JPH10310406A - 有機化合物修飾無機化合物ゾル - Google Patents

有機化合物修飾無機化合物ゾル

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JPH10310406A
JPH10310406A JP5834998A JP5834998A JPH10310406A JP H10310406 A JPH10310406 A JP H10310406A JP 5834998 A JP5834998 A JP 5834998A JP 5834998 A JP5834998 A JP 5834998A JP H10310406 A JPH10310406 A JP H10310406A
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sol
silica
inorganic compound
fine particles
weight
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Application number
JP5834998A
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English (en)
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Tsuguo Koyanagi
柳 嗣 雄 小
Hiroyasu Nishida
田 広 泰 西
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、分散安定性に優れた有機化合物修飾
無機化合物ゾルを提供することを課題としている。 【解決手段】分子分極率が2×10-40〜850×10
-4022-1の有機化合物で表面が修飾された無機化
合物微粒子が有機溶媒に分散されていることを特徴とす
る無機化合物ゾル。前記無機化合物微粒子は、シリカ微
粒子またはシリカとシリカ以外の無機酸化物の1種また
は2種以上とからなる複合酸化物微粒子であることが好
ましく、また、前記有機溶媒の比誘電率は10〜85で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、塗料、ハードコート剤、
電子・電気部品の絶縁被膜・保護膜形成材、セメント添
加剤、無機系繊維の結合材等に利用可能な無機化合物微
粒子が分散媒に分散した無機化合物ゾルに関し、さらに
詳しくは、無機化合物微粒子表面を特定の有機化合物で
修飾することにより、分散媒中で優れた分散安定性を有
する無機化合物ゾルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に、シリカ、アルミナなどの
無機酸化物微粒子の有機溶媒などに安定に分散させるた
めに、通常、微粒子の表面を改質(修飾)することによ
って、これらの微粒子の表面を疎水化する方法が行われ
ている。
【0003】このような無機化合物微粒子の表面修飾法
としては、反応性モノマーまたはカップリング剤などと
微粒子表面のヒドロキシル基とを反応させる方法があ
る。このような方法として具体的には、粉末状の微粒子
を有機溶媒に分散させたのちに修飾剤を添加して微粒子
表面を修飾させる方法、または微粒子の水分散液の水を
有機溶媒と溶媒置換したのちに修飾剤を添加して微粒子
表面を修飾させる方法などが挙げられる。
【0004】しかしながら、これらの方法では、微粒子
の凝集を完全に抑制できず、分散性の良い有機溶媒ゾル
を得ることが困難であった。また、塗料、ハードコート
剤、絶縁被膜・保護膜形成成分などのフィラーとしてこ
のような無機化合物微粒子を用いる場合、被膜形成剤の
マトリックスにこれらのゾルを配合すると、マトリック
ス中で微粒子が凝集しやすくなるなどの問題があり、と
くに有機溶媒ゾルを、陽イオン、陰イオン、あるいは界
面活性剤の存在下で使用する場合、微粒子が凝集した
り、ゲル化しやすいという欠点があった。
【0005】たとえば、塗料用途では、塗料被膜の硬度
向上、耐水性向上、耐汚染性向上などの目的で、無機化
合物微粒子が分散された有機溶媒ゾルが使用されるが、
このような有機溶媒ゾルは被膜形成樹脂あるいは樹脂エ
マルジョンとの相溶性が悪いため、塗料が増粘したり、
白色化するなどの問題点があった。また、ハードコート
膜の場合、膜の硬度および耐水性などを向上させるた
め、フィラーとして無機化合物微粒子は使用されるが、
被膜形成用塗布液中での微粒子の分散安定性が悪く、形
成されたハードコート膜が不透明になるなどの問題点が
あった。電気・電子部品などの絶縁膜・保護膜形成用塗
布液としてこのような有機溶媒ゾルを使用する場合であ
っても、塗布液中での微粒子の分散性が悪く、塗布液が
増粘するなどの問題点があった。さらにまた、土壌の強
度向上に土壌硬化剤としてセメントと無機化合物微粒子
ゾルとを配合することが行われているが、無機化合物微
粒子ゾルの安定性が悪いと、土壌や岩盤の隙間に無機化
合物微粒子が入りにくくなるという問題点もあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、分散安定性に優れた有機化合物修飾無機化合物ゾ
ルを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る無機化合物ゾルは、分子分
極率が2×10-40〜850×10-4022-1の有機
化合物で表面が修飾された無機化合物微粒子が分散媒に
分散されていることを特徴としている。前記無機化合物
微粒子としては、シリカ微粒子、またはシリカとシリカ
以外の無機酸化物の1種または2種以上とからなる複合
酸化物微粒子が好ましい。また分散媒は、比誘電率が1
0〜85を有するものが好ましい。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明をより具体的に説明
する。本発明に係る無機化合物ゾルは、分子分極率が2
×10-40〜850×10-4022-1の有機化合物で
表面が修飾された無機化合物微粒子が分散媒に分散され
ている。
【0009】本発明でいう分子分極率とは、分子の周囲
の外部電場によって、分子中の負に帯電した電子雲が正
電荷の核からずれることによって生じる双極子モーメン
トの大きさとして定義され、次式で表される。
【0010】α0=4πε03 (C22-1) (式中、α0は分子分極率、ε0は誘電率、Rは分子半径
を示す。)無機化合物微粒子 本発明で用いられる無機化合物微粒子としては、シリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物
またはこれらの複合酸化物などが挙げられる。このうち
シリカ微粒子、またはシリカ−アルミナ、シリカ−ジル
コニアなどのシリカとシリカ以外の無機酸化物の1種ま
たは2種以上とからなる複合酸化物微粒子が好ましい。
なお、シリカ微粒子は、たとえば、本出願人が先に出願
した特公平4−55125号公報、および特公平4−5
6775号公報の記載に基づき製造される。
【0011】シリカ以外の無機酸化物としては、たとえ
ば周期律表の1A族、2A族、2B族、3A族、3B
族、4A族、4B族、5A族、5B族、6A族から選ば
れる元素の酸化物を挙げることができ、具体的には、L
i2O、Na2O、K2O、Rb2O、BeO、MgO、CaO、
ZnO、Y23、La23、Al23、Ga23、B23
Ce23、Sb23、P25、TiO2、ZrO2、SnO2
MoO3、WO3などが挙げられる。
【0012】このようなシリカを含む複合酸化物は、た
とえば本出願人が先に出願した特開平5−132309
号公報および特開平7−10522号公報の記載に基づ
き製造される。具体的には、ケイ酸ナトリウムなどのア
ルカリ金属ケイ酸塩と、アルカリ可溶の無機化合物とを
pH10以上のアルカリ水溶液中に同時に加え、反応液
のpHを制御せずに反応させることによって得ることが
できる。またpH10以上のアルカリ水溶液にシリカ、
アルミナなどの無機酸化物微粒子からなるシード粒子を
分散させた分散液に、上記のケイ酸塩とアルカリ可溶無
機化合物を添加し、粒子成長させることによって、得る
こともできる。
【0013】シリカを含む複合酸化物微粒子中のシリカ
とシリカ以外の無機酸化物との重量比(SiO2/他の無
機酸化物)は、0.1〜500、好ましくは5〜300
にあることが望ましい。
【0014】本発明で用いられる無機化合物微粒子の大
きさは、ゾルとして安定に存在しうる大きさであれば、
特に制限はない。このような無機化合物微粒子は、無機
化合物ゾル中に、1〜50重量%、好ましくは5〜30
重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0015】有機化合物 本発明に係る無機化合物ゾルは、上記のような無機酸化
物表面が、分子分極率が2×10-40〜850×10-40
22-1、好ましくは5×10-40〜850×10-40
22-1の有機化合物で修飾されている。
【0016】このような分子分極率を有する有機化合物
として、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルフェニルジ
メトキシシラン等のビニルシラン系化合物、γ-アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシ
プロピルフェニルジメトキシシラン、γ-メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプ
ロピルフェニルジメトキシシラン等のアクリルシラン系
化合物、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
等のエポキシシラン系化合物、γ-アミノプロピルトリ
エトキシシラン等のアミノシラン系化合物、γ-メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピル
トリメトキシシランなどが挙げられる。
【0017】また、スチレンモノマー、メタクリル酸エ
チル等のアクリル酸系モノマーなどの反応性モノマー、
ブタノール等の直鎖アルコールを用いることもできる。
反応性モノマーは、修飾時に重合されて少なくとも一部
が重合体になっていてもよい。
【0018】これらの有機化合物は、1種または2種以
上を混合して使用してもよい。このような有機化合物の
分子分極率が、2×10-4022-1より小さいと、
有機的性質が少ないため、有機溶剤との親和性が小さく
なるので、このような有機化合物で表面修飾された微粒
子は、有機溶媒中の分散性が不充分である。特に、無機
化合物ゾル中に、酸または塩基、これらの塩、あるいは
界面活性剤などが共存した場合、微粒子同士が凝集しや
すくなる。
【0019】分散媒 本発明に係る無機化合物ゾルで用いられる分散媒(溶
媒)としては、比誘電率10〜85の範囲にあるものが
好ましい。比誘電率が10未満の場合は、ゾル中の微粒
子が不安定になりゲル化することがある。
【0020】このような分散媒としては、水、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等の1価アルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール等の多価アル
コール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のア
ルコールエーテル類、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメ
チルホルムアミド、N-メチルアセトアミド等のアミド系
溶媒、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン等の
ラクトン類などが挙げられる。これらの分散媒は1種ま
たは2種以上混合して使用してもよい。なお、分散媒と
して、水を使用する場合、比誘電率60〜85の範囲に
あるものが望ましい。
【0021】また、これらの分散媒には、有機酸、無機
酸、有機塩基、無機塩基、これらの塩、または界面活性
剤などが含まれていてもよい。有機酸、無機酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、酢酸などが
挙げられる。また有機塩基、無機塩基としては、水酸化
アンモニウム、有機アミン、アルカリ金属・アルカリ土
類金属水酸化物などが挙げられる。界面活性剤として
は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
スルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0022】無機化合物ゾルの調製方法 本発明に係る無機化合物ゾルは、以下のような方法で調
製することができる。 (a)先ず、無機化合物微粒子分散液に、無機化合物微粒
子を表面修飾するための有機化合物を添加する。
【0023】無機化合物微粒子分散液としては、水分散
液であってもよく、有機溶媒分散液であってよく、また
水−有機溶媒混合溶媒分散液であってもよい。無機化合
物微粒子は、このような分散液中に、0.1〜50重量
%、好ましくは1〜20重量%の量で含まれていること
が望ましい。
【0024】表面修飾用有機化合物の添加量は、分散液
中の無機化合物微粒子の外部表面積当たりの修飾量で換
算で、0.1×10-6〜50×10-6モル/m2、好まし
くは1×10-6〜30×10-6モル/m2の量であること
が望ましい。この量が0.1×10-6モル/m2未満であ
ると、修飾効果が不充分であり、50×10-6モル/m2
より多くても修飾効果は変わらない。
【0025】(b)所定量の表面修飾用有機化合物を添加
後、50℃以上、好ましくは60℃以上の温度に加熱す
る。これにより無機化合物表面と表面修飾用有機化合物
が反応して、無機化合物の表面修飾が進行する。
【0026】(c)得られた表面修飾無機化合物ゾル中
に、比誘電率が10未満の分散媒が含まれている場合
は、比誘電率が10以上は分散媒に溶媒置換してもよ
い。
【0027】溶媒置換は、限外ろ過装置、ロータリーエ
バポレーターなどを用いて行うことができる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る無機化合物ゾル中の無機化
合物微粒子は、特定の分子分極率を有する有機化合物で
その表面が修飾されている。このため、分散媒との親和
性がよく、たとえば水分散媒中では粒子間の結合が起こ
りにくく、分散媒中での分散安定性に優れ、粒子が凝集
したり、ゲル化することがない。また、無機化合物ゾル
中に無機酸、有機酸、有機塩基、無機塩基、またはこれ
らの塩、界面活性剤などが共存しても、無機化合物微粒
子が凝集したり、ゲル化しにくくなる。
【0029】本発明に係る無機化合物ゾルを塗料、ハー
ドコート剤などのフィラーとして塗料または塗布液中に
配合した場合、特に、酸、塩基、塩、界面活性剤などの
存在下であっても、得られる塗膜には粒子の凝集あるい
はゲル化に基づくクラックの発生または透明性の低下な
どがほとんど起こることがない。このため、本発明に係
る無機化合物ゾルは、各種塗料、ハードコート剤などの
他、各種樹脂の充填剤として有用であり、たとえば磁気
テープの充填剤、フィルムのブロッキング防止剤などの
用途に好適である。さらにセメントなどに配合して使用
した場合、ゲル化速度が遅いのでセメントが短時間で固
まることがなく、土壌岩盤などの隙間に無機化合物ゾル
が浸透しやすく、かつ浸透したのち、セメントが固化す
るので、止水や岩盤強化用セメント配合剤として有用で
ある。
【0030】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により
何ら限定されるものではない。
【0031】
【実施例1】 [表面修飾ゾルの調製]原料としてシリカ・アルミナ水
分散ゾル(触媒化成工業(株)Cataloid-SN、SiO2/Al
23重量比=285.7、平均粒径12nm、固形分濃度
20重量%)500gを使用し、限外ろ過装置で水をメ
タノールに溶媒置換し、固形分濃度30重量%のメタノ
ール分散ゾルを得た。
【0032】このゾル300gとエタノール2700g
を混合したのち、この混合液にγ-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン8.4gを添加し、1時間攪拌し
てシリカ・アルミナ粒子の表面がγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランで修飾されたゾルを得た。
【0033】次に、得られたゾルにエチレングリコール
196gを添加したのち、60℃、1時間加熱した。そ
の後、ロータリーエバポレーターにより減圧下で脱エタ
ノールし、エチレングリコールを分散媒とする固形分濃
度30重量%の表面修飾シリカ・アルミナゾルを得た。
【0034】[ゾルの安定性評価]得られた表面修飾
シリカ・アルミナゾル100重量部に、硫酸水溶液(2
重量%)、塩酸水溶液(2重量%)をそれぞれ10重量
部混合したときのゾルの安定性について評価した。結
果を表1に示す。
【0035】[ゾルの安定性評価]得られた表面修飾
シリカ・アルミナゾル100重量部に、5重量%の硫酸
アンモニウム水溶液を10重量部混合し、10分間攪拌
したのち、70℃の恒温槽に静置し、固化するまでの時
間を測定してゾルの安定性を評価した。結果を表2に
示す。
【0036】[ゾルの安定性評価]得られた表面修飾
シリカ・アルミナゾル100重量部に、5重量%の塩化
ナトリウム水溶液を10重量部混合し、10分間攪拌し
たのち、70℃の恒温槽に静置し、固化するまでの時間
を測定してゾルの安定性を評価した。結果を表3に示
す。
【0037】
【実施例2】実施例1において、原料としてシリカ・ジ
ルコニア水分散ゾル(SiO2/ZrO2重量比=3、平均
粒径30nm、固形分濃度20重量%)を用いた以外は、
実施例1と同様にして表面修飾シリカ・ジルコニアゾル
を得た。
【0038】得られた表面修飾シリカ・ジルコニアゾル
について、実施例1と同様にゾルの安定性について評
価した。結果を表1に示す。
【0039】
【実施例3】実施例1において、原料としてシリカ・チ
タニア水分散ゾル(SiO2/TiO2重量比=9、平均粒
径10nm、固形分濃度20重量%)を用いた以外は、実
施例1と同様にして表面修飾シリカ・チタニアゾルを得
た。
【0040】得られた表面修飾シリカ・チタニアゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0041】
【実施例4】実施例1において、原料としてシリカ・ア
ルミナ水分散ゾル(SiO2/Al2 3重量比=285.
7、平均粒径12nm、固形分濃度20重量%)250g
と、シリカ・ジルコニア水分散ゾル(SiO2/ZrO2
量比=3、平均粒径30nm、固形分濃度20重量%)2
50gとの混合ゾルを用いた以外は、実施例1と同様に
して表面修飾複合酸化物ゾルを得た。
【0042】得られた表面修飾複合酸化物ゾルについ
て、実施例1と同様にゾルの安定性について評価し
た。結果を表1に示す。
【0043】
【実施例5】実施例1において、原料としてシリカ・酸
化スズ水分散ゾル(SiO2/SnO2重量比=19、平均
粒径10nm、固形分濃度20重量%)を用い、分散媒と
してN-メチルピロリドンを用いた以外は、実施例1と同
様にして表面修飾シリカ・酸化スズゾルを得た。
【0044】得られた表面修飾シリカ・酸化スズゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0045】
【実施例6】実施例1において、原料としてシリカ・酸
化インジウム水分散ゾル(SiO2/In23重量比=5.
7、平均粒径11nm、固形分濃度20重量%)を用い、
分散媒としてγ-ブチロラクトンを用いた以外は、実施
例1と同様にして表面修飾シリカ・酸化インジウムゾル
を得た。
【0046】得られた表面修飾シリカ・酸化インジウム
ゾルについて、実施例1と同様にゾルの安定性につい
て評価した。結果を表1に示す。
【0047】
【実施例7】実施例1において、γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン8.4gの代わりに、ビニルト
リメトキシシラン5.0gを用いた以外は、実施例1と
同様の方法で表面修飾シリカ・アルミナゾルを得た。
【0048】得られた表面修飾シリカ・アルミナゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0049】
【実施例8】実施例1において、原料としてシリカ・酸
化アンチモン水分散ゾル(SiO2/Sb25重量比=5.
7、平均粒径15nm、固形分濃度20重量%)を用いた
以外は、実施例1と同様にして表面修飾シリカ・酸化ア
ンチモンゾルを得た。
【0050】得られた表面修飾シリカ・酸化アンチモン
ゾルについて、実施例1と同様にゾルの安定性につい
て評価した。結果を表1に示す。
【0051】
【実施例9】実施例1において、原料としてシリカ・酸
化タングステン水分散ゾル(SiO2/WO3重量比=
4、平均粒径16nm、固形分濃度20重量%)を用い、
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8.4gの
代わりに、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン9.0gを用い、分散媒としてエチレングリコール
の代わりにメチルセルソルブを用いて、実施例1と同様
にして表面修飾シリカ・酸化タングステンゾルを得た。
【0052】得られた表面修飾シリカ・酸化タングステ
ンゾルについて、実施例1と同様にゾルの安定性につ
いて評価した。結果を表1に示す。
【0053】
【実施例10】実施例1で得られた固形分濃度30重量
%のメタノール分散シリカ・アルミナゾルをメタノール
で固形分濃度5重量%に希釈し、このゾル1000g
に、2,2'-アゾビス(2-アミノジプロパン)2塩酸塩8g
を添加し、さらにスチレンモノマー30gを混合して、
85℃、5時間攪拌してシリカ・アルミナ粒子表面がス
チレンの重合物で修飾されたゾルを得た。
【0054】次いで、上記ゾルにエチレングリコール4
50gを添加したのち、60℃、1時間加熱した。その
後ロータリーエバポレーターにより減圧下で脱アルコー
ルし、エチレングリコールを分散媒とする固形分濃度1
0重量%の表面修飾シリカ・アルミナゾルを得た。
【0055】得られた表面修飾シリカ・アルミナゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0056】
【実施例11】実施例10において、スチレンの代わり
にメタクリル酸メチルを用いた以外は、実施例10と同
様の方法で表面修飾ゾルを得た。
【0057】得られた表面修飾シリカ・アルミナゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0058】
【実施例12】実施例1と同様の溶媒置換で調製された
シリカ・アルミナ複合酸化物のメタノール分散ゾル(固
形分濃度20重量%)300gに、n-ブタノール340
gを添加し、減圧下で溶媒置換を行い、400gのn-ブ
タノール分散シリカ・アルミナ分散ゾルを得た。このゾ
ルをオートクレーブ中で150℃、3時間加熱した。
【0059】次に、上記ゾルにエチレングリコール24
0gを添加したのち、60℃、1時間加熱した。その後
ロータリーエバポレーターにより、減圧下で脱n-ブタノ
ールし、エチレングリコールを分散媒とする固形分濃度
20重量%のn-ブタノールで表面修飾されたシリカ・ア
ルミナゾルを得た。
【0060】得られた表面修飾シリカ・アルミナゾルに
ついて、実施例1と同様にゾルの安定性について評価
した。結果を表1に示す。
【0061】
【比較例1】実施例1のシリカ・アルミナ水分散ゾルを
用いて、有機化合物による修飾をしない以外は、実施例
1と同様な方法で、エチレングリコールを分散媒とする
シリカ・アルミナゾルを得た。
【0062】得られたシリカ・アルミナゾルについて、
実施例1と同様にゾルの安定性、、について評価
した。結果を表1〜3に示す。
【0063】
【比較例2】実施例1において、γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン8.4gの代わりに、モノメチ
ルトリメトキシシラン4gを用いた以外は、実施例1と
同様の方法でシリカ・アルミナゾルを得た。
【0064】得られたシリカ・アルミナゾルについて、
実施例1と同様にゾルの安定性について評価した。結
果を表1に示す。
【0065】
【比較例3】実施例2のシリカ・ジルコニア水分散ゾル
(SiO2/ZrO2重量比=3、平均粒径30nm、固形分
濃度20重量%)を用いて、有機化合物による表面修飾
しないこと、およびN-メチルピロリドンを分散媒とした
こと以外は、実施例2と同様の方法でシリカ・ジルコニ
アゾルを得た。
【0066】得られたシリカ・ジルコニアゾルについ
て、実施例1と同様にゾルの安定性について評価し
た。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【実施例13】 [表面修飾ゾルの調製]原料としてシリカ水分散ゾル
(触媒化成工業(株)Cataloid-SI-30、平均粒径12nm、
固形分濃度30重量%)330gと、水170gと、陽
イオン交換樹脂50gとを混合し、30分攪拌した。次
に、イオン交換樹脂を分離し、得られたpH4のシリカ
ゾル400gにγ-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン6.7gを添加し、60℃で1時間加熱攪拌し、
シリカ粒子の表面がγ-グリシドキシプロピルトリメト
キシシランで修飾されたゾルを得た。
【0069】次に、得られたゾルをロータリーエバポレ
ーターにより減圧下で濃縮し、固形分濃度30重量%の
表面修飾シリカ水分散ゾルを得た。得られたゾルについ
て、実施例1と同様にゾルの安定性評価、を評価し
た。結果を表2および表3に示す。
【0070】[ゾルの安定性評価]得られた表面修飾
シリカゾル100重量部と水100重量部との混合液
(A)と、ポルトランドセメント250重量部と水420
重量部との混合液(B)とを混合し、30℃で放置して、
固化するまでの時間を測定し、ゾルの安定性を評価し
た。結果を表4に示す。
【0071】[ゾルの安定性評価 ]得られた表面修
飾シリカゾル100重量部に、ユニオンペイント社製の
アクリル樹脂エマルジョン(界面活性剤含有水溶液にア
クリル樹脂が50重量%となるように分散させたもの、
pH9)100重量部を混合し、10分間攪拌したの
ち、70℃の恒温槽に静置し、固化するまでの時間を測
定してゾルの安定性を評価した。結果を表5に示す。
【0072】
【比較例4】前記シリカ水分散ゾル(触媒化成工業(株)
Cataloid-SI-30平均粒径12nm、固形分濃度30重量
%)の安定性評価、、、を実施例13と同様にし
て評価した。結果を表2〜5に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子分極率が2×10-40〜850×1
    -4022-1の有機化合物で表面が修飾された無機
    化合物微粒子が、分散媒に分散されていることを特徴と
    する無機化合物ゾル。
  2. 【請求項2】 前記無機化合物微粒子が、シリカ微粒子
    であることを特徴とする請求項1に記載の無機化合物ゾ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記無機化合物微粒子が、シリカとシリ
    カ以外の無機酸化物の1種または2種以上とからなる複
    合酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載
    の無機化合物ゾル。
  4. 【請求項4】 前記分散媒が、10〜85の比誘電率を
    有することを特徴とする請求項1に記載の無機化合物ゾ
    ル。
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