JP3775020B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
【0003】
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされ、実用特性に近づいている。
【0004】
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(Nature, 347巻, 539頁, 1990年他)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](Appl. Phys. Lett., 58巻, 1982頁, 1991年 他)、ポリ(3-アルキルチオフェン)(Jpn. J. Appl. Phys, 30巻, L1938頁, 1991年 他)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子(応用物理, 61巻, 1044頁, 1992年)の開発も行われている。
【0005】
また、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys.,65巻,3610頁,1989年)等も行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
有機電界発光素子をフラットパネル・ディスプレイやバックライト等の光源に応用するためには、素子の信頼性を十分に確保する必要がある。しかしながら、従来の有機電界発光素子では耐熱性が不十分であり、素子の環境温度やプロセス温度の上昇により電流−電圧特性が高電圧側にシフトしたり、素子駆動時の局所的なジュール発熱により寿命が低下したり、非発光部分(ダークスポット)の発生及び増加等の劣化が避けられなかった。
【0007】
これらの劣化の主原因は、有機層の薄膜形状の劣化である。この薄膜形状の劣化は、素子駆動時の発熱等による温度上昇で有機非晶質薄膜の結晶化(または凝集)等に起因すると考えられている。この耐熱性の低さは材料のガラス転移温度(以下Tgと略す)の低さに由来すると考えられる。低分子量(分子量が 400から 600程度)の化合物、特に正孔輸送材料については、融点が低く対称性が高いものが多い。これまでに有機電界発光素子の正孔輸送材料としてよく用いられている代表的芳香族アミン化合物を以下に示す。
【0008】
【化2】
Figure 0003775020
【0009】
【化3】
Figure 0003775020
【0010】
【化4】
Figure 0003775020
【0011】
芳香族ジアミン(A−1)、N,N'-ジフェニル-N,N'-(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン (通常TPDと呼ばれる)のTgは60℃、スターバースト型芳香族トリアミン(A−2)のTgは75℃(J. Phys. Chem.,97巻,6240頁,1993年)、また、α−ナフチル基を導入した4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)のTgは96℃(電子情報通信学会技術研究報告,OME95ー54,1995年)である。これらの芳香族アミン化合物から形成される有機非晶質薄膜では、温度上昇により結晶化したり、正孔輸送層と発光層の2層型素子構造において、相互拡散現象を起こしたりする。この結果、素子の発光特性、特に駆動電圧が高くなる劣化現象が現われ、最終的には駆動寿命の低下につながる。また、素子の駆動時以外でも、素子作製時において、蒸着、ベーキング(アニール)、配線、封止等の工程で温度上昇が見込まれるので、Tgはさらに高いことが望ましい。
【0012】
一方、低分子量化合物の代わりに高分子材料を有機電界発光素子の正孔輸送層として用いる試みも行われている。ポリビニルカルバゾール(電子情報通信学会技術研究報告,OME90-38,1990年)、ポリシラン(Appl. Phys. Lett.,59巻,2760頁,1991年)、ポリフォスファゼン(第42回高分子学会年次大会,I-8-07及びI-8-08,1993年)等が報告されているが、ポリビニルカルバゾールは 200℃と高いTgを有するもののトラップ等の問題があり耐久性は低く、ポリシランは光劣化等により駆動寿命が数秒と短く、ポリフォスファゼンはイオン化ポテンシャルが高く従来の芳香族ジアミンを凌ぐ特性は示していない。この他に、芳香族ジアミン化合物をポリカーボネートやPMMAに30から80重量%分散させた正孔輸送層も検討されているが(Jpn. J. Appl. Phys.,31巻,L960頁,1992年)、低分子化合物が可塑剤として作用しTgを下げ、素子特性も芳香族ジアミン化合物を単独で使用した場合と比較して低下している。
【0013】
上述の理由から、有機電界発光素子は実用化に向けて、素子の耐熱性及び駆動寿命に大きな問題を抱えているのが実状である。
有機電界発光素子の耐熱性が改善されず発光特性が不安定なことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては大きな問題であり、フラットパネル・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくない特性である。特に、車載用表示への応用を考える上では深刻である。
【0014】
本発明者らは上記実状に鑑み、高温において安定な発光特性を維持できる有機電界発光素子を提供することを目的として鋭意検討した結果、基板上に、陽極及び陰極により挟持された正孔輸送層および発光層を少なくとも含む有機電界発光素子において、正孔輸送層として高いTgを示すビナフチル骨格を有する芳香族アミンを含有させることで、上記課題を解決することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、基板上に、陽極及び陰極により挟持された正孔輸送層および発光層を少なくとも含む有機電界発光素子であって、前記正孔輸送層が、下記一般式(I)で表わされるビナフチル骨格を有する芳香族アミンを含有することを特徴とする有機電界発光素子に存する。
【0016】
【化5】
Figure 0003775020
【0017】
(式中、Ar〜Arは、各々独立して置換基を有していてもよいアリール基、または
芳香族複素環基を示し、R〜R12は、各々独立して、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、以下の(1)〜(3)の場合を除く。
(1)R 〜R 12 がすべて水素原子である場合。
(2)R 〜R のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。
(3)R 〜R 12 のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。)
以下、本発明の有機電界発光素子について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、4は正孔輸送層、5は発光層、7は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が低すぎると、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0019】
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl. Phys. Lett., 60巻, 2711頁, 1992年 )。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは10〜500nm程度である。不透明でよい場合は陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0020】
陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的要求以外に、用途によっては、素子にはさらに100℃以上の耐熱性が要求される。従って、Tgとして100℃以上の値を有する材料が必要である。
【0021】
本発明の有機電界発光素子は正孔輸送材料として前記一般式(I)で表わされる化合物から選ばれた1つ、または、2つ以上の混合物から成ることを特徴とする。
前記一般式(I)において、好ましくは、Ar〜Arは、各々独立して、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、ピリジル基、または、チエニル基を示し、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。R〜R12は、各々独立して、水素原子またはメチル基である。ただし、以下の(1)〜(3)の場合を除く。
(1)R 〜R 12 がすべて水素原子である場合。
(2)R 〜R のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。
(3)R 〜R 12 のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。
さらに好ましくは、R,Rいずれもメチル基である。
【0022】
一般式(I)で表される化合物は、例えば、以下の経路で合成される。下記一般式(II)で表されるビナフチル誘導体のヨウ素化物と下記一般式 (III)
【0023】
【化6】
Figure 0003775020
【0024】
【化7】
Figure 0003775020
【0025】
で表わされる二級アミン誘導体をUllmann反応(Organic Synthesis,1巻,544頁)にて反応させ、生成した下記一般式(IV)
【0026】
【化8】
Figure 0003775020
【0027】
で表される1置換体をカラムクロマトラフィで分離した後に、下記一般式(V)
【0028】
【化9】
Figure 0003775020
【0029】
で表される二級アミン誘導体と、同様にUllmann反応させて目的の一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を得る。以上の合成例の他に、Ar1〜Ar4が同一の置換基である場合は、下記一般式(VI)で表されるナフチジン誘導体と下記一般式 (VII)
【0030】
【化10】
Figure 0003775020
【0031】
【化11】
Ar1−I (VII)
【0032】
で表されるヨウ素化物を同様にUllmann反応させて最終的な生成物を得てもよい。
本発明においては、前記一般式(I)に示す分子構造により、Tgを 100℃以上と高くすることができ、この耐熱性の向上により容易には結晶化しない非晶質薄膜を与えることが可能であり、発光層との分子の相互拡散を 100℃以上の高温下でも十分に抑制することが出来る。
前記一般式(I)で表されるビナフチル骨格を有する芳香族アミン化合物の好ましい具体例を表−1及び表−2に示すが、これらに限定するものではない。
【0033】
【表1】
Figure 0003775020
【0034】
【表2】
Figure 0003775020
【0035】
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよい。
前記一般式(I)から成る正孔輸送層4は塗布法あるいは真空蒸着法により前記陽極2上に積層することにより形成される。
塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種または2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。
【0036】
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-6Torrにまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた基板上に層を形成する。
上記正孔輸送層4を形成する場合、さらに、アクセプタとして、芳香族カルボン酸の金属錯体及び/または金属塩(特開平4−320484号公報)、ベンゾフェノン誘導体およびチオベンゾフェノン誘導体(特開平5−295361号公報)、フラーレン類(特開平5−331458号公報)等を10-3〜10重量%の濃度でドープして、フリーキャリアとしての正孔を生成させることにより、低電圧駆動を可能にすることができる。
【0037】
正孔輸送層4の膜厚は、通常、10〜300nm、好ましくは30〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
陽極2と正孔輸送層4のコンタクトを向上させるために、図2に示す様に、陽極バッファ層3を設けることが考えられる。陽極バッファ層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移温度としては 100℃以上が要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。この目的のために、これまでにポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバスト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ヒドラゾン化合物(特開平4−320483号公報)、アルコキシ置換の芳香族ジアミン誘導体(特開平4−220995号公報)、p-(9-アントリル)-N,N-ジ-p-トリルアニリン(特開平3−111485号公報)、ポリチエニレンビニレンやポリ−p−フェニレンビニレン(特開平4−145192号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻,1245頁, 1994年参照)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(特開平8− 31573号公報)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a-SY-9,1996年)が報告されている。
【0038】
上記陽極バッファ層材料としてよく使用される化合物としては、ポルフィリン化合物またはフタロシアニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金属を有していてもよいし、無金属のものでもよい。
【0039】
好ましいこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる:
ポルフィン
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンコバルト(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン銅(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン亜鉛(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンバナジウム(IV)オキシド
5,10,15,20-テトラ(4-ピリジル)-21H,23H-ポルフィン
29H,31H-フタロシアニン
銅(II)フタロシアニン
亜鉛(II)フタロシアニン
チタンフタロシアニンオキシド
マグネシウムフタロシアニン
鉛フタロシアニン
銅(II)4,4',4'',4'''-テトラアザ-29H,31H-フタロシアニン
陽極バッファ層の場合も、正孔輸送層と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。
【0040】
以上の様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚は、通常、3〜100nm、好ましくは10〜50nmである。
また、図3及び図4に示す様に、正孔輸送層4の一部(4aまたは4b)に前記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を用いることも、耐熱性向上のためには有効である。具体的には、例えば、前記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を含有する正孔輸送層と該化合物を含有しない正孔輸送層とを積層する方法が挙げられる。
【0041】
正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において陰極からの電子を効率よく正孔輸送層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。
発光層5に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極7からの電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。そのためには、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れトラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
【0042】
このような条件を満たす材料としては、テトラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭57− 51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公報)、ペリノン誘導体(特開平2−289676号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号公報、同3− 791号公報)、クマリン化合物(特開平2−191694号公報、同3− 792号公報)、希土類錯体(特開平1−256584号公報)、ジスチリルピラジン誘導体(特開平2−252793号公報)、p−フェニレン化合物(特開平3− 33183号公報)、チアジアゾロピリジン誘導体(特開平3− 37292号公報)、ピロロピリジン誘導体(特開平3− 37293号公報)、ナフチリジン誘導体(特開平3−203982号公報)、シロール誘導体(日本化学会第70春季年会,2D1 02及び2D1 03,1996年)などが挙げられる。
【0043】
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が行われている。この方法の利点は、
1)高効率の蛍光色素により発光効率が向上、
2)蛍光色素の選択により発光波長が可変、
3)濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、
4)薄膜性のわるい蛍光色素も使用可能、
等が挙げられる。
【0044】
素子の駆動寿命を改善する目的においても、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特開平5− 70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳香族環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材料に対して 0.1〜10重量%ドープすることにより、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させることができる。
【0045】
発光層5の膜厚は、通常、10〜200nm、好ましくは30〜100nmである。
発光層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。発光層ホスト材料に上記ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
【0046】
上記各ドーパントが発光層中にドープされる場合、発光層の膜厚方向において均一にドープされるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層との界面近傍にのみドープしたり、逆に、陰極界面近傍にドープしてもよい。
【0047】
有機電界発光素子の発光効率をさらに向上させる方法として、発光層5の上にさらに電子輸送層6を積層することもできる(図5及び図6参照)。この電子輸送層6に用いられる化合物には、陰極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求される。この様な電子輸送材料としては、既に発光層材料として挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl. Phys. Lett., 55巻, 1489頁, 1989年他) やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系(Appl. Phys. Lett.,61巻,2793頁, 1992年)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシアノアントラキノンジイミン(Phys. Stat. Sol. (a),142巻, 489頁, 1994年)、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子輸送層6の膜厚は、通常、5〜200nm、好ましくは10〜100nmである。
【0048】
陰極7は、発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極7として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。陰極7の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0049】
陰極と発光層または電子輸送層のコンタクトを向上させるために、両者の間に界面層を設けることを行ってもよい。この陰極界面層に用いられる化合物としては、芳香族ジアミン化合物(特開平6−267658号公報)、キナクリドン化合物(特開平6−330031号公報)、ナフタセン誘導体(特開平6−330032号公報)、有機シリコン化合物(特開平6−325871号公報)、有機リン化合物(特開平5−325872号公報)、N−フェニルカルバゾール骨格を有する化合物(特開平8− 60144号公報)、N−ビニルカルバゾール重合体(特開平8− 60145号公報)等で構成された層が例示できる。界面層の膜厚は、通常、2〜100nm、好ましくは 5〜30nmである。界面層を設ける代わりに、有機発光層及び電子輸送層の陰極界面近傍に上記界面層の材料を50重量%以上含む領域を設けてもよい。
【0050】
尚、図1とは逆の構造、すなわち、基板上に陰極7、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2から図6に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
【0051】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[例示化合物(2)の製造例]
以下の構造式に示す芳香族アミン(表−1の番号(2))を合成した。
【0052】
【化12】
Figure 0003775020
【0053】
下記に示す構造式の3,3'-ジメチルナフチジン(アルドリッチ社製) 3.0g、
【0054】
【化13】
Figure 0003775020
【0055】
ヨウ化ベンゼン 12.38g、炭酸カリウム8.35g、ヨウ化銅0.19gを20mlのニトロベンゼンに加え、窒素下、 200℃で5時間反応させた。反応終了後、不溶物をロ過により分離した。ニトロベンゼン不溶部を脱塩水で洗浄し、過剰の炭酸カリウムを除去し、1.73gの薄茶色粉末を得た。この生成物を昇華精製して0.92g回収した。収率は16%であった。融点を測定したところ 350℃であった。また、セイコー電子社製DSC-20により示差熱分析測定したところTgは 146℃と高い値を示した。この化合物の質量分析を行ったところ分子量が 616であり、さらにIRスペクトル、NMRスペクトルにより目的化合物であることを確認した。
【0056】
実施例1
ガラス基板をアセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアルコールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥した後、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が2x10-6Torr以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた化合物(2)を、るつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、300〜310℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は4x10-6Torrで、蒸着速度 0.4nm/秒で膜厚93nmの薄膜を得た。この薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定したところ、5.35eVと低い値を示した。また、この薄膜試料を大気中で 200日間保存しても、膜の形状は均一なままで安定で、結晶化はみられなかった。
【0057】
比較例1
蒸着原料として芳香族ジアミン(A−1)を用いた他は実施例1と同様にしてガラス基板上に薄膜を形成した。この薄膜試料は大気中3日保存後に結晶化が起きて、均一な薄膜形状は失われた。
【0058】
実施例2
図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2x10-6Torr(約2,7x10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
【0059】
上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、芳香族アミン化合物(2)を実施例1と同様にして蒸着を行った。蒸着時の真空度は2.8x10-6Torr(約3.7x10-4Pa)で、膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
引続き、発光層5の材料として、以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、Al(C96NO)3(E−1)、
【0060】
【化14】
Figure 0003775020
【0061】
を正孔輸送層と同様にして蒸着を行った。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 275〜285℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は2.5x10-6Torr(約3.3x10-4Pa)、蒸着速度は0.3〜0.4nm/秒で、蒸着された発光層の膜厚は75nmであった。
上記の正孔輸送層4及び発光層5を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0062】
ここで、発光層5までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2x10-6Torr(約2.7x10-4Pa)以下になるまで排気した。続いて、陰極4として、マグネシウムと銀の合金電極を2元同時蒸着法によって膜厚44nmとなるように蒸着した。蒸着はモリブデンボートを用いて、真空度1x10-5Torr(約1.3x10-3Pa)、蒸着時間3分20秒で行った。また、マグネシウムと銀の原子比は10:1.4 とした。さらに続いて、装置の真空を破らないで、アルミニウムをモリブデンボートを用いて40nmの膜厚でマグネシウム・銀合金膜の上に積層して陰極4を完成させた。アルミニウム蒸着時の真空度は1.5x10-5Torr(約2.0x10-3Pa)、蒸着時間は1分20秒であった。以上のマグネシウム・銀合金とアルミニウムの2層型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0063】
以上の様にして、2mmx2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表−3に示す。表−3において、発光輝度は250mA/cm2の電流密度での値、発光効率は 100cd/m2での値、輝度/電流は輝度−電流密度特性の傾きを、電圧は 100cd/m2での値を各々示す。
【0064】
実施例3
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
実施例2と同様にして作製したITOガラス基板上に、前記装置内に配置されたモリブデンボートに入れた以下に示す銅フタロシアニン(B−1)(結晶形はβ型)を加熱して蒸着を行った。真空度4x10-6Torr(約5.3x10-4Pa)、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で蒸着を行ない、膜厚20nmの陽極バッファ層3を得た。
【0065】
【化15】
Figure 0003775020
【0066】
次に、実施例2と同様にして、陽極バッファ層3の上に、化合物(2)60nmから成る正孔輸送層4、化合物(E−1)75nmから成る発光層5を積層した後、陰極7を形成して素子を完成させた。この素子の発光特性を表−3に示す。陽極バッファ層の導入により、駆動電圧の低下が達成された。
【0067】
実施例4
下記に示す構造のルブレン(D−1)を発光層5中に 2.5重量%の濃度で膜厚方向で均一にドープした他は実施例3と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−3に示す。ルブレンのドープにより、発光効率の向上が達成された。
【0068】
【化16】
Figure 0003775020
【0069】
【表3】
Figure 0003775020
【0070】
実施例5
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
正孔輸送層4aとして30nmの膜厚の4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)を、正孔輸送層4bとして30nmの化合物(2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子を窒素雰囲気下、110℃でアニールする前後での発光効率を表−4に示す。アニール3時間後での発光効率の低下はみられなかった。
【0071】
実施例6
正孔輸送層4aとして30nmの膜厚の化合物(2)を、正孔輸送層4bとして30nmの4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)を用いた他は実施例5と同様にして素子を作製した。この素子を窒素雰囲気下、110℃でアニールする前後での発光効率を表−4に示す。アニール3時間後での発光効率の低下はほとんどなかった。
【0072】
比較例2
正孔輸送層4として60nmの膜厚の4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子を窒素雰囲気下、 110℃でアニールする前後での発光効率を表−4に示す。アニール3時間後で発光効率の低下がみられた。
【0073】
【表4】
Figure 0003775020
【0074】
実施例7
実施例4と同様にして素子を作製した後、この素子を陰極蒸着装置から取り出した後、図7に示す構造で素子の封止を行った。
先ず、既述の有機層蒸着装置に再び上記素子を設置した後、これまでに示したのと同様にして、化合物(E−1)を膜厚 200nmで陰極7の上に積層して、保護層9とした。この時の真空度は1.5x10-6Torr(約2.0x10-4Pa)、蒸着時間は7分30秒、基板温度は室温であった。素子を上記装置より大気中に取り出して、窒素グローブボックス中に入れて以下の作業を行った。
【0075】
二液混合型の変性シリコーン系弾性接着剤(セメダイン社製、商品名EP001)を適当量混合した後、重量比で約30%のシリカゲル粉末(粒径50〜300μm)をフィラーとしてさらに加えた後、保護層9の上に厚さ約1mmで塗布して封止層10とした。なお、該弾性接着剤により得られた樹脂はJIS K 6911に規定される伸びが 200%であり、JIS K 6301に規定されるショアーA硬度が78であり、ガラス転移点が−60℃であり、−40〜 +100℃の温度領域でゴム状弾性を示した。室温で40分硬化させた後、外気遮断材層11として厚さ 1.1mmのガラス板を、接着部分12にエポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名アラルダイト)を用いて貼り合わせ、素子の封止を完了させた。
【0076】
この素子を大気下で 110℃の温度でアニールする前後の発光特性を表−5に示す。表−5において、非発光部面積は素子からの発光をCCDカメラにて撮影した後、画像解析により2値化して発光しない面積比を求めたものである。アニールよる発光効率の低下はなく、駆動電圧も上昇せず、非発光部も発生しなかった。
【0077】
比較例3
正孔輸送層4として4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)を用いた他は実施例7と同様にして素子を作製した。
この素子を大気下で 110℃の温度でアニールする前後の発光特性を表−5に示す。アニールよる発光効率は低下し、駆動電圧も上昇し、非発光部も発生した。実施例7と比較して耐熱性の低下がみられた。
【0078】
【表5】
Figure 0003775020
【0079】
【発明の効果】
本発明の有機電界発光素子の封止方法によれば、特定の芳香族アミンを含有する正孔輸送層を有するために、耐熱性の向上した素子を得ることができる。
従って、本発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特に、高耐熱性が要求される車載用表示素子としては、その技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機電界発光素子の一例を示した模式断面図。
【図2】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図3】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図4】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図5】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図6】有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図7】本発明における有機電界発光素子の封止方法の一例を示した模式図。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極
8 有機層
9 保護層
10 封止層
11 外気遮断材層
12 接着部

Claims (2)

  1. 基板上に、陽極及び陰極により挟持された正孔輸送層および発光層を少なくとも含む有機電界発光素子であって、前記正孔輸送層が、下記一般式(I)で表わされるビナフチル骨格を有する芳香族アミンを含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 0003775020
    (式中、Ar〜Arは、各々独立して置換基を有していてもよいアリール基、または芳香族複素環基を示し、R〜R12は、各々独立して、水素原子またはメチル基を表す。ただし、以下の(1)〜(3)の場合を除く。
    (1)R 〜R 12 がすべて水素原子である場合。
    (2)R 〜R のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。
    (3)R 〜R 12 のうち、1つがメチル基で、残り3つが水素原子である場合。
  2. 式中、R およびR がメチル基である請求項1記載の有機電界発光素子。
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