JPH11236277A - 接着炭素材 - Google Patents

接着炭素材

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JPH11236277A
JPH11236277A JP10197198A JP19719898A JPH11236277A JP H11236277 A JPH11236277 A JP H11236277A JP 10197198 A JP10197198 A JP 10197198A JP 19719898 A JP19719898 A JP 19719898A JP H11236277 A JPH11236277 A JP H11236277A
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JP
Japan
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carbon
adhesive
carbon material
segments
central axis
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JP10197198A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ito
正之 伊藤
Kimie Kamiide
君恵 上出
Katsuhide Nagaoka
勝秀 長岡
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型又は複雑形状の黒鉛材を接着によって特
性を落とすこと無く、確実な接着で形成できる接着黒鉛
材を提供する。 【解決手段】 中心軸11に対して等しい中心角αの放
射面12でカットされた接着面13を有する複数の同形
状の黒鉛材料製セグメント2を、前記接着面3同志をカ
ーボンセメントの接着層4を介して突き合わせて接着
し、円筒状のように中心軸11の回りで点対称な形状を
有する部分を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型或いは複雑形
状の黒鉛部材、例えば炉内構造物用トレイ、放電加工用
電極、半導体製造装置用等の接着で形成した接着炭素材
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材は、その物理的・化学的・熱的安
定性等から、各種シール材、ベアリング材、金属溶融用
ルツボ、放電加工用電極、シリコン単結晶引き上用装置
の如き半導体製造装置内のヒータ、ルツボ等の炉内部品
のように広範囲にわたって種々利用されている。このよ
うな炭素材は、必要に応じて粒度調整した人造黒鉛、コ
ークス、カーボンブラック等をフィラーとし、これらに
コールタールピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等の
合成樹脂等のバインダーを添加して必要に応じて加熱し
ながら混合し、適度に粉砕後、金型或いはCIPと呼ば
れる静水圧等方性プレス等にて成形、焼成更には必要に
応じてピッチ含浸、焼成或いは黒鉛化を行うことによっ
て、炭素材が得られる。このようにして得られた炭素材
は種々機械加工、樹脂含浸或いは必要に応じて純化処理
等を行って上述した各種用途に供される。
【0003】この炭素材は、例えば、炉内構造物用トレ
イ、放電加工用電極、半導体製造装置用等の用途に使用
されるが、特にチョクラルスキー法(CZ法)における
シリコン単結晶引き上げ用に使用される炭素材は、3倍
則と言われてシリコンウェハーのほぼ3倍の内径を持っ
たルツボが使用される。つまり次世代の12インチ外径
のシリンコンウェハーに対しては36インチの内径を持
ったルツボが必要になり、ルツボの外側に位置するヒー
ター、ヒートシールド等ではさらに大きな径になる。し
たがって、12インチ外径のシリンコンウェハーに対応
する引き上げ装置には、千数百mmの径を持った高密
度、高強度の大型炭素材料が必要となる。
【0004】これらの大型炭素材の製造には、新たな設
備投資を必要としたり、また炭素材が大きくなればなる
ほど、熱処理時の中心部と外周部との温度差が大きくな
る等により、製造工程で割れを生じてしまう等により製
造することが極めて難しくなり、製造したとしても極め
て高価なものになってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、樹脂、溶剤及
び炭素粉末からなるカーボンセメントと呼ばれる接着剤
で炭素材を接着して大型の接着炭素材を製造することが
考えられる。しかしながら、大型になればなるほど、接
着しにくく、接着部の物性が母材の物性より劣って使用
できなくなるという問題点があった。
【0006】接着性を高めるために、カーボンセメント
自体を改良することや、例えば特公平5−31469号
公報のように、炭素材の接着面を処理して官能基を導入
し接着層の強度を向上させるものも提案されているが、
官能基を導入するための処理によって母材自体の劣化と
灰分増加を生じさせるという問題点があった。
【0007】本発明者らは、従来の接着剤や接着面の改
良という視点を変え、接着しやすい炭素材はどのような
ものかという視点から試行錯誤を重ね、実用に供しうる
接着炭素材を得ることに成功したものであり、本発明の
目的とするところは、大型又は複雑形状の炭素材を接着
によって母材の特性を落とすこと無く、確実な接着で形
成できる接着炭素材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のうち請求項1にかかる発明は、複数のセグメントを
接着することにより、円筒状、多角錐筒状又は円板状の
ように中心軸の回りで点対称又は中心軸を通る面に対し
て線対称な形状を有する部分を形成した接着炭素材であ
って、複数の前記セグメントは同形状であるとともに、
前記中心軸に対して等しい中心角の放射面でカットされ
た接着面を有し、前記接着面同志をカーボンセメントを
介して突き合わせて接着したものである。複数の前記セ
グメントによる分割数は、2〜24が適当である(請求
項2)。請求項3にかかる発明は、複数のセグメントを
接着することにより、円柱、多角柱、円錐柱のように中
心軸の回りで点対称又は中心軸を通る面に対して線対称
な形状を有する部分を形成した接着炭素材であって、複
数の前記セグメントは、前記中心軸の回りで点対称又は
前記中心軸を通る面に対して線対称な接着面を有し、前
記接着面同志をカーボンセメントを介して突き合わせて
接着したものである。請求項1,3において、前記カー
ボンセメントの接着層の厚みは、100μm以下が適当
である(請求項4)。請求項1,3において、前記接着
後、更に純化処理を行ったものである(請求項5)。前
記純化処理後、前記接着層及び前記セグメントの全灰分
量が20ppm以下である(請求項6)。請求項1,3
において、熱分解炭素含浸、又は熱分解炭素コーティ
ング、又は熱分解炭素含浸及び熱分解炭素コーティン
グ、炭化珪素処理、又は炭化珪素コーティング、又は
炭化珪素処理及び炭化珪素コーティング、ガラス状炭
素含浸、又はガラス状炭素コーティング、又はガラス状
炭素含浸及びガラス状炭素コーティングののうち
のいずれかを行ったものである(請求項7)。請求項8
にかかる発明は、複数のセグメントを接着して形成した
接着炭素材であって、複数の前記セグメントの接着面は
カーボンセメントを介して突き合わせたものであり、前
記カーボンセメントによる接着層を硬化させた後、前記
接着層及び前記セグメントに対して焼成と純化処理の熱
処理を施したものであり、前記接着層の厚みが100μ
m以下であるとともに、前記接着層及び前記セグメント
の全灰分量が20ppm以下である接着炭素材である。
特に半導体製造装置用部品に用いられる請求項8記載の
接着炭素材である(請求項9)。
【0009】以下本発明の詳細を説明する。請求項1に
かかる発明は、図1(A)の如く、同形状の6個のセグ
メント2の両端の接着面3同志を突き合わせて6角筒柱
とし、内外周を加工して二点鎖線のような円筒柱を形成
する。6角筒柱又は円筒柱は中心軸11の回りで点対称
な形状であり、中心軸11に対して等しい中心角αとな
る放射面12で6角柱又は円筒柱を切り出してセグメン
ト2とする。角筒柱の場合、セグメント2は二等辺台形
となり、等辺の傾斜角θは(180°−α)/2で決ま
る。6角筒柱の場合α=60°であるため、θ=60°
となる。図1(B)の如く、二等辺台形の傾斜角θが変
わるだけで、円筒に近い多角筒が得られる。分割数が多
くなるほど、各セグメントは小さくなり、炭素材の端材
を寄せ集めて大型部材を形成できる。しかし、傾斜角θ
に対する許容誤差は分割数が多くなるほど厳しくなるた
め、接着面3の傾斜角θの僅かな誤差が全体として大き
な誤差となる。そこで、傾斜角θの現実的な加工精度を
配慮すると、24分割が限度となる。
【0010】図1(A)のように等しい中心角αを有
し、この中心角αの放射面12でカットされた接着面3
を有するセグメントを突き合わせて、多角筒柱又は円筒
柱にすると、多角筒柱又は円筒柱の周囲を熱収縮テープ
等で緊縛すればするほど、接着面3同志が強固且つ均一
に押し合わされ、接着面3間の接着層4であるカーボン
セメントの厚みが薄くて均一な接着が行える。このよう
なセグメント構成の筒柱の周囲から内側に向かって加圧
することによって容易に行え、これにより接着面3の接
着層4の厚みは、大型になってもかなり薄い100μm
以下とすることが可能になる。
【0011】セグメント2を構成する炭素材は、加工が
容易であって大型部分に対する所定の機械的強度を有す
る等方性高密度黒鉛が用いられる。かさ比重が1.70
以上で好ましくは1.90以下であり、曲げ強度が35
MPa以上で好ましくは60MPa以下であり、引っ張
り強度が20MPa以上で好ましくは40MPa以下の
汎用材が使用される場合が大部分である。CZ法用の装
置に使用される炭素材はこの範囲に入る炭素材であれば
良く、これを接着炭素材で代用できると特に大型品につ
いてメリットが大きい。
【0012】接着層4を形成するカーボンセメントは、
樹脂、溶剤、炭素粉末を主成分としたものを硬化させた
後、焼成等の熱処理を行ったものである。熱処理は70
0℃以上1500℃以下の温度範囲で行われる。熱処理
温度が700℃未満であると、高温下の使用中に接着層
からガスが発生する。セグメント2を構成する炭素材に
匹敵する接着層4とするためには、曲げ強度が35MP
a以上、引っ張り強度が20MPa以上の特性を有する
接着層4にする。
【0013】このような特性を満足するために、焼成後
には緻密な非晶質炭素となるように少なくとも炭素粉末
と合成樹脂を主成分としたカーボンセメントを用いる。
バインダーとして加えられる合成樹脂は、液状熱硬化性
樹脂プレポリマー、具体的にはタール相溶性フェノール
樹脂が好ましい。このような液状熱硬化性樹脂プレポリ
マーを用いる場合、ピッチ粉末を加えて均一に分散さ
せ、その後の加熱段階で相溶させピッチ変成熱硬化樹脂
にして炭化率を向上させることが好ましい。前記ピッチ
粉末は500μm以下のものを前記樹脂の不揮発分10
0重量部に対して5〜20重量部加える。つぎに、フィ
ラーとして加えられる炭素粉末は5μm以下のものを前
記樹脂の不揮発分100重量部に対して30〜60重量
部加える。タール相溶性フェノール樹脂とピッチ粉末か
ら中間段階としてのピッチ変成熱硬化樹脂のバインダー
が形成され、フィラーとしての炭素粉末とともに焼成後
には緻密な非晶質炭素が形成され、曲げ強度が35MP
a以上、引っ張り強度が20MPa以上の特性を有する
接着層4が確保できる。
【0014】接合炭素材が通電部品として使用される場
合、接触電気抵抗を0.2mΩcm 2 以下にすると、実
用上差し支えない。特に上述したようなピッチ粉末、炭
素粉末、液状熱硬化性樹脂プリポリマーによる接着層を
少なくとも900℃以上で焼成すると、接触電気抵抗が
0.2mΩcm2 以下になる。
【0015】CZ法用の装置のように、高純度のものが
要求される部分にあっては、接着炭素材そのものを純化
処理し、カーボンセメントによる接着層及びセグメント
部分の母材を合わせた全体の全灰分量が20ppm以下
にすることが好ましい。この純化処理は10〜40To
rrの減圧下で800〜1000℃に1〜10時間好ま
しくは3〜5時間保ったのち、徐々に昇温し、ハロゲン
ガスに置換しつつ1800〜2500℃で5〜24時間
好ましくは7〜15時間保持して行う。純化処理を上記
範囲で適切に選択すると、接着層を含む全体が5ppm
以下まで純化可能である。また、前記純化行程の引き続
き、10-2〜10-4Torrの強減圧下で冷却すると、
アウトガスを少なくすることができる。
【0016】更に、熱分解炭素含浸、又は熱分解炭素
コーティング、又は熱分解炭素含浸及び熱分解炭素コー
ティング、炭化珪素処理、又は炭化珪素コーティン
グ、又は炭化珪素処理及び炭化珪素コーティング、ガ
ラス状炭素含浸、又はガラス状炭素コーティング、又は
ガラス状炭素含浸及びガラス状炭素コーティングの
のうちのいずれかを施して表面特性を向上させたもの
が好ましい。ここで、の処理は純化処理後に行い、
処理後製品とする。また、の処理は純化処理前あるい
は純化処理後に行い、含浸、被覆処理後、純化処理をせ
ずに製品とする場合や、用途によって純化処理を行い製
品化する場合とがある。
【0017】上述した接着炭素材の製造方法を図2によ
り説明する。図示例は12分割されたセグメント2を用
いて円筒柱状の接着炭素材1を得る場合を示す。まず、
図2(A)のように、所定寸法(W高さ×L幅×H長さ
で傾斜角θが75°のもの)の台形断面板状のセグメン
ト2を高密度炭素材の端板から加工する。つぎに、ピッ
チ粉末と炭素粉末と液状熱硬化性プレポリマーを室温で
混合攪拌してカーボンセメントの接着剤を調合し、セグ
メント2の接着面3にヘラ等を使って薄く均一に塗布す
る。
【0018】12個のセグメント2の接着面同志を突き
合わせて、図2(B)のような12角筒柱にする。この
とき、12角筒柱の周囲を熱収縮テープ等で緊迫するこ
とにより、周囲から中心に向かって均一で強力な力を作
用させ、接着面同志を均一に強く押し当てることが重要
である。80℃から200℃へと徐々に時間を掛けて昇
温することにより、接着層を乾燥硬化させる。セグメン
ト12の周囲に熱収縮性テープ等を使うと、接着層の硬
化時に強力な締めつけ力が発生し、接着面が薄く均一に
なって硬化し、焼成により炭化率の高い接着層が得られ
る。接着層の熱硬化が終わると、真空又は不活性ガス中
で接着層の焼成を行う。
【0019】得られた12角筒柱の内外周と両端を加工
して、所定寸法の円筒柱1を得る。円筒柱の所定寸法
は、セグメント2の寸法で決まり、小さな部品を組み合
わせ大きな部分を作ることができる。この円筒柱1を高
純化炉15内に入れて高純化処理すると、全配分量が2
0ppm以下、好ましくは5ppm以下の接着炭素材が
得られる。
【0020】なお、接着炭素材としては、円筒状に限ら
ず、中心軸に対して点対称であれば円板状や円錐筒状で
あってもよい。図3のようなルツボ20の場合、円筒部
21と皿状底部22とからなっており、円筒部21を8
分割セグメント23で形成し、皿状底部22も8分割セ
グメント24で形成し、両者をA線で更に接着すること
ができる。皿状底部22には穴25があって、8分割セ
グメント24の周囲からの均等な締め込み力が作用する
ようになっている。また、A線で分割することなく、セ
グメント23、24が一体になった変形セグメントを炭
素材の端材から作成して合わせることもできる。
【0021】また図1(A)おいて、中心軸11を通る
面に対して対称な円筒状、多角錐筒状又は円板状であっ
てもよい。この場合、セグメントの分割数は偶数に限ら
ず、3分割、5分割等の奇数にすることもできる。偶数
の場合と同様に、各セグメントの接着面を突き合わせて
外周から熱収縮フィルム等で締め付けると、各セグメン
トの接着面に対して強力な圧着力を発生させることがで
き、大型品であっても100μm以下の接着層とするこ
とが可能になる。
【0022】また、図4に示されるように、四角柱30
の中心軸31を通る面32に対して線対称な形状を有す
る部分となるようにセグメント30a,30bを接着面
30cで突き合わせた形状であっても、四角柱30の外
周を熱収縮フィルム等で締め付けると接着面30cに強
力な圧着力が作用する。なお、図面の厚み方向も同様に
分割されていてもよい。
【0023】さらに、図5に示されるように、四角柱4
0の中心軸41を通る面42に対して線対称な形状を有
する部分となるようにセグメント40a,40b,40
c,4dを接着面40e,40f,40g,40hで突
き合わせた形状であっても、四角柱40の外周を熱収縮
フィルム等で締め付けると接着面40e,40f,40
g,40hに強力な圧着力が作用する。なお、図面の厚
み方向も同様に分割されていてもよい。
【0024】このように、大型品の接着炭素材であって
も、分割形状を適切にして熱収縮フィルム等で外周から
均一に加圧すると、接着層の厚みが100μm以下にす
ることができる。この接着層とセグメントの全体を70
0℃以上で焼成することにより高温下使用時での接着層
からのガス発生を抑えることができる。更に、接着後に
接着層とセグメントの全体を純化処理すると、接着層及
びセグメントの全灰分量が20ppm以下好ましくは5
ppm以下となり、CZ法などの単結晶引き上げ用半導
体製造装置内のルツボ、ヒートシールド、ヒータ等の部
品に適した接着炭素材とすることができる。また、本発
明は前記半導体製造用装置部材への適用以外に、大型
化、複雑化できることから、炉内構造物用トレイや放電
加工用電極等へも適用できる。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。セグメント
のもとになる炭素材として東洋炭素製IG−11、IG
−12、ISO−63の3種類を用いた。カーボンセメ
ントは、ピッチ粉末、炭素粉末及びタール相溶性フェノ
ール樹脂の混合物による市販品を用いた。炭素材を10
×10×30(mm)の2枚に加工し、10×10(m
m)の面同志を接着厚さが約10μmになるまで強く突
き合わせて接着したのち硬化・焼成して10×10×6
0(mm)の接着炭素材を得た。この接着炭素材につい
て、曲げ強度、引っ張り強度、接着電気抵抗値を測定し
た。なお、曲げ強さは支点間距離40mmの3点曲げ試
験治具を用い、毎秒3kgfの均一荷重で負荷し破壊荷
重を求め、Bs=(3×P×L)/(2×w×h2)で
曲げ強度を求めた。ここで、Pは破壊荷重、Lは支点間
距離、wは試験片の幅、hは試験片の厚みである。引っ
張り強度はJISに準拠して測定した。
【0026】東洋炭素製IG−11、IG−12による
接着炭素材の特性が表1に示される。符号1、5は非接
着の比較例であり、符号2、6は900℃で焼成した本
発明例であり、符号3、7は1200℃で焼成した本発
明例であり、符号4、8は2000°Cで焼成した本発
明例である。
【0027】
【表1】
【0028】IG−11及びIG−12の接着品を90
0℃又は1200℃で熱処理したものは、母材のIG−
11と同等の曲げ強度及び引っ張り強度を有しており、
熱処理温度が上がる程、接着電気抵抗値が低下している
事が判る。接着品の熱処理温度が2000℃に上昇する
と、やや曲げ強度及び引っ張り強度が低下するが、接着
電気抵抗値がゼロになる。このことから、接着面が薄く
なるように均一に突き合わせると、接着層の強度は、曲
げ強度42MPa以上、引っ張り強度26MPa以上と
母材の炭素材以上の強度を有することが判る。
【0029】
【表2】
【0030】接着層の強度を推定するために、強度のあ
る炭素材にISO−63を用いて、同様の曲げ強さ測定
を行った。母材である符号11の曲げ強度は57MPa
であるのに対して、接着されたものは、40MPa前後
の曲げ強度になっている。このことから、熱処理でガス
発生を抑える処理を行っても、接着層は40MPa前後
の曲げ強度を有してることが判る。このことから、炭素
材の大部分の用途をカバーする曲げ強度が35MPa以
上且つ引っ張り強度が20MPa以上の接着炭素材が、
組み合わせ方を適切にし、接着層の厚みを適正に管理す
ることで簡単に得られることが判る。
【0031】12インチ外径のシリンコンウェハー用
に、外径が1200mm用のヒーターを12分割で製造
した。一体で製造する場合に比較して、2/3のコスト
で同様の機械的特性を有するものを製造することができ
た。
【0032】
【発明の効果】上述したように、中心軸に対して適切な
形状の接着面を形成するように複数のセグメントの前記
接着層が薄くなるように突き合わせると、普通の炭素材
の母材と同等の強度を有する接着層を得ることが出来、
接着に起因して母材の強度を低下させることもなく、そ
の結果大型品や複雑形状品を端材を組み合わせて安価に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合炭素材を構成するセグメントを示
す図である。
【図2】本発明の接合炭素材の製造工程を示す図であ
る。
【図3】本発明の接合炭素材によるルツボの断面図であ
る。
【図4】本発明の他の接合炭素材を構成するセグメント
の分割状態を示す図である。
【図5】本発明の他の接合炭素材を構成するセグメント
の分割状態を示す図である。
【符号の説明】
1 接着炭素材 2 セグメント 3 接着面 11 中心軸 12 放射面 31,41 中心線 32,42 中心線を通る面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセグメントを接着することによ
    り、円筒状、多角錐筒状又は円板状のように中心軸の回
    りで点対称又は中心軸を通る面に対して線対称な形状を
    有する部分を形成した接着炭素材であって、 複数の前記セグメントは同形状であるとともに、前記中
    心軸に対して等しい中心角の放射面でカットされた接着
    面を有し、 前記接着面同志をカーボンセメントを介して突き合わせ
    て接着したものである接着炭素材。
  2. 【請求項2】 複数の前記セグメントによる分割数は、
    2〜24である請求項1記載の接着炭素材。
  3. 【請求項3】 複数のセグメントを接着することによ
    り、円柱、多角柱、円錐柱のように中心軸の回りで点対
    称又は中心軸を通る面に対して線対称な形状を有する部
    分を形成した接着炭素材であって、 複数の前記セグメントは、前記中心軸の回りで点対称又
    は前記中心軸を通る面に対して線対称な接着面を有し、 前記接着面同志をカーボンセメントを介して突き合わせ
    て接着したものである接着炭素材。
  4. 【請求項4】 前記カーボンセメントの接着層の厚み
    は、100μm以下である請求項1又は3記載の接着炭
    素材。
  5. 【請求項5】 前記接着後、更に純化処理を行ったもの
    である請求項1又は3記載の接着炭素材。
  6. 【請求項6】 前記純化処理後、前記接着層及び前記セ
    グメントの全灰分量が20ppm以下である請求項5記
    載の接着炭素材。
  7. 【請求項7】 下記ののうちいずれかを行った請
    求項1又は3記載の接着炭素材。 熱分解炭素含浸、又は熱分解炭素コーティング、又は
    熱分解炭素含浸及び熱分解炭素コーティング 炭化珪素処理、又は炭化珪素コーティング、又は炭化
    珪素処理及び炭化珪素コーティング ガラス状炭素含浸、又はガラス状炭素コーティング、
    又はガラス状炭素含浸及びガラス状炭素コーティング
  8. 【請求項8】 複数のセグメントを接着して形成した接
    着炭素材であって、複数の前記セグメントの接着面はカ
    ーボンセメントを介して突き合わせたものであり、前記
    カーボンセメントによる接着層を硬化させた後、前記接
    着層及び前記セグメントに対して焼成と純化処理の熱処
    理を施したものであり、前記接着層の厚みが100μm
    以下であるとともに、前記接着層及び前記セグメントの
    全灰分量が20ppm以下である接着炭素材。
  9. 【請求項9】 半導体製造装置用部品として用いられる
    請求項8記載の接着炭素材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006117510A (ja) * 2004-09-21 2006-05-11 Tokuyama Corp カーボン製筒状容器
JP2016142251A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 マツダ株式会社 エンジンに用いられる熱伝導部材、及びこの熱伝導部材を備えたエンジン構造

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