JPH1126167A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JPH1126167A
JPH1126167A JP10091408A JP9140898A JPH1126167A JP H1126167 A JPH1126167 A JP H1126167A JP 10091408 A JP10091408 A JP 10091408A JP 9140898 A JP9140898 A JP 9140898A JP H1126167 A JPH1126167 A JP H1126167A
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cathode
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metal
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浩之 金井
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極の有機発光層からの剥離や、陰極材料の
酸化、陰極材料の有機発光層への拡散等による、素子特
性の劣化がなく、長時間にわたって安定な発光特性を維
持できる有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陰極と有機発光素子との間に、周期律表
2A族の金属のハロゲン化物、周期律表3A族の金属の
ハロゲン化物、および2種以上の金属元素の複合ハロゲ
ン化物から選ばれる少なくとも1種を含む陰極界面層を
有することを特徴とする、有機電界発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電界発光素子に
関するものであり、詳しくは、有機化合物からなる発光
層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜型の電界発光(EL)素子と
しては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZn
S、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類
元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが
一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子
は、 1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、 2)駆動電圧が高い(〜200V)、 3)フルカラー化が困難(特に青色が問題)、 4)周辺駆動回路のコストが高い、 という問題点を有している。
【0003】しかし、近年、上記問題点の改良のため、
有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになっ
た。特に、発光効率を高めるために電極からのキャリア
ー注入の効率向上を目的とした電極種類の最適化を行
い、芳香族ジアミンからなる有機正孔輸送層と8−ヒド
ロキシキノリンのアルミニウム錯体からなる発光層を設
けた有機EL素子の開発(Appl.Phys.Let
t.,51巻,913頁,1987年)により、従来の
アントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発
光効率の大幅な改善がなされている。
【0004】また、有機発光層としては、ポリ(p−フ
ェニレンビニレン)(Nature,347巻,539
頁,1990年;Appl.Phys.Lett.,6
1巻,2793頁,1992年)、ポリ[2−メトキ
シ,5−(2′−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニ
レンビニレン](Appl.Phys.Lett.,5
8巻,1982頁,1991年;Thin Solid
Films,216巻,90頁,1992年;Nat
ure,357巻,477頁,1992年)、ポリ(3
−アルキルチオフェン)(Jpn.J.Appl.Ph
ys.,30巻,L1938頁,1991年;J.Ap
pl.Phys.,72巻,564頁,1992年)等
の高分子材料の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高
分子に発光材料と電子移動材料を混合した素子(応用物
理,61巻,1044頁,1992年)も開発されてい
る。
【0005】以上に示した有機EL素子においては、通
常、陽極としてはインジウム錫酸化物(ITO)のよう
な透明電極が用いられるが、陰極に関しては電子注入を
効率よく行うために仕事関数の低い金属電極が用いら
れ、マグネシウム合金やカルシウム等が用いられてい
る。また比較的安定な金属に低仕事関数の金属を微量ド
ープする系として、アルミニウムやインジウムにリチウ
ムを0.01〜0.1%ドープした合金も用いられてい
る(特開平5−159882号公報、特開平5−198
380号公報)。
【0006】また最近、フッ化リチウムを0.5〜1n
m蒸着し、さらにこの上にアルミニウムを蒸着すること
により、素子の低電圧化をはかった報告や(p152,
Appl.Phys.Lett.70(2),199
7)、アルミニウムを0.6〜1.2nm蒸着し、一度
大気に晒して自然酸化によりAl2 3 を形成し、さら
にアルミニウムを蒸着することにより、同様に素子の低
電圧化を行った結果も報告されている(p1233,A
ppl.Phys.Lett.70(10),199
7)が素子の安定化ということに関しては、未だ不明で
ある。また、陰極界面層として、N−フェニルカルバゾ
ール化合物を用いたもの(特願平6−199562号公
報)、芳香族アミン化合物を用いたもの(特開平5−4
8475号公報)等の有機物を用いたものが報告されて
いるが、未だ十分な特性が得られていない。このように
安定に発光する素子を提供するという観点からみてみる
と、未だ実用的なレベルには達していないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまでに開示されて
いる有機電界発光素子では、EL発光は陽極から注入さ
れた正孔と陰極から注入された電子との再結合によりも
たらされる。一般にキャリアの注入は、電子の場合、陰
極と有機発光層との界面における注入障壁を低くして注
入効率を向上させるために、マグネシウム合金やカルシ
ウム等の低仕事関数の金属電極や、安定な金属に低仕事
関数の金属を微量ドープした電極が陰極として用いられ
ている。しかしながら、これらの金属材料は有機発光層
との密着性が悪いために、有機発光層から剥離したり、
陰極材料の酸化や、陰極材料の有機発光層への拡散等に
より、素子の特性の劣化がもたらされる。
【0008】本発明者等は、上記実状に鑑み、長期間に
渡って安定な発光特性を維持できる有機電界発光素子を
提供することを目的として鋭意検討した結果、有機発光
層と陰極の界面に、特定の金属化合物を含む陰極界面層
を設けることが効果的であることを見いだした。
【0009】
【課題を解決するための手段】つまり本発明は、基板上
に、陽極及び陰極により挟持された有機発光層を含む有
機電界発光素子であって、該素子の陰極と有機発光層と
の間に特定の金属化合物を含む陰極界面層を設けてなる
ことを特徴とする有機電界発光素子に関する。詳しく
は、周期律表2A族の金属のハロゲン化物、周期律表3
A族の金属のハロゲン化物、および2種類以上の金属元
素の複合ハロゲン化化合物から選ばれる少なくとも1種
の化合物を含む陰極界面層を設けてなる有機電界発光素
子に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の有機電界発光素子に
ついて添付図面に従い説明する。図1は本発明に用いら
れる一般的な有機電界発光素子の構造例を模式的に示す
断面図であり、1は基板、2は陽極、3は有機発光層、
4は陰極界面層、5は陰極を各々表す。基板1は有機電
界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの
板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートな
どが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリ
メタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなど
の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用
する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板
のガスバリア性が低すぎると、基板を通過する外気によ
り有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましく
ない。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは
両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を
確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0011】基板1上には陽極2が設けられるが、陽極
2は有機発光層3への正孔注入の役割を果たすものであ
る。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケ
ル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/また
はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロ
ゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3−
メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の
導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通
常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われる
ことが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅など
の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒
子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバイン
ダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより
陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子
の場合は電解重合により直接基板1上に薄膜を形成した
り、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成す
ることもできる(Appl.Phys.Lett.,6
0巻,2711頁,1992年)。陽極2は異なる物質
で積層して形成することも可能である。陽極2の厚み
は、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とさ
れる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好
ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、
厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは10〜5
00nm程度である。不透明でよい場合は陽極2は基板
1と同一の材料を用いてもよい。また、さらには上記の
陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能であ
る。
【0012】陽極2の上には有機発光層3が設けられる
が、有機発光層3は、電界を与えられた電極間におい
て、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子
を効率よく輸送して再結合させ、かつ、再結合により効
率よく発光する材料から形成される。通常、この有機発
光層3は発光効率の向上のために、図2に示すように、
正孔輸送層3aと電子輸送層3bに分割して機能分離型
にすることが行われる(Appl.Phys.Let
t.,51巻,913頁,1987年)。
【0013】上記の機能分離型素子において、正孔輸送
層3aの材料に要求される条件としては、陽極2からの
正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく
輸送することができる材料であることが必要である。そ
のためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の
光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、
さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や
使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的
要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には
さらに耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度と
して70℃以上の値を有する材料が望ましい。
【0014】このような正孔輸送材料としては、例え
ば、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)シクロヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連
結した芳香族ジアミン化合物(特開昭59−19439
3号公報)、4,4′−ビス[N−1−ナフチル)−N
−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の
3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に
置換した芳香族アミン(特開平5−234681号公
報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト
構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4,92
3,774号)、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(3−メチルフェニル)ビフェニル−4,4′−ジア
ミン等の芳香族ジアミン(米国特許第4,764,62
5号)、α,α,α′,α′−テトラメチル−α,α′
−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−p−キ
シレン(特開平3−269084号公報)、分子全体と
して立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体(特開
平4−129271号公報)、ピレニル基に芳香族ジア
ミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−17539
5号公報)、エチレン基で3級芳香族アミンユニットを
連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189号公
報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4
−290851号公報)、チオフェン基で芳香族3級ア
ミンユニットを連結したもの(特開平4−304466
号公報)、スターバースト型芳香族トリアミン(特開平
4−308688号公報)、ベンジルフェニル化合物
(特開平4−364153号公報)、フルオレン基で3
級アミンを連結したもの(特開平5−25473号公
報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公
報)、ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−3
20634号公報)、N,N,N−トリフェニルアミン
誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノキサジン
構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562
号公報)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体
(特開平7−252474号公報)、ヒドラゾン化合物
(特開平2−311591号公報)、シラザン化合物
(米国特許第4,950,950号公報)、シラナミン
誘導体(特開平6−49079号公報)、ホスファミン
誘導体(特開平6−25659号公報)、キナクリドン
化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用い
てもよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよ
い。
【0015】上記の化合物以外に、正孔輸送層の材料と
して、ポリビニルカルバゾールやポリシラン(App
l.Phys.Lett.,59巻,2760頁,19
91年)、ポリフォスファゼン(特開平5−31094
9号公報)、ポリアミド(特開平5−310949号公
報)、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53
953号公報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分
子(特開平4−133065号公報)、トリフェニルア
ミン単位をメチレン基等で連結した高分子(Synth
etic Metals,55−57巻,4163頁,
1993年)、芳香族アミンを含有するポリメタクリレ
ート(J.Polym.Sci.,Polym.Che
m.Ed.,21巻,969頁,1983年)等の高分
子材料が挙げられる。上記の正孔輸送材料を塗布法ある
いは真空蒸着法により前記陽極2上に積層することによ
り正孔輸送層3aを形成する。
【0016】塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種また
は2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバ
インダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、
溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法
により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成
する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダ
ー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、
少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好まし
い。
【0017】真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真
空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当
な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツ
ボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き
合って置かれた基板1上の陽極2上に正孔輸送層を形成
させる。正孔輸送層3aの膜厚は、通常、10〜300
nm、好ましくは30〜100nmである。このように
薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法が
よく用いられる。
【0018】陽極2と正孔輸送層3aのコンタクトを向
上させるために、図3に示すように、陽極と正孔輸送層
の間に陽極バッファ層3a′を設けてもよい。陽極バッ
ファ層に用いられる材料に要求される条件としては、陽
極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に
安定、すなわち、融点及びガラス転移温度が高く、融点
としては300℃以上、ガラス転移温度としては100
℃以上が要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが
低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大
きいことが挙げられる。この目的のために、これまでに
ポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(特開昭6
3−295695号公報)、スターバスト型芳香族トリ
アミン(特開平4−308688号公報)、ヒドラゾン
化合物(特開平4−320483号公報)、アルコキシ
置換の芳香族ジアミン誘導体(特開平4−220995
号公報)、p−(9−アントリル)−N,N−ジ−p−
トリルアニリン(特開平3−111485号公報)、ポ
リチエニレンビニレンやポリ−p−フェニレンビニレン
(特開平4−145192号公報)、ポリアニリン(A
ppl.Pnys.Lett.,64巻,1245頁,
1994年参照)等の有機化合物や、スパッタ・カーボ
ン膜(特開平8−31573号公報)や、バナジウム酸
化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸
化物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a−S
Y−9,1996年)が報告されている。
【0019】上記陽極バッファ層材料としてよく使用さ
れる化合物としては、ポルフィリン化合物またはフタロ
シアニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金
属を有していてもよいし、無金属のものでもよい。好ま
しいこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が
挙げられる。 ポルフィン 5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23
H−ポルフィン 5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23
H−ポルフィンコバルト(II) 5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23
H−ポルフィン銅(II) 5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23
H−ポルフィン亜鉛(II) 5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23
H−ポルフィンバナジウム(IV)オキシド 5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)−21
H,23H−ポルフィン 29H,31H−フタロシアニン 銅(II)フタロシアニン 亜鉛(II)フタロシアニン チタンフタロシアニンオキシド マグネシウムフタロシアニン 鉛フタロシアニン 銅(II)4,4’,4'',4''' −テトラアザ−29
H,31H−フタロシアニン
【0020】陽極バッファ層の場合も、正孔輸送層と同
様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さ
らに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD
法が用いられる。以上のようにして形成される陽極バッ
ファ層3a′の膜厚は、通常、3〜100nm、好まし
くは10〜50nmである。
【0021】正孔輸送層3aの上には電子輸送層3bが
設けられる。電子輸送層は、電界を与えられた電極間に
おいて陰極からの電子を効率よく正孔輸送層3aの方向
に輸送することができる化合物より形成される。電子輸
送層3bに用いられる電子輸送性化合物としては、陰極
4からの電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を
効率よく輸送することができる化合物であることが必要
である。そのためには、電子親和力が大きく、しかも電
子移動度が大きく、さらに安定性に優れトラップとなる
不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であるこ
とが要求される。
【0022】このような条件を満たす材料としては、テ
トラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭5
7−51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのア
ルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−1943
93号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン
の金属錯体(特開平6−322362号公報)、混合配
位子アルミニウムキレート錯体(特開平5−19837
7号公報、特開平5−198378号公報、特開平5−
214332号公報、特開平6−172751号公
報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−2896
75号公報)、ペリノン誘導体(特開平2−28967
6号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−21
6791号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開
平1−245087号公報、同2−222484号公
報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号公
報、同3−791号公報)、クマリン化合物(特開平2
−191694号公報、同3−792号公報)、希土類
錯体(特開平1−256584号公報)、ジスチリルピ
ラジン誘導体(特開平2−252793号公報)、p−
フェニレン化合物(特開平3−33183号公報)、チ
アジアゾロピリジン誘導体(特開平3−37292号公
報)、ピロロピリジン誘導体(特開平3−37293号
公報)、ナフチリジン誘導体(特開平3−203982
号公報)、シロール誘導体(日本化学会第70春季年
会,2D1 02及び2D1 03,1996年)など
が挙げられる。
【0023】電子輸送層3bの膜厚は、通常、10〜2
00nm、好ましくは30〜100nmである。電子輸
送層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができる
が、通常は真空蒸着法が用いられる。素子の発光効率を
向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8
−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料
として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープするこ
と(J.Appl.Phys.,65巻,3610頁,
1989年)等が行われている。この方法の利点は、 1)高効率の蛍光色素により発光効率が向上、 2)蛍光色素の選択により発光波長が可変、 3)濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、 4)薄膜性の悪い蛍光色素も使用可能、 等が挙げられる。
【0024】素子の駆動寿命を改善する目的において
も、前記電子輸送材料をホスト材料として、蛍光色素を
ドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシ
キノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材
料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特
開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体
(特開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合多
環芳香族環(特開平5−198377号公報)を、ホス
ト材料に対して0.1〜10重量%ドープすることによ
り、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させ
ることができる。
【0025】ホスト材料としては、例えば、電子輸送層
3bがその役割を果たす場合、前述の電子輸送性化合物
が挙げられ、正孔輸送層3aがホスト材料としての役割
を果たす場合、前述の芳香族アミン化合物やヒドラゾン
化合物が挙げられる。上記ドーパントが正孔輸送層およ
び/または電子輸送層中にドープされる場合、各層にお
いて膜に対して垂直方向に均一にドープされるが、垂直
方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正
孔輸送層との界面近傍にのみドープしたり、逆に、陰極
界面近傍にドープしてもよい。
【0026】これらの化合物を用いた電子輸送層3b
は、電子を輸送する役割と、正孔と電子の再結合の際に
発光をもたらす役割を同時に果している。正孔輸送層3
aが発光機能を有する場合は、電子輸送層3bは電子を
輸送する役割だけを果たす。有機電界発光素子の発光効
率をさらに向上させる方法として、有機発光層として、
電子輸送層3bの上にさらに電子注入層を積層すること
もできる。この電子注入層に用いられる化合物には、陰
極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大
きいことが要求される。このような電子輸送材料として
は、既に電子輸送層材料として挙げた8−ヒドロキシキ
ノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(App
l.Phys.Lett.,55巻,1489頁,19
89年他)やこれらをポリメタクリル酸メチル(PMM
A)等の樹脂に分散した系(Appl.Phys.Le
tt.,61巻,2793頁,1992年)、フェナン
トロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2
−t−ブチル−9,10−N,N′−ジシアノアントラ
キノンジイミン(Phys.Stat.Sol.
(a),142巻,489頁,1994年)、n型水素
化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜
鉛等が挙げられる。電子注入層の膜厚は、通常、5〜2
00nm、好ましくは10〜100nmである。
【0027】機能分離を行わない単層型の有機発光層3
としては、先に挙げたポリ(p−フェニレンビニレン)
(Nature,347巻,539頁,1990年;A
ppl.Phys.Lett.,61巻,2793頁,
1992年)、ポリ[2−メトキシ,5−(2′−エチ
ルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](Ap
pl.Phys.Lett.,58巻,1982頁,1
991年;ThinSolid Films,216
巻,96頁,1992年;Nature,357巻,4
77頁,1992年)、ポリ(3−アルキルチオフェ
ン)(Jpn.J.Appl.Phys.,30巻,L
1938頁,1991年;J.Appl.Phys.,
72巻,564頁,1992年)等の高分子材料や、ポ
リビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動
材料を混合した系(応用物理,61巻,1044頁,1
992年)が挙げられる。
【0028】本発明においては、陰極と有機発光層との
間に陰極界面層を設ける。陰極界面層4は、陰極と上記
有機発光層との密着性を向上させるとともに、陰極材料
の有機発光層への拡散を防止する役割を果たす。また陰
極からの電子の注入を妨げないことが要求される。本発
明の陰極界面層は、周期律表2A族の金属のハロゲン化
物、周期律表3A族の金属のハロゲン化物、および2種
以上の金属元素を構成元素とする複合ハロゲン化化合物
から選ばれた、少なくとも1種の化合物を含む。
【0029】本発明の陰極界面層に含まれる周期律表2
A族の金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム等が挙げ
られるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウムである。また、ハロゲンとはフ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンの5元素をいう
が、本発明に用いられるハロゲン化物としては、好まし
くは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられ
る。具体的に好ましいハロゲン化物を列挙すると、フッ
化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチ
ウム、フッ化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、臭化カルシ
ウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウム、臭化バ
リウムであり、特に好ましくはフッ化マグネシウム、フ
ッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウ
ムであり、これらは2種以上混合して用いることもでき
る。
【0030】本発明の陰極界面層に含まれる周期律表3
A族の金属としては、スカンジウム、イットリウム、ラ
ンタノイド(ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネ
オジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、
ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチ
ウム)、アクチノイド等が挙げられるが、好ましくは、
スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プ
ラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウ
ム、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウム、イッテル
ビウムおよびルテチウムである。
【0031】具体的に特に好ましいハロゲン化物を列挙
すると、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フ
ッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジウ
ム、フッ化ネオジウム、フッ化サマリウム、フッ化ユー
ロピウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、
フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチ
ウム、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ラン
タン、塩化セリウム、塩化プラセオジウム、塩化ネオジ
ウム、塩化サマリウム、塩化ユーロピウム、塩化テルビ
ウム、塩化ジスプロシウム、塩化ツリウム、塩化イッテ
ルビウム、塩化ルテチウム、臭化スカンジウム、臭化イ
ットリウム、臭化ランタン、臭化セリウム、臭化プラセ
オジウム、臭化ネオジウム、臭化サマリウム、臭化ユー
ロピウム、臭化テルビウム、臭化ジスプロシウム、臭化
ツリウム、臭化イッテルビウムおよび臭化ルテチウムで
ある。特に好ましくは、金属のハロゲン化物が、フッ化
スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、
フッ化セリウム、フッ化プラセオジウム、フッ化ネオジ
ウム、フッ化サマリウム、フッ化ユーロピウム、フッ化
テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ツリウム、
フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウムであり、これ
らは2種以上混合して用いることができる。
【0032】本発明の陰極界面層に含まれる、2種以上
の金属元素の複合ハロゲン化化合物において、金属元素
としては1A族、2A族、3A族、4A族、5A族、1
B族、2B族、3B族、4B族の金属元素から選ばれる
2種以上の金属元素を構成元素とすることが好適であ
る。より好ましくは、下記組成式で表される複合ハロゲ
ン化化合物が挙げられる。
【0033】
【化3】Ap q r
【0034】式中、Aは周期律表の1A族、2A族の金
属元素の中から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。
Mは3A族、3B族の金属元素の中から選ばれる少なく
とも1種の元素を表し、中でも、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウムまたはランタノイド系金属が好ましい。
また、AおよびMはそれぞれ2種以上の金属元素を使用
することもできる。Xはハロゲン原子を表し、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、特にはフッ素が好適で
ある。p、q、rはそれぞれ独立に1から20までの整
数を表す。
【0035】具体的に好ましい複合ハロゲン化化合物の
一例を列挙すると、Na3 AlF6、Na5 Al
3 14、Na3 Li3 (AlF6 12、NaCaAlF
6 、NaSr3 Al3 16、Na2 MgAlF7 、Na
CaAlF6 、Na3 AlBr6 、Na5 Al3
14、Na3 Li3 (AlBr6 12、NaCaAlB
6 、NaSr3 Al3 Br16、Na2 MgAlB
7 、NaCaAlBr6 、Na3 AlCl6 、Na5
Al3 Cl14、Na3 Li3 (AlCl6 2 、NaC
aAlCl6 、NaSr3 Al3 Cl16、Na2 MgA
lCl7 、NaCaAlCl6、Na3 AlI6 、Na
5 Al3 14、Na3 Li3 (AlI6 2 、NaCa
Al16、NaSr3 Al3 16、Na2 MgAlI7
NaCaAlI6 、Li 3 AlF6 、Li5 Al
3 14、LiCaAlF6 、LiSr3 Al3 16、L
2 MgAlF7 、LiCaAlF6 、Li3 AlBr
6 、Li5 Al3 Br14、LiCaAlBr6 、LiS
3 Al3 Br16、Li2 MgAlBr7 、LiCaA
lBr6 、Li3 AlCl6 、Li5 Al3 Cl14、L
iCaAlCl6、LiSr3 Al3 Cl16、Li2
gAlCl7 、LiCaAlCl6 、Li 3 AlI6
Li5 Al3 14、LiCaAl16、LiSr3 Al3
16、Li 2 MgAlI7 、LiCaAlI6 、K3
lF6 、K5 Al3 14、K3 Li 3 (AlF6 12
KCaAlF6 、KSr3 Al3 16、K2 MgAlF
7 、KCaAlF6 、K3 AlBr6 、K5 Al3 Br
14、K3 Li3 (AlBr612、KCaAlBr6
KSr3 Al3 Br16、K2 MgAlBr7 、KCaA
lBr6 、K3 AlCl6 、K5 Al3 Cl14、K3
3 (AlCl6 2、KCaAlCl6 、KSr3
3 Cl16、K2 MgAlCl7 、KCaAlCl6
3 AlI6 、K5 Al3 14、K3 Li3 (Al
6 2 、KCaAl16、KSr3 Al3 16、K2
gAlI7 、KCaAlI6 、Na3 InF 6 、Na5
In3 14、Na3 Li3 (InF6 12、NaCaI
nF6 、NaSr3 In3 16、Na2 MgInF7
NaCaInF6 、Na3 InBr6、Na5 In3
14、Na3 Li3 (InBr6 12、NaCaInB
6 、NaSr3 In3 Br16、Na2 MgInB
7 、NaCaInBr6 、Na3InCl6 、Na5
In3 Cl14、Na3 Li3 (InCl6 2 、NaC
aInCl6 、NaSr3 In3 Cl16、Na2 MgI
nCl7 、NaCaInCl 6 、Na3 InI6 、Na
5 In3 14、Na3 Li3 (InI6 2 、NaCa
In16、NaSr3 In3 16、Na2 MgInI7
NaCaInI6 、K 3 InF6 、K5 In3 14、K
3 Li3 (InF6 12、KCaInF6 、KSr3
3 16、K2 MgInF7 、KCaInF6 、K3
nBr6 、K5In3 Br14、K3 Li3 (InB
6 12、KCaInBr6 、KSr3 In 3 Br16
2 MgInBr7 、KCaInBr6 、K3 InCl
6 、K5 In 3 Cl14、K3 Li3 (InCl6 2
KCaInCl6 、KSr3 In3 Cl16、K2 MgI
nCl7 、KCaInCl6 、K3 InI6 、K5 In
3 14、K3 Li3 (InI6 2 、KCaIn16、K
Sr3 In3 16、K2 MgInI7 、KCaIn
6 、Na2 PrF6 、K2 PrF6 、Na2 Ce
6 、K 2 CeF6 、Na2 NdF6 、KNdF6 、N
2 LaF6 、K2 LaF6 、Na2 SmF6 、K2
mF6 、Na2 EuF6 、K2 EuF6 、Na2 TbF
6、K2 TbF6 、Na2 GdF6 、K2 GdF6 等を
挙げることができ、これらは2種以上混合して用いても
良い。陰極界面層の膜厚としては、通常0.2nm〜3
0nmであり、好ましくは、0.2nm〜20nm、更
に好ましくは0.2nm〜10nmである。
【0036】陰極5は有機発光層に電子を注入する役割
を果たす。陰極として用いられる材料は、前記陽極に使
用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電
子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、特
に4.7eV以下の金属が好ましい。材料の例として
は、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、ア
ルミニウム、銀等の金属またはこれらを主成分とする合
金が挙げられる。中でも、銀、マグネシウム、アルミニ
ウム、インジウムまたはこれらを主成分とする合金が好
ましい。また、比較的安定な金属に低仕事関数の金属を
微量ドープした陰極を用いることも可能である。このよ
うな陰極の例としては、アルミニウムやインジウムにリ
チウムを0.01〜0.1%程度ドープした金属膜等を
挙げることができる(特開平5−159882号公報、
特開平5−198380号公報)。
【0037】陰極5の膜厚は通常、0.1nm〜10μ
mであり、好ましくは0.2nm〜2μmである。陰極
は少なくとも2層以上の多層構造を有していてもよい。
例えば図4に示すように、素子の配線抵抗を低減するた
めに電気抵抗率が10μΩ・cm以下である金属を用い
た電気抵抗低減層6を仕事関数が4.7eV以下の陰極
5の上部に作製することも好適である。一般に有機電界
発光素子は電流制御型素子であるため、集積化した場
合、配線抵抗による電圧降下の問題が生じることが予想
される。この問題を回避するために、通常、陰極の膜厚
を厚くする方法、電気抵抗率の低い材料を用いる方法な
どが行われているが、膜厚を厚くする方法は、プロセス
上あまり好ましくなく、電気抵抗率の低い銅などは仕事
関数が高いため陰極材料としては用いることができな
い。上記のような電気抵抗低減層を積層することによ
り、陰極界面層に接する金属層の厚みを低減することが
可能となる。
【0038】この構造を用いた場合、陰極5の膜厚は、
前述の陰極の膜厚と同程度で良いが、通常0.1nm〜
10μmであり、好ましくは0.2nm〜2μmであ
り、更に好ましくは0.2nm〜20nmである。電気
抵抗低減層6の膜厚は、通常20nm〜10μmであ
り、好ましくは30nm〜2μmである。電気抵抗低減
層としては、電気抵抗率が10μΩ・cm以下の金属が
用いられ、具体的にはアルミニウム、銅、銀、金等を挙
げることができる。
【0039】またさらに、図5に示すように、電気抵抗
低減層6の上部に保護膜層7を形成することも可能であ
る。すなわち低仕事関数金属から成る陰極を保護する目
的でこの上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定
な保護膜として金属層を積層することは素子の安定性を
増す。この目的のために、アルミニウム、銀、ニッケ
ル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0040】尚、図1とは逆の構造、すなわち、基板上
に陰極5、陰極界面層4、有機発光層3、陽極2の順に
積層することも可能であり、既述したように少なくとも
一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界
発光素子を設けることも可能である。同様に、図2から
図5に示した前記各層構成とは逆の構造に積層すること
も可能である。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0042】実施例1 図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を120nmの膜厚で積層したも
のを、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチング
を用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極
を形成した。このパターン形成した基板を、アセトンに
よる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコ
ールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥
させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置
内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより
行った後、装置内の真空度が2x10-6Torr(約
2.7x10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップ
を備えた油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に
配置されたボートに以下の構造式に示す銅フタロシアニ
【0043】
【化4】
【0044】を入れて、ボートを加熱することにより蒸
着を行った。蒸着時の真空度は2.8x10-6Torr
(約3.7x10-4Pa)で蒸着速度0.2nm/秒で
膜厚20nmの陽極バッファ層3a を得た。次に、上
記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、以下
に示す4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フ
ェニルアミノ]ビフェニル
【0045】
【化5】
【0046】をるつぼの周囲のタンタルヒーターで加熱
して行った蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、2
20〜240℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は
2.8x10-6Torr(約3.7x10-4Pa)で、
蒸着速度0.4nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層3
aを得た。引続き、電子輸送層3bの材料として、以下
の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン
錯体、Al(C9 6 NO)3
【0047】
【化6】
【0048】を正孔輸送層と同様にして蒸着した。この
時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつ
ぼ温度は275〜285℃の範囲で制御し、蒸着時の真
空度は2.5x10-6Torr(約3.3x10-4
a)、蒸着速度は0.3〜0.4nm/秒で、蒸着され
た電子輸送層の膜厚は75nmであった。上記の正孔輸
送層3a及び電子輸送層3bを真空蒸着する時の基板温
度は室温に保持した。
【0049】ここで、電子輸送層3bまでの蒸着を行っ
た素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し
て、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状
シャドーマスクを、陽極2のITOストライプと直交す
るように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置
して有機層と同様にして装置内の真空度が2x10-6
orr(約2.7x10-4Pa)以下になるまで排気し
た。続いて、陰極界面層としてフッ化マグネシウムをモ
リブデンボードを用いて膜厚0.5nmとなるようにし
て蒸着した。蒸着時の真空度は4x10-6Torr(約
5.3x10-4Pa)であった。
【0050】さらにこの上部に陰極として、アルミニウ
ムをモリブデンボートを用いて150nmの膜厚で蒸着
した。アルミニウム蒸着時の真空度は1.5x10-5
orr(約2.0x10-3Pa)、蒸着時間2分であっ
た。以上のようにして、2mm×2mmのサイズの発光
面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素
子に、陽極を正、陰極を負の極性にして、直流電圧を印
加したところ、3Vで輝度が1cd/m2 越え、13V
で250mA/cm 2 の電流密度が得られ、その時の輝
度は6737cd/m2 であった。
【0051】実施例2 陰極界面層の膜厚が2nmであること以外は実施例1と
同様にして素子を作製した。この素子に直流電圧を印加
したところ、4Vで輝度が1cd/m2 越え、14Vで
250mA/cm2 の電流密度が得られ、その時の輝度
は5797cd/m2 であった。
【0052】比較例1 陰極界面層を用いないこと以外は実施例1と同様にして
素子を作製した。この素子に直流電圧を印加したとこ
ろ、4Vで輝度が1cd/m2 越え、13Vで250m
A/cm2 の電流密度が得られ、その時の輝度は314
7cd/m2 であった。
【0053】比較例2 陰極材料として一般的に使用されているマグネシウムと
銀の共蒸着膜を用いたこと以外は、比較例1と同様にし
て素子を作製した。マグネシウムと銀の原子比は10:
1であった。この素子に直流電圧を印加したところ、4
Vで輝度が1cd/m2 越え、13Vで250mA/c
2 の電流密度が得られ、その時の輝度は5578cd
/m2 であった。
【0054】比較例3 陰極界面層として、酸化ゲルマニウム(GeO)を用い
たこと以外は実施例1と同様にして素子を作製した。こ
の素子に直流電圧を印加したところ、7Vで輝度が1c
d/m2 越え、14Vで250mA/cm2 の電流密度
が得られ、その時の輝度は1036cd/m2 であっ
た。
【0055】実施例1、2及び比較例1、2、3の素子
を250mA/cm2 の電流密度で駆動した時の初期の
輝度劣化の様子を図6に示す。この時の初期輝度は実施
例1、2および比較例1、2、3の初期輝度はそれぞれ
6737cd/m2 、5797cd/m2 、3147c
d/m2 、5578cd/m2 、1036cd/m2
あった。また、実施例1、比較例1及び比較例2の素子
を、15mA/cm2 の直流定電流密度で駆動した時の
素子の輝度の変化の様子、及び電圧の変化の様子を図
7、図8に載せる。実施例1、比較例1及び比較例2の
素子の初期輝度はそれぞれ、475cd/m2 、315
cd/m2 及び373cd/m2 であり、初期駆動電圧
はそれぞれ6.3V、8.4V及び4.9Vであった。
【0056】実施例3 陰極界面層の厚みを0.5nm、陰極層として、アルミ
ニウムを0.5nm、さらにこの上部に電気抵抗低減層
として銅を150nm蒸着したこと以外は、実施例1と
同様にして素子を作製し、図4の構造を有する素子を作
製した。この素子に直流電圧を印加したところ、3Vで
輝度が1cd/m2 越え、6Vで250mA/cm2
電流密度が得られ、その時の輝度は6380cd/m2
であった。
【0057】実施例4 陰極界面層としてフッ化カルシウムを用い、膜厚を0.
5nmにしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作
製した。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで
輝度が1cd/m2 越え、14Vで250mA/cm2
の電流密度が得られ、その時の輝度は6177cd/m
2 であった。
【0058】実施例5 陰極界面層としてフッ化カルシウムを用い、膜厚を2n
mにしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製し
た。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで輝度
が1cd/m2 越え13Vで250mA/cm2 の電流
密度が得られ、その時の輝度は6712cd/m2 であ
った。
【0059】実施例6 陰極界面層としてフッ化カルシウムを用い、膜厚を5n
mにしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製し
た。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで輝度
が1cd/m2 越え、13Vで250mA/cm2 の電
流密度が得られ、その時の輝度は6618cd/m2
あった。
【0060】また、実施例5、6及び比較例1、2の素
子を250mA/cm2 の電流密度で駆動した時の初期
の劣化の様子を図9に示す。この時の初期輝度は実施例
5及び6はそれぞれ6712cd/m2 、6618cd
/m2 であり、比較例1および2はそれぞれ3147c
d/m2 、5578cd/m2 であった。
【0061】実施例7 陰極界面層としてフッ化バリウムを用い、膜厚を0.5
nmにしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製
した。この素子に直流電圧を印加したところ、5Vで輝
度が1cd/m2 越え、14Vで250mA/cm2
電流密度が得られ、その時の輝度は5774cd/m2
であった。
【0062】実施例8 陰極界面層としてフッ化バリウムを用い、膜厚を2nm
にしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製し
た。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで輝度
が1cd/m2 越え、14Vで250mA/cm2 の電
流密度が得られ、その時の輝度は7310cd/m2
あった。
【0063】また、実施例7、8及び比較例1、2の素
子を250mA/cm2 の電流密度で駆動した時の初期
の劣化の様子を図10に示す。この時の初期輝度は、実
施例7及び8はそれぞれ5774cd/m2 、7310
cd/m2 であり、比較例1および2はそれぞれ314
7cd/m2 、5578cd/m2 であった。
【0064】実施例9 陰極界面層としてフッ化セリウムを用い、膜厚を2.0
nmにしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製
した。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで輝
度が1cd/m2 越え、13Vで250mA/cm2
電流密度が得られ、その時の輝度は7057cd/m2
であった。
【0065】実施例10 陰極界面層としてフッ化ネオジウムを用い、膜厚を0.
5nmとしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作
製した。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで
輝度が1cd/m2 越え、13Vで250mA/cm2
の電流密度が得られ、その時の輝度は6369cd/m
2 であった。
【0066】実施例11 陰極界面層としてフッ化ネオジウムを用い、膜厚を3.
0nmとしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作
製した。この素子に直流電圧を印加したところ、4Vで
輝度が1cd/m2 越え、15Vで250mA/cm2
の電流密度が得られ、その時の輝度は6687cd/m
2 であった。
【0067】実施例9、10、11及び比較例1、2、
3の素子を250mA/cm2 の電流密度で駆動した時
の初期の劣化の様子を図11に示す。この時の初期輝度
は、実施例9、10、11はそれぞれ7057cd/m
2 、6369cd/m2 、6687cd/m2 であり、
比較例1、2、3はそれぞれ3147cd/m2 、55
78cd/m2 、1036cd/m2 であった。
【0068】実施例12 陰極界面層としてヘキサフルオロアルミニウムナトリウ
ム(Na3 AlF6 )を用い、膜厚を3.0nmとした
こと以外は実施例1と同様にして素子を作製した。この
素子に直流電圧を印加したところ、4Vで輝度が1cd
/m2 を越え、15Vで250mA/cm2 の電流密度
が得られ、その時の輝度は6254cd/m2 であっ
た。
【0069】実施例13 陰極界面層としてヘキサフルオロアルミニウムナトリウ
ム(Na3 AlF6 )を用い、膜厚を0.5nmとした
こと以外は実施例1と同様にして素子を作製した。この
素子に直流電圧を印加したところ、3Vで輝度が1cd
/m2 を越え12Vで250mA/cm2 の電流密度が
得られ、その時の輝度は7259cd/m2 であった。
【0070】また実施例12、13及び比較例1、2、
3の素子を250mA/cm2 の電流密度で駆動した時
の初期の輝度劣化の様子を図12に示す。この時の実施
例12、13及び比較例1、2、3の初期輝度はそれぞ
れ6254cd/m2 、7259cd/m2 、3147
cd/m2 、5578cd/m2 、1036cd/m 2
であった。以下に、本発明以外のフッ化物を用いた時の
素子の特性を比較例として示す。
【0071】比較例4 陰極界面層として、フッ化アルミニウムを用い、膜厚を
0.5nmとしたこと以外は実施例1と同様にして素子
を作製した。この素子に直流電圧を印加したところ、7
Vで輝度が1cd/m2 越え、16Vで250mA/c
2 の電流密度が得られ、その時の輝度は1955cd
/m2 であった。
【0072】比較例5 陰極界面層として、フッ化亜鉛を用い、膜厚を0.5n
mとしたこと以外は実施例1と同様にして素子を作製し
た。この素子に直流電圧を印加したところ、6Vで輝度
が1cd/m2 越え、16Vで250mA/cm2 の電
流密度が得られ、その時の輝度は3651cd/m2
あった。
【0073】比較例6 陰極界面層として、フッ化バナジウムを用い、膜厚を
0.5nmとしたこと以外は実施例1と同様にして素子
を作製した。この素子に直流電圧を印加したところ、7
Vで輝度が1cd/m2 越え、16Vで250mA/c
2 の電流密度が得られ、その時の輝度は2123cd
/m2 であった。比較例4〜6では、250mA/cm
2 時の輝度が2000cd/m2 から3500cd/m
2 程度となり、実施例のそれと比較すると、約半分程度
となっている。
【0074】比較例7 陰極界面層の材料として、フッ化リチウムを用い、膜厚
を0.5nmとしたこと以外は実施例1と同様にして素
子を作製した。この素子に直流電圧を印加したところ、
4Vで輝度が1cd/m2 を越え13Vで250mA/
cm2 の電流密度が得られ、その時の輝度は6621c
d/m2 であった。
【0075】実施例1、4、7、10、13および比較
例7の素子を乾燥室素下で保存をして、素子の特性を計
測した。この時、素子の輝度が100cd/m2 を示す
電圧を求め、保存前のそれとの差をΔV100として、
素子の電圧増加分を調べた結果を図13に載せる。比較
例7の素子は、電流密度が250mA/m2 の時の輝度
は6500cd/m2 程度であり、実施例のそれとほぼ
同程度の特性を示すが、保存によって素子の電圧が実施
例のそれより大きく増加することがわかった。
【0076】また、電流密度250mA/cm2 で50
秒間素子を駆動した時の輝度と、初期輝度との比を相対
輝度として、この相対輝度と陰極界面層の膜厚との関係
を示したのが、図14となる。フッ化リチウムと比較し
て、本発明のフッ化物を陰極界面層として用いた場合、
相対輝度の高い部分が広い。これは、実際のプロセスに
おける膜厚分布を考慮した時、プロセスマージンが広い
ことを意味し、大量生産時に寄与することが予想され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機電界発光素子の一例を示した模式断面図。
【図2】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面
図。
【図3】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面
図。
【図4】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面
図。
【図5】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面
図。
【図6】250mA/cm2 の定電流密度で駆動した時
の素子の輝度特性図。
【図7】15mA/cm2 の定電流密度で駆動した時の
素子の輝度特性図。
【図8】15mA/cm2 の定電流密度で駆動した時の
素子の電圧増加図。
【図9】250mA/cm2 の定電流密度で駆動した時
の素子の輝度特性図。
【図10】250mA/cm2 の定電流密度で駆動した
時の素子の輝度特性図。
【図11】250mA/cm2 の定電流密度で駆動した
時の素子の輝度特性図。
【図12】250mA/cm2 の定電流密度で駆動した
時の素子の輝度特性図。
【図13】乾燥窒素雰囲気下で保存した素子の100c
d/m2 を与える電圧の初期からの増加分を示した図。
【図14】陰極界面層の膜厚と250mA/cm2 で5
0秒間素子を駆動した時の相対輝度の関係を示した図。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 有機発光層 3a 正孔輸送層 3b 電子輸送層 3a′ 陽極バッファ層 4 陰極界面層 5 陰極 6 電気抵抗低減層 7 保護膜層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、陽極および陰極により挟持さ
    れた有機発光層を有する有機電界発光素子であって、該
    素子の陰極と有機発光層との間に、周期律表2A族の金
    属のハロゲン化物、周期律表3A族の金属のハロゲン化
    物、および2種以上の金属元素の複合ハロゲン化化合物
    から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む陰極界面層
    を設けてなる有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 周期律表2A族の金属のハロゲン化物
    が、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ス
    トロンチウム及びフッ化バリウムから選ばれる少なくと
    も1種である請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 複合ハロゲン化化合物が、 【化1】Ap q r (式中、Aは周期律表の1A族、2A族の金属元素の中
    から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Mは3A
    族、3B族の金属元素の中から選ばれる少なくとも1種
    の元素を表し、Xはハロゲン原子を表し、p、q、rは
    それぞれ独立に1から20までの整数を表す。)の組成
    式で表される請求項1記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 複合ハロゲン化化合物が、 【化2】Ap q r (式中、Aは周期律表の1A族、2A族の金属元素の中
    から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Mはアルミ
    ニウム、ガリウム、インジウムまたはランタノイド系金
    属の中から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、p、
    q、rはそれぞれ独立に1から20までの整数を表
    す。)の組成式で表されるフッ化物である請求項1また
    は3記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 周期律表3A族の金属のハロゲン化物
    が、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化
    ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジウム、フ
    ッ化ネオジウム、フッ化サマリウム、フッ化ユーロピウ
    ム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化
    ツリウム、フッ化イッテルビウム、及びフッ化ルテチウ
    ムから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の有
    機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 陰極界面層の厚みが、0.2nm〜30
    nmである請求項1ないし5記載の有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】 陰極が、仕事関数が4.7eV以下であ
    る金属または合金である請求項1ないし6記載の有機電
    界発光素子。
  8. 【請求項8】 陰極が、銀、マグネシウム、アルミニウ
    ム、インジウム、またはこれらを主成分とする合金から
    なる請求項1ないし7記載の有機電界発光素子。
  9. 【請求項9】 陰極が、2層以上の多層構造を有し、か
    つ陰極界面層に接する層の仕事関数が4.7eV以下の
    金属層であり、該金属層の上部に電気抵抗率が10μΩ
    ・cm以下である金属層を積層してなる、請求項1ない
    し8記載の有機電界発光素子。
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