JPH07315930A - MgIn2 O4 系焼結体の製造方法 - Google Patents

MgIn2 O4 系焼結体の製造方法

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JPH07315930A
JPH07315930A JP6113047A JP11304794A JPH07315930A JP H07315930 A JPH07315930 A JP H07315930A JP 6113047 A JP6113047 A JP 6113047A JP 11304794 A JP11304794 A JP 11304794A JP H07315930 A JPH07315930 A JP H07315930A
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JP
Japan
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powder
surface area
mgin
sintered body
specific surface
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JP6113047A
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Toichi Takagi
東一 高城
Shigeo Hiyama
茂雄 檜山
Tetsuya Wada
徹也 和田
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度のMgIn2 4 系焼結体の製造方法
を提供する。 【構成】 第一の発明は、BET比表面積が15m2
g以上の酸化インジウム粉末と、マグネシウム成分を含
む粉末の混合物を原料に用いて焼結することを特徴とす
るMgIn2 O4 系焼結体の製造方法であり。さらに、
第二の発明はBET比表面積が1m2 /g以上のMgI
2 4 系粉末を原料に用いることを特徴とするMgI
2 4 系焼結体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MgIn2 4 系焼結
体の製造方法に関し、特に高密度の焼結体を製造する方
法に関するものである。MgIn2 4 系焼結体は電子
ビーム加熱或いはスパッタリングなどによるMgIn2
4 系の薄膜形成時に用いるターゲットなどとして応用
される。
【0002】
【従来の技術】MgIn2 4 は、高い電気伝導率と広
い透明波長領域と化学的、光化学的安定性を持つ電気伝
導性酸化物として最近注目され、液晶表示基板の透明電
極、太陽電池の電極、透光性薄膜発熱体、赤外線反射
膜、電磁遮蔽膜、帯電防止膜或いはガスセンサーなどに
応用することが提案されている。これらの用途に使用さ
れるMgIn2 4 膜や成形体は、焼結体をターゲット
としてスパッタリングによって作製されたり、酸化物原
料を仮焼後、プレス成形しより高温で焼結させて直接M
gIn2 4 焼結体として作製されたり、焼結体から切
断、加工されて作製される。これらの用途に使用するた
めには、一般に90%以上の高い相対密度の焼結体が要
求されている。
【0003】従来、MgIn2 4 系焼結体は、酸化イ
ンジウム粉末とマグネシウムを含む粉末との混合物を原
料にして、これを仮焼し成形したものを、大気圧雰囲気
中で焼結する方法(特開平5−238807号公報)や
ホットプレス装置(HP)、又は熱間等方圧装置(HI
P)を用いて、1300℃程度の低温で高圧下で焼結す
る方法などにより作製する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
大気圧雰囲気中で焼結する方法(常圧焼結法)において
は、1600℃程度以上の高温、大気圧雰囲気中で焼成
する際に酸化インジウム成分の揮散があり組成制御に問
題があり、逆に低温での焼結では十分焼結せず、相対密
度90%以上の高密度MgIn2 4 系焼結体を得るこ
とができないという問題があった。さらに高温焼成に適
用される焼成炉は高価で消費エネルギーも大きいなど生
産性が低いという問題があった。また、高圧を印加する
方法では高価な設備が必要であるばかりでなく、生産性
も非常に低いという問題があった。本発明はこれらの問
題に鑑みてなされたものであって、原料、あるいは仮焼
によって得られる混合物粉末の比表面積が焼結体の相対
密度に影響するという知見を得て、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明の目的は、比較的低温の常圧
焼結法で組成制御しやすく、相対密度90%以上の高密
度MgIn2 4 系焼結体を得る製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、BET
比表面積が15m2 /g以上の酸化インジウム粉末と、
マグネシウム成分を含む粉末との混合物を原料に用いて
焼結することを特徴とするMgIn2 4 系焼結体の製
造方法であり、さらに第二の発明は、BET比表面積が
1m2 /g以上のMgIn2 4 系粉末を原料に用いて
焼結することを特徴とするMgIn2 4 焼結体の製造
方法である。
【0006】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0007】本発明でいうMgIn2 4 系焼結体と
は、スピネル構造を有するMgIn24 酸化物を主相
とするものであり、Mgの一部をZn,Cd,Ga,G
e,Ca,Sr,Ti,Li,Na等で置換したものや
Inの一部をSn,Ga,Te,Ge,Ti等で置換し
たもの、或いは添加成分としてLi,Na,Zn等を加
えたもの、さらにMgサイトとInサイトの比が異なっ
たものなどが含まれる。また、通常MgIn2 4 は酸
素欠陥を有しているので正式な表記ではMgIn 2
4-X となるが以下の説明では上記の置換成分、添加成分
及び酸素欠陥などを含む広い範囲の組成を有したものを
MgIn2 4 系焼結体と称する。
【0008】以下、第一の発明から順に詳細に説明す
る。第一の発明に用いる酸化インジウム粉末はそのBE
T比表面積が15m2 /g以上であり、好ましくは20
2 /g以上であり、さらに好ましくは30m2 /g以
上のものである。マグネシウム成分を含む粉末として
は、加熱により酸化物になるものであって、粉末の粒径
が小さく、その粒径分布が狭く、混合性の優れた粉末で
あれば特に限定されるものではない。具体例としては塩
基性炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム或いはマグネシウムの塩化物、硝酸塩、硫酸
塩、さらにマグネシウムのシュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩
等の有機酸塩などが挙げられるが、焼結時に不純物を残
留しないものが好ましい。これらのうち、特に塩基性炭
酸マグネシウムは粉砕混合性も良好であり好ましい。
尚、置換成分、添加成分等を加える場合には、上記原料
用粉末で説明したのと同様にそれらの成分を含む混合性
の良い化合物粉末を選定することが好ましい。また、混
合の均一性を高めるためにこれらの成分を溶液状態で混
合する方法も可能である。
【0009】酸化インジウム粉末とマグネシウム成分を
含む原料粉末との混合物の製造方法としては、均一に混
合できる方法であれば特に限定されるものではなく、通
常のミキサー、乳鉢、ボールミル、振動ミル等を用いた
乾式或いは湿式等の方法が挙げられる。このうち、アル
コール類、水、アセトン、クロロセンなどの溶媒を用い
た湿式混合法の方が混合効率が高く好ましい。
【0010】混合物からMgIn2 4 系焼結体を得る
方法について説明する。調製した混合物から通常の焼結
体製造プロセスと同様にして焼結体を得ることができ
る。調製した混合物を直接成形して成形体として焼結し
てもよく、また混合物に含まれる原料粉末中の塩類の分
解或いは成形性向上の目的で適度な粉末の凝集状態を実
現するために仮焼工程を適用してもよい。尚、混合物は
仮焼前に解砕して粉末状としてもよいが、湿式の混合方
法を適用した場合には乾燥物を解砕せずに非常に柔らか
い塊状物のまま仮焼工程を行なう方が解砕工程を必要と
せず、整粒が簡便であり好ましい。このように仮焼が必
要な場合の仮焼温度は使用した原料の分解挙動によって
異なるが、300℃〜1400℃、より好ましくは50
0℃〜1200℃、さらに好ましくは800〜1000
℃がよい。仮焼温度が高すぎると、粉体の強固な凝集が
進行し粉体特性が悪化する。仮焼処理の方法は、具体的
には通常の電気炉等で仮焼することが挙げられる。
【0011】成形に供する混合物原料は、通常の焼結体
製造工程で言われるのと同様に粒径が小さく、粒度分布
が狭く、均一性な成形体が調製可能な粉末であることが
好ましい。このように、粉体特性を向上させるためにボ
ールミル、振動ミル、ジェットミル、攪拌型ミル、遊星
ミル、ダイノーミル等の粉砕機で解砕、または粉砕し粉
体特性を調製することも好ましい。また、添加成分を加
える必要がある場合には、添加物成分の添加方法は特に
限定されず、上記製造方法の途中工程で加えても、或い
は最終的に得られた粉末に添加してもよい。
【0012】焼結体の製造に際して成形が必要な場合の
成形方法としては、焼結体の使用目的によりことなる
が、金型等による加圧成形、CIP成形、押し出し成
形、ドクターブレードなどによるシート成形或いは粉末
のスラリーを塗布するなどの方法で膜を形成することも
可能である。
【0013】焼結は、通常の焼結方法が適用できる。本
願第二の発明の特徴の一つは、常圧下で1500℃以下
の温度で焼結が可能である点である。さらに好ましいこ
とには、1300〜1450℃の温度で焼結しても、従
来では得られなかった、目的とする十分高密度の焼結体
が得られることである。もちろん、1500℃を越える
温度で焼結することも可能であるが、より低温度で焼結
できれば工業的に有利である。常圧の焼結では焼結温度
が1100℃程度では十分な緻密化が進行せず、MgI
2 4 以外の第二相が残存しやすく好ましくない。
【0014】次に第二の発明について詳細に説明する。
第二の発明で用いるMgIn2 4 系粉末原料は、その
BET比表面積が1m 2 /g以上であることが好まし
く、さらに2m2 /g以上であることがより好ましい。
このMgIn2 4 系粉末原料の調製方法としては、液
相法、気相法或いは個相法が挙げられるが、特に固相法
は生産性が高く好ましい。以下固相法を具体的に説明す
る。酸化インジウム等のインジウム成分を含む粉末と前
述のマグネシウム成分を含む粉末を混合後、仮焼し得ら
れた粉末を微粉砕することにより比表面積を所定の値に
する。仮焼条件としては第二相の含有量の少ないMgI
24 主相の粉末が得られる温度及び時間が好まし
い。MgIn2 4 相が50%以上のMgIn2 4
相の粉末を得るための仮焼温度は、1200〜1500
℃が好ましいが、1350〜1500℃であれば、X線
的に他の結晶相が認められないMgIn2 4 単相の粉
末が得られるのでより好ましい。仮焼時間は所望の量の
MgIn2 4 単相が得られるのに十分な時間を仮焼温
度との関連で適宜設定すればよいが、数時間〜数十時間
が好ましい。
【0015】固相法では仮焼粉末を微粉砕してBET比
表面積が1m2 /g以上のMgIn 2 4 系粉末原料と
することが重要である。微粉砕の方法としては、ボール
ミル、振動ミル、ジェットミル、攪拌型ミル、遊星ミ
ル、ダイノーミル等の解砕機を用いた通常の方法が適用
可能である。粉砕にボールを用いる場合には微粉砕が容
易であること及び粉砕効率が高いことの理由で直径10
mm以下、好ましくは直径5mm以下のボールを用いる
ことが好ましい。
【0016】得られたMgIn2 4 系粉末原料から第
一の発明で説明した通常の焼結方法を適用してMgIn
2 4 系焼結体を得ることができる。すなわち、第二の
発明で、説明した成形及び焼結の工程で製造することが
できる。
【0017】
【作用】本発明の第一では、特定の比表面積の酸化イン
ジウム粉末を用いることにより、粉体の反応性が向上
し、1500℃以下という低温で相対密度90%以上の
高密度MgIn2 4 系焼結体が得られる。また、低温
で焼結が可能であるので構成成分の揮散などがなく電気
的特性が優れており、焼結体の粒成長が抑えられ機械的
特性も優れた高密度焼結体が得られる。第二の発明で
は、特定の比表面積を有する、MgIn2 4 相が多い
粉末、またはMgIn2 4 単相の粉末を、原料に用い
ることにより相対密度90%以上の高密度焼結体が得ら
れる。
【0018】
【実施例1】原料の同和ケミカル株式会社製の酸化イン
ジウム[In2 3 ](BET比表面積=43m2
g)及び添川理化学株式会社製の塩基性炭酸マグネシウ
ム[ 4MgCO3 ・Mg(OH)2 ・3H2 O]をMg
In2 4 組成となるように秤量し、エタノール溶媒及
びジルコニア質ボールを用いた湿式ボールミルで10時
間混合した。得られたスラリーを乾燥後、乾燥塊状物を
800℃で3時間仮焼した。得られた仮焼物にバインダ
ーとしてPVA溶液を粉末の重量に対して5wt%添加
して整粒したのち、圧力1000kg/cm2 で一軸加
圧成形した。成形体を表1に示す焼結温度で3〜10時
間焼結した。尚、昇温速度は200℃/時間とした。得
られた焼結体の相対密度を測定した。相対密度はMgI
2 4 の理論密度を6.065g/cm3 として算出
した。また、未反応のIn2 3 の残存量%は、エック
ス線回折により結晶相の同定を行ない、(In2 3
の最強ピークの積分強度/MgIn2 4 相の最強ピー
クの積分強度)×100%で示した。これらの物性測定
結果をを表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例2〜3】実施例1において酸化インジウム原料
としてBET比表面積が表1に示した値のものを用いた
以外実施例1と同様に行なった結果を表1に示す。これ
らの酸化インジウム原料のBET比表面積は15m2
g以上であるので、低温かつ常圧下で高密度の焼結体が
得られることがわかる。
【0021】
【比較例1】実施例1で用いた酸化インジウムの代わり
に添川理化学株式会社製のBET比表面積=6m2 /g
の原料を用いた以外は、実施例1と同様に行なった結果
を表1に示す。この結果からBET比表面積が15m2
/gより小さい酸化インジウムを用いると高密度の焼結
体が得られないことがわかる。
【0022】
【実施例4】実施例1において混合物を仮焼せずに実施
例1と同様の条件で成形し焼結した結果を表1に示す。
仮焼を行なわない場合も十分高密度の焼結体が得られる
ことが判明した。
【0023】
【実施例5】実施例1で用いた塩基性炭酸マグネシウム
の代わりに神島化学株式会社製の酸化マグネシウム[M
gO]を用いた以外実施例1と同様に行なった結果を表
1に示す。この結果、実施例1と同様の高密度焼結体が
得られた。
【0024】
【比較例2】添川理化学株式会社製のBET比表面積=
6m2 /gの酸化インジウム[In 2 3 ]及び添川理
化学株式会社製の塩基性炭酸マグネシウム[ 4MgCO
3 ・Mg(OH)2 ・3H2 O]をMgIn2 4 組成
となるように秤量し、エタノール溶媒及びナイロン被覆
ボールを用いた湿式ボールミルで6時間混合した。得ら
れた混合物を乾燥した混合粉末を成形体とせずに大気
中、800℃で仮焼した。得られた仮焼物をエックス線
回折により同定した結果、MgIn2 4 相は生成して
おらず、酸化マグネシウム [MgO] と酸化インジウム
[In2 3 ]の混合物であった。この仮焼物を解砕し
た粉末にバインダーとしてPVA溶液を粉末の重量に対
して5wt%添加して整粒した後、圧力300kg/cm2
一軸加圧成形した。成形体をMgO容器中にて、大気中
800℃で熱処理した後、引き続いて1500℃で3時
間焼結した。得られた焼結体の相対密度は67%であ
り、緻密化していないことが判明した。
【0025】
【実施例6】比較例2と同様にして得られた乾燥した混
合粉末を1400℃で10時間仮焼した。仮焼物はエッ
クス線回折により測定したところ、未反応のIn2 3
の残存量%は0%であり、MgIn2 4 相単相である
ことを確認した。仮焼物をエタノール溶媒及び直径1m
mのジルコニア質ボールを用いた湿式ボールミルで48
時間粉砕した。乾燥後、解砕した得られた粉末のBET
比表面積は3m2 /gであった。この粉末にバインダー
としてPVA溶液を粉末の重量に対して5wt%添加し
て整粒した後、以下比較例2と同様の工程及び条件で成
形、焼結した。得られた焼結体の相対密度は95%であ
った。
【0026】
【比較例3】実施例6においてボールミルによる粉砕を
行なわずに仮焼物を乳鉢で解砕して粉末を得た。この粉
末ののBET比表面積は0.4m2 /gであった。この
仮焼粉末を用いて以下実施例6と同様にして大気中15
00℃で3時間焼結した。得られた焼結体の相対密度は
78%であり、緻密化が不十分であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の第一の発明によれば、特定の比
表面積の酸化インジウム粉末を原料に用いることによ
り、さらに第二の発明では特定の比表面積のMgIn2
4 主相の粉末を用いることにより、低温で常圧焼結す
ることにより、相対密度90%以上の高密度MgIn2
4 系焼結体を生産性高く得ることができる。この高密
度焼結体は、低温で焼結が可能であるので構成成分の揮
散などがなく電気的特性が優れ、焼結体の粒成長が抑え
られので機械的特性も優れており、スパッタリングなど
のターゲットなどの用途に有用であり、工業的価値が大
きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
大気圧雰囲気中で焼結する方法(常圧焼結法)において
は、1600℃程度以上の高温、大気圧雰囲気中で焼成
する際に酸化インジウム成分の揮散があり組成制御に問
題があり、逆に低温での焼結では十分焼結せず、相対密
度90%以上の高密度MgIn2 4 系焼結体を得るこ
とができないという問題があった。さらに高温焼成に適
用される焼成炉は高価で消費エネルギーも大きいなど生
産性が低いという問題があった。また、高圧を印加する
方法では高価な設備が必要であるばかりでなく、生産性
も非常に低いという問題があった。本発明はこれらの問
題に鑑みてなされたものであって、原料、あるいは仮焼
によって得られる粉末の比表面積が焼結体の相対密度に
影響するという知見を得て、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の目的は、比較的低温の常圧焼結
法で組成制御しやすく、相対密度90%以上の高密度M
gIn2 4 系焼結体を得る製造方法を提供するもので
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】焼結は、通常の焼結方法が適用できる。本
願第の発明の特徴の一つは、常圧下で1500℃以下
の温度で焼結が可能である点である。さらに好ましいこ
とには、1300〜1450℃の温度で焼結しても、従
来では得られなかった、目的とする十分高密度の焼結体
が得られることである。もちろん、1500℃を越える
温度で焼結することも可能であるが、より低温度で焼結
できれば工業的に有利である。常圧の焼結では焼結温度
が1100℃程度では十分な緻密化が進行せず、MgI
2 4 以外の第二相が残存しやすく好ましくない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】次に第二の発明について詳細に説明する。
第二の発明で用いるMgIn2 4 系粉末原料は、その
BET比表面積が1m 2 /g以上であることが好まし
く、さらに2m2 /g以上であることがより好ましい。
このMgIn2 4 系粉末原料の調製方法としては、液
相法、気相法或いは相法が挙げられるが、特に固相法
は生産性が高く好ましい。以下固相法を具体的に説明す
る。酸化インジウム等のインジウム成分を含む粉末と前
述のマグネシウム成分を含む粉末を混合後、仮焼し得ら
れた粉末を微粉砕することにより比表面積を所定の値に
する。仮焼条件としては第二相の含有量の少ないMgI
24 主相の粉末が得られる温度及び時間が好まし
い。MgIn2 4 相が50%以上のMgIn2 4
相の粉末を得るための仮焼温度は、1200〜1500
℃が好ましいが、1350〜1500℃であれば、X線
的に他の結晶相が認められないMgIn2 4 単相の粉
末が得られるのでより好ましい。仮焼時間は所望の量の
MgIn2 4 単相が得られるのに十分な時間を仮焼温
度との関連で適宜設定すればよいが、数時間〜数十時間
が好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】得られたMgIn2 4 系粉末原料から第
一の発明で説明した通常の焼結方法を適用してMgIn
2 4 系焼結体を得ることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【実施例6】比較例2と同様にして得られた乾燥した混
合粉末を1400℃で10時間仮焼した。仮焼物はエッ
クス線回折により測定したところ、未反応のIn2 3
の残存量%は0%であり、MgIn2 4 相単相である
ことを確認した。仮焼物をエタノール溶媒及び直径1m
mのジルコニア質ボールを用いた湿式ボールミルで48
時間粉砕した。乾燥後、解砕し得られた粉末のBET
比表面積は3m2 /gであった。この粉末にバインダー
としてPVA溶液を粉末の重量に対して5wt%添加し
て整粒した後、以下比較例2と同様の工程及び条件で成
形、焼結した。得られた焼結体の相対密度は95%であ
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BET比表面積が15m2 /g以上の酸
    化インジウム粉末と、マグネシウム成分を含む粉末との
    混合物を原料に用いて焼結することを特徴とするMgI
    2 4 系焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 BET比表面積が1m2 /g以上のMg
    In2 4 系粉末を原料に用いて焼結することを特徴と
    するMgIn2 4 系焼結体の製造方法。
JP6113047A 1994-05-26 1994-05-26 MgIn2 O4 系焼結体の製造方法 Pending JPH07315930A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013005400A1 (ja) * 2011-07-06 2013-01-10 出光興産株式会社 スパッタリングターゲット
JP2014015673A (ja) * 2012-06-13 2014-01-30 Idemitsu Kosan Co Ltd スパッタリングターゲット、半導体薄膜及びそれを用いた薄膜トランジスタ

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