JP5445629B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フラットディスプレーの表示装置や電子写真複写機、プリンター等の光源、照明等に使用される有機EL素子の製造方法に関する。
有機EL素子は、蛍光性もしくはリン光性の有機化合物を含む薄膜を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能であり、自己発光型であるために視野角依存性に富み、視認性が高く、更には薄膜型の完全固体素子であるために省スペース等の観点から注目され、実用化研究への展開が開始されている。
近年、従来の有機ELの効率を遙かにしのぐリン光発光の有機EL素子がS.R.Forrestらにより見いだされている(非特許文献1)。また、C.Adachiらが報告しているように60lm/Wにもおよぶ視感度効率を出す性能を有するものもあり(非特許文献2)、この様な素子はディスプレーへの応用や、照明への応用に期待され、有機EL素子の大型化、さらに大量生産の可能性が考えられる。
S.R.Forrest et al.Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4−6 C.Adachi et al.J.Appl.Phys.,90,5048(2001)
通常、有機EL素子は、10-4Pa以下というような高真空を用いた真空蒸着法で有機層を形成しているが、今後、有機EL素子の大型化や大量生産される可能性を考えると、真空蒸着法による有機層の形成は生産効率及び製造コストの面で好ましくない。
また、ドーパントを真空蒸着法により発色層に含有させる場合には、蒸着の際に基板上でドーパントのムラが生じてしまい、これが発色光のムラの原因となり品質を低下させてしまう問題がある。これは有機EL素子を大型化する場合にはより顕著な問題となる。さらに、複数のドーパントを含有させる場合は、技術的にも困難となる。
有機EL素子の有機層の形成においては、現在の真空蒸着法に代わる方法として、ウェットプロセスによる有機層の形成が注目されている。
しかしながら、ウェットプロセスでの有機層の形成においては、有機化合物の種類によっては、層の形成時に結晶化してしまうものもあり、この場合には外部取り出し効率や視感度効率等を劣化させてしまい、有機EL素子の品質を低下させてしまう。
また、外部取り出し効率等に優れた高品質の有機EL素子の有機層に用いる有機化合物は高純度な有機化合物である必要がある。通常は有機化合物を昇華精製を行ってから用いているのであるが、分子量の大きいものは昇華精製を行うことができず再沈にて精製を行うのであるが、それだけでは十分に精製が行えていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高品質の有機EL素子を簡易に製造し、製造コストを抑え、有機EL素子の大型化が可能な有機EL素子の製造方法を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下により達成された。
(1)対向する電極間に少なくとも発光層を含む有機層を有する有機EL素子の製造方法において、前記有機層の少なくとも1層を、昇華精製を行ったガラス転移温度が80〜250℃の種以上の有機化合物を用いてウェットプロセスで形成する有機EL素子の製造方法であって、該有機化合物の少なくとも一種が前記一般式(1)〜(8)で表される化合物であり、且つ該有機化合物の他の少なくとも一種が前記構造を有するIr(ppy) またはFIr(pic)であることを特徴とする有機EL素子の製造方法
本発明によって、高品質の有機EL素子を簡易に製造し、製造コストを抑え、有機EL素子の大型化が可能な有機EL素子の製造方法を提供することができた。
本発明者らは、ガラス転移温度が80〜250℃である有機化合物はウェットプロセスで有機EL素子の有機層の層形成を行っても結晶化がしにくいことを発見した。従って本発明者らは、この有機化合物を昇華精製してからウェットプロセスにて形成した層を有する有機EL素子は、高品質で有機EL素子の製造が容易であり、かつ製造コストが抑えられ、大型化が可能であることを見出した。
本発明において、有機EL素子は、対向する電極間に少なくとも発光層を含む有機層を有する構成をしている。ただし、対向する電極間には、有機層以外の層(例えばフッ化リチウム層や無機金属塩の層、またはそれらを含有する層など)が任意の位置に配置されていてもよい。
本発明において、有機層は、有機化合物を含有する層のことをいい、対向する一対の電極から注入された電子及び正孔が再結合して発光する領域(発光領域)を有する発光層を有する。
前記発光領域は、発光層の層全体であってもよいし、発光層の厚みの一部分であってもよい。
本発明の有機EL素子のウェットプロセスで形成した層に用いられる有機化合物は、ガラス転移温度が80〜250℃であり、昇華精製が行われた有機化合物である。
ガラス転移温度(Tg)とは、示差走査熱量測定法(DSC)で測定した値である。
ガラス転移温度が80〜250℃である有機化合物は、ウエットプロセスで層形成しても、基板上で結晶化しにくいので、この有機化合物を用いることで外部取り出し量子効率や視感度効率等が高く品質のよい有機EL素子とすることが可能となる。
本発明に用いられる有機化合物の少なくとも一種は下記一般式(1)〜(8)で表される化合物である
Figure 0005445629
〔式中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有しても良い、アリール環またはヘテロアリール環を表す。nは2〜6の整数である。
置換基には、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロ環基(例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラザン、ピリジン)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、カルボニル基等が挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよく、前記置換基としては、ハロゲン原子、水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられる。またこれらは任意の置換基を複数個それぞれ独立に有していてもよく、その複数の置換基が互いに結合してさらに環を形成してもよい。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Dは置換基にArを有する窒素原子又は硫黄原子又は酸素原子である。nは2〜6の整数である。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Aは窒素原子又はリン原子又はホウ素原子を表す。nは2又は3の整数である。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Bは置換基にArを有する窒素原子又は酸素原子である。Bは炭素原子又は酸素原子である。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
Figure 0005445629
〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。nは1〜3の整数である。〕
以下に一般式(1)〜(8)の化合物例を示すがこれに限られるものではない。
Figure 0005445629
Figure 0005445629
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本発明において、有機層は、その機能によって大きくは正孔輸送層と電子輸送層に分類することができる。さらに細かく機能分類すると、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層等がある。
本発明において、対向する一対の電極および有機層の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
(i)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子輸送型発光層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送型発光層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送層/電子注入層
(vii)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送層/陰極
(viii)陽極/正孔輸送型発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ix)陽極/正孔注入層/正孔輸送型発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
上記において、正孔輸送型発光層および電子輸送型発光層が本発明における発光層に該当する。
本発明の有機EL素子の対向する電極は、上記の陰極、陽極となるが、陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)など非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いても良い。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウムなどが好適である。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
次に、注入層、正孔輸送層、電子輸送層等について説明する。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、および、陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。 陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層、正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si,p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、本発明においてはリン光ドーパントを含有する発光層に隣接してなる正孔輸送層の正孔輸送材料の励起3重項エネルギーは、リン光ドーパントの励起3重項エネルギーより大きいことが好ましい。つまり、発光層に隣接する正孔輸送層の正孔輸送材料は、正孔輸送能を有しつつかつ、大きい励起活性エネルギーを有し、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
このような有機化合物は具体的な一例としてはπ電子平面を立体障害等の効果により非平面的することで得られる。例としてはトリアリールアミンのアリール基のオルト位(窒素原子から見た)に立体障害性の置換基を導入することが挙げられる。これによりねじれ角を増強される。即ち、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、ナフチル基のペリ位水素原子等の立体障害のある置換基を有機化合物内に効果的に配置することにより、高Tg正孔輸送化合物のTgを下げることなく、多少の正孔輸送能の低下が見られるが短波長発光を有する正孔輸送化合物が得られる。但し、置換基は上記に限定するものではない。
また、芳香環に共役する基を導入する場合に非共役する位に導入する(例えば、トリフェニルアミンの場合フェニル基のメタ位)ことでも得られる。
このように立体障害置換基を有する正孔輸送材料及び非共役型正孔輸送材料の化合物例を以下に挙げるがこれに限定されるものではない。
Figure 0005445629
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この正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であっても良い。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
電子輸送材料としては、特に制限はなく、従来のEL素子の電子輸送材料に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
この電子輸送材料の例としては、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料、電子注入材料として用いることができる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また金属錯体を用いることもできる。
また、本発明においてはリン光ドーパントを含有する発光層に隣接してなる電子輸送層の電子輸送材料の励起3重項エネルギーは、リン光ドーパントの励起3重項エネルギーより大きいことが好ましい。つまり、発光層に隣接する電子輸送層の電子輸送材料は、電子輸送能を有しつつかつ、大きい励起活性エネルギーを有し、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
このような有機化合物は具体的な一例としてはπ電子平面を立体障害等の効果により非平面的することで得られる。例としてはトリアリールアミンのアリール基のオルト位(窒素原子から見た)に立体障害性の置換基を導入することが挙げられる。これによりねじれ角を増強される。
すなわち、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、ナフチル基のペリ位水素原子等の立体障害のある置換基を有機化合物内に効果的に配置することにより、高Tg電子輸送化合物のTgを下げることなく、多少の電子輸送能の低下が見られるが短波長発光を有する電子輸送化合物が得られる。但し、置換基は上記に限定するものではない。
また、芳香環に共役する基を導入する場合に非共役する位に導入する(例えば、トリフェニルアミンの場合フェニル基のメタ位)ことでも得られる。
このように立体障害置換基を有する電子輸送材料および非共役型電子輸送材料の化合物例として、先に挙げた2−7〜2−11(4−1〜4−5とする)、2−12(4−9)、2−13(4−10)や、以下のものが挙げられるがこれに限定されるものではない。
Figure 0005445629
この電子輸送層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子輸送層、電子注入層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は0.1nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子輸送層、電子注入層は、これらの電子輸送材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
本発明に係る有機EL素子において、有機化合物薄膜を構成する全材料のそれぞれのTgは、100℃以上であることが、有機EL素子の寿命を延ばすことになり好ましい。また、有機EL素子自体にフレキシブル性を与えることになる。Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)により測定される。
正孔輸送層、電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
本発明に係る有機EL素子は、有機層の少なくとも1層が、ガラス転移温度が80〜250℃であり昇華精製した有機化合物を2種以上用いてウェットプロセスで形成した層である。これにより、ウェットプロセスでの層形成時に有機化合物が結晶化するのをより一層抑えることができるようになり、一段と高品質の有機EL素子とすることができる。
本発明の有機EL素子においては、ウェットプロセスで形成した層に隣接する有機層を有する場合は、ウェットプロセスで用いた溶媒は、該隣接する有機層に含有される有機化合物を溶解しにくい溶媒を用いることが好ましい。
このようにすることで、先に形成した有機層の上にウェットプロセスで有機層を形成するような場合に、ウェットプロセス時に用いる溶媒が、先に形成した有機層の有機化合物を溶解してしまうことを防止し、より品質の高い有機EL素子を提供することができる。
このような条件に当てはまる溶媒を選択するのには、溶解度パラメータ等を参照することができる。
本発明の有機EL素子においては、有機層として、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の3層を有することが好ましく、これにより、高品質な有機EL素子を提供することができる。
本発明に係る有機EL素子においては、有機層全てがガラス転移温度が80〜250℃であり昇華精製した有機化合物を用いてウェットプロセスにて形成した層であることが好ましい。このような有機EL素子は、より高品質であり、有機EL素子を簡易に製造することができ、コストも削減でき、大型化も可能となる。
本発明において、発光層はドーパント及びホストを有することが好ましい。これにより輝度、視感効率、及び外部取り出し効率等を向上させることができ品質を高めることができる。
ホストとドーパントとは、発光層を2種類以上の化合物から構成し、前記2種以上の化合物の混合比(質量)で多い方がホストであり、少ない方がドーパントである。例えば発光層をA化合物、B化合物という2種で構成しその混合比がA:B=10:90であればA化合物がドーパントであり、B化合物がホストである。
更に発光層をA化合物、B化合物、C化合物の3種から構成しその混合比がA:B:C=5:10:85であればA化合物、B化合物がドーパントであり、C化合物がホストである。
ドーパントの混合比は好ましくは質量で0.001%以上50%未満であり、ホストの混合比は好ましくは質量で50%以上100%未満である。
次にドーパントについて述べる。
原理としては2つ挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをドーパントに移動させることでドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはドーパントがキャリアトラップとなり、ドーパント化合物上でキャリアの再結合が起こりドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、ドーパント化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
また、エネルギー移動型ではエネルギー移動をしやすい条件として、ホストの発光とドーパントの吸収の重なり積分が大きい方が良い。キャリアトラップ型ではキャリアトラップしやすいエネルギー関係であることが必要である。例えば電子のキャリアトラップはホストの電子親和力(LUMOレベル)よりもドーパントの電子親和力(LUMOレベル)の方が大きい必要がある。逆に正孔のキャリアトラップはドーパントのイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)よりもドーパントのイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)が小さい必要がある。
これらのことから、ドーパントには色純度を含めた発光色と発光効率からドーパント化合物の選択が可能で、ホスト化合物はキャリア輸送性が良く、更に上記のエネルギー関係を満たすものから選ばれる。
発光層のドーパントは、有機EL素子のドーパントとして使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができるが、蛍光発光又はリン光発光する有機化合物または錯体であることが好ましい。
蛍光を発するドーパントとしてはレーザー色素に代表される蛍光量子収率が高い化合物が好ましい。
本発明においては、発光層にリン光発光するドーパントを含有させることが特に好ましく、これにより、より、輝度、視感効率、及び外部取り出し効率を高くすることができ、照明としても十分利用できるようになる。
リン光発光するドーパントとしては室温でリン光発光可能な化合物、例えばイリジウム錯体、白金錯体、ユーロピウム錯体が望ましいがこれに限定されない。
本発明においてはリン光発光するドーパントとして、昇華精製を行ったガラス転移温度が80〜250℃の2種以上の有機化合物の少なくとも一種が、Ir(ppy) またはFIr(pic)である。
以下にドーパント材料を挙げるがこれに限定されるものではない。
Figure 0005445629
Figure 0005445629
Figure 0005445629
本発明においては、発光層を白色又は青色に発光させることが好ましい。
有機EL素子の発光層を白色に発光させることにより、照明としても十分利用できるようになる。
有機EL素子の発光層を白色に発光させることにより、フィルター等を用いて赤色、緑色、青色に変換することが可能となり、有機EL素子でのフルカラー化を容易に行うことができる。
特に、本発明の有機EL素子でリン光ドーパントを用いる場合、ホストの3重項エネルギー準位は、ドーパントの3重項エネルギー準位より大きいことが好ましい。これにより、ホストによるドーパントのリン光発光の妨害を防止することができるので、輝度、視感効率、及び外部取り出し効率を高くすることができ、品質をより高めることができる。
本発明に用いることができるホストとしては、特に制限はなく、従来有機EL素子で用いられる化合物を用いることができるが、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつかつ、大きい励起3重項エネルギーを有し、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
このような有機化合物は、例えばπ電子平面を立体障害等の効果により非平面的にすることで得られる。例としてはトリアリールアミンのアリール基のオルト位(窒素原子から見た)に立体障害性の置換基を導入することが挙げられる。これによりねじれ角を増強される。即ち、メチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、ナフチル基のペリ位水素原子等、立体障害のある置換基を有機化合物内に効果的に配置することにより、高Tg正孔輸送化合物、高Tg電子輸送化合物のTgを下げることなく、多少の正孔輸送能、電子輸送能の低下が見られるが短波長発光を有する発光材料が得られる。但し、置換基は上記に限定するものではない。
また、芳香環に共役する基を導入する場合に非共役する位に導入する(例えば、トリフェニルアミンの場合フェニル基のメタ位)ことでも得られる。
このように立体障害置換基を有する発光材料、非共役型発光材料の化合物例を以下に挙げるがこれに限定されるものではない。
Figure 0005445629
Figure 0005445629
Figure 0005445629
Figure 0005445629
Figure 0005445629
本発明において、ウェットプロセスは、有機層の形成において、溶媒に有機化合物を溶解した溶液を用いて有機層を形成する方法をいう。具体的には、塗布(スピンコート、グラビアコート、リバースコート、多層塗布)、インクジェット、印刷等の方法が挙げられる。従って、真空蒸着法のように有機化合物を溶媒に溶解した溶液を用いずに有機層を形成する方法はウェットプロセスには含まれない。
本発明において、特に好ましいウェットプロセスにはインクジェット、多層塗布が挙げられる。
本発明に係る有機EL素子は基体を有していてもよく、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はないが、好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基体は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物もしくは有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていても良い。
またカラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても良い。
このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレー、各種発光光源として用いることができる。
また、表示デバイス、ディスプレーにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレーとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用しても良く、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでも良い。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明に係る有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いても良い。
このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、レーザー発振をさせることにより、上記用途に使用しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例
1.基材及び溶液1〜8の調製
50μm×50μmのガラス基板上の中央部分にITOを膜厚100nmで30μm×50μmとなるように蒸着した。
また、化合物38、19、44、TPB、Ir(ppy)、FIr(pic)、CBP、BC、Alq、BtpIr(acac)を1×10−3Pa以下の圧力で下記温度にて昇華精製した。なお、昇華精製方法はzone sublimed法に従って行った。 化合物38:340℃
化合物19:280℃
化合物44:280℃
TPB:310℃
Ir(ppy):280℃
FIr(pic):310℃
CBP:260℃
BC:250℃
Alq:320℃
BtpIr(acac):320℃
Figure 0005445629
Figure 0005445629
表1に示すようにドーパント、ホスト、溶媒を混合して溶液1〜8を調製した。
Figure 0005445629
2.有機EL素子の作製
(1)有機EL素子1の作製
基板上のITO蒸着部分にスピンコート法で溶液1を塗布し、厚さ100nmの有機層を形成し、真空下60℃にて1時間真空乾燥を行った。
その後、厚さ0.5nmのLiFの層と、厚さ100nmのAlの層とを順に真空蒸着にて形成し有機EL素子1を作製した。
(2)有機EL素子2の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液2に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子2を作製した。
(3)有機EL素子3の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液3に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子3を作製した。
(4)有機EL素子4の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液4に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子4を作製した。
(5)有機EL素子5の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液5に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子5を作製した。
(6)有機EL素子6の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液6に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子6を作製した。
(7)有機EL素子7の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液7に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子7を作製した。
(8)有機EL素子8の作製
有機EL素子1の作製方法において、溶液1を溶液8に変更する以外は有機EL素子1の作製方法と同様にして、有機EL素子8を作製した。
(9)有機EL素子9の作製
基板上のITO蒸着部分にPEDOT/PSS水溶液(バイエル社製Baytron)をスピンコート法で塗布し、厚さ50nmの層を形成した。次に、スピンコート法で溶液3を塗布し、厚さ50nmの層を形成し、真空下60℃にて1時間真空乾燥を行った。さらに、厚さ10nmのBCの層と、厚さ0.5nmのLiFの層と、厚さ100nmのAlの層と、を順に真空蒸着にて形成し有機EL素子9を作製した。
(10)有機EL素子10の作製
有機EL素子9の作製方法において、溶液3を溶液4に変更する以外は有機EL素子9の作製方法と同様にして、有機EL素子10を作製した。
(11)有機EL素子11の作製
有機EL素子9の作製方法において、溶液3を溶液5に変更する以外は有機EL素子9の作製方法と同様にして、有機EL素子11を作製した。
(12)有機EL素子12の作製
基板上のITO蒸着部分にPEDOT/PSS水溶液(バイエル社製Baytron)をスピンコート法で塗布して50nmの層を形成した。次に、スピンコート法で溶液3を塗布して50nmの層を形成し、さらに、スピンコート法で溶液8を塗布して20nmの層を形成した。その後、真空下60℃にて1時間真空乾燥を行い、厚さ0.5nmのLiFの層と、厚さ100nmのAlの層とを真空蒸着にて形成し有機EL素子12を作製した。
(13)有機EL素子13の作製
基板上のITO蒸着部分にPEDOT/PSS水溶液(バイエル社製Baytron)をスピンコート法で塗布して厚さ50nmの層を形成した。次に、スピンコート法で溶液3を塗布して厚さ50nmの層を形成し、さらに、スピンコート法で溶液8を塗布して厚さ15nmの層を形成した。真空下60℃にて1時間真空乾燥を行った後に、厚さ30nmのAlqの層と、厚さ0.5nmのLiFの層と、厚さ100nmのAlの層とを順に真空蒸着にて形成し有機EL素子13を作製した。
(14)有機EL素子14の作製
有機EL素子12の作製方法において、溶液3を溶液6に変更する以外は有機EL素子12の作製方法と同様にして有機EL素子14を作製した。
(15)有機EL素子15の作製
有機EL素子13の作製方法において、溶液3を溶液6に変更する以外は有機EL素子13の作製方法と同様にして有機EL素子15を作製した。
(16)有機EL素子16の作製
基板上のITO蒸着部分にPEDOT/PSS水溶液(バイエル社製Baytron)をスピンコート法で塗布して厚さ50nmの層を形成した。真空下60℃にて1時間真空乾燥を行った後に、CBPとIr(ppy)を真空蒸着法にて共蒸着させた。このときのCBPとIr(ppy)の蒸着スピードがCBP/Ir(ppy)=0.06となるように調整して40nmの層を形成した。さらに、スピンコート法で溶液8を塗布して厚さ15nmの層を形成してから、真空下60℃にて1時間真空乾燥を行った。その後、厚さ30nmのAlqの層と、厚さ0.5nmのLiFの層と、厚さ100nmのAlの層と、を順に真空蒸着にて形成して有機EL素子16を作製した。
(17)有機EL素子1’〜16’の作製
有機EL素子1〜16の作製において、スピンコート法による層の形成を行っていた部分をすべて真空蒸着による層の形成に変更した以外は、有機EL素子1〜16の作製方法と同様にして、有機EL素子1’〜16’をそれぞれ作製した。
3.外部取り出し量子効率の評価
ウェットプロセスであるスピンコート法により層を形成した有機EL素子1〜16の外部取り出し量子効率(η)は以下の式を用いて求めた。
外部取り出し量子効率(%)=100×有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数
なお、分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ社製)により測定した発光スペクトルを各波長の光子のエネルギーから380〜780nmの光子数を求め、さらにランバーシアン仮定に基づき発光面から発光した光子数を求めた。また、有機EL素子に流した電子数は電流量から求めた。
さらに真空蒸着法により層を形成した有機EL素子1’〜16’の外部取り出し量子効率(η’)も測定して、両者の比を求めた。
Figure 0005445629
表2の結果より、本発明の有機EL素子は、真空蒸着法よりも簡易で低コストであるウェットプロセスによる層形成方法の一つであるスピンコート法を用いて有機層を形成した有機EL素子であるが、真空蒸着法で有機層を形成した有機EL素子と同等の外部取りだし量子効率を有することが分かり、真空蒸着法と同等の性能を有する有機EL素子であることが分かった。
さらに分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ社製)を用いて有機EL素子1〜16の発光色をCIE色度図を用いて測定した。
Figure 0005445629
有機EL素子1、3は、青色に発光することからフルカラー化用途の有機EL素子に用いると有用であることが分かった。
有機EL7、8、14、15は、白色に発色することから、白色照明として用いることができることが分かった。
4.生産安定性評価
有機EL素子15を100個と、有機EL素子15’を100個作製し、それぞれの発光色を前述の装置を用いて測定し、発光色のずれ(Δxy)が0.08以上のものの個数を調べたところ、有機EL素子15では3個であり、有機EL素子では10個であった。これは、本発明の有機EL素子15は、ウェットプロセスであるスピンコート法で発光層を形成していることから基体上にドーパントのムラが発生しないのに対し、有機EL素子15’は真空蒸着法にて発光層を形成したことから基体上でドーパントのムラが生じてしまい、発光色にずれが生じたものと考えられる。特に本実施例では、表示部分面積が30mm×50mmと大きいことからこの差が顕著に現れたものと思われる。
この結果より、本発明の製造方法で製造した有機EL素子は、表示部分が大きい有機EL素子であっても安定して品質の高い有機EL素子を製造することができることが分かった。
5.有機化合物の精製の影響
有機EL素子9の作製方法において、溶液3に含まれる化合物19の代わりに、ポリビニルカルバゾール(東京化成)をクロロホルムに溶かし込み、メタノールに再沈させる作業を3回繰り返して精製したポリビニルカルバゾールを用いた以外は、有機EL素子9の作製方法と同様にして有機EL素子17を作製した。
有機EL素子9と、有機EL素子17の外部取り出し量子効率を測定し、有機EL素子9の外部取り出し量子効率/有機EL素子17の外部取り出し量子効率を求めたところ1.8であり、有機EL素子17の外部取り出し量子効率が低下していることが分かった。 有機EL素子17は、有機化合物を昇華精製以外の精製方法で精製したのであるが、昇華精製以外の精製を行うと有機EL素子の品質に大きく影響することが分かった。

Claims (1)

  1. 対向する電極間に少なくとも発光層を含む有機層を有する有機EL素子の製造方法において、前記有機層の少なくとも1層を、昇華精製を行ったガラス転移温度が80〜250℃の種以上の有機化合物を用いてウェットプロセスで形成する有機EL素子の製造方法であって、該有機化合物の少なくとも一種が下記一般式(1)〜(8)で表される化合物であり、且つ該有機化合物の他の少なくとも一種が下記構造を有するIr(ppy) またはFIr(pic)であることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
    Figure 0005445629
    〔式中、Arはそれぞれ独立に、置換基を有しても良い、アリール環またはヘテロアリール環を表す。nは2〜6の整数である。
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Dは置換基にArを有する窒素原子又は硫黄原子又は酸素原子である。nは2〜6の整数である。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Aは窒素原子又はリン原子又はホウ素原子を表す。nは2又は3の整数である。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。B1は置換基にArを有する窒素原子又は酸素原子である。B2は炭素原子又は酸素原子である。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)で説明したArと同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。〕
    Figure 0005445629
    〔式中、Arは一般式(1)と同じである。Aは、一般式(3)で説明したAと同じである。nは1〜3の整数である。〕
    Figure 0005445629
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