JPH11245318A - 模様付frp成形品の製造法 - Google Patents

模様付frp成形品の製造法

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JPH11245318A
JPH11245318A JP5117998A JP5117998A JPH11245318A JP H11245318 A JPH11245318 A JP H11245318A JP 5117998 A JP5117998 A JP 5117998A JP 5117998 A JP5117998 A JP 5117998A JP H11245318 A JPH11245318 A JP H11245318A
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JP
Japan
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molding
pattern
acid
weight
unsaturated polyester
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JP5117998A
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Hirofumi Izumi
弘文 泉
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形により得られるFRP成形品の表面に模様
を付与する方法において成形時のクラックや模様の流れ
ることを防止し、かつ模様に肉持ち感や深み感と云った
高級感を与える成形法を提供する。 【解決手段】あらかじめ印刷された模様2を有する化粧
紙(または不織布)1を印刷模様が型面になるようSM
CあるいBMCなどの成形材料3と一体成形した後、模
様層2の表面に不飽和ポリエステル樹脂塗料などを塗布
し保護層6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、あらかじめ印刷模
様を施した化粧紙または不織布とシート・モールデイン
グ・コンパウンド(以下SMCとする)、バルク・モール
デイング・コンパウンド(以下BMCとする)等のプレス
成形材料を一体成形した後、模様を施した化粧紙または
不織布の表面に、透明又は半透明の保護層を塗布して得
られる表面に模様を有するFRP成形品の製造方法及び
FRP成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】FRP成形品の表面に模様付けをする方
法は、特開平4−341809号公報、特関昭63−5
7210号公報等に示されるように、あらかじめ模様の
付されたフィルムに熱硬化性樹脂組成物を塗布して半硬
化後、フィルムを剥離して模様の転写されたプリプレグ
シートを得るか、あるいは熱硬化性樹脂組成物と印刷紙
等の繊維材とを一体成形したプリプレグシートを得、こ
の模様を有するプリプレグシートを成形型に載置した上
にプレス成形材料を載置し、それをプレスにより加熱、
加圧して成形し模様付FRP成形品を得る方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、不織布を挿入
した模様シートや熱硬化性樹脂層のみの模様シート等の
プリプレグシートは、プレス成形材料と一体で加熱加圧
成形すると成形型の表面に施された凹凸パターンにより
変形を受けるため凹凸に沿ってクラックが発生したり、
プレス材料が加圧されて流動することにより破壊するこ
とがあり、模様付FRP成形品としての商品価値を損な
うという問題がある。
【0004】また、高い意匠性や高級感を高めるため
に、成形品の表面に凹凸を付与するように設計された成
形型を用いた場合は、プリプレグシートの模様や成形品
の凹凸に沿ってクラックが発生し易い傾向にあり、この
点でも不具合の発生し難い成形法の提供が必要となって
いる。また、より意匠性の高い成形品として、模様の深
み感の優れた製品も望まれてる。
【0005】本発明は、上記従来技術の実情に鑑みて検
討されたものであり、その目的とするところは、FRP
表面の指定された位置に目的とする模様を正確に設ける
と共に、そのために発生する不具合や不良率の低減を図
り、更にはより意匠性の高い高級感のあるFRP成形品
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、模様柄を施し
た化粧紙または不織布と成形材料とを一体成形した後、
前記化粧紙または不織布の模様柄を施した表面に、透明
又は半透明の保護層を塗布、硬化させる模様付FRP成
形品の製造方法に関する。
【0007】本発明に用いられる模様を施した化粧紙、
および不織布の種類に制限はないが、目付30から80
g/mの化粧紙やポリエステルの不織布など有機繊維
基材を用いるのが好ましい。
【0008】本発明に用いられる成形材料及び保護層材
料の詳細は以下の通りである。 [成形材料]まず、本発明において成形材料として用い
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物は、α、β−不飽
和多塩基酸又はその無水物を必須成分として含む多塩基
酸成分と多価アルコールを反応させて得られる不飽和ポ
リエステル樹脂及び重量性単量体を含有してなるもので
ある。
【0009】この不飽和ポリエステル樹脂組成物にさら
に低収縮剤、硬化剤及び繊維強化材を配合してなる繊維
強化成形材料にすることができる。
【0010】この繊維強化成形材料をシート状に形成し
てなるシート状成形材料として使用することができる。
【0011】本発明において、不飽和ポリエステル樹脂
の合成原料であるα、β−不飽和多塩基酸又はその無水
物としては、例えば、α、β−不飽和二塩基酸又はその
無水物、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、無水マレイン酸、これらの無水物などが
挙げられる。これらは、2種以上併用してもよい。
【0012】多塩基酸成分としては、不飽和基の濃度を
調節すること、可撓性、耐熱性などの特性を付与するた
めに、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物のほか、
飽和多塩基酸又はその無水物を併用するのが好ましい。
このとき、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物とし
ては、多塩基酸成分のうち、40モル%以上とするのが
好ましい。α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物が4
0モル%より少なくなると得られる成形品の強度が漸次
低下する傾向を示す。このことから、α,β−不飽和多
塩基酸又はその無水物が、45〜80モル%であるのが
より好ましく、50〜70モル%であることが特に好ま
しい。
【0013】不飽和ポリエステル樹脂のもう一つの合成
原料である多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノール
A等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール等の
四価アルコールなどが挙げられる。これらは、2種以上
を併用してもよい。
【0014】多塩基酸成分と多価アルコールとは、当量
比で、多塩基酸成分を1とするとき、多価アルコールを
1〜1.3 の範囲で使用することが好ましく、1.03
〜1.05 の範囲で使用することがより好ましい。多価
アルコールが少なくなると、得られる不飽和ポリエステ
ル樹脂の分子量が小さくなる傾向にあり、多くなると酸
価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなる傾
向がある。
【0015】不飽和ポリエステル樹脂の製造方法として
は、従来から公知の方法によることができる。例えば、
多塩基酸成分、多価アルコール成分とを縮合反応させ、
両成分が反応するときに生じる縮合水を系外に除きなが
ら進められる。縮合水を系外に除去することは、好まし
くは不活性気体を通じることによる自然留出又は減圧留
出によって行われる。縮合水の留出を促進するため、ト
ルエン、キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添
加することもできる。反応の進行は、一般に反応により
生成する留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系
の粘度の測定などにより知ることができる。
【0016】反応の温度は150℃以上とすることが好
ましい、また酸化による副反応を防止するためにチッ
素、二酸化炭素などの不活性気体を通気しながら反応さ
せることが好ましい。
【0017】このことから、反応装置としては、ガラ
ス、ステンレス製等のものが選ばれ、撹拌装置、水とア
ルコール成分の共沸によるアルコール成分の留出を防ぐ
ための分留装置、反応系の温度を高める加熱装置、この
加熱装置の温度制御装置、チッ素など不活性気体の吹込
み装置等を備えた反応装置を用いるのが好ましい。
【0018】本発明に用いられる重合性単量体として
は、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレン等のス
チレン誘導体、メタクリ酸メチル、メタクリ酸エチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリル酸
又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキシメ
タクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル等
のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル、ジアリルフタレート、アクリルアミド、フェニ
ルマレイミドなどがあげられる。また、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、トリメチールプロパントリメタクリレート
などの多官能のメタクリル酸又はアクリル酸のエステル
類を用いることもできる。
【0019】不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体と
を配合し、必要により重合禁止剤などを加えて不飽和ポ
リエステル樹脂組成物とされる。
【0020】このときの不飽和ポリエステル樹脂と重合
性単量体の配合割合は、両者の合計量を100重量部と
するとき、不飽和ポリエステル樹脂が25〜80重量
部、重合性単量体が75〜20重量部とするのが好まし
い。25重量部未満であると不飽和ポリエステル樹脂組
成物の粘度が低すぎてシート状に塗布しにくく、また、
沈降等のため他の成分と均一に混合しにくくなり、さら
に、得られる繊縦強化成形材料を成形しても硬化収縮率
が大きく、成形品に割れ、クラック等が生じる場合があ
る。不飽和ポリエステル樹脂が80重量部を超えると、
粘度が高すぎて塗布したり、他の成分と混合しにくくな
る場合がある。このことから、不飽和ポリエステル樹脂
が40〜65重量部、重合性単量体が60〜35重量部
とするのがより好ましい。
【0021】重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、
ナフトキノン、トルキノン、ハイドロキノン、モノ−t
−ブチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン
等が挙げられる。重量禁止剤は、前記不飽和ポリエステ
ル樹脂と重合性単量体との総量に対して0.5 重量%以
下で使用されることが好ましい。硬化剤を配合したとき
は、貯蔵安定性のため、0.05 重量%以上含有させる
ことが好ましい。
【0022】本発明で用いられる充填材としては、珪
砂、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機系充填
剤、木粉、ポリエチレンパウダー、各種FRP成形品の
粉砕物等の有機系充填剤などが挙げられる。
【0023】充填材の使用量は成形品の強度等の物性、
不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度、流動性を考慮さ
れて決定されるが、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重
合性単量体の総量に対して100〜200重量%とする
ことが好ましく、特に、105〜150重量%とするこ
とが好ましい。充填剤の量が少なすぎると沈降する場合
があり、また充填材の量が多すぎると粘度が高くなって
撹拌が困難となる傾向にある。充填材のうち代表粒子径
が0.08〜1.0μmの重質炭酸カルシウムを60〜1
00重量%使用することが好ましい。この重質炭酸カル
シウムの使用量が少なすぎると本発明の効果が低下す
る。
【0024】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに、低収縮剤、増粘剤、硬化剤、離型剤、安定
剤等が適宜配合される。
【0025】低収縮剤としては、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどが用いられる。
使用量は、成形品の収縮率や表面平滑性、表面光沢を考
慮して決定され、特に制限はない、低収縮剤は、前記不
飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して
20〜50重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0026】硬化剤としては、ケトンパーオキサイド
類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケター
ル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステ
ル類、アルキルパーエステル類などが挙げられる。硬化
剤の量は、成形サイクルのみではなく材料の保存性、色
ムラ等の面に影響があるため、それぞれに応じて決定さ
れる。材料の保存性、成形サイクルの面から前記不飽和
ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対して0.
5〜5 重量%が好ましく、より好ましくは1〜3重量
%である。
【0027】増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化カルウム、水酸化カリウム等が用
いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられ
る。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定される
が、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総
量に対して、0.5〜5重量%が好ましく、より好まし
くは0.7〜2 重量%である。増粘剤が少なすぎると樹
脂組成物の粘度が上昇しない場合がある。また増粘剤が
多すぎると粘度が上昇し過ぎて制御できなくなる場合が
ある。
【0028】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。離型剤の量は、前
記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対
して、1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜
4重量%である。離型剤の量が少なすぎると1重量部未
満では成形品が型に付き、脱型しづらく、また成形品に
クラック等が入る場合がある。また、離型剤が多すぎる
と成形品強度が低下する傾向にある。
【0029】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに補強繊維を含有させて、繊維強化成形材料と
することができる。このとき、不飽和ポリエステル樹脂
には増粘剤及び硬化剤が必須成分として含まれる。さら
に、充填剤、低収縮剤、離型剤、重合禁止剤を含有する
ことが好ましい。
【0030】繊維強化成形材料としては、SMC、BM
C等がある。補強材としては、ガラス繊維、カーボネー
ト繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール系繊維な
どを用いることができ、一般的にはガラス繊維が用いら
れる。これらの補強材は、連続繊維、織布、不織布等の
形状で用いられるが、ロービング状のものを適当な長さ
(SMCの場合は20〜30mmに切断したものが用いら
れることが好ましく、BMCの場合は好ましくは6〜1
5mm)に切断したものが使用される。
【0031】繊維強化成形材料を作製するにあたり、補
強繊維の使用量は、要求される強度により異なるが、前
記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対
して15〜35重量%の範囲であることが好ましい。
【0032】不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた繊
維強化成形品(FRP成形品)を成形する方法として
は、特に制限は無いが、例えばハンドレイアップ法、ス
プレーアップ法、遠心成形等のオープンモールド成形、
射出成形、圧縮成形、注型成形、トランスファー成形、
押し出し成形、バック成形、コールドプレス成形、RTM
成形、レジンインジェクション成形、マッチドメタルダ
イ成形等のクローズド成形が挙げられ、また連続成形も
行い得る。
【0033】前記の繊維強化成形材料、例えばSMC及
びBMCは、それぞれ、通常のSMC製造装置又はBM
C製造装置を用いて製造することができる。SMCの場
合、調合樹脂を、離型フィルム上に均一の厚さとなるよ
うに塗布し、この上に所定の長さにカットされたガラス
繊維等の補強材を均一に散布し、さらにこの上に調合樹
脂を塗布した他のフィルムを、散布した補強材が調合樹
脂で挾まれるように重ね合わせ、これをロールに巻き取
り、必要に応じて熟成等を行ってシート状成形材料とす
ることができる。増粘剤を配合した場合は室温〜60℃
の温度に加熱して熟成することが好ましい。離型フィル
ムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム等を用いることができる。
【0034】BMCの場合、前記した不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物に補強繊維が混合されるが、これらに使用
される成分の混合順序については説に制限はない。
【0035】前記繊維強化成形材料の粘度は、40℃に
おいて1、000〜18、000Pa・sとなるように
調整されるのが好ましい。粘度が低すぎると、成形品表
面にスカミングが発生し易く、また粘度が高すぎると型
締め時間が長くなって成形サイクルが長くなる傾向を示
す。繊維強化成形材料の粘度は、40℃において1、5
00〜15、000Pa・sとなるように調整されるの
がより好ましく、3、500〜12、000Pa・s
となるように調整されるのが特に好ましい。ただし、繊
維強化成形材料の最適の粘度は、成形品によって決定さ
れる。また、繊維強化成形材料の粘度は増粘剤の配合量
や熟成条件によって調整することができる。
【0036】このようなシート状成形材料は、圧縮成
形、トランスファー成形等により成形され、広範囲なF
RP成形品を得ることができる。成形温度は70〜15
0℃、成形圧力は0.1〜10MPa であることが好ま
しい。
【0037】保護層に用いられる材料としては、前に成
形材料として述べたものと同じ不飽和ポリエステル樹脂
組成物、あるいはアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂等
を含む樹脂組成物が用いられる。これらの樹脂は、ナフ
テン酸コバルト、オクテン酸コバルトなどの硬化促進
剤、揺変剤、着色剤、紫外線吸収剤、各種充填剤等を使
用してもよい。
【0038】[保護層材料]本発明の保護層に使用され
る不飽和ポリエステル樹脂組成物は、前記成形材料にお
いて説明した不飽和ポリエステル樹脂と同一のものを使
用できるが、成分として、前述の酸成分及びグリコール
成分の他に空乾性を付与する成分を使用することができ
る。空乾性付与材としては、トリメチロールプロパンジ
アリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエ
ーテル、グリセリンジアリルエーテル、グリセリンモノ
アリルエーテル、ペンタエリスルトールトリアリルエー
テル、ペンタエリスルトールジアリルエーテル、ペンタ
エリスルトールモノアリルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、エチレングリコールモノアリルエーテルなど
がある。
【0039】これらの材料を用いて前述したような公知
の方法で縮合反応を進め、不飽和ポリエステルを得、さ
らに、前述した重合性単量体に溶解して使用される。
【0040】本発明の保護層用のビニルエステル樹脂
は、(エポキシ当量が170〜575)分子中に少なく
とも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と不
飽和モノカルボン酸とをエステル付加反応させて得られ
るものである。
【0041】この反応は、エステル化反応触媒の存在下
に行うことが好ましく、必要に応じて重合防止剤や重合
性単量体の存在下で行われる。
【0042】分子中にエポキシ基を2個以上有するエポ
キシ化合物としては、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンもしくはメチルエピクロルヒドリンとの反応によ
り合成されるものが好ましく、例えば、エピコート#8
27、#828、#1001(以上、いずれもシェル化
学社商品名製)、アラルダイトAER#280、#60
71(以上、旭チバ(株)商品名)、エピクロン#85
0、#860、エピクロン#1050(以上、いずれも
大日本インキ化学工業(株)商品名)、エポミック#R
−140、#R−144、#R−301(以上、いずれ
も三井石油化学工業(株)商品名)などが挙げられる。
【0043】前記不飽和モノカルボン酸としてはアクリ
ル酸、メタクリル酸が代表的で、その他にジカルボン酸
ヒドロキシアルキルアクリレートやヒドロキシアルキル
メタアクリレート等のジカルボン酸半エステルなども使
用できる。
【0044】エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸と
の反応における仕込み比率は、エポキシ化合物のエポキ
シ基1モルに対して、不飽和モノカルボン酸のカルボキ
シル基が0.9〜1.2モル、好ましくは0.95〜1.
05モルとなるような範囲で配合される。
【0045】エポキシ化合物の骨格中に既存の第二級水
酸基及び/又はエポキシ基と不飽和モノカルボン酸とを
反応させて得られる第二級水酸基との反応に用いられる
無水カルボン酸としては、無水マレイン酸が最も好まし
く、それ以外にも例えば無水フタル酸、無水イタコン
酸、1テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられ
る。
【0046】第二級水酸基と無水カルボン酸との付加反
応における無水カルボン酸の仕込み比率は、計算により
理論上求められるビスフェノール型エポキシ化合物の骨
格甲に既存の第二級水酸基及び/又はエポキシ基と不飽
和モノカルボン酸とを反応させて得られる第二級水酸基
の総量中、20〜50%、好ましくは25〜35%を半
エステル化するのに必要な範囲で配合される。付加率が
50%より多い場合には、合成中にゲル化し、目的物が
得られないことが多くなり、また付加率が20%より少
ない場合には、優れた増粘性が得られない。
【0047】前記ビニルエステル樹脂は重合性単量体に
溶解して使用される。重合性単量体としては、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチ
レン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチ
ルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、ジアリルフ
タレート、トリアリルシアヌレート、アクリロニトリ
ル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど
が挙げられる。
【0048】さらに、使用時には前述したような硬化剤
が添加される。これらの使用量は前述したのと同じであ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を説明する。図1に示すように、模様柄2を施した
化粧紙(または不織布)1を所望の大きさに切断し、模
様柄2が型面になるようにして下型4に載置し、その上
にSMC、BMC等のプレス成形材料3を載置し、上型
5で加圧すると共に、加熱することによって成形し、成
形材料3の硬化と同時に化粧紙(または不織布)1を接
着させる。これにより、図2に示したような、表面に模
様2を有するFRPを得ることが出来る。
【0050】次に、図3に示すように、得られたFRP
の表面の模様2の上から保護層6を塗布し、硬化させる
ことで深み感のあるFRP成形品を得ることが出来る。
【0051】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例を示す。なお、
実施例中のSMC、樹脂Bは、それぞれ次の[SMC作
成例]、[樹脂Bの作成]により製造されたものであ
る。
【0052】[SMC作成例]窒素導入管、温度計、分
留管を付けた2L4つ口フラスコにプロピレングリコー
ル410g、ネオペンチルグリコール440g無水マレ
イン酸662gイソフタル酸374gを仕込み窒素ガス
を流しながら、200℃まで5時間かけて昇温し、20
0℃で保温しながら縮合水を系外に出し反応を進め酸価
28の不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリ
エステル65重量部に対し、あらかじめハイドロキノン
0.01 重量部を溶解したスチレンモノマ35重量部に
溶解して樹脂Aを得た。実施例で使用したSMCは、樹
脂Aを用いて表1に示す配合のコンパウンドとガラスロ
ーピング(日東紡績社製品名 RS460PF−750A
S)とをガラス含有量が約27%になるよう公知の方法
で作製した。
【0053】併用される飽和多塩基酸又はその無水物と
しては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、3、6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加
物などが挙げられる。これらは、2種以上を併用しても
よい。
【0054】本発明における不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、α、β−不飽和多塩基酸又はその無水物を必須
成分として含む多多塩基酸成分と多価アルコールを反応
させて得られる不飽和ポリエステル樹脂及び重量性単量
体を含有してなるものである。
【0055】[樹脂Bの作成]窒素導入管、温度計、分
留管を付けた2L4つ口フラスコにプロピレングリコー
ル342g、ジエチレングリコール382g無水マレイ
ン酸794g無水フタル酸133gトリメチロールプロ
パンジアリルエーテル270gを仕込み窒素ガスを流し
ながら、200℃まで5時間かけて昇温し200℃で保
温しながら縮合水を系外に出しながら反応を進め5時間
で酸価32の不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽
和ポリエステル650gをあらかじめハイドロキノン
0.1g を溶解したスチレンモノマに溶解し、金属分6
%ナフテン酸コバルトを5.0g を添加、混合して樹脂
Bを得た。
【0056】[実施例1]模様柄2の印刷された80g
/m化粧紙1を成形型に載置し、その上に[SMC作
成例]に示すSMC3を重ね、成形型で加圧(50kg/
cm)及び、加熱(表面型150℃、裏面型145℃)
して5分間保圧し、成形した。
【0057】
【表1】
【0058】化粧紙1は、成形型内でSMCが流動硬化
するに従い型表面に追随し、SMC成形品3と完全に接
着した。
【0059】こうして得られたFRP成形品の模様面
に、保護層6を形成するために、樹脂B100重量部に
対し、55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.0
重量部を添加し混合した後、エアーガン(口径2.5φ)
により肉厚0.5mmに塗布し、25℃で24時間硬化
させ、模様付きFRP成型品を得た。
【0060】こうして得たれたFRP成形品は、成形型
の表面の凹凸に追随し、凹凸のコーナ部のクラックもな
く表面光沢があり、深みのある外観のものが得られた。
【0061】[実施例2]模様柄2の印刷された目付4
5g/mポリエステル不織布化粧紙を成形型に載置
し、その上に配合を表1に示すSMCを重ね、加圧(5
0kg/cm)、加熱(表面型150℃、裏面型145
℃)して5分間保圧し、成形した。
【0062】化粧紙1は、成形型4、5内でSMC3が
流動硬化するに従い型表面に追随し、成形品と完全に接
着した。
【0063】こうして得られたFRPの模様面に保護層
6を形成するために、ポリセット206H(日立化成工
業社製、不飽和ポリエステル樹脂商品名)100重量部
に対し、ナフテン酸コバルト0.5重量部を加えて混合
した後、55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.
0重量部を添加し混合した後、エアーガン(口径2.5
φ)により肉厚0.5mmに塗布し、25℃で24時間硬
化させ模様付きFRP成型品を得た。
【0064】こうして得られたFRP成形品は、成形型
の表面の凹凸に追随し、凹凸のコーナ部のクラックもな
く表面光沢があり、深みのある外観のものが得られた。
【0065】実施例1および実施例2で使用したSMC
は、表1の配合のコンパウンドと1インチに切断したガ
ラスロービング(日東紡績社製商品名 RS460PF−
750AS)とをガラス含有量が約27重量%となるよ
うに公知の方法で作成した。
【0066】
【発明の効果】本発明のFRP成形品の製造法は、SM
C、BMC等の単色FRP成形品の表面に模様付けする
ことで高級感を与える技術として有効である上に、SM
C、BMC等と一体成形するときに生じる種々の欠陥や
不具合の防止に効果がある。すなわち、本発明によれ
ば、あらかじめ印刷された模様を有する化粧紙、不織布
とSMCあるいはBMCなどの成形材料と一体成形した
後、模様層の表面に保護層を塗布することにより、成形
材料と一体成形するときに生じる負荷に耐え、且つ型表
面の凹凸への追随性を高め、また、クラックや模様シー
トの破壊防止を計ることができる。
【0067】また、印刷模様を選択することで意匠性の
向上を図れる効果がある。さらに、、模様の深み感を高
めた模様付FRP成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になるFRP成形品の製造法
において、型内に使用する材料を載置した状態を示す図
である。
【図2】本発明の一実施例になるFRP成形品の製造法
において、プレス成形後、脱型し、FRP成形品を取り
出した状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施例になるFRP成形品の製造法
により製造された、保護層を塗布したFRP成形品の縦
断面を示す図である。
【符号の説明】
1…化粧紙または不織布、2…印刷模様、3…SMCま
たはBMC、4…下型、5…上型、6…保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】模様柄を施した化粧紙または不織布と成形
    材料とを一体成形した後、前記化粧紙または不織布の模
    様柄を施した表面に、透明又は半透明の保護層を塗布、
    硬化させることを特徴とする模様付FRP成形品の製造
    方法。
JP5117998A 1998-03-04 1998-03-04 模様付frp成形品の製造法 Pending JPH11245318A (ja)

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