JP3903645B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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    • H10K85/40Organosilicon compounds, e.g. TIPS pentacene

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200 V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
【0003】
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51 巻, 913 頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされている。また、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys.,65巻,3610頁,1989年)で、発光効率の向上や発光波長の変換等も行われている。
【0004】
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子の開発も行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
有機電界発光素子をフラットパネル・ディスプレイの分野に応用する際の大きな課題の一つとして、発光効率の向上が挙げられる。これまでに報告されている有機電界発光素子では、基本的には正孔輸送層と電子輸送層の組み合わせにより発光を行っている。陽極から注入された正孔は正孔輸送層を移動し、陰極から注入されて電子輸送層を移動してくる電子と、両層の界面近傍で再結合をし、正孔輸送層及び/または電子輸送層を励起させて発光させるのが原理である。この基本的素子構造において、特に、正孔が電子輸送層を通過して、再結合せずに陰極に到達するのが、従来の素子の発光効率を制限している一つの要因となっていた。
【0006】
従来、電子の輸送能力が高い電子輸送材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl. Phys. Lett., 55 巻, 1489頁,1989 年)やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系(Appl. Phys. Lett. ,61巻,2793頁, 1992年)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'- ジシアノアントラキノンジイミン(Phys. Stat. Sol. (a),142 巻, 489 頁, 1994年)等が報告されているが、いずれの場合も正孔輸送層からの正孔を阻止する能力の点では充分ではなかった。
【0007】
これに対し、発光層の陰極側の界面に接するように、正孔阻止能力の高い材料からなる層(正孔阻止層)を設けることが提案されている。正孔阻止層に関しては、発光層と陰極との間に、発光層の第一酸化電位よりも 0.1eV以上大きな第一酸化電位を有する層として、トリス(5,7-ジクロル-8- ヒドロキシキノリノ)アルミニウム(特開平2−195683号公報)を用いた層が挙げられているが、発光効率の改善効果は不充分であり、実用には遠かった。同様の正孔阻止層材料として、シラシクロペンタジエンも提案されているが(特開平9− 87616号公報)、駆動安定性は十分ではない。1,2,4-トリアゾール誘導体についても同様の正孔阻止機能が開示されているが、結晶化等の熱的不安定性を有している(特開平7− 41759号公報)。
【0008】
上述の理由から、正孔を完全に阻止できて再結合に寄与しない電流量を減らすことが必要であり、高発光効率かつ安定な素子を作製するための素子構造及び材料に対して、更なる改良検討が望まれていた。
なお本発明者らは、先にビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシノラノト)アルミニウムを用いた正孔阻止層に関する発明につき、特許出願済みである(特開平11−40367号公報参照)。しかし今般、更に正孔阻止性能に優れ、かつ駆動安定性の向上した有機電界発光素子をもたらす化合物として、シラノール誘導体と8−ヒドロキシキノリン誘導体が配位した、特定のアルミニウムキレート化合物を見いだし、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の要旨は、少なくとも、基板上に陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、発光層の陰極側の界面に接する位置に、下記一般式(I)で表され、R 3 が炭素数1〜6のアルキル基であるか、或いは、Ar 1 〜Ar 3 が全てフェニル基である場合にその少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有し、かつガラス転移温度(Tg)が80℃以上である化合物を少なくとも1種含む層を有することを特徴とする有機電界発光素子に存する。
【0010】
【化5】
Figure 0003903645
【0011】
〔式中、Ar1 〜Ar3 は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素環基または置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、Aは下記構造で示される環
【0012】
【化6】
Figure 0003903645
【0013】
(式中、R 1 は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R 2 〜R 6 は各々独立に、水素原子 、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、水酸基、アミド基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、これらは更に置換されていてもよい。なお、R 1 とR 2 、R 3 とR 4 、R 5 とR 6 は、それぞれ結合して環を形成していてもよい。)
を表す。〕
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、陰極と発光層の間に、前記一般式(I)で表され、かつガラス転移温度(Tg)が80℃以上、より好ましくは100℃以上の化合物を含む層を有することを特徴とする。Tgが80℃未満の場合、この様な化合物を含む層は耐熱性が低く、素子駆動時の発熱等による温度上昇で結晶化や凝集等を起こして層が劣化するため、素子の駆動寿命低下の一因となる。
【0015】
一般式(I)において、Ar1 〜Ar3 として好ましくは、各々独立して、フェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素環基、またはピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基などの芳香族複素環基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。製造の容易さの点からは、芳香族複素環基より芳香族炭化水素環基の方が好ましいと考えられる。
【0016】
前記置換基としてはフッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。これらのうち特に好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基および炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、最も好ましくはメチル基およびメトキシ基が挙げられる。
一般式(I)において、好ましくは環Aが
【0017】
【化7】
Figure 0003903645
【0018】
(式中、R1 〜R6 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、水酸基、アミド基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、これらは更に置換されていてもよい。なお、R1 とR2 、R3 とR4 、R5 とR6 は、それぞれ結合して環を形成していてもよい。)で表される。
【0019】
1 〜R6 として、より具体的には、各々独立して、水素原子;フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンゼンスルホニル基等のアリールスルホニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アミド基;ジメチルアミド基、ジエチルアミド基等のアルキルアミド基;ベンジルアミド基、ジベンジルアミド基等のアリールアミド;アセチル基等のアシル基;シアノ基;カルボキシル基;水酸基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素環;カルバゾリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基などの芳香族複素環等が挙げられ、これらは更に置換基されていても良い。
【0020】
前記置換基としてはフッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。これらのうち特に好ましくは、メチル基、フェニル基、メトキシ基が挙げられる。
【0021】
尚、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 は、それぞれ結合して環を形成していてもよい。この場合、形成される環として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の8−ヒドロキシキノリン誘導体からなる配位子として、特に好ましいのは、R1 の位置に各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を有するもの、中でも
【0022】
【化8】
Figure 0003903645
【0023】
であり、またはR1 およびR3 の位置に各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を有するもの、中でも
【0024】
【化9】
Figure 0003903645
【0025】
である。
一般式(I)で表される化合物は、例えば下記一般式(II)
【0026】
【化10】
Figure 0003903645
【0027】
で表される化合物を、トルエン中アルミニウムイソプロポシキシドと室温で攪拌し、下記一般式(III )
【0028】
【化11】
Figure 0003903645
【0029】
を添加した後、還流攪拌することにより得られる。
以下に、前記一般式で表される化合物の具体例をしめすが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0030】
【表1】
Figure 0003903645
【0031】
【表2】
Figure 0003903645
【0032】
【表3】
Figure 0003903645
【0033】
以下、本発明の有機電界発光素子について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、8は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0034】
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔輸送層への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。 陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末を、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
【0035】
陽極2は異なる材料からなる層を積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常5〜1000nm、 好ましくは10〜500nm 程度である。不透明でよい場合は、陽極2は基板1と同じ厚みでもよい。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0036】
陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度(Tg)として85℃以上の値を有する材料が望ましい。
【0037】
このような正孔輸送材料としては、例えば、1,1-ビス(4-ジ-p- トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、4,4'- ビス[N-(1-ナフチル)-N- フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774 号)、N,N'- ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)ビフェニル-4,4'-ジアミン、ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公報)、チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平4−304466号公報)、スターバースト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5− 25473号公報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562号公報)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公報)、シラザン化合物(米国特許第 4,950,950号公報)、シラナミン誘導体(特開平6− 49079号公報)、ホスファミン誘導体(特開平6− 25659号公報)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよい。
【0038】
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾールやポリシラン、ポリフォスファゼン(特開平5−310949号公報)、ポリアミド(特開平5−310949号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7− 53953号公報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分子(特開平4−133065号公報)、芳香族アミンを含有するポリメタクリレート等の高分子材料が挙げられる。
上記の正孔輸送材料を塗布法あるいは真空蒸着法により前記陽極2上に積層することにより正孔輸送層4を形成する。
塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種または2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥することにより正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。
【0039】
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極が形成された基板1上に蒸着させることにより正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚は、通常10〜300nm 、好ましくは30〜100nm である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極から注入されて正孔輸送層4中を移動する正孔と、陰極から注入されて正孔阻止層6中を移動する電子との再結合により励起されて強い発光を示す蛍光性化合物より形成される。
【0040】
発光層5に用いられる蛍光性化合物としては、安定な薄膜形状を有し、固体状態で高い蛍光収率を示し、正孔および/または電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。さらに電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
【0041】
このような条件を満たす材料としては、テトラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭57− 51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10- ヒドロキシベンゾ[h] キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、混合配位子型アルミニウム錯体(J. SID, 5巻, 11頁, 1997年)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公報)、ペリノン誘導体(特開平2−289676号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報)、ジスチリルアリーレン誘導体(Appl. Phys.Lett., 67巻、3853頁、1995年)、希土類錯体(特開平1−256584号公報)、ジスチリルピラジン誘導体(特開平2−252793号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号公報、同3− 791号公報)、クマリン化合物(特開平2−191694号公報、同3− 792号公報)、p−フェニレン化合物(特開平3− 33183号公報)、チアジアゾロピリジン誘導体(特開平3− 37292号公報)、ピロロピリジン誘導体(特開平3− 37293号公報)、ナフチリジン誘導体(特開平3−203982号公報)シロール誘導体(ディスプレイアンドイメージング、5巻、 317頁、1997年)などが挙げられる。
【0042】
また、前述の正孔輸送層材料のうち、蛍光性を有する芳香族アミン系化合物も発光層材料として用いることが出来る。
発光層5の膜厚は、通常3 〜200 nm、好ましくは5 〜100 nmである。
発光層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、発光層材料である蛍光性化合物、例えば8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が提案されている。このドーピング手法は、本発明の有機電界発光素子における発光層5にも適用でき、ドープ用材料としては、クマリン以外にも各種の蛍光色素が使用できる。青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM等のベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
【0043】
上記のドープ用蛍光色素以外にも、ホスト材料に応じて、レーザー研究,8巻, 694頁, 803頁, 958頁(1980年);同9巻,85頁(1981年)、に列挙されている蛍光色素が発光層用のドープ材料として使用することができる。
ホスト材料に対して上記蛍光色素がドープされる量は、10-3〜10重量%が好ましい。
上述の蛍光色素を発光層のホスト材料にドープする方法を以下に説明する。
塗布の場合は、前記発光層ホスト材料と、ドープ用蛍光色素、さらに必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならないバインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調整し、スピンコート法などの方法により正孔輸送層4上に塗布し、乾燥して発光層5を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔/電子移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、50重量%以下が好ましい。
【0044】
真空蒸着法の場合には、前記ホスト材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、ドープする蛍光色素を別のるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-6Torr程度にまで排気した後、各々のるつぼを同時に加熱して蒸発させ、るつぼと向き合って置かれた基板上に層を形成する。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で混合したものを同一のるつぼを用いて蒸発させてもよい。
上記各ドーパントが発光層中にドープされる場合、通常発光層の膜厚方向において均一にドープされるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層4との界面近傍にのみドープしたり、逆に、正孔阻止層6との界面近傍にドープしてもよい。
【0045】
発光層5の上には、前述の一般式(I)で表される化合物を含む、正孔阻止層6が設けられる。正孔阻止層6とは、発光層5の陰極側の界面に接するように設けられた層のことであり、正孔輸送層4から移動してくる正孔が、発光層5を通り抜けて陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極8から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割を果たすことができる化合物により形成される。また、発光層5で再結合による生成するエキシトンを発光層内に閉じこめるために、発光層材料よりは広いバンドギャップを有することが必要である。この場合のバンドギャップは、電気化学的に決定される酸化電位−還元電位の差、または、光吸収端から求められる。正孔阻止層は電荷キャリアとエキシトンの両方を発光層内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。
【0046】
前記一般式(I)で表される化合物は、高融点かつ広い光学的バンドギャップを有するため、このような条件を充分に満たし、正孔阻止層材料として特に有用である。一般式(I)で表される化合物を正孔阻止層に用いることで、発光色の純度、耐熱性が大幅に改善された。
正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3 〜 100nm、好ましくは 0.5〜50nmである。正孔阻止層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
【0047】
陰極8は、正孔阻止層6に電子を注入する役割を果たす。陰極8として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料と同様のものを挙げることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。さらに、陰極と発光層または電子輸送層の界面にLiF 、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(0.1 〜5nm )を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70 巻,152 頁,1997年;特開平10− 74586号公報;IEEETrans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。陰極8の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0048】
図1の構成の素子では、正孔輸送層4は陽極2から正孔を受けとる(正孔注入)機能と、受けとった正孔を発光層5へ運ぶ(正孔輸送)機能を果たしており、正孔阻止層6は、発光層5中で電子と再結合しなかった正孔が、陰極側へ抜けてしまうのを阻止する(正孔阻止)機能の他に、陰極8から受け取った電子を発光層5へ運ぶ(電子輸送)機能をも果たしている。
しかし本発明の素子の、更なる発光特性や駆動安定性の向上のために、例えば図2に示す様に、正孔阻止層6と陰極8の間に電子輸送層7を設けたり、図3に示す様に陽極2と正孔輸送層4の間に陽極バッファ層3を設けるなど、機能毎に層を分ける構造、すなわち機能分離型の素子にすることも可能である。
【0049】
なお図2に示す構造の機能分離型素子において、本発明の一般式(I)で表される化合物を含む層を電子輸送層7の位置に設け、正孔阻止層6は別途設けてもよい。しかし前述したように、一般式(I)で表される化合物は高融点かつ広いバンドギャップを有するため、正孔阻止層6の材料として用いた方が、その長所がより有効に働くため好ましい。
図2に示すように、正孔阻止層6と陰極8の間に電子輸送層7を設けることにより、素子の発光効率をさらに向上させることが可能である。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく正孔阻止層6の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層は、発光層での再結合により生成するエキシトンが拡散して陰極8で消光されるのを防ぐ効果を有する。
【0050】
電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10- ヒドロキシベンゾ[h] キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3-または5-ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'- ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。電子輸送層6の膜厚は、通常、5 〜200nm 、好ましくは10〜100 nmである。
【0051】
電子輸送層6は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
また図3に示す様に、陽極バッファ層3を設けることにより陽極2と正孔輸送層4のコンタクトが向上し、陽極2からの正孔注入がスムーズになるため、素子の駆動電圧の低下と駆動安定性の向上を図ることができる。陽極バッファ層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移温度としては 100℃以上が要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
【0052】
この目的のために、これまでにポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバスト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ヒドラゾン化合物(特開平4−320483号公報)、アルコキシ置換の芳香族ジアミン誘導体(特開平4−220995号公報)、p-(9-アントリル)-N,N- ジ-p- トリルアニリン(特開平3−111485号公報)、ポリチエニレンビニレンやポリ−p−フェニレンビニレン(特開平4−145192号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64 巻,1245 頁, 1994年参照)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a-SY-9,1996年)が報告されている。
上記陽極バッファ層材料としてよく使用される化合物としては、ポルフィリン化合物またはフタロシアニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金属を有していてもよいし、無金属のものでもよい。好ましいこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる:
【0053】
ポルフィン
5,10,15,20- テトラフェニル-21H,23H- ポルフィン
5,10,15,20- テトラフェニル-21H,23H- ポルフィンコバルト(II)
5,10,15,20- テトラフェニル-21H,23H- ポルフィン銅(II)
5,10,15,20- テトラフェニル-21H,23H- ポルフィン亜鉛(II)
5,10,15,20- テトラフェニル-21H,23H- ポルフィンバナジウム(IV)オキシド
5,10,15,20- テトラ(4-ピリジル)-21H,23H- ポルフィン
29H,31H-フタロシアニン
銅(II)フタロシアニン
亜鉛(II)フタロシアニン
チタンフタロシアニンオキシド
マグネシウムフタロシアニン
鉛フタロシアニン
銅(II)4,4',4'',4'''-テトラアザ-29H,31H- フタロシアニン
【0054】
陽極バッファ層3も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。この様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚は、通3 〜100nm 、好ましくは10〜50nmである。
尚、図1とは逆の構造、すなわち、基板上に陰極8、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2および図3に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
【0055】
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。 本発明の有機電界発光素子によれば、高い融点を有する特定の骨格を有する化合物を正孔阻止層に用いているため、素子の耐熱性が向上し、色純度のよい青色発光を得ることも可能となり、フルカラーあるいはマルチカラーの青色のサブ画素として機能するばかりでなく、蛍光変換色素と組み合わせることによりフルカラー表示素子を作製することも可能である。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
合成例1
(表−1中の例示化合物(1 )の合成)
8-ヒドロキシキナルジン0.2g、アルミニウムイソプロポキシド0.25gをトルエン300ml に溶かし、室温で10分攪拌した。トリ(オルトートリル)シラノールを0.2gのトルエン10mlに溶かした溶液を滴下後、3 時間還流攪拌した。反応終了後、放冷し、生じた白色沈殿をトルエンで洗浄し、乾燥後、昇華精製を行い、0.23gの白色粉末を得た(収率56%)。この化合物の質量分析を行ったところ、分子量が 660であり目的化合物であることを確認した。この化合物(1)の粉末試料についてセイコーインスツルメンツ(株)社製TG/DTA-320により示差熱分析測定したところ、融点は 297℃と高い値を示した。また、セイコーインスツルメンツ(株)社製DSC-20により示差走査熱量測定したところ、Tg(ガラス転移温度)は 103℃と高い値を示した。
【0057】
合成例2
(表−1中の例示化合物(14)の合成)
2,4-ジメチル8-ヒドロキシキノリノール1.2g、アルミニウムイソプロポキシド0.8 gをトルエン300ml に溶かし、室温で10分攪拌した。トリフェニルシラノールを0.2gのトルエン10mlに溶かした溶液を滴下後、2 時間還流攪拌した。反応終了後、放冷し、生じた白色沈殿をトルエンで洗浄し、乾燥後、昇華精製を行い、0.63gの白色粉末を得た(収率23%)。この化合物の質量分析を行ったところ、分子量が 660であり目的化合物であることを確認した。この化合物(14)の粉末試料についてセイコーインスツルメンツ(株)社製TG/DTA-320により示差熱分析測定したところ、融点は 297℃と高い値を示した。また、セイコーインスツルメンツ(株)社製DSC-20により示差走査熱量測定したところ、Tg(ガラス転移温度)は 86 ℃と高い値を示した。
【0058】
実施例1
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が1.6 ×10-6Torr(約2.1 ×10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
正孔輸送層4の材料として、下記に示す構造式の4,4'- ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(H−1)
【0059】
【化12】
Figure 0003903645
【0060】
をセラミックるつぼに入れ、るつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、252 〜284 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は1.4 ×10-6Torr(約1.8 ×10-4Pa)で、蒸着速度0.1nm /秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
次に、発光層5の材料として、下記に示す構造式の4,4'- ビス[N-(9-フェナントリル)-N- フェニルアミノ]ビフェニル(EM−1)
【0061】
【化13】
Figure 0003903645
【0062】
を上記正孔輸送層4の上に同様にして蒸着を行なった。この時のるつぼの温度は267 〜282 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は1.1 ×10-6Torr(約1.4 ×10 -4 Pa)で、蒸着速度0.1nm /秒で、膜厚は30nmであった。
次に、正孔阻止層6の材料として、合成例1にて得られた例示化合物(1)を発光層5の上に蒸着を行なった。正孔阻止層形成時のるつぼの温度は257 〜280 ℃の範囲で制御し、真空度は2.6 ×10-6Torr(約3.5 ×10-4Pa)で、蒸着速度0.2nm /秒で、膜厚は20nmであった。
続いて、電子輸送層7の材料として以下に示すアルミニウムの8−ヒドキシキノリン錯体(E−2)
【0063】
【化14】
Figure 0003903645
【0064】
を上記正孔阻止層の上に同様にして蒸着を行った。この時のるつぼの温度は313 〜328 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は1.0 ×10-7Torr(約1.3 ×10-4Pa)で、蒸着速度0.1nm /秒で、膜厚は25nmであった。
上記の正孔輸送層4から電子輸送層7までを真空蒸着により形成する時の、基板温度は室温に保持した。
【0065】
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置し、有機層と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7 ×10-4Pa)以下になるまで排気した。
陰極8として、先ず、フッ化マグネシウム(MgF2)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.1nm /秒、真空度6.0 ×10-6Torr(約8.0 ×10-4Pa)で、1.5nm の膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度 0.4nm/秒、真空度1.0 ×10-5Torr(約1.3 ×10-3Pa)で膜厚40nmのアルミニウム層を形成した。
【0066】
さらに、その上に、陰極の導電性を高めるために銅を、同様にモリブデンボートを用いて加熱して、蒸着速度 0.5nm/秒、真空度8.0 ×10-6Torr(約1.1 ×10-3Pa)で膜厚40nmの銅層を形成して陰極8を完成させた。以上の3層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0067】
以上の様にして、 2mm×2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性を表−2に示す。表−2において、発光輝度は250mA /cm2 の電流密度での値、発光効率は 100cd/m2での値、輝度/電流は輝度−電流密度特性の傾きを、電圧は 100cd/m2での値を各々示す。またELスペクトルのピーク極大波長とCIE色度座標値(JIS Z8701 )を表−3に示す。この素子は長期間保存後も、駆動電圧の顕著な上昇はみられず、発光効率や輝度の低下もなく、安定した素子の保存安定性が得られた。
【0068】
実施例2
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2.2 ×10-6Torr(約1.6 ×10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
【0069】
正孔輸送層4の材料として、実施例1と同じく4,4'- ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(H- 1)をセラミックるつぼに入れ、るつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、270 〜268 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は1.8 ×10-6Torr(約1.3 ×10-4Pa)で、蒸着速度0.1nm /秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
次に、発光層5の材料としても、実施例1と同じく4,4'- ビス[N-(9-フェナントリル)-N- フェニルアミノ]ビフェニル(EM- 1)を上記正孔輸送層4の上に同様にして蒸着を行なった。この時のるつぼの温度は271 〜280 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は4.0 ×10-6Torr(約3.0 ×10-4Pa)で、蒸着速度 0.1nm/秒で、膜厚は30nmであった。
【0070】
次に、正孔阻止層6の材料として、合成例2にて得られた例示化合物(14)を発光層5の上に蒸着を行なった。正孔阻止層形成時のるつぼの温度は 243〜252 ℃の範囲で制御し、真空度は1.2 ×10-6Torr(約1.0 ×10-4Pa)で、蒸着速度 0.2nm/秒で、膜厚は20nmであった。
続いて電子輸送層7の材料として、実施例1と同じアルミニウムの8−ヒドリキシキノリン錯体(E- 2)を上記正孔阻止層の上に同様にして蒸着を行った。この時のるつぼの温度は292 〜304 ℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度は1.0 ×10-7Torr(約1.3 ×10-4Pa)で、蒸着速度0.1nm /秒で、膜厚は25nmであった。
【0071】
上記の正孔輸送層4から電子輸送層7までを真空蒸着にて形成する時の、基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2 ×10-6Torr(約2.7 ×10-4Pa)以下になるまで排気した。
【0072】
陰極8として、先ず、フッ化マグネシウム(MgF2)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.1nm /秒、真空度6.0 ×10-6Torr(約8.0 ×10-4Pa)で、1.5nm の膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度 0.4nm/秒、真空度1.0 ×10-5Torr(約1.3 ×10-3Pa)で膜厚40nmのアルミニウム層を形成した。さらに、その上に、陰極の導電性を高めるために銅を、同様にモリブデンボートを用いて加熱して、蒸着速度 0.5nm/秒、真空度8.0 ×10-6Torr(約1.1 ×10-3Pa)で膜厚40nmの銅層を形成して陰極8を完成させた。以上の3層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0073】
以上の様にして、 2mm×2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性を表−2に示す。表−2において、発光輝度は250mA /cm2 の電流密度での値、発光効率は 100cd/m2での値、輝度/電流は輝度- 電流密度特性の傾きを、電圧は 100cd/m2での値を各々示す。ELスペクトルのピーク極大波長とCIE色度座標値(JIS Z8701 )を表−3に示す。
この素子は長期間保存後も、駆動電圧の顕著な上昇はみられず、発光効率や輝度の低下もなく、安定した素子の保存安定性が得られた。また、温度60℃、湿度90% の条件で96時間放置後も、発光特性の変化は実用上問題とならないものであった。
【0074】
比較例1
正孔阻止層を設けず、電子輸送層の膜厚を45nmとした他は実施例1と同様に素子を作製した。この素子の発光特性を表−2に示す。目的とする青色発光は得られず、電子輸送層として用いたアルミニウムの8−ヒドリキシキノリン錯体からの緑色発光が観測された。
比較例2
正孔阻止層として、以下の構造式に示すビス(2-メチル-8- キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム
【0075】
【化15】
Figure 0003903645
【0076】
(Tg=74℃)を用いた他は、実施例1と同様にして素子を作製した。実施例1 とこの素子の色度座標を表−3にしめす。実施例1 は比較例2 と比較して色純度のよい青色発光を示した。
【0077】
【表4】
Figure 0003903645
【0078】
【表5】
Figure 0003903645
【0079】
【発明の効果】
発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)やマルチカラー表示素子、あるいは面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特に、高耐熱性が要求される車載用、屋外用表示素子としては、その技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式断面図。
【図2】本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【図3】本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (2)

  1. 少なくとも、基板上に陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、発光層の陰極側の界面に接する位置に、下記一般式(I)で表され、かつガラス転移温度(Tg)が80℃以上である化合物を少なくとも1種含む層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 0003903645
    〔式中、Ar1 〜Ar3 は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Aは下記構造で示される環
    Figure 0003903645
    (式中、R1 およびR3 は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R2 およびR4 〜R6 は水素原子を表す。)
    を表す。〕
  2. 少なくとも、基板上に陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、発光層の陰極側の界面に接する位置に、下記一般式(I)で表され、かつガラス転移温度(Tg)が80℃以上である化合物を少なくとも1種含む層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 0003903645
    〔式中、Ar1 〜Ar3 は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Ar1 〜Ar 3 少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有し、Aは下記構造で示される環
    Figure 0003903645
    (式中、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R2 〜R6 は水素原子を表す。)
    を表す。〕
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