JP4718670B2 - El表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)が得られる発光性有機化合物(分子式に金属を含む錯体も含む)及びそれを用いたEL表示装置に関する。代表的には、高分子化合物からなる発光性有機化合物を用いた高分子系EL表示装置に関する。
【0002】
また、そのEL表示装置を表示部として有する電子装置に関する。尚、上記EL表示装置はOLED(Organic Light Emitting Diodes)ともいう。
【0003】
【従来の技術】
近年、EL現象を利用した自発光素子としてEL層を用いた表示装置(EL表示装置)の開発が進んでいる。EL表示装置は自発光型であるため、液晶表示装置のようなバックライトが不要であり、さらに視野角が広いため、屋外で使用する携帯型機器の表示部として有望である。
【0004】
EL素子の基本部分となる発光層は絶縁物質であり、発光層を挟む陰極及び陽極に電圧をかけることで発光層中にキャリア(電子及び正孔)を注入し、キャリアの再結合により発光を得る。即ち、発光層を流れる電流は、キャリアの再結合に起因する電流である。EL表示装置に用いることのできるEL材料としては、例えば特開平2−311591号公報に記載の材料がある。
【0005】
ところで、発光ダイオード等の半導体接合を形成した発光素子において、可動イオンとして問題となるNa(ナトリウム)は発光層の抵抗値を下げることになるため、キャリアの再結合に起因する電流以外の電流を流す要因になりうる。そのような必要外の電流が流れてしまうと発熱量が多くなり、発光層の劣化が促進されてしまう。EL素子においても同様なことが問題となり得る。しかしながら、現状ではEL材料において、そのような可動イオンに対する対策は十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、信頼性の高いEL表示装置を提供することを課題とする。そして、そのようなEL表示装置を表示部として用いることにより表示部の信頼性が高い電子装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、キャリアの再結合に起因する電流以外の電流が流れないようにするために、EL素子に含まれる発光性有機化合物からなる薄膜の体積抵抗率を1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)とする。また、このような体積抵抗率を達成するために、発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物の濃度を0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)とする。なお、イオン性不純物とは周期表の1族もしくは2族に属する元素、代表的にはナトリウム(Na)もしくはカリウム(K)を指す。
【0008】
従って、上記構成を達成するためには、含まれるイオン性不純物が0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)である発光性有機化合物を用いる必要がある。
【0009】
上記濃度をナトリウムの場合の濃度に換算すると、7×1017atoms/cm3以下(好ましくは7×1016atoms/cm3以下)となる。しかし、イオン性不純物の濃度はすべてのイオン性不純物の合計の濃度とするのが妥当である。
【0010】
上記発光性有機化合物を得るために、低分子化合物からなる発光性有機化合物(以下、低分子系EL化合物という)を用いるならば、該低分子系EL化合物をゾーン精製法、昇華精製法、再結晶法、蒸留法、濾過法、カラムクロマトグラフィもしくは再沈殿法で精製すれば良い。
【0011】
しかし、高分子化合物からなる発光性有機化合物(以下、高分子系EL化合物という)を用いる場合には重合度の制御を完全に行うことができないので分子量に幅が生じてしまい融点が一義的に決まらないので精製が困難となる。この場合には透析法または高速液体クロマトグラフィ法が適している。特に、透析法においてイオン性不純物を効率良く取り除くには電気透析法が適している。
【0012】
なお、上記いずれの精製手段を用いるにしても、イオン性不純物を0.1ppm以下に低減するためには、精製工程を複数回繰り返し行う必要がある。少なくとも3回以上、好ましくは5回以上が望ましい。勿論、同じ精製方法を繰り返すだけでなく、二つ以上の精製方法を用いても構わない。
【0013】
また、濾過法を用いる場合には、フィルターとして0.1μmの孔径(除粒子孔径ともいう)、好ましくは0.05μmの孔径を有するものが好ましい。即ち、0.1μmの孔径であれば径が0.1μm以上の物質を通さない。また、0.05μmの孔径であれば径が0.05μm以上の物質を通さない。
【0014】
以上のように、本発明では含まれるイオン性不純物の濃度が0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)である発光性有機化合物を作製し、それを用いて体積抵抗率が1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)である発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL素子を形成してEL表示装置を作製することに特徴がある。
【0015】
なお、本発明に用いる発光性有機化合物は、低分子系EL化合物としては分子量が1×102〜8×102g/mol(典型的には3×102〜5×102g/mol)のものを、高分子系EL化合物としては分子量が8×102〜2×106g/mol(典型的には1×104〜1×105g/mol)のものを用いれば良い。
【0016】
本発明に用いることのできる代表的な低分子系EL化合物としてはAlq3(トリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体)が挙げられる。分子式は以下のようになる。
【0017】
【化1】
Figure 0004718670
【0018】
他にも、DSA(ジスチルアリーレン誘導体)にアミノ置換DSAを添加したジスチルアリーレンアミン誘導体を用いても良い。DSAは以下のような分子式で表される。
【0019】
【化2】
Figure 0004718670
【0020】
また、本発明に用いることのできる代表的な高分子系EL化合物としてはPPV(ポリフェニレンビニレン)が挙げられるが、様々な型のものがある。例えば、以下のような分子式が発表されている。
(「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light Emitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.33-37」)
【0021】
【化3】
Figure 0004718670
【0022】
【化4】
Figure 0004718670
【0023】
また、特開平10−92576号公報に記載された分子式のポリフェニルビニルを用いることもできる。分子式は以下のようになる。
【0024】
【化5】
Figure 0004718670
【0025】
【化6】
Figure 0004718670
【0026】
このような高分子系EL化合物を用いて薄膜を形成する方法は様々あるが、スピンコート法は作業の簡便さにおいて好ましい方法である。スピンコート法とは、薄膜を形成する溶質を溶媒に溶かし、その溶液をスピナー等で塗布した後に、溶媒をベーク処理(焼成処理)により揮発させて薄膜を形成する手段である。
【0027】
本発明では、高分子系EL化合物を含む溶媒をスピナーで塗布し、高分子系EL化合物が結晶化しない温度以下(具体的にはガラス転移温度以下)で熱処理を加えて溶媒を揮発させる。その結果、基板上には高分子系EL化合物からなる薄膜が形成される。
【0028】
また、発光性有機化合物は酸素に弱く、発光性有機化合物からなる薄膜を形成した後に設ける導電膜は、発光性有機化合物からなる薄膜が水分や酸素を含む環境に晒されないように形成することが望ましい。従って、発光性有機化合物からなる薄膜の形成と陰極もしくは陽極となる導電膜の形成とは同一の薄膜形成装置で行われることが望ましいと言える。
【0029】
上記要求を達成するためにはマルチチャンバー方式の薄膜形成装置を用いることが適している。本発明においては、そのような薄膜形成装置を用いて信頼性の高いEL表示装置を作製することが好ましい。
【0030】
以上ような構成とすることで、EL素子に含まれる発光性有機化合物からなる薄膜の部分においてキャリアの再結合に起因する電流以外の電流が流れることを防ぎ、不必要な発熱による劣化を防ぐことができる。従って、信頼性の高いEL表示装置を得ることが可能である。また、そのようなEL表示装置を電子装置の表示部に用いることで表示部の信頼性の高い電子装置が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。図1において、101は絶縁表面を有する基板であり、石英基板などの絶縁基板または表面に絶縁膜を設けたガラス基板、セラミックス基板、結晶化ガラス基板、金属基板(好ましくはステンレス基板)もしくはプラスチック基板を用いることができる。
【0032】
基板101上には画素102が形成される。尚、図1では三つの画素を図しているが、実際にはさらに多くの画素がマトリクス状に配置される。例えば、VGAクラスとすると640×480個、XGAクラスであれば1024×768個となる。画素102には各々スイッチング用TFT103と電流制御用TFT104の二つのTFTが形成される。このとき、スイッチング用TFT103のドレインは電流制御用TFT104のゲートに電気的に接続されている。さらに、電流制御用TFT104のドレインには画素電極(この場合、EL素子の陰極を兼ねる)105が電気的に接続される。こうして画素102が形成される。
【0033】
TFTの各配線及び画素電極は低抵抗な金属膜を用いて形成すれば良い。ここではアルミニウム合金膜を用いると良い。また、TFTとしては如何なる構造のTFTを用いても良い。勿論、公知の構造であっても良い。
【0034】
画素電極105まで形成したら、全ての画素電極の上に仕事関数の低い金属を含む化合物(陰極層とも言える)106が形成される。これは数nm程度と膜厚が薄いため層状に形成されているのか島状に点在しているのか不明のため、輪郭を点線で示している。
【0035】
上記仕事関数の低い金属を含む化合物の材料としては、フッ化リチウム(LiF)、酸化リチウム(Li2O)、フッ化バリウム(BaF2)、酸化バリウム(BaO)、フッ化カルシウム(CaF2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)または酸化セシウム(Cs2O)を用いることができる。これらは絶縁性であるため、層状に形成されたとしても画素電極間のショート(短絡)を招くようなことはない。
【0036】
勿論、MgAg電極のような公知の導電性を有する材料を化合物の代わりに用いることも可能であるが、画素電極同士が短絡しないように選択的に設けるか、パターニングを行う必要がある。
【0037】
仕事関数の低い金属を含む化合物106の上にはEL層(発光性有機化合物からなる薄膜)107が形成される。EL層107は公知の材料や構造を用いることができるが本発明では白色発光の可能な材料を用いる。構造としては、再結合の場を提供する発光層(発光性有機化合物からなる薄膜)だけでEL層としても良いし、必要に応じて電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、電子阻止層、正孔素子層もしくは正孔注入層を積層しても良い。本明細書中では、キャリアの注入、輸送または再結合が行われる層をすべて含めてEL層と呼ぶ。
【0038】
また、EL層107に用いる発光性有機化合物は低分子系EL化合物であってもポリマー系(高分子系)EL化合物であっても良い。しかし、スピンコート法や印刷法など容易な成膜方法で形成できるポリマー系EL化合物を用いることが望ましい。なお、図1の構造は白色発光のEL層とカラーフィルターとを組み合わせたカラー表示方式である。また、青色又は青緑発光のEL層と蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせたカラー表示方式、RGBに対応したEL層を重ねることでカラー表示を行う方式も採用できる。
【0039】
ここで本発明の特徴は、発光層として極めて高い純度にまで精製された発光性有機化合物を用いる点にある。精製方法としては公知のあらゆる精製方法を用いることができる。例えば、低分子系EL化合物であれば、ゾーン精製法、昇華精製法、再結晶法、蒸留法、カラムクロマトグラフィまたは再沈殿法を用いれば良い。また、高分子系EL化合物であれば、透析法または高速液体クロマトグラフィを用いれば良い。なお、高分子系EL化合物の場合は、重合させる前に低分子系EL化合物と同様の精製を行い、その上で重合させるという手段もとれる。
【0040】
また、高分子系EL化合物を透析法により精製する場合、イオン性不純物を取り除くには特に電気透析法を用いると良い。
【0041】
透析法は重合した高分子系EL材料をセルロース等の半透膜(semi-permeable membrane)に入れ、溶媒(例えば純水)の中に入れておく。半透膜は通常細かい金網の仕切の間に支えたり、半融ガラスの円板のような多孔性の支持体に付着させて固定している。電気透析法は半透膜を支える金網の仕切の間に電圧をかけるもので、イオン性不純物の移動が速くなり効率良く精製をすることができる。
【0042】
本発明では上記精製を繰り返し行い、発光性有機化合物からなる薄膜に含まれるイオン性不純物を0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)となるようにする。上記濃度範囲とすることで、発光層として機能する発光性有機化合物からなる薄膜の体積抵抗率が1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)となる。これによりキャリアの再結合以外の要因に起因する電流が流れないようにすることができる。
【0043】
尚、EL層が発光層のみでなる場合、即ち、単層の発光性有機化合物からなる薄膜だけである場合は、イオン性不純物の濃度が0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)で、かつ、体積抵抗率が1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)という条件を発光層が満たせば良い。
【0044】
勿論、EL層を形成する発光性有機化合物を精製する段階及びそれを成膜する段階において、外部の雰囲気からイオン性不純物が混入しないように細心の注意を払う必要がある。
【0045】
このようにして形成されたEL層107の上には、陽極108として透明導電膜が形成される。透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)、酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物、酸化スズ(SnO2)または酸化亜鉛(ZnO)などを用いることが可能である。
【0046】
また、陽極108の上にはパッシベーション膜109として絶縁膜が設けられる。パッシベーション膜109としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOxNyで表される)を用いることが好ましい。
【0047】
ここまで完成した基板を本明細書ではアクティブマトリクス基板と呼ぶ。即ちTFTと該TFTに電気的に接続された画素電極及びその画素電極を陰極とするEL素子(陰極層、EL層及び陽極からなるコンデンサ)の形成された基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0048】
さらに、アクティブマトリクス基板には、EL素子を封入するようにして対向基板110が貼り付けられ、その対向基板110には遮光膜112及びカラーフィルター113a〜113cが設けられる。このとき観測者の視線方向(対向基板の法線方向)から見て画素電極105のなす隙間111が隠されるように遮光膜112を設ける、即ち、対向基板の法線方向から見て遮光膜112と画素の縁とが一致するように設ける。これは、その部分が非発光部であることと、画素電極の端部では電界が複雑になり所望の輝度もしくは色度で発光させることができないからである。
【0049】
即ち、遮光膜112を画素電極105の縁(端部)及び隙間111に対応した位置に設けることで画素間の輪郭を明瞭なものとすることができる。尚、本発明では画素電極の輪郭が画素の輪郭に一致するため、遮光膜112は画素の縁に対応した位置に設けられているとも言える。また、画素の縁に対応した位置とは、前述の対向基板の法線方向に沿って画素の縁と一致する位置を指す。
【0050】
また、カラーフィルター113a〜113cは、113aが赤色、113bが緑色、113cが青色の光を抽出するカラーフィルターである。これらのカラーフィルターは、画素102に対応する位置に形成され、これにより画素ごとに取り出す光の色を変えることができる。原理的にはカラーフィルターを用いた液晶表示装置のカラー化方式と同様である。尚、画素に対応した位置とは、前述の対向基板の法線方向に沿って画素と一致する位置を指す。即ち、対向基板の法線方向から見てカラーフィルター113a〜113cとそれに対応する各画素とが一致するように設ける。
【0051】
但し、カラーフィルターは特定の波長の光を抽出することで透過した光の色純度を向上させるフィルターである。従って、取り出すべき波長の光成分が少ない場合には、その波長の光の輝度が極端に小さかったり、色純度が悪かったりという不具合を生じうる。従って、本発明で用いることのできる白色発光のEL層に限定はないが、白色発光のスペクトル成分の中に、可能な限り純度の高い赤色、緑色及び青色の発光スペクトルを含むことが望ましい。
【0052】
尚、上述のカラーフィルター113a〜113cに遮光膜112と同様に酸化バリウム等の乾燥剤を含有させることもできる。この場合、赤色、緑色または青色の顔料と乾燥剤とを含有させた樹脂膜をカラーフィルターとすれば良い。
【0053】
ところで、ここでは図示されないが、対向基板110はシール剤によってアクティブマトリクス基板に貼り付けられており、114で示される空間は密閉空間となっている。この密閉空間114は不活性ガス(希ガスや窒素ガス)を充填しても良いし、不活性液体を充填しても良い。また、透光性の接着剤を充填して、基板全体を接着させても構わない。さらに、この密閉空間114には酸化バリウム等の乾燥剤を設けておくことが好ましい。EL層107は水分に極めて弱いため、密閉空間114には極力水分が侵入しないようにすることが望ましい。さらに、クラウンエーテルまたはクリプタンドが含まれる不活性液体で充填することは有効である。クラウンエーテルはナトリウムと結合して捕獲する能力があるためゲッタリング効果が期待できる。
【0054】
対向基板110としては、光の進行を妨げないように透光性の基板を用いる必要がある。例えば、ガラス基板、石英基板またはプラスチック基板が好ましい。また、遮光膜112としては、黒色顔料やカーボンを含む樹脂やチタン膜などの遮光性の高い薄膜を用いれば良い。また、遮光膜112として乾燥剤を含有した樹脂を用いることも有効である。
【0055】
以上のような構成でなる本発明のEL表示装置は、発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物の濃度が0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)であり、かつ、体積抵抗率が1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)である。従って、キャリアの再結合に起因する電流以外は流れず、余計な発熱による劣化が抑えられるので信頼性が高い。
【0056】
このように本発明を実施することにより信頼性の高いEL表示装置が得られる。そして、そのようなEL表示装置を表示部として用いることにより信頼性の高い電子装置が得られる。
【0057】
また、本発明のEL表示装置はEL素子から発した光が対向基板を透過して放射されて観測者の目に入る。そのため観測者は対向基板側から画像を認識することができる。このとき、本発明のEL表示装置の特徴は、まず、EL素子と観測者との間に、画素電極105の隙間111を隠すように遮光膜112を設ける点である。これにより画素間の輪郭が明瞭なものとなり、高精細な画像表示が可能となる。
【0058】
また、遮光膜112及びカラーフィルター113は対向基板110に設けられ、且つ、対向基板110はEL素子の劣化を抑制するシーリング材としての機能をも兼ねる。遮光膜112やカラーフィルター113をアクティブマトリクス基板側に設けると、成膜工程とパターニング工程が増え、その分歩留まりは低下するが、対向基板に設けることによりアクティブマトリクス基板の歩留まり低下を抑えることができる。
【0059】
また、本発明のように、対向基板110に遮光膜112やカラーフィルター113を設けて、さらに対向基板とアクティブマトリクス基板とをシール剤で接着するという構造は、液晶表示装置の構造に共通する点がある。即ち、現存する液晶表示装置の殆どの製造ラインを転用して本発明のEL表示装置を作製することが可能であり、設備投資を大幅に削減することで総合的な製造コストの低減が可能である。
【0060】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例について説明する。ここでは、画素部とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時に作製する方法について説明する。但し、説明を簡単にするために、駆動回路に関しては基本回路であるCMOS回路を図示することとする。
【0061】
まず、図2(A)に示すように、ガラス基板300上に下地膜301を300nmの厚さに形成する。本実施例では下地膜302として窒化酸化珪素膜を積層して用いる。この時、ガラス基板300に接する方の窒素濃度を10〜25wt%としておくと良い。
【0062】
次に下地膜301の上に50nmの厚さの非晶質珪素膜(図示せず)を公知の成膜法で形成する。尚、非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質構造を含む半導体膜(微結晶半導体膜を含む)であれば良い。さらに非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜でも良い。また、膜厚は20〜100nmの厚さであれば良い。
【0063】
そして、公知の技術により非晶質珪素膜を結晶化し、結晶質珪素膜(多結晶シリコン膜若しくはポリシリコン膜ともいう)302を形成する。公知の結晶化方法としては、電熱炉を使用した熱結晶化方法、レーザー光を用いたレーザーアニール結晶化法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法がある。本実施例では、XeClガスを用いたエキシマレーザー光を用いて結晶化する。尚、本実施例では線状に加工したパルス発振型のエキシマレーザー光を用いるが、矩形であっても良いし、連続発振型のアルゴンレーザー光や連続発振型のエキシマレーザー光を用いることもできる。
【0064】
また、Nd−YAGレーザー(波長1.06μm)を用いる場合には、第2高調波または第3高調波を利用し、光学系により線状または矩形状にしたビームを100〜500mJ/cm2のエネルギー密度で上記半導体膜に照射して結晶化させることができる。
【0065】
本実施例では結晶質珪素膜をTFTの活性層として用いるが、非晶質珪素膜を用いることも可能である。また、オフ電流を低減する必要のあるスイッチング用TFTの活性層を非晶質珪素膜で形成し、電流制御用TFTの活性層を結晶質珪素膜で形成することも可能である。非晶質珪素膜はキャリア移動度が低いため電流を流しにくくオフ電流が流れにくい。即ち、電流を流しにくい非晶質珪素膜と電流を流しやすい結晶質珪素膜の両者の利点を生かすことができる。
【0066】
次に、図2(B)に示すように、結晶質珪素膜302上に酸化珪素膜でなる保護膜303を130nmの厚さに形成する。この厚さは100〜200nm(好ましくは130〜170nm)の範囲で選べば良い。また、珪素を含む絶縁膜であれば他の膜でも良い。この保護膜303は不純物を添加する際に結晶質珪素膜が直接プラズマに曝されないようにするためと、微妙な濃度制御を可能にするために設ける。
【0067】
そして、その上にレジストマスク304a、304bを形成し、保護膜303を介してn型を付与する不純物元素(以下、n型不純物元素という)を添加する。尚、n型不純物元素としては、代表的には15族に属する元素、典型的にはリン又は砒素を用いることができる。本実施例ではフォスフィン(PH3)を質量分離しないでプラズマ励起したプラズマドーピング法を用い、リンを1×1018atoms/cm3の濃度で添加する。勿論、質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いても良い。この工程により形成されるn型不純物領域305、306には、n型不純物元素が2×1016〜5×1019atoms/cm3(代表的には5×1017〜5×1018atoms/cm3)の濃度で含まれるようにドーズ量を調節する。
【0068】
次に、図2(C)に示すように、保護膜303を除去し、添加した15族に属する元素の活性化を行う。活性化手段は公知の技術を用いれば良いが、本実施例ではエキシマレーザー光の照射により活性化する。勿論、パルス発振型でも連続発振型でも良いし、エキシマレーザー光に限定する必要はない。但し、添加された不純物元素の活性化が目的であるので、結晶質珪素膜が溶融しない程度のエネルギーで照射することが好ましい。尚、保護膜303をつけたままレーザー光を照射しても良い。
【0069】
尚、このレーザー光による不純物元素の活性化に際して、熱処理による活性化を併用しても構わない。熱処理による活性化を行う場合は、基板の耐熱性を考慮して450〜550℃程度の熱処理を行えば良い。
【0070】
この工程によりn型不純物領域305、306の端部、即ち、n型不純物領域305、306の周囲に存在するn型不純物元素を添加していない領域との境界部(接合部)が明確になる。このことは、後にTFTが完成した時点において、LDD領域とチャネル形成領域とが非常に良好な接合部を形成しうることを意味する。
【0071】
次に、図2(D)に示すように、結晶質珪素膜の不要な部分を除去して、島状の半導体膜(以下、活性層という)307〜310を形成する。そして、図2(E)に示すように、活性層307〜310を覆ってゲート絶縁膜311を形成する。ゲート絶縁膜311としては、10〜200nm、好ましくは50〜150nmの厚さの珪素を含む絶縁膜を用いれば良い。これは単層構造でも積層構造でも良い。本実施例では110nm厚の窒化酸化珪素膜を用いる。
【0072】
次に、200〜400nm厚の導電膜を形成し、パターニングしてゲート電極312〜316を形成する。このゲート電極312〜316の端部をテーパー状にすることもできる。尚、本実施例ではゲート電極と、ゲート電極に電気的に接続された引き回しのための配線(以下、ゲート配線という)とを別の材料で形成する。具体的にはゲート電極よりも低抵抗な材料をゲート配線として用いる。これは、ゲート電極としては微細加工が可能な材料を用い、ゲート配線には微細加工はできなくとも配線抵抗が小さい材料を用いるためである。勿論、ゲート電極とゲート配線とを同一材料で形成してしまっても構わない。
【0073】
また、ゲート電極は単層の導電膜で形成しても良いが、必要に応じて二層、三層といった積層膜とすることが好ましい。ゲート電極の材料としては公知のあらゆる導電膜を用いることができる。ただし、上述のように微細加工が可能、具体的には2μm以下の線幅にパターニング可能な材料が好ましい。代表的には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)から選ばれた元素でなる膜、または前記元素の窒化物膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜)を用いることができる。勿論、単層で用いても積層して用いても良い。
【0074】
本実施例では、50nm厚の窒化タングステン(WN)膜と、350nm厚のタングステン(W)膜とでなる積層膜を用いる。これはスパッタ法で形成すれば良い。また、スパッタガスとしてXe、Ne等の不活性ガスを添加すると応力による膜はがれを防止することができる。
【0075】
この時、ゲート電極313、316はそれぞれn型不純物領域305、306の一部とゲート絶縁膜311を介して重なるように形成する。この重なった部分が後にゲート電極と重なったLDD領域となる。
【0076】
次に、図3(A)に示すように、ゲート電極312〜316をマスクとして自己整合的にn型不純物元素(本実施例ではリン)を添加する。こうして形成される不純物領域317〜323にはn型不純物領域305、306の1/2〜1/10(代表的には1/3〜1/4)の濃度でリンが添加されるように調節する。具体的には、1×1016〜5×1018atoms/cm3(典型的には3×1017〜3×1018atoms/cm3)の濃度が好ましい。
【0077】
次に、図3(B)に示すように、ゲート電極等を覆う形でレジストマスク324a〜324dを形成し、n型不純物元素(本実施例ではリン)を添加して高濃度にリンを含む不純物領域325〜331を形成する。ここでもフォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行い、この領域のリンの濃度は1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1021atoms/cm3)となるように調節する。
【0078】
この工程によってnチャネル型TFTのソース領域若しくはドレイン領域が形成されるが、スイッチング用TFTでは、図3(A)の工程で形成したn型不純物領域320〜322の一部を残す。
【0079】
次に、図3(C)に示すように、レジストマスク324a〜324dを除去し、新たにレジストマスク332を形成する。そして、p型不純物元素(本実施例ではボロン)を添加し、高濃度にボロンを含む不純物領域333、334を形成する。ここではジボラン(B26)を用いたイオンドープ法により3×1020〜3×1021atoms/cm3(代表的には5×1020〜1×1021atoms/cm3ノ)濃度となるようにボロンを添加する。
【0080】
尚、不純物領域333、334には既に1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度でリンが添加されているが、ここで添加されるボロンはその少なくとも3倍以上の濃度で添加される。そのため、予め形成されていたn型の不純物領域は完全にP型に反転し、P型の不純物領域として機能する。
【0081】
次に、レジストマスク332を除去した後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型不純物元素を活性化する。活性化手段としては、ファーネスアニール法、レーザーアニール法、またはランプアニール法で行うことができる。本実施例では電熱炉において窒素雰囲気中、550℃、4時間の熱処理を行う。
【0082】
このとき雰囲気中の酸素を極力排除することが重要である。なぜならば酸素が少しでも存在していると露呈したゲート電極の表面が酸化され、抵抗の増加を招くと共に後にオーミックコンタクトを取りにくくなるからである。従って、上記活性化工程における処理雰囲気中の酸素濃度は1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下とすることが望ましい。
【0083】
次に、活性化工程が終了したら300nm厚のゲート配線335を形成する。ゲート配線335の材料としては、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)を主成分(組成として50〜100%を占める。)とする金属膜を用いれば良い。配置としてはスイッチング用TFTのゲート電極314、315を電気的に接続するように形成する。(図3(D))
【0084】
このような構造とすることでゲート配線の配線抵抗を非常に小さくすることができるため、面積の大きい画像表示領域(画素部)を形成することができる。即ち、画面の大きさが対角10インチ以上(さらには30インチ以上)のEL表示装置を実現する上で、本実施例の画素構造は極めて有効である。
【0085】
次に、図4(A)に示すように、第1層間絶縁膜336を形成する。第1層間絶縁膜336としては、珪素を含む絶縁膜を単層で用いるか、その中で組み合わせた積層膜を用いれば良い。また、膜厚は400nm〜1.5μmとすれば良い。本実施例では、200nm厚の窒化酸化珪素膜の上に800nm厚の酸化珪素膜を積層した構造とする。
【0086】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い水素化処理を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体膜の不対結合手を水素終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより生成された水素を用いる)を行っても良い。尚、水素化処理は第1層間絶縁膜336を形成する間に入れても良い。即ち、200nm厚の窒化酸化珪素膜を形成した後で上記のように水素化処理を行い、その後で残り800nm厚の酸化珪素膜を形成しても構わない。
【0087】
次に、第1層間絶縁膜336に対してコンタクトホールを形成し、ソース配線337〜340と、ドレイン配線341〜343を形成する。尚、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜とする。勿論、他の導電膜でも良い。
【0088】
次に、50〜500nm(代表的には200〜300nm)の厚さで第1パッシベーション膜344を形成する。本実施例では第1パッシベーション膜344として300nm厚の窒化酸化珪素膜を用いる。これは窒化珪素膜で代用しても良い。
【0089】
尚、窒化酸化珪素膜の形成に先立ってH2、NH3等水素を含むガスを用いてプラズマ処理を行うことは有効である。この前処理により励起された水素が第1層間絶縁膜336に供給され、熱処理を行うことで、第1パッシベーション膜344の膜質が改善される。それと同時に、第1層間絶縁膜336に添加された水素が下層側に拡散するため、効果的に活性層を水素化することができる。
【0090】
次に、図4(B)に示すように有機樹脂からなる第2層間絶縁膜345を形成する。有機樹脂としてはポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。特に、第2層間絶縁膜345は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。
好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)とすれば良い。
【0091】
次に、第2層間絶縁膜345及び第1パッシベーション膜344にドレイン配線343に達するコンタクトホールを形成し、画素電極346を形成する。本実施例では画素電極346として300nm厚のアルミニウム合金膜(1wt%のチタンを含有したアルミニウム膜)を形成する。尚、347は隣接する画素電極の端部である。
【0092】
EL層と陽極とを連続して形成する薄膜形成装置の一例は図10に示されている。図10に示したのは陽極として透明導電膜、発光層として高分子系EL層、陰極層として周期律表の1族若しくは2族に属する元素を含む金属膜、第2パッシベーション層として窒化珪素膜や窒化酸化珪素膜を連続して形成する装置である。
【0093】
図10において、401は基板の搬入または搬出を行う搬送室であり、ロード・アンロード室とも呼ばれる。ここに基板をセットしたキャリア402が配置される。尚、搬送室401は基板搬入用と基板搬出用と区別されていても良い。また、403は基板404を搬送する機構(以下、搬送機構という)405を含む共通室である。基板のハンドリングを行うロボットアームなどは搬送機構405の一種である。
【0094】
そして、共通室403にはゲート406a〜406fを介して複数の処理室(407〜411で示される)が連結されている。図10の構成では共通室403を数mTorrから数十mTorrに減圧し、各処理室はゲート406a〜406fによって共通室403とは遮断されている。この場合、溶液塗布用処理室408は不活性ガスを満たした常圧で行われるため、共通室403と溶液塗布用処理室408との間に、真空排気用処理室401を設けた構成となっている。
【0095】
従って、各処理室に排気ポンプを設けることで真空下での処理を行うことが可能となる。排気ポンプとしては、油回転ポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプ若しくはクライオポンプを用いることが可能であるが、水分の除去に効果的なクライオポンプが好ましい。
【0096】
407で示されるのは、陰極層を形成するための処理室(以下、第3成膜用処理室という)である。ここでは陰極を補助するための補助電極の形成が行われる。また、蒸着法又はスパッタ法が用いられるが、蒸着法の方がダメージを与えにくいので好ましい。いずれにしてもゲート406bによって共通室403と遮断され、真空下で成膜が行われる。
【0097】
尚、気相成膜法として蒸着法を行う場合には、蒸着源を設ける必要がある。陰極層として良く用いられる金属膜は、周期律表の1族若しくは2族に属する元素を含む金属膜であるが、これらの金属膜は酸化しやすいので表面を保護しておくことが望ましい。また、必要な膜厚も薄いため、抵抗率の低い導電膜を補助的に設けて陰極の抵抗を下げ、加えて陰極の保護を図る。抵抗率の低い導電膜としてはアルミニウム、銅又は銀を主成分とする金属膜が用いられる。ここでは、図4(C)に示す電子注入層348にフッ化リチウムを用い、真空蒸着法で5nmの厚さに形成する。
【0098】
次に、408で示されるのは、スピンコート法により高分子系EL材料を含む溶液を塗布する処理室(以下、溶液塗布用処理室という)である。前述のようにEL材料は水分に極めて弱いため、溶液塗布用処理室408は常に不活性雰囲気に保持しておくこと必要がある。
【0099】
基板の搬送は、まず真空排気用処理室412を共通室403と同じ圧力まで減圧しておき、その状態でゲート406dを開けて基板を搬送する。そして、ゲート406dを閉めた後、真空排気用処理室412内を不活性ガスでパージし、常圧に戻った時点でゲート413を開けて溶液塗布用処理室408へと基板を搬送する。この搬送はステージ毎行っても良いし、専用の搬送手段で行っても良い。
【0100】
液塗布用処理室408には、基板を保持して回転させる固定ヘッド及び高分子系EL化合物を含有する溶媒を基板上に適量供給する手段が設けられている。固定ヘッドは簡便な構成として真空チャック方式が採用されるが、吸引口の形状に沿って基板が歪み、塗布されるEL層の厚さに斑ができてしまう。EL層は100〜200nmの厚さで形成するが、膜厚のバラツキは発光強度のバラツキなど表示品位の低下をもたらす。
【0101】
図11はそのような斑を最小限にする固定ヘッドの構成を示す。吸引口の形状は、同心円の溝或いは複数の開孔を設けた形状であり、吸引口の下に設けた連結口から真空引をして2次元的に吸引力を分散させている。このような固定ヘッドは上板と下板が一体となって構成される。
【0102】
図11(A)は固定ヘッドの上板1101の上面図であり同心円状の開孔1103が形成されている。同図(B)は下板1102であり、十字状の共通溝1104と排気口1105が形成されている。同図(C)は上板1101と下板1102とを重ね合わせ、A−A'線に沿った断面図を示す。また、図11(D)は他の例であり、固定ヘッドの上板1106に開孔1108が複数個形成されている。同図(E)は下板1107であり、円状の共通溝1109と排気口1110が形成されている。同図(F)は上板1106と下板1107とを重ね合わせ、B−B'線に沿った断面図を示す。
【0103】
本実施例では、PVK(ポリビニルカルバゾール)、Bu−PBD(2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4''−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、クマリン6、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4H−ピラン)、TPB(テトラフェニルブタジエン)、ナイルレッドを1,2−ジクロロメタンまたはクロロホルムに溶解し、スピンコート法により塗布する。回転数は500〜1000rpm程度とし、20〜60秒間回転させ均一な塗布膜を形成する。
【0104】
勿論、上記各有機化合物は少なくとも3回以上、好ましくは5回以上の精製(典型的には透析法)を施し、含まれるイオン性不純物の濃度を0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)にしてから成膜する。こうすることで図4(C)に示す発光層349中に含まれるイオン性不純物の濃度は0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)となり、かつ、体積抵抗値は1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)となる。
【0105】
そして、溶液塗布工程が終了したら、ゲート413を開けて真空排気用処理室412へ基板を搬送し、ゲート413及びゲート406dを閉めた状態で真空排気を行う。真空排気用処理室412が共通室403と同じ減圧状態にまで達したら、ゲート406dを開けて基板を共通室へと搬送する。
【0106】
尚、ここでは焼成用処理室409を設けているが、真空排気用処理室412のサセプターを加熱できるようにして、ここで焼成工程を行っても良い。焼成後に真空排気することで、脱ガスを抑えることが可能である。
【0107】
次に、410で示されるのは、陽極を成膜するための処理室(以下、第1成膜用処理室という)である。成膜法としては蒸着法又はスパッタ法が好適な手法として挙げられるが、ここでは発光層349の上に陽極350を形成する目的で使用されるため、ダメージを与えないことが要求される。スパッタ法では前述のITO、酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物、SnO2またはZnOなどのターゲットを用いて行う。膜の厚さは30〜300nmとする。
【0108】
また、スパッタ法で成膜を行うに当たり、被膜形成面(発光層が形成された面)は、上向き(フェイスアップ方式)であっても下向き(フェイスダウン方式)であっても良い。フェイスアップ方式の場合、共通室403から搬送された基板をそのままサセプターに設置すれば良いため非常に簡易である。フェイスダウン方式の場合、搬送機構405若しくは第1気相成膜用処理室410に、基板を反転させるための機構を備えておく必要が生じるため、搬送機構が複雑になるが、ゴミの付着が少ないという利点が得られる。
【0109】
尚、第1成膜用処理室410において蒸着処理を行う場合には、蒸着源を具備しておく必要がある。蒸着源は複数設けても良い。また、抵抗加熱方式の蒸着源としても良いし、EB(電子ビーム)方式の蒸着源としても良い。
【0110】
次に、411で示されるのは、第2パッシベーション膜を形成するための処理室(以下、第2成膜用処理室という)である。第2パッシベーション膜は窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成する。従って、図示していないが、SiH4、N2O、NH3などのガス供給系、13.56〜60MHzの高周波電源を用いたプラズマ発生手段、基板加熱手段などが設けられている。EL層は水分または湿気に弱いので、EL層を形成後大気雰囲気に晒すことなく連続してこのようなパッシベーション膜を設けると良い。
【0111】
本実施例では、EL層として図4(C)に示す電子注入層348および発光層349からなる積層構造を用いるが、必要に応じて電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層もしくは正孔阻止層を設けても良い。
【0112】
プラズマCVD法により形成される窒化珪素膜でなる第2パッシベーション膜351は100nmの厚さに形成する。この第2パッシベーション膜351は発光層349を水分等から保護する。また、発光層349で発生した熱を逃がす役割も果たす。放熱効果をさらに高めるために、窒化珪素膜と炭素膜(好ましくはダイヤモンドライクカーボン膜)を積層して第2パッシベーション膜とすることも有効である。
【0113】
こうして図4(C)に示すような構造のアクティブマトリクス型EL表示装置が完成する。ところで、本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置は、画素部だけでなく駆動回路部にも最適な構造のTFTを配置することにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向上しうる。
【0114】
まず、極力動作速度を落とさないようにホットキャリア注入を低減させる構造を有するTFTを、駆動回路を形成するCMOS回路のnチャネル型TFT205として用いる。尚、ここでいう駆動回路としては、シフトレジスタ、バッファ、レベルシフタ、サンプリング回路(サンプル及びホールド回路)などが含まれる。デジタル駆動を行う場合には、D/Aコンバータなどの信号変換回路も含まれうる。
【0115】
本実施例の場合、図4(C)に示すように、nチャネル型205の活性層は、ソース領域355、ドレイン領域356、LDD領域357及びチャネル形成領域358を含み、LDD領域357はゲート絶縁膜311を介してゲート電極313と重なっている。
【0116】
ドレイン領域側のみにLDD領域を形成しているのは、動作速度を落とさないための配慮である。また、このnチャネル型TFT205はオフ電流値をあまり気にする必要はなく、それよりも動作速度を重視した方が良い。従って、LDD領域357は完全にゲート電極に重ねてしまい、極力抵抗成分を少なくすることが望ましい。即ち、いわゆるオフセットはなくした方がよい。
【0117】
また、CMOS回路のpチャネル型TFT206は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気にならないので、特にLDD領域を設けなくても良い。勿論、nチャネル型TFT205と同様にLDD領域を設け、ホットキャリア対策を講じることも可能である。
【0118】
尚、実際には図4(C)まで完成したら、図1で説明したように遮光膜を有する対向基板を用いてEL層を密閉空間に封入する。その際、密閉空間の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置することでEL層の信頼性(寿命)が向上する。このEL層の封入処理は、液晶表示装置のセル組み工程に用いられる技術を転用しても良い。
【0119】
また、EL層の封入処理が完了したら、基板上に形成された素子又は回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクター(フレキシブルプリントサーキット:FPC)を取り付けて製品として完成する。
【0120】
次に本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置の構成を図5の斜視図を用いて説明する。本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置は、ガラス基板601上に形成された、画素部602と、ゲート側駆動回路603と、ソース側駆動回路604で構成される。画素部のスイッチング用TFT605はnチャネル型TFTであり、ゲート側駆動回路603に接続されたゲート配線606、ソース側駆動回路604に接続されたソース配線607の交点に配置されている。また、スイッチング用TFT605のドレインは電流制御用TFT608のゲートに接続されている。
【0121】
さらに、電流制御用TFT608のソースは電源供給線609に接続される。本実施例のような構造では、電源供給線609には所定の電圧が与えられている。また、電流制御用TFT608のドレインにはEL素子610が接続されている。また、EL素子610の陰極がドレインに接続されているので、電流制御用TFT608としては、nチャネル型TFTを用いることが望ましい。
【0122】
そして、外部入出力端子となるFPC611には駆動回路まで信号を伝達するための接続配線612、613、及び電源供給線609に接続された接続配線614が設けられている。
【0123】
さらに、本実施例のEL表示装置について図6(A)、(B)を用いて説明する。基板1000はアクティブマトリクス基板であり、基板上に画素部1001、ソース側駆動回路1002、ゲート側駆動回路1003が形成されている。それぞれの駆動回路からの各種配線は、接続配線612〜614を経てFPC611に至り外部機器へと接続される。
【0124】
このとき少なくとも画素部、好ましくは駆動回路及び画素部を囲むようにして対向基板1004を設ける。尚、対向基板1004は接着剤(シール剤)1005によって、アクティブマトリクス基板1000と共同して密閉空間1006を形成するように接着される。このとき、EL素子は完全に前記密閉空間1006に封入された状態となり、外気から遮断される。
【0125】
また、本実施例では接着剤1005として光硬化性のエポキシ系樹脂を用いるが、アクリレート系樹脂等の接着剤を用いることも可能である。また、EL層の耐熱性が許せば熱硬化性樹脂を用いることもできる。但し、可能な限り酸素、水分を透過しない材質であることが必要である。接着剤1005はディスペンサー等の塗布装置を用いて形成すれば良い。
【0126】
さらに、本実施例では対向基板1004とアクティブマトリクス基板1000との間の密閉空間1006には窒素ガスを充填しておく。さらに、対向基板1004の内側(密閉空間側)には図1で説明したように遮光膜1007及びカラーフィルター1008が設けられており、本実施例では遮光膜1007として酸化バリウムと黒色の顔料を含有させた樹脂膜を、カラーフィルター1008として赤色、緑色または青色の顔料を含有させた樹脂膜を用いている。
【0127】
また、図6(B)に示すように、画素部には個々に孤立したEL素子を有する複数の画素が設けられ、それらは全て陽極1009を共通電極としている。このとき、EL層は画素部のみ設ければよく、駆動回路の上に設ける必要はない。EL層を選択的に設けるには、シャドーマスクを用いた蒸着法、リフトオフ法、ドライエッチング法もしくはレーザースクライブ法を用いれば良い。
【0128】
陽極1009は、接続配線1010に電気的に接続される。接続配線1010は陽極1009に所定の電圧を与えるための電源供給線であり、導電性ペースト材料1011を介してFPC611に電気的に接続される。尚、ここでは接続配線1010について説明したが、他の接続配線612〜614も同様にしてFPC611に電気的に接続される。
【0129】
以上説明したような図6に示す状態は、FPC611を外部機器の端子に接続することで画素部に画像を表示することができる。本明細書中では、FPCを取り付けることで画像表示が可能な状態となる物品、即ち、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた物品(FPCが取り付けられている状態を含む)を含むモジュールをEL表示装置と定義している。
【0130】
[実施例2]
本実施例では、本発明を単純マトリクス型EL表示装置に実施した場合の例について図7に示す。図7において、701はプラスチック基板、702はアルミニウム膜とフッ化リチウム膜の積層構造(EL層に接する部分がフッ化リチウム膜)でなる陰極である。本実施例では、陰極702を蒸着法により形成する。尚、図7では図示されていないが、複数本の陰極が紙面に垂直な方向へストライプ状に配列されている。
【0131】
陰極702の上には高分子系EL化合物からなるEL層(発光層のみ)703が印刷法により形成される。本実施例では、PVK(ポリビニルカルバゾール)、Bu−PBD(2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4''−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、クマリン6、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4H−ピラン)、TPB(テトラフェニルブタジエン)、ナイルレッドを1,2−ジクロロメタンに溶解し、印刷法により陰極702上に転写した後、焼成して白色発光のEL層703を形成する。
【0132】
勿論、上記高分子系EL化合物は少なくとも3回以上、好ましくは5回以上の精製(典型的には透析法)を施し、含まれるイオン性不純物の濃度を0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)にしてから成膜する。こうすることでEL層703中に含まれるイオン性不純物の濃度は0.1ppm以下(好ましくは0.01ppm以下)となり、かつ、体積抵抗値は1×1011〜1×1012Ωcm(好ましくは1×1012〜1×1013Ωcm)となる。
【0133】
尚、本実施例ではEL層703を上記発光層のみの単層構造とするが、必要に応じて電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層もしくは正孔素子層を設けても良い。
【0134】
EL層703を形成したら、透明導電膜でなる陽極704を形成する。本実施例では、透明導電膜として酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を蒸着法により形成する。尚、図7では図示されていないが、複数本の陽極が紙面に垂直な方向が長手方向となり、且つ、陰極と直交するようにストライプ状に配列されている。また、図示されないが陽極704は所定の電圧が加えられるように、後にFPCが取り付けられる部分まで配線が引き出されている。
【0135】
陽極704を形成したら、パッシベーション膜705として100nm厚の窒化珪素膜を形成する。これは、後にカバー材等を接着する際に、EL層704が外気に触れないようにするための保護膜である。
【0136】
以上のようにして基板701上にEL素子を形成する。次に、カバー材706としてプラスチック板を用意し、その表面に遮光膜707及びカラーフィルター708を形成する。遮光膜707はカーボンを含む樹脂を用い、カラーフィルター708は赤色、緑色または青色の各々に対応した顔料を含む樹脂を用いる。成膜方法はインクジェット法、スピンコート法または印刷法を用いれば良い。
【0137】
また、本実施例の構造ではEL素子から発した光がカバー材706を透過して観測者の目に入るため、カバー材706は透光性である。本実施例ではプラスチック板を用いているが、ガラス板、PVFフィルムなどの透光性基板(または透光性フィルム)を用いれば良い。
【0138】
こうしてカバー材706を用意したら、乾燥剤709を添加した充填材(接着剤として機能する)710を介してカバー材706を貼り合わせる。貼り合わせ工程は太陽電池の作製に用いられる二重真空方式の貼り合わせ装置を用いれば良い。その後、紫外線硬化樹脂でなるシール材711を用いてフレーム材712を取り付ける。本実施例ではフレーム材712としてステンレス材を用いる。最後にFPC713を取り付けてEL表示装置が完成する。
【0139】
[実施例3]
本発明を実施して形成されたEL表示装置は、自発光型であるため液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優れ、しかも視野角が広い。従って、様々な電子装置の表示部として用いることができる。例えば、TV放送等を大画面で鑑賞するには対角30インチ以上(典型的には40インチ以上)のELディスプレイ(EL表示装置を筐体に組み込んだディスプレイ)の表示部として本発明のEL表示装置を用いるとよい。
【0140】
尚、ELディスプレイには、パソコン用ディスプレイ、TV放送受信用ディスプレイ、広告表示用ディスプレイ等の全ての情報表示用ディスプレイが含まれる。また、その他にも様々な電子装置の表示部として本発明のEL表示装置を用いることができる。
【0141】
その様な電子装置としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、カーナビゲーションシステム、音響再生装置(オーディオ)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはコンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(LD)又はデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から見ることの多い携帯情報端末は視野角の広さが重要視されるため、EL表示装置を用いることが望ましい。それら電子装置の具体例を図8に示す。
【0142】
図8(A)はELディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003等を含む。本発明は表示部2003に用いることができる。ELディスプレイは自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。
【0143】
図8(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2102に用いることができる。
【0144】
図8(C)は頭部取り付け型のELディスプレイの一部(右片側)であり、本体2201、信号ケーブル2202、頭部固定バンド2203、表示部2204、光学系2205、EL表示装置2206等を含む。本発明はEL表示装置2206に用いることができる。
【0145】
図8(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2302、操作スイッチ2303、表示部(a)2304、表示部(b)2305等を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本発明のEL表示装置はこれら表示部(a)、(b)に用いることができる。尚、記録媒体を備えた画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含まれうる。
【0146】
図8(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2401、カメラ部2402、受像部2403、操作スイッチ2404、表示部2405等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2405に用いることができる。
【0147】
図8(F)はパーソナルコンピュータであり、本体2501、筐体2502、表示部2503、キーボード2504等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2503に用いることができる。
【0148】
尚、将来的にEL材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0149】
また、上記電子装置はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。EL材料の応答速度は非常に高いため、EL表示装置は動画表示に好ましいが、画素間の輪郭がぼやけてしまっては動画全体もぼけてしまう。従って、画素間の輪郭を明瞭にするという本発明のEL表示装置を電子装置の表示部として用いることは極めて有効である。
【0150】
また、EL表示装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話やカーオーディオのような文字情報を主とする表示部にEL表示装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
【0151】
ここで図9(A)は携帯電話であり、本体2601、音声出力部2602、音声入力部2603、表示部2604、操作スイッチ2605、アンテナ2606を含む。本発明のEL表示装置は表示部2604に用いることができる。尚、表示部2604は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
【0152】
また、図9(B)は音響再生装置、具体的にはカーオーディオであり、本体2701、表示部2702、操作スイッチ2703、2704を含む。本発明のEL表示装置は表示部2702に用いることができる。また、本実施例では車載用カーオーディオを示すが、据え置き型のオーディオに用いても良い。尚、表示部2704は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオにおいて特に有効である。
【0153】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子装置に用いることが可能である。また、本実施例の電子装置には実施例1〜3に示したいずれの構成のEL表示装置を用いても良い。
【0154】
【発明の効果】
本発明を実施することでEL素子の劣化を抑制することができ、EL表示装置の信頼性を高めることができる。また、本発明のEL表示装置を電子装置の表示部として用いることで、電子装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EL表示装置の画素部を示す図。
【図2】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図3】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図4】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図5】 EL表示装置の外観を示す図。
【図6】 EL表示装置の外観を示す図。
【図7】 EL表示装置の画素部の断面構造を示す図。
【図8】 電子装置の具体例を示す図。
【図9】 電子装置の具体例を示す図。
【図10】 陰極層、EL層、陽極等を形成する装置の構成を示す図。
【図11】 スピンコート法に用いる基板固定ヘッドの適した形状を示す図。

Claims (11)

  1. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は0.1ppm以下であり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  2. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は0.01ppm以下であり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  3. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は0.1ppm以下であり、体積抵抗率は1×1011〜1×1012Ωcmであり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  4. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は0.01ppm以下であり、体積抵抗率は1×1011〜1×1012Ωcmであり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  5. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は7×10 17 atoms/cm 以下であり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  6. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は7×10 16 atoms/cm であり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  7. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は7×10 17 atoms/cm 以下であり、体積抵抗率は1×10 11 〜1×10 12 Ωcmであり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  8. 第1の基板上にEL素子を有する画素を複数有し、
    前記EL素子は、第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、発光性有機化合物からなる薄膜を含むEL層からなり、
    前記発光性有機化合物からなる薄膜中のイオン性不純物であるナトリウムの濃度は7×10 16 atoms/cm であり、体積抵抗率は1×10 11 〜1×10 12 Ωcmであり、
    前記第1の基板と、前記第1の基板にシール剤によって貼り付けられた第2の基板との間の密閉空間は、クラウンエーテルを含む不活性液体で充填されることを特徴とするEL表示装置。
  9. 請求項乃至請求項のいずれか一において、前記第1の電極はストライプ状に配列され、前記第2の電極は前記第1の電極と直交するようにストライプ状に配列される単純マトリクス型であることを特徴とするEL表示装置。
  10. 請求項乃至請求項のいずれか一において、前記画素はTFTを有し、前記TFTは前記EL素子と電気的に接続されるアクティブマトリクス型であることを特徴とするEL表示装置。
  11. 請求項乃至請求項10のいずれか一に記載の前記EL表示装置を表示部に用いたことを特徴とする電子装置。
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