JPH09286828A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物、シート状成形材料およびその製造法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物、シート状成形材料およびその製造法

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JPH09286828A
JPH09286828A JP8099970A JP9997096A JPH09286828A JP H09286828 A JPH09286828 A JP H09286828A JP 8099970 A JP8099970 A JP 8099970A JP 9997096 A JP9997096 A JP 9997096A JP H09286828 A JPH09286828 A JP H09286828A
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JP
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unsaturated polyester
polyester resin
resin composition
viscosity
sheet
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Application number
JP8099970A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Obata
康裕 小幡
Kazuyuki Tanaka
一行 田中
Yukinori Harada
幸規 原田
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂組成物の粘度を上昇させることなくシー
ト状成形材料にしたとき優れたフィルム剥離性を有しベ
トツキがなく、綿ぼこりの発生を防止することができ、
成形サイクルの短縮が可能な不飽和ポリエステル樹脂組
成物、シート状成形材料およびその製造法を提供する。 【解決手段】 (1)(A)α,β−不飽和二塩基酸お
よび/またはその無水物と多価アルコールとを反応させ
て得られる不飽和ポリエステル、(B)共重合性単量体
および(C)スチレン−無水マレイン酸共重合体を含有
してなり、粘度が1000〜18000Pa.s(40℃)
である飽和ポリエステル樹脂組成物、(2)前記共重合
性単量体に可溶なスズ化合物を含有してなる前記記載の
不飽和ポリエステル樹脂組成物、(3)前記不飽和ポリ
エステル樹脂組成物を繊維強化材とともに存在させてな
るシート状成形材料、(4)前記不飽和ポリエステル樹
脂組成物に増粘剤を加え、繊維強化材とともに存在さ
せ、室温〜60℃で加熱して増粘させるシート状成形材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不飽和ポリエステル
樹脂組成物、シート状成形材料およびその製造法に関
し、さらに詳しくは綿ぼこりの発生がなく、しかもベト
ツキがなく、フィルムの剥離強度が小さく、しかも成形
サイクルの短縮が可能であるシート状成形材料を得るこ
とができる不飽和ポリエステル樹脂混合物、これを用い
たシート状成形材料およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】シート状成形材料は、通常、不飽和ポリ
エステルおよび共重合性単量体に、炭酸カルシウムなど
の充填剤、有機過酸化物などの硬化剤、ポリスチレンな
どの低収縮剤、さらに離型剤、顔料、増粘剤などを混合
した樹脂混合物を、フィルム上に塗布し、その上にガラ
ス繊維を散布し、含浸させ、熟成させることにより得ら
れる。熟成後はフィルムを剥がして金型内に置き、高
温、高圧で成形して成形品が得られるが、フィルムを剥
がす際、低収縮剤が糸状になり、それが集まっていわゆ
る綿ぼこりが発生する。これを解消するため、従来では
樹脂混合物の粘度を上昇させて綿ぼこりの発生を防いで
いた。
【0003】しかし、水タンク用パネル等に使用される
シート状成形材料は、ガラスクロスまたはガラスマット
を樹脂組成物の上に置いて成形されるため、成形時にガ
ラスクロス等への含浸を促進する必要があることから、
樹脂混合物の粘度を上昇させることができず、綿ぼこり
の発生を防ぐことができなかった。また粘度の上昇がな
いことから、フィルムの剥離強さが大きくなり、作業性
の悪化が問題となっていた。また、樹脂混合物の粘度を
上昇させると、成形する際、成形圧力を上昇させなけれ
ばならず、また、圧力を上昇させない場合は型締め時間
が長くなるか、型が締まらないという問題があった。さ
らに、樹脂混合物の粘度が低すぎると、その粘着性のた
め、作業場内の異物が付着、混合しやすく、得られる成
形品の価値が下がるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決し、樹脂組成物の粘度を上昇させる
ことなくシート状成形材料にしたとき優れたフィルム剥
離性を有しベトツキがなく、かつ綿ぼこりの発生を防止
することができ、さらに、成形サイクルの短縮が可能な
不飽和ポリエステル樹脂組成物、これを用いたシート状
成形材料およびこのシート状成形材料の製造法を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)(A)
α,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物と多
価アルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエステ
ル、(B)共重合性単量体および(C)スチレン−無水
マレイン酸共重合体を含有してなり、粘度が1,000
〜18,000Pa・s(40℃)である不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、(2)前記(B)共重合性単量体に可溶
なスズ化合物を含有してなる前記記載の不飽和ポリエス
テル樹脂組成物、(3)前記不飽和ポリエステル樹脂組
成物を繊維強化材とともに存在させてなるシート状成形
材料ならびに(4)前記不飽和ポリエステル樹脂組成物
に増粘剤を加え、繊維強化材とともに存在させ、室温〜
60℃で加熱して増粘させることを特徴とすることを特
徴とするシート状成形材料の製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる不飽和ポリエ
ステル(A)は、α,β−不飽和二塩基酸および/また
はその無水物と多価アルコールとを反応させて得られる
が、酸性分として必要に応じてさらに飽和多塩基酸を反
応させることもできる。α,β−不飽和二塩基酸および
/またはその酸無水物としては、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などが
挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。これ
らは、酸性分中に40〜100重量%使用されることが
好ましく、さらに45〜80重量%が好ましく、特に5
0〜70重量%使用することが好ましい。
【0007】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノ
ールA等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール
等の四価アルコールなどを使用することができる。これ
らは2種以上を併用してもよい。
【0008】必要に応じて用いられる飽和多塩基酸とし
ては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、
ダイマー酸、無水トリメリット酸、こはく酸、アゼライ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、ロジン−無水マレイン酸付加物などが挙げられる。
これらは2種以上を併用してもよい。酸成分と多価アル
コールは、前者/後者が1/1〜1/1.3(当量比)
の範囲で使用することが好まく、1/1.03〜1/
1.15がより好ましい。
【0009】不飽和ポリエステル(A)の製造には特に
制限はなく、例えば、上記酸成分とアルコール成分とを
縮合反応させ、両成分が反応するときに生じる水を系外
へ脱離させて行われる。このときの反応装置には、ガラ
ス、ステンレス製等のものが選ばれ、攪拌装置、水とア
ルコール成分の共沸によるアルコール成分の留出を防ぐ
ための分留装置、反応系の温度を高める加熱装置、この
加熱装置の温度制御装置、窒素などの吹込み装置等を備
えた反応装置を用いるのが好ましい。反応温度は150
℃以上とすることが好ましく、また酸化による副反応を
防止するために窒素、二酸化炭素などの不活性気体を通
気しながら行うことが好ましい。
【0010】反応は、酸成分およびアルコール成分を混
合した系を加熱し、生成する縮合水などの低分子化合物
を系外に除きながら進められる。これは好ましくは不活
性気体を通じることによる自然留出または減圧留出によ
って行われる。縮合水の留出を促進するため、トルエ
ン、キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添加す
ることもできる。反応の進行は、一般に反応により生成
する留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系の粘
度の測定などにより知ることができる。
【0011】本発明に用いられる共重合性単量体(B)
としては、例えばスチレンもしくはクロルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチ
レン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等
のメタクリル酸またはアクリル酸(以下、(メタ)アク
リル酸と略す)のアルキルエステル、β−ヒドロキシメ
タクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル等
の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、
ジアリルフタレート、アクリルアミド、フェニルマレイ
ミドなどが用いられる。また、エチレングリコールジメ
タクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、トリメチールプロパントリメタクリレートなどの多
官能の(メタ)アクリル酸エステル類を用いることもで
きる。
【0012】本発明に用いられるスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(C)としては、スチレンと無水マレイン
酸の配合割合がモル比(スチレン/無水マレイン酸、以
下同じ)で3/1〜7/1の範囲にあり、数平均分子量
が5000未満のものが好ましく、より好ましくはスチ
レンと無水マレイン酸のモル比は4/1〜5/1の範囲
で数平均分子量が1500〜3000の範囲のものであ
る。スチレンと無水マレイン酸のモル比が3/1未満で
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物との相溶性が悪く、
相分離が生じ、得られる成形品にスカミング等が発生
し、外観が低下する傾向がある。また、モル比が7/1
を超えると、成形品表面にクラックが発生し、外観、強
度が低下する傾向がある。また、数平均分子量が500
0以上では、不飽和ポリエステル樹脂組成物との相溶性
が悪く、相分離が生じるため、成形品外観が低下する傾
向がある。このようなスチレン−無水マレイン酸共重合
体(C)はすでに公知であり、市販品としては、例えば
岐阜セラミック製造所製商品名GSM−503、GSM
−505等が挙げられる。
【0013】不飽和ポリエステル(A)と共重合性単量
体(B)の配合割合は、重量比((A)/(B))で25/
75〜80/20の範囲が好ましく、より好ましくは4
0/60〜65/35の範囲である。この重量比が25
/75未満では、得られる不飽和ポリエステル樹脂組成
物の粘度が低すぎてシート状に塗布しにくく、また得ら
れるシート状成形材料を成形しても硬化収縮率が大き
く、成形品に割れ、クラック等が生じる場合がある。ま
た重量比が80/20を超えると粘度が高すぎてシート
状に塗布するのが困難となる場合がある。スチレン−無
水マレイン酸共重合体(C)の配合割合は、不飽和ポリ
エステル(A)と共重合性単量体(B)の総量に対して
重量比(C)/((A)+(B))で10/90〜50/5
0の範囲が好ましく、より好ましくは15/85〜35
/65の範囲である。この重量比が10/90未満では
硬化収縮率が大きく、また50/50を超えると相分離
が生じ、フィルムの剥離が困難となる場合がある。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、共重合性単量体(B)に可溶なスズ化合物、例えば
ブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、
ジブチルチンマレート、ジラウリルチンジアセテート、
ジオクチルチンジアセテートなどを含有させることがで
きる。スズ化合物の使用量は、成形品の外観の点から、
不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部に対して
0.1〜1.0重量部の範囲が好ましい。また本発明の
不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて補強
材(繊維強化材)、低収縮剤、充填材、増粘剤、硬化
剤、離型剤、安定剤等を含有させることができる。補強
材としては、ガラス繊維、カーボネート繊維、ケプラー
繊維、ビニロン繊維などを用いることができ、一般的に
はガラス繊維が用いられる。これらの補強材は、連続繊
維、織布、不織布等の形状で用いられるが、ロービング
状のものを適当な長さ、好ましくは約25mmに切断した
ものを用いるのがよい。
【0015】低収縮剤としては、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどが用いられる。
使用量は、成形品の収縮率や表面平滑性、表面光沢を考
慮して決定され、特に制限はない。充填材としては、珪
砂、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機系充填
材、木粉、ポリエチレンパウダー、各種FRP成形品の
粉砕物等の有機系充填材などが挙げられる。これらのう
ち炭酸カルシウム、特に重質炭酸カルシウムが好まし
い。その使用量は成形品の強度等の物性、不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物の粘度、流動性を考慮されて決定され
るが、好ましくは不飽和ポリエステル樹脂組成物100
重量部に対して100〜180重量部、さらに好ましく
は105〜125重量部である。充填材の量がが100
部未満では、樹脂混合物中で沈降する場合がある。また
180部を超えると混合物の粘度が上昇しすぎて攪拌で
きない場合がある。
【0016】硬化剤としては、ケトンパーオキサイド
類、パーオキシジカルボネート類、ハイドロパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケター
ル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステ
ル類などが挙げられる。硬化剤の量は、成形サイクルの
みではなく材料の保存性、色ムラ等の面に影響があるた
め、それぞれに応じて決定される。材料の保存性、成形
サイクルの面から不飽和ポリエステル樹脂組成物に対し
て0.5〜5重量%が好ましく、より好ましくは1〜2
重量%である。増粘剤としては、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム等が
用いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられ
る。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定される
が、不飽和ポリエステル樹脂組成物に対して、0.5〜
5重量%が好ましく、より好ましくは0.7〜2重量%
である。増粘剤が0.5重量%未満では、樹脂混合物の
粘度が上昇しない場合がある。また5重量%を超えると
粘度が上昇しすぎて制御できなくなる場合がある。
【0017】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。離型剤の量は、不
飽和ポリエステル樹脂組成物に対し、1〜10重量%、
より好ましくは2〜4重量%である。離型剤の量が1重
量%未満では成形品が型に付き、脱型しずらく、また成
形品にクラック等が入る場合がある。また、10重量%
を超えると成形品強度が低下する場合がある。
【0018】本発明のシート状成形材料は、通常のSM
CやBMC製造装置を用いて製造することができる。例
えば、不飽和ポリエステル(A)を重合性単量体(B)
に溶解させ、これにスチレン−マレイン酸共重合体
(C)、硬化剤、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、ト
ルキノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロ
キノン等の重合禁止剤、増粘剤等の添加剤を溶解させ
て、さらに必要に応じてポリスチレン、ポリエチレン、
ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂や充填剤を混合し、得
られた不飽和ポリエステル樹脂混合物を、ポリエチレン
フィルム等の離型フィルム上に均一の厚みに塗布し、こ
の上に所定の長さのガラス繊維等の補強材を均一に散布
し、さらにこの上に上記の不飽和ポリエステル樹脂混合
物を塗布した他のフィルムを、散布した補強材を該不飽
和ポリエステル樹脂混合物ではさむように重ね合わせ、
これをロールに巻き取り、必要に応じて熟成等を行なっ
てシート状成形材料とすることができる。不飽和ポリエ
ステル樹脂混合物に増粘剤を配合した場合には室温〜6
0℃の温度に加熱して熟成することが好ましい。
【0019】本発明における不飽和ポリエステル樹脂組
成物の粘度は、成形品によって決定されるが、1,00
0〜18,000Pa・s、さらに好ましくは1,500Pa
・s〜15,000Pa・s、特に好ましくは3,500〜1
2,000Pa・sである。1,000Pa・s未満では成形品
表面にスカミングが発生し易く、また18,000Pa・s
を超えると型締め時間が長くなり、成形サイクルが延び
る場合がある。ただし、粘度は40℃で測定したもので
ある。本発明におけるシート状成形材料は、圧縮成形、
トランスファー成形等により成形され、広範囲なFRP
成形品を得ることができる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれによって制限されるものではない。な
お、例中の「部」および「%」は、特に断らない限りそ
れぞれ「重量部」および「重量%」を示すものとする。 (1)不飽和ポリエステル(a1)の合成 イソフタル酸1062部およびプロピレングリコール7
54部を、温度計、窒素吹込み管、精留塔および攪拌装
置をつけた3リットルのフラスコに仕込み、マントルヒ
ータを用いて加熱して5時間で210℃まで昇温した。
その後210℃まで急冷し、保温して酸価が14となっ
た時点で冷却し、プロピレングリコール486部と無水
マレイン酸627部を加え、再度4時間で215℃まで
昇温した。215℃で保温して、酸価30となった時点
で冷却し、反応を終了し、不飽和ポリエステル(a1)
を得た。
【0021】(2)不飽和ポリエステル(a2)の合成 テレフタル酸996部、プロピレングリコール506
部、ネオペンチルグリコール312部およびエチレング
リコール372部を温度計、窒素吹込み管、精留塔およ
び攪拌装置をつけた3リットルのフラスコに仕込み、マ
ントルヒータを用いて加熱して5時間で230℃まで昇
温した。その後220℃まで急冷し、保温して酸価が1
2になった時点で冷却し、無水マレイン酸882部を加
え、再度5時間で215℃まで昇温した。その後200
℃まで冷却して酸価32となった時点で冷却し、反応を
終了し、不飽和ポリエステル(a2)を得た。
【0022】実施例1および2 不飽和ポリエステル(a1)、(a2)のそれぞれ62
0部を共重合性単量体(B)であるスチレン380部に
溶解し、ついで重合禁止剤として、ハイドロキノン0.
02部を溶解して不飽和ポリエステル樹脂組成物(A
1)、(A2)を得た。不飽和ポリエステル樹脂組成物
(A1)、(A2)の粘度は25℃でそれぞれ0.85
Pa・s、1.55Pa・sであった。また、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体(C)として、GSM−505(岐阜
セラミック製造所製、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレンと無水マレイン酸のモル比5/1、数平均
分子量2500)600部をスチレン400部に溶解さ
せて樹脂組成物(D)を得た。樹脂組成物(D)の25
℃での粘度は4.5Pa・sであった。
【0023】不飽和ポリエステル樹脂組成物(A1)、
(A2)のそれぞれ800部に、樹脂組成物(D)20
0g、パーブチルZ(日本油脂社製、t−ブチルパーベ
ンゾエート98%)10g、炭酸カルシウムNS#20
0(日東粉化工業株式会社製)1050部およびステア
リン酸亜鉛40部を加え、カウレス型翼で充分に混合
し、この混合物に酸化マグネシウム12gを加えてよく
攪拌し、不飽和ポリエステル樹脂組成物(I)、(II)
とし、これらを40℃で24時間熟成させた。このとき
の不飽和ポリエステル樹脂組成物(I)の粘度は800
0Pa・s(40℃)、(II)の粘度は11000Pa・s(4
0℃)であった。
【0024】次に、熟成させた不飽和ポリエステル樹脂
組成物(I)、(II)のそれぞれを用い、デュアルワイ
ヤメッシュ方式のSMC製造装置により、ガラス含有量
を30重量%として、両側に離型フィルム(厚さ50μ
mのポリプロピレンフィルム)を有するシート状とし、
40℃の熟成炉で3日間熟成させてシート状成形材料
(I)、(II)を得た。得られたシート状成形材料
(1)の粘度は、16800Pa・s(40℃)、(II)の
粘度は、25000Pa・s(40℃)であった。
【0025】これらのシート状成形材料(I)、(II)
をそれぞれ縦100mm、横50mmの大きさに切り出し、
100kgfオートグラフ(島津製作所製)を用いてフィ
ルム剥離強度を測定したところ、それぞれ25N/m、1
5N/mであった。さらに、シート状成形材料(I)、(I
I)をそれぞれ縦500mm、横1000mmの大きさに切
りフィルムを剥がしてみたが、綿ぼこりの発生はなかっ
た。次いで、得られたシート状成形材料(I)、(II)
を200tfプレスを用いて、面圧7.5MPa、金型温度
上/下、145℃/130℃で500mm×250mmの平
板を成形した。成形時の上型変位を、レーザ変位計(キ
ーエンス社製)を用いて、締め切りの上4mmから締切り
までの時間を型締め時間として測定した。その結果、シ
ート状成形材料(I)、(II)の型締め時間は、それぞ
れ20秒、23秒となった。
【0026】実施例3および4 実施例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物(I
I)2100gに、酸化マグネシウムをそれぞれ8g、
10g添加し、カウレス型翼でよく攪拌し、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物(III)、(IV)とし、これらを4
0℃で24時間熟成させた。このときの不飽和ポリエス
テル樹脂組成物(III)、(IV)の粘度は、それぞれ4
000Pa・s(40℃)、8000Pa・s(40℃)であっ
た。熟成させた不飽和ポリエステル樹脂組成物(II
I)、(IV)のそれぞれを用い、デュアルワイヤメッシ
ュ方式のSMC製造装置により、ガラス含有量を30重
量%として両側に離型フィルム(厚さ50μmのポリプ
ロピレンフィルム)を有するシート状とし40℃の熟成
炉で3日間熟成させてシート状成形材料(III)、
(IV)を得た。シート状成形材料(III)、(IV)の粘
度はそれぞれ、7200Pa・s、16000Pa・s(40
℃)であった。
【0027】これらのシート状成形材料(III)、(I
V)をそれぞれ縦100mm、横50mmの大きさに切り出
し、それぞれについて、100kgfオートグラフでフィ
ルム剥離強度を測定したところ、それぞれ45N/m、3
0N/mであった。さらに、シート状成形材料(III)、
(IV)をそれぞれ縦500mm、横1000mmの大きさに
切りフィルムを剥がしてみたが、綿ぼこりの発生はなか
った。次いで、得られたシート状成形材料(III)、(I
V)を実施例1と同様にして平板を成形し、締め切りの
上4mmから締切りまでの時間を型締め時間を測定した。
その結果、シート状成形材料(III)、(IV)の型締め
時間は、それぞれ16秒、18秒であった。
【0028】比較例1および2 実施例1で得られた不飽和ポリエステル溶液(A1)、
(A2)のそれぞれ800部に、ポリスチレン80部を
スチレン120部に溶解した樹脂溶液200部を加え、
さらに得られた樹脂溶液1000部に、パーブチルZ
10部(日本油脂社製、t−ブチルパーベンゾエート9
8%)、炭酸カルシウムNS#200(日東粉化工業社
製)1050部、ステアリン酸亜鉛40部および酸化マ
グネシウム12gを加え、カウレス型翼で充分に攪拌し
て不飽和ポリエステル樹脂組成物(V)、(VI)を得、
これらを40℃の熟成炉で24時間熟成させた。これら
の粘度はそれぞれ7400Pa・s(40℃)、10500
Pa・s(40℃)であった。
【0029】得られた不飽和ポリエステル樹脂混合物
(VII)、(VIII)をそれぞれ用いてデュアルワイヤメ
ッシュ方式のSMC製造装置により、ガラス含有量を3
0重量%として、両側に離型フィルム(厚さ50μmの
ポリプロピレンフィルム)を有するシート状とし、これ
らを40℃の熟成炉で5日間熟成させてシート状成形材
料(V)、(VI)を得た。これらのシート状成形材料
(V)、(VI)の粘度はそれぞれ17500Pa・s(40
℃)、19500Pa・sであった。シート状成形材料
(V)、(VI)をそれぞれ縦100mm、横50mmの大き
さに切り出し、100kgfオートグラフ(島津製作所
製)でフィルム剥離強度を測定したところ、それぞれ4
2N/m、28N/mであった。これらのフィルム剥離強度は
実施例1、2のものの1.7倍でありまた、実施例3、
4とほぼ同等であった。
【0030】また、シート状成形材料(V)、(VI)を
それぞれ縦500mm、横1000mmの大きさに切り出
し、フィルムを剥がしてみると成形材料(V)で5〜7
個、成形材料(VI)で3〜5個の綿ぼこりが発生した。
さらに、シート状成形材料(V)、(VI)を40℃の熟
成炉で熟成させて綿ぼこりが発生しなくなる粘度を調べ
たところ、(V)では40500Pa・s、(VI)では41
500Pa・s(40℃)であった。さらに、シート状成形
材料(V)、(VI)を200tfプレスを用いて500mm
×250mmの平板を面圧7.5MPa、金型温度上/下1
45℃/135℃で成形した。このときの成型時の上型
変位を実施例1と同様にしてレーザ変位計で測定した結
果、成形材料(V)、(VI)の型締め時間は、それぞれ
28秒、35秒となり、実施例3、4の1.5倍の値と
なった。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1における不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物によれば、粘度を上昇させることなく
シート状成形材料にしたときベトツキがなく、フィルム
剥離性を改善できるとともに綿ぼこりの発生が防止で
き、さらに型締め時間の短縮により成形サイクルの短縮
を図ることができる。本発明の請求項2における不飽和
ポリエステル樹脂組成物によれば、請求項1の効果に加
え、光沢性、透明性など成形品外観の優れた成形品が得
られる。本発明の請求項3におけるシート状成形材料に
よれば、前記不飽和ポリエステル樹脂組成物とフィルム
の剥離性に優れ、綿ぼこりの発生が少ないうえに低圧で
成形が可能であり、成形サイクルの短縮が可能である。
本発明の請求項4における製造法によれば、上記成形材
料を好適に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/06 MSG C08L 67/06 MSG

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)α,β−不飽和二塩基酸および/
    またはその無水物と多価アルコールとを反応させて得ら
    れる不飽和ポリエステル、(B)共重合性単量体および
    (C)スチレン−無水マレイン酸共重合体を含有してな
    り、粘度が1,000〜18,000Pa・s(40℃)で
    ある不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(B)共重合性単量体に可溶なスズ
    化合物を含有してなる請求項1記載の不飽和ポリエステ
    ル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物を繊維強化材とともに存在させてなるシ
    ート状成形材料。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物に増粘剤を加え、これを繊維強化材とと
    もに存在させ、室温〜60℃に加熱して増粘させること
    を特徴とするシート成形材料の製造法。
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