JPH11256077A - 加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法及び加水分解型防汚塗料組成物 - Google Patents

加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法及び加水分解型防汚塗料組成物

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JPH11256077A
JPH11256077A JP7843498A JP7843498A JPH11256077A JP H11256077 A JPH11256077 A JP H11256077A JP 7843498 A JP7843498 A JP 7843498A JP 7843498 A JP7843498 A JP 7843498A JP H11256077 A JPH11256077 A JP H11256077A
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JP
Japan
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resin
benzaldehyde
antifouling paint
hydrolysis
polyallylamine
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Application number
JP7843498A
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English (en)
Inventor
Isao Nakamura
勲 中村
Naoki Yamamori
直樹 山盛
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11256077A publication Critical patent/JPH11256077A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって極めて優れた防汚効果を発
揮することができる加水分解型防汚塗料に使用すること
ができる樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 アリルアミンを重合してなるポリアリル
アミンと、ベンズアルデヒドとからなる加水分解型防汚
塗料用樹脂の製造方法であって、上記ポリアリルアミン
を調製した後、上記ポリアリルアミンと上記ベンズアル
デヒドとを反応させて、上記ポリアリルアミンの側鎖に
アゾメチン基の形で上記ベンズアルデヒドを結合させる
加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解型防汚塗
料用樹脂の製造方法及びこれを用いる加水分解型防汚塗
料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】防汚塗料は、フジツボ等の生物の付着、
成長を防止するために、水面下にある物体の表面に塗布
されるものである。防汚塗料としては、従来より、トリ
アルキルすず高分子化合物をビヒクルとするものが知ら
れている。この防汚塗料は、防汚剤の溶出量を防汚性を
維持する最低レベルに抑え、かつ、一定量を長期間にわ
たって溶出する点で優れたものである。
【0003】この防汚塗料は、ビヒクルとして用いるト
リアルキルすず高分子化合物が海水の微アルカリ性雰囲
気で加水分解し、すず化合物を放出するとともに、ビヒ
クルが水溶化して塗膜が摩耗し、このため、塗膜の凹凸
が平滑になるので、例えば、船舶に適用された場合に
は、船舶の海水摩擦抵抗を減らして燃料費の節減に寄与
することができる。しかしながら、溶出されるトリアル
キルすずが生態系に悪影響を及ぼす懸念があることか
ら、トリアルキルすず高分子化合物に代わる加水分解型
防汚塗料用ビヒクル樹脂の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、長期間にわたって極めて優れた防汚効果を発揮する
ことができる加水分解型防汚塗料に使用することができ
る樹脂の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アリルアミン
を重合してなるポリアリルアミンと、ベンズアルデヒド
とからなる加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法であっ
て、上記ポリアリルアミンを調製した後、上記ポリアリ
ルアミンと上記ベンズアルデヒドとを反応させて、上記
ポリアリルアミンの側鎖にアゾメチン基の形で上記ベン
ズアルデヒドを結合させる加水分解型防汚塗料用樹脂の
製造方法である。
【0006】また、本発明は、アリルアミンを重合して
なるポリアリルアミンと、ベンズアルデヒドと、α−n
−アミル桂皮アルデヒドとからなる加水分解型防汚塗料
用樹脂の製造方法であって、上記ポリアリルアミンを調
製した後、上記ポリアリルアミンと上記ベンズアルデヒ
ド及び上記α−n−アミル桂皮アルデヒドとを反応させ
て、上記ポリアリルアミンの側鎖にアゾメチン基の形で
上記ベンズアルデヒド及び上記α−n−アミル桂皮アル
デヒドを結合させる加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方
法である。
【0007】そして、本発明は、ビニルアミンを構成単
位として有するビニルアミン共重合体と、ベンズアルデ
ヒドとからなる加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法で
あって、上記ビニルアミン共重合体を調製した後、上記
ビニルアミン共重合体と上記ベンズアルデヒドとを反応
させて、上記ビニルアミン共重合体の側鎖にアゾメチン
基の形で上記ベンズアルデヒドを結合させる加水分解型
防汚塗料用樹脂の製造方法である。
【0008】更に、本発明は、ビニルアミンを構成単位
として有するビニルアミン共重合体と、ベンズアルデヒ
ドと、α−n−アミル桂皮アルデヒドとからなる加水分
解型防汚塗料用樹脂の製造方法であって、上記ビニルア
ミン共重合体を調製した後、上記ビニルアミン共重合体
と上記ベンズアルデヒド及び上記α−n−アミル桂皮ア
ルデヒドとを反応させて、上記ビニルアミン共重合体の
側鎖にアゾメチン基の形で上記ベンズアルデヒド及び上
記α−n−アミル桂皮アルデヒドを結合させる加水分解
型防汚塗料用樹脂の製造方法である。本発明の加水分解
型防汚塗料組成物は、上記の製造方法により得られる加
水分解型防汚塗料用樹脂を含有してなるものである。以
下に本発明を詳述する。
【0009】加水分解型防汚塗料用ビヒクル樹脂として
は、特開平4−332769号公報には、側鎖に1級ア
ミノ基を有するビニル系共重合体に、炭素数1〜18の
アルキル基を有するケチミン化合物を付加重合してなる
ケチミン基含有ビニル系共重合体を必須成分として含有
する防汚塗料用組成物が開示されている。この技術で
は、ケチミン基含有ビニル共重合体が、弱アルカリ性の
雰囲気下においてケチミン基の部分で加水分解し、徐々
に水溶化することを利用して防汚塗料に用いている。こ
のケチミン基含有ビニル共重合体のケチミン基部分は、
ビニル系重合体が有する1級アミノ基と、ケトン化合物
とが結合することにより形成されるものである。
【0010】WO97/09357号公報には、分子内
に1級アミンが脱水縮合反応によって結合したカルボニ
ル基を有する複数のペンダント基を有するビニル重合体
からなる防汚塗料用ビヒクル樹脂が開示されている。こ
の技術において、ペンダント基は、ビニル重合体側のア
ルデヒド基又はカルボニル基と、アミン側の1級アミノ
基とが結合することにより形成されるものである。この
ペンダント基は、弱アルカリ性雰囲気下で加水分解さ
れ、樹脂が徐々に水溶化する。
【0011】WO97/09356号公報には、分子内
に複数のアゾメチン基の形の1級アミノ基を有するビニ
ル重合体からなる防汚塗料用ビヒクル樹脂が開示されて
いる。この防汚塗料用ビヒクル樹脂は、弱アルカリ性雰
囲気下でアゾメチン基部分が加水分解されて樹脂が溶出
する際に、防汚作用を有するアルデヒドを放出すること
により、塗膜の自己研磨による防汚作用のほか、アルデ
ヒドによる防汚効果が得られるものである。
【0012】これらの技術により、ケチミン化合物やシ
ッフ塩基のようなアゾメチン構造を側鎖に有する樹脂
は、海水等の弱アルカリ性雰囲気下で側鎖が加水分解
し、徐々に水溶化するので、加水分解型防汚塗料用樹脂
として好適であることが明らかとなった。また、放出さ
れる化合物が殺菌作用を有しないか又は弱い殺菌作用を
有するものであり、かつ、水棲生物の付着に対して防汚
作用防汚活性を有するアルデヒドである場合には、より
防汚性が良好になることが明らかとなった。
【0013】本発明者らは、上記加水分解型防汚塗料に
好適な樹脂及びその製造方法について、上記従来技術に
ついて更に詳細に検討したところ、重合体種としてポリ
アリルアミン又はビニルアミン共重合体を選択し、アル
デヒド種としてベンズアルデヒド、又は、ベンズアルデ
ヒド及びα−n−アミル桂皮アルデヒドを選択して樹脂
を製造することにより、格別顕著に優れた防汚性を有す
る防汚塗膜を形成する樹脂を得ることができることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】第1の本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂
の製造方法は、ポリアリルアミンを調製した後、上記ポ
リアリルアミンとベンズアルデヒドとを反応させて、上
記ポリアリルアミンの側鎖にアゾメチン基の形で上記ベ
ンズアルデヒドを結合させるものである。
【0015】上記ポリアリルアミンは、アリルアミンを
重合してなる。上記アリルアミンの重合方法としては、
例えば、モノアリルアミンの無機酸塩を、極性溶媒中
で、分子中にアゾ基とカチオン性の窒素原子を有する基
とを含むラジカル開始剤の存在下で重合させる方法(特
公平2−14364号公報)、モノアリルアミンの無機
酸塩と、ジアリルアミン誘導体モノマーとを、水、極性
溶媒又はこれらの混合液中で、分子中にアゾ基とカチオ
ン性の窒素原子とを有するラジカル開始剤の存在下で共
重合させる方法(特公平2−56365号公報)等を挙
げることができる。
【0016】上記ポリアリルアミンは、数平均分子量が
2000〜100000が好ましい。2000未満であ
ると、造膜性が不充分であり、100000を超える
と、作業性が悪く、溶出速度が低下する。より好ましく
は、5000〜40000である。
【0017】第1の本発明においては、上記ポリアリル
アミンとベンズアルデヒドとを反応させて、ポリアリル
アミンの側鎖にアゾメチン基の形でベンズアルデヒドを
結合する。上記アゾメチン基は、ポリアリルアミンが有
する1級アミノ基と、ベンズアルデヒドが有するアルデ
ヒド基との反応により形成される。
【0018】上記ポリアリルアミンの側鎖に上記ベンズ
アルデヒドを結合させる方法としては特に限定されず、
例えば、ポリアリルアミンを水又は有機溶剤に溶解して
溶液とし、この溶液にベンズアルデヒドを滴下して、反
応温度50〜70℃で反応させる方法等を挙げることが
できる。
【0019】上記アゾメチン基の形の側鎖は、得られる
加水分解型防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜
1.5モル含まれることが好ましい。0.01モル/1
00g未満であると、塗膜を形成した際に放出されるア
ルデヒドの量が少なくなり、防汚効果が不充分となり、
1.5モル/100gを超えると、造膜性が悪い。
【0020】上記ベンズアルデヒドを側鎖に有するポリ
アリルアミンは、ベンズアルデヒドが結合したアゾメチ
ン基の部分が弱アルカリ性雰囲気下で加水分解し、徐々
に水溶化するので、優れた加水分解型防汚塗料用樹脂で
ある。
【0021】第2の本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂
の製造方法は、ポリアリルアミンを調製した後、上記ポ
リアリルアミンとベンズアルデヒド及びα−n−アミル
桂皮アルデヒドとを反応させて、上記ポリアリルアミン
の側鎖にアゾメチン基の形で上記ベンズアルデヒド及び
上記α−n−アミル桂皮アルデヒドを結合させるもので
ある。
【0022】上記ポリアリルアミンは、アリルアミンを
重合してなる。上記アリルアミンの重合は、例えば、第
1の本発明で説明した方法等により行うことができる。
【0023】上記ポリアリルアミンは、数平均分子量が
2000〜100000が好ましい。2000未満であ
ると、造膜性が不充分であり、100000を超える
と、作業性が悪く、溶出速度が低下する。より好ましく
は、5000〜40000である。
【0024】第2の本発明においては、上記ポリアリル
アミンと、ベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂皮ア
ルデヒドとを反応させて、ポリアリルアミンの側鎖にア
ゾメチン基の形でベンズアルデヒド及びα−n−アミル
桂皮アルデヒドを結合する。
【0025】上記ポリアリルアミンの側鎖に上記ベンズ
アルデヒド及びα−n−アミル桂皮アルデヒドを結合さ
せる方法としては特に限定されず、例えば、ポリアリル
アミンを水又は有機溶剤に溶解して溶液とし、この溶液
にベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂皮アルデヒド
を滴下して、反応温度50〜70℃で反応させる方法等
を挙げることができる。
【0026】上記アゾメチン基の形の側鎖は、得られる
加水分解型防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜
1.5モル含まれることが好ましい。0.01モル/1
00g未満であると、塗膜を形成した際に放出されるア
ルデヒドの量が少なくなり、防汚効果が不充分となり、
1.5モル/100gを超えると、造膜性が悪い。
【0027】上記ベンズアルデヒドが結合したアゾメチ
ン基の形の側鎖は、アゾメチン基の形の側鎖の50%以
上であることが好ましい。50%未満であると、ポリッ
シング性が不充分となる。より好ましくは、70%以上
である。
【0028】上記ベンズアルデヒド及びα−n−アミル
桂皮アルデヒドを側鎖に有するポリアリルアミンは、ベ
ンズアルデヒド及びα−n−アミル桂皮アルデヒドが結
合したアゾメチン基の部分が弱アルカリ性雰囲気下で加
水分解し、徐々に水溶化するので、優れた加水分解型防
汚塗料用樹脂である。上記側鎖にベンズアルデヒド及び
α−n−アミル桂皮アルデヒドを有するポリアリルアミ
ンは、ベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂皮アルデ
ヒドを併用しているので、ポリマーの柔軟性及び自己研
磨性を調整することができる。
【0029】第3の本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂
の製造方法は、ビニルアミン共重合体を調製した後、上
記ビニルアミン共重合体とベンズアルデヒドとを反応さ
せて、上記ビニルアミン共重合体の側鎖にアゾメチン基
の形で上記ベンズアルデヒドを結合させるものである。
【0030】上記ビニルアミンを構成単位として有する
重合体は、ビニルアミン共重合体である。ビニルアミン
の重合体がホモポリマーであると、得られる塗膜やフィ
ルムが水溶性となり、長期間にわたって徐々に溶出する
ことによる防汚作用が期待できないので、本発明におい
ては、ビニルアミンと他の構成単位とを含む共重合体を
使用する。
【0031】上記ビニルアミン共重合体は、例えば、N
−ビニルホルムアミド及びその他の重合可能な化合物を
重合してなる重合体を加水分解すること等により得るこ
とができる。上記その他の重合可能な化合物としては特
に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等の(メタ)
アクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル
等を挙げることができる。
【0032】上記N−ビニルホルムアミド及び上記その
他の重合可能な化合物の重合方法としては特に限定され
ず、例えば、N−ビニルホルムアミド及びその他の重合
可能な化合物を、例えば、イソプロピルアルコール等の
溶剤中に滴下して、60〜80℃で反応させる方法等を
挙げることができる。
【0033】上記N−ビニルホルムアミド及び上記その
他の重合可能な化合物を重合してなる重合体の加水分解
は、酸加水分解であってもよく、アルカリ加水分解であ
ってもよい。
【0034】上記酸加水分解に使用される酸としては特
に限定されず、例えば、塩酸、酢酸、メタンスルホン酸
等を挙げることができる。なかでも、メタンスルホン酸
等の1塩基酸が好ましい。上記アルカリ加水分解に使用
されるアルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸
化ナトリウム等を挙げることができる。上記アルカリを
用いたアルカリ加水分解は、70〜100℃で反応が行
われる。
【0035】上記ビニルアミン共重合体は、数平均分子
量が2000〜100000が好ましい。2000未満
であると、造膜性が不充分であり、100000を超え
ると、作業性が悪く、溶出速度が低下する。より好まし
くは、5000〜40000である。
【0036】第3の本発明においては、上記ビニルアミ
ン共重合体と、ベンズアルデヒドとを反応させて、ビニ
ルアミン共重合体の側鎖にアゾメチン基の形でベンズア
ルデヒドを結合する。上記アゾメチン基は、ビニルアミ
ン共重合体が有する1級アミノ基と、ベンズアルデヒド
が有するアルデヒド基との反応により形成される。
【0037】上記ビニルアミン共重合体の側鎖に上記ベ
ンズアルデヒドを結合させる方法としては特に限定され
ず、例えば、ビニルアミン共重合体を水又は有機溶剤に
溶解して溶液とし、この溶液にベンズアルデヒドを滴下
して、反応温度50〜80℃で反応させる方法等を挙げ
ることができる。
【0038】上記アゾメチン基の形の側鎖は、得られる
加水分解型防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜
1.5モル含まれることが好ましい。0.01モル/1
00g未満であると、塗膜を形成した際に放出されるア
ルデヒドの量が少なくなり、防汚効果が不充分となり、
1.5モル/100gを超えると、造膜性が悪い。
【0039】上記ベンズアルデヒドを側鎖に有するビニ
ルアミン共重合体は、ベンズアルデヒドが結合したアゾ
メチン基の部分が弱アルカリ性雰囲気下で加水分解し、
徐々に水溶化するので、優れた加水分解型防汚塗料用樹
脂である。
【0040】第4の本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂
の製造方法は、ビニルアミン共重合体を調製した後、上
記ビニルアミン共重合体とベンズアルデヒド及びα−n
−アミル桂皮アルデヒドとを反応させて、上記ビニルア
ミン共重合体の側鎖にアゾメチン基の形で上記ベンズア
ルデヒド及び上記α−n−アミル桂皮アルデヒドを結合
させるものである。
【0041】上記ビニルアミン共重合体は、例えば、第
3の本発明において説明した方法等により調製される。
上記ビニルアミン共重合体は、数平均分子量が2000
〜100000が好ましい。2000未満であると、造
膜性が不充分であり、100000を超えると、作業性
が悪く、溶出速度が低下する。より好ましくは、500
0〜40000である。
【0042】第4の本発明においては、上記ビニルアミ
ン共重合体と、ベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂
皮アルデヒドとを反応させて、ビニルアミン共重合体の
側鎖にアゾメチン基の形でベンズアルデヒド及びα−n
−アミル桂皮アルデヒドを結合する。
【0043】上記アゾメチン基の形の側鎖は、得られる
加水分解型防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜
1.5モル含まれることが好ましい。0.01モル/1
00g未満であると、塗膜を形成した際に放出されるア
ルデヒドの量が少なくなり、防汚効果が不充分となり、
1.5モル/100gを超えると、造膜性が悪い。
【0044】上記ベンズアルデヒドが結合したアゾメチ
ン基の形の側鎖は、アゾメチン基の形の側鎖の50%以
上であることが好ましい。50%未満であると、ポリッ
シング性が不充分となる。より好ましくは、70%以上
である。
【0045】上記ビニルアミン共重合体の側鎖に上記ベ
ンズアルデヒド及び上記α−n−アミル桂皮アルデヒド
を結合させる方法としては特に限定されず、例えば、ビ
ニルアミン共重合体を水又は有機溶剤に溶解して溶液と
し、この溶液にベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂
皮アルデヒドを滴下して、反応温度50〜70℃で反応
させる方法等を挙げることができる。
【0046】上記ベンズアルデヒド及びα−n−アミル
桂皮アルデヒドを側鎖に有するビニルアミン共重合体
は、ベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂皮アルデヒ
ドが結合したアゾメチン基の部分が弱アルカリ性雰囲気
下で加水分解し、徐々に水溶化するので、優れた加水分
解型防汚塗料用樹脂である。上記側鎖にベンズアルデヒ
ド及びα−n−アミル桂皮アルデヒドを有するビニルア
ミン共重合体は、ベンズアルデヒド及びα−n−アミル
桂皮アルデヒドを併用しているので、ポリマーの柔軟性
及び自己研磨性を調整することができる。
【0047】本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂の製造
方法においては、まず、ポリアリルアミン又はビニルア
ミン共重合体を調製した後、ベンズアルデヒドやα−n
−アミル桂皮アルデヒドを反応させているので、ポリマ
ーに結合するアルデヒドの量を調節することができ、加
水分解型防汚塗料用樹脂として必要な量のアルデヒドを
容易に結合させることができる点において優れている。
【0048】本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂の製造
方法により得られる加水分解型防汚塗料用樹脂は、加水
分解型防汚塗料組成物に好適に用いられる。上記加水分
解型防汚塗料用樹脂を含有してなる加水分解型防汚塗料
組成物もまた、本発明のひとつである。
【0049】本発明の加水分解型防汚塗料組成物は、上
記加水分解型防汚塗料用樹脂に、例えば、防汚剤、可塑
剤、塗膜消耗調整剤、顔料、溶剤等の慣用の添加剤を添
加して得られるものである。
【0050】上記防汚剤としては特に限定されず、公知
のものを使用することができ、例えば、銅、亜鉛、ニッ
ケル等の金属粉末又はフレーク;銅、亜鉛等の金属の酸
化物、金属の水酸化物、金属のハロゲン化物;亜酸化
銅、ロダン銅等のその他の金属塩;ナフテン酸銅、ステ
アリン酸等の金属カルボン酸塩;ジンクジメチルジチオ
カーバメート、ビスジメチルジチオカルバモイルジン
ク、エチレンビスジチオカーバメート等の金属ジチオカ
ーバメート類;テトラメチルチウラムジサルファイド等
のチウラムジサルファイド類;フタリルサルファチアゾ
ール、サルファエチドール、サルファニリドピリジン、
サルフォメトキシン、N,N′−ジメチル−N′−フェ
ニル−N−フルオロジクロロメチルチオスルファミド等
のスルファミド類;グリオジン、フェンチゾール、ポリ
サイド等のピロール類及びイミダゾール類;テラゾー
ル、アステロール、マイロン等のチオキサン類及びチオ
ザンソン類;ニカルバジン、3,4,5−トリブロモサ
リチルアニリド、N−トリクロロメチルメルカプトフタ
ルイミド、3,5−ジニトロベンザミド、2,4,6−
トリクロロマレイミド、N−フルオロジクロロメチルチ
オフタルイミド等のイミド類及びアミド類;2−メチル
チオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミ
ノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロフ
タロニトリル、N,N′−ジメチルジクロロフェニル尿
素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−(2
H)イソチアゾリン、2−ピリジンチオール−1−オキ
シド亜鉛塩、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチ
ルスルホニルピリジン、3−ヨード−2−プロピルブチ
ルカーバメート、ジヨードメチルパラトリルスルホン等
の含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物;その他
農薬、医薬、殺菌剤等を挙げることができる。
【0051】上記可塑剤としては特に限定されず、例え
ば、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑
剤;アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル等の
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコー
ルジベンゾエート、ペンタエリスリトールアルキルエス
テル等のグリコールエステル系可塑剤;トリクレジルり
ん酸、トリクロロエチルりん酸等のりん酸エステル系可
塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチ
ル等のエポキシ系可塑剤;ジオクチルすずラウリレー
ト、ジブチルすずラウリレート等の有機すず系可塑剤;
トリメリット酸トリオクチル、トリアセチレン等を挙げ
ることができる。
【0052】上記塗膜消耗調整剤としては特に限定され
ず、例えば、塩素化パラフィン、ポリビニルエーテル、
ポリプロピレンセバケート、部分水添ターフェニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、ポリエーテルポリオール、アルキッド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ロジン、シリコンオイ
ル、ワックス、ワセリン、流動パラフィン等を挙げるこ
とができる。
【0053】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、沈降性硫酸バリウム、タルク、クレー、白亜、シリ
カホワイト、アルミナホワイト、ベントナイト等の体質
顔料;酸化チタン、酸化ジルコン、塩基性硫酸鉛、酸化
すず、カーボンブラック、黒鉛、ベンガラ、クロムイエ
ロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブル
ー、キナクリドン等の着色顔料等を挙げることができ
る。
【0054】上記溶剤としては特に限定されず、例え
ば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロペン
タン、オクタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ホワイト
スピリット等の炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、
酢酸プロピル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート等のエステル類;エチルイソブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;n
−ブタノール、プロピルアルコール等のアルコール等を
挙げることができる。
【0055】上記のほか、その他の添加剤としては特に
限定されず、例えば、ロジン、フタル酸モノブチル、コ
ハク酸モノオクチル等の有機一塩基酸、樟脳、ひまし油
等を挙げることができる。
【0056】上記加水分解型防汚塗料組成物は、例え
ば、上記加水分解型防汚塗料用樹脂に、防汚剤、可塑
剤、塗膜消耗調整剤、顔料、溶剤等の慣用の添加剤を添
加して、ボールミル、ペブルミル、ロールミル、サンド
グラインドミル等の混合機を用いて混合することによ
り、調製することができる。
【0057】本発明の加水分解型防汚塗料組成物は、上
述したように本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂の製造
方法により製造された加水分解型防汚塗料用樹脂を含有
してなるものであり、船舶、漁網、海洋構築物等の防汚
塗料として用いられた場合、塗膜又はフィルムが海水等
のアルカリ雰囲気において徐々に加水分解され、溶出す
る。しかも、ポリアリルアミンやビニルアミン共重合体
を主成分とする塗膜やフィルムがアルカリ雰囲気で加水
分解されると、樹脂の側鎖部に親水基が生成し、その濃
度がある臨界値に達して初めて樹脂が溶出するので、長
期間にわたって防汚効果が持続することができる極めて
良好な防汚塗膜を形成することができる。
【0058】また、本発明の加水分解型防汚塗料組成物
は、特開平4−332769号公報に開示されている防
汚塗料用組成物やWO97/09357号公報に開示さ
れている防汚塗料用ビヒクル樹脂とは異なり、加水分解
により放出される化合物がベンズアルデヒドやα−n−
アミル桂皮アルデヒドであり、これらのアルデヒド自体
も水棲生物の付着に対して防汚作用を有しているので、
塗膜やフィルムの自己研磨による防汚効果だけではな
く、アルデヒドによる防汚効果も期待できる。
【0059】本発明の加水分解型防汚塗料組成物は、使
用される加水分解型防汚塗料用樹脂がポリアリルアミン
若しくはビニルアミン共重合体とベンズアルデヒドとの
組み合わせ、又は、ポリアリルアミン若しくはビニルア
ミン共重合体とベンズアルデヒド及びα−n−アミル桂
皮アルデヒドとの組み合わせであるので、スムーズな加
水分解により、防汚効果の持続期間がより長い。
【0060】従って、本発明の加水分解型防汚塗料組成
物は、タンカー、フェリー、漁船、鋼鉄船、木船、FR
P船等の船舶;海中構築物、漁網、導水管等に好適に用
いることができる。
【0061】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0062】製造例1 ビニルアミン共重合体の製造 攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えたセパラブルフラス
コにイソプロピルアルコール(IPA)80gを仕込
み、80℃に保った。ここに、N−ビニルホルムアミド
(NVF)17.8g、メタクリル酸メチル78.2g
及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル3.83g
の混合物を3時間にわたって滴下し、30分後IPA2
0g及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.9
6gの混合液を30分間で滴下し、更に90分間同温度
に保ってNVF/メタクリル酸メチル共重合体50%I
PA溶液を得た。
【0063】得られたNVF/メタクリル酸メチル共重
合体50%IPA溶液100gを、攪拌機、冷却管を備
えたセパラブルフラスコに仕込み、20%塩酸エタノー
ル22.8gを30分間で滴下した後、80℃で6時間
攪拌し、その後、0.5N水酸化ナトリウムのメタノー
ル溶液を加え、pH=7に調整した。40〜50℃減圧
下で溶剤を除去後ろ過し、IPAに溶解させて、ビニル
アミン共重合体の50%IPA溶液(樹脂溶液A)を得
た。
【0064】製造例2 ビニルアミン共重合体の製造 メタクリル酸メチル78.2gの代わりに、メタクリル
酸メチル45g、アクリルアミド3.2g及びアクリル
酸n−ブチル30gを用いたこと以外は、製造例1と同
様にして、ビニルアミン共重合体の50%IPA溶液
(樹脂溶液B)を得た。
【0065】製造例3 ビニルアミン共重合体の製造 N−ビニルホルムアミド17.8gを35gとし、メタ
クリル酸メチル78.2gの代わりに、メタクリル酸メ
チル50g、アクリル酸i−ブチル10g及びスチレン
5gを用いたこと以外は、製造例1と同様にして、ビニ
ルアミン共重合体の50%IPA溶液(樹脂溶液C)を
得た。
【0066】実施例1 攪拌機、窒素導入管及び冷却管を備えたセパラブルフラ
スコに、ポリアリルアミン(数平均分子量10000)
10%メタノール溶液560gを加え、60℃で保っ
た。この溶液中にベンズアルデヒド100gを1時間か
けて滴下し、減圧下で溶剤を除去した。次に、キシレン
200gを加え、減圧下で50gの溶剤を除去し、キシ
レン50%の樹脂溶液Dを得た。
【0067】実施例2 ベンズアルデヒド100gの代わりに、ベンズアルデヒ
ド50g及びα−n−アミル桂皮アルデヒド100gを
用いたこと以外は、実施例1と同様にして、キシレン5
0%の樹脂溶液Eを得た。
【0068】実施例3 ポリアリルアミン(数平均分子量10000)10%メ
タノール溶液560gの代わりに、ポリアリルアミン
(数平均分子量7000)50%水溶液113gを用
い、ベンズアルデヒド100gの代わりに、ベンズアル
デヒド85g及びα−n−アミル桂皮アルデヒド30g
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、キシレン
50%の樹脂溶液Fを得た。
【0069】実施例4 ポリアリルアミン(数平均分子量10000)10%メ
タノール溶液560gの代わりに、製造例1で得られた
樹脂溶液A200gを用い、ベンズアルデヒド100g
を25gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、キ
シレン50%の樹脂溶液Gを得た。
【0070】実施例5 ポリアリルアミン(数平均分子量10000)10%メ
タノール溶液560gの代わりに、製造例2で得られた
樹脂溶液B200gを用い、ベンズアルデヒド100g
の代わりに、ベンズアルデヒド20g及びα−n−アミ
ル桂皮アルデヒド10gを用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、キシレン50%の樹脂溶液Hを得た。
【0071】実施例6 ポリアリルアミン(数平均分子量10000)10%メ
タノール溶液560gの代わりに、製造例3で得られた
樹脂溶液C200gを用い、ベンズアルデヒド100g
の代わりに、ベンズアルデヒド40g及びα−n−アミ
ル桂皮アルデヒド20gを用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、キシレン50%の樹脂溶液Iを得た。
【0072】比較例1 攪拌機、窒素導入管及び冷却管を備えたセパラブルフラ
スコに、キシレン50gを入れ、アリルアミン5.7g
及びベンズアルデヒド10gを加えて、50℃で1時間
反応させた。減圧下で溶剤とともに生成する水を除去
し、モノマー濃度50%の溶液を得た。この溶液に、
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.8gをIP
A10gに溶解した溶液を70℃で8時間にわたり滴下
し、その後60℃で5時間保温して、樹脂溶液Jを得
た。得られた樹脂溶液J中には、未反応のモノマーが7
0%以上存在していた。
【0073】比較例2 製造例1と同様の装置に、キシレン70g、及び、n−
ブタノール20gを加え、90℃に保った。この溶液
に、スチレン26g、メタクリル酸メチル24g、4−
ビニルアニリン30g、アクリル酸n−ブチル20g、
及び、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル1.8g
の混合溶液を3時間にわたって滴下し、30分間保温
後、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.3g、
キシレン5g、及び、n−ブタノール5gの混合溶液を
1時間にわたって滴下し、その後、2時間保温した。こ
の樹脂溶液中に、キシレン30g、及び、ステアリルア
ルデヒド54gを加え、70℃で2時間攪拌後、減圧下
60〜80℃で溶剤と水とを除去し、固形分濃度55%
の樹脂溶液Kを得た。
【0074】実施例7〜16、比較例3〜5 実施例1〜6、比較例1〜2で得られた樹脂溶液及び塩
化ゴムを用いて、表1に示した配合に従って、各成分を
ディスパーで分散し、塗料を調製した。なお、表1中、
数値は、重量部で示した。
【0075】
【表1】
【0076】実施例7〜16及び比較例3〜5で得られ
た各塗料について、塗料の貯蔵安定性の評価及び防汚性
試験を行った。貯蔵安定性 1/5Lのペイント缶中に、塗料160gを入れ、密封
後、40℃で2か月間貯蔵し、初期の粘度との比較で安
定性を評価した。結果を表2に示した。 ○:粘度上昇が15%未満 △:粘度上昇が15%以上25%未満 ×:粘度上昇が25%以上、又は、ゲル化
【0077】防汚性試験 サンドプラスト処理した9×28cmの銅板に、予めタ
ールエポキシ塗料を塗布して防錆処理してある塗板に、
塗料を乾燥膜厚約150μmとなるように塗布して、試
験板を作成した。得られた試験板を岡山県玉野市日本ペ
イント株式会社臨海研究所において海中に浸漬し、経時
における防汚性を生物の付着した面積(%)によって評
価した。結果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明の加水分解型防汚塗料用樹脂の製
造方法は、上述のとおりであるので、長期間にわたって
防汚効果が持続することができる極めて良好な防汚塗膜
を形成することができる防汚塗料に好適に使用すること
ができる加水分解型防汚塗料用樹脂を製造することがで
きる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリルアミンを重合してなるポリアリル
    アミンと、ベンズアルデヒドとからなる加水分解型防汚
    塗料用樹脂の製造方法であって、前記ポリアリルアミン
    を調製した後、前記ポリアリルアミンと前記ベンズアル
    デヒドとを反応させて、前記ポリアリルアミンの側鎖に
    アゾメチン基の形で前記ベンズアルデヒドを結合させる
    ことを特徴とする加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アゾメチン基の形の側鎖は、加水分解型
    防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜1.5モル
    含まれる請求項1記載の加水分解型防汚塗料用樹脂の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 アリルアミンを重合してなるポリアリル
    アミンと、ベンズアルデヒドと、α−n−アミル桂皮ア
    ルデヒドとからなる加水分解型防汚塗料用樹脂の製造方
    法であって、前記ポリアリルアミンを調製した後、前記
    ポリアリルアミンと前記ベンズアルデヒド及び前記α−
    n−アミル桂皮アルデヒドとを反応させて、前記ポリア
    リルアミンの側鎖にアゾメチン基の形で前記ベンズアル
    デヒド及び前記α−n−アミル桂皮アルデヒドを結合さ
    せることを特徴とする加水分解型防汚塗料用樹脂の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 アゾメチン基の形の側鎖は、加水分解型
    防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜1.5モル
    含まれる請求項3記載の加水分解型防汚塗料用樹脂の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 ベンズアルデヒドが結合したアゾメチン
    基の形の側鎖は、アゾメチン基の形の側鎖の50%以上
    である請求項3又は4記載の加水分解型防汚塗料用樹脂
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ビニルアミンを構成単位として有するビ
    ニルアミン共重合体と、ベンズアルデヒドとからなる加
    水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法であって、前記ビニ
    ルアミン共重合体を調製した後、前記ビニルアミン共重
    合体と前記ベンズアルデヒドとを反応させて、前記ビニ
    ルアミン共重合体の側鎖にアゾメチン基の形で前記ベン
    ズアルデヒドを結合させることを特徴とする加水分解型
    防汚塗料用樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 ビニルアミン共重合体は、N−ビニルホ
    ルムアミドを構成単位として有する重合体を加水分解し
    てなるものである請求項6記載の加水分解型防汚塗料用
    樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 アゾメチン基の形の側鎖は、加水分解型
    防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜1.5モル
    含まれる請求項6又は7記載の加水分解型防汚塗料用樹
    脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 ビニルアミンを構成単位として有するビ
    ニルアミン共重合体と、ベンズアルデヒドと、α−n−
    アミル桂皮アルデヒドとからなる加水分解型防汚塗料用
    樹脂の製造方法であって、前記ビニルアミン共重合体を
    調製した後、前記ビニルアミン共重合体と前記ベンズア
    ルデヒド及び前記α−n−アミル桂皮アルデヒドとを反
    応させて、前記ビニルアミン共重合体の側鎖にアゾメチ
    ン基の形で前記ベンズアルデヒド及び前記α−n−アミ
    ル桂皮アルデヒドを結合させることを特徴とする加水分
    解型防汚塗料用樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 アゾメチン基の形の側鎖は、加水分解
    型防汚塗料用樹脂100gあたり、0.01〜1.5モ
    ル含まれる請求項9記載の加水分解型防汚塗料用樹脂の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 ベンズアルデヒドが結合したアゾメチ
    ン基の形の側鎖は、全アゾメチン基の50%以上である
    請求項9又は10記載の加水分解型防汚塗料用樹脂の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の加
    水分解型防汚塗料用樹脂の製造方法により製造された加
    水分解型防汚塗料用樹脂を含有してなることを特徴とす
    る加水分解型防汚塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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