JPH11246267A - ベータアルミナ電解質の製造方法 - Google Patents

ベータアルミナ電解質の製造方法

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JPH11246267A
JPH11246267A JP10050291A JP5029198A JPH11246267A JP H11246267 A JPH11246267 A JP H11246267A JP 10050291 A JP10050291 A JP 10050291A JP 5029198 A JP5029198 A JP 5029198A JP H11246267 A JPH11246267 A JP H11246267A
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明宏 沢田
Yoshimi Yashima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネシア−アルミナスピネルを使用するこ
となく、しかも原料の純度による影響が少なく、広範囲
の温度域においてβ″化率が高く、高導電性及び高強度
を有するマグネシア添加ベータアルミナを安定して得る
ことができるベータアルミナの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 アルミニウム出発原料とナトリウム出発
原料を混合し、仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製
後、該仮焼粉にマグネシウム出発原料を添加して粉砕・
混合し、成形後焼結することを特徴とするベータアルミ
ナ電解質の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナトリウムイオンを
キャリアとして作動するナトリウム−硫黄電池及びナト
リウム−溶融塩電池等の二次電池あるいはアルカリ金属
熱電変換電池等の固体電解質として用いるベータアルミ
ナの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】べータアルミナ電解質はナトリウムイオ
ン導電性が高いために、ナトリウムイオンをキャリアと
する各種電池の電解質として利用されている。そして、
この電解質は電池の内部抵抗のかなりの部分を占めるた
め、高導電性でかつ高強度を示す緻密焼結体が望まし
い。また、焼結を行う高温時、例えば1700℃で揮発
しやすいナトリウムを含有するために、なるべく低温で
焼結する方が望ましく、さらにコスト面からも焼結温度
は低い方が望ましい。なお、ベータアルミナにはβアル
ミナ(理論組成Na2 O・11Al2 3 )及びβ″ア
ルミナ(理論組成Na2 O・5.3Al2 3 )という
2種類の結晶形が存在し、β″アルミナの方が導電性が
高く電池として高性能を示すため、実用的にはβ″アル
ミナあるいはβ″アルミナとβアルミナの混合物が多用
されている。
【0003】β″アルミナは1580℃以上では不安定
であるがMgOを添加すると1700℃程度まで安定と
なる。また、β″アルミナの安定化剤としてはMg2+
オンのほかにLi1+、Ni2+、Co2+イオン等があり、
これらの中でもMg2+又はLi1+イオンが一般的に用い
られている。Mgを添加したベータアルミナの製造方法
としては種々の方法が提案されており、例えば特公平
6−37289号公報には、MgOが2.8〜5.4w
t%、Na2 Oが8.0〜12.0wt%、残部がAl
2 3 からなる組成を有する粉末を仮焼後粉砕、造粒
し、1.5ton/cm2 以上の圧力で成形して1.7
g/cm3 以上の密度の成形体とした後、1580〜1
650℃で焼成することを特徴とするイオン伝導抵抗率
が低く、しかも曲げ強度等も大きいMgO安定化ベータ
アルミナの製造方法が開示されている。前記公報中には
β″化率が70〜100%のベータアルミナが得られる
実施例が記載されているが、β″化率が高いものは強度
が低く、両者共に高い特性を有するベータアルミナを得
るのは難しい。また、特公平6−4505号公報に
は、MgOが3.3〜4.9wt%、Na2 Oが8.2
〜9.8wt%、残部がAl2 3 からなる組成を有す
るベータアルミナ有底円筒状成形体を、焼成温度精度が
±15℃のガス化炉を用いて焼成することを特徴とする
MgO安定化ベータアルミナ固体電解質管の製造方法が
開示されている。この方法は特定組成範囲とすることに
より、厳密な温度制御が可能な電気炉を使用することな
く、ガス化炉を用いて大規模焼成を可能としたものであ
るが、この方法によっても広い温度範囲(特に低温側)
でβ″化率が高く、強度も高いベータアルミナを得るの
は困難である。なお、この公報には焼成温度は1450
〜1700℃が好ましい旨が記載されているが、実施例
は1650℃のもののみである。
【0004】特開平8−208320号公報には、マ
グネシア−アルミナスピネルとアルミナとナトリウム化
合物とを特定割合で混合し、仮焼し、得られたベータア
ルミナ仮焼物を粉砕、造粒成形後、1580〜1650
℃で焼成し、急冷することを特徴とする高強度及び低電
気抵抗のマグネシア系ベータアルミナ焼結体の製造方法
が開示されているが、この方法はスピネルの製造を含め
て2回の仮焼工程を含むため製品のコストアップをもた
らしている。さらに、特開平8−259314号公報
には、アルミニウム塩とマグネシウム塩を含有する溶液
又はアルミニウム塩とマグネシウム塩の融液から、熱分
解によって、より高比表面積で高活性なマグネシア−ア
ルミナスピネルを生成し、このマグネシア−アルミナス
ピネルとαアルミナと炭酸ナトリウムとを混合後、造
粒、成形し焼結するという方法が提案されている。この
方法ではマグネシア−アルミナスピネルを得るためにア
ルミニウム塩及びマグネシウム塩を用いて熱分解すると
いう手法をとっているため、原料コストが高く、この方
法もコストが高くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の実状に鑑み、マグネシア−アルミナスピネルを
使用することなく、しかも原料の純度による影響が少な
く、広範囲の温度域において、β″化率が高く、高導電
性及び高強度を有するマグネシア添加ベータアルミナを
安定して得ることができるベータアルミナの製造方法を
提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)アルミニ
ウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、仮焼して
ベータアルミナの仮焼粉を調製後、該仮焼粉にマグネシ
ウム出発原料を添加して粉砕・混合し、成形後焼結する
ことを特徴とするベータアルミナ電解質の製造方法、
(2)アルミニウム出発原料、ナトリウム出発原料及び
マグネシウム出発原料の使用量が、焼結後のベータアル
ミナ電解質のAl2 3 /Na2 Oのモル比が5〜7、
MgOの含有量が1.5〜4.5重量%となるような量
であることを特徴とする前記(1)のベータアルミナ電
解質の製造方法、及び(3)アルミニウム出発原料、ナ
トリウム出発原料及びマグネシウム出発原料の使用量
が、焼結後のベータアルミナ電解質のAl2 3 /Na
2 Oのモル比が5.8〜6.4、MgOの含有量が2〜
3重量%となるような量であることを特徴とする前記
(1)のベータアルミナ電解質の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、先ずア
ルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、原
料粉末を調製する。アルミニウム出発原料としては酸化
アルミニウムが好ましい。また、ナトリウム出発原料と
しては炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩が
好適に使用できる。アルミニウム出発原料とナトリウム
出発原料との混合比率はAl2 3 /Na2 Oのモル比
に換算して5〜7、好ましくは5.8〜6.4の範囲と
なるようにする。アルミニウム出発原料とナトリウム出
発原料との混合は粉末状で混合してもよいが、アルミニ
ウム出発原料粉末とナトリウム出発原料を水と混合し、
必要により分散剤を添加して湿式混合するのが好まし
い。
【0008】アルミニウム出発原料とナトリウム出発原
料を混合後、必要により乾燥、粉砕したのち、1200
〜1350℃で仮焼してβ″化率(全結晶相中に占める
β″アルミナの割合)の高い仮焼粉を得る。仮焼温度が
1200℃未満ではβ″化率が低いため焼結体のβ″化
率も低く、導電性が下がり、1350℃を超えるとナト
リウムの飛散に伴いβ″化率が低くなり、また、仮焼粉
の焼結が進み、粉砕が困難又は長時間を要するようにな
るので好ましくない。ちなみに、高純度原料を使用した
場合、アルミナと炭酸ナトリウムのみを混合後、仮焼し
た場合、β″化率は80〜90%程度であるが、アルミ
ナ、炭酸ナトリウム及びマグネシアを混合後、仮焼した
場合は40〜60%程度となる。工業原料を用いた場合
には前者が60〜80%程度、後者が30〜50%程度
となる。
【0009】このようにして得られた仮焼粉は粒成長し
ているため、焼結性を向上させるために粉砕する必要が
ある。この仮焼粉の粉砕の際にマグネシウム出発原料を
添加し、粉砕と同時に混合を行う。この粉砕・混合はマ
グネシウム出発原料と水を添加してスラリとし、湿式粉
砕・混合とするのが好ましい。マグネシウム出発原料と
しては酸化マグネシウム、硝酸マグネシウムなどのマグ
ネシウム塩が好適に使用できる。マグネシウム出発原料
の添加割合は仮焼粉100重量部に対し1.5〜4.5
重量部、特に2〜3重量部の範囲とするのが好ましい。
マグネシウム出発原料の添加割合が1.5重量部未満で
は焼結体のβ″化率が90%以下となり、イオン導電性
が低下する。また、4.5重量部を超えると焼結体の密
度が低くなり、イオン導電性が低下し、強度も低下す
る。
【0010】前記により仮焼粉にマグネシウム出発原料
を添加して湿式粉砕・混合して得られた混合物を所定の
形状に成形し、1540〜1650℃に加熱して焼結
し、ベータアルミナ焼結体(ベータアルミナ電解質)を
得ることができる。前記混合物がスラリの形で得られた
場合には、スプレードライヤにより乾燥、造粒すること
によってより成形が容易となる。焼結温度が1540℃
未満では焼結体の密度が低くなりイオン導電性が低下
し、強度も低下する。また、1650℃を超えると過焼
結による粗大粒子が生成し、強度が低下するので好まし
くない。なお、1540〜1560℃の低温域で焼成し
て高品質のベータアルミナを得るためには、アルミニウ
ム出発原料、ナトリウム出発原料及びマグネシウム出発
原料の使用量を、焼結後のベータアルミナ電解質のAl
2 3 /Na2 Oのモル比が5.8〜6.4、MgOの
含有量が2〜3重量%となるようにしておくのが望まし
い。得られるベータアルミナ焼結体のβ″化率は、高純
度原料を使用した場合で93〜99%程度(MgOの含
有量が2重量%以上であれば95〜99%程度)、工業
原料を使用した場合で92〜97%程度である。
【0011】本発明の方法では、先ずアルミニウム出発
原料とナトリウム出発原料のみを混合して仮焼するた
め、β″化率の高い仮焼粉を得ることができる。したが
って、安定化剤である酸化マグネシウムを加えた後、再
び仮焼する必要はなく仮焼工程は1回でよい。また、仮
焼粉のβ″化率を高くすることによって焼結体のβ″化
率も高くなるので、始めからアルミニウム出発原料、ナ
トリウム出発原料及びマグネシウム出発原料を混合して
仮焼する場合に比較して低温側に広い温度域で焼成して
も、β″化率が高く高導電性、高強度のベータアルミナ
を得ることができる。さらに、マグネシウム出発原料と
して従来技術における高比表面積で高活性なアルミナ−
マグネシアスピネルを用いる必要がなく、市販の酸化マ
グネシウム等を用いてもβ″化率が高く低抵抗のβ″ア
ルミナ主体のベータアルミナ焼結体を得ることができ
る。ベータアルミナは組織が粗大(粒成長)なほどその
導電率は増加するが、その強度は低下するという一般的
な傾向をもつが、本発明の方法によれば、粗大粒子が生
成しない焼成条件でもβ″化率が高く高導電性であり、
また、微細な組織を持つために高強度のβ″アルミナ主
体のベータアルミナ焼結体を得ることができる。
【0012】さらに、アルミニウム出発原料である酸化
アルミニウムとナトリウム出発原料のみを先に混合、仮
焼して反応させるため、用いる酸化アルミニウムには、
高純度(99.9%以上)のものに限らず、低純度(9
9.5%以上)の工業原料を使用してもβ″化率が高く
高導電性のβ″アルミナ焼結体を得ることができる。す
なわち、工業原料酸化アルミニウムは低コストであるた
め、本発明の方法によれば、ベータアルミナ電解質の製
造コストを低減することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに具
体的に説明する。 (実施例1)純度99.99%の酸化アルミニウムと炭
酸ナトリウムをAl2 3 /Na2Oモル比が6となる
ように秤量し、水と分散剤を加え、ボールミルで20時
間湿式混合した。得られたスラリをロータリーエバポレ
ータで濃縮後、120℃の乾燥器で1昼夜乾燥させた。
この乾燥物を粉砕し、500μmのふるいを通した後、
仮焼した。仮焼は200℃/時間で昇温後、1250℃
で2時間保持し、200℃/時間で降温することによっ
て行った。
【0014】得られた仮焼粉(β″化率:88%)に対
し、4重量%相当量の酸化マグネシウムを添加し、水と
分散剤を加えてボールミルで45時間湿式混合した。こ
のスラリをスプレードライヤにて乾燥、造粒した。この
造粒粉を用いて、導電率測定用及び圧環強度測定用の試
料を作製した。導電率測定用の試料は4×4×20mm
の金型で一軸成形後、冷間静水圧プレス(CIP)で
1.5t/cm2 の圧力で2分間保持して成形した。ま
た、圧環強度測定用の試料は外径20mm、長さ150
mm、厚さ1mmのチューブ状に同条件でCIP成形し
た。得られた成形体を5℃/分の昇温速度で昇温し、1
640℃で30分保持後、5℃/分で降温してベータア
ルミナ焼結体を作製した。得られたベータアルミナ焼結
体のβ″化率は99%であった。
【0015】(比較例1)硝酸アルミニウムと硝酸マグ
ネシウムをアルミナとマグネシアに換算して1:1とな
るように秤量し、加熱しながら攪拌溶融した後、冷却し
て固化させた。これを1000℃で2時間熱処理し、マ
グネシア−アルミナスピネルを得た。得られたマグネシ
ア−アルミナスピネルの比表面積は20m2 /gであっ
た。このマグネシア−アルミナスピネルと純度99.9
9%の酸化アルミニウム、炭酸ナトリウムを実施例1と
同じ組成になるように秤量し、水及び分散剤を加えてボ
ールミルで45時間湿式混合した。このスラリをスプレ
ードライヤにて乾燥、造粒し造粒粉を作製した。この造
粒粉を使用し、実施例1と同様の方法でベータアルミナ
焼結体(導電率測定用及び圧環強度測定用の試料)を作
製した。
【0016】(比較例2)純度99.99%の酸化アル
ミニウムと、炭酸ナトリウム及び酸化マグネシウムをA
2 3 /Na2 Oモル比が6、酸化マグネシウムが4
重量%となるように秤量し、水と分散剤を加え、ボール
ミルで20時間湿式混合した。得られたスラリをロータ
リーエバポレータで濃縮後、120℃の乾燥器で1昼夜
乾燥させた。この乾燥物を粉砕し、500μmのふるい
を通した後、仮焼した。仮焼は200℃/時間で昇温
後、1250℃で2時間保持し、200℃/時間で降温
することによって行った。
【0017】得られた仮焼粉のβ″化率は76%であっ
た。この仮焼粉に水と分散剤を加えてボールミルで45
時間湿式混合した。このスラリをスプレードライヤにて
乾燥、造粒した。この造粒粉を用いて、導電率測定用及
び圧環強度測定用の試料を作製した。導電率測定用の試
料は4×4×20mmの金型で一軸成形後、冷間静水圧
プレス(CIP)で1.5t/cm2 の圧力で2分間保
持して成形した。また、圧環強度測定用の試料は外径2
0mm、長さ150mm、厚さ1mmのチューブ状に同
条件でCIP成形した。得られた成形体を5℃/分の昇
温速度で昇温し、1640℃で30分保持後、5℃/分
で降温してベータアルミナ焼結体を作製した。得られた
ベータアルミナ焼結体のβ″化率は92%であった。
【0018】実施例1、比較例1及び2で作製した試料
を用いて導電率及び圧環強度を測定した。導電率は3×
3×15mmの試験片に白金電極を焼き付けて、交流4
端子法で測定した。測定温度は300℃とした。圧環強
度は外径20mmのチューブ状の焼結体を、長さ10m
mに切り出し、JISのZ2507にしたがって測定し
た。測定結果を表1に示す。表1から、本発明の方法に
より作製したベータアルミナ焼結体(ベータアルミナ電
解質)は、従来方法のアルミナ−マグネシアスピネルを
使用して作製したベータアルミナ焼結体とほぼ同等の性
能を有しており、同じく従来方法の最初から酸化アルミ
ニウム、炭酸ナトリウム及び酸化マグネシウムを混合し
て作製したベータアルミナ焼結体に比較して導電率及び
圧環強度ともに優れていることがわかる。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例2)純度99.99%の酸化アル
ミニウムの代わりに純度99.5%の工業用酸化アルミ
ニウムを用いること以外は実施例1と同様の方法でベー
タアルミナ焼結体(導電率測定用及び圧環強度測定用の
試料)を作製した。なお、この場合のβ″化率は仮焼粉
が72%、焼結体で96%であった。
【0021】(比較例3)比較例1と同様の方法でマグ
ネシウム−アルミニウムスピネルを作製し、純度99.
99%の酸化アルミニウムの代わりに純度99.5%の
酸化アルミニウムを用いること以外は比較例1と同様の
方法でベータアルミナ焼結体(導電率測定用及び圧環強
度測定用の試料)を作製した。
【0022】(比較例4)純度99.99%の酸化アル
ミニウムの代わりに純度99.5%の工業用酸化アルミ
ニウムを用いること以外は比較例2と同様の方法でベー
タアルミナ焼結体を作製した。なお、この場合のβ″化
率は仮焼粉が44%、焼結体で86%であった。
【0023】実施例2、比較例3及び4で作製した試料
を用いて導電率及び圧環強度を測定した。測定結果を表
2に示す。表2から、本発明方法によれば純度の低い工
業原料酸化アルミニウムを用いても、β″化率が高く低
抵抗のベータアルミナ焼結体が得られることがわかる。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例3)実施例1と同様にして得られ
た仮焼粉(β″化率:88%)に対し、所定量の酸化マ
グネシウムを添加し、水と分散剤を加えてボールミルで
45時間湿式混合した。このスラリをスプレードライヤ
にて乾燥、造粒した。この造粒粉を用いて、導電率測定
用及び圧環強度測定用の試料を作製した。導電率測定用
の試料は4×4×20mmの金型で一軸成形後、冷間静
水圧プレス(CIP)で1.5t/cm2 の圧力で2分
間保持して成形した。また、圧環強度測定用の試料は外
径20mm、長さ150mm、厚さ1mmのチューブ状
に同条件でCIP成形した。得られた成形体を5℃/分
の昇温速度で昇温し、所定温度で30分保持後、5℃/
分で降温してベータアルミナ焼結体を作製した。酸化マ
グネシウムの添加量は1.5、2、2.5、3及び4重
量%の5ポイントとし、焼成温度は1520、154
0、1560、1580、1600及び1650℃の6
ポイントとした。
【0026】得られた各試料について相対密度を測定す
るとともに、前記方法により導電率及び圧環強度の測定
を行った。なお、各試料のβ″化率は酸化マグネシウム
1.5重量%のもので約93%、他は95%以上であっ
た。図1に焼成温度と相対密度との関係を示す。これよ
り、酸化マグネシウム添加量が2〜3重量%の範囲では
焼成温度を1540℃まで下げても相対密度が97%以
上であることがわかる。図2及び図3に焼成温度156
0℃及び1640℃で焼結した試料の導電率及び圧環強
度と酸化マグネシウム量との関係を示す。図2及び図3
より、酸化マグネシウム添加量が2〜3重量%の範囲で
は焼成温度を1560℃に下げても導電率、圧環強度と
も低下の割合が小さく優れた特性を有していることがわ
かる。
【0027】(実施例4)酸化マグネシウム添加量を
2.5重量%に固定して、Al2 3 /Na2 Oのモル
比を5.5〜7の範囲で変化させたほかは実施例3と同
様に操作しベータアルミナ焼結体を作製した。得られた
各試料ともβ″化率は95%以上であった。焼成温度が
1540、1560及び1640℃のときの相対密度と
Al2 3 /Na2 Oモル比との関係を図4に示す。図
4よりAl2 3 /Na2 Oのモル比が6.4以下であ
れば焼成温度を1540℃まで下げても、相対密度が9
7%以上の緻密な焼結体得られていることがわかる。ま
た、焼成温度1560℃及び1640℃での焼結体の導
電率とAl2 3 /Na2 Oモル比との関係を図5に、
焼結体の圧環強度とAl2 3 /Na2 Oモル比との関
係を図6にそれぞれ示す。図5及び図6より、Al2
3 /Na2 Oモル比が5.8〜6.4の範囲であれば、
焼成温度を下げても導電率、圧環強度とも低下の割合が
小さく優れた特性を有していることがわかる。なお、図
5及び図6には焼成温度1540℃のデータは示してい
ないが、図4に示すように1540℃における相対密度
は1560℃の場合と比較して低下は小さいので、導電
率及び圧環強度もほぼ同等の値が得られていることがわ
かる。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高コストのアル
ミニウム塩とマグネシウム塩を用いて作製した高活性、
高比表面積のマグネシウム−アルミナスピネルを用いる
ことなく、高導電性、高強度のベータアルミナ焼結体を
得ることができる。また、純度の低い(99.5%)工
業原料酸化アルミニウムを用いても導電性、圧環強度の
特性低下は小さく、高導電性、高強度のベータアルミナ
焼結体を得ることができる。さらに、アルミニウム出発
原料、ナトリウム出発原料及びマグネシウム出発原料の
使用量を、焼結後のベータアルミナ電解質のAl2 3
/Na2 Oのモル比が5.8〜6.4、MgOの含有量
が2〜3重量%となるような範囲とすることにより、1
540〜1560℃の低温焼成でも、高導電性、高強度
のベータアルミナ焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3における焼成温度と相対密度との関係
を示す図。
【図2】実施例3におけるMgO量と導電率との関係を
示す図。
【図3】実施例3におけるMgO量と圧環強度との関係
を示す図。
【図4】実施例4におけるAl2 3 /NaO2 モル比
と相対密度との関係を示す図。
【図5】実施例4におけるAl2 3 /NaO2 モル比
と導電率との関係を示す図。
【図6】実施例4におけるAl2 3 /NaO2 モル比
と圧環強度との関係を示す図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】(実施例3)実施例1と同様にして得られ
た仮焼粉(β″化率:88%)に対し、所定量の酸化マ
グネシウムを添加し、水と分散剤を加えてボールミルで
45時間湿式混合した。このスラリをスプレードライヤ
にて乾燥、造粒した。この造粒粉を用いて、導電率測定
用及び圧環強度測定用の試料を作製した。導電率測定用
の試料は4×4×20mmの金型で一軸成形後、冷間静
水圧プレス(CIP)で1.5t/cm2 の圧力で2分
間保持して成形した。また、圧環強度測定用の試料は外
径20mm、長さ150mm、厚さ1mmのチューブ状
に同条件でCIP成形した。得られた成形体を5℃/分
の昇温速度で昇温し、所定温度で30分保持後、5℃/
分で降温してベータアルミナ焼結体を作製した。酸化マ
グネシウムの添加量は1.5、2、2.5、3及び4重
量%の5ポイントとし、焼成温度は1520、154
0、1560、1580、1600及び1640℃の6
ポイントとした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム出発原料とナトリウム出発
    原料を混合し、仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製
    後、該仮焼粉にマグネシウム出発原料を添加して粉砕・
    混合し、成形後焼結することを特徴とするベータアルミ
    ナ電解質の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム出発原料、ナトリウム出発
    原料及びマグネシウム出発原料の使用量が、焼結後のベ
    ータアルミナ電解質のAl2 3 /Na2 Oのモル比が
    5〜7、MgOの含有量が1.5〜4.5重量%となる
    ような量であることを特徴とする請求項1に記載のベー
    タアルミナ電解質の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム出発原料、ナトリウム出発
    原料及びマグネシウム出発原料の使用量が、焼結後のベ
    ータアルミナ電解質のAl2 3 /Na2 Oのモル比が
    5.8〜6.4、MgOの含有量が2〜3重量%となる
    ような量であることを特徴とする請求項1に記載のベー
    タアルミナ電解質の製造方法。
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