JP3377261B2 - β−アルミナ粉末の製造方法 - Google Patents

β−アルミナ粉末の製造方法

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宏紀 杉浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電変換器、電池、セ
ンサ、ディスプレイ等に利用される固体電解質を得るた
めのβ−アルミナ粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−アルミナ(Na20・5〜11Al2
3)は、Na+のイオン伝導率が極めて高いため、従来
より固体電解質として利用されている。
【0003】この固体電解質としての特性を充分に発揮
させるためには、高強度、高イオン伝導率を有するβ−
アルミナ焼結体を得ることが必要であり、このために
は、原料であるβ−アルミナ粉末が均質であることが要
求される。
【0004】均質なβ−アルミナ粉末を得るために、こ
れまでNa塩とα−アルミナをそのまま若しくは微粒に
した状態で乾式分散混合し、熱合成を行う方法あるいは
Na塩とα−アルミナを水または有機溶剤を溶媒として
湿式分散混合し、乾燥後、熱合成を行う方法が行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法により熱合成されたβ−アルミナ粉末では、X線回折
チャートから、α−アルミナやアルミン酸ソーダが相当
量解析される。このα−アルミナやアルミン酸ソーダを
多く含むβ−アルミナ粉末は、焼結体の密度向上を妨
げ、また強度低下、イオン伝導率低下をも招いてしまう
という問題があった。
【0006】一方、特開平2−14812号公報では、
Na、Liの2種のアルカリ成分を均一混合させるた
め、一担アルカリ成分を加熱溶融してアルカリ塩の化合
物及び固溶体等の生成物を形成した後、Al23と混合
を行う方法が開示されている。
【0007】しかしながら、上記方法では2種のアルカ
リ成分を均一混合させることはできるものの、得られた
アルカリの生成物と主成分のAl23との混合は従来法
によるため、アルカリ成分とAl23との均一混合化と
いう点で不満が残った。また、アルカリ成分の溶融工程
が入るため、全体として加熱工程数が増えてしまい、工
程管理の複雑化及びコストアップを招く恐れがあった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、めんどうな工程を加えず容易にアルカリ成分とA
23とを均一混合できる方法を提供することにより、
α−アルミナ、アルミン酸ソーダの生成が極力抑えられ
たβ−アルミナ粉末を製造することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のβ−アルミナ粉
末の製造方法では、Naの炭酸塩若しくは硝酸塩を含む
溶液中に酸を加えることにより、当該Naの炭酸塩若し
くは硝酸塩を溶液中に完全に溶解させた状態でα−アル
ミナ粉末と混合してスラリとし、該スラリを乾燥後、熱
合成することを課題解決の手段とした(請求項1)。
【0010】上記乾燥方法としては噴霧乾燥法又は凍結
乾燥法を用いることが好ましい(請求項2)。
【0011】また上記熱合成において、スピネル、マグ
ネシア又はジルコニアよりなる材質の容器を用いること
が望ましい(請求項3)。
【0012】以下、好ましい製造方法の態様を中心と
し、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0013】β−アルミナの原料となるNa源として
は、Na2CO3、NaNO3等の炭酸塩、硝酸塩等が好
ましい。一方、α−アルミナ粉末としては、純度99.
8%以上、比表面積(BET法)1.9m2/g以上の
ものを用いることが望ましい。
【0014】上記のNa2CO3等のNa源を溶液中に完
全に溶解させるには、例えば、純水等とNa源とを混ぜ
合わせた後、さらに酢酸、シュウ酸等の酸を加えてNa
源と反応させNa+イオンとして溶解させることにより
行うことができる。この際、上記酸は、Na源が完全に
イオン化することができる当量分だけ添加することが好
ましい。
【0015】Na源を溶液中に完全に溶解させた後、α
−アルミナを添加してスラリ混合を行う。この際、スラ
リの粘度は、作製時及び乾燥時の作業性を考慮して、8
ポイズ以下にすることが好ましい。また、スラリの攪拌
時間は1〜3時間が好ましい。
【0016】上記スラリは乾燥して粉末とされるが、N
a源の偏析を極力防ぐ意味から噴霧乾燥又は凍結乾燥法
が好適に用いられる。
【0017】乾燥された粉末は、1240℃〜1320
℃の温度範囲で5時間程度熱合成される。温度が124
0℃未満ではβ″−アルミナ生成率が低く、またα−ア
ルミナの残存量も多くなり、焼結体の密度低下を招くこ
とととなり、1320℃を超えると合成粉末が硬くな
り、後工程の粉砕で微粉砕粒子が得られにくく、焼結体
の強度低下を招き易くなり、いずれも好ましくないため
である。
【0018】また、この熱合成の際に用いられる容器の
材質をスピネル、マグネシア又はジルコニアとすること
により、Na雰囲気が抑制され、Naの組成ずれ等を防
止することができる。
【0019】このようにして製造されたβ−アルミナ粉
末は、例えば、振動ミル、ボールミル等により粉砕さ
れ、安定化剤であるLi2O等を所定量添加後造粒され
る。造粒粉末は静水圧プレス法で所望の形状に成形さ
れ、Na雰囲気を抑制できるスピネル、マグネシア、ジ
ルコニア容器内で焼結され、β−アルミナ焼結体が得ら
れる。
【0020】
【作用】本発明のβ−アルミナ粉末の製造方法のポイン
トは、熱合成の前段階におけるα−アルミナ粉末とNa
源との混合を、Na源を完全溶解させた状態で行う点に
ある。
【0021】すなわち、Na源を完全溶解させることに
より、スラリー内のNa源の偏析が殆ど無くなるものと
考えられ、このためNa源が分散されるのみで偏析を必
ず伴う従来法とは異なり、α−アルミナとの熱合成時に
反応ムラを生じにくく、従って、α−アルミナの残存や
アルミン酸ソーダの析出を防止することが可能となるも
のと考えられる。
【0022】
【実施例】
(従来法による製造)試薬特級のNa2CO3と純度99.9
%のアルミナを重量基準で9.1%Na2O-0.75%Li2O-90.15%A
l2O3の最終組成になるべく所定量秤量し、混合機にて1
0時間での乾式混合(表1の混合条件1)を行った。次
いで、混合粉末をマグネシアの容器に入れ1240、1
280、1320℃の温度で各5時間の熱合成を行っ
た。
【0023】得られた合成粉末についてX線回折法によ
り結晶相の確認を行った後、ボールミル粉砕し、さらに
上記の最終組成になるべくLi2Oを添加し、噴霧乾燥
造粒を行った。造粒粉末を静水圧プレス法にて1500
kg/cm2の成形圧力で有底円筒状に成形した。この
成形体をマグネシア質の容器内に格納し1500℃以上
の温度であって、異常粒子成長を生じない範囲の最高温
度で所定時間保持し焼成した。焼結体はアルキメデス法
により密度を、圧環強度法により破壊強度を、Na−N
aセルによる直流4端子法により比抵抗を測定した。
【0024】
【表1】
【0025】(本発明方法による製造)まず、試薬特級
のNa2CO3と純度99.9%のα−アルミナを所定量秤量
し、まずNa2CO3を純水と混ぜ合わせた。この際、表
2に示すように、Na2CO3量に対してそれぞれ56.7、
113.3、170.0各重量部の酢酸を入れ反応が終了するまで
放置した(表1の混合条件3〜5)。放置後秤量したα
−アルミナを入れ混合してスラリを作製し、このスラリ
を噴霧乾燥機にて乾燥し、熱合成以降は上記の従来法と
同様な工程を経てβ−アルミナ焼結体を得、その特性を
測定した。その結果を従来法の結果と共に表2に示す。
【0026】なお、比較例として混合時に酢酸を添加し
ないもの(表1の混合条件2)も上記と同様に作成して
同様に特性を評価した結果も表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2の結果より、従来法である混合条件
1、2と本発明の混合条件4、5の焼結体特性とを比較
すると密度、圧環強度、比抵抗いずれも混合条件4、5
の方が良い結果が得られることが確認された。
【0029】混合条件3はNa2CO3が完全に溶解して
いないためか混合条件1、2と大差ない結果となった。
混合条件4と混合条件5の比較でも大差ない結果となっ
ていることからNa2CO3が完全に溶解できる酢酸量で
あれば充分であることが確認された。また混合条件4、
5においては他の混合条件のものとの違いとして焼結温
度を低くできるという効果も見られた。さらに合成粉末
のX線回折の結果から本発明の合成粉末はβ″−アルミ
ナ生成率が高く、その影響として焼結体の比抵抗が低く
なる効果が得られたと思われる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明のβ−アルミ
ナ粉末の製造方法によれば、得られるβ−アルミナ粉末
中のα−アルミナやアルミン酸ソーダ等の結晶相をなく
すあるいは少なくすることが出来るので、その粉末を焼
結体にした時に密度、イオン伝導性、強度等の焼結体特
性を向上させることができる。
【0031】さらに、本発明はβ−アルミナの安定化剤
であるLi2O、MgO等の添加方法にも応用できるも
ので、更に一層の特性向上が可能であることを示唆する
ものである。従って、本発明のβ−アルミナ粉末の製造
方法から得られる粉末を用いたβ−アルミナ焼結体は、
例えばナトリウム−硫黄電池用の固体電解質に適用する
ことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥田 恭典 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−207838(JP,A) 特開 平3−174317(JP,A) 特開 平2−120274(JP,A) 特開 昭51−13814(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 7/00 - 7/76 C04B 35/113

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Naの炭酸塩若しくは硝酸塩を含む溶液中
    に酸を加えることにより、当該Naの炭酸塩若しくは硝
    酸塩を溶液中に完全に溶解させた状態でα−アルミナ粉
    末と混合してスラリとし、該スラリを乾燥後、熱合成す
    ることを特徴とするβ−アルミナ粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】上記乾燥方法として噴霧乾燥法又は凍結乾
    燥法を用いることを特徴とする請求項1記載のβ−アル
    ミナ粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】上記熱合成において、スピネル、マグネシ
    ア又はジルコニアよりなる材質の容器を用いることを特
    徴とする請求項1又は2記載のβ−アルミナ粉末の製造
    方法。
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