・10水塩(芒硝)水溶液100gを
加えて10分間撹拌した後静置し、水相を分離除去する
水洗浄を3回繰り返して反応を停止させた。次いで、こ
の溶液を50℃、50mmHgの条件下で減圧蒸留して
トルエンを全量除去し、シリコーン樹脂を得た。得られ
た樹脂の平均分子量及び官能基量は、表1に示した通り
である。尚、平均分子量及び官能基量は、調整例1の場
合と全く同様にして測定し、換算した。
【0040】
【表1】
【0041】(2)水溶液の調整 調整例10. クエン酸0.01gをイオン交換水に溶解して100g
とし、0.01%のクエン酸水溶液を得た。 調整例11. クエン酸0.01gとクエン酸一ナトリウム0.004
gをイオン交換水に溶解して100gとし、緩衝溶液を
得た。
【0042】(3)組成物の調整 実施例1〜10及び比較例1〜6 以上のようにして調整した成分を表2に示した配合量で
混合し、25℃で1時間撹拌して組成物を調整し(実施
例1〜10及び比較例1〜6)、以下に示す方法で評価
した。結果は表2及び表3に示した通りである。
【0043】(4)評価方法 外観:濁度計(DIRECT READING HAZ
E METER:東洋精機製作所製)及び光路長10m
mの測定セルを用い、液の濁度を測定して組成物の外観
を以下の基準で評価した。 濁度5%以下で透明なもの:○ 濁度5%を超えて濁りのあるものや相分離を起こしてい
るもの:×
【0044】希釈性:組成物を同じ重量のイオン交換水
で1.5倍に希釈し、以下の基準で評価した。 外観に変化のないもの:○ 濁りや分離が起きたもの:× 更に組成物をイオン交換水で2倍に希釈しても外観に変
化のないものを◎とした。
【0045】pH:pHメータを用い、シリコーン樹脂
濃度が30重量%となるようにイオン交換水で希釈した
時の組成物のpHを測定した。 安定性:シリコーン樹脂濃度が30重量%となようにイ
オン交換水で希釈した組成物を、密閉状態で、25度保
存し、以下の基準で保存性を評価した。 2ヶ月保存後外観に変化のないもの:○ 濁りや分離が起きたもの:×
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−170668(JP,A) 特開 昭56−41267(JP,A) 特開 昭51−2736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08G 77/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量が200〜10,000であ
    ると共に、一分子中にシラノール基を3重量%以上含有
    する下記平均組成式(1)で表されるシリコーン樹脂
    0〜90重量%、及び水溶性極性有機溶剤10〜70重
    量%からなる組成物であって、該組成物のpHが3〜6
    であると共にシリカを含有しないことを特徴とする水希
    釈若しくは水分散可能な硬化性シリコーン樹脂組成物。 (CH 3 m n Si (OR' ) o (OH) p (4-m-n-o-p)/2 (1) 但し、上記平均組成式(1)中のRは、ハロゲン、エポ
    キシ基、アミノ基、アクリロキシ基、メタアクリロキシ
    基、カルボキシル基、メルカプト基及び水酸基の群の中
    から選択される少なくとも1種の置換基を持っていても
    よい、炭素原子数が20以下のアルキル基、アルケニル
    基又はアリール基であり、R' は炭素原子数が3以下の
    アルコキシ基及び/又は水酸基を置換基として持ってい
    てもよい、炭素原子数が5以下のアルキル基である。m
    及びnは、m+nが0.5 〜1.5 及びnが0〜1.0を満
    足する数、oは0〜2.0、pは0.1〜1.5の正数
    である。
  2. 【請求項2】数平均分子量が200〜10,000であ
    ると共に、一分子中にシラノール基を3重量%以上含有
    する下記平均組成式(1)で表されるシリコーン樹脂3
    0〜90重量%、水溶性極性有機溶剤9〜69重量%、
    及び水1〜61重量%からなる組成物であって、該組成
    物のpHが3〜6であると共にシリカを含有しないこと
    を特徴とする水希釈若しくは水分散可能な硬化性シリコ
    ーン樹脂組成物。 (CH 3 m n Si (OR' ) o (OH) p (4-m-n-o-p)/2 (1) 但し、上記平均組成式(1)中のRは、ハロゲン、エポ
    キシ基、アミノ基、アクリロキシ基、メタアクリロキシ
    基、カルボキシル基、メルカプト基及び水酸基の群の中
    から選択される少なくとも1種の置換基を持っていても
    よい、炭素原子数が20以下のアルキル基、アルケニル
    基又はアリール基であり、R' は炭素原子数が3以下の
    アルコキシ基及び/又は水酸基を置換基として持ってい
    てもよい、炭素原子数が5以下のアルキル基である。m
    及びnは、m+nが0.5 〜1.5 及びnが0〜1.0を満
    足する数、oは0〜2.0、pは0.1〜1.5の正数
    であ る。
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