JP3966911B2 - 炉内部材及び治具 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐酸化性を要求される炉内部材や治具として好適な炭素−炭化ホウ素焼結体又は炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体に関する。さらに詳しく言えば、加熱ヒータ、金属溶解用ルツボ、熱電対保護管、連続鋳造用鋳型やダイス、溶解金属かくはんロータ用部品、焼結用トレー、軸受けなどの各種の電気・電子用部材、化学工業用部材、セラミック製造用部材、機械用部材等(以下、炉内部材や治具と言う)に好適に使用可能な材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素材料は耐熱性、耐薬品性、良電気伝導性、低熱膨張率、軽量であるなど優れた性質を持つため、産業界の広い分野で使用されている。ところが、高温の空気中では酸化消耗を受け易いという欠点を有するため、炭素材料の耐酸化性を改善させる方法が色々提案されてきた。
【0003】
例えばCVD(化学蒸着)法により、炭素材料を基体とし、その表面にち密質の炭化ケイ素を被覆する方法が提案されている。この炭化ケイ素被覆炭素材料は、優れた不浸透性を有しているものの、被膜と炭素基体との界面が分離しているため、熱衝撃を受けると被膜のはく離が生じ易いという欠点があった。また、炭素基体の表層部に炭化ケイ素や炭化ホウ素層を形成させる方法として、転化(コンバージョン)法が知られている。この方法は、ケイ素ガスや一酸化ケイ素ガス又は酸化ホウ素ガス等を炭素基体に反応させて、基体の表層部を炭化ケイ素や炭化ホウ素層に転化する方法であり、炭素基体と転化層との間で、層間はく離を生じにくくなっている。しかし、CVD法に比較してち密性に劣るため、酸素の侵入を完全に防ぐことができず、満足に使用できる材料ではなかった。また、リン酸化合物溶液などを炭素基体に含浸する、いわゆる含浸処理法も知られているが、この方法でも含浸ムラ等が発生し、十分な耐酸化性を得られなかった。
【0004】
そこで、炭化ホウ素(BC)粉末と炭化ケイ素(SiC)粉末との混合物と生コークスとを混合して焼結した材料(例えば、特開昭59−131576号公報)や、炭化ホウ素(BC)とメソカーボンマイクロビーズ(メソフェーズ小球体ともいう)とを混合して焼結した材料(例えば、特開平1−100063号公報、特開平5−246761号公報)が提案されており、高い耐酸化性を示している。これらの焼結体が高い耐酸化性を示す理由は、焼結体中の炭化ホウ素や炭化ケイ素が酸化されると酸化ホウ素(B)や酸化ケイ素(SiO)を生じ、これがガラス状の酸化保護膜となって焼結体の全表面を被覆するため、焼結体の内部への酸素の侵入を防ぐことにより、酸化を抑制するからである。従来、これらの焼結体は、高い耐酸化性を有し、ホウ素を多く含んでいることから、原子炉の中性子吸収材や遮蔽材等の特殊な用途しか使用されていなかった。
【0005】
かかる焼結体は、このような特殊用途に使われることを前提として製造されており、耐酸化性の向上、ホウ素の高濃度化及び高強度の追求のみを主な目的としていたため、高密度化されたものになっていた。その結果、必然的に気孔半径の小さい焼結体になっており、従来は、このような焼結体を炉内部材や治具に使用していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの焼結体の酸化保護膜の一つである酸化ホウ素(B)は、400〜500℃で溶融し、流動するため、かかる焼結体を耐酸化性が要求される炉内部材や治具として使用する場合には、その焼結体が接触している相手部材との隙間を酸化ホウ素が埋めてしまい、両者を固着してしまうという問題があった。そのため、高い耐酸化性を示しながら、炉内部材や治具としては実用化に至っていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
その対策として、本発明者らは焼結体のホウ素含有濃度と気孔半径に着目した。従来の焼結体の気孔半径を逆に大きくし、特定範囲のホウ素濃度であれば、焼結体と相手部材との固着を防止できることを見いだしたのである。
【0008】
すなわち本発明は、ホウ素含有濃度が5乃至40質量%であり、且つ、水銀圧入法による平均気孔半径が0.1乃至10μmである炭素−炭化ホウ素焼結体又は炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体の相手部材に接触する面を、表面粗さRaが1.6乃至25μmとなるように加工した炉内部材、若しくは、ホウ素含有濃度が5乃至40質量%であり、且つ、水銀圧入法による平均気孔半径が0.1乃至10μmである炭素−炭化ホウ素焼結体又は炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体の相手部材に接触する面を、表面粗さRaが1.6乃至25μmとなるように加工した治具とすることで、耐酸化性を有したままで、酸化ホウ素(B23)を表面付近の開気孔内面にとどめ、炉内部材又は治具と、相手部材との固着を防止できる。
【0009】
【発明の構成】
本発明に係る炭素−炭化ホウ素焼結体とは、炭素及び炭化ホウ素から成る焼結体を意味し、炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体とは、炭素、炭化ホウ素及び炭化ケイ素から成る焼結体を意味する。
【0010】
具体的にその製造方法の代表例を挙げると、炭素−炭化ホウ素焼結体は、炭化ホウ素粉(以下、Bとも略す)及び炭素粉(以下、Gとも略す)更には必要に応じて炭化できる原料(以下、Pとも略す)を混合し、成形、焼成工程を経て製造する方法である。炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体は、炭化ホウ素粉(B)、炭化ケイ素粉(以下、Sとも略す)及び炭素粉(G)更には必要に応じて炭化できる原料(P)とを混合し、成形、焼成工程を経て製造する方法である。以下に、本発明に係る焼結体の代表的な製造方法を具体的に示す。
【0011】
炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素粉(S)は、市販のものでも良いが、平均粒径がサブミクロンの炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素粉(S)は非常に高価であり、また、このような平均粒径の粉末は焼結性が良過ぎてしまい、それに伴って気孔半径も小さくなるため、平均粒径は1μm以上のものが特に好ましい。一方、炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素(S)の平均粒径が40μmを超えると、焼結体中のホウ素成分の偏在部が大きくなる傾向があり、耐酸化性に悪影響を及ぼすことがあるのであまり好ましくない。それ故、本発明においては、炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素粉(S)の平均粒径は、1〜40μm以下のものを使用した方が良い。
【0012】
炭素粉(G)は、一般に炭素材を製造するための骨材として使用されているものであれば良く、例えばニードルコークス、ピッチコークス、フリュードコークス、ギルソナイトコークス等の石油系や石炭系のか焼された又はか焼されていない各種コークス粉、PAN系やピッチ系の各種炭素繊維粉、メソカーボンマイクロビーズやバルクメソフェーズ等の各種メソフェーズカーボン粉、各種熱分解炭素粉、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック等の各種カーボンブラック粉、各種ガラス状炭素粉、各種人造黒鉛粉及び各種天然黒鉛粉などを用いることができる。平均粒径は、炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素粉(S)と同じ理由により、1〜40μmのものが特に好適である。
【0013】
必要に応じて使用する炭化できる原料(P)としては、ピッチ、タール類、芳香族多環式有機化合物、合成樹脂(例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂等の高分子化合物、特に縮合系高分子)や天然高分子等が具体的に挙げられる。これらは、主として炭化ホウ素粉(B)や炭化ケイ素粉(S)及び炭素粉(G)とを結合させるバインダー成分として添加するものであるが、焼成時には炭化して炭素粉(G)と渾然一体となり、最終的には焼結体の一成分として機能する。炭化できる原料(P)は、主に炭素粉(G)の持つ粘着性の有無によって、その使用の有無が決定される。例えば炭素粉(G)としてメソカーボンマイクロビーズやいわゆる生コークスを用いた場合には、それが持つ粘結成分により、この(P)を使用しなくても、成形することができる。しかし、炭素粉(G)として、いわゆるか焼コークス粉を用いた場合には、粘結成分をほとんど有していないため、これらだけでは固まらず、バインダー成分として炭化できる原料(P)を添加する必要がある。
【0014】
各原料成分(G)、(B)、(S)及び必要に応じ用いられる(P)の配合割合は、原則として、熱処理時に発生するガスによって割れやふくれ等を生じない配合割合であれば良く、通常は以下の通りである。なお、炭化ホウ素粉(B)及び炭化ケイ素粉(S)の混合粉を(BS)と略す。また、炭素原子とホウ素原子の質量はほぼ等しく、炭化ホウ素粉の質量の約4/5に相当する質量をホウ素の質量と推定できるので、焼結体中のホウ素含有濃度は、炭化ホウ素粉(B)の配合割合によって簡単に調節することができる。
【0015】
《炭素粉(G)が粘着性を有する場合》
(G) 50〜95質量%
(B)又は(BS) 5〜50質量%
なお、この場合には炭素粉(G)0〜20質量%を更に添加しても良い。
【0016】
《炭素粉(G)が粘着性を有しない場合》
(G) 40〜70質量%
(B)又は(BS) 5〜30質量%
(P) 15〜50質量%
【0017】
しかしながら、いずれの場合でも、ホウ素含有濃度が40質量%を超えると焼結しにくくなって、でき上がった焼結体の強度が急激に弱くなるため、炉内部材や治具の形状に加工できなくなる。また、このような高ホウ素濃度の焼結体は、平均気孔半径が0.1μm未満になると相手部材と固着してしまうため、本発明には適当でない。一方、ホウ素含有濃度が5質量%未満では、でき上がった焼結体の耐酸化性が低くなり過ぎ、基体が酸化されてしまう。特にこの酸化現象は、平均気孔半径が10μmを超える焼結体では顕著に現れる。さらに、平均気孔半径が10μmを超える焼結体の場合、機械的強度が急激に低下し、表面から微粒子が脱離して炉内や相手部材を汚染するため、炉内部材や治具としては実用的でない。このような理由により、0.1〜10μmの平均気孔半径を有する焼結体においては、ホウ素含有濃度が5〜40質量%でなければならない。
【0018】
これらの各原料を、常法に従い、任意の有効な装置により混合した後、昇温し、又は昇温しないで成形する。
【0019】
この際、成形圧力は(G)、(B)、(S)及び必要に応じて用いられる(P)の配合割合によって適宜決めることができるが、成形圧力が0.4ton/cm240MPa)未満では、平均気孔半径が大きくなり過ぎてしまい、10μm以上になる場合がある。さらには、焼結体の強度が低くなり過ぎて、炉内部材や治具の形状に加工できなくなる場合もある。一方、成形圧力が2.0ton/cm2(200MPa)を超えると、焼結体の焼き締まりが進み、焼結体の平均気孔半径が0.1μm未満になる場合もある。したがって、成形圧力は0.4乃至2.0ton/cm240〜200MPa)以下が好ましい。かかる成形は常法に従い、例えば金型成形、静水圧加圧成形の方法で行えば良い。
【0020】
このようにして成形された成形体を加圧し又は加圧しないで仮焼成(予備焼成ともいう)し、又は仮焼成しないで、炭素粉(G)や炭化できる原料(P)を炭化する。仮焼成温度は、通常600〜1300℃である。次いで、有意な焼結炉により焼成して焼結体にすることができる。焼成温度は、通常1000〜2800℃である。仮焼成や焼成は、常法に従い、例えばアルゴンガス等の非酸化性雰囲気で行う。
【0021】
以上のように、原料粒径、成型圧力及び焼成温度をいろいろ変化させることによって、平均粒径0.1乃至10μmの焼結体を得ることができる。
【0022】
得られた焼結体を所望の形状に加工して、各種製品に仕上げる。この際、相手部材に接触する面は、日本工業規格(JIS)B0601で定義され、同B0651に準拠して測定される中心線平均粗さRa(以下、表面粗さRaと言う)が1.6μm以上になるように加工した方が好ましい。なぜなら、炭化ホウ素の酸化により生じた酸化ホウ素は、焼結体の表面にガラス状の酸化保護膜として存在するわけだが、表面粗さRaが1.6μm以上になると、焼結体が接触している相手部材との空隙が多くなるため、より多くの酸化ホウ素を焼結体の表面付近に蓄えることができ、より一層の固着防止効果を奏するからである。また、かかる面の表面粗さRaが25.0μmを超えると、その表面から微粒子が脱離して炉内や相手部材を汚染する原因になる。それ故、相手部材に接触する焼結体の面は、表面粗さRaが1.6〜25.0μmになるように加工した方が良いのである。これらの表面粗さRaの規定は、溶融した酸化ホウ素の粘度変化に伴い、800℃以上に使用される炉内部材や治具等には特に効果的である。一方、相手部材の表面粗さも上記同様の理由により、相手部材の表面粗さRaが1.6μm以上の面に接触させるように焼結体を取付けた方が良い。
【0023】
本発明においては、焼結体には本発明の目的を阻害しない範囲であれば、形態を問わず他の元素や化合物を含んでいても良く、例えば製造上不可避の不純物元素Fe、Ca、V、Na、Al、Ni、Pb、Cr、Mg、Ti、S、P等やその化合物が含まれていても良い。
【0024】
【作用】
従来の焼結体の酸化保護膜である酸化ホウ素(B)は、焼結体の表面や表面付近の開気孔表面に生成していた。しかしながら、本発明に係る焼結体は、平均気孔半径を適度の大きさにしているため、酸化ホウ素を表面付近の開気孔内面にとどめることができ、焼結体と相手部材との固着を防止できる。ここで、炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体の場合、炭化ケイ素は酸化されると二酸化ケイ素(SiO)に変化して、酸化ホウ素膜と同様に酸化保護膜の機能を果たすが、この場合でも、平均気孔半径が0.1及至10μmの焼結体であれば足りる。二酸化ケイ素の融点は約1800℃であり、酸化ホウ素の融点に比べてかなり高温であるため、相手部材との固着原因にならないからと思われる。すなわち、焼結体に炭化ケイ素が含まれていても、ホウ素含有濃度と平均気孔半径とが特定の範囲内であれば、相手部材に固着しないことが判明して、本発明を完成させたのである。
【0025】
【実施例】
実施例により本発明を説明する。
【0026】
<炭素−炭化ホウ素焼結体>
【0027】
実施例1〜4、比較例1及び参考例1
コールタールピッチを加熱処理して生成したメソカーボンマイクロビーズ(平均粒径20μm)70質量%、炭化ホウ素粉(平均粒径15μm)20質量%及び人造黒鉛粉(平均粒径15μm)10質量%とを配合して、常圧で1時間混合した粉体を0.1〜2・2ton/cm(10〜220MPa)の各圧力で金型成形した。それらの成形体を非酸化性雰囲気下にて800℃で仮焼成した後、非酸化性雰囲気下において2100℃で3時間焼成して、各種の平均気孔半径を有する炭素−炭化ホウ素焼結体(ホウ素含有濃度16質量%)を製造した。
【0028】
実施例5〜9、比較例2、3及び参考例2
炭化ホウ素粉(平均粒径15μm)40質量%と生コークス粉(揮発分10質量%、平均粒径15μm)60質量%とを、らいかい機で30時間摩砕混合して平均粒径3μmの混合粉末にし0.1〜2.2ton/cm(10〜220MPa)の各圧力で金型成形した。それらの成形体を非酸化性雰囲気下にて2200℃で1時間焼成して、平均気孔半径の異なる炭素−炭化ホウ素焼結体(ホウ素含有濃度31質量%)を製造した。
【0029】
それぞれの方法で得られた焼結体について、平均気孔半径と曲げ強さの測定及びアルミナ板との固着試験を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003966911
【0031】
固着試験は、寸法20×20×10(mm)、表面粗さRaが3.2μmに加工した焼結体に、同形状のアルミナ板(表面粗さRa6.3μm)を乗せて、空気中800℃で3時間加熱して行った。ここで、参考例1(平均気孔半径30μm)及び参考例2(平均気孔半径19μm)は強度が弱く、加工の際に形状が少し崩れた。
【0032】
曲げ強さの測定は、各焼結体を10×10×60(mm)に加工して、スパン40mmの3点曲げ法にて行った。
【0033】
表1から、焼結体の平均気孔半径が0.1乃至10μmであれば固着しないことが分かる。
【0034】
また、ホウ素含有濃度5質量%及び40質量%の炭素−炭化ホウ素焼結体を製造し、上記と同様に加工して固着試験を行ってみたが、平均気孔半径が0.1〜10μmであればアルミナ板とは固着しなかった。
【0035】
<炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体>
【0036】
メソカーボンマイクロビーズ(平均粒径20μm)70質量%、炭化ホウ素粉(平均粒径15μm)7質量%及び炭化ケイ素粉(平均粒径15μm)23質量%とを配合して、らいかい機で1時間混合した粉体を0.2〜2ton/cm(20〜200MPa)の各圧力で金型成形した。この成形体を非酸化性雰囲気下にて2200℃で5時間焼成して、各種の平均気孔半径を有する炭素−炭化ホウ素焼結体(ホウ素含有濃度5質量%)を製造した。
【0037】
これを上記と同様に加工して固着試験を行ってみたが、平均気孔半径が0.1〜10μmであればアルミナ板とは固着しなかった。
【0038】
また、ホウ素含有濃度20質量%及び40質量%の炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体を製造し、上記と同様に加工して固着試験を行ってみたが、平均気孔半径が0.1〜10μmであればアルミナ板とは固着しなかった。
【0039】
なお、焼結体の気孔半径は水銀圧入法で測定し、使用した測定装置はカルロ・エルバ社製、水銀の表面張力は0.41N/m、水銀と焼結体との接触角は140°とし、平均気孔半径は測定された気孔半径0.01〜100μmでの累積気孔容積の1/2に相当する気孔半径とした。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る炭素−炭化ホウ素焼結体及び炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体は、ホウ素含有濃度と平均気孔半径とが特定の範囲であるため、接触する相手部材との固着を防止することができ、炉内部品や治具等に好適に使用できる焼結体を提供することができる。

Claims (2)

  1. ホウ素含有濃度が5乃至40質量%であり、且つ、水銀圧入法による平均気孔半径が0.1乃至10μmである炭素−炭化ホウ素焼結体又は炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体の相手部材に接触する面を、表面粗さRaが1.6乃至25μmとなるように加工した炉内部材。
  2. ホウ素含有濃度が5乃至40質量%であり、且つ、水銀圧入法による平均気孔半径が0.1乃至10μmである炭素−炭化ホウ素焼結体又は炭素−炭化ホウ素−炭化ケイ素焼結体の相手部材に接触する面を、表面粗さRaが1.6乃至25μmとなるように加工した治具。
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