JPH11246197A - サイドシフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーチ式フォークリフト等の荷役車両に適用
されるサイドシフト装置に於て、ティルト動作が適正に
行なえると共に、シフトシリンダが損傷しない様にす
る。 【解決手段】 昇降体２、傾動体３、支軸４、ティルト
シリンダ５、横動体６、案内体７、シフトシリンダ８、
荷役具９とで構成し、とりわけ傾動体３と横動体６との
間に横動体６を横動させるシフトシリンダ８を設けると
共に、傾動体３と横動体６との間に傾動体３に対して横
動体６を傾動不能且つ横動可能に案内する案内体７を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばリーチ式フ
ォークリフト等の荷役車両に適用されるサイドシフト装
置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のサイドシフト装置として
は、例えば特開平５−４３１９９号の図１及び図２に記
載されたものと、図５及び図６に記載されたものが知ら
れている。

【０００３】前者のものは、昇降可能な昇降体（リフト
ブラケット）と、昇降体の前側に配された傾動体（ティ
ルトフレーム）と、昇降体に対して傾動体を傾動可能に
支持する支軸（フォークシャフト）と、昇降体に設けら
れて傾動体を傾動させるティルトシリンダと、支軸に傾
動可能に支持されて昇降体に依り横動不能に設けられた
シリンダサポートと、傾動体とシリンダサポートの前側
に配されて支軸に傾動可能且つ横動可能に支持された横
動体（シフトキャリッジ）と、シリンダサポートと横動
体との間に設けられて横動体を横動させるシフトシリン
ダと、横動体に設けられた荷役具と、から構成されてい
る。

【０００４】後者のものは、昇降可能な昇降体（リフト
ブラケット）と、昇降体の前側に配された傾動体（ティ
ルトフレーム）と、昇降体に対して傾動体を傾動可能に
支持する支軸（フォークシャフト）と、昇降体に設けら
れて傾動体を傾動させるティルトシリンダと、傾動体の
前側に配されて支軸に依り横動可能に支持される横動体
（シフトフレーム）と、傾動体と横動体との間に設けら
れて傾動体に対して横動体を傾動不能且つ横動可能に案
内する案内体（係止部）と、昇降体と横動体との間に設
けられて横動体を横動させるシフトシリンダと、横動体
に設けられた荷役具と、から構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のもの
は、客先での溶接作業を皆無にできるものの、シリンダ
サポートが必要であったので、部品点数が増えてコスト
が高く付くと共に、前方視界が悪くなり、然も、シリン
ダサポートを設けた分だけティルト動作が緩慢になり、
加えて、作業時や走行時にシリンダサポートに対して横
動体（シフトキャリッジ）が離間すべく傾動すると、こ
の間に設けられたシフトシリンダが損傷する惧れがあっ
た。

【０００６】他方、後者のものは、この様な難点がない
ものの、昇降体（リフトブラケット）と横動体（シフト
フレーム）との間にシフトシリンダが介設されていると
共に、傾動軸である支軸（フォークシャフト）とシフト
シリンダとが偏心されているので、ティルトシリンダに
依り傾動体（ティルトフレーム）を介して横動体（シフ
トフレーム）を傾動させた場合には、シフトシリンダの
存在に依りティルト動作が適正に行なえないと共に、シ
フトシリンダに無理な力が作用してこれが損傷する惧れ
があった。

【０００７】本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解
消する為に創案されたもので、その課題とする処は、テ
ィルト動作が適正に行なえると共に、シフトシリンダが
損傷しない様にしたサイドシフト装置を提供するにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のサイドシフト装
置は、基本的には、昇降可能な昇降体と、昇降体の前側
に配された傾動体と、昇降体に対して傾動体を傾動可能
に支持する支軸と、昇降体に設けられて傾動体を傾動さ
せるティルトシリンダと、傾動体の前側に配されて支軸
に依り横動可能に支持される横動体と、傾動体と横動体
との間に設けられて傾動体に対して横動体を傾動不能且
つ横動可能に案内する案内体と、傾動体と横動体との間
に設けられて横動体を横動させるシフトシリンダと、横
動体に設けられた荷役具と、から構成した事に特徴が存
する。

【０００９】ティルトシリンダを作動させると、昇降体
に対して傾動体と横動体と荷役具が支軸を中心に傾動さ
れる。シフトシリンダを作動させると、傾動体に対して
横動体と作業具が支軸に沿って左右方向に横動される。

【００１０】シフトシリンダは、昇降体に対して傾動可
能な傾動体と横動体との間に設けてあるので、ティルト
シリンダに依るティルト動作に支障を与える事がない。
横動体は、案内体に依り傾動体に対して傾動不能に設け
られているので、作業時や走行時に傾動体に対して横動
体が傾動される事がなく、これらの間に介設されたシフ
トシリンダが損傷する惧れがない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図１は、本発明のサイドシフト
装置を示す分解斜視図。図２は、図１の背面図である。

【００１２】サイドシフト装置１は、昇降体２、傾動体
３、支軸４、ティルトシリンダ５、横動体６、案内体
７、シフトシリンダ８、荷役具９とからその主要部が構
成されている。

【００１３】昇降体２は、昇降可能なもので、この例で
は、左右（図１に於て左上方が左方）のサイドプレート
１０と、これらの上部前側に設けられて前方と下方が解
放した箱状を呈するサポート１１と、両サイドプレート
１０の下部どうしを連結する連結板１２と、各サイドプ
レート１０の外側上下に横軸廻りに回転可能に設けられ
てリーチ式フォークリフトのマストに沿って転動し得る
ローラ（エンドローラ）１３と、サポート１１の左右と
中央に設けられて支軸４を支持するボス部１４と、サポ
ート１１の上部に設けられて荷役具９の位置決めをする
多数のピン穴１５とを具備している。

【００１４】傾動体３は、昇降体２の前側に配されたも
ので、この例では、左右の側板１６と、これらの下部ど
うしを連結する横材１７と、各側板１６と横材１７との
角部に設けられた左右の補強板１８と、これらの後側に
設けられた当板１９と、各側板１６の上部に設けられて
支軸４を支持する左右のボス部２０と、各側板１６の外
側に配されて支軸４を抜止めする為の左右の抜止板２１
と、これらを側板１６に着脱可能に取付ける適数のボル
ト２２と、横材１７の下面に形成された下向きの突条２
３とを具備して居り、昇降体２に対して横動不能で且つ
傾動可能に設けられている。

【００１５】支軸４は、昇降体２に対して傾動体３を傾
動可能に支持するもので、この例では、丸棒状を呈し、
昇降体２のボス部１４に摺動可能且つ回転可能に挿通さ
れると共に両端が傾動体３のボス部２０に依り嵌入支持
されて抜止板２１とボルト２２に依り傾動体３に抜止め
固定される。

【００１６】ティルトシリンダ５は、昇降体２に設けら
れて傾動体３を傾動させるもので、この例では、昇降体
２の各サイドプレート１０の内側に設けられて居り、ピ
ストンロッド２４の先端が傾動体３の当板１９に当合さ
れる事に依り傾動体３が支軸４を中心に傾動される様に
なっている。

【００１７】横動体６は、傾動体３の前側に配されて支
軸４に依り横動可能に支持されるもので、この例では、
上下の横材（フィンガバー）２５と、これらの両端どう
しを連結する左右の連結材２６と、上横材２５の外側に
設けられて四枠状を呈する左右のサイドサポート２７
と、上横材２５の後側に設けられて支軸４が摺動可能且
つ回転可能に挿通されるブッシュを内蔵した左右のボス
部２８と、上横材２５の上面に上向きに形成されている
と共に下横材２５の下面に下向きに形成された上下の突
条２９とを具備している。上突条２９には、所定間隔毎
にフォーク９を位置決めする為の切欠が適数形成されて
いる。

【００１８】案内体７は、傾動体３と横動体６との間に
設けられて傾動体３に対して横動体６を傾動不能且つ横
動可能に案内するもので、この例では、横動体６の下横
材２５の後側に設けた左右のスライドブッシュ３０と、
これの近傍に設けられた左右の支持板３１と、これに取
付けられて傾動体３の横材１７の突条２３に摺動可能に
係合する左右のフック３２と、これらを支持板３１に着
脱可能に取付ける為の適数のボルト３３とを具備してい
る。

【００１９】シフトシリンダ８は、傾動体３と横動体６
との間に設けられて横動体６を横動させるもので、この
例では、傾動体３の左側の側板１６と横動体６の右側の
ボス部２８に夫々設け−れたブラケット３４間に介設さ
れてピン３５に依り枢結されている。

【００２０】荷役具９は、横動体６に設けられたもの
で、この例では、横動体６に対して傾動不能且つ横動可
能に設けられたフック式の左右一対のフォークにしてあ
り、垂直片の後側には、横動体６の上下の横材２５の突
条２９に夫々摺動可能に係合する上下のフック３６を具
備している。

【００２１】次に、この様な構成に基づいてその作用を
述解する。ティルトシリンダ５を作動させると、昇降体
２に対して傾動体３と横動体６とフォーク９が支軸４を
中心にして前後方向に傾動される。シフトシリンダ８を
作動させると、傾動体３に対して横動体６とフォーク９
が支軸４に沿って左右方向に横動される。横動体６に対
して左右のフォーク９を適宜横動させると、両フォーク
９の間隔を変える事ができる。

【００２２】シフトシリンダ８は、昇降体２に対して傾
動可能な傾動体３と横動体６との間に設けてあるので、
ティルトシリンダ５に依るティルト動作に支障を与える
事がない。

【００２３】横動体６は、案内体７に依り傾動体３に対
して傾動不能に設けられているので、作業時や走行時に
傾動体３に対して横動体６が離間すべく傾動される事が
なく、これらの間に介設されたシフトシリンダ８が損傷
する惧れがない。

【００２４】昇降体２のサポート１１、支軸４、横動体
６の上横材２５の高さが揃う様に工夫したので、サイド
シフト装置１の上側からの前方視界が向上する。

【００２５】尚、シフトシリンダ８は、先の例では、支
軸４より下側に配置したが、これに限らず、例えば支軸
４より上側に配置しても良い。この様にすれば、サイド
シフト装置１の内部空間からの前方視界が向上する。荷
役具９は、先の例では、フック式であったが、これに限
らず、例えばシャフト式でも良い。荷役具９は、先の例
では、左右一対のフォークであったが、これに限らず、
例えばラムやバケット等でも良い。

【００２６】

【発明の効果】以上、既述した如く、本発明に依れば、
次の様な優れた効果を奏する事ができる。 （１） 昇降体、傾動体、支軸、ティルトシリンダ、横
動体、案内体、シフトシリンダ、荷役具とで構成し、と
りわけ傾動体と横動体との間に横動体を横動させるシフ
トシリンダを設けると共に、傾動体と横動体との間に傾
動体に対して横動体を傾動不能且つ横動可能に案内する
案内体を設けたので、ティルト動作が適正に行なえると
共に、シフトシリンダが損傷する事がない。 （２） 従来の様にシリンダサポートがないので、その
分だけ前方視界が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサイドシフト装置を示す分解斜視図。

【図２】図１の背面図。

【符号の説明】 １…サイドシフト装置、２…昇降体、３…傾動体、４…
支軸、５…ティルトシリンダ、６…横動体、７…案内
体、８…シフトシリンダ、９…荷役具、１０…サイドプ
レート、１１，２７…サポート、１２…連結板、１３…
ローラ、１４，２０，２８…ボス部、１５…ピン穴、１
６…側板、１７，２５…横材、１８…補強板、１９…当
板、２１…抜止板、２２，３３…ボルト、２３，２９…
突条、２４…ピストンロッド、２６…連結材、２７…サ
イドサポート、３０…スライドブッシュ、３１支持板、
３２，３６…フック、３４…ブラケット、３５…ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降可能な昇降体と、昇降体の前側に配
   された傾動体と、昇降体に対して傾動体を傾動可能に支
   持する支軸と、昇降体に設けられて傾動体を傾動させる
   ティルトシリンダと、傾動体の前側に配されて支軸に依
   り横動可能に支持される横動体と、傾動体と横動体との
   間に設けられて傾動体に対して横動体を傾動不能且つ横
   動可能に案内する案内体と、傾動体と横動体との間に設
   けられて横動体を横動させるシフトシリンダと、横動体
   に設けられた荷役具と、から構成した事を特徴とするサ
   イドシフト装置。